JP3650484B2 - トリアルキルゲルミルエステル共重合体を含む防汚塗料組成物、およびその用途 - Google Patents

トリアルキルゲルミルエステル共重合体を含む防汚塗料組成物、およびその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、トリアルキルゲルミル共重合体を含む防汚塗料およびその用途に関し、さらに詳しくは、水棲生物の付着を効果的に防止しうる防汚塗膜を形成する防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構造物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
水中構造物、船底、漁網などは、水中に長期間さらされることにより、その表面に、貝、フジツボ等の動物類、ノリ(海苔)等の藻類、あるいはバクテリア類などの各種水棲生物が付着・繁殖することがあり、外観が損ねられ、その機能が害されることがある。
【0003】
従来では、このような汚染を防止すべく、前記のような構造物には、防汚塗料として、例えば、トリブチル錫メタクリレートとメチルメタクリレート等との共重合体(錫ポリマー)と亜酸化銅(Cu2O)とを含有するものが塗布されていた。
【0004】
この防汚塗膜中の該共重合体は、海水中で加水分解されてビストリブチル錫オキサイド(トリブチル錫エーテル,Bu3Sn-O-SnBu3:Buはブチル基)あるいはトリブチル錫ハロゲン化物(Bu3SnX:Xはハロゲン原子)等の有機錫化合物を放出して防汚効果を発揮するとともに、加水分解された共重合体自身も水溶性化して海水中に溶解していく「加水分解性自己研掃型塗料」であるため、塗膜表面は、樹脂残渣が残らず、常に活性な表面を保つことができる。
【0005】
しかしながら、このような有機錫化合物は、毒性が強く、海洋汚染、奇形魚類の発生、食物連鎖による生態系への悪影響などが懸念され、これに代わり得るような錫を含有しない共重合体を用いた防汚塗料組成物の開発が求められている。
【0006】
また、水中展望台の水中窓や潜水艦の水中センサーなど透明性が要求される構造物に、防汚塗料を塗布する場合、防汚塗料組成物中に亜酸化銅(Cu2O)などの防汚剤が含まれていると、塗膜が着色したり、塗料自体が不透明になってしまうので、防汚剤を含まずに、防汚性を発揮できる透明防汚塗料組成物の開発も求められている。このような透明防汚塗料組成物として、錫ポリマーは、ポリマー自身が防汚性を有しているため、有望な化合物であるが、前述のように環境問題の点から、使用は好ましくない。
【0007】
このような錫を含有しない防汚塗膜としては、例えば、特公平7−64985号公報には、亜鉛、銅またはテルル原子からなる金属含有樹脂組成物が開示されている。しかしながら、この組成物自体の防汚性が不充分である上、金属の種類によって着色しており、無色透明性を要求される用途には好ましくない。
【0008】
また特開平7-102193号公報には、トリオルガノシリル基を有する不飽和単量体からなる共重合体と、防汚剤とを必須成分として含有する防汚塗料組成物が開示されている。しかしながら、このような珪素原子を含む防汚塗料組成物は、防汚剤を含有しているため、塗膜が不透明であったり、着色していたりするため、透明性が要求される防汚塗膜に用いることはできない。また、このトリオルガノシリル基を有する不飽和単量体からなる共重合体はそれ自体の生理活性が低く、錫を含有する塗膜に比べて、著しく防汚性が劣るという欠点がある。
【0009】
特開平3-278059号公報には、トリエチルゲルミル(メタ)アクリレートの重合体および共重合体が開示されている。しかしながら、このような重合体および共重合体を用いた防汚塗膜は、耐水性、耐加水分解性に劣るため、塗膜にクラックを生じたり、塗膜が剥離しやすい上、海水中では短期間で崩壊、消失してしまうなどの問題点があった。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、錫を含有せず、透明性、耐水性、耐クラック性、耐剥離性などの物性に優れ、防汚性、自己研掃性(消耗性)に優れた透明防汚塗料組成物およびこの透明防汚塗料組成物を用いた透明防汚塗膜および没水透明構造物の防汚方法を提供することを目的としている。
【0011】
また本発明は、防汚性、自己研掃性(消耗性)に優れ、耐クラック性、耐剥離性などの物性に優れた防汚塗膜を形成できるような防汚塗料組成物、このような防汚塗料組成物から形成されている塗膜、このような防汚塗料組成物を用いた防汚方法、塗膜で被覆された船体または水中構造物を提供することを目的としている。
【0012】
【発明の概要】
本発明に係る透明防汚塗料組成物は、トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体からなることを特徴としている。
【0013】
上記トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体は、下記一般式(I)で表されるトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレートから誘導される構成単位を含んでいることを特徴としている。
【0014】
【化3】
Figure 0003650484
【0015】
(式中、R1〜R3は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数3以上のアルキル基を示し、R4は水素原子またはメチル基を示す。)
上記共重合体中のトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレートから誘導される成分単位は、15〜45モル%であることが好ましい。
【0016】
本発明に係る透明防汚塗膜は、上記透明防汚塗料組成物から形成されている。本発明に係る没水透明構造物の防汚方法は、上記透明防汚塗料組成物を没水透明構造物の表面に塗布して透明防汚塗膜を形成することを特徴としている。
【0017】
この防汚方法は、没水透明構造物が水中窓、水槽、水中ライトカバーであると好適である。
本発明に係る水中センサー、水中マーキングまたは船舶用プロペラの防汚方法は、上記透明防汚塗料組成物を水中センサー、水中マーキングまたは船舶用プロペラの表面に形成することを特徴としている。
【0018】
本発明に係る防汚塗料組成物は、防汚剤と、トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体とからなることを特徴としている。
上記トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体が下記一般式(I)で表されるトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレートから誘導される構成単位を含んでいることが好ましい。
【0019】
【化4】
Figure 0003650484
【0020】
(式中、R1〜R3は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数3以上のアルキル基を示し、R4は水素原子またはメチル基を示す。)
上記共重合体中のトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレートから誘導される成分単位は、15〜45モル%であることが好ましい。
【0021】
本発明に係る防汚塗膜は上記防汚塗料組成物から形成されている。
本発明に係る船体または水中構造物の防汚方法は、上記防汚塗料組成物を船体または水中構造物の表面に塗布して防汚塗膜を形成することを特徴としている。
【0022】
本発明に係る船体または水中構造物は上記防汚塗料組成物からなる塗膜にて船体または水中構造物の表面が被覆されていることを特徴としている。
【0023】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る防汚塗料組成物について、具体的に説明する。
透明防汚塗料組成物
本発明に係る透明防汚塗料組成物は、トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体からなる。
【0024】
このような共重合体は、下記一般式(I)で表されるトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレートから誘導される構成単位を含んでいる。
【0025】
【化5】
Figure 0003650484
【0026】
式中、R1〜R3は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数3以上のアルキル基、好ましくはR1〜R3がいずれも同一の炭素数3以上のアルキル基である。R4は、水素原子またはメチル基である。
【0027】
このようなトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレートとして具体的には、トリn-プロピルゲルミル(メタ)アクリレート、トリi-プロピルゲルミル(メタ)アクリレート、トリn-ブチルゲルミル(メタ)アクリレート、トリi-ブチルゲルミル(メタ)アクリレート、トリs-ブチルゲルミル(メタ)アクリレート、などが挙げられる。これらのうち、トリi-ブチルゲルミル(メタ)アクリレートが好ましく使用される。
【0028】
上記のようなトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレートと共重合されるモノマー(コモノマー)としては、任意の重合性不飽和化合物(エチレン性不飽和単量体)を用いることができ、このような重合性不飽和化合物としては、具体的には、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、N-ビニルピロリドンなどを挙げることができる。これらのコモノマーは、要求される造膜性、硬度、消耗性などに応じて任意に用いることができる。
【0029】
トリn-ブチルゲルミル(メタ)アクリレート、トリi-ブチルゲルミル(メタ)アクリレートのコモノマーとしては、メタクリル酸メチルエステル(MMA)、メタクリル酸エチルエステル(EMA)、メタクリル酸ブチルエステル(BMA)等のメタクリル酸低級アルコールエステルが好ましく、このようなMMA、EMAまたはBMAは、コモノマー(エチレン性不飽和単量体)中に、通常、30重量%、好ましくは、50重量%以上の量で用いられていることが好ましい。
【0030】
このような共重合体は、トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体中のトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレートから誘導される成分単位を15〜45モル%、好ましくは20〜45モル%、さらに好ましくは20〜40モル%の範囲で含有している。このような範囲であると、長期防汚性に優れた透明防汚塗料組成物が得られる。
【0031】
このような共重合体は、メタクリル酸エステルから誘導される成分単位とトリアルキルゲルミルエステルから誘導される成分単位とのランダム共重合体、ブロック共重合体であり、特にランダム共重合体が合成の容易さ、塗膜の造膜性、長期防汚性に優れている。
【0032】
また、この共重合体のGPC測定による数平均分子量(Mn)は、1000〜100000、好ましくは1000〜80000、さらに好ましくは1000〜40000であり、また重量平均分子量(Mw)は、1000〜250000、好ましくは1000〜150000であり、またこの共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、通常1.0〜10.0、好ましくは1.0〜6.0であることが望ましく、またこの共重合体のガラス転移温度(Tg)は、通常−10〜100℃、好ましくは0〜80℃であることが望ましく、また、この共重合体の例えば30重量%(トルエンと酢酸n-ブチルとの混合溶媒、トルエン:酢酸n-ブチルの重量比=1:1)溶液における粘度(25℃)は、通常10000cps以下、好ましくは5000cps以下、さらに好ましくは3000cps以下であることが望ましい。
【0033】
この共重合体の数平均分子量が上記範囲1000〜40000内にあると、塗装作業性、長期間の塗膜防汚性能および得られる塗料組成物の塗料状態と貯蔵安定性に優れるようになる。
【0034】
このようなトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体として、具体的には、
トリn-プロピルゲルミルメタクリレートまたはトリi-プロピルゲルミルメタクリレート41〜66重量%と、メチルメタクリレート59〜34重量%とからなる共重合体、
トリn-ブチルゲルミル(メタ)アクリレート、トリi-ブチルゲルミル(メタ)アクリレートおよびトリs-ブチルゲルミル(メタ)アクリレートのいずれか1種以上45〜69重量%と、メチルメタクリレート55〜31重量%とからなる共重合体などが挙げられる。
【0035】
コモノマーのメチルメタクリレートについては、その一部または全量をエチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレートで置換することが可能であり、またそれ以外のモノマーについてはメチルメタクリレートの半量までが置換可能である。このように置換することで、任意の塗膜硬度、消耗性を設定することが可能である。
【0036】
たとえば、塗膜に柔軟性を必要とする場合はブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート等の低いガラス転移温度を有するモノマーを、
より消耗性を要求する場合は2-メトキシエチルアクリレート、ビニルピロリドンなどの親水性モノマーを、
より耐水性を必要とする場合はt-ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等のモノマーを適宜使用すればよい。
【0037】
なお、これら共重合体の数平均分子量(Mn)は1000〜100000、好ましくは1000〜45000であり、重量平均分子量(Mw)は1000〜250000、好ましくは1000〜150000であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜10.0、好ましくは1.0〜6.0であり、ガラス転移温度(Tg)は、−10〜100℃、好ましくは0〜80℃であり、これらの共重合体のたとえば30重量%(トルエンと酢酸n-ブチルとの混合溶媒、トルエン:酢酸n-ブチルの重量比=1:1)溶液における粘度(25℃)は3000cps以下であるものが好ましい。
【0038】
このようなトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体を調製するには、例えば、通常窒素気流中などの不活性雰囲気下、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン等の有機溶媒中で、トリブチルゲルミル(メタ)アクリレート等のトリアルキルゲルミルエステルと、コモノマー類中にメチルメタクリレートが50重量%以上(例:80重量%)の量で含有された重合性不飽和化合物とを、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系あるいは過酸化物系などの重合開始剤、必要に応じてn−オクチルメルカプタンなどの重合調整剤などの存在下に、2〜12時間程度、50〜120℃程度の温度でラジカル重合等の方法にて反応させればよい。重合開始剤は、トリアルキルゲルミルエステルと、コモノマー類の合計量に対して0.01〜10重量%、重合調整剤はトリアルキルゲルミルエステルと、コモノマー類の合計量に対して0〜10重量%含まれていればよい。
【0039】
このようにして得られたトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体には、用いられた各モノマー量に対応する量で各成分単位が含まれている。
なお重合方法は、簡便な上記ラジカル溶液重合法に限定されず、従来より公知の乳化重合、懸濁重合、塊状重合などの方法を採用することができる。
【0040】
また溶媒としては、上記芳香族系、エステル系、ケトン系の他、脂肪族系、エーテル系、アルコール系など通常塗料用として汎用されている各種溶剤から任意に選択することができる。
【0041】
本発明に係る透明防汚塗料組成物には、上記トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレートに加えて、透明性を失わない範囲で他の従来公知の溶剤、樹脂、溶出助剤、防汚剤、可塑剤および添加剤などを含んでいてもよい。
【0042】
溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系、
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系、
ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系、
ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系、
イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶剤などが挙げられる。このような溶媒は、上記トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体100重量部に対して、10〜1000重量部、好ましくは15〜100重量部含まれていればよい。
【0043】
樹脂としては、アルキッド樹脂、塩化ゴム樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ビニルエーテル系樹脂、エポキシ樹脂、石油樹脂などが挙げられる。このような樹脂は上記トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体100重量部に対して、0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部含まれていればよい。
【0044】
溶出助剤としては、ロジン、ロジン金属塩、ナフテン酸、ナフテン酸金属塩などが挙げられる。このような溶出助剤は、上記トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体100重量部に対して、0〜500重量部、好ましくは0〜100重量部含まれていればよい。
【0045】
防汚剤としては、4,5-ジクロロ-2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オンなどの有機系であり、かつ溶剤に可溶な防汚剤が透明性の点で好ましく、このような防汚剤は上記上記トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体100重量部に対して、0〜50重量部、好ましくは0〜30重量部含まれていればよい。
【0046】
可塑剤としては、塩素化パラフィン、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等のフタル酸エステル類、トリクレジルホスフェート等のリン酸エステル類等の公知の可塑剤が挙げられる。このような可塑剤は、上記トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体100重量部に対して、0〜100重量部、好ましくは0〜50重量部含まれていればよい。
【0047】
添加剤としては、従来公知の増粘剤、消泡剤、レベリング剤、脱水剤等の安定剤などが挙げられる。このような添加剤は、上記トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体100重量部に対して、0〜20重量部、好ましくは0〜10重量部含まれていればよい。
【0048】
本発明に係る透明防汚塗膜は上記のような透明防汚塗料組成物から形成されている。塗膜の形成方法は、従来より公知の塗布方法であれば任意に選択することができる。たとえば、ディッピング法、刷毛塗り、ローラー塗り、エアースプレー塗装、エアレススプレー塗装、エアゾール噴霧などが挙げられる。このようにして形成された塗膜の厚さは、1μm〜10mm、好ましくは5μm〜1mmである。
【0049】
上記のような透明防汚塗料組成物を没水透明構造物の表面に塗布して透明防汚塗膜を形成すると、没水透明構造物の透明性を損なうことなく、貝類などの水棲生物の付着を防ぐことができる。
【0050】
特に、水中窓、水槽、水中ライトカバーなどの表面に透明防汚塗膜を形成すると、透明性および美観を損ねることがなく好適である。
また上記のような透明防汚塗膜を、潜水艦などの水中センサー表面に形成すると、センサー部への水棲生物の付着を防ぐことができ、センサーの機能を長期に渡って維持することができる。
【0051】
さらに、この透明防汚塗膜を没水環境で供試される試験片や水中構造物のマーキング部上に形成すると、マーキング部への貝類などの付着を防止できるとともに、マーキング部の視認性を有しているため、水中あるいは引き上げ後のマーク確認が容易になる。
【0052】
さらにまた、このような透明防汚塗料組成物からなる透明防汚塗膜を船舶用プロペラ表面に形成すると、亜酸化銅のような防汚剤を含んでいないため、防汚剤(亜酸化銅など)とプロペラ基材(銅合金など)との間の電位差によって表面が腐食されるというような悪影響を防ぐことができる。また、透明塗膜であるため、プロペラ基材のクラックや腐食状態を目視によって確認するすることができる。
【0053】
[防汚塗料組成物]
本発明に係る防汚塗料組成物は、防汚剤と、トリアルキルゲルミル(メタ) アクリレート共重合体とからなる。
【0054】
このトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体は下記一般式(I)で表されるトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレートから誘導される構成単位を含んでいる。
【0055】
【化6】
Figure 0003650484
【0056】
式中、R1〜R3は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数3以上のアルキル基を示し、R4は水素原子またはメチル基を示す。
この共重合体中のトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレートから誘導される成分単位は、15〜45モル%、好ましくは20〜45モル%、さらに好ましくは20〜40モル%である。
【0057】
このようなトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体としては、上記のようなトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体が挙げられる。なお、このような共重合体中にカルボン酸残基が存在していると、得られる防汚塗料組成物の貯蔵安定性を低下させることがあるため、該共重合体中には、カルボン酸残基が存在しないことが望ましい。該共重合体の合成時にはカルボン酸残基を有しない高純度のモノマーを用いることが好ましい。
【0058】
また、合成時または合成後に使用する溶媒としては、特に水分含有量の低い溶媒が好ましく、このような低水分溶媒を用いると、上記反応時およびその後の加水分解反応を避けることができるため好ましい。
【0059】
本発明の塗料組成物において、他の必須成分である防汚剤として、従来公知のものを用いることができる。
防汚剤としては、具体的に、
銅粉、亜酸化銅、ロダン銅(CuSCN)、銅−ニッケル合金、8-オキシキノリン銅、ナフテン酸銅、2-ピリジンチオール-1-オキシド銅塩等の銅化合物、
2-ピリジンチオール-1-オキシド亜鉛塩、ジンクジメチルジチオカーバメート、ジンクエチレンビスジチオカーバメート、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート、酸化亜鉛等の亜鉛化合物、
4,5-ジクロロ-2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン等のイソチアゾロン誘導体、
2-メチル-4-t-ブチルアミノ-6-シクロプロピルアミノ-s-トリアジン等のトリアジン系化合物、
N-(2,4,6-トリクロロフェニル)マレイミド等のマレイミド誘導体、
N,N-ジメチル-ジクロロフェニル尿素、2,4,5,6-テトラクロロイソフタロニトリル、ピリジン-トリフェニルボロン、テトラメチルチウラムジサルファイド、N-(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、N,N-ジメチル-N'-フェニル-(N'-フルオロジクロロメチルチオ)スルファミド、3-ヨード-2-プロピニルブチルカーバメート、2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチルスルホニル)ピリジン、ジヨードメチルパラトリルスルホン等が挙げられる。
【0060】
このような防汚剤は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
このような防汚剤は、防汚塗料組成物調製時に用いられる防汚剤、トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体などの種類あるいはこのような防汚塗料組成物が塗布形成される船舶等の種類(船舶では、外航−内航用、各種海水域用、木造−鋼鉄船用等)などにもより一概に決定されないが、上記皮膜形成性共重合体100重量部に対して、防汚剤総量として通常0.1〜1500重量部の量で、好ましくは1〜1200重量部の量で用いられる。
【0061】
例えば、防汚剤として上記亜酸化銅を用いる場合、この亜酸化銅は、上記トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体100重量部に対して通常、80〜1200重量部程度の量で防汚塗料組成物中に含有されていてもよい。
【0062】
このような本発明に係る防汚塗料組成物は、防汚剤とトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体とを含有しているが、この他に前述した溶剤、樹脂、溶出助剤、可塑剤、添加剤を含んでいてもよく、また各種顔料、脱水剤を含んでいてもよい。
【0063】
顔料としては、公知の着色顔料、体質顔料を用いることができる。
また、脱水剤が含有された防汚塗料組成部物では、貯蔵安定性を向上させることができ、このような脱水剤としては無水石コウ(CaSO4)、合成ゼオライト系吸着剤(商品名:モレキュラーシーブ等)、オルソギ酸メチル、オルソ酢酸メチル等のオルソエステル類、オルソほう酸エステル、シリケート類やイソシアネート類(商品名:アディティブTI等)などが挙げられる。
【0064】
防汚塗料組成物の製造
このような防汚塗料組成物は、従来より公知の方法を適宜利用することにより製造することができ、例えば、上記トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体と、上記トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体100重量部に対して0.1〜1500重量部の量の防汚剤(例:亜酸化銅80〜1200重量部)と、5〜400重量部の量で必要により用いられる亜鉛華と、任意量の脱水剤(例:無水石膏、モレキュラーシーブ)、可塑剤、タレ止め・沈降防止剤、顔料、溶剤などとを一度にあるいは任意の順序で加えて攪拌・混合・分散すればよい。
【0065】
上記のような防汚塗料組成物を水中構造物(例:原子力発電所の給排水口)の表面に、あるいは、湾岸道路、海底トンネル、港湾設備、運河・水路等のような各種海洋土木設備の工事用の汚泥拡散防止膜の表面に、あるいは、船舶、漁具(例:ロープ、漁網)などの各種成形体の表面に常法に従って1回〜複数回塗布して防汚塗膜を形成すれば、防汚性に優れた防汚塗膜被覆船体または水中構造物などが得られる。なお、この本発明に係る防汚塗料組成物は、直接上記船体または水中構造物等の表面に塗布してもよく、また予め防錆剤、プライマーなどの下地材が塗布された船体または水中構造物等の表面に塗布してもよい。さらには、既に従来の防汚塗料による塗装が行われ、あるいは本発明発明の防汚塗料組成物による塗装が行われている船体、水中構造物等の表面に、補修用として本発明の防汚塗料組成物を上塗りしてもよい。このようにして船体、水中構造物等の表面に形成された防汚塗膜の厚さは特に限定されないが、例えば、30〜150μm/回程度である。
【0066】
【発明の効果】
このような本発明に係る透明防汚塗料組成物は、耐水性、耐加水分解性、耐クラック性、耐剥離性などの物性に優れ、かつ錫ポリマーを含有する防汚塗料組成物と同様に防汚性、自己研掃性(消耗性)に優れた透明防汚塗膜を形成することができる。
【0067】
このため、塗膜に透明性が要求される水中窓や水中ライトのカバー等の没水水中構造物、水中センサー、水中マーキング、船舶用プロペラなどの防汚に好適である。
【0068】
また、本発明に係る防汚塗料組成物は、耐水性、耐加水分解性、耐クラック性、耐剥離性などの物性に優れ、かつ錫ポリマーを含有する防汚塗料組成物と同様に防汚性、自己研掃性(消耗性)に優れた防汚塗膜を形成することができる。
【0069】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何等制限されるものではない。なお、以下の実施例、比較例等において、「部」は「重量部」の意味である。また、表中の各成分量は、特に断らない限りいずれも「重量部」表示で示す。
【0070】
[評価方法]
本発明に係る防汚塗料組成物の特性は以下のように測定した。
▲1▼耐水性
76×26×1mmのスライドガラスの片面に共重合体溶液を、乾燥膜厚が約60μmとなるように、アプリケータを用いて塗布し、7日間室内で乾燥して、スライドガラスの片面に塗膜を形成する。
【0071】
この塗膜が形成されたスライドガラスをイオン交換水を入れたビーカー中に48時間浸漬し、浸漬後の塗膜の状態観察および浸漬前後のIRスペクトルの変化を測定する。
【0072】
▲2▼防汚性試験(透明防汚塗料)
200×100×5mmのガラス板の両面に共重合体溶液を刷毛塗りにて乾燥膜厚が200μmとなるように塗布する。
【0073】
長崎湾に設置した試験筏から試験片を水深1mの地点につるし、6か月経過後の防汚性を以下のような評価基準で評価する。
Figure 0003650484
【0074】
Figure 0003650484
▲3▼消耗性(透明防汚塗料)
防汚性試験で用いた試験片のマーキング部を指でこすり、段差の指触状態により、塗膜の消耗性を以下のような評価基準で評価する。
【0075】
Figure 0003650484
▲4▼防汚性(防汚塗料)
100×300×2mmのサンドブラスト鋼板にエポキシ系ジンクリッチプライマー(乾燥塗膜中の亜鉛含有率80重量%)、エポキシ系防食塗料、ビニル系バインダーコートをそれぞれの乾燥膜厚が20μm、150μm、75μmとなるように1日毎に塗装した後、供試防汚塗料組成物をその乾燥膜厚が100μmとなるように塗装し、試験板を得た。この供試試験板を広島湾内に設置した試験筏から水深1mの地点につるし、12ヶ月経過した時点での試験板への各種水棲生物の付着面積を測定し、防汚性の評価を行った。
【0076】
▲5▼消耗性(防汚塗料)
広島湾の海中に設置した回転ドラムの側面に取付け可能なように曲げ加工が施された70×200×3mmのサンドブラスト板を用意した。このサンドブラスト板に、エポキシ系ジンクリッチプライマー(乾燥塗膜中の亜鉛末含有率80重量%)、エポキシ系防食塗料、ビニル系バインダーコートをそれぞれの乾燥膜厚が20μm、150μm、50μmとなるように順次重ねて塗装した後、供試防汚塗料組成物をその乾燥後の膜厚が200μmとなるように塗装し、試験板を得た。
【0077】
回転ドラムにこの試験板を取り付け、周速15ノットにて6カ月間船舶の運航をシュミレートした後、膜厚の減少を測定し、消耗性の評価を行った。
【0078】
【実施例1】
透明性防汚塗料組成物]
共重合体G−1の製造
攪拌機、コンデンサー、温度計、滴下装置、加熱・冷却ジャケットを備えた反応容器にトルエン60部、酢酸-n-ブチル60部を仕込み窒素気流下で85℃の温度条件に加熱攪拌を行った。
【0079】
同温度を保持しつつ滴下装置より、上記反応器内にトリイソブチルゲルミルメタクリレート49.4部、メチルメタクリレート30.6部および重合開始剤の2,2'-アゾビスイソブチロニトリル0.5部の混合物を4時間かけて滴下した。
【0080】
その後同温度で4時間攪拌を続けた後、上記反応器内に2,2'-アゾビスイソブチロニトリル0.1部を加え、さらに同温度で4時間攪拌を続けて無色透明の共重合体溶液G−1を得た。
【0081】
得られた共重合体溶液G−1を105℃で3時間加熱した後の加熱残分は39.9重量%であり、1H−NMRにより求めた共重合体の組成は仕込みモノマー組成と等しく、各モノマー成分がランダムに配列した共重合体であると考えられる。
【0082】
またこの共重合体溶液G−1中の共重合体のDSC測定によるガラス転移温度(Tg)は58℃であり、共重合体溶液G−1の25℃における粘度は1520cpsであり、GPC測定による数平均分子量(Mn)は16100であり、重量平均分子量(Mw)は38600であった。このような共重合体溶液G−1の特性を表1に示す。
【0083】
この共重合体溶液G−1を用いて透明防汚塗膜を作成し、上記▲1▼〜▲3▼のように塗膜の耐水性、防汚性、消耗性を評価した。
結果を表2に示す。
【0084】
【実施例2,3】
共重合体G−2 , 3の製造
上記共重合体G−1の製造の際に、滴下配合成分を表1に示すように変えた以外は、上記と同様にして共重合体G−2,3を得て、実施例1と同様にこれらの共重合体(溶液)を用いた透明防汚塗膜について、耐水性、防汚性、消耗性を評価した。結果を表2に示す。
【0085】
【参考例1,2】
共重合体H−1 , 2の製造
上記共重合体G−1の製造の際に、滴下配合成分を表1に示すように変えた以外は、上記と同様にして共重合体H−1,2を得、実施例1と同様にこれらの共重合体(溶液)を用いて透明防汚塗膜を形成した。
【0086】
【表1】
Figure 0003650484
【0087】
【比較例1】
共重合体H−3
共重合体として、以下に示すポリマーを使用する以外は実施例1と同様にして、透明防汚塗膜について、耐水性、防汚性、消耗性を評価した。結果を表2に示す。
【0088】
Figure 0003650484
【0089】
【比較例2】
共重合体H−4
共重合体として、以下に示すポリマーを使用する以外は実施例1と同様にして、透明防汚塗膜について、耐水性、防汚性、消耗性を評価した。結果を表2に示す。
【0090】
Figure 0003650484
【0091】
【表2】
Figure 0003650484
【0092】
表2に示すように、実施例1〜3は比較例1(錫ポリマーの塗膜)と同等の耐水性、耐加水分解性、防汚性、消耗性を有している。
実施例1および実施例2の海水浸漬後の塗膜表面の表層および表層をナイフで切り取った内部の面のIRスペクトルをフーリエ変換赤外−顕微分析システムにより測定すると、表面層に若干の加水分解が認められる他は、表面および内部のIRスペクトルとは良く近似しており、塗膜内部では、耐加水分解性を有しながら、弱アルカリ性の海水との接触面のみで加水分解、溶出を生じていることが示された。この実施例2の塗膜表面および塗膜内部のIRスペクトルを図6に示す。また、比較例1(錫ポリマーの塗膜)のIRスペクトルも、実施例1および2と同様な傾向を示した(図7)。
【0093】
【実施例4〜8、比較例3,4】
防汚塗料組成物の製造例
表3に示す配合組成の各防汚塗料組成物を製造した(各成分量は重量部表示)。
【0094】
表3に示す配合組成の防汚塗料組成物を製造するに際しては、ガラスビーズを入れたペイントシェーカー内でこれらの配合成分を一緒にして2時間振とうした後、室温で12時間熟成を行った。次いで100メッシュのフィルターにて濾過して、所望の防汚塗料組成物を得た。
【0095】
この防汚塗料組成物について、上記▲4▼および▲5▼の防汚性、消耗性の評価を行った。
【0096】
【表3】
Figure 0003650484
【0097】
なお、表中の成分名称等は以下の通りである。
▲1▼「トヨパラックス150」
東ソー(株)製の塩素化パラフィン、平均炭素数:14.5、塩素含有率(量)50%、粘度:12ポイズ/25℃、比重:1.25/25℃。
▲2▼「モレキュラーシーブ4A」
脱水剤、ユニオン昭和(株)製、合成ゼオライトパウダー。
▲3▼「ディスパロン305」
楠本化成(株)製の水添ヒマシ油系タレ止め剤。
▲4▼「ディスパロン4200-20」
楠本化成(株)製の酸化ポリエチレン系沈降防止剤、20%キシレンペースト。
【0098】
【表4】
Figure 0003650484

【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の透明防汚塗料組成物より形成された塗膜のイオン交換水浸漬前後のIRスペクトルの変化。
【図2】 実施例3の透明防汚塗料組成物より形成された塗膜のイオン交換水浸漬前後のIRスペクトルの変化。
【図3】 比較例1の透明防汚塗料組成物より形成された塗膜のイオン交換水浸漬前後のIRスペクトルの変化。
【図4】 実施例2の塗膜の海水浸漬後の塗膜表面および塗膜内部のIRスペクトルの変化。
【図5】 比較例1の塗膜の海水浸漬後の塗膜表面および塗膜内部のIRスペクトルの変化。

Claims (13)

  1. トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体からなることを特徴とする透明防汚塗料組成物。
  2. 上記トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体が下記一般式(I)で表されるトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレートから誘導される構成単位を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の透明防汚塗料組成物。
    Figure 0003650484
    (式中、R1〜R3は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数3以上のアルキル基を示し、R4は水素原子またはメチル基を示す。)
  3. 上記共重合体中のトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレートから誘導される成分単位が、15〜45モル%であることを特徴とする請求項1に記載の透明防汚塗料組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の透明防汚塗料組成物から形成されている透明防汚塗膜。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の透明防汚塗料組成物を没水透明構造物の表面に塗布して透明防汚塗膜を形成することを特徴とする没水透明構造物の防汚方法。
  6. 没水透明構造物が水中窓、水槽、水中ライトカバーであることを特徴とする請求項5に記載の防汚方法。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の透明防汚塗料組成物を水中センサー、水中マーキングまたは船舶用プロペラの表面に塗布して透明防汚塗膜を形成することを特徴とするとする水中センサー、水中マーキングまたは船舶用プロペラの防汚方法。
  8. 防汚剤と、
    トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体とからなることを特徴とする防汚塗料組成物。
  9. 上記トリアルキルゲルミル(メタ)アクリレート共重合体が下記一般式(I)で表されるトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレートから誘導される構成単位を含んでいることを特徴とする請求項8に記載の防汚塗料組成物。
    Figure 0003650484
    (式中、R1〜R3は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数3以上のアルキル基を示し、R4は水素原子またはメチル基を示す。)
  10. 上記共重合体中のトリアルキルゲルミル(メタ)アクリレートから誘導される成分単位が、15〜45モル%であることを特徴とする請求項8に記載の防汚塗料組成物。
  11. 請求項8〜10のいずれかに記載の防汚塗料組成物から形成されている防汚塗膜。
  12. 請求項8〜10のいずれかに記載の防汚塗料組成物を水中構造物の表面に塗布して防汚塗膜を形成することを特徴とする船体または水中構造物の防汚方法。
  13. 請求項8〜10のいずれかに記載の防汚塗料組成物からなる塗膜にて船体または水中構造物の表面が被覆されていることを特徴とする船体または水中構造物。
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