JP4589524B2 - プリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプリンタに係り、特にインクリボンを巻回する巻芯が取り付けられるプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
熱転写式のプリンタは、インクリボンのインクを印字用紙に熱転写することによって印字を行っている。インクリボンは、帯状に形成されており、巻芯に巻回されてプリンタの供給ユニットに装着される。このインクリボンは、巻き戻されて供給ユニットから印字部に供給され、巻取りユニットの巻芯に巻回される。
【0003】
このようなプリンタにインクリボンを取り付ける場合、まず、インクリボンを巻回した巻芯の両端部にホルダー(支持手段)を取り付け、このホルダーを供給ユニットに装着する。次いで、インクリボンの先端を巻取り側の巻芯に接続し、この巻芯の両端部にホルダーを取り付ける。そして、インクリボンを緊張させた後、巻取り側のホルダーを巻取りユニットのトルク伝達部品(例えばシャフト)に嵌合させる。これにより、インクリボンが供給ユニットと巻取りユニットとの間に装着される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のプリンタは、ホルダーとトルク伝達部品とが嵌合しない場合、嵌合するまでインクリボンを手で押さえてホルダーを回転させなければならなかった。このため、作業者の手が汚れたり、インクリボンに皺が発生するという問題があった。また、ホルダーとトルク伝達部品が嵌合した際に、インクリボンが弛むことがあった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、インクリボン等の帯状物を弛ませることなく、簡単に装着できるプリンタを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、インクリボンが巻回される巻芯の端部に嵌合して前記巻芯を支持する支持手段を有し、前記支持手段を回転させて、前記インクリボンの巻回、又は送出を行うプリンタにおいて、前記支持手段は、前記巻芯の両端部を支持する一対のホルダーと、前記ホルダーを前記巻芯の端部側に付勢する付勢手段と、を有し、前記一対のホルダーに前記巻芯に挿入されて該巻芯を係合支持する係合支持部と、前記巻芯の端部に形成した切欠き溝に嵌合する凸部とを備え、前記巻芯の切欠き溝が前記ホルダーの凸部に係合しない状態では、前記ホルダーに対して前記巻き芯が回転し、前記巻芯の前記切欠き溝に、前記ホルダーの凸部に係合することにより、前記ホルダーを回転可能にすることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、巻芯を回転可能な状態に支持するので、帯状物を緊張させた状態に維持しながら、支持手段と巻芯との嵌合位置に合わせることができる。したがって、帯状物を緊張させた状態を維持しながら、巻芯を支持手段に取り付けることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るプリンタの好ましい実施の形態について説明する。
【0009】
図1は、プリンタ10を示す概略図である。同図に示すように、プリンタ10は、対向して配置されたサーマルヘッド14とプラテンローラ16とを有し、このサーマルヘッド14とプラテンローラ16との間に帯状の印字用紙18と帯状のインクリボン20とが供給される。印字用紙18とインクリボン20は、プラテンローラ16を回転することによって搬送され、サーマルヘッド14を発熱制御することによってインクリボン20のインクが印字用紙18に熱転写され、印字が行われる。
【0010】
印字用紙18は、ロール状に巻回されて印字用紙供給ユニット22に装着される。そして、ガイドローラ24に巻掛けられた後、一対の送りローラ26、26間を通って、サーマルヘッド14とプラテンローラ16との間に供給される。
【0011】
インクリボン20は、ロール状に巻回されてインクリボン供給ユニット28に装着される。そして、テンションローラ30によって張力が付与された後、サーマルヘッド14とプラテンローラ16との間に供給される。印字に使用されたインクリボン20は、ガイドローラ32に巻掛けられた後、インクリボン巻取りユニット34に巻き取られる。
【0012】
図2は、インクリボン供給ユニット28の構造を示す分解図である。
【0013】
同図に示すようにインクリボン供給ユニット28は、一対のホルダー36A、36Bを備えている。このうち、ホルダー36Aは、シャフト40を介してケーシング38に回動自在に支持されている。このホルダー36Aは、シャフト40に止め輪42を取り付けることによって抜け止めされている。
【0014】
一方、ホルダー36Bは、シャフト44にスライド自在に支持され、シャフト44に取り付けた止め輪46によって抜け止めされている。シャフト44は、ケーシング38に取り付けた軸受け48と、ブラケット50に取り付けた軸受け52によって回動自在に支持されている。このシャフト44にはスラックプレート54、トルクリミッタ56、コイルバネ58が取り付けられており、所定の力が加わった際に回転するようになっている。また、シャフト44には、エンコーダプレート60が取り付けられ、検出器62によって回転速度を検出できるようになっている。
【0015】
ホルダー36Bとケーシング38の間には、スプリング64がシャフト44に挿入された状態で支持されている。このスプリング64の弾性力に抗してホルダー36Bを外側に押圧することによって、ホルダー36A、36Bの間隔を広げることができる。
【0016】
なお、図2の符号66は、検出器62に接続されるコードであり、符号67は、エンコーダプレート60の位置を決めるピンである。また、符号68はブラケット50をケーシング38に固定するねじであり、符号69は、検出器62をブラケット50に固定するねじである。
【0017】
図3は、インクリボン巻取りユニット34の構造を示す分解図である。
【0018】
同図に示すように、インクリボン巻取りユニット34は、一対のホルダー78A、78Bを備えている。
【0019】
ホルダー78Aは、シャフト79に挿入されてフレーム80Aに支持され、回動自在に、且つシャフト79の軸方向にスライド自在に支持される。ホルダー78Aとフレーム80との間には、スプリング81が配設され、このスプリング81によってホルダー78Aが内側に付勢される。
【0020】
ホルダー78Bは、シャフト82に固定されている。シャフト82は、ブラケット90に支持された軸受け83Aと、フレーム80Bに支持された軸受け83Bによって回動自在に支持されている。このシャフト82には、トルクリミッタ88、エンコーダプレート89、プーリ84が取り付けられている。また、前記フレーム80Bには、モータ85がスタッド93、93…によって取り付けられている。モータ85の回転軸にはプーリ86が取り付けられており、このプーリ86と前記プーリ84との間に無端状のベルト87が巻掛けられている。したがって、モータ85を駆動すると、ベルト87を介してシャフト82が回転し、ホルダー78Bが回転する。なお、符号91はモータ85のカバーであり、符号92、92…は、ホルダー78A、78Bをシャフト79、82に止めるための止め輪である。また、符号94は、各種ねじ又はリベットである。
【0021】
図4及び図5は、ホルダー36Aを示す正面図及び側面図である。なお、ホルダー36B、ホルダー78A、78Bも同様の構成であり、説明を省略する。
【0022】
これらの図に示すように、ホルダー36Aは、同軸上に形成された内筒部(係合支持部に相当)70と外筒部72を有している。外筒部72の外周面には全周にわたって凹凸が交互に(即ちローレット形状に)形成されている。したがって、外筒部72の外周面を把持することによって、ホルダー36Aを容易に回転させることができる。内筒部70は、後述する円筒状の巻芯12の内径D1よりも若干小さい外径D2で形成されるとともに、内側(ホルダー36Bに対向する側)に突出して形成されている。したがって、内筒部70の内側から巻芯12を外嵌させることができる。内筒部70の外周面には、巻芯12の切欠き溝76(図6参照)に嵌合する凸部74が形成されている。この凸部74の端部と、内筒部70の端部との間には、所定の隙間D3が形成されている。したがって、後述する巻芯12を、隙間D3に対応する部分の内筒部70に係合して支持することができる。
【0023】
図6及び図7は、インクリボン供給ユニット28に取り付けられる巻芯12を示す正面図及び側面図である。なお、インクリボン巻取りユニット34に取り付けられる巻芯12も同様に構成される。
これらの図に示すように、巻芯12は、厚紙等によって円筒状に形成され、外周面にインクリボン20が巻回される。巻芯12の両端部は、インクリボン20を巻回する部分(以下、巻回部と称す)から突出して形成されており、この突出した部分に一対の切欠き溝76、76が凹状に形成されている。したがって、インクリボン20を巻回した状態であっても、巻芯12を正面から見た際に(即ち、図6において)切欠き溝76を正面から視認することができる。インクリボン供給ユニット28には、インクリボン20を巻回した巻芯12が取り付けられ、インクリボン巻取りユニット34には、巻芯12のみが取り付けられる。
【0024】
次に上記の如く構成されたプリンタ10の作用について説明する。
【0025】
まず、図8(A)に示すように、ホルダー36Bをスプリング64の弾性力に抗して後退させ、ホルダー36A、36Bの間隔を広げる。
【0026】
次にホルダー36A、36B間に、インクリボン20を巻回した巻芯12を挿入する。そして、スプリング64の弾性力によって、巻芯12をホルダー36A、36Bで挟持させる。これにより、巻芯12は、図8(B)に示すように、ホルダー36A、36Bの内筒部70、70に係合した状態となり、ホルダー36A、36Bに対して回動自在に支持される。
【0027】
次にインクリボン20の先端部を巻取り側の巻芯12に接続し、この巻芯12をインクリボン巻取りユニット34のホルダー78A、78Bに装着する。そして、ホルダー78A、或いはホルダー78Bを回転させることによって巻取り側の巻芯12を回転させ、インクリボン20を緊張させる。
【0028】
次に、インクリボン20を緊張させた状態からさらにホルダー78A、78Bを同方向に回転させる。これにより、供給側の巻芯12が回転する。このとき、供給側の巻芯12は、ホルダー36A、36Bの内筒部70に係合しているだけなので、ホルダー36A、36Bが回転することなく、巻芯12のみが回転する。そして、図8(C)に示すように、巻芯12の切欠き溝76の位置がホルダー36A、36Bの凸部74、74に合った際に、スプリング64の弾性力によってホルダー36Bが内側に押されて、凸部74と切欠き溝76が嵌合する。これにより、インクリボン20を緊張させたまま、巻芯12をホルダー36A、36Bに装着することができる。
【0029】
このように本実施の形態のプリンタ10は、ホルダー36A、36Bの内筒部70で巻芯12を係合支持することができるので、インクリボン20を緊張させた状態を維持しながら、巻芯12をホルダー36A、36Bに嵌合することができる。したがって、インクリボン20を弛ませることなく、取り付けることができる。
【0030】
また、プリンタ10は、スプリング64によってホルダー36A、36Bの間隔が狭まるように付勢されているので、ホルダー36A、36Bの凸部74と巻芯12の切欠き溝76の位置が合った際に自動的に巻芯12がホルダー36A、36Bに装着される。
【0031】
また、ホルダー36A、36Bの外筒部72の外周面に凹凸が形成されているので、ホルダー36A、36Bを容易に回転させることができる。
【0032】
さらに、プリンタ10は、ホルダー36A、36Bをインクリボン供給ユニット28に取り付けた構造であり、巻芯12を装着する毎にホルダー36A、36Bを着脱する必要がない。したがって、インクリボン20の巻芯12を容易に着脱することができる。
【0033】
なお、上述した実施の形態は、インクリボン供給ユニット28やインクリボン巻取りユニット34に本発明を適用した例であるが、印字用紙供給ユニット22等に適用してもよい。
【0034】
さらに、ホルダー36A、36Bの凸部74の形状は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、巻芯12の切欠き溝76に嵌合する形状であればよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るプリンタによれば、巻芯を回転可能な状態に支持するので、
インクリボンを緊張させた状態に維持しながら、巻芯を支持手段に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリンタを示す概略図
【図2】図1に示したインクリボン供給ユニットの構造を示す分解図
【図3】図1に示したインクリボン巻取りユニットの構造を示す分解図
【図4】ホルダーを示す正面図
【図5】ホルダーを示す側面図
【図6】巻芯を示す正面図
【図7】巻芯を示す側面図
【図8】本発明に係るプリンタの作用を説明する説明図
【符号の説明】
10…プリンタ、12…巻芯、14…サーマルヘッド、16…プラテンローラ、18…印字用紙、20…インクリボン、28…インクリボン供給ユニット、34…インクリボン巻取りユニット、36A、36B…ホルダー、74…凸部、76…切欠き溝

Claims (2)

  1. インクリボンが巻回される巻芯の端部に嵌合して前記巻芯を支持する支持手段を有し、前記支持手段を回転させて、前記インクリボンの巻回、又は送出を行うプリンタにおいて、
    前記支持手段は、
    前記巻芯の両端部を支持する一対のホルダーと、前記ホルダーを前記巻芯の端部側に付勢する付勢手段と、を有し、前記一対のホルダーに前記巻芯に挿入されて該巻芯を係合支持する係合支持部と、前記巻芯の端部に形成した切欠き溝に嵌合する凸部とを備え、
    前記巻芯の切欠き溝が前記ホルダーの凸部に係合しない状態では、前記ホルダーに対して前記巻き芯が回転し、
    前記巻芯の前記切欠き溝に、前記ホルダーの凸部に係合することにより、前記ホルダーを回転可能にすることを特徴とするプリンタ。
  2. 前記ホルダーの外周面は、凹凸が交互に形成されていることを特徴とする請求項記載のプリンタ。
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