JP4080262B2 - 非接触式液面レベルセンサの組立方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触式液面レベルセンサの組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の接触式液面レベルセンサには、検出部として、抵抗板と該抵抗板に接触する可動接点とが設けられていた。測定すべき液面レベルの変位に応じてフロートが上下移動すると、可動接点が抵抗板上を摺動して抵抗値が変化し、該抵抗値の変化を検出することにより液面レベルを検出する。この種の接触式液面レベルセンサは、可動接点や抵抗板が酸化する場合があり、この場合、検出される抵抗値の変動が極端に大きかったり、ノイズが発生したりする等、検出精度上問題があり改善に余地があった。
【0003】
上述した問題を改善する液面レベルセンサとして、近年、磁力の変化を磁電変換素子によって電気信号に変換するようにした非接触式液面レベルセンサが提案されている。非接触式液面レベルセンサは、例えば、発明協会公開技報第2001−4678号、等でその例が開示されている。
【0004】
ここで、図13〜図15を参照して、従来の非接触式液面レベルセンサの一例を説明する。図13は従来の非接触式液面レベルセンサ1の縦断面図、図14は図13から磁電変換素子11、マグネット5およびステータ9を抜き出して夫々の位置関係を示す斜視図、そして図15はマグネット室カバー14がマグネット室2aに装着された状態を示す要部拡大縦断面図である。
【0005】
図13に示されるように、従来の非接触式液面レベルセンサ1は、その合成樹脂製のセンサハウジング2が車両用燃料タンク3内に固定されるように、配設されている。センサハウジング2に形成されたマグネット室2aには回転軸4が回動自在に配置され、回転軸4の外周面には焼結マグネット5が嵌合し、該マグネット5が接着または係合等の手段によって回転軸4に固定されている。焼結マグネット5は、磁性粉を円環状に成形して焼成した後、径方向に2極着磁された、例えばフェライトマグネット等である。
【0006】
図15に示されるように、マグネット室2aの開口部には、合成樹脂製のマグネット室カバー14が、センサハウジング2に形成された爪2bと、マグネット室カバー14に設けられた係止孔14aとを係合させることによって、固定されている。マグネット室カバー14には支持孔14bが形成されており、この支持孔14bに回転軸4の一端が挿入され且つ回動自在に支持されている。
【0007】
図13に示されるように、フロート8に一端が取付けられたフロートアーム6の他端は、回転軸4に固定されている。液面15のレベル変位に伴ってフロート8が上下移動すると、その移動はフロートアーム6を介して回転軸4に伝達され、回転軸4を回動させるようになっている。
【0008】
図14に示されるように、一対の略半円形のステータ9は、マグネット5の外周面に対向して、略円を形成するように対向して配設されている。一対のステータ9の端面間には、180°の位相差を持つ2つのギャップ10が形成されており、一方のギャップ10には、例えば、ホール素子、ホールIC、等の磁電変換素子11が一対のステータ9によって挟まれるように配置されている。磁電変換素子11の端子11aは、ターミナル13が電気的に接続された配線板12に電気的に接続されている。
【0009】
そして、液面15のレベル変位に伴ってフロート8が上下移動すると、回転軸4がマグネット5と共に回動する。マグネット5の回動に伴って、磁電変換素子11を通過する磁束密度が変化すると、磁電変換素子11がこれを検出して電気信号に変換し、ターミナル13に出力するようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の非接触式液面レベルセンサ1は、マグネット室カバー14の係止孔14aに、センサハウジング2の爪2bを係合させることにより、マグネット室2aの開口部を閉鎖しているので、センサハウジング2とマグネット室カバー14の間に、わずかな隙間ができてしまう。非接触式液面レベルセンサ1は、ガソリン等の液体に浸漬された状態で使用され、またマグネット室2aには焼結マグネット5が收容されているため、液体に磁性粉が混入していると、当該磁性粉が焼結マグネット5に吸引され前記隙間からマグネット室2a内に侵入する可能性がある。磁性粉がマグネット室2a内に侵入すると、焼結マグネット5に付着して磁力を変化させ、非接触式液面レベルセンサ1の検出性能に悪影響を与える可能性もある。また、焼結マグネット5に付着した磁性粉に阻害されて回転軸4の回転トルクが高くなり、滑らかな回転が得られなくなる可能性もある。また、前述のように、マグネット室カバー14はセンサハウジング2に係合しているだけなので、センサハウジング2の孔の軸心とマグネット室カバー14の孔の軸心とがズレる可能性がある。このように軸心にズレが生じた場合、回転軸4の滑らかな回転が阻害される可能性がある。
【0011】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、非接触式液面レベルセンサのマグネット室を液密に封止して磁性粉がマグネット室内に侵入するのを防止することで、マグネットの磁力や回転軸の回転トルクが変化せず、長期間安定した検出性能を維持できる非接触式液面レベルセンサの組立方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載したように、センサハウジングと、前記センサハウジング内に形成されたマグネット室と、前記マグネット室の開口部を覆うように前記センサハウジング上に配置されるマグネット室カバーと、一方の軸部が前記マグネット室の支持孔に挿入され、他方の軸部が前記マグネット室カバーの支持孔に挿入されて回動自在に設けられる回転軸と、前記マグネット室内において前記回転軸の外周面に固定され前記回転軸と共に回動するマグネットと、を備える非接触式液面レベルセンサの組立方法であって、
前記回転軸の一方の軸部を前記マグネット室の支持孔に挿入して前記マグネットを前記マグネット室内に収納し、
前記回転軸の他方の軸部を前記マグネット室カバーの支持孔に挿入して前記マグネット室カバーを前記マグネット室の開口部を覆うように前記センサハウジング上に配置し、
そして、前記マグネット室を液密に封止するように前記マグネット室カバーを前記センサハウジングに溶着することを特徴としている。
【0013】
請求項1に記載の非接触式液面レベルセンサの組立方法によれば、マグネットが固定された回転軸をマグネット室に組付け、マグネット室の開口部を覆うようにマグネット室カバーをセンサハウジング上に配置し、そして前記マグネット室を液密に封止するように前記マグネット室カバーを前記センサハウジングに溶着するので、マグネット室内への磁性粉の侵入を完全に阻止することができる。またこれによって、マグネットの磁力変化や回転軸の回転トルクの上昇を防止して、長期間にわたって高精度の検出性能を維持することができる。また、マグネット室とマグネット室カバーとは、溶着により一体となっているので、相対的なズレが生じることはなく、従って、回転軸を支持している孔の軸心がズレて回転軸の回転が阻害されることもない。
【0014】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明の実施の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の非接触式液面レベルセンサの縦断面図、図2は非接触式液面レベルセンサからカバーを外した状態を示す図1のII矢視図、図3は非接触式液面レベルセンサの分解斜視図、図4はセンサハウジングとマグネット室カバーにより回動自在に支持された回転軸を示す図1の要部拡大縦断面図、図5はマグネット室カバーがマグネット室に溶着された状態を示す図4のV矢視図、図6は回転軸に一体成形されたマグネットの要部断面図、図7は図6のVII−VII矢視縦断面図、そして図8は磁電変換素子、マグネットおよびステータの斜視図である。
【0016】
図1〜図3に示されるように、本発明の非接触式液面レベルセンサ20は、センサハウジング21と、回転軸22と、マグネット23と、検出部24と、フロート25と、フロートアーム26と、を備えている。センサハウジング21は合成樹脂を射出成形することにより形成されている。非接触式液面レベルセンサ20は、センサハウジング21が車両用燃料タンク3内に固定されるように、配設されている。センサハウジング21の一端には円筒状凹部を成す形状に成形されたマグネット室21aが設けられている。マグネット室21aの開口面と反対側に開口面を有する略矩形凹部を成す形状に成形された検出部収納室21bは、略半円形の隔壁21cによってマグネット室21aと仕切られて設けられている。
【0017】
図4に示されるように、回転軸22の一方の軸部22aは、マグネット室21aの中央に設けられた支持孔21dに挿入されている。マグネット室21aの開口面には、合成樹脂製のマグネット室カバー28が被せられている。マグネット室カバー28の中央に設けられた支持孔28aには、回転軸22の他方の軸部22bが挿入され、マグネット室21aの支持孔21dと協働して回転軸22を回動自在に支持している。
【0018】
回転軸22は、マグネット23を支持し、回動させるためのものであって、その外周面にマグネット23が一体成形されて固定され、中心にはフロートアーム26を挿通させるための貫通孔22cがあけられている。回転軸22の一方の軸部22aには、位置決め用凹部22eが形成されている。
【0019】
図5に示されるように、マグネット室カバー28は、位置決め孔28cが設けられた突起部28bが両側方に突出する板状に形成された合成樹脂製のカバーであり、位置決め孔28cにセンサハウジング21の突起ピン21eを嵌合させて位置決めし、全周にわたってセンサハウジング21に、図5のハッチング部分に示されるように、溶着されている。従って、マグネット室21aは液密に封止されている。
【0020】
溶着方法としては、例えば、振動溶着、超音波溶着、レーザ溶着、等が挙げられる。ただし、振動溶着はマグネット室カバー28を溶着面に対して平行に振動させて溶着する方法であるため、位置決め孔28cと突起ピン21eを係合させて位置決めする構造を採ることは困難である。それ故、マグネット室21aの支持孔21dと、マグネット室カバー28の支持孔28aの軸心を一致させた状態で、マグネット室カバー28をセンサハウジング21に溶着することは難しい。支持孔21dの軸心と支持孔28aの軸心とがズレた状態で溶着された場合、回転軸22の回動トルクが高くなるため、検出精度に影響する可能性がある。
【0021】
このため、マグネット室カバー28をセンサハウジング21に固定する溶着方法としては、前述した溶着方法の例の中では超音波溶着またはレーザ溶着が推奨される。尚、レーザ溶着の場合、レーザ照射側の部材(例えばマグネット室カバー28)は、レーザを透過させるために透明または半透明とし、他方の部材(例えばセンサハウジング21)は、レーザの吸収効率が高い黒色とすることが望ましい。
【0022】
単にマグネット室21aを液密に封止するには、接着による方法も考えられるが、接着剤の硬化時間に長時間を要したり、作業性が悪く、あまり実用的ではない。また、ガソリン等の液体に浸漬されると、接着剤が膨潤或いは変形して極端に接着力が低下する可能性があり、その使用は難しい。
【0023】
図4および図5に詳細に示されるように、マグネット23が固定された回転軸22をマグネット室21aに組付け、マグネット室21aの開口部を覆うようにマグネット室カバー28をセンサハウジング21上に配置し、そしてマグネット室カバー28をセンサハウジング21に溶着するすることにより、マグネット室が液密に封止されている。従って、マグネット室21a内への磁性粉の侵入を完全に阻止することができる。またこれによって、マグネット23の磁力変化や回転軸22の回転トルクの上昇を防止して、長期間にわたって高精度の検出性能を維持することができる。また、マグネット室21aとマグネット室カバー28とは、溶着により一体となっているので、相対的なズレが生じることはなく、従って、回転軸22を支持している支持孔21dの軸心と支持孔28aの軸心とがズレて回転軸22の回転が阻害されることもない。尚、図5において、マグネット室カバー28の外周部にある斜線部分はセンサハウジング21へのマグネット室カバー28の溶着部を示している。
【0024】
マグネット室21aの支持孔21dから突出した一方の軸部22aは、アームホルダ29の一端に設けられた孔29bに挿入されている。アームホルダ29の孔29bの近傍にあるフロートアーム26の曲げ部の内側部分は、回転軸22の位置決め用凹部22eと係合しており、アームホルダ29と回転軸22の取付け位相は、一定の位相となっている。
【0025】
回転軸22の貫通孔22cには、金属製のフロートアーム26のL字形に曲げられた一端26aが挿入されている。図3に示されるように、フロートアーム26は、アームホルダ29に形成された一対の爪29aに保持されて、アームホルダ29と一体に揺動するようになっている。フロートアーム26の他端26bは、フロート25に取付けられている(図1参照)。
【0026】
以上説明した構造を有する非接触式液面レベルセンサ20によれば、図1に示される車両用燃料タンク3に貯溜されている燃料30の量が増減して液面30aのレベルが変位すると、これに伴ってフロート25が上下移動し、このフロート25の移動に伴い回転軸22と共にマグネット23を回動させるようになっている。
【0027】
図6および図7に示されるように、マグネット23は、PPS(即ち、ポリフェニレンサルファイド)樹脂とネオジウム系磁性粉とを含む複合材料を成形することにより設けられた所謂プラスチックマグネットであり、回転軸22の外周面に一体成形されている。マグネット23は、回転軸22と一体成形された後、保持治具等(不図示)により保持されながら径方向(即ち、図7の矢印方向)に磁界をかけられ、図8に示されるように2極着磁される。尚、回転軸22とマグネット23とは、図7に示されるように同心円状に一体成形されているため、回転軸22に対するマグネット23のガタや偏心は無く、高い精度を有している。従って、非接触式液面レベルセンサ20の検出精度を高めることができる。
【0028】
検出部24は、磁束密度を検出するためのものであって、図2、図3および図8に示されるように、ステータ31と、例えばホール素子またはホールIC等の磁電変換素子32とを備え、検出部収納室21b内に配設されている。各ステータ31は磁性体により形成された円弧形状の板であり、一対のステータ31が、マグネット23の外周面に対向し、マグネット23と同芯の略半円を形成するように配置されている。各ステータ31を構成する磁性体としては、ケイ素鋼板、鉄、マルテンサイト系ステンレス、フェライト系ステンレス、等が例として挙げられる。
【0029】
各ステータ31は略4分円の円弧形状とされており、ステータ31それぞれの一端(一端面)が磁電変換素子32を挟むように配置されている。従って、一対のステータ31それぞれの他端(他端面)は、互いに離間し、略180°の開口角のギャップGを形成している。
【0030】
例えば図2に示されるように、磁電変換素子32の端子32aは、検出部収納室21b内に設けられたターミナル34に電気的に接続されている。ターミナル34の一端34aは、検出部収納室21bの外側に設けられた外部出力端子部21fに導出され、電線40に電気的に接続されている。従って、磁電変換素子32が生成する検出信号は電線40を介して非接触式液面レベルセンサ20の外部に出力される。尚、検出部収納室21bは、図1および図3に示されるように、カバー35によって覆われている。
【0031】
次に、検出部24の変形例を図9を参照して説明する。図9は、ステータ31それぞれの他端が形成するギャップGの開口角が90°で、且つ、各ステータ31が対称に配置された検出部24の変形例の平面図である。図9に示されるように、この検出部24の変形例では、各ステータ31が略135°の角度の円弧形状に形成されている。一対のステータ31は、図8の検出部24と同様に、それぞれの一端が磁電変換素子32を挟むように配置されている。従って、ステータ31それぞれの他端で形成されるギャップGの開口角は、略90°となっている。また、ギャップGは、マグネット23の中心(即ち、回転軸22の軸心)と磁電変換素子32の中心を結ぶ直線Yに対して対称となっている。換言すれば、一対のステータ31がマグネット23の中心と磁電変換素子32の中心とを結ぶ線に対して対称となる形状を有している。図9に示される検出部24の変形例を採用する場合は、それに合わせてセンサハウジング21等の形状を適宜変形すればよい。
【0032】
次に、検出部24の他の変形例を図10を参照して説明する。図10は、ステータ31それぞれの他端が形成するギャップGの開口角が120°で、且つ、各ステータ31が非対称に配置された検出部24の他の変形例の平面図である。図10に示されるように、この検出部24の変形例では、ステータ31の一方が略90°の角度、そしてステータ31の他方が略150°の角度の円弧形状に形成され、異なる形状となっている。一対のステータ31は、図8の検出部24と同様に、それぞれの一端が磁電変換素子32を挟むように配置されている。従って、ステータ31それぞれの他端で形成されるギャップGの開口角は、略120°となっている。また、ギャップGは、マグネット23の中心(即ち、回転軸22の軸心)と磁電変換素子32の中心を結ぶ直線Yに対して非対称となっている。換言すれば、一対のステータ31がマグネット23の中心と磁電変換素子32の中心とを結ぶ線に対して非対称となる形状を有している。図10に示される検出部24の変形例を採用する場合は、それに合わせてセンサハウジング21等の形状を適宜変形すればよい。
【0033】
図11は、マグネット23の回転角と磁電変換素子32で検出される磁束密度の関係を、一対のステータ31によって形成される円の形状に対して示すグラフである。従来の非接触式液面レベルセンサ1のステータ9のように、一対のステータ31が(磁電変換素子32と協働して)円を形成する場合の特性は特性線Aで示されており、この特性線Aに示されるように、磁束密度はマグネット23の回転角0°、180°および360°の位相で0となるサインカーブに沿って変化している。尚、非接触式液面レベルセンサ20は、特性の直線性が要求されることから、回転角として例えば130°〜230°(180°±50°)の範囲を使用する。
【0034】
一方、検出部24を図9に示されるように変形した場合の特性は、特性線Bで示されており、特性線Aと同様に、磁束密度は、マグネット23の回転角0°、180°および360°の位相で0となるサインカーブに沿って変化する。しかしながら、特性線Bで示される磁束密度は、特性線Aで示される磁束密度よりも大きくなっている。このことは、特性線Aが示す磁束密度(即ち、一対のステータ31が(磁電変換素子32と協働して)従来の非接触式液面レベルセンサ1のステータ9のように円を形成する場合に磁電変換素子32により検出される磁束密度)と同等な磁束密度が得られるように、マグネット23の磁力を弱くすることが可能であることを意味しており、マグネット23の製造コスト上、有利である。
【0035】
また、検出部24を図10に示されるように変形した場合の特性は、特性線Cで示されており、この場合の磁束密度は、特性線Aにより示される磁束密度よりも大きいが、特性線Bにより示される磁束密度よりも、僅かに小さくなっている。また、位相は、ギャップGが非対称に形成されていることに起因して、プラス方向(即ち、位相が進む方向)にズレが生じている。この位相のズレは、位相補正データが前以って記録されているEEPROM(即ち、Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の半導体メモリー(不図示)および該位相補正データに従い磁束密度の位相を補正するCPU(即ち、Central Processing Unit)等の半導体演算素子(不図示)を磁電変換素子32が内蔵していることから、自動的に補正されるため、実用上問題はない。尚、磁電変換素子32に半導体メモリーおよび半導体演算素子を内蔵させる必要はないことに留意されるべきである。即ち、当該半導体メモリーや半導体演算素子のように位相を補正する位相補正装置を非接触式液面レベルセンサ20とは別体に設け、磁電変換素子32には磁束密度の検出のみをさせて、磁電変換素子32が生成する検出信号を電線40を介して非接触式液面レベルセンサ20の外部に出力してから、当該位相補正装置により位相を補正させる形態を採ってもよい。
【0036】
尚、ギャップGの開口角の大きさを様々に変化させて磁電変換素子32により検出される磁束密度の大きさを測定する試験を行ったところ、磁束密度は、ギャップGの開口角が90°のとき最大値を示し、それより大きくても、小さくても次第に磁束密度が小さくなり、ギャップGの開口角が180°のとき、特性線Aと同一となることが確認された。
【0037】
この試験結果から、ギャップGの開口角は、50°〜200°、好ましくは90°〜180°とするのが良い。50°以上としたのは、フロート25の最小振角55°をカバーできるようにするためであり、また200°以下としたのは、それ以上ギャップGの開口角を大きくすると、外部からの磁力の影響を受け易くなり、ノイズを拾う可能性が高くなるからである。
【0038】
また、好ましい開口角を90°〜180°としたのは、90°で最も磁束密度が大きくなり、その分マグネット23の磁力を弱くしても、従来(即ち、特性線A)と同等の性能が得られるからである。また、180°では、磁束密度に関して従来(即ち、特性線A)と同等の性能が得られ、且つ、効率のよい小型化が可能となるからである。即ち、ギャップGの開口角が90°のとき磁力上最も有利となり、一方ギャップGの開口角が180°のとき小型化する上で有利となる。
【0039】
よって、非接触式液面レベルセンサ20の仕様に応じて50°〜200°の間でギャップGの開口角を最も望まれる値に設定すればよい。
【0040】
図12は、図10に示される検出部24の変形例のように非対称に形成されたステータ31を用いて形状が単純化されたフロートアームを示す正面図である。図12に示されるような検出部24にすると、フロートアーム26を検出部24から液面30aに対して略垂直に形成し且つフロート25に向けて略直角に曲げればよいことになる。従って、フロートアーム26を単純な形状とすることが可能となり、曲げ工数が減るので、安価に製造することが可能となる利点がある。また、フロートアーム26が下方(即ち、液面30aに対して略垂直)に延びた形状となっているので、例えば図2に点線で示されるフロートアーム26の形状例と比較して、非接触式液面レベルセンサ20の幅方向(即ち、図12では右側)に突出する部分を設ける必要がなく、燃料タンクへの挿入性が向上し、組付けが容易となる。
【0041】
本実施形態の作用を説明する。
図1において、液面30aの変位に伴ってフロート25が上下移動すると、フロート25の移動(変位)は、フロートアーム26を介して回転軸22に伝達され、回転軸22をマグネット23と共に回動させる。そして、マグネット23の回動に伴いステータ31内の磁束密度に変化が生じ、それにより磁電変換素子32を通過する磁束密度が変化すると、磁電変換素子32は磁束密度に比例した電気信号を出力し、ターミナル34を介して外部機器へ当該電気信号が出力される。この電気信号を基にして、マグネット23(回転軸22)の回転角度が判定される。
【0042】
尚、マグネット23の回転角は、図11に示されるように、180°を中心として前後に等分に振り分けて設定することが、特性の直線性を維持する上で有利であり、実用的には180°±50°が最も望ましい設定範囲となる。これによって、フロート25の上下移動を高精度で検出することができる。
【0043】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形,改良,等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の材質,形状,寸法,数値,形態,数,配置個所,等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0044】
尚、本発明の非接触式液面レベルセンサが、前述のような車両用燃料タンクに限らず、種々の液体貯溜タンクの液面レベルの検出に適用可能であることは言うまでもない。
【0045】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、マグネットが固定された回転軸をマグネット室に組付け、マグネット室の開口部を覆うようにマグネット室カバーをセンサハウジング上に配置し、そして前記マグネット室を液密に封止するように前記マグネット室カバーを前記センサハウジングに溶着するので、マグネット室内への磁性粉の侵入を完全に阻止することができる。またこれによって、マグネットの磁力変化や回転軸の回転トルクの上昇を防止して、長期間にわたって高精度の検出性能を維持することができる。また、マグネット室とマグネット室カバーとは、溶着により一体となっているので、相対的なズレが生じることはなく、従って、回転軸を支持している孔の軸心がズレて回転軸の回転が阻害されることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非接触式液面レベルセンサの縦断面図である。
【図2】非接触式液面レベルセンサからカバーを外した状態を示す図1のII矢視図である。
【図3】非接触式液面レベルセンサの分解斜視図である。
【図4】センサハウジングとマグネット室カバーにより回動自在に支持された回転軸を示す図1の要部拡大縦断面図である。
【図5】マグネット室カバーがマグネット室に溶着された状態を示す図4のV矢視図である。
【図6】回転軸に一体成形されたマグネットの要部断面図である。
【図7】図6のVII−VII矢視縦断面図である。
【図8】磁電変換素子、マグネットおよびステータの斜視図である。
【図9】検出部の変形例を示し、ステータそれぞれの他端が形成するギャップの開口角が略90°で、且つ、各ステータが対称に配置された検出部の平面図である。
【図10】検出部の他の変形例を示し、ステータそれぞれの他端が形成するギャップの開口角が略120°で、且つ、各ステータが非対称に配置された検出部の平面図である。
【図11】マグネットの回転角と磁電変換素子により検出される磁束密度の関係を、一対のステータによって形成される円の形状に対して示すグラフである。
【図12】図10に示される検出部の変形例のように非対称に形成されたステータを用いて形状が単純化されたフロートアームを示す正面図である。
【図13】従来の非接触式液面レベルセンサの縦断面図である。
【図14】図13から磁電変換素子、マグネットおよびステータを抜き出して夫々の位置関係を示す斜視図である。
【図15】マグネット室カバーがマグネット室に装着された状態を示す要部拡大縦断面図である。
【符号の説明】
20 非接触式液面レベルセンサ
21 センサハウジング
20a マグネット室
22 回転軸
23 マグネット
28 マグネット室カバー
Claims (1)
- センサハウジングと、前記センサハウジング内に形成されたマグネット室と、前記マグネット室の開口部を覆うように前記センサハウジング上に配置されるマグネット室カバーと、一方の軸部が前記マグネット室の支持孔に挿入され、他方の軸部が前記マグネット室カバーの支持孔に挿入されて回動自在に設けられる回転軸と、前記マグネット室内において前記回転軸の外周面に固定され前記回転軸と共に回動するマグネットと、を備える非接触式液面レベルセンサの組立方法であって、
前記回転軸の一方の軸部を前記マグネット室の支持孔に挿入して前記マグネットを前記マグネット室内に収納し、
前記回転軸の他方の軸部を前記マグネット室カバーの支持孔に挿入して前記マグネット室カバーを前記マグネット室の開口部を覆うように前記センサハウジング上に配置し、
そして、前記マグネット室を液密に封止するように前記マグネット室カバーを前記センサハウジングに溶着することを特徴とする非接触式液面レベルセンサの組立方法。
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