JP2016023260A - 珪酸(塩)含有組成物とその製造法 - Google Patents

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金子 尚史
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尚史 金子
泰治 山下
Taiji Yamashita
泰治 山下
要 吉井
Kaname YOSHII
要 吉井
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Abstract

【課題】高アスペクト比の層状珪酸(塩)(A)を含有する組成物及びその製造法を提供する。【解決手段】厚み100nm以下かつアスペクト比100以上の膨潤性層状珪酸(塩)(A)が、樹脂(B)及び/又は単量体(C)に分散してなる珪酸(塩)含有組成物(D)。【選択図】なし

Description

本発明は、層状珪酸(塩)(A)を含有する組成物とその製造法に関するものである。
層状珪酸(塩)はそのアスペクト比の高さから、引張り強度等の樹脂物性を向上させるために混合されている。層間へモノマー及び樹脂を混合する方法として、層状珪酸(塩)と高分子樹脂組成物を混練機により溶融混練する方法が知られている(特許文献1等)。これらの製造方法を含む工程から得られた組成物は、層状珪酸(塩)の層間へ樹脂を混合する時の機械的剪断による、アスペクト比の低下や樹脂及び単量体の劣化を引き起こす。
特許第3284552号公報
本発明の解決課題は、高アスペクト比の層状珪酸(塩)(A)を含有する組成物およびその製造法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、層状珪酸(塩)の層間へ液状又は超臨界状態の二酸化炭素の溶解性のある組成物を浸透させることで、厚み100nm以下かつアスペクト比100以上の膨潤性層状珪酸(塩)(A)が、樹脂(B)及び/又は単量体(C)に分散してなる珪酸(塩)含有組成物(D)を製造できることを見出し、本発明に至った。
本発明によれば、層状珪酸(塩)のアスペクト比の低下や単量体及び樹脂の劣化を引き起こすことなく、珪酸(塩)含有組成物(D)及びその製造法を提供することが出来る。
以下に本発明を詳述する。
本発明に使用される膨潤性層状珪酸(塩)(A)としては、特に制限はないが、例えばモンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バーミキュライト、バイデライト、フッ素雲母、スチーブンサイト、マガディアイト、アイラライト、カネマイト、イライト、セリサイト、マイカ、カオリナイト、及びその誘導体等が挙げられる。
厚みとは、膨潤性層状珪酸(塩)(A)の厚みであり、透過型電子顕微鏡によって測定し、複数の層が重なり合っている距離の100個の平均によって、求めることができる。
アスペクト比とは、膨潤性層状珪酸(塩)(A)のアスペクト比であり、透過型電子顕微鏡によって測定し、100個の平均値を出し、以下の計算式により定義される。
アスペクト比=膨潤性層状珪酸(塩)(A)の長辺/厚み
膨潤性層状珪酸(塩)(A)の層間距離とは、層間の中心点同士の距離の平均値であり、X線回析によって測定することができる。
膨潤性層状珪酸(塩)(A)としては特に制限はないが、例えばソーダ塩、カリウム塩、カルシウム塩、金属塩、アミン塩等が挙げられる。
膨潤性層状珪酸(塩)(A)の誘導体としては特に制限はないが、例えばアルキル修飾、フッ素アルキル修飾、シリコーン修飾、ベンゼン修飾、水酸基修飾、及びカルボニル修飾等された誘導体が挙げられる。
単量体(C)としては、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール、エンジニアリングプラスチック、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等を構成することのできる単量体が挙げられ、二種類以上併用しても良い。具体例としては後述する単量体が挙げられる。重合後の物性の観点からオリゴマー量としては、数平均分子量2000以上の成分の含有量が5重量%以下であることが好ましい。分子量はゲル浸透クロマトグラフィーで測定した。
周波数60Hzにおける単量体(C)の誘電率は、ASTM D150に準拠して、測定することができる。
樹脂(B)としては、特に制限はないが、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール、エンジニアリングプラスチック、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられ、二種類以上併用しても良い。樹脂物性の観点から、Mn数平均分子量500未満の成分の含有量が5重量%未満であることが好ましい。より好ましくは3重量%未満、特に好ましくは1重量%未満である。分子量はゲル浸透クロマトグラフィーで測定した。
周波数60Hzにおける樹脂(B)の誘電率は、ASTM D150に準拠して、測定することができる。
ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合または共重合したポリマーである。ビニルモノマーとしては、下記(1)〜(10)が挙げられる。
(1)ビニル炭化水素:
(1−1)脂肪族ビニル炭化水素:アルケン類、例えばエチレン、プロピレン、前記以外のα−オレフィン等;アルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン。
(1−2)脂環式ビニル炭化水素:モノ−もしくはジ−シクロアルケンおよびアルカジエン類、例えば(ジ)シクロペンタジエン等;テルペン類、例えばピネン等。
(1−3)芳香族ビニル炭化水素:スチレンおよびそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよび/またはアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン等;およびビニルナフタレン。
(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその塩:
炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物およびそのモノアルキル(炭素数1〜24)エステル、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニルモノマー。
(3)スルホン基含有ビニルモノマー、ビニル硫酸モノエステル化物及びこれらの塩:
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸、例えばビニルスルホン酸;およびその炭素数2〜24のアルキル誘導体、例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミド、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、および硫酸エステルもしくはスルホン酸基含有ビニルモノマー;ならびそれらの塩等。
(4)燐酸基含有ビニルモノマー及びその塩:
(メタ)アクリロイルオキシアルキル(C1〜C24)燐酸モノエステル、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸類、例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸。なお、上記(2)〜(4)の塩としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩もしくは4級アンモニウム塩が挙げられる。
(5)ヒドロキシル基含有ビニルモノマー:
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル等。
(6)含窒素ビニルモノマー:
(6−1)アミノ基含有ビニルモノマー:アミノエチル(メタ)アクリレート等、
(6−2)アミド基含有ビニルモノマー:(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド等、
(6−3)ニトリル基含有ビニルモノマー:(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレート等、
(6−4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニルモノマー:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニルモノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)等、
(6−5)ニトロ基含有ビニルモノマー:ニトロスチレン等。
(7)エポキシ基含有ビニルモノマー:グルシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
(8)ハロゲン元素含有ビニルモノマー:塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレン等。
(9)ビニルエステル、ビニル(チオ)エーテル、ビニルケトン、ビニルスルホン類:
(9−1)ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニルモノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等、
(9−2)ビニル(チオ)エーテル、例えばビニルメチルエーテル等、
(9−3)ビニルケトン、例えばビニルメチルケトン等。
(10)その他のビニルモノマー:
テトラフルオロエチレン、フルオロアクリレート、イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。
ビニルモノマーの共重合体としては、上記(1)〜(10)の任意のモノマー同士を任意の割合で共重合したポリマーが挙げられるが、例えばスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸、ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、ポリオールと、ポリカルボン酸(その酸無水物、その低級アルキルエステルを含む)との重縮合物などが挙げられる。ポリオールとしてはジオール(11)および3価以上のポリオール(12)が挙げられ、ポリカルボン酸としては、ジカルボン酸(13)および3価以上のポリカルボン酸(14)が挙げられる。
ポリオールとポリカルボン酸の反応比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/1、さらに好ましくは1.5/1〜1/1、とくに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ジオール(11)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;その他、ポリラクトンジオール(ポリε−カプロラクトンジオールなど)、ポリブタジエンジオールなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上のポリオール(12)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);トリスフェノール類(トリスフェノールPAなど);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記トリスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物;上記ノボラック樹脂のアルキレンオキサイド付加物、アクリルポリオール[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニルモノマーの共重合物など]などが挙げられる。
ジカルボン酸(13)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデセニルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);炭素数8以上の分岐アルキレンジカルボン酸[ダイマー酸、アルケニルコハク酸(ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸など)、アルキルコハク酸(デシルコハク酸、ドデシルコハク酸、オクタデシルコハク酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3価以上(3〜6価又はそれ以上)のポリカルボン酸(14)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
なお、ジカルボン酸(13)または3価以上のポリカルボン酸(14)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
ポリウレタン樹脂としては、ポリイソシアネート(15)と活性水素基含有化合物(D){水、ポリオール[前記ジオール(11)および3価以上のポリオール(12)]、ジカルボン酸(13)、3価以上のポリカルボン酸(14)、ポリアミン(16)、ポリチオール(17)等}との重付加物などが挙げられる。
ポリイソシアネート(15)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネートおよびこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などが挙げられる。
上記脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などが挙げられる。
上記脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)などが挙げられる。
上記芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
また、上記ポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDIなど)、ウレタン変性TDIなどのポリイソシアネートの変性物およびこれらの2種以上の混合物[たとえば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
これらのうちで好ましいものは6〜15の芳香族ポリイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ポリイソシアネート、および炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネートであり、とくに好ましいものはTDI、MDI、HDI、水添MDI、およびIPDIである。
ポリアミン(16)の例としては、下記のものが挙げられる。
脂肪族ポリアミン類(C2〜C18):
〔1〕脂肪族ポリアミン{C2〜C6アルキレンジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、及びヘキサメチレンジアミンなど)、ポリアルキレン(C2〜C6)ポリアミン〔ジエチレントリアミンなど〕}
〔2〕これらのアルキル(C1〜C4)またはヒドロキシアルキル(C2〜C4)置換体〔ジアルキル(C1〜C3)アミノプロピルアミンなど〕
〔3〕脂環または複素環含有脂肪族ポリアミン〔3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど〕
〔4〕芳香環含有脂肪族アミン類(C8〜C15)(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミンなど)、
脂環式ポリアミン(C4〜C15):
1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)など、
芳香族ポリアミン類(C6〜C20):
〔1〕非置換芳香族ポリアミン〔1,2−、1,3−および1,4−フェニレンジアミンなど;核置換アルキル基〔メチル、エチル、n−およびi−プロピル、ブチルなどのC1〜C4アルキル基)を有する芳香族ポリアミン、たとえば2,4−および2,6−トリレンジアミンなど〕、およびこれらの異性体の種々の割合の混合物
〔2〕核置換電子吸引基(Cl、Br、I、Fなどのハロゲン;メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ポリアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリンなど〕
〔3〕2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン〔上記(4)〜(6)の芳香族ポリアミンの−NH2の一部または全部が−NH−R´(R´はメチル、エチルなどの低級アルキル基で置換したもの〕〔4,4´−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼンなど〕、
複素環式ポリアミン(C4〜C15):ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジンなど、
ポリアミドポリアミン:ジカルボン酸(ダイマー酸など)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミンなど)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミンなど、
ポリエーテルポリアミン:ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコールなど)のシアノエチル化物の水素化物など。
ポリチオール(17)としては、エチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオールなどが挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ポリエポキシド(18)の開環重合物、ポリエポキシド(18)と活性水素基含有化合物(D){水、ポリオール[前記ジオール(11)および3価以上のポリオール(12)]、ジカルボン酸(13)、3価以上のポリカルボン酸(14)、ポリアミン(16)、ポリチオール(17)等}との重付加物、またはポリエポキシド(18)とジカルボン酸(13)または3価以上のポリカルボン酸(14)の酸無水物との硬化物などが挙げられる。
ポリエポキシド(18)としては、分子中に2個以上のエポキシ基を有していれば、特に限定されない。ポリエポキシド(18)として好ましいものは、硬化物の機械的性質の観点から分子中にエポキシ基を2〜6個有するものである。ポリエポキシド(18)のエポキシ当量(エポキシ基1個当たりの分子量)は、好ましくは65〜1000であり、さらに好ましくは90〜500である。エポキシ当量が1000以下であると、架橋構造が密になり硬化物の耐水性、耐薬品性、機械的強度等の物性が向上し、一方、エポキシ当量が65以上のものは、合成するのが容易である。
ポリエポキシド(18)の例としては、芳香族系ポリエポキシ化合物、複素環系ポリエポキシ化合物、脂環族系ポリエポキシ化合物あるいは脂肪族系ポリエポキシ化合物が挙げられる。芳香族系ポリエポキシ化合物としては、多価フェノール類のグリシジルエーテル体およびグリシジルエステル体、グリシジル芳香族ポリアミン、並びに、アミノフェノールのグリシジル化物等が挙げられる。多価フェノールのグリシジルエーテル体としては、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等が挙げられる。多価フェノールのグリシジルエステル体としては、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。グリシジル芳香族ポリアミンとしては、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミン等が挙げられる。さらに、本発明において前記芳香族系ポリエポキシ化合物として、P−アミノフェノールのトリグリシジルエーテル、トリレンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネートとグリシドールとの付加反応によって得られるジグリシジルウレタン化合物、前記2反応物にポリオールも反応させて得られるグリシジル基含有ポリウレタン(プレ)ポリマー、およびビスフェノールAのアルキレンオキシド(エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド)付加物のジグリシジルエーテル体も含む。複素環系ポリエポキシ化合物としては、トリスグリシジルメラミンが挙げられる。脂環族系ポリエポキシ化合物としては、ビニルシクロヘキセンジオキシド等が挙げられる。また、脂環族系ポリエポキシ化合物としては、前記芳香族系ポリエポキシド化合物の核水添化物も含む。脂肪族系ポリエポキシ化合物としては、多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体、多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体、およびグリシジル脂肪族アミンが挙げられる。多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体としては、ジグリシジルオキサレート、ジグリシジルマレート、ジグリシジルスクシネート、ジグリシジルグルタレート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルピメレート等が挙げられる。グリシジル脂肪族アミンとしては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミンが挙げられる。また、本発明において脂肪族系ポリエポキシ化合物としては、ジグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体も含む。これらのうち、好ましいのは、脂肪族系ポリエポキシ化合物および芳香族系ポリエポキシ化合物である。ポリエポキシドは、2種以上併用しても差し支えない。
エンジニアリングプラスチックとしては、特に制限はないが、例えばポリアセタール、ナイロン、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンオキシド、ポリブチレンテレフタレート、超高分子量ポリエチレン、メチルペンテンポリマー、ビニルアルコール共重合体、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、芳香族ポリアミド等が挙げられる。
シリコーン樹脂としては、特に制限はないが、例えばシラン類、シリコーンゴム、シリケート等が挙げられる。
フッ素樹脂としては、特に制限はないが、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(E/CTFE)、ポリビニルフルオライド(PVF)、パーフロロ環状重合体などが挙げられる。
樹脂(B)又は単量体(C)の溶液(S)に用いる溶剤としては、液状又は超臨界二酸化炭素が溶解すること以外に特に制限はないが、常温常圧で液体であり、例えばケトン溶剤(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル溶剤(テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、環状エーテル等)、エステル溶剤(酢酸エステル、ピルビン酸エステル、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル、乳酸エステル等)、アミド溶剤(ジメチルホルムアミド等)、アルコール溶剤(メタノール、エタノール、イソプロパノール、フッ素含有アルコール等)、芳香族炭化水素溶剤(トルエン、キシレン等)、および脂肪族炭化水素溶剤(オクタン、デカン等)、水、及びこれらの混合物などの溶剤を使用したものが挙げられる。
本発明の製造法において、固体粒子と共に、必要により、本発明の効果を阻害しない範囲で添加剤〔分散剤、レベリング剤、可塑剤、帯電防止剤、荷電制御剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、難燃剤、充填剤、重合禁止剤など〕を用いても差し支えない。
分散剤としては特に限定はなく、公知のものを使用することができる。分散安定剤の添加量は、分散安定性の観点から、固体原料の重量に対し0.01〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは0.02〜50重量%、特に好ましくは0.03〜30重量%である。分散安定剤の好ましい重量平均分子量の範囲は100〜10万であり、さらに好ましくは200〜5万、特に好ましくは500〜3万である。この範囲内にすると、分散安定効果が向上する。
本発明の組成物(D)は、次に挙げる方法により製造することができる。
膨潤性層状珪酸(塩)(A)と、樹脂(B)又はその溶液(S)と、液状又は超臨界状態の二酸化炭素(X)とを混合し、次いで(X)を除去する工程を含むもの、膨潤性層状珪酸(塩)(A)と、単量体(C)又はその溶液(S)と、液状又は超臨界状態の二酸化炭素(X)とを混合した後、(X)を除去する工程を含むものであれば特に制限はない。例えばバッチ式や連続式が挙げられる。バッチ式としては、例えば、撹拌棒及び温度計を備えた反応用耐圧容器を用いて、膨潤性層状珪酸(塩)(A)と、樹脂(B)又はその溶液(S)と、液状又は超臨界二酸化炭素(X)とを混合し、減圧して二酸化炭素を除去することにより、組成物(D)を製造する。撹拌棒及び温度計を備えた反応用耐圧容器を用いて、膨潤性層状珪酸(塩)(A)と、単量体(C)又はその溶液(S)と、液状又は超臨界二酸化炭素(X)とを混合し、減圧して二酸化炭素を除去することにより、組成物(D)を製造する。樹脂(B)と単量体(C)を併用しても、それぞれ2種以上を併用しても良い。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の記載において「部」は重量部を示す。
<実施例1>
撹拌棒および温度計を備えた反応用耐圧容器を用いて、粒径10μmのモンモリロナイトのジステアリルジメチルアンモニウム塩(A1) 20部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(誘電率4.0)(C1) 80部を混合し、反応用耐圧容器の容積の40%まで仕込み、二酸化炭素を供給して8MPa、50℃で10分撹拌することで二酸化炭素と混合した後、減圧して二酸化炭素を除去することにより、組成物(D1)を作成した。モンモリロナイトの分散状態は、層の厚みは10nm、層間は2nm、そしてアスペクト比は150であった。またジペンタエリスリトールペンタアクリレートの数平均分子量2000以上の成分の含有量が0.8重量%であった。
<比較例1>
粒径10μmのモンモリロナイトのジステアリルジメチルアンモニウム塩(A1) 20部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(誘電率4.0)(C1) 80部を混合し、サンドグラインダーで4時間撹拌することで、組成物(D’1)を作成した。モンモリロナイトの分散状態は、層の厚みは50nm、層間は1.8nm、そしてアスペクト比は30であった。またジペンタエリスリトールペンタアクリレートの数平均分子量2000以上の成分の含有量が0.8重量%であった。
<差圧法の水蒸気透過度試験>
組成物(D1)及び(D’) 99部に2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン 1部混合し、厚み100μmでシート化、窒素下でUV硬化し、成形物(D1−1)及び(D2−1)を作成した。
温度40℃、湿度90%RH、測定面積50cmの条件で、水蒸気透過度測定装置を使用して測定した。評価n数は各水準2とし、測定回数は各検体について10回とし、その平均値を水蒸気透過度(g/(m・24hr・atm))とした。また、本装置の水蒸気透過度の測定限界下限値である2.0×10−4(g/(m・24hr・atm))以下の値は、2.0×10−4以下と記載した。
差圧法による水蒸気透過度試験の結果、(D1)は2.0×10−4(g/(m・24hr・atm))、(D’1)は10.5×10−4(g/(m・24hr・atm))であった。このように、実施例に記載の本発明の組成物は、比較例の組成物と比べて、アスペクト比が高く、樹脂物性に優れることが明らかである。
<実施例2>
撹拌棒及び温度計を備えた反応用耐圧容器を用いて、粒径10μmのモンモリロナイト (A2) 5部と水70部を10分間撹拌し、そこへ7割中和されたアクリル酸ナトリウム(誘電率4.5)(C2) 30部を混合して、反応用耐圧容器の容積の40%まで仕込み、二酸化炭素を供給して8MPa、50℃で10分撹拌することで二酸化炭素と混合した後、減圧して二酸化炭素を除去することにより、組成物(D2)を作成した。モンモリロナイトの分散状態は、層の厚みは20nm、層間は3nm、そしてアスペクト比は150であった。またジペンタエリスリトールペンタアクリレートの数平均分子量2000以上の成分の含有量が1.0重量%であった。
<比較例2>
粒径10μmのモンモリロナイト(A2) 5部、水 70部を10分間撹拌し、そこへ7割中和されたアクリル酸ナトリウム(誘電率4.5)(C2) 30部、を混合し、サンドグラインダーで4時間撹拌することで、組成物(D’2)を作成した。モンモリロナイトの分散状態は、層の厚みは50nm、層間は1.8nm、そしてアスペクト比は30であった。またジペンタエリスリトールペンタアクリレートの数平均分子量2000以上の成分の含有量が0.8重量%であった。
<吸水膨潤試験>
組成物(D2)及び(D’2) 99.85部、架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル 0.05部、開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルヴァレロニトリル)0.1部を混合し、N下で40℃1時間重合後、80℃12時間重合を継続する。130℃で2時間乾燥させ、成形物(D2−1)及び(D’2−1)を作成した。0.9重量%の塩化ナトリウムを含有した生理食塩水中での吸水膨潤倍率及び外径:24.5mmの範囲に310.6gの荷重時の0.9重量%の塩化ナトリウムを含有した生理食塩水による吸水膨潤倍率を測定した。
生理食塩水の吸水膨潤倍率は(D2−1)が自重の55倍、(D’2−1)が自重の52倍であった。また、荷重時の生理食塩水の吸水膨潤倍率は(D2−1)が自重の39倍、(D’2−1)が自重の32倍であった。このように、実施例に記載の本発明の組成物は、比較例の組成物と比べて、アスペクト比が高く、樹脂物性に優れることが明らかである。
<実施例3>
撹拌棒及び温度計を備えた反応用耐圧容器を用いて、粒径10μmのモンモリロナイトのジステアリルジメチルアンモニウム塩(A1) 5部、数平均分子量3000のグリセリンのプロピレンオキシド付加物(誘電率7.8)(C3) 80部を混合し、反応用耐圧容器の容積の40%まで仕込み、二酸化炭素を供給して8MPa、50℃で10分撹拌することで二酸化炭素と混合した後、減圧して二酸化炭素を除去することにより、組成物(D3)を作成した。モンモリロナイトの分散状態は、層の厚みは5nm、層間は2nm、そしてアスペクト比は150であった。またグリセリンのプロピレンオキシド付加物の数平均分子量1000以下の成分の含有量が3重量%であった。
<比較例3>
粒径10μmのモンモリロナイトのジステアリルジメチルアンモニウム塩(A1) 5部、である数平均分子量3000のグリセリンのプロピレンオキシド付加物(誘電率7.8)(C3) 100部を混合し、サンドグラインダーで12時間撹拌することで、組成物(D’3)を作成した。モンモリロナイトの分散状態は、層の厚みは50nm、層間は1.8nm、そしてアスペクト比は15であった。またグリセリンのプロピレンオキシド付加物の数平均分子量1000以下の成分の含有量が10重量%であった。
<粘度試験>
組成物(D3)及び(D’3)を25℃に温調後、B型粘度計で粘度を測定した。
粘度試験の結果、組成物(D3)の粘度は13000cps、組成物(D’3)の粘度は5000cpsであった。このように、実施例に記載の本発明の組成物は、比較例の組成物と比べて、アスペクト比が高く、樹脂物性に優れることが明らかである。
本発明の珪酸(塩)含有組成物とその製造法により、 層状珪酸(塩)の層間へ液状又は超臨界状態の二酸化炭素の溶解性のある組成物を浸透させることで、板状の膨潤性層状珪酸(塩)(A)の厚みが100nm以下かつアスペクト比が100以上であり、樹脂(B)及び/又は単量体(C)に分散された組成物(D)を製造できることを見出した。これにより、樹脂フィルムの鉛筆硬度、耐カール性、ガスバリア性の向上や、樹脂成型物の弾性等の向上など様々な分野にこの組成物を提供できる。

Claims (6)

  1. 厚み100nm以下かつアスペクト比100以上の膨潤性層状珪酸(塩)(A)が、樹脂(B)及び/又は単量体(C)に分散してなる珪酸(塩)含有組成物(D)。
  2. 膨潤性層状珪酸(塩)(A)が、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バーミキュライト、バイデライト、フッ素雲母、スチーブンサイト、マガディアイト、アイラライト、カネマイト、イライト、セリサイト、マイカ、カオリナイト、及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の珪酸(塩)含有組成物(D)。
  3. 膨潤性層状珪酸(塩)(A)の層間距離が1.5nm以上である請求項1又は2に記載の珪酸(塩)含有組成物(D)。
  4. 周波数60Hzにおける樹脂(B)又は単量体(C)の誘電率が2.4以上である請求項1〜3のいずれかに記載の珪酸(塩)含有組成物(D)。
  5. 膨潤性層状珪酸(塩)(A)と、樹脂(B)又はその溶液(S)と、液状又は超臨界状態の二酸化炭素(X)とを混合した後、(X)を除去する請求項1〜4のいずれかに記載の珪酸(塩)含有組成物(D)の製造方法。
  6. 膨潤性層状珪酸(塩)(A)と、単量体(C)又はその溶液(S)と、液状又は超臨界状態の二酸化炭素(X)とを混合した後、(X)を除去する請求項1〜4のいずれかに記載の珪酸(塩)含有組成物(D)の製造方法。
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