JP4593016B2 - 回転センサ及び中立固定ピン - Google Patents

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正博 長谷川
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東治 金
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転センサ及び中立固定ピンに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
シャフトの回転角度或いは相対回転角度を非接触で検出する回転センサ、例えば、相対回転する2本のシャフトがトーションバーを介して連結された自動車のステアリングシャフトにおける回転トルクを検出し、ステアリング装置の円滑な電子制御に利用する回転センサが知られている。
【0003】
この種の回転センサは、トーションバーで連結された第1のシャフトに第1のロータを、第2のシャフトに第2のロータを、それぞれ取り付けると共に、第1及び第2のロータをコイルを有する固定コアの内側に回転自在に配置し、第1及び第2のシャフトの相対回転を前記コイルのインダクタンスの変化によって検出し、第1のシャフトと第2のシャフトとの間に作用する回転トルクを検出するものである。
【0004】
このとき、回転センサは、上記検出原理に基づき、左右方向における回転が中立状態の位置で出荷し、中立状態を保持してステアリング装置等に組み付ける必要がある。このため、回転センサは、中立状態に保持する中立固定ピンを第1のロータと第2のロータとに跨って片持ち梁の状態で取り付けている。
このため、回転センサは、第1のロータや第2のロータにトルクが作用すると、中立状態がずれてしまう可能性があった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、トルクが作用しても第1のロータと第2のロータとを中立状態に保持しておくことが可能な回転センサ及び中立固定ピンを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の回転センサにおいては、周方向に所定間隔を置いて配置される複数の非磁性導電体を有し、第1のシャフトに取り付けられる第1のロータ、励磁コイルを有し、前記第1のロータと半径方向に間隔を置いて固定部材に固定される固定コア、絶縁磁性材から筒状に成形される本体と、前記複数の非磁性導電体と対応する間隔で周方向に所定間隔を置いて該本体に配置される複数の非磁性導体層とを有し、前記第1のロータと半径方向に所定間隔をおいて配置され、前記第1のシャフトに対して相対回転する第2のシャフトに取り付けられる第2のロータ及び前記固定コアに取り付けられるカバーを備え、前記第1及び第2のロータの相対回転により変動する前記励磁コイルのインダクタンスに基づいて、前記両シャフトの回転角度或いは相対回転角度を検出する回転センサにおいて、前記カバー、前記第1及び第2のロータに形成された挿通孔に挿通される挿通部と、前記カバーに係止される係止部とを有し、前記第1及び第2のロータを前記固定コアに対して回転方向中立状態に保持する中立固定ピンが設けられている構成としたのである。また、前記中立固定ピンは、前記第1のロータの前記複数の非磁性導電体に沿った位置に、前記非磁性導電体の間に設けられる構成としたのである。
【0007】
また、上記目的を達成するため本発明の中立固定ピンにおいては、前記回転センサの前記カバー,前記第1のロータ及び前記第2のロータに形成された挿通孔に挿通される挿通部と、前記カバーに係止される係止部とを有する構成としたのである。
好ましくは、前記挿通部を扁平に成型する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の回転センサ及び中立固定ピンに係る一実施形態を図1乃至図4に基づいて詳細に説明する。
回転センサ1は、第1ロータ2、固定コア3、第2ロータ4、上カバー5及び下カバー6を備え、例えば、トーションバーで連結されたステアリングシャフトのハンドル側に第1ロータ2が、車輪側に第2ロータ4が、それぞれ取り付けられる。
【0009】
第1ロータ2は、アルミニウム,アルミニウム合金,銅、銅合金等の非磁性導電体金属によって成形され、上フランジ2aから下方へ向かう複数の櫛歯状の歯2bが周方向に所定間隔で形成されている。上フランジ2aは、複数の櫛歯状の歯2bに沿った位置に、後述する中立固定ピン8の挿通部8aが挿通される長孔状の挿通孔2cが歯2b,2bの間に形成されている。
【0010】
固定コア3は、フェライト等の絶縁磁性材からなるコア本体3aと、コア本体3a内に収容される励磁コイル3bと、コア本体3aを収容する金属製の遮蔽ケース(以下、単に「ケース」という)3cとを有している。
第2ロータ4は、電気絶縁性を有するNi−Zn系、Mn−Zn系、Mg−Zn系のフェライトを燒結した燒結体や、ナイロン,ポリプロピレン(PP),ポリフェニレンスルフィド(PPS),ABS樹脂等の電気絶縁性を有する熱可塑性合成樹脂に、Ni−ZnやMn−Zn系のフェライトからなる軟磁性材粉を、軟磁性材を10〜70体積%混合した絶縁磁性材によって筒状に成形された本体4aの外表面に、複数の歯2bと対応する間隔で周方向に中心角30°の間隔をおいてアルミニウム,銅等の非磁性導体層4bが配置され、本体の下部には半径方向外方に延出する下フランジ4cが設けられている。但し、複数の歯2bと非磁性導体層4bは、一定の間隔で設ければ中心角30°の間隔に設けなくてもよい。下フランジ4cは、上フランジ2aの挿通孔2cと対応する位置に挿通孔4dが形成されている。
【0011】
上カバー5及び下カバー6は、図2に示すように、固定コア3の上下に取り付けられるリング状のカバーで、挿通孔2c,4dと対応する位置に挿通孔5a,6aが形成されている。上カバー5は、外縁に係止凹部5bが形成されている。
このとき、挿通孔2c,4d及び挿通孔5a,6aは、回転センサ1を組み立てたときに、左右方向の回転における中立状態の位置で、図2に示したように、上下方向に一致するように形成しておくことは言うまでもない。
【0012】
以上のように構成される回転センサ1は、固定コア3と第2ロータ4との間に歯2bを配置して第1ロータ2を組み付けた後、固定コア3の外縁を利用して上カバー5及び下カバー6を取り付け、図1に示すように、中立固定ピン8を上方から挿通孔5aに挿通して組み立てられる。
ここで、中立固定ピン8は、例えば1本のピンを折り曲げて成型され、図1乃至図3に示すように、挿通部8a、第1把持部8b、弾性付与部8c、第2把持部8d及び係止部8eを有している。挿通部8aは、中立固定ピン8の一端に形成された部分で、扁平に成型され、挿通孔2c〜6aに挿通される。第1把持部8bは、挿通部8aに連設され、略U字状に湾曲形成されている。弾性付与部8cは、上方へ逆U字状に折り曲げて第1把持部8bと第2把持部8dとの間に形成され、第1把持部8bと第2把持部8dとの間に外方へ広がる方向に弾性力を付与している。第2把持部8dは、弾性付与部8cに連設された略直角に折り曲げられた部分で、端部に略直角に折り曲げた係止部8eが設けられている。係止部8eは、図3及び図4(a)に示すように、弾性付与部8cから付与される弾性力によって上カバー5の凹部5bに係止され、中立固定ピン8の挿通孔2c〜6aからの引き抜きを規制する。
【0013】
このようにして組み立てられた回転センサ1は、挿通部8aが挿通孔2c〜6aに挿通され、中立固定ピン8が上カバー5,第2ロータ4及び下カバー6に跨って両持ち梁の状態で取り付けられている。このため、回転センサ1は、第1ロータ2や第2ロータ4にトルクが作用しても、中立固定ピン8が第1及び第2ロータ2,4の回転を規制し中立状態がずれてしまうことがない。
【0014】
また、回転センサ1は、弾性付与部8cから付与される弾性力によって係止部8eが上カバー5の凹部5bに係止されているので、梱包や輸送等の際に中立固定ピン8が引き抜けることがなく、中立状態に保持する機能に優れ、信頼性が高いものとなる。
更に、中立固定ピン8は、挿通部8aが扁平に成型されているので、回転センサ1の固定コア3と第2ロータ4の本体4aとの間の非常に狭い隙間であっても作業性良く挿通することができる。
【0015】
一方、回転センサ1を使用する場合等、中立固定ピン8を回転センサ1から外すときには、図3に示すように、第1把持部8bと第2把持部8dとを両側から指で挟む。すると、第1把持部8bと第2把持部8dとが、弾性付与部8cからの弾性力に抗して撓み、把持部8b,8d間の幅が狭くなる。これに伴って、図4(b)に示すように、係止部8eが上カバー5の凹部5bから外れる。従って、把持部8b,8dを把持した状態で、図中矢印で示すように、上方へ引っ張れば、挿通部8aが挿通孔2c〜6aから引き抜かれ、中立固定ピン8を回転センサ1から簡単に外すことができる。
【0016】
尚、本発明の回転センサは、上記実施形態で説明した自動車のステアリングシャフトの他、例えば、ロボットアームのように、互いに回転する回転軸間の相対回転角度,回転角度,トルクを求めるものであれば、どのようなものにも使用できる。
【0017】
【発明の効果】
請求項1乃至3の発明によれば、トルクが作用しても第1のロータと第2のロータとを中立状態に保持しておくことが可能な回転センサ及び中立固定ピンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転センサ及び中立固定ピンに係る一実施形態を示すもので、中立固定ピンと共に示した回転センサの分解斜視図である。
【図2】図1の回転センサに中立固定ピンを挿着した状態の断面図である。
【図3】図1の回転センサから中立固定ピンを外す状態の要部を示す斜視図である。
【図4】図1の回転センサにおける中立固定ピンの係止部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 回転センサ
2 第1ロータ
2b 歯(非磁性導電体)
2c 挿通孔
3 固定コア
3b 励磁コイル
4 第2ロータ
4a 本体
4b 非磁性導体層
4d 挿通孔
5 上カバー
5a 挿通孔
6 下カバー
6a 挿通孔
8 中立固定ピン
8a 挿通部
8b 第1把持部
8c 弾性付与部
8d 第2把持部
8e 係止部

Claims (4)

  1. 周方向に所定間隔を置いて配置される複数の非磁性導電体を有し、第1のシャフトに取り付けられる第1のロータ、
    励磁コイルを有し、前記第1のロータと半径方向に間隔を置いて固定部材に固定される固定コア、
    絶縁磁性材から筒状に成形される本体と、前記複数の非磁性導電体と対応する間隔で周方向に所定間隔を置いて該本体に配置される複数の非磁性導体層とを有し、前記第1のロータと半径方向に所定間隔をおいて配置され、前記第1のシャフトに対して相対回転する第2のシャフトに取り付けられる第2のロータ、及び前記固定コアに取り付けられるカバーを備え、
    前記第1及び第2のロータの相対回転により変動する前記励磁コイルのインダクタンスに基づいて、前記両シャフトの回転角度或いは相対回転角度を検出する回転センサにおいて、
    前記カバー、前記第1及び第2のロータに形成された挿通孔に挿通される挿通部と、前記カバーに係止される係止部とを有し、前記第1及び第2のロータを前記固定コアに対して回転方向中立状態に保持する中立固定ピンが設けられることを特徴とする回転センサ。
  2. 前記中立固定ピンは、前記第1のロータの前記複数の非磁性導電体に沿った位置に、前記非磁性導電体の間に設けられることを特徴とする請求項1記載の回転センサ。
  3. 請求項1の回転センサの前記カバー、前記第1のロータ及び前記第2のロータに形成された挿通孔に挿通される挿通部と、前記カバーに係止される係止部とを有することを特徴とする中立固定ピン。
  4. 前記挿通部が扁平に成型されている、請求項の中立固定ピン。
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