JP4590846B2 - 磁気浮上式ステージ装置及び露光装置 - Google Patents
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Description
リソグラフィ技術において現在主流である光露光装置では、ステージ駆動源として、高分解能位置決め線形制御が可能で高推力のリニアモータ等の電磁アクチュエータが広く用いられている。また、ステージの位置測定には、高分解能のレーザ干渉計が広く用いられている。さらに、定盤上のステージのXYガイド方式としては、ステージの位置決めが容易になるよう、高剛性のプリロード排気付き静圧軸受けが用いられている。そして、これらにより、ステージの数nmオーダの位置決めが可能となりつつある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、真空度の悪化の可能性を低減できる、あるいは、高速・高加速を実現してスループットを向上できる等の利点を有する磁気浮上式ステージ装置を提供することを目的とする。さらに、そのようなステージ装置を備える露光装置を提供することを目的とする。
ステージが浮上する際には、主固定子と可動子間の静的な磁気吸引力によってステージ自重をキャンセルすることができる。しかしながら、そもそも磁気吸引力は負のばね特性を有しているため、静的な釣り合いのみではステージが不安定な状態となる可能性がある。そこで、本発明のこの態様では、主固定子の磁石又は電機子コイルに独立にサーボ電流を通電し、ステージを動的に浮上させて安定化を図るのである。
この場合、ピエゾ素子と板ばねによりステージの位置・姿勢の微調整機構を実現することができる。
この場合、熱膨張係数が0.1(ppm/℃)以下であるので、ステージの熱の影響による変形を低減できる。
なお、前記Y方向駆動用のY可動子と、前記Z方向浮上用のZ可動子との間にヒートパイプ等を設置し、このヒートパイプの端部を冷媒に接触させる等をして、ステージを強制的に冷却することも可能である。
本実施の形態では、EUVL露光装置を例に採って説明するが、本発明はEUV光以外のエネルギ線を用いる他の露光装置に適用することも可能である。
図12は、EUVL露光装置の一例(4枚投影系)を示す概略構成図である。
図12に示すEUVL露光装置は、光源を含む照明系ILを備えている。照明系ILから放射されたEUV光(一般に波長5〜20nmが用いられ、具体的には13nmや11nmの波長が用いられる)は、折り返しミラー1で反射してレチクル2に照射される。
図1は、本発明の実施例1に係るステージ装置の内部構成を示す平面図である。
図2は、図1のステージ装置の断面図である。
以下の説明において、X、Y、Z方向とは、図1及び図2に示す矢印方向を指すものとする。さらに、手前側とは図1の下側を意味し、奥側とは図1の上側を意味する。
なお、ステージ40のZ方向の位置・姿勢を検出するには、例えば斜入射型オートフォーカス等を用いることができる。
まず、ガイド31(33)に設けられた永久磁石について説明する。
図1及び図2に示すように、ガイド31(33)内側の上下面には、可動子移動スキマを介して、Y方向(スキャン方向:ステージ40のスライド方向)に沿って複数並んだ棒状の永久磁石(Y、θz駆動用主固定子)60が設けられている。各永久磁石60は、Y方向に沿ってN極・S極が交互になるように配置されており(図1参照)、且つ、Z方向(すなわちガイド31(33)内側の上下面)にはN極に対してS極が対向するように配置されている(図2参照)。
前述した通り、ガイド31の開口内に配置されるステージ40の左可動子収容部41内には、コイルユニット45が設けられている。一方、ガイド33の開口内に配置される右可動子収容部43内には、コイルユニット47が設けられている。
図3は、同ステージ装置の全体構成を示す斜視図である。
図4は、同ステージ装置の主要部(図3からフレーム等を取り除いた状態)を示す斜視図である。
図5は、同ステージ装置の駆動部(図4からカウンタマス等を取り除いた状態)を示す斜視図である。
図6は、同ステージ装置の駆動部(図5から上部リニアモータ固定子を取り除いた状態)を示す斜視図である。
図7は、同ステージ装置の駆動部の内部構成(図6から一方のリニアモータ可動子を取り除いた状態)を示す斜視図である。
図8は、図7のA方向から見た模式的矢視図であって、ステージ磁気浮上機構ならびに冷却機構を示す図である。
図9は、上下の電機子コイル(固定子)とそれらの間の永久磁石(可動子)の配置状態を示す図である。
図10は、磁気浮上メカニズムを説明するためのグラフである。
図11は、図9の変形例であって、上下の永久磁石(固定子)とそれらの間の電機子コイル(可動子)の配置状態を示す図である。
図6及び図7に示すように、ガイド131(133)の上下ガイド板131A、131B(133A、133B)の内側面には、Y方向(スキャン方向)に沿って複数並んだ小判状の電機子コイル(Y、θz駆動用主固定子)171が設けられている。さらに、ガイド133において、電機子コイル171の隣りには、Y方向に沿って延びる長い電機子コイル(X駆動用主固定子)175が設けられている。
図7及び図9に示すように永久磁石ユニット145(147)内には、Y方向(スキャン方向)に沿って等間隔おきに複数並んだ棒状の永久磁石(Y、θz駆動用可動子)160が設けられている。図9に示すように、各磁石160は、ユニットプレート145´(147´)の上下面に固定された固定磁石162と、この固定磁石162に積層された積層磁石161とが一体化されてなる。固定磁石162と積層磁石161は、一方がN極で他方がS極となっている。そして、Y方向に沿って隣り合う各磁石160は、固定磁石162のN極・S極と積層磁石161のN極・S極とが交互になるように配置されており、ユニットプレート145´(147´)を挟んでZ方向に対向する磁石160の固定磁石162は、N極に対してS極が向かい合うように配置されている。
図8に最もわかり易く示すように、ガイド131側の推力用コイル(U、V、Wコイル)173と磁気浮上用コイル(A、B、Cコイル)174との間には、ヒートパイプ190が介装されている。このヒートパイプ190の端部190aは、上下ガイド板131A、131Bのそれぞれの側部に設けられた冷却媒体流路191内に差し込まれている。冷却媒体流路191の中空部191´は、水あるいはフロリナート系冷却液等の冷却媒体が流れる流路となっている。冷却媒体流路191の側面には、冷却媒体の導排出管193が取り付けられている。この管193の先には、冷却媒体循環ポンプ(図示されず)が繋がっている。冷却媒体流路191の中空部191´内において、ヒートパイプ190の端部190aは冷却媒体に晒されており、電機子コイル171の通電に伴う発熱がヒートパイプ190を介して冷却媒体で除熱されるようになっている。
図9に示すように、本実施の形態では、まず所定の磁気浮上条件に基づきポールピッチPPを決める。そして、このポールピッチPPから、コイルユニットピッチUPとコイルピッチCPとを、それぞれUP=2×PP、CP=(2/3)×PPを満たすように決める。永久磁石160の幅MWと電機子コイルの幅CWは、それぞれMW=0.4×PP、CW=PP/6を満たすように取る。
2 レチクル 3 レチクルステージ
20 ステージ装置
21 ステージベース 23、24 固定フレーム
25 カウンタマスフレーム(ステージ反力逃がし質量体)
27 エアパッド 29 トリムアクチュエータ
31、33 ガイド 40 ステージ
41、43 可動子収容部 42 Xミラー
45、47 コイルユニット 49 干渉計
51、53 ピエゾアクチュエータ 52、54 板ばね
55 静電吸着ホルダ 56 Y折り曲げミラー
59 干渉計 60、65 永久磁石
71、75、81 コイル
110 カウンタマスベース
116、117、119 トリムアクチュエータ
120 ステージ装置
125 カウンタマスフレーム(ステージ反力逃がし質量体)
131、133 ガイド 140 ステージ
141、143 可動子収容部 142 Xミラー
145、147 永久磁石ユニット 152 Yミラー
153 ピエゾアクチュエータ 154 板ばね
155 静電吸着ホルダ 160、165 永久磁石
161 積層磁石 162 固定磁石
171、175 電機子コイル
173 磁気浮上用コイル(A、B、Cコイル)
174 推力用コイル(U、V、Wコイル)
190 ヒートパイプ 191 冷却媒体流路
Claims (6)
- 主走査方向(Y方向)、該Y方向の直交方向(X方向)、XY平面の法線方向(Z方向)、前記X方向周り(θx方向)、前記Y方向周り(θy方向)及び前記Z方向周り(θz方向)にステージを移動・位置決めするステージ装置であって、
前記Y方向に並行して延びる2本のガイドと、
該ガイドの各々に配列された、Y方向駆動用且つθz方向駆動用リニアモータ、及び、Z方向駆動用(浮上用)且つθx方向駆動用、θy方向駆動用電磁アクチュエータの兼用の主固定子と、
前記ガイドに配置された、X方向駆動用リニアモータ固定子と、
前記ステージに配置されたY方向駆動用且つθz方向駆動用リニアモータ可動子(Y、θz可動子)と、
前記ステージに配置されたX方向駆動用リニアモータ可動子(X可動子)と、
前記ステージに配置されたZ方向駆動用且つθx方向駆動用、θy方向駆動用アクチュエータ可動子(Z、θx、θy可動子)と、
を備え、
前記主固定子が、前記Z方向に可動子移動スキマを介して対面しており且つ前記Y方向に沿って配列されている、前記対面する同士及び前記Y方向に隣り合う同士も逆極性の、磁石のペアの列を有し、
前記Y、θz可動子と前記Z、θx、θy可動子は、Y、θzコイル群とZ、θx、θyコイル群を隣接させて配置した、第一のコイルユニット及び第二のコイルユニットを構成し、前記第一のコイルユニットに配置された前記Y、θzコイル群は、前記Z、θx、θyコイル群の間に配置され、前記第二のコイルユニットに配置された前記Z、θx、θyコイル群は、前記Y、θzコイル群の間に配置され、
前記第一のコイルユニットと前記第二のコイルユニットは、夫々が前記主固定子と対面して配置されることを特徴とする磁気浮上式ステージ装置。 - 前記XY平面の法線方向(Z方向)、前記X方向周り(θx方向)及び前記Y方向周り(θy方向)の前記ステージの移動量を検出する複数のセンサ(レーザ干渉計又はオートフォーカス等)を備え、
前記ステージのZ方向、θx方向及びθy方向の移動量を前記センサで検出し、該センサからの検出信号を帰還しながら前記主固定子又は可動子の電機子コイルに独立に通電して、前記ステージのZ方向、θx方向及びθy方向の位置決め制御を行うことを特徴とする請求項1記載の磁気浮上式ステージ装置。 - 前記ステージと前記各リニアモータ可動子との間に、
力センサ又は位置センサが内蔵された、前記Y方向に伸縮可能なピエゾ素子と、
該ピエゾ素子の変位を許容する複数の板ばねと、
を備え、
前記ピエゾ素子を駆動することにより前記XY平面上で前記ステージの位置・姿勢の微調整を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の磁気浮上式ステージ装置。 - 前記ステージが、熱膨張係数が0.1(ppm/℃)以下の低熱膨張材料からなることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の磁気浮上式ステージ装置。
- 感応基板上にエネルギ線を選択的に照射してパターンを形成する露光装置であって、
前記パターンの原版を載置して移動する原版ステージが前記請求項1〜4いずれか1項記載のステージ装置からなることを特徴とする露光装置。 - 所望のパターンが形成された原版を載置する原版ステージと、
前記原版をエネルギ線照明する照明光学系と、
前記パターンを転写する感応基板を載置する感応基板ステージと、
前記原版を通過したエネルギ線を前記感応基板上に投影結像させる投影光学系と、を具備し、
前記両ステージをある方向(Y方向)に同期連続移動(同期スキャン)させながら露光する露光装置であって、
前記原版ステージが前記請求項1〜4いずれか1項記載のステージ装置からなることを特徴とする露光装置。
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