JP2004351053A - 妊婦用体組成管理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生体電気インピーダンス法により体脂肪または体水分を測定する装置において、身長、体重等の妊婦の個人データを入力する第一入力手段と、妊娠週数を入力する第二入力手段と、妊婦の生体電気インピーダンスを測定する測定手段と、個人データとインピーダンスから体脂肪量または体水分量を演算する第一演算手段と、演算した体脂肪量または体水分量と非妊時からの体重増加量とから非妊時の体脂肪量または体水分量を演算する第二演算手段とを備える。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、妊婦の体脂肪量または体水分量を測定する妊婦用体組成管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
妊娠中の体重及び体重増加量は、その管理が重要であった。また妊婦用の体脂肪または体水分に着目し、非妊時、即ち妊娠前のデータや妊娠中のデータを入力し、妊娠中の体脂肪量または体水分量の変化を見ることがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来の装置では非妊時のデータが全ての出発点になるが、一般的に非妊時の体重、体脂肪量、体水分量等のデータを記憶している人は少なく、記憶していても体重程度である。
【0004】
そのため、ほとんどの場合体重と体重増加量のみの管理になっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの観点によれば、生体電気インピーダンス法により体脂肪または体水分を測定する装置において、身長、体重等の妊婦の個人データを入力する第一入力手段と、妊娠週数を入力する第二入力手段と、妊婦の生体電気インピーダンスを測定する測定手段と、個人データとインピーダンスから体脂肪量または体水分量を演算する第一演算手段と、演算した体脂肪量または体水分量と非妊時からの体重増加量とから非妊時の体脂肪量または体水分量を演算する第二演算手段とを備えた妊婦用体組成管理装置が提供される。
【0006】
本発明の一つの実施の形態によれば、第二入力手段は出産予定日を入力することにより妊娠週数を求めることを特徴とする。
【0007】
本発明の一つの実施の形態によれば、非妊時と測定時との前記体脂肪量または体水分量の変化から健康管理情報を作成することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例について図面を用いて説明する。図1は、本発明に関する妊婦用体組成管理装置1の外観斜視図であり、大きくは測定部2と表示印刷部3とからなり、測定部2の図示しない台板と表示印刷部3に固定される支柱部4とからなる。この測定部2は、公知の体脂肪計と同様の構成で、内部に体重測定センサーを備え、測定部2の上面に被測定者が乗ることで体重が測定できる構成になっている。また、測定部2の上面には、両足間の生体電気インピーダンスを測定すべく電流供給電極5A、6Aと、電圧測定電極5B、6Bとを備えている。
【0009】
一方、表示印刷部3は、図2で示す操作部7、入力したデータや結果表示のための表示部8、測定結果を印刷する印刷部9とからなる。この操作部7は、電源スイッチ10、非測定者の着衣の重量を設定する風袋量設定キー11、日時を設定するためのキー12、性別・体型を設定するキー群13、データ等を設定するためのテンキー14を備えている。
【0010】
図3は、体脂肪計1の電気ブロック図を示すもので、マイクロコンピュータを備えた制御部15を備え、この制御部15に図2の操作部7の各スイッチ、キーが接続され、表示部8、印刷部9も接続される。
【0011】
また、測定部2からは、定電流発生回路16を介して電流供給電極5A、6Aが、電圧測定回路17を介して電圧測定電極5B、6Bが、体重測定センサーがそれぞれ制御部15に接続している。
【0012】
さらに、制御部15には、データを記憶するためのメモリ18が接続されるほか、妊娠週数等の日時データを発生させる時計回路19も接続される。
なお、電源20は、各部に電力を供給するものである。
【0013】
次に本発明の体脂肪計1の動作を図4のフローチャートを用いて説明する。最初に電源スイッチ10をオンすると、ステップS1で制御部15は、マイクロコンピュータやメモリ18等を初期化する。次にステップS2で日時設定がされているかどうかを判断し、設定されていればステップS4に進む。日時が設定されていなければ、ステップS3で日時をセットする。この日時設定は、一般の装置で用いられているものと同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0014】
ステップS4では、表示部8に「着衣重量、即ち風袋量をテンキー14から入力し、入力が完了したら風袋量設定キー11を押して下さい」と表示をする。ここで被測定者がテンキー14から1.0kgを入力し、風袋量設定キー11をオンすると、ステップS5でYesと判断され、ステップS6に進み、メモリ18に風袋量を記憶する。ステップS5で風袋量設定キー11がオンされなければ、ステップS4に戻り、風袋量の入力を促す表示を繰り返す。
【0015】
次にステップS7では、性別・体型別を設定するキー群13で被測定者にあったキーをオンするように表示部8に表示する。ここで被測定者が、例えば男性のスタンダードである場合、図2の男性マークの枠内でスタンダードのキーをオンする。すると、ステップS8で入力を判断し、ステップS9に進み、オンしたキーのデータをメモリ18に記憶する。ステップS8では、キーがオンされるまで、ステップS7に戻り、キーのオンを促しつづける。
【0016】
同様にステップS10からステップS12では被測定者の年齢を、ステップS13からステップS15では被測定者の身長を入力し、メモリ18に記憶する処理を行う。
【0017】
そしてステップS16では、ステップS8でオンしたキーが何であるかを判断し、この場合には男性のスタンダードであるので、Noと判断され、ステップS17に進む。
【0018】
ステップS17では、被測定者が電流供給電極5A、6Aにつま先を、電圧測定電極5B、6Bに踵を接して測定部2に乗ったことを確認して測定を開始する。体重の測定は、体重センサーからの出力を制御部15に取り込み、ステップS18で演算する。一方、インピーダンスは、定電流回路16から電極5A、6A間に一定電流を流し、電極5B、6B間の電圧を電圧測定回路17で測定し、電流と電圧の関係からインピーダンスをステップS18で演算する。ステップS18では、測定した体重から風袋量を減算し、被測定者の体重を演算すると共に、インピーダンスから体脂肪率を、体重に体脂肪率を乗算して体脂肪量を、体重から体脂肪量を減算して除脂肪量を、除脂肪量に平均的体水分率である73.2%を乗算して体水分量を、身長と体重からBMI(体格指数)をそれぞれ演算する。
【0019】
そしてこの演算結果は、ステップS19で表示部8に表示すると共に、印刷部9よりプリントアウトする。図5は、このプリントアウトの例であり、測定時間のほか入力した性別・体型、年齢、身長等の個人データ、ステップS17及びステップS18で測定・演算した結果を印刷する。
【0020】
この表示及び印刷の後、ステップS4に戻り次のデータ入力を待つ。
【0021】
次に、上記ステップS8で図2のマタニティキーがオンされた場合には、ステップS16でYesと判断され、ステップS20に進む。ステップS20では、表示部8に出産予定日を入力してくださいと表示し、ステップS21でテンキーよりの年月日の入力がなされるまで、ステップS20とS21を繰り返す。
【0022】
予定年月日が入力されると、ステップS21でYesと判断され、ステップS22で入力された出産予定日と測定日のデータとから妊娠週数を演算する。そしてステップS23で妊娠前(非妊時)の体重を入力してくださいと表示し、ステップS24に進む。
【0023】
ステップS24ではテンキーより体重値を入力するとYesと判断され、ステップS25でメモリ18に記憶する。
【0024】
マタニティの場合には、ステップS17の処理は通常の場合と同じであるが、ステップS18でのデータ演算において、通常の場合に比べて追加されるものは以下のとおりである。
【0025】
図6に示すグラフ(メモリ18にデータが記憶されている)より妊娠週数に対応した胎児体重、羊水重量、胎盤重量を読み出して、風袋量を減算した測定体重からさらにこれらを減算することで胎児部分重量を引いた体重を求め、この体重にもとづいて測定時点での体脂肪率、体脂肪量、除脂肪量、体水分量、体水分量/体脂肪量(TBW/FAT)を演算する。
【0026】
さらに、ステップS17で測定した現在の体重からステップS24で入力した非妊時の体重を減算し、非妊時から測定時までの体重増加量を演算する。本発明者はこの体重増加量に対する非妊時から測定時までの体脂肪増加量及び体水分増加量の比率が夫々約58%、約29%であることを発見した。この比率は妊娠6週から16週まで変化なく、さらにつわり等で体重が変化しても比率の変化がないことを発見した。それゆえ、妊娠6週から16週の間で測定した時には、このステップS18で非妊時から現在までの体重増加量にこの比率をかけ、非妊時から測定時までの体脂肪増加量と体水分増加量を演算するとともに、現在の体脂肪量及び体水分量から体脂肪増加量と体水分増加量を減算し、非妊時の体脂肪量と体水分量を演算する。
【0027】
この体脂肪量と体水分量の演算は、妊娠6週から16週までの間で少なくとも1回の測定を行うことで求めた非妊時の体脂肪量と体水分量をメモリ18に記憶しておけば、妊娠中期や末期であっても、非妊時から測定時までの体脂肪増加量、体水分増加量のデータを演算できる。
【0028】
そしてその結果をステップS19で表示部8に表示し、印刷部9でプリントアウトする。妊娠24週と5日に測定したプリントアウトの例は、図7で示すように図5の例に対して妊娠週数、胎児部分重量を引く前の補正前体重(風袋量は減算してある)と引いた後の補正後体重の印字、胎児体重、羊水重量、胎盤重量、胎児部分重量を引く前の体重(風袋量は減算してある)と身長とから求める補正前BMI、非妊時体重、非妊時体脂肪量、非妊時体水分量、妊娠前から測定時までの体重増加量(非妊)、体脂肪増加量、体水分増加量が追加されている。この補正前BMIを演算し、表示または印刷するのは、この補正前BMIの値により胎児の成長状況を判断する産婦人科医へのデータ提供のためである。
【0029】
なお、同様にデータ提供のために図7で示すプリントアウト例、または表示器8の表示に追加する形で、非妊時のBMIを印刷または表示してもよい。
【0030】
この表示・印刷のステップS19が終了すると、ステップS4に戻り次のデータ入力を待つ。
【0031】
上記マタニティの表示において、体脂肪率は、数値のみで表示したが、妊娠週数と適正脂肪率との関係は図8で示すように妊娠初期に上昇し、妊娠末期に若干減少することが判明したので、このグラフのデータをメモリ18に記憶しておき、ステップS18において体脂肪率を演算した後に妊娠週数に応じて体脂肪率が過少、適正、過多等の判断と、その判断に基づくアドバイスを表示または印刷すると、妊婦にとって対処法が分かり易い。
【0032】
また、上記マタニティの表示において、図8では妊娠週数と体脂肪率との関係に基づき過少、適正、過多等の判断とアドバイスを行ったが、妊娠週数と非妊時からの体脂肪増加量との関係に基づき図8の場合と同様に過少、適正、過多等の判断とアドバイスを行っても良い。この場合、非妊時の体型がやせ型(BMIが18未満)、標準型(BMIが18以上、24以下)、肥満(BMIが24を超える)により、図9、図10、図11に示すように適正範囲が異なる。これらの図においては、中心のグラフが適正体脂肪増加量の中心値を示し、上のグラフが適正体脂肪増加量の上限値を、下のグラフが適正脂肪増加量の下限値を示している。したがって図4のステップS18において非妊時のBMIを演算しておき、上のグラフを越える体脂肪増加量が測定された場合には、表示部8の表示または印刷部9のプリントアウトで体脂肪増加量が過多である、望ましい食事のメニューはこうですと言ったアドバイスができる。
【0033】
なお、この実施例では、胎児体重、羊水重量、胎盤重量を図6の妊娠週数に応じて推定し自動入力していたが、測定の度にテンキーより数値入力しても良い。
【0034】
また、上記実施例では演算結果を表示・印刷をしたが、過去の履歴をメモリ18から呼び出し、図8、図9、図10、図11のグラフ上に演算結果のグラフを表示し、過去の変化を表示しても良い。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、生体電気インピーダンス法により体脂肪または体水分を測定する装置において、身長、体重等の妊婦の個人データを入力する第一入力手段と、妊娠週数を入力する第二入力手段と、妊婦の生体電気インピーダンスを測定する測定手段と、個人データとインピーダンスから体脂肪量または体水分量を演算する第一演算手段と、演算した体脂肪量または体水分量と非妊時からの体重増加量とから非妊時の体脂肪量または体水分量を演算する第二演算手段とを備えた妊婦用体組成管理装置であり、非妊時の体脂肪量や体水分量を記憶していない場合でも簡単に求められ、妊婦の体脂肪量や体水分量の体組成の管理ができる。
【0036】
また、前記第二入力手段は出産予定日を入力することにより簡単に妊娠週数を求めることができる。
【0037】
さらに、本発明は妊娠週数から求めた胎児部分の重量を入力することにより正確に妊婦の体脂肪率が測定出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する装置の外観斜視図である。
【図2】本発明に関する装置の表示印刷部を示す図である。
【図3】電気ブロック図である。
【図4】本発明に関する装置のフローチャートである。
【図5】マタニティ以外の印刷の例を示す図である。
【図6】妊娠週数と胎児部分重量との関係を示す図である。
【図7】マタニティの印刷の例を示す図である。
【図8】妊娠週数と体脂肪率との関係を示す図である。
【図9】やせ型の妊娠週数と体脂肪増加量を示す図である。
【図10】標準型の妊娠週数と体脂肪増加量を示す図である。
【図11】肥満型の妊娠週数と体脂肪増加量を示す図である。
【符号の説明】
1 体脂肪計
2 測定部
3 表示印刷部
5A、5B、6A、6B 電極
7 操作部
8 表示部
9 印刷部
12 日時設定キー
13 性別・体型設定キー
14 テンキー
Claims (3)
- 生体電気インピーダンス法により体脂肪または体水分を測定する装置において、身長、体重等の妊婦の個人データを入力する第一入力手段と、妊娠週数を入力する第二入力手段と、妊婦の生体電気インピーダンスを測定する測定手段と、個人データとインピーダンスから体脂肪量または体水分量を演算する第一演算手段と、演算した体脂肪量または体水分量と非妊時からの体重増加量とから非妊時の体脂肪量または体水分量を演算する第二演算手段とを備えた妊婦用体組成管理装置。
- 前記第二入力手段は出産予定日を入力することにより妊娠週数を求めることを特徴とする請求項1記載の妊婦用体組成管理装置。
- 非妊時と測定時との前記体脂肪量または体水分量の変化から健康管理情報を作成することを特徴とする請求項1記載の妊婦用体組成管理装置。
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