JPH05295303A - 防汚塗料用樹脂組成物 - Google Patents

防汚塗料用樹脂組成物

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JPH05295303A
JPH05295303A JP4096496A JP9649692A JPH05295303A JP H05295303 A JPH05295303 A JP H05295303A JP 4096496 A JP4096496 A JP 4096496A JP 9649692 A JP9649692 A JP 9649692A JP H05295303 A JPH05295303 A JP H05295303A
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antifouling
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resin
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JP4096496A
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Shigeru Komazaki
茂 駒崎
Masataka Ooka
正隆 大岡
Koji Kinoshita
宏司 木下
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 たとえば、トリアゾールエステル基を有す
る、ビニル系重合体、ポリエーテル系重合体、ポリエス
テル系重合体、ポリアミド系重合体および/またはポリ
ウレタン系重合体などの、いわゆる該トリアゾールエス
テル基含有の各種の重合体類を、必須の被膜形成性成分
として含有することから成る、防汚塗料用樹脂組成物。 【効果】 海水中で、徐々に、加水分解するという、特
定の官能基を有する重合体を用いたものである処から、
強固で、しかも、適度なる水溶性を保持するという、斬
新なる形の塗膜を形成せしめることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規にして有用なる防汚
塗料用樹脂組成物に関する。さらに詳細には、カルボキ
シル基含有重合体中の該カルボキシル基を、N−ヒドロ
キシトリアゾール誘導体化合物で以てブロックせしめた
形の、つまり、トリアゾールエステル基という特定の基
を有する重合体を、最低必須の成分として含んで成る、
セルフ・ポリッシング型の防汚塗料用樹脂組成物に関す
る。
【0002】そして、本発明の組成物は、長期防汚性に
優れ、船底ならびに魚網などに用いられる防汚塗料に供
されるものである。
【0003】
【従来の技術】水面下にある物体、構築物または船底な
どの、いわゆる海水中に長時間放置される物体の表面に
は、藻類やフジツボなどの水棲生物が付着し、成長増殖
するために、その外観を損なうし、しかも、腐食が起こ
る。そして、船については、船速低下と燃費増大との原
因にもなっている。
【0004】また、養殖用の網や金網などへの水棲生物
の付着によって、海水の流れが阻止され、そのために、
酸素不足が起こり、ひいては、魚類ないしは貝類が死ん
でしまうという、大きな問題にもなっている。
【0005】そのために、かかる水棲生物の成長を防ぐ
ために、それらの物体の表面には、トップコートとし
て、種々の防汚塗料が塗布されている。
【0006】かかる防汚塗料は、疎水性樹脂と、親水性
樹脂または親水性化合物と、それ自体が毒物である、各
種の有機錫化合物や亜酸化銅などのうな、種々の防汚剤
とを含んでいる。
【0007】この塗膜が海水と接触すると、親水性樹脂
または親水性化合物と、防汚剤とが、その表面から溶出
していく。
【0008】しかし、こうした塗膜が海水に接触する
と、直ちに、望ましくないほど速やかに、防汚剤の溶出
が起こり、その結果、必要以上に、高濃度の毒物が、被
覆物の周りに存在することとなり、防汚剤の浪費と、海
水の汚染とを惹起する処となっていた。
【0009】そして、或る程度まで、防汚剤の溶出が進
行したのちには、この防汚剤の溶出速度が低下してしま
い、海中の水棲生物の付着が再開するという問題があっ
た。この問題を解決するために、側鎖にトリブチル錫エ
ステル基を有するビニル系重合体から成る防汚塗料組成
物が開発された。
【0010】これは、この重合体をビヒクルとする塗膜
が、海水に触れると、前記トリブチル錫エステル基が加
水分解されて、海水に可溶なるカルボキシレート基と、
トリブチル錫ハイドロオキサイドとに分解する。
【0011】そのうち、前者は、塗膜の海水中への溶解
に寄与するし、後者は防汚剤として作用するという処か
ら、塗膜が海水と接触すると、常に、新鮮なる塗膜が生
成し形成され、防汚剤が均一なる速度で以て溶出して、
長期間に亘って、防汚効果を発揮し保持することから、
多くの船底、水中構築物ならびに漁網などに、幅広く使
用されてきた。
【0012】このように、塗膜自身が海水によって水溶
化するタイプを、セルフ・ポリシング型と称する。
【0013】しかし、近年、有機スズ化合物の、生物や
環境に与える悪影響が問題にされ、その使用が制限され
て来た。そこで、セルフ・ポリシング型で、しかも、生
物や環境に悪影響を与えないような防汚剤を含む形の防
汚塗料組成物の開発が急務となっている。
【0014】それがために、親水性基である、それぞ
れ、カルボキシル基、ジメチルアミノ基、ヒドロキシル
基または4級アンモニウム基などを側鎖に持った重合体
が、防汚塗料用樹脂組成物のビヒクルとして提案されて
は居るけれども、長期に亘って、均一なる塗膜自身なら
びに防汚剤の溶出速度を保持し得るものではない。
【0015】さらに、フェニルエステル基含有アクリル
樹脂なども提案されては居るけれども、塗膜自身ならび
に防汚剤の溶出性に劣るというものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このように、防汚性が
長期に亘って優れるという防汚塗料は、未だに、得られ
ては居ないというのが、実情である。
【0017】そこで、本発明者らは、上述した如き従来
技術における種々の欠点の存在に鑑みて、防汚剤の溶出
を長期に亘って持続させることの出来る、極めて実用性
の高い、セルフ・ポリッシング型の樹脂を求めて、鋭
意、研究に着手した。
【0018】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、一にかかって、防汚剤の有効成分(防汚毒物)の
溶出速度を、均一に制御して、長期に亘って、防汚剤の
溶出を持続せしめるために、塗膜自身が、海水に徐々に
溶解し、常に、新鮮なる塗膜を生成し形成せしめるとい
う、セルフ・ポリシング型塗膜を与える防汚塗料用樹脂
組成物を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明者ら
は、上述した如き発明が解決しようとする課題に照準を
合わせて、鋭意、検討を重ねた結果、ここに、必須の皮
膜形性成分として、特定のトリアゾールエステル基を有
する重合体(A)、特に、該トリアゾールエステル基含
有の、ビニル系重合体、ポリエーテル系重合体、ポリエ
ステル系重合体、ポリアミド系重合体およびポリウレタ
ン系重合体よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の
重合体(A)を含んで成る防汚塗料用樹脂組成物を用い
た処、海水中で、この重合体は、海水と接触した部分か
ら加水分解し溶出して行き、常に、新鮮なる塗膜が生成
ないしは形成され、防汚剤が均一なる速度で以て溶出し
て行くことを見い出すに及んで、本発明を完成させるに
到った。
【0020】すなわち、本発明は、基本的には、かかる
トリアゾールエステル基含有重合体(A)を、必須の皮
膜形成性成分として含有することから成る、セルフ・ポ
リシング型塗膜を与える防汚塗料用樹脂組成物を提供し
ようとすることであり、具体的には、トリアゾールエス
テル基含有重合体(A)と、親水性樹脂(B)および/
または親水性化合物(C)とを含有することから成る、
セルフ・ポリシング型塗膜を与える防汚塗料用樹脂組成
物を;
【0021】当該重合体(A)と、疎水性樹脂(D)と
を含有することから成る、セルフ・ポリシング型塗膜を
与える防汚塗料用樹脂組成物を;あるいは、当該重合体
(A)と、親水性樹脂(B)および/または親水性化合
物(C)と、疎水性樹脂(D)とを含有することから成
る、セルフ・ポリシング型塗膜を与える防防汚塗料用樹
脂組成物を;そして、上述した各種の樹脂組成物に対し
て、さらに、防汚剤(E)をも含んで成る、防汚塗料用
樹脂組成物を、提供しようとするものである。
【0022】[構成]ここにおいて、本発明で使用され
る、上記したトリアゾールエステル基を有する重合体
(A)、就中、該トリアゾールエステル基を有する、そ
れぞれ、ビニル系重合体、ポリエーテル系重合体、ポリ
エステル系重合体、ポリアミド系重合体およびポリウレ
タン系重合体よりなる群から選ばれる、少なくとも1種
のトリアゾールエステル基含有重合体(A)とは、一分
子中に、下記の一般式(I)で示されるような基を有す
る、それぞれ、ビニル系重合体、ポリエーテル系重合
体、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体および
/またはポリウレタン系重合体を指称するものである。
【0023】
【化2】
【0024】〔ただし、式中のR1 およびR2 は、それ
ぞれ、同一でも異なっていてもよい、水素原子もしくは
ハロゲン原子または置換ないしは非置換のC1 〜C18
るアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ
カルボニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アル
カノイル基、アルカノイルオキシ基、ニトロ基もしくは
シアノ基を表わすものとし、かつ、R1 およびR2
は、互いに、置換ないしは非置換のアルキレン鎖を形成
してもよいし、あるいは、R1 が結合している炭素原子
と、R2 が結合している炭素原子と、R1 と、R2
が、それぞれ、一緒になって、置換ないしは非置換の芳
香族環を形成していてもよいものとする。〕
【0025】かかるビニル系重合体として特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、アクリル系重合体、
カルボン酸ビニルエステル系重合体、芳香族ビニル系重
合体またはフルオロオレフィン系重合体;あるいはポリ
エステル樹脂、アルキド樹脂またはポリウレタン樹脂な
どの、ビニル系重合体以外の重合体と、ビニル系重合体
とのグラフトないしはブロック共重合体などである。
【0026】まず、当該トリアゾールエステル基含有ビ
ニル系重合体(A)を調製するには、 トリアゾール
エステル基含有ビニル系単量体を単独重合せしめるか、
または該トリアゾールエステル基含有ビニル系重合体
と、これと共重合性を有するその他の単量体とを共重合
せしめるとか、
【0027】 予め調製しておいたカルボキシル基含
有ビニル系(共)重合体と、下記の一般式(II)で示
されるようなN−ヒドロキシトリアゾール化合物とを反
応せしめるか、あるいは、 予め調製しておいたカル
ボキシル基含有ビニル系(共)重合体と、下記の一般式
(III)で示されるような1,1’−ビス−トリアゾ
リルオキザレート化合物とを反応せしめるなどの方法が
採用できる。
【0028】
【化3】
【0029】〔ただし、式中のR1 およびR2 は、それ
ぞれ、同一でも異なっていてもよい、水素原子もしくは
ハロゲン原子または置換ないしは非置換のC1 〜C18
るアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ
カルボニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アル
カノイル基、アルカノイルオキシ基、ニトロ基もしくは
シアノ基を表わすものとし、かつ、R1 およびR2 は、
互いに、置換ないしは非置換のアルキレン鎖を形成して
もよいし、あるいは、R1 が結合している炭素原子と、
2 が結合している炭素原子と、R1 と、R2 とが、そ
れぞれ、一緒になって、置換ないしは非置換の芳香族環
を形成していてもよい。〕
【0030】
【化4】
【0031】〔ただし、式中のR1 およびR2 は、それ
ぞれ、同一でも異なっていてもよい、水素原子もしくは
ハロゲン原子または置換ないしは非置換のC1 〜C18
るアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ
カルボニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アル
カノイル基、アルカノイルオキシ基、ニトロ基もしくは
シアノ基を表わすものとし、かつ、R1 およびR2 は、
互いに、置換ないしは非置換のアルキレン鎖を形成して
もよいし、あるいは、R1 が結合している炭素原子と、
2 が結合している炭素原子と、R1 と、R2 とが、そ
れぞれ、一緒になって、置換ないしは非置換の芳香族環
を形成していてもよい。〕
【0032】次に、トリアゾールエステル基含有の、ポ
リエーテル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリアミ
ド系重合体またはポリウレタン系重合体などの重合体
(A)を調製するには、前記と同様にして、予め調製
しておいたカルボキシル基含有の、ポリエーテル系重合
体、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体または
ポリウレタン系重合体などと、前掲の一般式(II)で
示されるN−ヒドロキシトリアゾール化合物とを反応せ
しめるとか、あるいは、前掲の一般式(III)で示さ
れる1,1’−ビス−トリアゾリルオキザレート化合物
とを反応せしめるなどの方法が採用できる。
【0033】このうち、の方法によって調製するに当
たって使用されるトリアゾールエステル基含有ビニル系
単量体を調製するには、a) カルボキシル基含有単量
体類と、前掲の一般式(II)に示されるような、各種
のN−ヒドロキシトリアゾール系化合物とを、カルボジ
イミド類などの脱水剤の存在下で反応せしめるとか、ま
たは、前掲の一般式(III)で示されるような1,
1’−ビス−トリアゾリルオキザレート化合物とを反応
せしめるとか、あるいは、
【0034】b) 酸クロライド基含有単量体類と、前
掲の一般式(II)で示されるような、各種のN−ヒド
ロキシトリアゾール系化合物とを、トリアエチルアミン
などの塩化水素捕捉剤の存在下で反応せしめるなどの方
法が採用される。
【0035】ここにおいて、上記したa)に従って調製
するに当たって使用されるカルボキシル基含有単量体と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、
(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリ
レート、クロトン酸の如き、各種の一塩基酸類;マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸の如き、各種の不飽和二塩
基酸類(不飽和ジカルボン酸類);またはコハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸の如き、各種の飽和ジカルボン酸
のモノビニルエステルのような、種々の一塩基酸類;あ
るいは上掲の不飽和ジカルボン酸類と、1価アルコール
類とのハーフエステルの如き、各種の一塩基酸類をはじ
め、さらには、
【0036】アミノ酸類から誘導されるN−〔カルボキ
シ−(置換)アルキル〕(メタ)アクリルアミド類;ま
たは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートで代表
されるような各種の水酸基含有単量体類と、無水コハク
酸もしくは無水フタル酸の如き、各種の酸無水物類との
付加反応物のような、種々のカルボキシル基含有誘導体
類;あるいは、前記したカルボキシル基含有単量体類の
ラクトン付加誘導体類などである。
【0037】また、上記したb)に従って調製するに
は、前記したカルボキシル基含有単量体類の各種の酸ク
ロライド類が使用される。
【0038】さらに、前掲の一般式(II)で示される
N−ヒドロキシトリアゾール系化合物として特に代表的
なもののみを例示するにとどめれば、N−ヒドロキシベ
ンゾトリアゾール、N−ヒドロキシ−6−トリフルオロ
メチルベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシ−6−クロ
ル−ベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシ−1,2,3
−トリアゾールまたは4,5−ジメチル−N−ヒドロキ
シ−1,2,3−トリアゾールなどである。
【0039】また、前掲の一般式(III)で示される
化合物は、たとえば、塩化オキザリルと、前掲の一般式
(II)で示されるような、各種のN−ヒドロキシトリ
アゾール系化合物とから調製される。
【0040】そして、以上のようにして得られるN−ト
リアゾールエステル基含有単量体類として特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、N−(メタ)アクリ
ロイルオキシ−(ベンゾトリアゾール)、N−(メタ)
アクリロイルオキシ−6−トリフルオロメチルベンゾト
リアゾール、N−(メタ)アクリロイルオキシ−6−ク
ロル−ベンゾトリアゾール、N−(メタ)アクリロイル
オキシ−1,2,3−トリアゾール、N−(メタ)アク
リロイルオキシ−4,5−ジメチル−1,2,3−トリ
アゾール、N−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−プ
ロピオニルオキシ〕−(ベンゾトリアゾール)、N−
〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−プロピオニルオキ
シ〕−6−トリフルオロメチルベンゾトリアゾール、N
−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−プロピオニルオ
キシ〕−6−クロル−ベンゾトリアゾール、N−〔3−
(メタ)アクリロイルオキシ−プロピオニルオキシ〕−
1,2,3−トリアゾール、N−〔3−(メタ)アクリ
ロイルオキシ−プロピオニルオキシ〕−4,5−ジメチ
ル−1,2,3−トリアゾール、N−〔(メタ)アクリ
ロイルアミノアセチルオキシ〕−(ベンゾトリアゾー
ル)、N−〔(メタ)アクリロイルアミノアセチルオキ
シ〕−6−トリフルオロメチルベンゾトリアゾール、N
−〔(メタ)アクリロイルアミノアセチルオキシ〕−6
−クロル−ベンゾトリアゾールまたはN−〔(メタ)ア
クリロイルアミノアセチルオキシ〕−1,2,3−トリ
アゾール、あるいは
【0041】N−〔(メタ)アクリロイルアミノアセチ
ルオキシ〕−4,5−ジメチル−1,2,3−トリアゾ
ール、N−〔(メタ)アクリロイルアミノプロピオニル
オキシ〕−(ベンゾトリアゾール)、N−〔(メタ)ア
クリロイルアミノプロピオニルオキシ〕−6−トリフル
オロメチルベンゾトリアゾール、N−〔(メタ)アクリ
ロイルアミノプロピオニルオキシ〕−6−クロル−ベン
ゾトリアゾール、N−〔(メタ)アクリロイルアミノプ
ロピオニルオキシ〕−1,2,3−トリアゾール、N−
〔(メタ)アクリロイルアミノプロピオニルオキシ〕−
4,5−ジメチル−1,2,3−トリアゾール、N−
〔6−(メタ)アクリロイルオキシ−ヘキサノイルオキ
シ〕−(ベンゾトリアゾール)、N−〔6−(メタ)ア
クリロイルオキシ−ヘキサノイルオキシ〕−6−トリフ
ルオロメチルベンゾトリアゾール、N−〔6−(メタ)
アクリロイルオキシ−ヘキサノイルオキシ〕−6−クロ
ル−ベンゾトリアゾール、N−〔6−(メタ)アクリロ
イルオキシ−ヘキサノイルオキシ〕−1,2,3−トリ
アゾールまたはN−〔6−(メタ)アクリロイルオキシ
−ヘキサノイルオキシ〕−4,5−ジメチル−1,2,
3−トリアゾールなどである。
【0042】かかるトリアゾールエステル基含有単量体
類から、本発明で使用される当該ビニル系重合体(A)
を調製するには、こうしたトリアゾールエステル基含有
単量体類の1種または2種以上を(共)重合せしめても
よいし、あるいは、該トリアゾールエステル基含有単量
体類と、該単量体類と共重合可能なるその他の単量体類
とを共重合せしめてもよい。
【0043】ここにおいて、かかる共重合可能なるその
他の単量体類として特に代表的なもののみを例示するに
とどめれば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートもしく
はラウリル(メタ)アクリレートの如き、C1 〜C22
る各種のアルキル(メタ)アクリレート類;
【0044】ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの如
き、各種の窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル
類;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレートもしくはイソボルニル(メ
タ)アクリレートの如き、各種の脂環式アルキル(メ
タ)アクリレート類;ベンジル(メタ)アクリレートも
しくはフェネチル(メタ)クリレートの如き、各種のア
ラルキル(メタ)アクリレート類;クロトン酸メチルも
しくはクロトン酸エチルの如き、クロトン酸の各種のア
ルキルエステル類;
【0045】ジメチルマレート、ジブチルマレート、ジ
メチルフマレート、ジブチルフマレート、ジメチルイタ
コネートもしくはジブチルイタコネートの如き、不飽和
二塩基酸類の各種のジアルキルエステル類;スチレン、
p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレンも
しくはビニルトルエン、ビニルピリジンの如き、各種の
芳香族ビニル系単量体類;(メタ)アクリロニトリルも
しくはクロトノニトリルの如き、各種のシアノ基含有単
量体類;
【0046】フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラ
フルオロエチレン、クロロトリフルオロエチエレン、ヘ
キサフルオロプロピレン、塩化ビニルもしくは塩化ビニ
リデンの如き、各種のハロゲン化オレフィン類;エチレ
ン、プロピレン、イソブチレンもしくは1−ブテンの如
き、各種のα−オレフィン類;または酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルもしくはバーサテイ
ック酸ビニル、安息香酸ビニル、「ベオバ」(オランダ
国シェル社製品)の如き、各種のカルボン酸ビニルエス
テル類などであり、
【0047】さらには、エチルビニルエーテル、n−ブ
チルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルもしく
はシクロヘキシルビニルエーテルの如き、各種のアルキ
ル−ないしはシクロアルキルビニルエーテル類;アクロ
レイン、メチルビニルケトンなどのカルボニル基含有単
量体類;(メタ)アクリルアミドもしくはN,N−ジメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メ
タ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メ
タ)アクリロイルピロリジン、N−ビニルフォルムアミ
ド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルキノリンまたはN
−ビニルピペリジンなどの如き、各種の含窒素単量体
類;
【0048】「ブレンマー PPもしくはブレンマー
PE」[日本油脂(株)製品]で代表されるような、各
種の含ポリエーテル単量体類;「ビスコート 8F,8
FM,3Fもしくは3FM」[大阪有機化学(株)製
品]、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ジ−パーフルオロシクロヘキシルフマレートもしく
はN−イソプロピルフルオロオクタンスルフォン酸アミ
ドエチル(メタ)アクリレートの如き、フルオロアルキ
ル基−ないしはパーフルオロパーアルキル基含有単量体
類;「ライトエステル PMもしくはライトエステル
PA」[共栄社油脂化学工業(株)製)で代表されるよ
うな、各種のリン酸エステル基含有単量体類;スチレン
スルホン酸もしくはビニルスルホン酸の如き、各種のス
ルホン酸基含有単量体類またはそれらの金属塩単量体
類;あるいは、マレイン酸無水物もしくはイタコン酸無
水物の如き、各種の酸無水物基含有単量体類などであ
る。
【0049】さらにまた、本発明の特徴を損なわない範
囲内で、つまり、本発明の目的を逸脱しないような、あ
るいは本発明の効果を損なわないような範囲内で、前掲
した如き、各種のカルボキシル基含有単量体類をも併用
することが出来るし、また、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロ
キシブチルビニルエーテルまたは2−ヒドロキシエチル
アリルエーテルの如き、各種の水酸基含有単量体類をも
共重合せしめることが出来るし、あるいは、前掲した如
き、各種のカルボキシル基含有単量体類の金属塩類をも
共重合せしめることが出来る。
【0050】かかる単量体類から、トリアゾールエステ
ル基含有ビニル系重合体を調製する際の重合形式として
は、懸濁重合法、エマルジョン重合法、塊状重合法また
は溶液重合法などの、公知慣用の種々の重合方法が適用
し得るし、さらには、光重合法、イオン重合法または放
射線重合法などを駆使して、目的とするビニル系重合体
を調製することも出来る。
【0051】それらのうちでも、重合操作などの観点か
ら、溶液重合方法、つまり、溶液ラジカル重合方法が、
特に望ましい。
【0052】この溶液ラジカル重合を行う際に使用され
る重合開始剤としては、勿論、公知慣用のラジカル重合
開始剤が使用されるが、それらのうちでも特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、2,2’−アゾビス
(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4
−ジメチルバレロニトリル)もしくは2,2’−アゾビ
ス(2−メチルブチロニトリル)の如き、各種のアゾ化
合物;tert−ブチルパーオキシピバレート、ter
t−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アセチルパ
ーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキ
サイド、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエチル
ケトンパーオキサイドまたはジイソプロピルパーオキシ
カーボネートの如き、各種の過酸化物などである。
【0053】かかる溶液重合反応で用られる有機溶剤と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ト
ルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n
−オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサンの如き、
各種の炭化水素系;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミ
ル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
の如き、各種のエステル系;またはアセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケ
トン、シクロヘキサノンの如き、各種のケトン類;
【0054】ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチル
エーテル、の如き、各種のエーテル類;クロロホルム、
メチレンクロライド、四塩化炭素、トリクロロエタン、
テトラクロロエタンの如き、各種の塩素化炭化水素類;
あるいはN−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミ
ド、ジメチルアセトアミドまたはエチレンカーボネー
ト;エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールな
どのアルコール類などである。かかる溶剤類は単独使用
でも、2種以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0055】前述したの方法により、当該トリアゾー
ルエステル基含有の各種の重合体(A)を調製するに
は、カルボキシル基を有するビニル系(共)重合体、ポ
リエーテル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリアミ
ド系重合体および/またはポリウレタン系重合体と、そ
れぞれ、前掲の一般式(II)で示されるような、各種
のN−ヒドロキシトリアゾール系化合物とを、カルボジ
イミド類などの、いわゆる脱水剤の存在下で、反応せし
めるか、あるいは、前掲の一般式(III)で示される
ような、各種のトリアゾールエステル系化合物とを反応
させればよい。ここにおいて使用されるカルボキシル基
含有の各種の樹脂類は、公知慣用の方法で以て調製され
る。
【0056】こうした上記のカルボキシル基含有ビニル
系重合体を調製するには、前述した如き、カルボキシル
基含有ビニル系単量体の1種または2種以上からなる混
合物を、あるいは、これらと共重合可能なる、前掲した
如き種々の単量体類との混合物を、公知慣用の方法で以
て(共)重合せしめればよい。
【0057】上記のカルボキシル基含有ポリエーテル系
重合体を調製するには、一分子当たりに、少なくとも2
個の水酸基を有するポリオキシエチレン系ポリエーテ
ル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、ポリオキシ
ブチレン系ポリエーテルの如き、各種のポリエーテル
類;またはビスフェノールAないしはビスフェノールF
の如き、芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導される、
各種のポリエーテル類と、コハク酸、アジピン酸、セバ
シン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリ
メリット酸の如き、各種の多価カルボン酸類、またはそ
れらの酸無水物などのような、種々の反応性誘導体と
を、公知慣用の方法で反応せしめればよい。
【0058】上記のカルボキシル基含有ポリエステル系
重合体を調製するには、前掲した如き多価カルボン酸
類、あるいは、それらの反応性誘導体類;エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、
ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、トリメチ
ロールエタン、グリセリンの如き、各種のポリヒドロキ
シ化合物;各種の脂肪酸類;または各種の油脂類などを
はじめ、さらには、ε−カプロラクトンなどを用いて、
公知慣用の方法により、反応せしめればよい。
【0059】上記のカルボキシル基含有ポリアミド系重
合体を調製するには、エチレンジアミン、ブチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミ
ンの如き、各種のジアミン類;コハク酸、アジピン酸、
セバシン酸、デカンジカルボン酸、ダイマー酸の如き、
各種の二塩基酸類;あるいは、カプロラクタムもしくは
ラウロラクタムの如き、各種のラクタム類などの諸原料
を用いて、公知慣用の方法により、反応せしめればよ
い。
【0060】上記のカルボキシル基含有ポリウレタン系
重合体を得るには、水酸基またはイソシアネート基を有
するポリエーテルウレタン樹脂、またはポリエステルウ
レタン樹脂の如き、各種の各種ポリウレタン樹脂類を、
前掲した如き各種の多価カルボン酸類、またはそれらの
無水物と反応せしめるなどの、公知慣用の方法を適用す
ることが出来る。
【0061】前述したの方法により、カルボキシル基
を有するビニル系(共)重合体、ポリエーテル系重合
体、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体および
/またはポリウレタン系重合体と、前掲の一般式(I
I)で示されるような、各種のN−ヒドロキシトリアゾ
ール系化合物とを、カルボジイミド類などの脱水剤の存
在下で、反応せしめるか、あるいは、前掲の一般式(I
II)で示される、各種のトリアゾールエステル系化合
物とを反応せしめるに際して、カルボキシル基含有樹脂
類が液状である場合には、それぞれの反応は、無溶剤で
以て、あるいは、溶剤中で以て、行うことが出来きる。
【0062】カルボキシル基含有樹脂類が固形である場
合には、溶剤中で反応を行わなければならない。溶剤中
での反応を行う場合に使用される有機溶剤類としては、
分子中に活性水素を有しないものを使用すべきである。
【0063】かかる溶剤類として特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、ベンゼン、トルエンもしくは
キシレンの如き、各種の芳香族炭化水素類;ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンもしくはシクロオ
クタンの如き、脂肪族炭化水素類ないしは脂環式炭化水
素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルもし
くはジ−n−ブチルエーテル、またはジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフランもしくはジオキサンの如き、各
種のエーテル類;
【0064】酢酸エチル、酢酸ブチルもしくは酢酸アミ
ル、またはエチレングリコールモノメチルエーテルアセ
テートもしくはエチレングリコールモノエチルエーテル
アセテートの如き、各種のエステル系溶剤類;塩化メチ
レン、クロロフォルム、トリクロロエタン、四塩化炭素
もしくはクロロベンゼンの如き、各種のハロゲン化炭化
水素類;N−メチルピロリドンもしくはジメチルフォル
ムアミドの如き、非プロトン系極性溶剤類;あるいはア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、メチルアミルケトンもしくはシクロヘキサノンの如
き、各種のケトン類などが挙げられる。
【0065】かかる溶剤類は単独使用でも、2種以上の
併用でもよいことは、勿論である。
【0066】前掲したの方法によって、当該トリアゾ
ールエステル基含有重合体(A)を調製する際の方法と
しては、上掲した各種の原料類を一括仕込みして反応せ
しめるとか、カルボキシル基含有樹脂類と、溶剤類と、
カルボジイミド類などの脱水剤との混合物に、N−ヒド
ロキシトリアゾール系化合物類と溶剤類との混合物を滴
下せしめたりするとか、あるいは、樹脂類と、溶剤類
と、N−ヒドロキシトリアゾール系化合物類との混合物
に、カルボジイミド類などの脱水剤と溶剤類との混合物
を滴下せしめたりするとか、カルボキシル基含有樹脂類
と、溶剤類との混合物に、1,1’−ビス−トリアゾリ
ルオキザレート系化合物類と溶剤類との混合物を滴下せ
しめたりするとか、あるいは、1,1’−ビス−トリア
ゾリルオキザレート系化合物類と溶剤類との混合物に樹
脂類と溶剤類との混合物を滴下せしめたりするとかの、
種々の反応方法が適用できる。
【0067】また、反応温度としては、−40〜+10
0℃なる範囲内、好ましくは、−10〜+70℃なる範
囲内が適切である。
【0068】かくして得られる当該重合体(A)中に導
入されるトリアゾールエステル基の量は、重合体の固形
分100g中に、5ミリモル(mmol)以上とするの
が、さらに好ましくは、10mmol以上とするのが適
切である。
【0069】また、当該トリアゾールエステル基含有ビ
ニル系共重合体の数平均分子量としては、500〜5
0,000なる範囲内が、さらには、1,000〜3
0,000なる範囲内が好ましい。
【0070】500未満の場合には、どうしても、加水
分解速度が早すぎて、長期防汚性に劣る処となるし、一
方、50,000を超えて余りに高くなる場合には、ど
うしても、加水分解速度が極端に低下する処となる。
【0071】さらに、トリアゾールエステル基含有の、
それぞれ、ポリエーテル系重合体、ポリエステル系重合
体、ポリアミド系重合体および/またはポリウレタン系
重合体の数平均分子量としては、250〜50,000
なる範囲内が、さらには、300〜30,000なる範
囲内が好ましい。250未満では、どうしても、加水分
解速度が早すぎて、長期防汚性に劣る処となるし、一
方、50,000を超えて余りに高くなる場合には、ど
うしても、加水分解速度が極端に低下する処となる。
【0072】本発明における樹脂成分としては、トリア
ゾールエステル基含有重合体(A)を、唯一の皮膜形成
性成分として、単独で使用してもよいし、あるいは、当
該重合体(A)の加水分解速度を制御するために、親水
性性樹脂(B)および/または親水性化合物(C)を併
用することが出来るし、さらには、かかる親水性性樹脂
(B)および/または親水性化合物(C)と、疎水性樹
脂(D)とを併用することが出来る。
【0073】前記した親水性樹脂(B)とは、水溶性
の、または水膨潤性の高い樹脂類を指称するものであ
る。かかる親水性樹脂(B)として特に代表的なものの
みを例示するにとどめれば、分子中にエーテル基または
アミド基の如き、種々の親水性基を有するビニル系重合
体や、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ールもしくはポリテトラメチレングリコールの如き、各
種のポリエーテル樹脂などである。
【0074】また、当該親水性基含有ビニル系重合体と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、メ
チルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、2−メト
キシエチルメタクリレート、(メタ)アクリルアミドも
しくはN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドの如
き、親水性基含有ビニル系単量体類の単独重合体または
これらの親水性基含有ビニル系単量体類と、前述した如
き種々の重合体(A)を調製するに当たって用いられ
る、共重合可能なる単量体類との共重合体などである。
【0075】さらに、前記した親水性化合物(C)と
は、水溶性の、または水膨潤性の高い、低分子量の化合
物を指称するものである。かかる親水性化合物(C)と
して代表的なもののみを例示するにとどめれば、1価ア
ルコール類、ポリヒドロキシ化合物、モノカルボキシ化
合物またはポリカルボキシ化合物などであるが、これら
のうちでも特に望ましいものとしては、モノカルボキシ
化合物が、就中、ロジンの使用が望ましい。
【0076】さらにまた、前記した疎水性樹脂(D)と
は、非水溶性で、かつ、水膨潤性の低い樹脂類を指称す
るものである。かかる疎水性樹脂(D)として特に代表
的なもののみを例示するにとどめれば、塩素化オレフィ
ン系重合体類や、エーテル基またはアミド基の如き、い
わゆる親水性基を、何ら、有しないか、あるいは、かか
る親水性基の含有率が極めて低いアクリル系重合体など
であるが、勿論、これらのもののみに限定されるもので
はない。
【0077】前述した(A)、(B)、(C)および
(D)なる各成分から、本発明の防汚塗料用樹脂組成物
を得るには、上述したように、樹脂成分として、専ら、
トリアゾールエステル基含有重合体(A)のみを、単独
で、使用してもよいし、あるいは、このトリアゾールエ
ステル基含有重合体(A)と、該重合体(A)以外の3
成分のうちの、少なくとも1種とを併用してもよい。
【0078】そのさい、該重合体(A)と、当該(A)
成分以外の3成分のうちの、少なくとも1種とを併用す
る場合には、通常、当該(A)成分の100重量部に対
して、(B)および/または(C)成分が200重量部
以下の範囲となるように、あるいは、当該(A)成分の
100重量部に対して(D)成分が200重量部以下と
なるように、、好ましくは、(B)および/または
(C)成分が100重量部以下となるように、あるい
は、(D)成分が100重量部以下の範囲となるように
混合すればよい。
【0079】さらに、本発明の防汚塗料用樹脂組成物に
対しては、防汚剤(F)を配合させることが出来る。特
に代表的なる当該防汚剤のみを挙げるにとどめれば、ト
リフェニル錫ハイドロオキサイド、トリフェニル錫フル
オライド、トリフェニル錫クロライド、トリフェニル錫
ニコチネート、トリフェニル錫バーサテート、ビス(ト
リフェニル錫)−α,α’−ジブロムサクシネート、ビ
ス(トリフェニル錫)オキサイド、トリフェニル錫ジメ
チルキチオカーバメート、トリブチル錫ハイドロオキサ
イド、
【0080】またはビス(トリブチル錫)オキサイド、
トリブチル錫クロライド、トリブチル錫フルオライド、
トリブチル錫アセテート、トリブチル錫ニコチネート、
トリブチル錫バーサテート、ビス(トリブチル錫)−
α,α’−ジブロムサクシネート、トリシクロヘキシル
錫ハイドロオキサイド、ビス(トリシクロヘキシル錫)
オキサイド、トリシクロヘキシル錫クロライド、トリシ
クロヘキシル錫フルオライド、トリシクロヘキシル錫ア
セテート、トリシクロヘキシル錫ニコチネート、トリシ
クロヘキシル錫バーサテート、ビス(トリシクロヘキシ
ル錫)−α,α’−ジブロムサクシネートの如き、各種
の有機系錫防汚剤類;
【0081】またはクエン酸第二銅、キノリン第二銅、
δ−ハイドロキノリン第二銅、オレイン酸第二銅、酒石
酸第二銅、オキシン酸銅、ナフテン酸銅、ノニルフェニ
ルスルホン酸銅、酢酸銅、ビス(ペンタクロロフェノー
ル酸)銅の如き、各種の有機系銅防汚剤類;酢酸ニッケ
ル、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケルの如き、各種
の有機系ニッケル防汚剤類;酢酸亜鉛、カルバミン酸亜
鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチレンビス
(ジチオカルバミン酸)亜鉛の如き、各種の有機系亜鉛
防汚剤類;N−トリクロロメチルチオフタルイミド、N
−フルオロジクロロメチルチオフタルイミドの如き、各
種のN−トリハロメチルチオフタルイミド系防汚剤類;
ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィド、N−
メチルジチオカルバミン酸アンモニウム、エチレンビス
(ジチオカルバミン酸)アンモニウムの如き、各種のジ
チオカルバミン酸系防汚剤類;
【0082】またはN−(2,4,6−トリクロロフェ
ニル)マレイミド、N−4−トリルマレイミド、N−
(3−クロロフェニル)マレイミド、N−(4−n−ブ
チルフェニル)マレイミド、N−(2,3−キシリル)
マレイミドの如き、各種のN−アリールマレイミド系防
汚剤類;3−ベンジリデンアミノ−1,3−チアゾリジ
ン−2,4−ジオン、3−(4−メチルベンジリデンア
ミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン、3−
(2−ヒドロキシベンジリデンアミノ)−1,3−チア
ゾリジン−2,4−ジオン、3−(4−ジメチルアミノ
ベンジリデンアミノ)−1,3−チアゾリジン−2,4
−ジオン、3−(2,4−ジクロロベンジリデンアミ
ノ)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオンの如き、
各種の3−置換アミノ−1,3−チアゾリジン−2,4
−ジオン系防汚剤類;
【0083】あるいは、ジチオシアノメタン、ジチオシ
アノエタン、2,5−ジチオシアノチオフェンの如き、
各種のジチオシアノ系防汚剤類;トリアジン系防汚剤
類;ナフトキノン系防汚剤類;テトラメチルチウラムジ
スルファイドの如き、各種のイオウ系防汚剤類;亜酸価
銅、ニッケル銅合金、銅、チオシアン酸銅、炭酸銅、硫
酸銅、クロム酸第二銅、フェロシアン酸第二銅、硝酸第
二銅、燐酸第二銅、、酸化第一銅、沃化第一銅または亜
硫酸第一銅の如き、各種の銅系防汚剤類;硫酸亜鉛、酸
化亜鉛、硫酸ニッケル、クロム酸ストロンチウムの如
き、各種の金属防汚剤類などの、種々の有機系ないしは
無機系の防汚剤類などである。
【0084】さらには、各種の殺菌剤類、防藻剤類また
は防黴剤類などに使用されるような種々の化合物もま
た、使用できる。これらの防汚剤類は単独使用でも、2
種以上の併用でもよい。
【0085】当該防汚剤(E)の使用量としては、通
常、樹脂成分の100重量部に対して、1〜700重量
部なる範囲内、好ましくは、2〜500重量部なる範囲
内が適切であり、こうした範囲内となるような割合で配
合すればよい。
【0086】1重量部未満の場合には、どうしても、当
該(E)成分の添加効果が小さくなり易いし、一方、7
00重量部を超えて余りに多くなる場合には、どうして
も、系内に配合せしめることが困難になるので、いずれ
の場合も好ましくない。
【0087】また、本発明の防汚塗料樹脂組成物に対し
ては、さらに、顔料を配合せしめることも出来る。それ
らのうちでも特に代表例なもののみを例示するにとどめ
れば、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックの如き、
各種の無機顔料類;またはアゾ系、シアニン系もしくは
キナクリドン系の如き、各種の有機顔料類などである
が、通常は、無機顔料類が用いられる。
【0088】これらの顔料類は単独使用でも、2種以上
の併用でもよい。
【0089】かくして得られる、本発明の防汚塗料用組
成物は、主として、船底塗料、海中構築物用塗料または
漁網用塗料などとして用いられる。
【0090】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例および比較例
により、一層、具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例のみに限定されるものではない。なお、以下にお
いて部および%は、特に断りの無い限り、すべて重量基
準であるものとする。
【0091】参考例 1〔一般式(I)で示される構造
を有する重合体(A)の調製例〕 温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素ガス
導入管を備えた反応容器に、キシレンの100部と、ジ
メチルフォルムアミドの100部を仕込み、窒素ガスの
通気下に、90℃に昇温した。
【0092】次いで、同温度で、メタクリロイルオキシ
−ベンゾトリアゾール単量体の500部、ブチルアクリ
レートの500部、キシレンの400部、ジメチルフォ
ルムアミド400部、2,2’−アゾビス(2−メチル
ブチロニトリル)の25部およびtert−ブチルパー
オキシ−2−エチルヘキサノエートの25部からなる混
合物を、4時間に亘って滴下した。
【0093】その後も、同温度で、16時間のあいだ攪
拌して、不揮発分が50%なる目的重合体の溶液を得
た。これをA−1と略称する。
【0094】参考例 2(同上) 温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素ガス
導入管を備えた反応容器に、キシレンの200部を仕込
み、窒素ガスの通気下に、90℃に昇温した。
【0095】次いで、同温度で、「アロニックス M−
5300」〔東亜合成化学工業(株)製のカルボキシル
基含有アクリレート系単量体〕と、N−ヒドロキシベン
ズトリアゾールとから得られた単量体の700部、メチ
ルメタクリレートの300部、キシレンの800部、
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)の2
5部およびtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサノエートの25部からなる混合物を、4時間に亘っ
て滴下した。
【0096】その後も、同温度で、16時間のあいだ攪
拌して、不揮発分が50%なる目的重合体の溶液を得
た。これをA−2と略称する。
【0097】参考例 3(同上) 温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素ガス
導入管を備えた反応容器に、キシレンの200部を仕込
み、窒素ガスの通気下に、90℃に昇温した。
【0098】次いで、同温度で、「アロニックス M−
5500」〔東亜合成化学工業(株)製のカルボキシル
基含有アクリレート系単量体〕と、N−ヒドロキシ−6
−トリフルオロベンゾトリアゾールとから得られた単量
体の500部、メチルメタクリレートの400部、ジメ
チルアクリルアミドの100部、キシレンの800部、
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)の2
5部およびtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサノエートの25部からなる混合物を、4時間に亘っ
て滴下した。
【0099】その後も、同温度で、16時間のあいだ攪
拌して、不揮発分が50%なる目的重合体の溶液を得
た。これをA−3と略称する。
【0100】参考例 4(同上) 温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素ガス
導入管を備えた反応容器に、キシレンの100部とジメ
チルフォルムアミドの100部を仕込み、窒素ガスの通
気下に、90℃に昇温した。
【0101】次いで、同温度で、N−メタアクリロイル
オキシ−6−クロロ−ベンゾトリアゾールの500部、
2エチルヘキシルメタクリレートの250部、エチルア
クリレートの250部、キシレンの800部、2,2’
−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)の25部およ
びtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ートの25部からなる混合物を、4時間に亘って滴下し
た。
【0102】その後も、同温度で、16時間のあいだ攪
拌して、不揮発分が50%なる目的重合体の溶液を得
た。これをA−4と略称する。
【0103】参考例 5(同上) 温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素ガス
導入管を備えた反応容器に、トルエンの400部および
酢酸ブチルの400部を仕込んで、窒素ガスの通気下
に、105℃に昇温した。
【0104】次いで、同温度で、メチルメタクリレート
の300部、エチルアクリレートの400部、メタクリ
ル酸の300部、トルエンの200部、2,2’−アゾ
ビス(2−メチルブチロニトリル)の25部およびte
rt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの
40部からなる混合物を、5時間に亘って滴下した。そ
の後も、同温度で6時間のあいだ、攪拌を続行せしめ
た。
【0105】しかるのち、その溶液を室温に冷却して、
N−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾールの470部を添加
した。その溶液中に、ジシクロヘキシルカルボジイミド
の719部と、テトラハイドロフランの470部とを、
同温度で3時間に亘って滴下し、さらに、6時間のあい
だ反応を継続したのち、析出したジシクロヘキシル尿素
を濾別せしめて、不揮発分が50%なる、目的重合体の
溶液を得た。これをA−5と略称する。
【0106】参考例 6(同上) 温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素ガス
導入管を備えた反応容器に、分子量が1,000なるポ
リエチレングリコールの1,000部および無水コハク
酸の200部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら、
140℃に昇温した。
【0107】次いで、同温度で4時間のあいだ反応を行
って、ポリエーテル重合体を得た。その後は、30℃に
まで冷却して、トルエンの894部と、N−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール270部とを添加してから、ジシク
ロヘキシルカルボジイミドの412部と、テトラハイド
ロフランの270部とを、同温度で3時間に亘って滴下
し、さらに、6時間のあいだ反応を継続せしめたのち、
析出したジシクロヘキシル尿素を濾別した処、不揮発分
が50%なる、目的のポリエーテル樹脂が得られた。こ
れをA−6と略称する。
【0108】参考例 7(同上) 温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素ガス
導入管を備えた反応容器に、トリメチロールプロパンと
ε−カプロラクトンとのモル比が1:3なる付加物の4
76部と、無水コハク酸の300部とを仕込み、窒素雰
囲気下で、攪拌しながら140℃に昇温した。
【0109】次いで、同温度で、4時間のあいだ反応さ
せて、カルボキシル基含有ポリエステルを得た。しかる
のち、室温に冷却してから、トルエンの213部と、テ
トラハイドロフランの508部と、N−ヒドロキシ−6
−クロロベンゾトリアゾールの508部とを添加し、さ
らに、テトラハイドロフランの508部と、ジシクロヘ
キシルカルボジイミドの618部とを、室温下に、3時
間かけて滴下した。
【0110】その後も、さらに、4時間のあいだ反応を
継続せしめてから、析出したジシクロヘキシル尿素を濾
別して、不揮発分が50%なるポリエステル樹脂を得
た。これを、A−7と略称する。
【0111】参考例 8(同上) 温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素ガス
導入管を備えた反応容器に、数平均分子量が500なる
ポリプロピレングリコールの1,500部と、ヘキサメ
チレンジイソシアネートの336部と、ジブチル錫ジラ
ウレートの0.9部とを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌し
ながら、100℃に昇温した。
【0112】次いで、同温度で、8時間のあいだ反応を
行ったのち、酢酸ブチルの500部、トリフェニルホス
フィンの9部および無水フタル酸の296部を加え、1
20℃に昇温して、同温度で6時間、反応を続行せしめ
て、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂を得た。
【0113】しかるのち、室温下で、トルエンの1,1
690部と、テトラハイドロフラン406部と、N−ヒ
ドロキシ−6−トリフルオロベンゾトリアゾールの40
6部とを添加し、さらに、テトラハイドロフランの40
6部と、ジシクロヘキシルカルボジイミドの412部と
を、室温下で、3時間を要して滴下した。
【0114】その後も、さらに、4時間のあいだ反応を
継続せしめてから、析出したジシクロヘキシル尿素を濾
別して、不揮発分が50%なるウレタン重合体を得た。
これを、A−8と略称する。
【0115】参考例 9(同上) 温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素ガス
導入管を備えた反応容器に、ジメチルテレフタレートの
776部、1,6−ヘキサンジオールの361部、エチ
レングリコールの126部および酢酸亜鉛の2.5部を
仕込み、窒素雰囲気下に、160〜210℃で脱メタノ
ール反応を行った。
【0116】次いで、反応混合物を160℃に保持し
て、無水トリメリット酸の192部と、無水コハク酸の
100部とを加え、同温度で、3時間のあいだ反応を行
って、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂を得た。
【0117】さらに、30℃に冷却して、その温度で、
酢酸ブチルの745部およびトルエンの745部を添加
し、その反応混合物中に、N−ヒドロキシベンゾトリア
ゾールの270部を添加し、さらに、テトラハイドロフ
ランの270部と、ジシクロヘキシルカルボジイミドの
412部とを、同温度下に、2時間を要して滴下せしめ
た。
【0118】その後も、さらに、4時間のあいだ反応を
継続せしめてから、析出したジシクロヘキシル尿素を濾
別して、不揮発分が50%なる、ポリエステル樹脂の溶
液を得た。これをA−9と略称する。
【0119】参考例 10〔水溶性樹脂たるN−ビニル
ピロリドン系共重合体(B)の調製例〕 温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素ガス
導入管を備えた反応容器に、キシレンの400部および
n−ブタノールの400部を仕込んで、内容液中に、3
0分間の窒素ガスブローを行なった。
【0120】次いで、100℃に昇温して、キシレンの
100部、n−ブタノールの100部、tert−ブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの10部、N
−ビニルピロリドンの800部およびメチルメタクリレ
ートの200部を、5時間かけて滴下した。
【0121】さらに、100℃で、10時間の反応を継
続せしめて、目的とする水溶性樹脂を得た。これをB−
1と略称する。
【0122】参考例 11〔水溶性樹脂たるアクリルア
ミド系共重合体(B)の調製例〕 温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素ガス
導入管を備えた反応容器に、キシレンの800部を仕込
んでから100℃まで昇温したのち、キシレンの200
部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エートの20部、アゾビスイソブチロニトリルの5部、
N,N−ジメチルアクリルアミドの500部、メチル
メタクリレートの200部およびエチルアクリレートの
300部よりなる混合物を、6時間かけて滴下した。さ
らに、同温度で8時間のあいだ反応を続行せしめて、目
的とする水溶性樹脂を得た。これをB−2と略称する。
【0123】参考例 12〔疎水性共重合体(C)の調
製例〕 温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素ガス
導入管を備えた反応容器に、キシレンの800部を仕込
んでから、100℃まで昇温したのち、キシレンの20
0部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエートの20部、アゾビスイソブチロニトリルの5部
およびメチルメタクリレートの800部と、イソブチル
アクリレートの200部とからなる混合物を、6時間か
けて滴下した。さらに、同温度で、8時間のあいだ反応
を続行せしめて、目的とする疎水性樹脂を得た。これを
C−1と略称する。
【0124】実施例 1〜9ならびに比較例 1〜4 第1表に示される通りの配合組成に基ずいて、各成分を
配合し、混練分散を行なって、それぞれ、本発明の防汚
塗料と、対照用の防汚塗料とを調製した。次いで、後掲
する如き要領に従って、それぞれの塗料についての、諸
性能の比較検討を行なった。それらの結果は、まとめ
て、第2表に示す。
【0125】
【表1】
【0126】《第1表の脚注》 1) 50%トルエン溶液として用いた。 2) 塩化ゴムとしては、「アデカ塩化ゴム CR−1
0」[旭電化工業(株)製品]を使用し、50%酢酸エ
チル溶液として用いた。
【0127】
【表2】
【0128】
【表3】
【0129】次いで、実施例1〜9ならびに比較例1〜
4で得られた、それぞれの防汚塗料を、塗膜厚が60ミ
クロン(μm)となるように3回塗装し、しかるのち、
かくして得られた、それぞれの試験板を、まず、海面下
に垂下された回転ドラムの外側に取り付けて、試験板に
対して海水の速度が10ノットとなるように、ドラムを
回転させて、3ケ月間のロータリー試験を行ない、初期
膜厚と経時変化後の膜厚との差を測定し、これを以て、
自己研磨性の評価を行った。それらの試験結果を、まと
めて、第2表に示す。
【0130】《性能試験要領》 〔I〕ロータリー試験 サンドブラストした10cm×10cm×0.8mmな
るサイズの銅板に、エッチングプライマーを、塗膜厚が
5μmとなるようにして1回塗装し、さらに、タールビ
ニル系船底防錆塗料を、塗膜厚が70μmとなるように
して1回塗装した。
【0131】
【表4】
【0132】《第2表の脚注》ロータリー試験の結果
は、塗膜の消耗度(μm/月)で以て表示している。
【0133】〔II〕シミュレーション試験 サンドブラストした、10cm×10cm×1mmなる
サイズの銅板に、下塗防錆塗料として、タールエポキシ
塗料を、塗膜厚が125μmとなるようにして2回塗装
し、さらに、タールビニル系の中塗塗料を、塗膜厚が7
0となるようにして1回塗装した。
【0134】次いで、実施例1〜9ならびに比較例1〜
4で得られた、それぞれの防汚塗料を、塗膜が100と
なるようにして3回塗装し、しかるのち、かくして得ら
れた、それぞれの試験板について、前述のロータリー試
験を1ケ月間行ない、さらに、そのあと、1.5mの海
中に、1ケ月間のあいだ浸漬せしめることを以って、1
サイクルの試験期間とした。
【0135】船舶の運航を想定したシミュレーション試
験を行ない、1サイクル毎の防錆性を、試験塗膜上の付
着生成の占有面積(%)で以って表示した。それらの試
験結果を、まとめて、第3表に示す。
【0136】
【表5】
【0137】《第3表の脚注》シミュレーション試験の
結果は、付着生成物の占有面積(%)で以て表示してい
る。
【0138】
【発明の効果】本発明の防汚塗料用組成物は、海水中
で、徐々に、加水分解するという、特定の官能基を有す
る重合体を用いたものである処から、強固で、しかも、
適度なる水溶性を保持するという、斬新なる形の塗膜を
形成することが出来る。
【0139】したがって、本発明の組成物は、塗料中に
配合されている防汚剤を、長期間に亘って、安定的に溶
出せしめることが出来る処から、船底、魚網または海中
構築構造物などの、いわゆる表面塗装用として、極めて
有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 177/00 PLS 9286−4J

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリアゾールエステル基を有する重合体
    (A)を、必須の皮膜形成性成分として含有することを
    特徴とする、防汚塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 トリアゾールエステル基を有する重合体
    (A)と、親水性樹脂(B)および/または親水性化合
    物(C)とを含有することを特徴とする、防汚塗料用樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 トリアゾールエステル基を有する重合体
    (A)と、疎水性樹脂(D)とを含有することを特徴と
    する、防汚塗料用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 トリアゾールエステル基を有する重合体
    (A)と、親水性樹脂(B)および/または親水性化合
    物(C)と、疎水性樹脂(D)とを含有することを特徴
    とする、防汚塗料用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 トリアゾールエステル基を有する重合体
    (A)と、防汚剤(E)とを含有することを特徴とす
    る、防汚塗料用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 トリアゾールエステル基を有する重合体
    (A)と、親水性樹脂(B)および/または親水性化合
    物(C)と、防汚剤(E)とを含有することを特徴とす
    る、防汚塗料用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 トリアゾールエステル基を有する重合体
    (A)と、疎水性樹脂(D)と、防汚剤(E)とを含有
    することを特徴とする、防汚塗料用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 トリアゾールエステル基を有する重合体
    (A)と、親水性樹脂(B)および/または親水性化合
    物(C)と、疎水性樹脂(D)と、防汚剤(E)とを含
    有することを特徴とする、防汚塗料用樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 前記したトリアゾールエステル基を有す
    る重合体(A)が、一般式 (I) 【化1】 〔ただし、式中のR1 およびR2 は、それぞれ、同一で
    も異なっていてもよい、水素原子もしくはハロゲン原子
    または置換ないしは非置換のC1 〜C18なるアルキル
    基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル
    基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルカノイル
    基、アルカノイルオキシ基、ニトロ基もしくはシアノ基
    を表わすものとし、かつ、R1 およびR2 は、互い
    に、置換ないしは非置換のアルキレン鎖を形成してもよ
    いし、あるいは、R1 が結合している炭素原子と、R2
    が結合している炭素原子と、R1 と、R2 とが、それぞ
    れ、一緒になって、置換ないしは非置換の芳香族環を形
    成していてもよいものとする。〕で示される構造の基を
    有するものである、請求項1〜8のいずれか一つに記載
    の防汚塗料用樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 前記したトリアゾールエステル基を有
    する重合体(A)が、ビニル系重合体、ポリエーテル系
    重合体、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体お
    よびポリウレタン系重合体よりなる群から選ばれる、少
    なくとも1種のものである、請求項1〜8のいずれか一
    つに記載の防汚塗料用樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001342432A (ja) * 2000-05-31 2001-12-14 Nippon Paint Marine Kk 塗料組成物
JP2013531692A (ja) * 2010-04-20 2013-08-08 ピーピージー・コーテイングス・ユーロプ・ベー・ブイ 塗料組成物

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