JP4593082B2 - ポリマーアロイ複合材料の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数種の樹脂が相溶化されているポリマーアロイを用いたポリマーアロイ複合材料に関し、より詳細には、加熱プレスなどの熱成形が行われた場合であっても相分離が生じ難いポリマーアロイ複合材料の製造方法、該ポリマーアロイ複合材料及び成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の樹脂の特性を活かして耐熱性や耐衝撃性などの様々な特性を改善する試みがなされている。また、複数種の樹脂に層状珪酸塩を配合することにより耐衝撃性等に優れた成形品を得ることを可能とする樹脂組成物も提案されている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、ポリアミド樹脂10〜90重量%、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂90〜10重量%及び予め膨潤化剤と接触されて層間が広げられた層状珪酸塩とを含む樹脂組成物が開示されている。ここでは、ポリアミド樹脂により成形品の成形性、機械的強度が高められ、ポリフェニレンエーテル系樹脂により耐熱性及び耐水性等が高められるとされている。また、層状珪酸塩の配合により、成形品の剛性及び耐衝撃性がより高められるとされている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の樹脂組成物では、ポリアミド系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂及び層状珪酸塩のそれぞれの利点を利用することができるとされているものの、上記樹脂組成物の製造に際しては、ポリアミド樹脂及びポリフェニレンエーテル系樹脂を単に混合する方法、あるいは一方の樹脂の存在下で他方の樹脂を重合する方法などが示されているだけである。従って、得られた樹脂組成物では、ポリアミド樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂とは相分離しており、このような相分離構造を有するマトリックス中に層状珪酸塩が分散されている。よって、成形性が十分でなかったり、耐衝撃性や剛性が十分でないことがあった。
【0005】
他方、近年、超臨界状態の溶媒を用いて複数種のポリマーを相溶化させることにより、超微小相分離構造を有するポリマーアロイの製造方法が種々提案されている。
【0006】
例えば、下記の特許文献2には、2種類の重合体を常温常圧では気体である超臨界気体または超臨界気体の混合物を用いて溶融し、溶融した重合体混合物の粘度が少なくとも10%低下するまで十分な時間に渡って徹底的に混合し、次に、重合体の溶融混合物の粘度が少なくとも当初の値に達するまで十分に時間をかけて混合を続けながら溶融混合物を十分に冷却し、しかる後、混合容器を急激に解圧してポリマーアロイ分散分離混合体を製造する方法が開示されている。
【0007】
また、下記の特許文献3には、常温常圧で液体の溶媒を高温高圧状態の流体に代えて、常態では非相溶である2種以上のポリマーを相溶化し、次に急激に圧力を低下させて溶媒を気化させ、100nm以下の超微小相分離構造を有するポリマーアロイを製造する方法が開示されている。
【0008】
しかしながら、これらのポリマーアロイの製造方法は、超臨界気体または超臨界気体を含む混合物を加圧状態から急激に解圧したり、急激に圧力を低下させることによって高温高圧の流体を気化させる、いわゆる断熱膨張による冷却工程を有する。従って、得られたポリマーアロイでは、内部に大量の気泡が発生しがちであった。このような気泡を有するポリマーアロイを用いて剛性に優れた成形品や透明な成形品を得ようとした場合には、煩雑な脱泡工程を実施しなければならない。また、脱泡工程においてポリマーアロイの超微小相分離構造が破壊されることもあった。
【0009】
また、上記のような従来のポリマーアロイの製造方法で得られたポリマーアロイを用いて加熱プレスにより成形を行った場合、加熱により超微小相分離構造が破壊されがちであった。すなわち、ポリマーアロイでは、2種以上の樹脂が超微小相分離構造を構成しているため、優れた特性を発現するが、ポリマーアロイを例えばマトリックス成分のガラス転移温度以上の温度で熱プレスして成形品を得ようとした場合、上記超微小相分離構造が破壊され、ポリマーアロイの特徴を活かした成形品を得ることができないという問題があった。
【0010】
【特許文献1】
特公平8−16190号公報
【特許文献2】
特開平2−134214号公報
【特許文献3】
特開平10−330493号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、超臨界状態の溶媒を利用した超微小相分離構造を有するポリマーアロイを用いたポリマーアロイ複合材料の製造方法であって、熱プレスなどの熱成形を行ったとしても超微小相分離構造が破壊され難いポリマーアロイ複合材料の製造方法、並びに該ポリマーアロイ複合材料及び該ポリマーアロイ複合材料を用いた成形品を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明は、常温常圧で互いに非相溶である複数種の樹脂と、常温常圧で少なくとも1種類の液体及び/又は少なくとも1種類の気体である溶媒と、層状珪酸塩とを混合する第1の混合工程と、前記溶媒を加熱及び加圧し、高温高圧流体または超臨界流体とし、この状態で前記混合を続ける第2の混合工程とを備えることを特徴とするポリマーアロイ複合材料の製造方法である。
【0013】
本発明のポリマーアロイ複合材料の製造方法では、第2の混合工程で得られた混合物を解圧することなく冷却する工程がさらに備えられてもよい。
【0014】
本発明のポリマーアロイ複合材料の製造方法では、解圧された後に冷却が行われてもよい。混合物が解圧された後冷却される場合では、ポリマーアロイ複合材料が発泡する事がある。この場合においても、本発明の混合物では,層状珪酸塩がポリマーアロイ中に微分散しており、層状粒子表面とポリマー分子との親和力(摩擦力)で相状態が維持される。このため、例えば発泡した本発明のポリマーアロイ複合材料を粉砕し、再びガラス転移温度以上で成形を行っても相状態を維持できる。
【0015】
本願の第2の発明は、ポリマーアロイと、前記ポリマーアロイ内に層状珪酸塩の粒子の50%以上が積層数5層以下で分散されていることを特徴とするポリマーアロイ複合材料である。すなわち、超微小相分離構造を有するポリマーアロイ中に層状珪酸塩が分散されており、第2の発明のポリマーアロイ複合材料を加熱成形した場合であっても、層状珪酸塩の配合により、ポリマーアロイにおける超微小相分離構造の破壊が効果的に抑制される。また、層状珪酸塩の配合により、得られた成形品の耐衝撃性及び耐熱性等が高められる。第2の発明のポリマーアロイ複合材料は、好ましくは、第1の発明の製造方法により得ることができる。
【0016】
第2の発明に係るポリマーアロイ複合材料のある特定の局面では、上記層状珪酸塩の層間距離が3nm以上、より好ましくは5nm以上となるように層状珪酸塩が分散されている。
【0017】
また、第2の発明に係るポリマーアロイ複合材料のさらに他の特定の局面では、示差熱量計を用いて相転移現象を観察したときに、複数種の樹脂の中のいずれの樹脂についての相転移現象が消失するか、または、それぞれの樹脂の相転移現象の起こる温度とは異なる温度において相転移現象が観察される。
【0018】
第2の発明に係るポリマーアロイ複合材料のさらに他の特定の局面では、ポリマーのドメインは100nm以下の大きさとされている。
第2の発明に係るポリマーアロイ複合材料のさらに別の特定の局面では、全光線透過率が89%以上、またはヘイズ値が3%以下とされている。すなわち、より透明なポリマーアロイ複合材料が提供される。
【0019】
本発明に係る成形品は、本発明に従って構成されたポリマーアロイ複合材料を加熱成形することにより得られ、上記のように加熱成形を行ったとしても、ポリマーアロイにおける超微小相分離構造が破壊され難いため、ポリマーアロイの特性を活かした成形品を提供することができる。
【0020】
本発明のポリマーアロイ複合材料では、混練中に超臨界流体が一種の相溶化剤として働くために相溶性が向上する。通常、混練した後、再びガラス転移温度以上に加熱すると、再び相分離が起こる。しかし本発明のポリマーアロイ複合材料では層状珪酸塩が微分散しているために、微小ドメインが相分離しようとしても層状粒子とドメインの間で摩擦が生じ、このため、相分離が抑制される。
【0021】
以下、本発明の詳細を説明する。
(第1の発明)
第1の発明では、常温常圧で互いに非相溶である複数種の樹脂と、常温常圧で少なくとも1種類の液体及び/または少なくとも1種類の気体である溶媒が用いられる。
【0022】
上記常温常圧で液体の溶媒としては、例えば、水、有機溶媒などが挙げられる。
上記有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロヘキサン、ブテンなどの飽和、不飽和、直鎖、分岐、環状飽和炭化水素、トルエン、ベンゼン、スチレン、キシレンなどの芳香族炭化水素系有機溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロパノールなどのアルコール系有機溶剤、アセトン、イソブチルメチルケトン、イソプロピルメチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン系有機溶剤、イソ吉草酸、酢酸などのカルボン酸系化合物、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系有機溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系有機溶剤、ヘキサメチレンジアミンなどのアミン系有機溶剤、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどのアクリル系有機溶剤、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。上記溶媒はハロゲン化などで一部または全部が変性されていても構わない。
【0023】
上記常温常圧で気体状の溶媒としては、例えば、N2;CO2;N2O;クロロジフルオロメタン、ジクロロトリフルオロエタン等のクロロフルオロカーボンまたはヒドロクロロフルオロカーボン;n−ブタン、プロパン、エタン等の低分子量アルカン;エチレン等の低分子量アルケン;アンモニア等が挙げられる。
【0024】
これらは単独で用いられても良いし、2種以上併用されても良い。
上記溶媒は樹脂を攪拌できる程度の体積を占めていることが好ましい。すなわち、常温常圧で液状の溶媒の体積は上記常温常圧では互いに非相溶である2種以上の樹脂の体積の合計の1倍以上であることが好ましい。
【0025】
一般に種類の異なるポリマー分子は互いに反発しあい、混練しても相分離がおこり、相溶しない。しかし、ポリマー以外の成分として超臨界流体を存在させると、超臨界流体の分子はそれぞれのポリマーと強い親和性を示し、互いに反発していたポリマーの表面を覆いつくすことで反発力を低減し、相溶化させることができる。
【0026】
なお、上記溶媒には、必要に応じて相溶化剤を添加してもかまわない。上記相溶化剤としては、ポリマーアロイを形成させたい各成分にそれぞれ相溶することができるセグメントが存在するオリゴマーまたはポリマーが挙げられる。相溶化剤がポリマーであるときは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマーのいずれでもよい。
【0027】
第1の発明では、第1の混合工程において層状珪酸塩がさらに混合される。本明細書において層状珪酸塩は、複数の薄片状結晶からなる複数の層を有する構造を有し、層間に交換性金属カチオンを有する多層状の珪酸塩鉱物を意味するものとする。層状珪酸塩は天然物であってもよく、あるいは合成物であってもよい。
【0028】
より具体的には、上記層状珪酸塩としては、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、バイデライト、スティブンサイト及びノントロナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物;膨潤性マイカ;バーミキュライトまたはハロイサイトなどが挙げられる。中でも、分散性に優れるため、モンモリロナイト、ヘクトライト、膨潤性マイカ及びバーミキュライトからなる群から選択された少なくとも1種が好適に用いられる。これらの層状珪酸塩は、1種のみが用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
【0029】
本発明においては、層状珪酸塩は、有機化処理が施されているものであってもよく、施されていないものであってもよい。本発明では、高温高圧流体または超臨界流体による処理により、層状珪酸塩が高度に分散されるため、有機化処理されていない層状珪酸塩を用いたとしても、層状珪酸塩が高度に分散されたポリマーアロイ複合材料を得ることができる。
【0030】
層状珪酸塩の薄片状結晶の形状は特に限定されないが、平均長さが0.01μm以上、3μm以下、薄片状結晶の厚みが0.001μm〜1μm、アスペクト比が20〜500であるものが高い透明性及び低い線膨張率を両立し得る上で好ましい。より好ましくは、上記薄片状結晶の平均長さは0.05〜2μm、厚みは0.01〜0.5μmの範囲である。
【0031】
特に高い透明性を実現する上では、上記平均長さは0.5μm以下であることが必要であり、さらにより低い線膨張率を実現するには、平均長さは0.05μm以上であることが望ましい。
【0032】
上記層状珪酸塩の配合割合については、上記2種以上の樹脂の合計100重量部に対し、0.01〜300重量部とすることが望ましい。0.01重量部未満では、後述の再加熱に際してのポリマーアロイの超微小相分離構造の破壊を抑制する効果が十分でないことがあり、また得られた成形品の耐熱性等を高める効果が十分でないことがある。300重量部を超えると、得られた成形品が脆くなることがある。好ましくは、層状珪酸塩は、上記2種以上の樹脂の合計100重量部、すなわち最終的に得られるポリマーアロイ複合材料のマトリックス樹脂100重量部に対し、0.1〜100重量部の割合で配合される。
【0033】
第1の発明に係るポリマーアロイ複合材料の製造方法では、次に、上記溶媒を加熱及び加圧し、溶媒の少なくとも一成分を高温高圧流体または超臨界流体とし、この状態で混合が続けられる、第2の混合工程が実施される。
【0034】
上記高温高圧流体または超臨界流体の温度は100〜700℃であることが好ましい。100℃未満であると、得られるポリマーアロイ複合材料の超微小相分離構造の形成が不十分となることがあり、700℃を超えると、樹脂が分解したり、昇温するために必要とするエネルギーが非常に大きくかつエネルギーロスが大きくなるため、コストが高くなり経済的でないことがある。より好ましくは100〜400℃である。CO2は比較的穏やかな臨界点を有するため、上記超臨界流体がCO2の場合では、10℃〜400℃が好ましい。
【0035】
上記高温高圧流体または超臨界流体の圧力は0.5〜100MPaであることが好ましい。0.5MPa未満であると、超微小相分離構造の形成が不十分となることがあり、100MPaを超えると、圧力を大きくさせるために必要なエネルギーが非常に大きくなるため、コストが高くなり経済的でない。より好ましくは.0.5〜60MPaである。
【0036】
樹脂を高温状態で混合する場合、処理時間は短時間であることが好ましい。混合時間が短時間であれば樹脂の分解を抑制することができる。なお、混合時間が長くなると得られる樹脂が分解してしまい液状となってしまうことがある。好ましい混合時間は処理温度により異なるが、400℃以上では30分以内、より好ましくは20分以内、さらに好ましくは10分以内である。
【0037】
このように短時間で混合を完了させる方法としては、例えば、それぞれの樹脂を予め溶融混合しておく方法が挙げられる。すなわち、それぞれの樹脂を予め溶融して混合しておけば、高温高圧状態または超臨界状態にすることにより、速やかにポリマーアロイ複合材料となる。また、これにより原料組成比と異なるポリマーアロイ複合材料が得られるおそれがなく、原料組成比とほぼ同じ組成比のポリマーアロイ複合材料が得られる。
【0038】
また、高温高圧状態または超臨界状態に達するまでの時間も短時間であることが好ましい。短時間であれば樹脂の分解を抑制することができる。短時間で高温高圧状態または超臨界状態に達するための方法としては、例えば、混合された樹脂を予め常圧環境下で予熱しておく方法等が挙げられる。
【0039】
第1の発明に係るポリマーアロイ複合材料の製造方法では、上記第2の混合工程において、溶媒が高温高圧流体または超臨界流体とされるが、この状態で混合を続けることにより、層状珪酸塩の薄片状結晶の層間が広げられ、薄片状結晶の分散性が高められる。すなわち、層状珪酸塩の50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上が、層状珪酸塩の積層数が5層以下となるように分散される。より具体的には、層状珪酸塩の薄片状結晶の前述した層間距離が3nm以上、好ましくは5nm以上となるように層状珪酸塩の薄片状結晶が分散される。
【0040】
第1の本発明のポリマーアロイ複合材料の製造方法では、次いで、必要に応じて上記第2の混合工程で得られた混合物を急速に冷却する。
この冷却については、好ましくは、混合物が解圧されることなくガラス転移温度以下まで冷却する方法が用いられる。
【0041】
なお、ガラス転移温度が複数存在する場合には、最も低いガラス転移温度を示す樹脂のガラス転移温度まで速やかに急冷してもよい。各樹脂のガラス転移温度まで段階的に急冷を繰り返してもよい。この場合、冷却速度を変えることにより、任意の相構造の形成が可能である。例えば、上限臨界共溶温度がマトリックス成分のガラス転移温度よりも高く、かつ、ドメイン成分のガラス転移温度がマトリックス成分のガラス転移温度よりも高い場合、マトリックス成分のガラス転移温度より高い温度に一定時間保持しドメイン成分を析出させた後に急冷すれば、完全相溶構造ではなく微小相分離構造を有するポリマーアロイ複合材料を得ることができる。
【0042】
なお、樹脂のガラス転移温度が室温以下である場合には、少なくとも室温まで急冷すれば、相構造をある程度維持することができる。
すなわち、上記冷却工程においては、混合物を解圧せずに急速に室温以下にまで冷却してもよい。
【0043】
解圧を行わずに急速に冷却する方法を採用した場合には、混合開始前または混合開始初期の製造容器内の温度と圧力を任意に設定することにより得られるポリマーアロイの相分離したドメイン粒子の大きさを調整することもできる。また、生成したポリマーアロイを取出す温度と圧力を調整したり、溶媒を選択したりすることにより発泡体として取出すこともできる。
【0044】
解圧を行わずに急速に冷却する方法を採用した場合には、取出した樹脂を、各種成形方法により任意の形状に成形することができる。本発明のポリマーアロイ複合材料では、一旦作製したアロイを再び成形温度まで加熱しても、層状珪酸塩の相分離が起こらない。
【0045】
また、第1の発明で得られたポリマーアロイ複合材料では、上記のように層状珪酸塩がポリマーアロイ中に分散されている。しかも、層状珪酸塩の薄片状結晶間の距離、すなわち層間距離が3nm以上となるように層状珪酸塩が分散されている。従って、後述の実施例から明らかなように、得られたポリマーアロイ複合材料を例えば加熱プレスなどの加熱成形により成形し、成形品を得る場合において、ポリマーアロイの上述した超微小相分離構造が破壊され難い。従って、ポリマーアロイの特徴を活かした特性、さらに層状珪酸塩の添加により剛性及び耐熱性の向上などの様々な利点を有する成形体を得ることができる。
【0046】
本発明のポリマーアロイ複合材料の製造方法で用いられる複数種の樹脂としては特に限定されない。使用可能な樹脂としては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、エチレンビニルアルコール共重合体、塩化ビニリデン樹脂、塩素化ポリエチレン、ポリジシクロペンタジエン、メチルペンテン樹脂、ポリブチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ノルボルネン系樹脂、ポリビニルアルコール、ウレタン樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリエトキシエチルメタクリレート、ポリホルムアルデヒド、セルロースジアセテート、ポリビニルブチラール等が挙げられる。なかでも、極性の大きく異なる樹脂の組み合わせはポリマーアロイとすることが困難であったが、本発明のポリマーアロイ複合材料の製造方法によれば容易にポリマーアロイを得ることができる。このような極性の異なる樹脂の組み合わせとしては、例えば、低極性樹脂がポリオレフィン樹脂であり、極性樹脂がアクリル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート等である場合等が挙げられる。
【0047】
また上記樹脂は、ブロック共重合体、ランダム共重合体またはグラフト共重合体等の共重合体であってもよい。また、オリゴマーであっても、高分子量または超高分子量重合体であってもよい。
【0048】
光学用途を目的とする場合には、上記樹脂としては透明性に優れたものであることが好ましい。透明性に優れる樹脂としては特に限定されず、例えば、熱可塑性ノルボルネン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル等が挙げられる。また、それぞれの樹脂の屈折率が近い場合には、透明性を実現し易く好ましい。また、光学用途の中には低屈折率を必要とする用途もあるが、そのような用途には屈折率の低い、熱可塑性ノルボルネン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン等の樹脂が好適である。
【0049】
光学用途を目的として得られた本発明のポリマーアロイ複合材料は、透明性、耐熱性、低吸湿性、低複屈折性及び成形性等に優れているため、その特性を活かし、例えば、一般カメラ用レンズ、ビデオカメラ用レンズ、望遠鏡レンズ、眼鏡レンズ、レーザービーム用レンズなどのレンズ類、光学式ビデオディスク、オーディオディスク、文書ファイルディスク、メモリディスクなどの光ディスク類、光ファイバーなどの光学材料、受像転写シートや各種フィルム、シート等の光学的用途を中心に、その他、各種電子機器筐体、窓ガラス、プリント基板、封止剤、無機または有機化合物のバインダー等の各種用途に広く用いることができる。
【0050】
本発明のポリマーアロイにおいて用いる2種以上の樹脂の少なくとも1つが透明樹脂である場合、上記透明樹脂と非相溶な樹脂とが100nm以下の超微小相分離構造を形成していることが好ましい。相分離構造が100nmを超えた場合には、透明性、ヘイズ等が低下して光学用途等には不適当になってしまう可能性がある。また、透湿性の高い樹脂を混合し100nm以下の超微小相分離構造とすることにより熱可塑性ノルボルネン系樹脂に透湿性を付与することもできる。
【0051】
本発明に係るポリマーアロイ複合材料では、好ましくは、示差熱量計を用いて相転移現象を観察したとき、複数種の樹脂のうちのいずれかの樹脂についての相転移現象が消失するか、または、それぞれの樹脂の相転移現象の起こる温度とは異なる温度において相転移現象が観察される。すなわち、複数種の樹脂が高度に相溶化される。また、好ましくは、ポリマーアロイにおけるポリマーのドメインの寸法は100nm以下とされているように、複数種の樹脂が超微小相分離構造を有するように相溶化されている。従って、本発明に係るポリマーアロイでは、例えば全光線透過率は89%、あるいはヘイズ値が3%以下、好ましくは2%以下の透明なポリマーアロイ複合材料を提供することができる。
【0052】
本発明のポリマーアロイ複合材料において、常温常圧では非相溶である2種以上の樹脂の配合割合としては、ベースとなる樹脂100重量部に対して、上記ベース樹脂に非相溶である樹脂を0.01〜100重量部配合することが好ましい。より好ましくは0.01〜15重量部、さらに好ましくは3〜10重量部である。
【0053】
本発明のポリマーアロイ複合材料には、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤等の公知の添加剤を配合することができる。
【0054】
上記酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられる。上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0055】
第1の発明のポリマーアロイ複合材料の製造方法に用いる製造装置の一例を図1に示した。図1の製造装置では、製造容器1が金属塩3中に沈められており、金属塩3はヒーター2で加熱溶融され、その温度は熱電対4で制御される。
【0056】
なお、図1の製造装置では加熱手段として金属塩溶融浴を用いたが、その他にも、例えば、電気ヒーター、バーナー、燃焼ガス、蒸気、熱媒、サンドバス等の加熱手段を用いることができる。
【0057】
製造容器1としては、超臨界域または超臨界域近傍になる過酷な条件下でも製造を行うため、この条件に耐えられる材質及び肉厚のものが使用される。
製造容器1の材質としては、例えば、炭素鋼、Ni、Cr、V、Mo等の特殊鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、ハステロイ、チタンまたはこれらにガラス、セラミック、カーバイト等をライニング処理したもの、他の金属をクラッドしたもの等が挙げられる。
【0058】
また、製造容器1の形状としては特に限定されず、例えば、槽型、管型、または特殊な形状のものでも使用できる。なかでも、耐熱、耐圧の問題を考えると槽型または管型が好ましい。バッチ式の場合は、オートクレーブや管型反応管が好ましい。
【0059】
上記製造容器1内には金属やセラミック等からなる硬質ボールや所定形状の障害物を置き、乱流を生じさせることが好ましい。製造容器1内に硬質ボールが備えられていると振とうにより乱流が発生するので攪拌効率が高められ反応効率を上げることができる。さらに、製造容器1が硬質ボール等で充填されていると容器を振とうするだけで攪拌効率が高くなり好ましい。
【0060】
また、上記硬質ボールの充填率は20〜80%であることが好ましい。この範囲外であると、攪拌効率が悪くなる。なお、直径の異なる2種以上の硬質ボールを用いることが好ましい。充填率を向上させることができ、攪拌効率を上げることができる。
【0061】
また、上記製造容器1内にはオリフィスがあいている板が備えられていることが好ましい。製造容器1内にオリフィスがあいている板が備えられていると振とうにより乱流が発生するので、攪拌効率が高められ反応効率を上げることができる。
【0062】
図1に示した製造装置を用いて本発明のポリマーアロイ複合材料を製造する方法としては、例えば、非相溶な2種以上の樹脂と溶媒と、層状珪酸塩とを、製造容器1に投入し、十分シールした後、上記金属塩溶融浴5に投入することにより、上記溶媒を加熱及び加圧して高温高圧流体または超臨界流体にさせる。
【0063】
この状態で所定の時間保持して、上記の2種以上の樹脂を相溶化させた後、製造容器1を冷却浴に素早く投入し、急速に冷却する。十分に冷却した後、製造容器1内に生成したポリマーアロイを取出す方法が挙げられる。
【0064】
本発明のポリマーアロイ複合材料の製造方法に用いる製造装置の別の一例を図2に示した。図2の製造装置では、原料樹脂及び層状珪酸塩からなる組成物がそれぞれ押出機6とシリンジフィーダー7から供給される。供給された樹脂はシースヒーター8により加熱され溶融混合される。一方、高温高圧流体または超臨界流体となり得る流体は定量ポンプ9により金属塩溶融浴10で加熱される。加熱された流体は高温高圧流体または超臨界流体となる。溶融状態の混合樹脂と高温の流体は混合され電気炉11で保温される。そして、冷却器12に達するまでに混合樹脂はポリマーアロイ複合材料となる。冷却器12により冷却され流体は高温高圧流体や超臨界流体ではなくなる。
得られたポリマーアロイ複合材料は流体と共に背圧調整弁13を備えた回収タンク14に貯留される。
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
(ポリマーアロイ複合材料)
本発明に係るポリマーアロイ複合材料は、常温常圧では互いに非相溶である複数種の樹脂が高温高圧流体または超臨界中で混合されることにより得られたポリマーアロイと、該ポリマーアロイ内に分散された層状珪酸塩とを含むことを特徴とする。このような層状珪酸塩が分散されたポリマーアロイ複合材料は、好ましくは、上述した第1の発明のポリマーアロイ複合材料の製造方法により得ることができる。第1の発明の製造方法を利用することにより、前述したように、層状珪酸塩の薄片状結晶が高度に分散されているポリマーアロイ複合材料を得ることができる。すなわち、層状珪酸塩の粒子の50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上が、層状珪酸塩の積層数が5層以下となるように層状珪酸塩が分散されたポリマーアロイ複合材料が得られる。具体的には、薄片状結晶の層間距離が好ましくは3nm、より好ましくは5nm以上となるように層状珪酸塩が分散されたポリマーアロイ複合材料が得られる。加熱プレス時などにおいては、層状珪酸塩の薄片状結晶がポリマーアロイ相の移動を摩擦力によって拘束するように作用する。従って、再加熱時のポリマーアロイの超微結晶相分離状態の破壊が効果的に抑制される。よって、本発明に係るポリマーアロイ複合材料を加熱成形することにより得られた本発明の成形品では、ポリマーアロイの超微小相分離構造が成形後も維持されているため、ポリマーアロイ複合材料の特徴を活かした各種成形品を提供することができる。
【0072】
なお、本発明に係るポリマーアロイ複合材料を加熱成形することにより得られる成形品の製造に際しては、加熱プレスの他様々な加熱成形方法を適宜用いることができる。
【0073】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施例を説明することにより、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0074】
(実施例1〜5及び参考例1,2)
図1に示した回分式の製造容器1(管型容器SUS316製,Tube Bomb Reactor,内容積100mL)に、表1に示した配合組成に従って所定量のポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、層状珪酸塩を投入し、次いで、二酸化炭素を液化し、ポンプにより製造容器1内の圧力が10MPaになるまで加え封止した後、製造容器1をマイクロヒーター2(助川電気工業社製)を備えた金属塩溶融浴5(新日豊化学社製)中に沈め、製造容器1を急速に加熱して温度を200℃、圧力を35MPaまで上昇させ、この状態に1時間維持した。その後、製造容器1を水冷により冷却し、しかる後、得られたポリマーアロイ複合材料を乾燥した。
得られたポリマーアロイ複合材料を200℃で熱プレスすることにより厚さ40μmのフィルムを作製した。
【0075】
(比較例1〜7)
表1に示した配合組成に従って所定量のポリカーボネート樹脂とポリスチレン樹脂をプラストミル(東洋精機社製,LABO PLASTOMILL MODEL 100C100)により、所定の条件で混練してポリマーブレンドを得た。
得られたポリマーブレンドを200℃で熱プレスすることにより、厚さ40μmのフィルムを作製した。
【0076】
(評価)
実施例1〜5、参考例1,2及び比較例1〜7で得た各フィルムにおける1)相転移温度、2)相分離構造のドメインサイズ、3)ヘイズ値、4)全光線透過率、5)層状珪酸塩の層間距離及び6)積層数を以下の要領で評価した。
【0077】
1)相転移温度
TA Instruments社製 DSC2920 Modulated DSC を用
い、下記の(1)〜(4)の順に進める温度プログラム条件において、最終昇温時のガラス転移温度を本発明のガラス転移温度とした。
【0078】
(1)昇温から−50℃まで10℃/分で降温して−50℃で5分間等温維持
(2)−50℃から250℃まで10℃/分で昇温して250℃で5分間保持
(3)250℃から−50℃まで20℃/分で降温して−50℃で5分間保持
(4)−50℃から250℃まで10℃/分で昇温して250℃で5分間保持
【0079】
2)相分離構造のドメインサイズ
透過型電子顕微鏡観察により相分離構造を観察し、下記の基準で評価した。
○:100nm以下
×:100nm以上
【0080】
3)ヘイズ値
厚さ40μmのサンプルフィルムに対してヘイズメーター(東京電飾社製:HCIIIDPK)を用い、JIS K7105に準拠して測定した。
【0081】
4)全光線透過率
厚さ40μmのサンプルフィルムに対してヘイズメーター(東京電飾社製:HCIIIDPK)を用い、JIS K7105に準拠して測定した。
【0082】
5)層状珪酸塩の層間距離
X線回折測定装置(リガク社製;RINT1100)によりサンプル中の層状珪酸塩の積層面の回折より得られる回折ピークの2θを測定し、ブラッグの回折式(1)を用いて該層状珪酸塩の層間距離(nm)を算出した。
【0083】
λ=2dsinθ …(1)
(λ:特性X線波長(0.154nm)、d:層状珪酸塩の層間距離、θ:回折角)
(1)式より得られたdを層間距離とした。
【0084】
6)積層数
サンプルをダイヤモンドカッターにて切り出し、透過型電子顕微鏡(TEM 日本電子社製 JEM−1200EX II)写真により複合物中の層状珪酸塩の剥離状態を観察した。
【0085】
結果を下記の表1に示す。なお、表1及び後述の表2において、PS:ポリスチレン(旭化成社製、商品名:スタイロン)、PC:ポリカーボネート(三菱エンジニアプラスチックス社製、商品名:ノバレックス)、ME100:層状珪酸塩(有機処理なし雲母、コープケミカル社製、ソマシフME100)である。
【0086】
【表1】
【0087】
(実施例6〜10及び参考例3,4)
実施例1〜5及び参考例1,2で得られた各フィルムを150℃及び1時間の条件で熱処理し、しかる後、ヘイズ値、相分離構造のドメインサイズ及び相転移温度を実施例1と同様にして評価した。結果を下記の表2に示す。
【0088】
【0089】
【表2】
【0090】
【発明の効果】
第1の発明に係るポリマーアロイ複合材料の製造方法によれば、常温常圧で互いに非相溶である複数種の樹脂と、常温常圧で液体または気体である溶媒と、層状珪酸塩とを混合する第1の混合工程と、溶媒を加熱及び加圧し、高温高圧流体または超臨界流体とし、この状態で前記混合を続ける第2の混合工程とを備えるため、超臨界状態で複数種の樹脂が混合されてポリマーアロイ相が形成されると共に、超臨界状態において層状珪酸塩の薄片状結晶の層間距離が拡大される。従って、得られたポリマーアロイ複合材料では、ポリマーアロイ中において、層状珪酸塩の薄片状結晶の層間距離が拡大した状態で層状珪酸塩が高度に分散されている。
【0091】
よって、得られたポリマーアロイ複合材料を熱成形などのように加熱する加工に供したとしても、ポリマーアロイの超微小相分離構造が、層状珪酸塩による拘束力により破壊され難い。従って、ポリマーアロイの特徴を活かした、様々な特性の成形品を提供することができる。また、層状珪酸塩の薄片状結晶が高度に分散されているため、得られた成形品では、それによっても耐熱性等の特性を高めることも可能となる。
【0092】
【0093】
従って、第2の発明により得られたポリマーアロイ複合材料においても、加熱プレスなどの加熱を伴う工程に供されたとしても、層状珪酸塩の薄片状結晶の拘束力によりポリマーアロイの超微小相分離構造の破壊が抑制される。よって、第2の発明においても、ポリマーアロイの特徴を活かした様々な特徴を有する成形品を例えば加熱成形により得ることができると共に、層状珪酸塩が高度に分散されていることによっても、成形品の耐熱性等を効果的に高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリマーアロイ複合材料を製造する製造装置の一例を示す模式図。
【図2】本発明のポリマーアロイ複合材料を製造する製造装置の別の一例を示す模式図。
Claims (2)
- 常温常圧で互いに非相溶である複数種の樹脂と、常温常圧で少なくとも1種類の液体及び/又は少なくとも1種類の気体である溶媒と、層状珪酸塩とを混合する第1の混合工程と、
前記溶媒を加熱及び加圧し、高温高圧流体または超臨界流体とし、この状態で前記混合を続ける第2の混合工程とを備えることを特徴とするポリマーアロイ複合材料の製造方法。 - 第2の混合工程で得られた混合物を解圧することなく冷却する工程をさらに備える、請求項1に記載のポリマーアロイ複合材料の製造方法。
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