JP4589776B2 - 妊婦用生体測定システム - Google Patents

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Description

本発明は、妊婦の生体データを測定する妊婦用生体測定システムに関し、特に妊婦が1日に必要とするエネルギー量や現に消費しているエネルギー量を測定するためのシステムに関する。
従来、妊婦が1日に必要とするエネルギー量は、例えば非特許文献1に開示の如く、厚生労働省から提示されている基礎代謝基準値と生活活動強度と妊婦のための付加エネルギー量(350kcal)とに基づいて推定されている。即ち、当該妊婦の年齢に応じた基礎代謝基準値に当該妊婦の体重を掛け合わせて基礎代謝量とし、これに生活活動強度を掛け合わせたうえで350kcalを加算したものを、当該妊婦の1日あたりの所要エネルギー量としている。また、妊婦が1日に現に消費(摂取)しているエネルギー量については、当該妊婦が実際に摂取した食事の量や内容を調査することによって推定されている。
また、妊婦の所要エネルギー量に関し、例えば非特許文献2及び3には、胎児、胎盤、及び母体において増加した蛋白質や脂肪といった、妊娠に起因して増加した生体組織において必要とされるエネルギー量や、妊娠中の代謝亢進による基礎代謝増加量のデータが開示されている。
一方、本願出願人の下では、妊婦の健康管理に供するべく、妊婦の様々な生体データを取得するための技術の研究開発が進められている。そのような研究の成果として、胎児の体重と羊水の重量と胎盤の重量とがそれぞれ妊娠後の経過期間(妊娠週数)に基づいて概ね一義的に推定可能であることや、妊婦の非妊娠時から測定時までの体脂肪の変化量及び体水分の変化量が当該期間における体重増加量のそれぞれ約58%及び約29%に相当すること等が確認されており、例えば特許文献1乃至3の如く、これらを利用、応用した妊婦用の体組成測定装置や健康管理装置の特許出願もなされている。
更に、最近では、妊婦の母体の除脂肪量や年齢といったデータをパラメータとしてその基礎代謝量を簡便に推定する方法も見出され、例えば特許文献4の如く、妊婦用の基礎代謝量測定装置の特許出願もなされている。
尚、特許文献1乃至4に開示された如き妊婦用の生体データ測定装置の類は、例えば特許文献5及び6に開示された如き所謂生体電気インピーダンス法を用いた体脂肪計や体組成計、更には特許文献7及び8に開示された如き被測定者の除脂肪量や年齢に基づく基礎代謝量の算出方法及び算出装置を基礎とし、或いはこれらに組込まれて、一部では既に実用化されている。
健康・栄養情報研究会編「第六次改訂 日本人の栄養所要量 食事摂取基準」第一出版株式会社、平成11年9月10日、p.35−39 望月眞人、大橋正伸著「妊娠と水・電解質,栄養素の動き」、周産期医学、日本国、東京医学社、1992年、Vol.22、増刊号、p.36−44 J. V. G. A. DURNIN著「ENERGY REQUIREMENT OF PREGNANCY: AN INTEGRATION OF THE LONGITUDINAL DATA FROM THE FIVE-COUNTRY STUDY」、THE LANCET、米国、1987年11月14日、P.1131−1133 特開2003−102696号公報 特開2004−351053号公報 特願2004−218848号明細書 特願2005−14664号明細書 特公平5−49050号公報 特許第2835662号公報 特開2002−112982号公報 特開2002−172099号公報
妊婦の所要エネルギー量に関し、厚生労働省から提示されている基礎代謝基準値を利用して推定した所要エネルギー量では、妊婦のための付加エネルギー量が350kcalと一定であり、個人の体型や体重、基礎代謝量等は何ら考慮されておらず、個人個人に適切な所要エネルギー量を導くことができない。
また、妊婦の摂取エネルギー量に関し、実際の食事量や食事内容を調査することは、日常生活においては決して容易なことではなく、妊婦本人にとっても煩わしいものである。
本願出願人の下で開発された各種の妊婦用生体データ測定装置では、妊婦の体重、体脂肪量、除脂肪量、体水分量に加えて基礎代謝量等の様々な生体データを測定し得るものであるが、所要エネルギー量や摂取エネルギー量を個人ごとに正確に測定するまでには未だ至らず、改善の余地がある。
従って、多くの妊婦は、妊娠週数や体組成の変化に合せて適切な栄養管理をしてゆくことが胎児の発育や負荷の少ない出産に向けて重要であるにも拘らず、自身に適した所要エネルギー量も、自身の実際の摂取エネルギー量も簡便に知ることができずにいる。その結果、不必要なダイエットを行う者や、逆に食べ過ぎてしまう者もおり、妊婦の栄養管理、健康管理の面からも、妊婦の所要エネルギー量や摂取エネルギー量を個人ごとに測定可能な機器やシステムが望まれている。
本発明の第一の主たる目的は、妊婦の所要エネルギー量を、個人ごとに測定し得る妊婦用生体測定システムを提供することにある。
本発明の第二の主たる目的は、妊婦の摂取エネルギー量を、個人ごとに測定し得る妊婦用生体測定システムを提供することにある。
また、本発明は、妊婦の個人ごとの所要エネルギー量や摂取エネルギー量の測定を、できるだけ簡便に実行可能とすることを更なる目的とする。そしてまた、本発明は、最終的には、妊婦の摂取エネルギー量の過不足を、個人ごとに、簡便に測定可能とすることを目的とするものである。
第一の観点に基づく本発明の妊婦用生体測定システムは、被測定者たる妊婦の生体データを測定する妊婦用生体測定システムであって、被測定者の妊娠前における消費エネルギー量を決定する妊娠前消費エネルギー量決定手段と、妊娠に起因してこの妊娠前消費エネルギー量に付加されるべき適切な消費エネルギー量を決定する妊娠期付加エネルギー量決定手段と、これら妊娠前消費エネルギー量と妊娠期付加エネルギー量との合計を被測定者が妊娠期において必要とするエネルギー量と決定する妊娠期所要エネルギー量決定手段とを備え、前記妊娠期付加エネルギー量決定手段が、被測定者の妊娠前の体格指数に関するデータを取得する妊娠前体格指数データ取得手段と、被測定者の妊娠後の経過期間に関するデータを取得する妊娠経過期間データ取得手段と、これら妊娠前体格指数データと妊娠経過期間データとに基づいて妊娠期付加エネルギー量を推定する妊娠期付加エネルギー量推定手段とを含んでなるものである。
ここで、前記妊娠期付加エネルギー量推定手段が、妊娠経過期間データを変数として妊娠期付加エネルギー量を導く複数の推定式を妊娠前体格指数データに対応して記憶してなる推定式記憶手段と、取得された妊娠前体格指数データに対応する推定式を選択する推定式選択手段と、選択された推定式に取得された妊娠経過期間を代入して妊娠期付加エネルギー量を算出する推定式実行手段とを含んでなることが望ましい。
また、前記妊娠前消費エネルギー量決定手段が、被測定者の妊娠前の基礎代謝量に関するデータを取得する妊娠前基礎代謝量データ取得手段と、被測定者の生活活動強度に関するデータを取得する生活活動強度データ取得手段と、これら妊娠前基礎代謝量データと生活活動強度データとに基づいて妊娠前消費エネルギー量を推定する妊娠前消費エネルギー量推定手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記妊娠前基礎代謝量データ取得手段が、被測定者の妊娠前の年齢に関するデータを取得する妊娠前年齢データ取得手段と、被測定者の妊娠前の除脂肪量に関するデータを取得する妊娠前除脂肪量データ取得手段と、これら妊娠前年齢データと妊娠前除脂肪量データとに基づいて妊娠前基礎代謝量データを算出する妊娠前基礎代謝量データ算出手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記妊娠前除脂肪量データ取得手段が、被測定者の妊娠前の体重に関するデータを取得する妊娠前体重データ取得手段と、被測定者の妊娠前の体脂肪量に関するデータを取得する妊娠前体脂肪量データ取得手段と、これら妊娠前体重データと妊娠前体脂肪量データとに基づいて妊娠前除脂肪量データを算出する妊娠前除脂肪量算出手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記妊娠前体脂肪量データ取得手段が、被測定者の母体の体脂肪量に関するデータを取得する母体体脂肪量データ取得手段と、被測定者の妊娠後の体脂肪増加量に関するデータを取得する体脂肪増加量データ取得手段と、これら母体体脂肪量データと体脂肪増加量データとに基づいて妊娠前体脂肪量データを算出する妊娠前体脂肪量データ算出手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記母体体脂肪量データ取得手段が、被測定者の現在の体重に関するデータを取得する体重データ取得手段と、被測定者の胎児部分の重量に関するデータを取得する胎児部分重量データ取得手段と、これら体重データと胎児部分重量データとに基づいて被測定者の母体の体重に関するデータを算出する母体体重データ算出手段と、被測定者の身長に関するデータを取得する身長データ取得手段と、被測定者の身体インピーダンスに関するデータを取得するインピーダンスデータ取得手段と、これら母体体重データと身長データとインピーダンスデータとに基づいて母体体脂肪量データを算出する母体体脂肪量データ算出手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記胎児部分重量データ取得手段が、前記妊娠経過期間データ取得手段で取得された妊娠経過期間データに基づいて胎児部分重量データを決定する胎児部分重量データ決定手段を含んでなることが望ましい。
更に、前記体脂肪増加量データ取得手段が、被測定者の妊娠後の体重増加量に関するデータを取得する体重増加量データ取得手段と、この体重増加量データに所定の比率を乗じることによって得られた値を体脂肪増加量データと決定する体脂肪増加量データ決定手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記体重増加量データ取得手段が、被測定者の現在の体重に関するデータを取得する体重データ取得手段と、この体重データと前記妊娠前体重データ取得手段で取得された妊娠前体重データとに基づいて体重増加量データを算出する体重増加量データ算出手段とを含んでなることが望ましい。
そして、前記妊婦用生体測定システムは、被測定者が妊娠期において現に摂取したエネルギー量を決定する妊娠期摂取エネルギー量決定手段と、この妊娠期摂取エネルギー量と前記妊娠期所要エネルギー量決定手段で決定された妊娠期所要エネルギー量とに基づいて被測定者の摂取エネルギー量の過不足に関するデータを出力する摂取エネルギー過不足データ出力手段とを更に備えてなることが望ましい。
或いは、前記妊婦用生体測定システムは、被測定者の妊娠期における基礎代謝量の増加量を決定する基礎代謝増加量決定手段と、妊娠に起因して増加した被測定者の生体組織のためのエネルギー需要量を決定する増加組織エネルギー需要量決定手段と、これら基礎代謝増加量と増加組織エネルギー需要量と前記妊娠前消費エネルギー量決定手段で決定された妊娠前消費エネルギー量との合計を被測定者が妊娠期において現に摂取したエネルギー量と決定する妊娠期摂取エネルギー量決定手段と、この妊娠期摂取エネルギー量と前記妊娠期所要エネルギー量決定手段で決定された妊娠期所要エネルギー量とに基づいて被測定者の摂取エネルギー量の過不足に関するデータを出力する摂取エネルギー過不足データ出力手段とを更に備え、前記増加組織エネルギー需要量決定手段が、前記妊娠経過期間データ取得手段と、被測定者の妊娠後の体脂肪増加量に関するデータを取得する体脂肪増加量データ取得手段と、これら妊娠経過期間データと体脂肪増加量データとに基づいて増加組織エネルギー需要量を推定する増加組織エネルギー需要量推定手段とを含んでなることが望ましい。
或いは、前記妊婦用生体測定システムは、被測定者の現在の基礎代謝量に関するデータを取得する基礎代謝量データ取得手段と、被測定者の生活活動強度に関するデータを取得する生活活動強度データ取得手段と、妊娠に起因して増加した被測定者の母体の脂肪組織のためのエネルギー需要量を決定する増加脂肪組織エネルギー需要量決定手段と、これら基礎代謝量データと生活活動強度データと増加脂肪組織エネルギー需要量とに基づいて被測定者が妊娠期において現に摂取したエネルギー量を決定する妊娠期摂取エネルギー量決定手段と、この妊娠期摂取エネルギー量と前記妊娠期所要エネルギー量決定手段で決定された妊娠期所要エネルギー量とに基づいて被測定者の摂取エネルギー量の過不足に関するデータを出力する摂取エネルギー過不足データ出力手段とを更に備え、前記増加脂肪組織消費エネルギー決定手段が、前記妊娠経過期間データ取得手段と、被測定者の妊娠後の体脂肪増加量に関するデータを取得する体脂肪増加量データ取得手段と、これら妊娠経過期間データと体脂肪増加量データとに基づいて増加脂肪組織エネルギー需要量を推定する増加脂肪組織エネルギー需要量推定手段とを含んでなることが望ましい。
第二の観点に基づく本発明の妊婦用生体測定システムは、被測定者たる妊婦の生体データを測定する妊婦用生体測定システムであって、被測定者の妊娠前における消費エネルギー量を決定する妊娠前消費エネルギー量決定手段と、被測定者の妊娠期における基礎代謝量の増加量を決定する基礎代謝増加量決定手段と、妊娠に起因して増加した被測定者の生体組織のためのエネルギー需要量を決定する増加組織エネルギー需要量決定手段と、これら妊娠前消費エネルギー量と基礎代謝増加量と増加組織エネルギー需要量との合計を被測定者が妊娠期において現に摂取したエネルギー量と決定する妊娠期摂取エネルギー量決定手段とを備え、前記増加組織エネルギー需要量決定手段が、被測定者の妊娠後の経過期間に関するデータを取得する妊娠経過期間データ取得手段と、被測定者の妊娠後の体脂肪増加量に関するデータを取得する体脂肪増加量データ取得手段と、これら妊娠経過期間データと体脂肪増加量データとに基づいて増加組織エネルギー需要量を推定する増加組織エネルギー需要量推定手段とを含んでなるものである。
ここで、前記増加組織エネルギー需要量推定手段が、妊娠経過期間データを変数として第一のエネルギー量データを導く推定式を記憶してなる第一推定式記憶手段と、この第一推定式に取得された妊娠経過期間データを代入して第一のエネルギー量データを算出する第一推定式実行手段と、体脂肪増加量データを変数として第二のエネルギー量データを導く推定式を記憶してなる第二推定式記憶手段と、この第二推定式に取得された体脂肪増加量データを代入して第二のエネルギー量データを算出する第二推定式実行手段と、これら第一のエネルギー量データと第二のエネルギー量データとの合計と取得された妊娠経過期間データとに基づいて増加組織エネルギー需要量を算出する増加組織エネルギー需要量算出手段とを含んでなることが望ましい。
また、前記体脂肪増加量データ取得手段が、被測定者の妊娠後の体重増加量に関するデータを取得する体重増加量データ取得手段と、この体重増加量データに所定の比率を乗じることによって得られた値を体脂肪増加量データと決定する体脂肪増加量データ決定手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記体重増加量データ取得手段が、被測定者の現在の体重に関するデータを取得する体重データ取得手段と、被測定者の妊娠前の体重に関するデータを取得する妊娠前体重データ取得手段と、これら体重データと妊娠前体重データとに基づいて体重増加量データを算出する体重増加量データ算出手段とを含んでなることが望ましい。
また、前記基礎代謝増加量決定手段が、被測定者の現在の基礎代謝量に関するデータを取得する基礎代謝量データ取得手段と、被測定者の妊娠前の基礎代謝量に関するデータを取得する妊娠前基礎代謝量データ取得手段と、これら基礎代謝量データと妊娠前基礎代謝量データとに基づいて基礎代謝増加量を算出する基礎代謝増加量算出手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記基礎代謝量データ取得手段が、被測定者の年齢に関するデータを取得する年齢データ取得手段と、被測定者の胎児部分の重量に関するデータを取得する胎児部分重量データ取得手段と、被測定者の母体の除脂肪量に関するデータを取得する母体除脂肪量データ取得手段と、これら年齢データと胎児部分重量データと母体除脂肪量データとに基づいて基礎代謝量データを算出する基礎代謝量算出手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記母体除脂肪量データ取得手段が、被測定者の現在の体重に関するデータを取得する体重データ取得手段と、この体重データと前記胎児部分重量データ取得手段で取得された胎児部分重量データとに基づいて被測定者の母体の体重に関するデータを算出する母体体重データ算出手段と、被測定者の身長に関するデータを取得する身長データ取得手段と、被測定者の身体インピーダンスに関するデータを取得するインピーダンスデータ取得手段と、これら母体体重データと身長データとインピーダンスデータとに基づいて母体除脂肪量データを算出する母体除脂肪量データ算出手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記胎児部分重量データ取得手段が、前記妊娠経過期間データ取得手段で取得された妊娠経過期間データに基づいて胎児部分重量データを決定する胎児部分重量データ決定手段を含んでなることが望ましい。
更に、前記妊娠前基礎代謝量データ取得手段が、被測定者の妊娠前の年齢に関するデータを取得する妊娠前年齢データ取得手段と、被測定者の妊娠前の除脂肪量に関するデータを取得する妊娠前除脂肪量データ取得手段と、これら妊娠前年齢データと妊娠前除脂肪量データとに基づいて妊娠前基礎代謝量データを算出する妊娠前基礎代謝量データ算出手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記妊娠前除脂肪量データ取得手段が、被測定者の妊娠前の体重に関するデータを取得する妊娠前体重データ取得手段と、被測定者の妊娠前の体脂肪量に関するデータを取得する妊娠前体脂肪量データ取得手段と、これら妊娠前体重データと妊娠前体脂肪量データとに基づいて妊娠前除脂肪量データを算出する妊娠前除脂肪量算出手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記妊娠前体脂肪量データ取得手段が、被測定者の母体の体脂肪量に関するデータを取得する母体体脂肪量データ取得手段と、被測定者の妊娠後の体脂肪増加量に関するデータを取得する体脂肪増加量データ取得手段と、これら母体体脂肪量データと体脂肪増加量データとに基づいて妊娠前体脂肪量データを算出する妊娠前体脂肪量データ算出手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記母体体脂肪量データ取得手段が、被測定者の現在の体重に関するデータを取得する体重データ取得手段と、被測定者の胎児部分の重量に関するデータを取得する胎児部分重量データ取得手段と、これら体重データと胎児部分重量データとに基づいて被測定者の母体の体重に関するデータを算出する母体体重データ算出手段と、被測定者の身長に関するデータを取得する身長データ取得手段と、被測定者の身体インピーダンスに関するデータを取得するインピーダンスデータ取得手段と、これら母体体重データと身長データとインピーダンスデータとに基づいて母体体脂肪量データを算出する母体体脂肪量データ算出手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記胎児部分重量データ取得手段が、前記妊娠経過期間データ取得手段で取得された妊娠経過期間データに基づいて胎児部分重量データを決定する胎児部分重量データ決定手段を含んでなることが望ましい。
更に、前記体脂肪増加量データ取得手段が、被測定者の妊娠後の体重増加量に関するデータを取得する体重増加量データ取得手段と、この体重増加量データに所定の比率を乗じることによって得られた値を体脂肪増加量データと決定する体脂肪増加量データ決定手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記体重増加量データ取得手段が、被測定者の現在の体重に関するデータを取得する体重データ取得手段と、この体重データと前記妊娠前体重データ取得手段で取得された妊娠前体重データとに基づいて体重増加量データを算出する体重増加量データ算出手段とを含んでなることが望ましい。
また、前記妊娠前消費エネルギー量決定手段が、被測定者の妊娠前の基礎代謝量に関するデータを取得する妊娠前基礎代謝量データ取得手段と、被測定者の生活活動強度に関するデータを取得する生活活動強度データ取得手段と、これら妊娠前基礎代謝量データと生活活動強度データとに基づいて妊娠前消費エネルギー量を推定する妊娠前消費エネルギー量推定手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記妊娠前基礎代謝量データ取得手段が、被測定者の妊娠前の年齢に関するデータを取得する妊娠前年齢データ取得手段と、被測定者の妊娠前の除脂肪量に関するデータを取得する妊娠前除脂肪量データ取得手段と、これら妊娠前年齢データと妊娠前除脂肪量データとに基づいて妊娠前基礎代謝量データを算出する妊娠前基礎代謝量データ算出手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記妊娠前除脂肪量データ取得手段が、被測定者の妊娠前の体重に関するデータを取得する妊娠前体重データ取得手段と、被測定者の妊娠前の体脂肪量に関するデータを取得する妊娠前体脂肪量データ取得手段と、これら妊娠前体重データと妊娠前体脂肪量データとに基づいて妊娠前除脂肪量データを算出する妊娠前除脂肪量算出手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記妊娠前体脂肪量データ取得手段が、被測定者の母体の体脂肪量に関するデータを取得する母体体脂肪量データ取得手段と、被測定者の妊娠後の体脂肪増加量に関するデータを取得する体脂肪増加量データ取得手段と、これら母体体脂肪量データと体脂肪増加量データとに基づいて妊娠前体脂肪量データを算出する妊娠前体脂肪量データ算出手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記母体体脂肪量データ取得手段が、被測定者の現在の体重に関するデータを取得する体重データ取得手段と、被測定者の胎児部分の重量に関するデータを取得する胎児部分重量データ取得手段と、これら体重データと胎児部分重量データとに基づいて被測定者の母体の体重に関するデータを算出する母体体重データ算出手段と、被測定者の身長に関するデータを取得する身長データ取得手段と、被測定者の身体インピーダンスに関するデータを取得するインピーダンスデータ取得手段と、これら母体体重データと身長データとインピーダンスデータとに基づいて母体体脂肪量データを算出する母体体脂肪量データ算出手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記胎児部分重量データ取得手段が、前記妊娠経過期間データ取得手段で取得された妊娠経過期間データに基づいて胎児部分重量データを決定する胎児部分重量データ決定手段を含んでなることが望ましい。
更に、前記体脂肪増加量データ取得手段が、被測定者の妊娠後の体重増加量に関するデータを取得する体重増加量データ取得手段と、この体重増加量データに所定の比率を乗じることによって得られた値を体脂肪増加量データと決定する体脂肪増加量データ決定手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記体重増加量データ取得手段が、被測定者の現在の体重に関するデータを取得する体重データ取得手段と、この体重データと前記妊娠前体重データ取得手段で取得された妊娠前体重データとに基づいて体重増加量データを算出する体重増加量データ算出手段とを含んでなることが望ましい。
第三の観点に基づく本発明の妊婦用生体測定システムは、被測定者たる妊婦の生体データを測定する妊婦用生体測定システムであって、被測定者の現在の基礎代謝量に関するデータを取得する基礎代謝量データ取得手段と、被測定者の生活活動強度に関するデータを取得する生活活動強度データ取得手段と、妊娠に起因して増加した被測定者の母体の脂肪組織のためのエネルギー需要量を決定する増加脂肪組織エネルギー需要量決定手段と、これら基礎代謝量データと生活活動強度データと増加脂肪組織エネルギー需要量とに基づいて被測定者が妊娠期において現に摂取したエネルギー量を決定する妊娠期摂取エネルギー量決定手段とを備え、前記増加脂肪組織消費エネルギー決定手段が、被測定者の妊娠後の経過期間に関するデータを取得する妊娠経過期間データ取得手段と、被測定者の妊娠後の体脂肪増加量に関するデータを取得する体脂肪増加量データ取得手段と、これら妊娠経過期間データと体脂肪増加量データとに基づいて増加脂肪組織エネルギー需要量を推定する増加脂肪組織エネルギー需要量推定手段とを含んでなるものである。
ここで、前記増加脂肪組織エネルギー需要量推定手段が、体脂肪増加量データを変数として妊娠に起因して増加した脂肪組織のために必要なエネルギー量データを導く推定式を記憶してなる推定式記憶手段と、この推定式に取得された体脂肪増加量データを代入して妊娠に起因して増加した脂肪組織のために必要なエネルギー量データを算出する推定式実行手段と、この算出されたエネルギー量データと取得された妊娠経過期間データとに基づいて増加脂肪組織エネルギー需要量を算出する増加脂肪組織エネルギー需要量算出手段とを含んでなることが望ましい。
また、前記体脂肪増加量データ取得手段が、被測定者の妊娠後の体重増加量に関するデータを取得する体重増加量データ取得手段と、この体重増加量データに所定の比率を乗じることによって得られた値を体脂肪増加量データと決定する体脂肪増加量データ決定手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記体重増加量データ取得手段が、被測定者の現在の体重に関するデータを取得する体重データ取得手段と、被測定者の妊娠前の体重に関するデータを取得する妊娠前体重データ取得手段と、これら体重データと妊娠前体重データとに基づいて体重増加量データを算出する体重増加量データ算出手段とを含んでなることが望ましい。
また、前記基礎代謝量データ取得手段が、被測定者の年齢に関するデータを取得する年齢データ取得手段と、被測定者の胎児部分の重量に関するデータを取得する胎児部分重量データ取得手段と、被測定者の母体の除脂肪量に関するデータを取得する母体除脂肪量データ取得手段と、これら年齢データと胎児部分重量データと母体除脂肪量データとに基づいて基礎代謝量データを算出する基礎代謝量算出手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記母体除脂肪量データ取得手段が、被測定者の現在の体重に関するデータを取得する体重データ取得手段と、この体重データと前記胎児部分重量データ取得手段で取得された胎児部分重量データとに基づいて被測定者の母体の体重に関するデータを算出する母体体重データ算出手段と、被測定者の身長に関するデータを取得する身長データ取得手段と、被測定者の身体インピーダンスに関するデータを取得するインピーダンスデータ取得手段と、これら母体体重データと身長データとインピーダンスデータとに基づいて母体除脂肪量データを算出する母体除脂肪量データ算出手段とを含んでなることが望ましい。
更に、前記胎児部分重量データ取得手段が、前記妊娠経過期間データ取得手段で取得された妊娠経過期間データに基づいて胎児部分重量データを決定する胎児部分重量データ決定手段を含んでなることが望ましい。
第一の観点に基づく本発明の妊婦用生体測定システムでは、被測定者の妊娠前における消費エネルギー量と、妊娠期において付加されるべき適切なエネルギー量との合計が、当該被測定者の妊娠期における所要エネルギー量と決定される。ここで、特に、上記の妊娠期付加エネルギー量が、当該被測定者の妊娠前の体格指数に関するデータと妊娠後の経過期間に関するデータとに基づいて推定されるから、決定された所要エネルギー量は、当該被測定者に見合った適切なものとなる。従って、この妊婦用生体測定システムであれば、本発明の第一の目的が達成され、妊婦の所要エネルギー量を、個人ごとに測定し得ることとなる。
第二の観点に基づく本発明の妊婦用生体測定システムでは、被測定者の妊娠前における消費エネルギー量と、妊娠期における基礎代謝量の増加量と、妊娠に起因して増加した生体組織のために必要なエネルギー量との合計が、当該被測定者の妊娠期における摂取エネルギー量と決定される。ここで、特に、上記の増加組織における消費エネルギー量が、当該被測定者の妊娠後の経過期間に関するデータと妊娠後の体脂肪増加量に関するデータとに基づいて推定されるから、決定された摂取エネルギー量は、当該被測定者に見合った正確なものとなる。従って、この妊婦用生体測定システムであれば、本発明の第二の目的が達成され、妊婦の摂取エネルギー量を、個人ごとに測定し得ることとなる。
第三の観点に基づく本発明の妊婦用生体測定システムでは、被測定者の現在の基礎代謝量に関するデータと、生活活動強度に関するデータと、妊娠に起因して増加した脂肪組織における消費エネルギー量とに基づいて、当該被測定者の妊娠期における摂取エネルギー量が決定される。ここで、特に、上記の増加脂肪組織における消費エネルギー量が、当該被測定者の妊娠後の経過期間に関するデータと妊娠後の体脂肪増加量に関するデータとに基づいて推定されるから、決定された摂取エネルギー量は、当該被測定者に見合った正確なものとなる。従って、この妊婦用生体測定システムであっても、本発明の第二の目的が達成され、妊婦の摂取エネルギー量を、個人ごとに測定し得ることとなる。
そして、第一から第三の観点に基づくそれぞれの本発明の妊婦用生体測定システムにおいて全ての具体的な実施態様を採用した場合には、被測定者について比較的取得し易いデータのみを用いて、その所要エネルギー量及び/又は摂取エネルギー量を簡便に測定することが可能となるものである。
更に、第一の観点に基づく本発明と第二又は第三の観点に基づく本発明とを併用した妊婦用生体測定システムであれば、妊婦の所要エネルギー量と摂取エネルギー量とに基づいて、当該摂取エネルギー量の過不足を、個人ごとに、簡便に測定可能となるものである。
第一の観点に基づく本発明の妊婦用生体測定システムは、被測定者の妊娠前における消費エネルギー量と、妊娠期において付加されるべき適切なエネルギー量との合計を、当該被測定者の妊娠期における所要エネルギー量と決定するものであり、特に、上記の妊娠期付加エネルギー量を、当該被測定者の妊娠前の体格指数に関するデータと妊娠後の経過期間に関するデータとに基づいて推定するものである。この妊娠期付加エネルギー量と妊娠前体格指数データと妊娠経過期間データとの間の関係は、次のような知見に基づくものである。
本願発明者等は、先ず、500名に近い多数の健康な妊婦の協力を得て、出産直前とそれ以前の任意の時点とにおいて各妊婦の体重や体脂肪量といった様々な体組成データを測定し、これら測定された体組成データを、各妊婦の妊娠前の体格指数データ(即ち、妊娠前の体重を身長の2乗で除した値)が18未満、18以上21未満、21以上24未満、24以上26未満、及び26以上の5つのグループに分けて平均化した。
次いで、この平均化された体組成データを基礎データとして、妊娠前から各測定時点までに増加した1日あたりの消費エネルギー量を算定した。このようにして算定された消費エネルギー量は、多数の健康な妊婦の体組成データを基礎とするものであるから、同じ体格指数のグループに属する他の妊婦にとっても、妊娠期において付加されるべき適切なエネルギー量であると見做すことができる。
そして、この妊娠期において付加されるべき適切なエネルギー量(妊娠期付加エネルギー量)を、縦軸がエネルギー量(kcal/日)を表し横軸が妊娠週数を表すグラフ上にプロットしたところ、図12の如き結果が得られた。尚、図12では、基礎データの不足している妊娠週数については、補完計算により求めたエネルギー量をプロットしている。また、妊娠期付加エネルギー量が妊娠2週目で0kcal/日となっているのは、婦人の一般的な月経周期と受精日との関係を考慮してのことである。
この図12から明らかなように、妊娠期付加エネルギー量は、妊娠週数を変数とした2次多項推定式Gn:妊娠期付加エネルギー量=an×妊娠週数+bn×妊娠週数+cnで表すことができる。尚、推定式Gn中のan、bn、cnは、体格指数のグループごとにそれぞれ異なる定数である。
従って、第一の観点に基づく本発明の妊婦用生体測定システムは、より好ましくは、妊娠期付加エネルギー量を推定する手段が、妊娠経過期間データを変数として妊娠期付加エネルギー量を導く複数の推定式Gnを妊娠前体格指数データに対応して記憶してなる推定式記憶手段と、取得された妊娠前体格指数データに対応する推定式を選択する推定式選択手段と、選択された推定式に取得された妊娠経過期間を代入して妊娠期付加エネルギー量を算出する推定式実行手段とを含んでなるように構成されるものである。
第二の観点に基づく本発明の妊婦用生体測定システムは、被測定者の妊娠前における消費エネルギー量と、妊娠期における基礎代謝量の増加量と、妊娠に起因して増加した生体組織のためのエネルギー需要量との合計を、当該被測定者の妊娠期における摂取エネルギー量と決定するものであり、特に、上記の増加組織のためのエネルギー需要量を、当該被測定者の妊娠後の経過期間に関するデータと妊娠後の体脂肪増加量に関するデータとに基づいて推定するものである。この増加組織エネルギー需要量と妊娠経過期間データと体脂肪増加量データとの間の関係は、次のような知見に基づくものである。
先ず、妊婦が実際に摂取しているエネルギー量とは、換言すれば妊婦が必要とするエネルギー量ということである。ここで、前掲非特許文献2及び3に示される如く、妊婦が必要とするエネルギー量は、当該妊婦が妊娠前に消費していたエネルギー量に、代謝亢進による基礎代謝量の増加量と、妊娠に起因して増加した生体組織のために必要なエネルギー量とを加算したものである。そして、妊娠に起因して増加した生体組織には、胎児と、胎盤と、母体において増加した蛋白質と、同じく母体において増加した脂肪組織とが含まれる。
このうち、胎児、胎盤、及び母体の蛋白質は、妊娠週数に応じて概ね逓増する傾向がある。但し、胎児については、前掲特許文献1の図5等にも示されているように、妊娠週数に対して2次関数的に増加する。これらの事実に鑑みて本願発明者等が検討した結果、図13に示す如く、胎児、胎盤、及び母体の蛋白質増加分のために必要なエネルギー量(縦軸:kcal)は、妊娠週数(横軸)を変数とする2次多項推定式G:エネルギー量=a´×妊娠週数+b´×妊娠週数+c´で表し得ることが明らかとなった。尚、推定式G中のa´、b´、c´は定数である。
また、母体において増加した脂肪組織のために必要なエネルギー量は、脂肪1kgを燃焼させるために必要となるエネルギー量が約7200kcalであること(このこと自体は、言うまでもなく広く知られている。)から、当該妊婦の妊娠後の体脂肪増加量に例えばこの7200kcalを乗じることで算出することができる。もちろん、体脂肪増加量は、妊婦によって異なるものであるから、結局、母体において増加した脂肪組織のために必要なエネルギー量は、体脂肪増加量を変数とする推定式を以って算出し得るということになる。
尚、上述の各推定式を用いて算出される胎児、胎盤、及び母体の蛋白質増加分のために必要なエネルギー量や、母体において増加した脂肪組織のために必要なエネルギー量は、何れも妊娠後の累積エネルギー量である。従って、これらのエネルギー量から1日あたりの増加組織エネルギー需要量を求めるには、これらのエネルギー量を例えば妊娠日数で除するなど、妊娠後の経過期間に基づく計算処理が必要となる。
従って、第二の観点に基づく本発明の妊婦用生体測定システムは、より好ましくは、増加組織エネルギー需要量を推定する手段が、妊娠経過期間データを変数として第一のエネルギー量データ(即ち、胎児、胎盤、及び母体の蛋白質増加分のために必要なエネルギー量)を導く推定式を記憶してなる第一推定式記憶手段と、この第一推定式に取得された妊娠経過期間データを代入して第一のエネルギー量データを算出する第一推定式実行手段と、体脂肪増加量データを変数として第二のエネルギー量データ(即ち、母体において増加した脂肪組織のために必要なエネルギー量)を導く推定式を記憶してなる第二推定式記憶手段と、この第二推定式に取得された体脂肪増加量データを代入して第二のエネルギー量データを算出する第二推定式実行手段と、これら第一のエネルギー量データと第二のエネルギー量データとの合計と取得された妊娠経過期間データとに基づいて増加組織エネルギー需要量を算出する増加組織エネルギー需要量算出手段とを含んでなるように構成されるものである。
第三の観点に基づく本発明の妊婦用生体測定システムは、被測定者の現在の基礎代謝量に関するデータと、生活活動強度に関するデータと、妊娠に起因して増加した脂肪組織のためのエネルギー需要量とに基づいて、当該被測定者の妊娠期における摂取エネルギー量を決定するものであり、特に、上記の増加脂肪組織のためのエネルギー需要量を、当該被測定者の妊娠後の経過期間に関するデータと妊娠後の体脂肪増加量に関するデータとに基づいて推定するものである。この増加組織エネルギー需要量と妊娠経過期間データと体脂肪増加量データとの間の関係は、次のような知見に基づくものである。
前掲非特許文献1を始めとして広く知られているように、非妊婦の消費エネルギー量は、一般的には、その人の基礎代謝量にその人の生活活動強度を乗じることで求められている。このことに鑑みれば、妊婦の現在の基礎代謝量に当該妊婦の生活活動強度を乗じて得られたエネルギー量を、当該妊婦が実際に消費しているエネルギー量(即ち、実際に摂取しているエネルギー量)と見做すこともできる。
しかしながら、妊婦の現在の基礎代謝量を例えば前掲特許文献4に開示された如き方法を以って測定する場合、即ち、妊婦の基礎代謝量を、主として母体の除脂肪量と胎児部分の重量と年齢とに基づいて推定する場合には、妊娠に起因して増加した脂肪組織のために必要なエネルギー量が加味されなくなることが懸念される。
斯かる懸念を解消するためには、前述した妊娠に起因して増加した生体組織のうちの、特に脂肪組織のために必要なエネルギー量を、前述した体脂肪増加量を変数とする推定式を以って算出し、更にこのエネルギー量を例えば妊娠日数で除するなど、妊娠後の経過期間に基づく計算処理をして1日あたりの増加脂肪組織エネルギー需要量としたうえで、上記の妊婦の現在の基礎代謝量に当該妊婦の生活活動強度を乗じて得られたエネルギー量に加算することが望ましい。
従って、第二の観点に基づく本発明の妊婦用生体測定システムは、より好ましくは、増加脂肪組織エネルギー需要量を推定する手段が、体脂肪増加量データを変数として妊娠に起因して増加した脂肪組織のために必要なエネルギー量データを導く推定式Gを記憶してなる推定式記憶手段と、この推定式に取得された体脂肪増加量データを代入して妊娠に起因して増加した脂肪組織のために必要なエネルギー量データを算出する推定式実行手段と、この算出されたエネルギー量データと取得された妊娠経過期間データとに基づいて増加脂肪組織エネルギー需要量を算出する増加脂肪組織エネルギー需要量算出手段とを含んでなるように構成されるものである。
以下、本発明の第一の実施例について、図1から図9までを参照して説明する。尚、この第一の実施例は、主に第一の観点に基づく本発明を具現化したものである。図1は、本発明の妊婦用生体測定システムが組込まれた生体測定装置1の外観斜視図である。図2は、この生体測定装置1の操作部の拡大図である。図3は、この生体測定装置1の電気回路構成を表す概略図である。図4は、この生体測定装置1で実行される制御処理プログラムのメインルーチンのフローチャートである。図5から図8までは、この生体測定装置1で実行される制御処理プログラムのサブルーチンのフローチャートである。図9は、この生体測定装置1における印刷出力例を表す図である。
本発明の妊婦用生体測定システムが組込まれた生体測定装置1(以下、単に「装置1」と略称することがある。)は、所謂生体電気インピーダンス法を利用して被測定者の体脂肪量、除脂肪量、体水分量、筋肉量、骨量、基礎代謝量等といった各種の体組成データを算出し得る公知の体組成計を改良したもので、被測定者が起立して載るための載台2と、被測定者自身又はこの装置のオペレータ(以下、これらの者を「使用者」と総称することがある。)が各種データの入力や出力を行うための入出力ユニット3と、この入出力ユニット3を載台2に固定しつつ両者を電気的に結合するための配線等を内蔵した支柱4とで構成されている。
載台2の内部には、体重測定センサ2Aとして、被測定者が載ることによって発生する荷重を検出するための所謂ロードセルが組込まれている。また、載台2の上面には、被測定者の左足裏に接触させるための電極5A、5Bと、右足裏に接触させるための電極6A、6Bとが、それぞれ絶縁された状態で配設されている。
入出力ユニット3には、使用者の操作を受付けるためのスイッチパネルを含む操作部7と、この装置1で取得される各種のデータを表示出力するための液晶画面を含む表示部8と、斯かるデータを印刷出力するためのサーマルプリンタを含む印刷部9とが組込まれている。ここで、操作部7のスイッチパネルには、この装置1を起動又は停止するための電源キー10と、被測定者の着衣重量の設定を行うための風袋量設定キー11と、日時の設定を行うための日時設定キー12、被測定者の性別及び体型、又は被測定者が妊婦であるかどうかの設定を行うためのステータス設定キー13と、被測定者の身長や生年月日、出産予定日等の設定を行うためのテンキー14とが配設されている。
また、入出力ユニット3の内部には、後述する各種の制御処理プログラムを実行するためのプロセッサや一時保存メモリを含む制御部15と、前述の電極5A及び電極6Aに電気的に接続されてこれらの電極に交流定電流を供給するための定電流発生回路16と、前述の電極5B及び電極6Bに電気的に接続されて両電極間の電位差を測定するための電圧測定回路17と、制御部15で実行される制御処理プログラムが格納された読出し専用のマスクメモリ及び斯かる制御処理の結果等を保存するための書換え可能なフラッシュメモリを含むメモリ18と、制御部15における制御処理を規律するための時計回路19とが組込まれている。更に、入出力ユニット3には、制御部15を始めとしてこの装置1で消費する電力を供給するための電源20が内蔵されている。
そして、制御部15は、体重測定センサ2A、操作部7、表示部8、印刷部9、定電流発生回路16、電圧測定回路17、メモリ18、時計回路19のそれぞれと電気的に接続されており、被測定者の体重測定や使用者からの入力操作の受付け、電極5A、6Aに対する電流供給や電極5B、6B間の電位差測定、更には被測定者の生体電気インピーダンスの測定やこれに基づく体組成の算定、斯かる算定結果の表示出力や印刷出力といった制御処理を実行する。
以下、この装置1で実行される制御処理を、フローチャートを参照して説明する。使用者が電源キー10を押下してこの装置1を起動すると、制御部15は、図4のフローチャートで表される制御処理を実行する。
ステップS1では、初期化処理が実行される。即ち、例えば制御部15の一時保存メモリに残留している前回測定時の一時データ等を消去すると共に、後述するマタニティモードのフラグをクリアする。この時、制御部15では、時計回路19で計時されている現在日時データが取得されると共に、風袋量の初期データ(例えば1.5kg)がメモリ18から読み出されて取得され、それぞれが表示部8に表示される。
ステップS2では、日時設定キー12が押下されたかどうかが確認され、押下された場合はステップS3を経てステップS4に進み、押下されない場合はステップS3を飛ばしてステップS4に進む。尚、使用者は、表示部8に表示されている現在日時データを変更する必要がなければ、日時設定キー12を押下する必要はない。
ステップS3では、現在日時データが再取得される。即ち、制御部15は、テンキー14からの入力を受付け、使用者がテンキー14を用いて日時データを入力すると、時計回路19で計時されている現在日時がこの入力された日時データで置換される。以後、この入力された日時データが、現在日時データとして時計回路19で引続き計時される。
ステップS4では、風袋量設定キー11が押下されたかどうかが確認され、押下された場合はステップS5を経てステップS6に進み、押下されない場合はステップS5を飛ばしてステップS6に進む。尚、使用者は、表示部8に表示されている風袋量データを変更する必要がなければ、風袋量設定キー11を押下する必要はない。
ステップS5では、被測定者の風袋量データが再取得される。即ち、制御部15は、テンキー14からの入力を受付け、使用者がテンキー14を用いて風袋量データを入力すると、メモリ18から読み出された風袋量の初期データがこの入力された風袋量データで置換される。この入力された風袋量データは、被測定者の実際の風袋量として一時保存メモリに保存され、後述する体重の測定処理に供される。
ステップS6では、被測定者の体重データが取得される。被測定者が載台2の上面に立つと、被測定者の体重に応じた荷重信号が、体重測定センサ2Aから出力される。実際には、斯かる荷重信号を制御部15で検出することで、このステップS6が開始されるものである。そして、検出された荷重信号に対応した重量データから風袋量データを差引くことで、被測定者の現在の体重データが算出される。尚、被測定者は、載台2の上面に起立したまま、この後の各種データの入力等の操作を行うことになる。
ステップS7では、被測定者のステータスデータが取得される。表示部8には、前記ステップS6で取得された体重データと共に、被測定者の性別及び体型の設定を促すサイン又はメッセージが表示され、制御部15は、ステータス設定キー13からの入力を受付ける。使用者がステータス設定キー13に含まれる「男性スタンダード」「男性アスリート」「女性スタンダード」「女性アスリート」「マタニティ」の5つのキースイッチの何れかを選択して押下すると、押下されたキースイッチに応じて被測定者のステータスデータが決定される。特に、「マタニティ」のキースイッチが押下された場合には、後述するマタニティモードの制御処理を実行するためのフラグがセットされる。尚、このフラグは、前記ステップS1の初期化処理において予めクリアされている。
ステップS8では、被測定者の年齢データが取得される。表示部8には、被測定者の生年月日の入力を促すサイン又はメッセージが表示され、制御部15は、テンキー14からの入力を受付ける。使用者がテンキー14を用いて被測定者の生年月日データを入力すると、この生年月日データと現在日時データとに基づいて被測定者の年齢データが算出される。尚、生年月日データの入力に代えて、年齢データを直接入力するようにすることも可能である。
ステップS9では、被測定者の身長データが取得される。表示部8には、被測定者の身長の入力を促すサイン又はメッセージが表示され、制御部15は、テンキー14からの入力を受付ける。使用者は、テンキー14を用いて被測定者の身長データを入力すればよい。尚、テンキー14による身長データ入力に代えて、例えば電気又は磁気を利用した位置センサを含む電子身長計をこの装置1に付加しておき、斯かる電子身長計で測定される身長データを制御部15で受付けるようにすることも可能である。
ステップS10では、被測定者の生活活動強度データが取得される。表示部8には、被測定者の生活活動強度データの入力を促すサイン又はメッセージが表示され、制御部15は、テンキー14からの入力を受付ける。使用者は、テンキー14を用いて被測定者の生活活動強度データを入力すればよい。尚、生活活動強度とは、日常生活における運動量等を数段階に分けて指数化したもので、前掲非特許文献1を始めとして広く知られているものである。また、被測定者が妊婦の場合、ここで入力される生活活動強度データは、後記ステップS193における妊娠前消費エネルギー量の算定や後記ステップS201における妊娠期摂取エネルギー量の算定に用いられることから、これらの算定をできるだけ正確に行うという観点からは、妊娠前の生活活動強度データと現在の生活活動強度データとに分けて2種類入力されることが望ましい。或いは、生活活動強度は妊娠後の期間経過に従って低下することに鑑み、ここでは妊娠前における生活活動強度データの入力を促し、これを後記ステップS14で取得される妊娠後の経過期間データに応じて変化(例えば、逓減)させて、現在の生活活動強度データを取得するようにしてもよい。尤も、そもそも生活活動強度の段階は決して細かいものではないから、実際には、妊娠前後を然程厳密に考慮する必要性は低いものである。
ステップS11では、被測定者の生体電気インピーダンスに起因してその身体に生じる電位差データが取得される。即ち、前記ステップS6で被測定者が載台2の上面に起立すると、その左足裏が電極5A、5Bに接触し、右足裏が電極6A、6Bに接触する。(或いは、斯かる接触状態となるように起立する。)そして、被測定者の両足間には、定電圧発生回路16から電極5A及び電極6Aを介して交流定電流が供給され、身体のインピーダンスに応じた電位差が発生する。この両足間の電位差データが、電極5B及び電極6Bを介して電圧測定回路17で検出される。尚、この装置1においては被測定者の左右の足裏に接触する電極5A、5B、6A、6Bを用いて両足間の電位差データを取得しているが、左右の掌に接触する電極を用いて両手間の電位差データを取得し、又は掌に接触する電極と足裏に接触する電極とを用いて手足間の電位差データを取得するようにすることも可能である。或いは、身体に付着させることができる貼付型の電極を用いて、身体の任意の部位間において電位差データを取得することも可能である。
ステップS12では、被測定者の生体電気インピーダンスデータ(以下「BIデータ」と略称することがある。)が取得される。即ち、定電流発生回路16から被測定者の身体に供給される電流値データと、前記ステップS11で取得された電位差データとを用い、オームの法則に基づいて被測定者のBIデータが算出される。尚、抵抗値が既知で且つ異なる複数の基準抵抗を、身体に直列又は並列となるように電気回路中に配設しておき、各抵抗に起因して生じる電位差データを身体に生じる電位差データと共に取得し、取得された各電位差データと基準抵抗の抵抗値との比率に基づいて被測定者のBIデータを算出することも可能であり、この場合は身体に供給される電流値データが不明であってもBIデータを取得することができる。
ステップS13では、マタニティモードのフラグがセットされているかどうかが確認され、セットされている場合は被測定者が妊婦であると判断されて後述するステップS14からステップS22までの処理が実行された後、ステップS23を飛ばしてステップS24に進む。一方、フラグがクリアされている場合は被測定者が非妊婦であると判断されてステップS23に進み、その後ステップS24に進むことになる。即ち、この装置1では、使用者がステータス設定キー13を操作することによってセットされるフラグの状態に基づいて、被測定者が妊婦であるかどうかの判別が行われるものである。
ステップS14では、被測定者たる妊婦の妊娠後の経過期間データ(妊娠期間データ)と、妊娠前の年齢データとが取得される。表示部8には、被測定者の出産予定日の入力を促すサイン又はメッセージが表示され、制御部15は、テンキー14からの入力を受付ける。使用者がテンキー14を用いて被測定者の出産予定日データを入力すると、この出産予定日データと現在日時データとに基づいて被測定者の妊娠期間データが算出され、またこの出産予定日データと生年月日データとに基づいて妊娠前の年齢データが算出される。尚、この装置1では、妊娠期間データとして妊娠週数と妊娠日数が算出されるものである。また、出産予定日データの入力に代えて、妊娠期間データや妊娠前年齢データを直接入力するようにすることも可能である。
ステップS15では、被測定者たる妊婦の妊娠前の体重データが取得される。表示部8には、妊娠前の体重の入力を促すサイン又はメッセージが表示され、制御部15は、テンキー14からの入力を受付ける。使用者は、テンキー14を用いて被測定者の妊娠前の体重データを入力すればよい。尚、本発明の妊婦用生体測定システムにおいて、妊娠前体重データとは、妊娠していない状態における体重値のみを厳密に指すものではなく、妊娠後の体重値であっても、それが妊娠前の値と大きく異ならないような妊娠初期の値であれば、妊娠前体重データとして許容し得るものである。この許容範囲は、もちろん被測定者たる妊婦によって個人差はあるものの、例えば、本人が妊娠を疑って専門医を訪れ、そこで妊娠と診断された時点(所謂、初診時)の体重値までは含み得るもので、多くの場合、そのような初診時は、妊娠週数でいえば8週目くらいに相当する。従って、このステップS15において入力すべき体重データは、これを入力する使用者の裁量に負うところは大きいものの、概ね、専門医による初診時の体重値、又は妊娠8週目くらいまでの体重値であってもよい。
ステップS16では、被測定者たる妊婦の胎児部分の重量データ(胎児部分重量データ)が取得される。ここで、胎児部分の重量とは、胎児の体重と羊水の重量と胎盤の重量との総和を意味するものであるが、これらは、図14又は前掲特許文献1に示される如く、妊娠週数に基づいて概ね一義的に推定可能である。即ち、この装置1のメモリ18には、妊娠週数に対応した胎児体重データと羊水重量データと胎盤重量データとこれらの総和である胎児部分重量データとが予め保存されており、このステップS16では、前記ステップS14で算出された妊娠週数に対応した胎児部分重量データが読み出される。尚、この胎児部分重量データは、妊娠週数からこれを算出するための算定式(図14の曲線を表す関数式)を用いて算出するようにすることも可能である。
ステップS17では、被測定者たる妊婦の各種の体組成データが算出される。このステップS17の処理については、図5のサブルーチンを参照して説明する。
先ず、ステップS171では、被測定者たる妊婦の母体の体重データが取得される。母体体重とは、妊婦の体重から胎児部分の重量を差引いたものである。従って、このステップS171では、前記ステップS6で取得された現在の体重データから前記ステップS16で決定された胎児部分重量データを差引くことによって、母体体重データが算出される。
次に、ステップS172では、被測定者たる妊婦の母体の体脂肪率データが取得される。前掲特許文献5又は6を始めとして既に良く知られているように、体脂肪率は、少なくとも身長と体重とBIとに基づいて算出し得る。従って、このステップS172では、前記ステップS9で取得された身長データと、前記ステップS171で取得された母体体重データと、前記ステップS12で取得されたBIデータとに基づいて、被測定者たる妊婦の母体体脂肪率データが算出される。尚、もちろん、斯かる母体体脂肪率データの算出においては、被測定者の年齢データを補正パラメータとして加味してもよい。
次に、ステップS173では、被測定者たる妊婦の母体の体脂肪量データが取得される。前掲特許文献5又は6を始めとして既に良く知られているように、体脂肪量は、体重に体脂肪率を乗じることで算出し得る。従って、このステップS173では、前記ステップS171で取得された母体体重データに、前記ステップS172で取得された母体体脂肪率データを乗じることによって、被測定者たる妊婦の母体体脂肪量データが算出される。
次に、ステップS174では、被測定者たる妊婦の母体の除脂肪量データが取得される。除脂肪量は、体重から体脂肪量を差引いたものである。従って、このステップS174では、前記ステップS171で取得された母体体重データから、前記ステップS173で取得された母体体脂肪量データを差引くことによって、被測定者の母体除脂肪量データが算出される。
次に、ステップS175では、被測定者たる妊婦の母体の体水分量データが取得される。体水分量は、体脂肪率と同様に、少なくとも身長と体重とBIとをパラメータとする算定式を用いて算出し得る。従って、このステップS175では、前記ステップS9で取得された身長データと、前記ステップS171で取得された母体体重データと、前記ステップS12で取得されたBIデータとに基づいて、被測定者たる妊婦の母体体水分量データが算出される。尚、もちろん、この母体体水分量データは、前掲特許文献5又は6に開示された如く、母体除脂肪量データに73.2%を乗じることによって算出してもよい。
次に、ステップS176では、被測定者たる妊婦の基礎代謝量データが取得される。前掲特許文献4に開示されているように、妊婦の基礎代謝量は、少なくとも母体の除脂肪量と年齢とをパラメータとする推定式、より好ましくは、母体の除脂肪量と胎児部分の重量と母体の体重と年齢とをパラメータとする推定式を用いて算出し得る。この装置1においては、メモリ18に予め次の推定式Fbmrが記憶されており、この推定式に、前記ステップS174で取得された母体除脂肪量データと、前記ステップS16で取得された胎児部分重量データと、前記ステップS171で取得された母体体重データと、前記ステップS8で取得された年齢データとが代入されて、被測定者の基礎代謝量データが算出されるものである。尚、推定式中のA、B、C、D、Eは、定数を表す。
基礎代謝量=A×(母体除脂肪量+胎児部分重量)+B×(母体除脂肪量+胎児部分重量)+C×(1/年齢)+D×母体体重+E
再び図4のメインルーチンに戻り、ステップS18では、被測定者たる妊婦の妊娠前における各種の体組成データが算出される。このステップS18の処理については、図6のサブルーチンを参照して説明する。
先ず、ステップS181では、被測定者たる妊婦の妊娠後の体重増加量データが取得される。即ち、前記ステップS6で取得された現在の体重データから、前記ステップS15で取得された妊娠前体重データを差引くことによって、被測定者の体重増加量データが算出される。
次に、ステップS182では、被測定者たる妊婦の妊娠後の体脂肪増加量データが取得される。前掲特許文献2及び3に開示されている如く、妊娠前後における体脂肪の増加量は、妊娠前後における体重の増加量に所定の比率を乗じることで算出し得るもので、特に好ましくはこの所定比率は約58%である。従って、このステップS182では、前記ステップS181で取得された体重増加量データに、58%(0.58)を乗じることによって、被測定者の体脂肪増加量データが算出される。
次に、ステップS183では、被測定者たる妊婦の妊娠前の体脂肪量データが取得される。即ち、前記ステップS173で取得された母体体脂肪量データから、前記ステップS182で取得された体脂肪増加量データを差引くことによって、被測定者の妊娠前体脂肪量データが算出される。
次に、ステップS184では、被測定者たる妊婦の妊娠前の除脂肪量データが算出される。即ち、前記ステップS15で取得された妊娠前体重データから、前記ステップS183で取得された妊娠前体脂肪量データを差引くことによって、被測定者の妊娠前除脂肪量データが算出される。
次に、ステップS185では、被測定者たる妊婦の妊娠前の基礎代謝量データが取得される。前掲特許文献7及び8に開示されているように、基礎代謝量は、少なくとも除脂肪量と年齢とをパラメータとする推定式、より好ましくは、除脂肪量と体重と年齢とをパラメータとする推定式を用いて算出し得る。この装置1においては、メモリ18に予め次の推定式Fbmr´が記憶されており、この推定式に、前記ステップS184で取得された妊娠前除脂肪量データと、前記ステップS15で取得された妊娠前体重データと、前記ステップS14で取得された妊娠前年齢データとが代入されて、被測定者の妊娠前基礎代謝量データが算出されるものである。尚、推定式中のA、B、C、D、Eは、定数を表す。
妊娠前基礎代謝量=A×妊娠前除脂肪量+B×妊娠前除脂肪量+C×(1/妊娠前年齢)+D×妊娠前体重+E
次に、ステップS186では、被測定者たる妊婦の妊娠後の基礎代謝増加量データが取得される。即ち、前記ステップS185で取得された妊娠前基礎代謝量データから、前記ステップS176で取得された基礎代謝量データを差引くことによって、被測定者の基礎代謝増加量データが算出される。
次に、ステップS187では、被測定者たる妊婦の妊娠前の体格指数データが取得される。体格指数(BMI:Body Mass Index)は、体重を身長の2乗で除したものである。即ち、前記ステップS15で取得された妊娠前体重データを、前記ステップS9で取得された身長データの2乗で除することによって、被測定者の妊娠前体格指数データが算出される。
再び図4のメインルーチンに戻り、ステップS19では、被測定者たる妊婦が妊娠期たる現在において必要とするエネルギー量、即ち、妊娠期所要エネルギー量が算出される。このステップS19の処理については、図7のサブルーチンを参照して説明する。
先ず、ステップS191では、被測定者の妊娠期付加エネルギー量を算出するための推定式Gnが決定される。図12を参照して前述したように、斯かる推定式Gnは、次の通り体格指数のグループごとに予め別個に用意されてメモリ18に記憶されている。従って、このステップS191では、前記ステップS187で取得された妊娠前体格指数データに基づいて、この妊娠前体格指数データが属するグループの推定式Gnが読みこまれるものである。
推定式G(体格指数18未満):妊娠期付加エネルギー量=a×妊娠週数+b×妊娠週数+c
推定式G(体格指数18以上21未満):妊娠期付加エネルギー量=a×妊娠週数+b×妊娠週数+c
推定式G(体格指数21以上24未満):妊娠期付加エネルギー量=a×妊娠週数+b×妊娠週数+c
推定式G(体格指数24以上26未満):妊娠期付加エネルギー量=a×妊娠週数+b×妊娠週数+c
推定式G(体格指数26以上):妊娠期付加エネルギー量=a×妊娠週数+b×妊娠週数+c
次に、ステップS192では、被測定者の妊娠期付加エネルギー量が決定される。即ち、前記ステップS191で読み込まれた推定式Gnに、前記ステップS14で取得された妊娠経過期間データ(妊娠週数)が代入されて、被測定者の妊娠期付加エネルギー量が算出される。
次に、ステップS193では、被測定者の妊娠前消費エネルギー量が決定される。前掲非特許文献1を始めとして良く知られているように、消費エネルギー量は、基礎代謝量に生活活動強度を乗じることで算出し得る。従って、このステップS193では、前記ステップS185で取得された妊娠前基礎代謝量に、前記ステップS10で取得された生活活動強度データ(望ましくは、妊娠前の生活活動強度データ)を乗じることによって、被測定者の妊娠前消費エネルギー量が算出される。
そして、ステップS194では、前記ステップS193で決定された妊娠前消費エネルギー量と、前記ステップS192で決定された妊娠期付加エネルギー量とを合計することによって、被測定者たる妊婦の妊娠期所要エネルギー量が決定される。
再び図4のメインルーチンに戻り、ステップS20では、被測定者たる妊婦が妊娠期たる現在において現に摂取しているエネルギー量、即ち、妊娠期摂取エネルギー量が算出される。このステップS20の処理については、図8のサブルーチンを参照して説明する。
ステップS201では、被測定者の妊娠期摂取エネルギー量が決定される。摂取エネルギー量は、即ち実際に消費したエネルギー量である。斯かる消費エネルギー量は、前掲非特許文献1を始めとして良く知られているように、基礎代謝量に生活活動強度を乗じることによって算出し得る。従って、このステップS201では、前記ステップS176で取得された基礎代謝量に、前記ステップS10で取得された生活活動強度データ(望ましくは、現在の生活活動強度データ)を乗じることによって、被測定者の妊娠期摂取エネルギー量が算出される。
再び図4のメインルーチンに戻り、ステップS21では、被測定者たる妊婦が摂取しているエネルギーの過不足量が算出される。即ち、前記ステップS20において被測定者の現在の基礎代謝量及び生活活動強度に基づいて決定された妊娠期摂取エネルギー量から、前記ステップS19において被測定者の体格及び妊娠後の経過期間を加味して決定された妊娠期所要エネルギー量を差引くことで、この被測定者の摂取エネルギーの過不足量が算出される。
ステップS22では、被測定者に提示すべき健康管理上のコメント、アドバイスが決定される。即ち、この装置1のメモリ18には、摂取エネルギーの過不足量に対応する適切なコメントが予め記憶されており、このステップS22では、前記ステップS21で算出された過不足量に従って、これに対応するコメントが選択されるものである。
ステップS24では、この装置1で取得、決定された上述の各データが、表示部8に表示出力され、且つ、印刷部9で印刷出力される。図9は、この印刷出力の一例を示すもので、図4から図8までのフローチャートに従って取得、決定された各種のデータやコメントが、一覧表示されている。斯かる印刷が終了し、使用者が電源キー10を再度押下するか、所定時間が経過すると、装置1の電源がオフとなり、全ての制御処理が終了する。
尚、前記ステップS13においてマタニティモードのフラグセットが確認されなかった場合には、ステップS23において非妊婦の各種生体データを取得するためのプログラムが実行され、その結果がステップS24において出力されることになる。この非妊婦の生体データの取得については既に良く知られており、また本発明の要旨からは外れるものであるため、説明は割愛する。
また、本実施例では採用していないが、この装置1で取得され又は算出された各種のデータを、その被測定者を特定するための氏名や識別番号、識別コード等といった情報とセットでメモリ18や外部の記憶装置(装置1に対して着脱可能な記憶媒体や、記憶装置を内蔵したコンピュータシステム等であってよい。)に蓄積してゆくことも可能である。斯かるデータ蓄積を行えば、当該被測定者個人に関する各種データの変化履歴を適時に参照することが可能であるばかりでなく、例えば、前記ステップS15における妊娠前の体重データ入力に代えて、蓄積されている体重データから妊娠前の体重データとして適切なデータを読み出すことも可能となる。
次に、本発明の第二の実施例について、図10を参照して説明する。図10は、生体測定装置1で実行される制御処理プログラムのサブルーチンのフローチャートである。尚、この第二の実施例は、主に第二の観点に基づく本発明を具現化したものであって、図4のステップS20における妊娠期摂取エネルギー量の決定処理が図10に示す通りである他は、第一の実施例と同じ構成を備えるものである。従って、この第二実施例については、第一実施例との相違部分のみを説明することとする。
第二の実施例においては、ステップS20における妊娠期摂取エネルギー量の算出は、図10のサブルーチンに従って実行される。
先ず、ステップS202では、妊娠に起因して増加した被測定者の生体組織のうち、胎児と、胎盤と、母体の蛋白質組織の増加分とのために必要なエネルギー量が推定される。図13を参照して前述したように、斯かるエネルギー量は、妊娠週数を変数とする次の推定式Gで表し得る。従って、このステップS202では、前記ステップS14で取得された妊娠経過期間データ(妊娠週数)がこの推定式Gに代入されて、胎児、胎盤、及び母体における蛋白質組織の増加分のために必要なエネルギー量(第一のエネルギー量)が算出される。
推定式G:エネルギー量=a´×妊娠週数+b´×妊娠週数+c´
次に、ステップS203では、妊娠に起因して増加した被測定者の生体組織のうち、母体における脂肪組織の増加分のために必要なエネルギー量が推定される。前述の通り、脂肪1kgを燃焼させるために必要となるエネルギー量は約7200kcalであることから、このステップS203では、前記ステップS182で取得された体脂肪増加量データに7200kcalを乗じることによって、母体における脂肪組織の増加分のために必要なエネルギー量(第二のエネルギー量)が算出される。
次に、ステップS204では、被測定者の増加組織エネルギー需要量、即ち、妊娠に起因して増加した被測定者の生体組織のためのエネルギー需要量が決定される。斯かるエネルギー量は、前記ステップS202で推定された第一のエネルギー量と、前記ステップS203で推定された第二のエネルギー量とを合計し、この合計値を更に妊娠後の経過期間データを用いて1日あたりのエネルギー需要量に換算処理することによって決定する。ここで、妊娠後の経過期間とは、妊娠前の最終月経日を起算日とするものであるが、少なくとも斯かる最終月経日から妊娠(受精)の有無が確定する排卵日までの約14日間については、実際には生体組織の増加は生じないと考えられる。従って、このステップS204では、前記ステップS14で取得された妊娠経過期間データ(妊娠日数)から14日を差引いた日数で、上記合計値を除することによって、被測定者の増加組織エネルギー需要量が算出される。
そして、ステップS205において、被測定者の妊娠期摂取エネルギー量が決定される。この妊娠期摂取エネルギー量は、前記ステップS193で決定された妊娠前消費エネルギー量に、前記ステップS186で取得された基礎代謝増加量と、前記ステップS204で決定された増加組織エネルギー需要量とを加算することによって算出されるものである。
尚、第一実施例の出力例たる図9に示されている被測定者について、上記ステップS202からS205までの処理によって妊娠期摂取エネルギー量を決定したところ、2013kcalという結果となった。第一実施例のステップS201(図8)によって決定された妊娠期摂取エネルギー量は1970kcalである(図9)から、何れの処理によっても大差のない結果が得られるといえる。敢えて言えば、この第二実施例の方が、基礎代謝増加量と増加組織エネルギー需要量とを個別に算出している点において、計算処理は複雑になるものの、高精度な結果が得られるものと考えられる。
次に、本発明の第三の実施例について、図11を参照して説明する。図11は、生体測定装置1で実行される制御処理プログラムのサブルーチンのフローチャートである。尚、この第三の実施例は、主に第三の観点に基づく本発明を具現化したものであって、図4のステップS20における妊娠期摂取エネルギー量の決定処理が図11に示す通りである他は、第一の実施例と同じ構成を備えるものである。従って、この第三実施例についても、第一実施例との相違部分のみを説明することとする。
第三の実施例においては、ステップS20における妊娠期摂取エネルギー量の算出は、図11のサブルーチンに従って実行される。
先ず、ステップS206では、妊娠に起因して増加した被測定者の生体組織のうち、母体における脂肪組織の増加分のために必要なエネルギー量が推定される。前述の通り、脂肪1kgを燃焼させるために必要となるエネルギー量は約7200kcalであることから、このステップS206では、前記ステップS182で取得された体脂肪増加量データに7200kcalを乗じることによって、母体における脂肪組織の増加分のために必要なエネルギー量が算出されるものである。
次に、ステップS207では、被測定者の増加脂肪組織エネルギー需要量、即ち、妊娠に起因して増加した被測定者の脂肪組織のためのエネルギー需要量が決定される。斯かるエネルギー需要量は、前記ステップS206で推定された母体における脂肪組織の増加分のために必要なエネルギー量を、更に妊娠後の経過期間データを用いて1日あたりのエネルギー需要量に換算処理することによって決定する。ここで、妊娠後の経過期間とは、妊娠前の最終月経日を起算日とするものであるが、少なくとも斯かる最終月経日から妊娠(受精)の有無が確定する排卵日までの約14日間については、実際には生体組織の増加は生じないと考えられる。従って、このステップS207では、前記ステップS14で取得された妊娠経過期間データ(妊娠日数)から14日を差引いた日数で、上記母体における脂肪組織の増加分のために必要なエネルギー量を除することによって、被測定者の増加脂肪組織エネルギー需要量が算出される。
そして、ステップS208において、被測定者の妊娠期摂取エネルギー量が決定される。この妊娠期摂取エネルギー量は、前記ステップS176で取得された基礎代謝量に、前記ステップS10で取得された生活活動強度データ(望ましくは、現在の生活活動強度データ)を乗じ、これに前記ステップS207で決定された増加脂肪組織エネルギー需要量を加算することによって算出されるものである。即ち、第一実施例のステップS201で決定される妊娠期摂取エネルギー量に、増加脂肪組織エネルギー需要量を加算するということである。前述したステップS201で決定される妊娠期摂取エネルギー量は、被測定者の現在の基礎代謝量、即ち、母体除脂肪量データをパラメータとして算出されるものである(ステップS176)から、母体の脂肪組織についての考慮がやや足りないことが懸念される。この点に鑑み、この第三実施例のステップS208では、増加脂肪組織エネルギー需要量を加算することとして、脂肪組織についての考慮不足を補うものである。
尚、第一実施例の出力例たる図9に示されている被測定者について、上記ステップS206からS208までの処理によって妊娠期摂取エネルギー量を決定したところ、2063kcalという結果となった。第一実施例のステップS201(図8)によって決定された妊娠期摂取エネルギー量は1970kcal(図9)との差は比較的大きいが、より高精度と考えられる第二実施例のステップS205で決定された妊娠期摂取エネルギー量2013kcalとは大差がない。
以上、説明してきたように、本発明の妊婦用生体測定システムが組込まれた第一、第二及び第三の実施例たる生体測定装置1では、被測定者たる妊婦の、主には体格指数データ、妊娠経過期間データ、生活活動強度データといった各個人に特有のデータを取得することで、個人ごとの妊娠期所要エネルギー量及び/又は妊娠期摂取エネルギー量を決定し得るものである。
しかも、取得すべきデータは、例えば妊娠前の体重や出産予定日等のように、被測定者たる妊婦自身が容易に思い出すことのできるデータであったり、現在の体重や生体電気インピーダンス等のように、特に大掛かりな測定装置を用いることなく測定し得るデータであったりする。即ち、極めて簡便に、個人ごとの妊娠期所要エネルギー量及び/又は妊娠期摂取エネルギー量を決定し得るものである。
更に、決定された妊娠期所要エネルギー量と妊娠期摂取エネルギー量との差分から、摂取エネルギー量の過不足とそれに対する適切なコメントやアドバイスが出力されるものであるから、妊婦の健康管理、栄養管理において極めて有益なものとなる。
尚、本発明は、斯かる実施例の構成に限定される必要はなく、既に説明した変形はもちろんのこと、特許請求の範囲に記載した構成を逸脱しない限りにおいて、種々の変形、応用が可能である。例えば、本発明の妊婦用生体測定システムは、単一の筐体を有する装置として実施するだけでなく、妊娠期所要エネルギー量及び/又は妊娠期摂取エネルギー量を決定するための推定式や基礎データを含むプログラムが格納されたサーバーコンピュータと、当該サーバーコンピュータにアクセスして被測定者の体格指数データ、妊娠経過期間データ、生活活動強度データといった各種データを入力し得るクライアントコンピュータと、これらサーバーとクライアントとの間でデータ通信を可能とする通信ネットワークとで構成することも可能である。
本発明の妊婦用生体測定システムが組込まれた生体測定装置1の外観斜視図である。 生体測定装置1の操作部の拡大図である。 生体測定装置1の電気回路構成を表す概略図である。 生体測定装置1で実行される制御処理プログラムのメインルーチンを表すフローチャートである。 生体測定装置1で実行される制御処理プログラムのサブルーチンを表すフローチャートである。 生体測定装置1で実行される制御処理プログラムのサブルーチンを表すフローチャートである。 生体測定装置1で実行される制御処理プログラムのサブルーチンを表すフローチャートである。 生体測定装置1で実行される制御処理プログラムのサブルーチンを表すフローチャートである。 生体測定装置1における印刷出力例を表す図である。 第二実施例たる生体測定装置1で実行される制御処理プログラムのサブルーチンを表すフローチャートである。 第三実施例たる生体測定装置1で実行される制御処理プログラムのサブルーチンを表すフローチャートである。 妊娠期付加エネルギー量と妊娠週数との関係を表す図である。 妊娠に起因して増加する胎児、胎盤、及び母体の蛋白質増加分のために必要なエネルギー量と妊娠週数との関係を表す図である。 胎児部分の重量と妊娠週数との関係を表す図である。
符号の説明
1 生体測定装置(妊婦用生体測定システム)
2 載台
2A 体重測定センサ
3 入出力ユニット
4 支柱
5A、5B、6A、6B 電極
7 操作部
8 表示部
9 印刷部
10 電源キー
11 風袋量設定キー
12 日時設定キー
13 ステータス設定キー
14 テンキー
15 制御部
16 定電流発生回路
17 電圧測定回路
18 メモリ
19 時計回路
20 電源

Claims (13)

  1. 被測定者たる妊婦の生体データを測定する妊婦用生体測定システムであって、
    被測定者の妊娠前における消費エネルギー量を決定する妊娠前消費エネルギー量決定手段と、妊娠に起因してこの妊娠前消費エネルギー量に付加されるべき適切な消費エネルギー量を決定する妊娠期付加エネルギー量決定手段と、これら妊娠前消費エネルギー量と妊娠期付加エネルギー量との合計を被測定者が妊娠期において必要とするエネルギー量と決定する妊娠期所要エネルギー量決定手段とを備え、
    前記妊娠期付加エネルギー量決定手段が、被測定者の妊娠前の体格指数に関するデータを取得する妊娠前体格指数データ取得手段と、被測定者の妊娠後の経過期間に関するデータを取得する妊娠経過期間データ取得手段と、これら妊娠前体格指数データと妊娠経過期間データとに基づいて妊娠期付加エネルギー量を推定する妊娠期付加エネルギー量推定手段とを含んでなることを特徴とする妊婦用生体測定システム。
  2. 請求項1に記載の妊婦用生体測定システムであって、
    前記妊娠期付加エネルギー量推定手段が、妊娠経過期間データを変数として妊娠期付加エネルギー量を導く複数の推定式を妊娠前体格指数データに対応して記憶してなる推定式記憶手段と、取得された妊娠前体格指数データに対応する推定式を選択する推定式選択手段と、選択された推定式に取得された妊娠経過期間を代入して妊娠期付加エネルギー量を算出する推定式実行手段とを含んでなることを特徴とする妊婦用生体測定システム。
  3. 請求項1又は2に記載の妊婦用生体測定システムであって、
    前記妊娠前消費エネルギー量決定手段が、被測定者の妊娠前の基礎代謝量に関するデータを取得する妊娠前基礎代謝量データ取得手段と、被測定者の生活活動強度に関するデータを取得する生活活動強度データ取得手段と、これら妊娠前基礎代謝量データと生活活動強度データとに基づいて妊娠前消費エネルギー量を推定する妊娠前消費エネルギー量推定手段とを含んでなることを特徴とする妊婦用生体測定システム。
  4. 請求項3に記載の妊婦用生体測定システムであって、
    前記妊娠前基礎代謝量データ取得手段が、被測定者の妊娠前の年齢に関するデータを取得する妊娠前年齢データ取得手段と、被測定者の妊娠前の除脂肪量に関するデータを取得する妊娠前除脂肪量データ取得手段と、これら妊娠前年齢データと妊娠前除脂肪量データとに基づいて妊娠前基礎代謝量データを算出する妊娠前基礎代謝量データ算出手段とを含んでなることを特徴とする妊婦用生体測定システム。
  5. 請求項4に記載の妊婦用生体測定システムであって、
    前記妊娠前除脂肪量データ取得手段が、被測定者の妊娠前の体重に関するデータを取得する妊娠前体重データ取得手段と、被測定者の妊娠前の体脂肪量に関するデータを取得する妊娠前体脂肪量データ取得手段と、これら妊娠前体重データと妊娠前体脂肪量データとに基づいて妊娠前除脂肪量データを算出する妊娠前除脂肪量算出手段とを含んでなることを特徴とする妊婦用生体測定システム。
  6. 請求項5に記載の妊婦用生体測定システムであって、
    前記妊娠前体脂肪量データ取得手段が、被測定者の母体の体脂肪量に関するデータを取得する母体体脂肪量データ取得手段と、被測定者の妊娠後の体脂肪増加量に関するデータを取得する体脂肪増加量データ取得手段と、これら母体体脂肪量データと体脂肪増加量データとに基づいて妊娠前体脂肪量データを算出する妊娠前体脂肪量データ算出手段とを含んでなることを特徴とする妊婦用生体測定システム。
  7. 請求項6に記載の妊婦用生体測定システムであって、
    前記母体体脂肪量データ取得手段が、被測定者の現在の体重に関するデータを取得する体重データ取得手段と、被測定者の胎児部分の重量に関するデータを取得する胎児部分重量データ取得手段と、これら体重データと胎児部分重量データとに基づいて被測定者の母体の体重に関するデータを算出する母体体重データ算出手段と、被測定者の身長に関するデータを取得する身長データ取得手段と、被測定者の身体インピーダンスに関するデータを取得するインピーダンスデータ取得手段と、これら母体体重データと身長データとインピーダンスデータとに基づいて母体体脂肪量データを算出する母体体脂肪量データ算出手段とを含んでなることを特徴とする妊婦用生体測定システム。
  8. 請求項7に記載の妊婦用生体測定システムであって、
    前記胎児部分重量データ取得手段が、前記妊娠経過期間データ取得手段で取得された妊娠経過期間データに基づいて胎児部分重量データを決定する胎児部分重量データ決定手段を含んでなることを特徴とする妊婦用生体測定システム。
  9. 請求項6乃至8に記載の妊婦用生体測定システムであって、
    前記体脂肪増加量データ取得手段が、被測定者の妊娠後の体重増加量に関するデータを取得する体重増加量データ取得手段と、この体重増加量データに所定の比率を乗じることによって得られた値を体脂肪増加量データと決定する体脂肪増加量データ決定手段とを含んでなることを特徴とする妊婦用生体測定システム。
  10. 請求項9に記載の妊婦用生体測定システムであって、
    前記体重増加量データ取得手段が、被測定者の現在の体重に関するデータを取得する体重データ取得手段と、この体重データと前記妊娠前体重データ取得手段で取得された妊娠前体重データとに基づいて体重増加量データを算出する体重増加量データ算出手段とを含んでなることを特徴とする妊婦用生体測定システム。
  11. 請求項1乃至10に記載の妊婦用生体測定システムであって、
    被測定者が妊娠期において現に摂取したエネルギー量を決定する妊娠期摂取エネルギー量決定手段と、この妊娠期摂取エネルギー量と前記妊娠期所要エネルギー量決定手段で決定された妊娠期所要エネルギー量とに基づいて被測定者の摂取エネルギー量の過不足に関するデータを出力する摂取エネルギー過不足データ出力手段とを更に備えてなることを特徴とする妊婦用生体測定システム。
  12. 請求項1乃至10に記載の妊婦用生体測定システムであって、
    被測定者の妊娠期における基礎代謝量の増加量を決定する基礎代謝増加量決定手段と、妊娠に起因して増加した被測定者の生体組織のためのエネルギー需要量を決定する増加組織エネルギー需要量決定手段と、これら基礎代謝増加量と増加組織エネルギー需要量と前記妊娠前消費エネルギー量決定手段で決定された妊娠前消費エネルギー量との合計を被測定者が妊娠期において現に摂取したエネルギー量と決定する妊娠期摂取エネルギー量決定手段と、この妊娠期摂取エネルギー量と前記妊娠期所要エネルギー量決定手段で決定された妊娠期所要エネルギー量とに基づいて被測定者の摂取エネルギー量の過不足に関するデータを出力する摂取エネルギー過不足データ出力手段とを更に備え、
    前記増加組織エネルギー需要量決定手段が、前記妊娠経過期間データ取得手段と、被測定者の妊娠後の体脂肪増加量に関するデータを取得する体脂肪増加量データ取得手段と、これら妊娠経過期間データと体脂肪増加量データとに基づいて増加組織エネルギー需要量を推定する増加組織エネルギー需要量推定手段とを含んでなることを特徴とする妊婦用生体測定システム。
  13. 請求項1乃至10に記載の妊婦用生体測定システムであって、
    被測定者の現在の基礎代謝量に関するデータを取得する基礎代謝量データ取得手段と、被測定者の生活活動強度に関するデータを取得する生活活動強度データ取得手段と、妊娠に起因して増加した被測定者の母体の脂肪組織のためのエネルギー需要量を決定する増加脂肪組織エネルギー需要量決定手段と、これら基礎代謝量データと生活活動強度データと増加脂肪組織エネルギー需要量とに基づいて被測定者が妊娠期において現に摂取したエネルギー量を決定する妊娠期摂取エネルギー量決定手段と、この妊娠期摂取エネルギー量と前記妊娠期所要エネルギー量決定手段で決定された妊娠期所要エネルギー量とに基づいて被測定者の摂取エネルギー量の過不足に関するデータを出力する摂取エネルギー過不足データ出力手段とを更に備え、
    前記増加脂肪組織消費エネルギー決定手段が、前記妊娠経過期間データ取得手段と、被測定者の妊娠後の体脂肪増加量に関するデータを取得する体脂肪増加量データ取得手段と、これら妊娠経過期間データと体脂肪増加量データとに基づいて増加脂肪組織エネルギー需要量を推定する増加脂肪組織エネルギー需要量推定手段とを含んでなることを特徴とする妊婦用生体測定システム。
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