JPH04372667A - 自己研磨型の防汚塗料組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自己研磨型　（　ｓｅ
ｌｆ−ｐｏｌｉｓｈ　ｔｙｐｅ　）　の防汚塗料組成物
　（　ａｎｔｉｆｏｕｌｉｎｇ　ｃｏａｔｉｎｇ　ｃｏ
ｍｐｏｓｉｔｉｏｎ　）　　、とくに重合性脂肪酸金属
石鹸　（　ｍｅｔａｌ　ｓｏａｐ　）　を含む塗料組成
物に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】防汚　（　ａｎｔｉｆｏｕｌｉｎｇ　）
用の船舶用塗料は、主に、自己研磨型及び不溶性マトリ
ックス型の、２つの型に分類される。自己研磨型防汚塗
料は、海水により徐々に加水分解され磨かれて行き、船
舶表面と水との摩擦を減少せしめる滑らかで且つ新鮮な
表面を形成し、航行エネルギー　（ｓａｉｌｉｎｇ　ｅ
ｎｅｒｇｙ　）　を減少させる。新鮮な表面は、塗料中
に含まれる防汚毒素　（　ｔｏｘｉｎｓ　）　をそれが
使い果されるまで露出する。

【０００３】自己研磨型塗料は、一般に有機酸基のよう
な加水分解可能な基を含む樹脂を含んでいる。このよう
な塗料の加水分解率は、陽イオン及び酸のタイプ、及び
樹脂中に含まれる酸基のパーセンテージに依存する。

【０００４】自己研磨型防汚塗料は、毒素を含む型でも
含まない型でも良い。有機スズのような毒素を含む塗料
は、非常に優れた防汚特性と自己研磨特性を有すること
で有名な、スズ置換ポリアクリレートである。しかしな
がら、このような塗料は極度の毒性を有するため、法的
制限を受けている。銅を含む防汚塗料は、毒性がより少
ないので、場合により毒素を追加混入しても良い。この
ような塗料の例は、日本公開特許公報第６，２８４，１
６８号、第６，０９４，４７１号、ヨーロッパ特許出願
第２６，９５８号及び第２０４，４５６号に開示されて
いる。毒素を含まない防汚塗料それ自体には毒性がなく
、毒素の追加を必要とする。このような非毒性塗料の例
は、日本公開特許公報第０１，１３１，２８５号、第６
３，３１４，２８０号及び第６１，２１８，６６８号に
開示されている。

【０００５】米国特許第４，７７４，０８０号には、加
水分解可能な防汚塗料組成物であって、非常に優れた皮
膜形成特性を有し、且つその樹脂が側鎖部位に加水分解
により親水性基を形成することができる特定の基を持つ
こと、及び海水中にて適切な速度で加水分解されて溶解
すること及び高価で毒性のあるトリ有機スズ化合物の使
用を必要としないで調製できることを特徴とする、加水
分解性防汚塗料組成物が開示されている。上記側鎖の特
定の基には、亜鉛、銅及びテルルより選ばれた金属の陽
イオンを含んでいる。また、上記樹脂は直鎖状のポリマ
ーであり、非架橋　（　ｎｏｎ−ｃｒｏｓｓｌｉｎｋｅ
ｄ　）　　熱可塑性フィルムを形成する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、皮膜形成性
のある粘性の低い不飽和脂肪酸金属石鹸を含み、且つ高
価なスズ金属化合物の使用を必要としないにもかかわら
ず、その低い粘性の結果防汚剤または毒性のある薬剤を
多量配合できる故に効果的に防汚できる、加水分解性の
又は自己研磨性のある防汚塗料組成物を提供することを
目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】脂肪酸又はナフテン酸の
ような疎水性の高い飽和酸とＣｏ，Ｍｎ，Ｚｎ，Ｃｕ，
Ｃａ，等のような多価金属の化合物とから調製された石
鹸は、塗料工業においては、ドライヤー　（　ｄｒｉｅ
ｒ　）　　及び触媒のごとく良く知られた商品である。 これらの石鹸は水不溶性ではあるが、徐々に加水分解さ
れる。加水分解速度は、石鹸中に含まれる酸および陽イ
オンの種類により異なる。これは、酸および陽イオンを
変化させることにより加水分解速度を調整できることを
意味するものである。これらの金属石鹸は、塗料組成物
のバインダーとして使用することはできない。しかし、
リノレン酸のような不飽和脂肪酸より作られた金属石鹸
は、本発明に従い、ドライヤーの存在下で通常の室温に
て空気にさらされると、皮膜を形成することができる。

【０００８】本発明における加水分解性塗料組成物は、
一般式 Ｒ１−Ａ１−Ｍ−Ａ２−Ｒ２ ［式中Ｒ１は不飽和脂肪酸又は脂肪アルコールの残基を
示し、Ｍは少なくとも２価の価数を有する金属を示し、
Ａ１とＡ２は各々独立してカルボン酸、硫酸又はリン酸
の官能基を示し、Ｒ２は不飽和又は飽和有機酸、脂環式
１価有機酸又はアルコール、又はアクリルオリゴマーの
残基を示す。］で表わされる金属石鹸樹脂を含む。より
詳しくは、本発明は、一般式 Ｒ１−Ａ１−Ｍ−Ａ２−Ｒ２ ［式中Ｒ１は不飽和脂肪族炭化水素を示し、Ｍは２価以
上の価数を有する金属を示し、Ａ１とＡ２は、各々独立
して、カルボン酸、硫酸又はリン酸の官能基を示し、Ｒ
２は脂肪族、芳香族、脂環式１価有機酸又はアルコール
の不飽和又は飽和残基、又はアクリルオリゴマーを示す
。］で表わされる金属石鹸樹脂を含み、該金属石鹸樹脂
が、少なくとも２価以上の価数を有する金属を含む金属
化合物と不飽和有機酸を含む反応組成物　（　ｒｅａｃ
ｔｉｏｎ　ｃｏｍｐｏｓｉｔｉｏｎ　）　とを反応させ
て得られるものであることを特徴とする加水分解性防汚
塗料組成物を提供するものである。ここで、上記反応組
成物は、金属と反応させる反応物又は反応物の混合物を
指し、該組成物は不飽和有機酸、不飽和有機酸の混合物
又は不飽和有機酸と飽和有機酸との混合物である。

【０００９】不飽和脂肪酸又は油の金属石鹸は直鎖構造
を有し、ドライヤーの存在下で空気中の酸素にさらすと
、硬化して架橋皮膜になる。不飽和金属石鹸は粘性が非
常に低いので、ＣｕＯのような防汚剤を多量添加するこ
とができる。多量の毒素を添加できるということは、長
期間持続的に防汚効果を発揮させるためには、スズ化合
物のような高価でかつ強力な毒性物質を全く使用しない
防汚塗料にとっては重要なことである。

【００１０】本発明により形成された皮膜の架橋密度は
、不飽和脂肪酸の量及び種類を変えることにより調整す
ることができる。飽和脂肪酸を混入すると、架橋密度が
減少し、皮膜の性質に影響を及ぼすことになる。一方、
架橋密度及び皮膜の性質は、加水分解速度に影響を及ぼ
す。

【００１１】上述した金属石鹸樹脂は、金属化合物と、
不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸の混合物又は１種以上の不
飽和脂肪酸と飽和有機酸とを含む混合物とを反応させて
調製することができる。その他に、他のポリマーを金属
石鹸樹脂に配合して、石鹸樹脂の性質を変化させること
もできる。

【００１２】本発明に有用な不飽和脂肪酸としては、オ
レイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン
酸、リカン酸、リシノール酸、エルカ酸がある。他の有
用な脂肪酸は、ヒマシ油、大豆油、トウモロコシ油、綿
実油、亜麻仁油、オイチシカ油、エノ油、ケシ油、ナタ
ネ油、サフラワー油、ヒマワリ油、トール油、キリ油、
クルミ油、ニシン油、メンヘーデン油及びイワシ油から
得られるものを挙げることができる。他の不飽和有機酸
も利用できる。上記不飽和酸は、脂肪アルコールに変換
することができ、該脂肪アルコールは、不飽和脂肪族基
を含むリン酸又はスルホン酸を調製するのに使用できる
。

【００１３】金属化合物は、酸化物でも、水酸化物でも
、塩化物でも良い。周期表にある少なくとも２価以上の
価数の金属は、そのほとんどが本発明に使用できる。 第Ｉｂ，ＩＩａ，ＩＩｂ，ＩＩＩａ，ＩＩＩｂ，ＩＶａ
，ＩＶｂ，Ｖａ，Ｖｂ，ＶＩＩａ及びＶＩＩＩ族に属す
る金属であれば良い。金属石鹸を調製するのに使用され
る金属は、加水分解速度に影響を及ぼす。アルカリ金属
の石鹸は容易に水に溶ける。アルカリ土類金属の石鹸は
水不溶性であるが、水中にて加水分解可能である。アル
カリ土類金属の種類により、石鹸の加水分解速度が異な
ってくる。例えば、バリウムのような分子量の大きいア
ルカリ土類金属の加水分解速度は、マグネシウムのよう
な分子量の小さい他のアルカリ土類金属に比べると、遅
い。加水分解速度は、Ａｌ，Ｃｏ，Ｚｎ，Ｍｎ，Ｃｏ，
等の第ＩＩＩ，ＩＶ族の金属及び遷位金属を使用するこ
とによっても変ってくる。

【００１４】本発明において有用な飽和有機酸としては
、−ＣＯＯＨ、−ＯＳＯ３　Ｈ−　　又は　　−Ｏ−Ｐ
Ｏ３　Ｈ３　を含んでいる飽和有機酸であれば良い。上
記酸は、脂肪族、芳香族、脂環式の１価有機酸、又は天
然の酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、
カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸、
ナフトエ酸、トルイル酸、サリチル酸、ニトロ安息香酸
、クロロ安息香酸、クロロ酢酸、ブロモ酢酸、ベンゼン
スルホン酸、ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン
酸、ナフテン酸、ロジン及び種々の天然脂肪酸等を例示
できる。

【００１５】本発明で有用な他の飽和有機酸は、例えば
　　−ＣＯＯＨ、　　−ＯＳＯ３　Ｈ　　又は　　−Ｏ
−ＰＯ３　Ｈ３　を含有するポリエステル共重合体及び
アクリル酸又はメタクリル酸の共重合体のような酸含有
オリゴマー等であっても良い。上記アクリル共重合体の
例としては、アクリル酸（又はメタクリル酸）、スチレ
ンスルホン酸及び／又はビニル単量体の共重合体を挙げ
ることができる。ポリエステルの例としては、多官能価
　（　ｐｏｌｙｆｕｎｃｔｉｏｎａｌ　）　のアルコー
ル及び多官能価の酸から調製される重合体を挙げること
ができる。これら重合体の機能は、皮膜形成ではなく、
架橋皮膜の自己研磨特性を修飾することである。それゆ
え、上記重合体は皮膜形成特性を要求されないので、オ
リゴマーであっても良い。

【００１６】本発明の金属石鹸樹脂と配合可能な重合体
は、ロジン樹脂　（　ｒｏｓｉｎｉｃ　ｒｅｓｉｎ　）
及びポリアクリルアミドのような水溶性重合体、及びカ
ルボキシル基のような親水性基を含有する重合体、及び
ポリアクリロアミド　（　ｐｏｌｙａｃｒｙｌｏａｍｉ
ｄｅ　）　　でも良い。他の有用な重合体としては、カ
ルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基又はア
ミド基を含むポリウレタン及びポリエステル及びポリア
クリルがある。

【００１７】

【実施例】本発明を、以下の実施例において更に詳細に
説明する。

【００１８】

【実施例１】４つ口反応容器中で、２８０ｇの亜麻仁油
脂肪酸、５０ｇのＣｕ（ＯＨ）２　及び２００ｇのキシ
レンを混合し、１４０℃まで徐々に加熱し、２時間同温
度を維持して反応を完了させた。固形分６０％の透明な
溶液を得た。

【００１９】

【実施例２】４つ口反応容器中で、１５０ｇのキリ油脂
肪酸、１２０ｇのステアリン酸、５０ｇのＣｕ（ＯＨ）
２　及び２００ｇのキシレンを混合し、１４０℃まで徐
々に加熱し、２時間同温度を維持して反応を完了させた
。 固形分５７％の透明な溶液を得た。

【００２０】

【実施例３】４つ口反応容器中にて、６０ｇのメタクリ
ル酸メチル、８０ｇのアクリル酸ブチル、６０ｇのアク
リル酸、３ｇのブチルメルカプタン、５０ｇのｎ−ブタ
ノール及び２００ｇのキシレンを、１２０℃にて３時間
反応させてオリゴマーを得た。その後、５０ｇの亜麻仁
油脂肪酸及び５０ｇのＣａ（ＯＨ）２をオリゴマーに添
加し、１４０℃に加熱した。反応容器を２時間１４０℃
に維持して、反応を完了させた。

【００２１】

【実施例４】実施例１の方法に従って大豆油脂肪酸及び
Ｃｕ（ＯＨ）２　から樹脂を調製した。アクリル共重合
体を、８０ｇのメタクリル酸メチル、５０ｇのアクリル
酸ブチル、７０ｇのアクリル酸、３ｇのアゾビスイソブ
チロニトリル及び２００ｇのキシレンを用いて合成する
。 ５０ｇのアクリル共重合体を、５０ｇの上記樹脂と配合
する。

【００２２】

【実施例５〜８】防汚塗料を、次の処方に従って実施例
１〜４の樹脂から調製した。 　　　　　　　　　　成分　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　量（ｇ）　　　　
　　　　　　樹脂　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　２５　　　　　　　　　　
ＣｕＯ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　４０　　　　　　　　　　ベントン　（　
Ｂｅｎｔｏｎｅ　）　＃３４　　　　　　　　　　　　
１．５　　　　　　　　　　タルク　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１０　　　　
　　　　　　ＣａＣＯ３　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　５　　　　　　　　　　キ
シレン　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　２０上記防汚塗料の物理的性質及び防汚特性を
、表１に要約した。対照１はクロロゴムロジン　（　ｃ
ｈｌｏｒｏ　ｒｕｂｂｅｒ　ｒｏｓｉｎ　）　　より、
対照２は自己研磨性有機スズ樹脂より調製した。尚、表
１中、防汚性の試験は、供試プレートを海に浸漬させて
行い、防汚能を汚損面積　（　ｆｏｕｌｉｎｇ　ａｒｅ
ａ　）　の百分率で表した。

【表１】

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　一般式 Ｒ１−Ａ１−Ｍ−Ａ２−Ｒ２ ［式中Ｒ１は不飽和脂肪族炭化水素を示し、Ｍは２価以
   上の価数を有する金属を示し、Ａ１とＡ２は、各々独立
   して、カルボン酸、硫酸又はリン酸の官能基を示し、Ｒ
   ２は脂肪族、芳香族、脂環式１価有機酸又はアルコール
   の不飽和又は飽和残基、又はアクリルオリゴマーを示す
   。］で表わされる金属石鹸樹脂を含み、該金属石鹸樹脂
   が、少なくとも２価以上の価数を有する金属を含む金属
   化合物と不飽和有機酸を含む反応組成物　（　ｒｅａｃ
   ｔｉｏｎ　ｃｏｍｐｏｓｉｔｉｏｎ　）　とを反応させ
   て得られるものであることを特徴とする加水分解性防汚
   塗料組成物。
2. 【請求項２】　　前記反応組成物が、カルボン酸、有機
   スルホン酸、及び有機リン酸からなる群より選ばれた飽
   和有機酸を更に含む請求項１に記載の加水分解性防汚塗
   料組成物。
3. 【請求項３】　　前記反応組成物が、ポリアクリル酸及
   びポリエステルからなる群より選ばれた低分子量の高分
   子酸　（　ｐｏｌｙｍｅｒｉｃ　ａｃｉｄ　）　を更に
   含む請求項１に記載の加水分解性防汚塗料組成物。
4. 【請求項４】　　前記不飽和金属石鹸樹脂と配合される
   親水性基含有重合体を更に含む請求項１に記載の加水分
   解性防汚塗料組成物。
5. 【請求項５】　　前記金属が、第Ｉｂ，ＩＩａ，ＩＩｂ
   ，ＩＩＩａ，ＩＩＩｂ，ＩＶａ，ＩＶｂ，Ｖａ，Ｖｂ，
   ＶＩＩａ及びＶＩＩＩ族に属する金属からなる群より選
   ばれた金属である請求項１に記載の加水分解性防汚塗料
   組成物。
6. 【請求項６】　　前記不飽和有機酸が、オレイン酸、リ
   ノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、リカン酸
   、リシノール酸、エルカ酸からなる群より選ばれた不飽
   和脂肪酸である請求項１に記載の加水分解性防汚塗料組
   成物。
7. 【請求項７】　　前記不飽和有機酸が、ヒマシ油、大豆
   油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、オイチシカ油
   、エノ油、ケシ油、菜種油、サフラワー油、ヒマワリ油
   、トール油、キリ油、クルミ油、ニシン油、メンヘーデ
   ン油及びイワシ油からなる群より選ばれた油から得られ
   た不飽和脂肪酸である請求項１に記載の加水分解性防汚
   塗料組成物。
8. 【請求項８】　　前記飽和有機酸が、酢酸、プロピオン
   酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン
   酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
   リン酸、安息香酸、ナフトエ酸、トルイル酸、サリチル
   酸、ニトロ安息香酸、クロロ安息香酸、トルエンスルホ
   ン酸、ナフテン酸、ロジン及び天然脂肪酸からなる群よ
   り選ばれる請求項２に記載の加水分解性防汚塗料組成物
   。
9. 【請求項９】　　前記飽和有機酸が、アクリル共重合体
   、ビニル単量体及びスチレンスルホン酸の共重合体、及
   び多官能価のアルコール及び多官能価の酸から調製され
   るポリエステルより選ばれたオリゴマー基を含む請求項
   ２に記載の加水分解性防汚塗料組成物。
10. 【請求項１０】　　前記親水性基含有重合体が、ロジン
    、ポリアクリルアミド、アクリルポリマー、ポリエステ
    ル及び親水性基を含むポリウレタンより選ばれた請求項
    ４に記載の加水分解性防汚塗料組成物。