JP3750403B2 - 定着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子式写真方式を利用した複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に適用される定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図5に示すように、複写機やプリンタ等の画像形成装置に用いられる定着装置10は、内部に加熱源としてのヒータ(図示省略)を有する加熱ロール12と、この加熱ロール12に圧接して回転する加圧ロール14と、加熱ロール12にウェブ16を圧接させるニップロール18と、ウェブ16を送り出す送り出しロール20と、加熱ロール12表面の汚れを拭き取ったウェブ16を巻き取る巻取りロール22とが、箱体24に収納されて構成されている。
【0003】
そして、送出しロール20と巻取りロール22との位置決めは、送出しロール20と巻取りロール22の半径の和が最も大きくなるとき、すなわち、両ロール20、22にウェブ16が半々に巻かれた状態のときに、両ロール20、22の外周が接触しないように両ロール20、22の軸間距離を設定して行われていた。
【0004】
具体的には、図6に示すように、ウェブ16を収容するためのスペースとして、ウェブ16が両ロール20、22に半々に巻かれたときの両ロール20、22の半径の2倍にクリアランスXを加えた軸間距離と、両ロール20、22にウェブ16が最大に巻かれたときの半径の2倍を合計しただけのスペースYが必要となっていた。
【0005】
そして、このスペースYでは、ウェブ16を巻き始めるときの巻取りロール22にほとんどウェブ16が巻かれていない状態のときにも予めウェブ16が最大に巻かれたときに要するスペースが確保されているとともに、ウェブ16が巻取りロール22に巻かれてウェブ16の巻き取りが終わるときの送出しロール20のスペースが余っている。
【0006】
一方、近年、画像形成装置の小型化が進み、その中の定着装置10、特にウェブ16を収容するためのスペースYはますます限られている。そこで、限られたスペースYにウェブ16を収容するために、ウェブ16自体を短くすると、ウェブ16の交換インターバルが短くなり、頻繁に交換しなければならなくなる。
【0007】
逆に、ウェブ16の交換インターバルを長くする方法として、ウェブ16の送り速度を遅くすることが考えられるが、ウェブ16のクリーニング性能を発揮するためには限界があり、そり限界を超えてその送り速度を遅くすると、印字汚れ等の問題が発生する。
【0008】
以上のように、ウェブ16に要するスペースYを如何にして有効に利用することができるかが要求されている(問題点1)。
【0009】
また、従来から、ウェブ16を駆動する機構として、巻取りロール22の芯が駆動されることにより、巻取りロール22にウェブ16が巻き取られると同時に、送出しロール20からウェブ16が送り出され、この両ロール20、22間のウェブ16が加熱ロール12等に接触してクリーニングを行う構成のものがある。
【0010】
かかる構成では、巻取りロール22を一定の角速度で駆動した場合、ウェブ16の巻き始めの時点では、巻取りロール22の径は細いがウェブ16が巻き取られていくにつれて徐々に径が太くなり、ウェブ16の巻取速度が増加することになる。この場合、通常、ウェブ16の巻き始めのときに十分なクリーニング性能を発揮できる巻取速度に設定されるので、ウェブ16が巻き取られるに従い、巻取速度が速くなって必要以上にウェブ16が巻き取られる問題がある。
【0011】
また、オイルを含浸したウェブ16の場合、ウェブ16から加熱ロール12に供給されるオイルの量も増加し、安定したクリーニング性能が得られない恐れもある。
【0012】
したがって、上記したウェブ16に要するスペースYの有効利用と並んで、ウェブ16の送り速度(搬送速度)を一定に制御することも要求されている(問題点2)。
【0013】
さらに、図5に示すように、ウェブ16は、加熱ロール12に圧接している位置において、加熱ロール12の回転方向に対向する方向に送られているため、印字しているときには加熱ロール12との摩擦力によって必要以上に送出しロール20から引き出されることはない。
【0014】
しかし、定着装置10に詰まった紙を除去する時など、加熱ロール12を逆回転させた場合、ウェブ16が加熱ロール12の摩擦力によって送出しロール20から必要以上に引き出されてたるみを生じる場合がある。この場合、大きくたるんだウェブ16は、加熱ロール12に巻き付きトラブルの原因となる。
【0015】
したがって、定着装置10にはウェブ16のたるみを防止することが要求されている(問題点3)。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点1を解決するための方法として、特開平4−182687では、送出しロールの芯を無くし、ウェブを中心から密に巻きつけて、ウェブをより長くすることが開示されている。しかし、この方法では、径の小さい所でウェブの巻き数を増やすため、大幅なウェブの延長は望めない。一方、送出しロールの芯が無くなったために、巻取りロールでウェブが巻き取られてしまった場合、送出しロールの支持が困難となる。また、特殊なウェブが必要となるため、製造上の困難さも伴う。
【0017】
また、上記問題点2を解決するための方法として、特開昭59−48783では、カム、ワンウェイクラッチ、レバー等を使って、巻取りロールの径が大きくなるに従いモータから巻取りロールに伝達される回転角度を小さくすることによって、一定のウェブ巻取速度を得ることが開示されている。また、特開昭60−35768では、ウェブが張ったときにすべりを生じるギヤを介して巻取りロールを駆動させることにより、一定の巻取速度を得ることが開示されている。しかし、これらの方法では、いずれも機構が複雑になり、コスト高の要因となっている。
【0018】
さらに、上記問題点3を解決するための方法として、特開平3−267978では、送出しロール及び巻取りロールの端部にギヤを設け、これらのギヤに係止部材を噛み合わせることにより、ウェブが必要以上に引き出されてたるみが生じることがないようにした装置が開示されている。また、特開平4−37888では、押圧板を送出しロール及び巻取りロールに押しつけることにより、ウェブが必要以上に引き出されてたるみが生じることがないようにした装置が開示されている。さらに、特開平8−185074では、送出しロールにラチェット機構を設け、ウェブを送るときにのみラチェットを解除することにより、ウェブが必要以上に引き出されてたるみが生じない装置が開示されている。
【0019】
しかし、これらの装置では、たるみを防止するために専用の機構を設けており、コスト高の要因となっていると共に、定着装置のスペースを有効利用する上でも障害となっている。
【0020】
そこで、本発明は、上記した問題を全て解決するために発明されたものであり、第1として特殊なウェブを用いることなく、ウェブに要するスペースを有効に利用することができ、かつウェブの交換インターバルを長くすることができ、第2として複雑な機構を用いず、ウェブの送り速度を一定にすることができ、第3として専用の機構を設けずして簡易にウェブのたるみを防止することができる定着装置を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、加熱源により加熱される加熱部材と、加熱部材と圧接回転する加圧ロールと、加熱部材あるいは加圧ロールの少なくとも1方に圧接してクリーニングする帯材と、帯材を送り出す送出しロールと、送り出された帯材を巻き取る巻取りロールと、巻取りロールを駆動させる駆動手段と、が設けられた定着装置であって、巻取りロールと送出しロールの軸部をスライド可能に保持する保持手段と、巻取りロールと送出しロールのどちらか一方を付勢し、送出しロールから送り出される帯材と巻取りロールに巻き取られた帯材とを接触させる付勢手段と、が設けられたことを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、加熱部材は、送出しロールから送り出された帯材が圧接することによりクリーニングされる。ここで、加熱部材をクリーニングした帯材は、駆動手段により駆動された巻取りロールに巻き取られる。
【0023】
送出しロールに巻き取られた帯材が巻取りロールに巻き取られて、送出しロールの径が徐々に小さくなっても、付勢手段により付勢されて送出しロール又は巻取りロールが保持手段内をスライドし、各々のロールに巻き取られた帯材を接触させる。このため、帯材に要していたスペースが無駄にならず有効に利用することができる。
【0024】
また、請求項2に記載した発明のように、駆動手段は巻取りロールに巻き取られた帯材に接触して巻取りロールに回転駆動力を与える駆動ロールであることが好ましい。
【0025】
また、請求項3に記載した発明のように、駆動ロールは付勢手段を兼ねるものであり、駆動ロールは、巻取りロールのスライド方向に移動可能に支持棒で支持され、支持棒には駆動ロールが巻取りロールを押圧する方向に付勢する弾性体が設けられたことが好ましい。
【0026】
また、請求項4に記載した発明のように、送出しロールから送り出される送出し帯材と巻取りロールに巻き取られる巻取り帯材とは、送出しロールと巻取りロールとを結ぶ直線上で接触していることが望ましい。
【0027】
また、請求項5に記載した発明のように、送出しロールと巻取りロールとに巻き取られた帯材はシート状部材を介して接触していることが望ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る定着装置30について説明する。なお、従来と同じ構成のものには同符号を付して説明する。
【0029】
図1に示すように、定着装置30は、加熱源により加熱される加熱ロール12と、加熱ロール12と圧接回転する加圧ロール14と、加熱ロール12の表面にウェブ16を圧接させるニップロール18と、ウェブ16を送り出す送出しロール20と、この送出しロール20と略同径に形成されクリーニングしたウェブ16を巻き取る巻取りロール22とが箱体(図示省略)に囲まれて構成されている。
【0030】
また、箱体の側壁32には2つの溝部材34が一定の間隔を有して、側壁32と直角方向に設けられている。この溝部材34は全体として楕円状に形成されており、その中央には直線部35を備えている。この溝部材34には、側壁32側の位置に送出しロール20が、この送出しロール20の外周に接する位置に巻取りロール22がそれぞれ配置されており、それぞれの芯(軸部)の両端が直線部35にスライド可能に嵌められている。
【0031】
また、巻取りロール22の外周にはモータ(図示省略)で駆動される針車36が接触している。この針車36はシャフトの外周に複数の短い針が埋め込まれたものであり、この針が巻取りロール22に巻き取られたウェブ16に突き刺さっている。したがって、この針車36はモータからの駆動力により図1の矢印A方向に回転駆動し、この駆動力が針を伝達して巻取りロール22が回転駆動される。なお、この場合、ウェブ16に直接張りを突き刺しても使用後のものであるので品質上の問題はない。
【0032】
また、この針車36のシャフトは、その両端部において2本の棒状のレバー38により支持されている。このレバ38ーの他端は、箱体の内壁に形成された支軸40により回転可能に取付けられている。また、レバー38には一端が箱体の側壁32に固定されたコイルバネ42の他端が取付けられている。このコイルバネ42は自然長よりもある程度伸ばした状態で取付けられており、針車36を巻取りロール22に押圧させるようにレバー38に付勢している。このため、送出しロール20も巻取りロール22に押圧されて箱体の側壁32に回転可能に押しつけられている。
【0033】
なお、送出しロール20と巻取りロール22の芯(軸部)同士をバネで接続して、両ロール20、22を接触させてもよい。
【0034】
次に、本実施形態の定着装置の作用について説明する。
【0035】
先ず、図1(a)に示すように、送出しロール20には予めオイルを含ませたウェブ16が巻かれている。また、このウェブ16の先端は、送出しロール20と巻取りロール22とがウェブ16を介して接触するように、ニップロール18を経由して巻取りロール22に2、3周巻き取られている。そして、巻取りロール22に巻き取られているウェブ16にはコイルバネ42で付勢された針車36の針が突き刺さっている(状態1)。
【0036】
次に、図示しないモータにより針車36及び加熱ロール12を一定速度でそれぞれ回転駆動させると、巻取りロール22は針車36によって図1の矢印B方向に回転駆動され、加熱ロール12は矢印F方向に回転駆動される。なお、このとき加圧ロール14は矢印G方向に回転する。
【0037】
そして、この巻取りロール22の回転駆動により、ウェブ16が送出しロール20から矢印H方向に送り出されて、矢印I方向から巻取りロール22に巻き取られていく。このときウェブ16は、ニップロール18により加熱ロール12に押圧されている。このため、ウェブ16により、加熱ロール12表面のオフセットトナー、紙粉などの汚れが拭き取られるとともに、ウェブ16に含ませたオイルが加熱ロール12に塗布される。
【0038】
次に、ウェブ16が巻取りロール22に巻き取られていくと、送り出されたウェブ16の分だけ送出しロール20の直径(以下、径という)が小さくなるとともに、このウェブ16を巻き取った巻取りロール22の径が大きくなる。そして、図1(b)に示すように、送出しロール20と巻取りロール22とにウェブ16が半々に巻かれている状態のときに、2つのロール20、22の径が等しくなり、かつ2つの径の和が最大となる(状態2)。
【0039】
このときの送出しロール20と巻取りロール22との径の和がウェブ16に要する幅方向のスペースZ(図2(a)参照)となる。
【0040】
また、このとき、巻取りロール22がコイルバネ42のバネ力に打ち勝ち、針車36が押し戻される。すなわち、レバー38は支軸40を中心として矢印C方向に回転し、コイルバネ42はさらに伸ばされ、針車36がレバー38の回転により矢印D方向に移動する。
【0041】
次に、さらに巻取りロール22によってウェブ16が巻き取られていくと、図1(c)に示すように、送出しロール20から次々にウェブ16が送り出されていくため、送出しロール20の径が徐々に小さくなっていく。一方、巻取りロール22はウェブ16を巻き取っていくため、その径が徐々に大きくなっていく(状態3)。
【0042】
このとき、送出しロール20と巻取りロール22の径の和は、状態1と同じになり、状態2の場合よりも小さくなる。したがって、巻取りロール22が針車36に及ぼす圧力よりもコイルバネ42のバネ力の方が大きくなるため、レバー38が支軸40を中心として矢印E方向に回転し、針車36が巻取りロール22を押し戻す。この結果、巻取りロール22がウェブ16を介して送出しロール20の外周に接触するので、送出しロール20が溝部材34の直線部35を移動し箱体の側壁32に押しつけられる。
【0043】
ここで、ウェブ16が必要とするスペースの有効利用の効果について、具体的に数値を代入して説明する。
【0044】
以下に示す数値は、巻取りロール22及び送出しロール20の芯の径は共に12mm、使用するウェブは厚さ0.07mm、長さ12mのものを基準とした場合である。
【0045】
先ず、図5及び図6に示すように、従来の定着装置10では、ウェブ16が一方のロール20にすべて巻かれたときのロール20の径は34.8mm、ウェブ16が半分巻かれたときの径は26mmである。そして、2つのロール20、22間のクリアランスXを1.5mmとしているので、ウェブ16の所要スペースYの幅は、62.3mmとなる。
【0046】
これに対して、本発明の定着装置30においては、同じサイズの巻取りロール22、送出しロール20及びウェブ16を使用する場合には、図2(a)に示すように、ウェブ16を52mmのスペース幅に収めることができる。したがって、従来と比して17%の幅寸法を節約することができる。
【0047】
また、図2(b)に示すように、従来のウェブ16に要するスペースYを62.3mmの状態で、このスペースYに収めることができる巻取りロール22又は送出しロール20の最大の径は共に31.15mmとなる。そして、ウェブ16の厚さを0.07mmのままとすると、ウェブ16の長さは18.6mとなる。したがって、従来のウェブ16の長さである12mと比べて、55%延長することができる。
【0048】
以上のように、巻取りロール22と送出しロール20の芯は溝部材34により円周方向にスライド可能に保持されており、巻取りロール22と送出しロール20が針車36からの圧力により各径の変化に合わせて自動的にスライドするので、ウェブ16の巻き始めから巻き終わりまでに無駄なスペースが発生しない。
【0049】
すなわち、従来技術で述べたように、ウェブ16の巻き始めのときに巻取りロール22にウェブ16が全て巻き取られて巻取りロール22の径が最大となるため予め確保しておくスペースと、ウェブ16の巻き終わりのときに送出しロール20の径が最大となるスペースとを無駄なく利用することができる。さらに、巻取りロール22と送出しロール20とを接触させることにより、2つのロール20、22間のクリアランスXも不要とすることができる。
【0050】
したがって、ウェブ16に要するスペースの有効利用を図ることができ、特殊なウェブを用いることなく、かつウェブ16の交換インターバルの長さを維持しながら前述した問題点1を解決することができる。
【0051】
また、巻取りロール22と接する針車36は、巻取りロール22と送出しロール20とを箱体の側壁32側へ押しつける押付部材であると共に、駆動部材でもある。このため、針車361つで、駆動手段と付勢手段を兼ねることができる。
【0052】
また、巻取りロール22自体を駆動させるのではなく、針車36の針が巻取りロール22の外周に巻き取られたウェブ16に突き刺さって駆動されるので、巻取りロール22の径が徐々に大きくなっても、ウェブ16が巻き取られる巻取速度を一定に保つことができる。このため、ウェブ16の巻き始めから巻き終わりまでの巻取速度が維持されるので、ウェブ16が送出しロール20から送り出される速度は変化せず、ウェブ16が必要以上に送出しロール20から引き出されて無駄に消費されることがない。
【0053】
したがって、複雑な機構を用いることなく、簡易な機構
(構成)で上記問題点2を解決することができる。
【0054】
さらに、送出しロール20から送り出されるウェブ16と巻取りロール22に巻き取られるウェブ16とは、送出しロール20と巻取りロール22とを結ぶ直線上で接触している。
【0055】
すなわち、送出しロール20からウェブ16は、図1の矢印H方向に送り出され、また巻取りロール22には矢印I方向に巻き取られる。このため、送出しロール20から送り出されるウェブ16と巻取りロール22に巻き取られるウェブ16とが接触点においてそれぞれ対向する方向に移動するため、送出しロール20から送り出されるウェブ16には常に矢印H方向と逆方向の力がかかり、常にピンと張った状態で送り出される。
【0056】
また、上記したように、送出しロール20は巻取りロール22と箱体の側壁32とに押圧されているので、いわゆるブレーキがかかった状態になっており、紙つまりが発生して詰まった用紙を除去するときなどに加熱ロール12を逆回転させたとしても、送出しロール20からウェブ16が必要以上に引き出されることがなく、たるみが発生することはない。
【0057】
なお、巻取りロール22と送出しロール20とがウェブ16を介して接触しても、加熱ロール12のクリーニングで汚れた面と反対側の面で接触しているので、送出しロール20から送り出されるウェブ16を汚すことはない。
【0058】
したがって、専用の機構を設けず、簡易な方法で上記問題点3を解決することができる。
【0059】
次に、本発明の第2実施形態に係る定着装置について説明する。
【0060】
第1実施形態においては、送出しロール20、巻取りロール22及び針車36を一直線に並べて配置したが、本実施形態における定着装置46はレイアウトの制約から針車36の位置を変えて構成したものである。なお、第1実施形態と同じ構成のものは同符号を付すると共に、適宜構成を省略して説明する。
【0061】
図3に示すように、針車36は、送出しロール20と巻取りロール22を結んだラインから略90度の位置(図3では巻取りロール22の上部)に配置されている。そして、針車36はその両端を2本の支持棒48で回転可能に支持されており、支持棒48の他端は針車36と巻取りロール22間の圧力を調整するためのコイルバネ43が取り付けられている。なお、このコイルバネ43の他端は側壁32に固定されている。また、支持棒48の略中心には箱体の内壁に形成された支軸40が挿通し、回転可能に支持している。なお、針車36は図示しないモータによって回転駆動される。
【0062】
一方、かかる位置に針車36を設けると、第1実施形態のように、針車36が巻取りロール22及び送出しロール20を箱体の側壁32に押し付ける機能をもたなくなる。
【0063】
そこで、図3に示すように、本実施形態では、巻取りロール22の外周に接触して付勢する押付棒50が配置されている。この押付棒50は、巻取りロール22に接触する押圧部50aと、コイルバネ52が取りつけられる支持部50bとで構成されている。支持部50bの先端には、箱体の側壁32に一端が取り付けられたコイルバネ52が自然長より伸びた状態で取りつけられている。また、押付棒50の略中央には箱体の内壁に形成された支軸54により回転可能に支持されている。
【0064】
本実施形態によれば、モータにより針車36が回転駆動されて、巻取りロール22が回転し、ウェブ16を巻き取っていく。また、巻取りロール22は押付棒50により矢印J方向に押し付けられているので、ウェブ16を介して接触している送出しロール20を側壁32に押し付ける。
【0065】
したがって、本実施形態の定着装置46においても、簡易な構造で、ウェブ16に要するスペースを有効に利用することができ、また、ウェブ16を巻き取る巻取速度を一定に維持することができ、また、専用の機構を用いず、簡易な機構で送出しロール20からウェブ16の必要以上の引き出しを防止することができる等、第1実施形態の定着装置と略同様の効果を得ることができる。
【0066】
また、上記効果に加えて、針車36を送出しロール20と巻取りロール22とを結ぶライン上から離れた位置に配置することができるので、レイアウトの自由度を増すことができる。さらに、専用の押付棒50を用いると、駆動手段として針車36を用いない場合にも、ウェブ16に要するスペースを有効に利用することができる。
【0067】
次に、本発明の第3実施形態に係る定着装置について説明する。
【0068】
本実施形態における定着装置60は、第1実施形態の定着装置30の巻取りロール22と送出しロール20がウェブ16を介して接触するのに対し、PET(ポリエチレンテレフタレート)フイルム62を介して接触しているものである。
【0069】
このPETフィルム62は、加熱ロール12と接触して巻取りロール22に巻き取られたウェブ16の汚れた面を送出しロール20に巻かれているウェブ16に直接接触させないために設けられている。
【0070】
このため送出しロール20から送り出されるウェブ16は、送出しロール20と箱体の側壁32と接触する位置から送り出され、巻取りロール22と針車36と接触する位置から巻き取られる。
【0071】
したがって、本実施形態の定着装置60においても、上記各実施形態と同様に、ウェブ16に要するスペースを有効に利用することができ、ウェブ16の巻取速度を一定にすることができると共に、送出しロール20から送り出されるウェブ16が側壁32と接触しながら引き出されるため、側壁32との摩擦によりウェブ16にブレーキが作用したるみを防止することができる。
【0072】
なお、上記各実施形態においては、加熱ロール12をクリーニングする場合を説明したが、加熱ロール12に限られず、加熱フィルムをクリーニングする場合、また、加圧ロール14をクリーニングする場合にも適用することができる。
【0073】
また、巻取りロール22を回転駆動させる駆動手段として針車36を例示したが、巻取りロール22の外周と十分な摩擦が得られるものであればよい。
【0074】
また、第3実施形態において巻取りロール22と送出しロール20とはPETフイルム62を介して接触しているが、これに限られず、省スペースを妨げない薄いフイルム状のものであればよい。
【0075】
【発明の効果】
本発明の定着装置によれば、特殊なウェブを用いることなく、ウェブに要するスペースを有効に利用することができ、かつウェブの交換インターバルを長くする。
【0076】
また、複雑な機構を用いず、ウェブの送り速度を一定にすることができる。
【0077】
また、専用の機構を設けずして簡易にウェブのたるみを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1実施形態に係る定着装置の作動開始前の状態を示した状態図であり、(b)は定着装置の作動中の状態を示した状態図であり、(c)は定着装置の作動後の状態を示した状態図である。
【図2】(a)は本発明の定着装置におけるウェブに要するスペースを示した図であり、(b)は従来のスペースで配置することができる送出しロール及び巻取りの大きさを示した図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る定着装置の概略構成図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る定着装置の概略構成図である。
【図5】従来の定着装置の概略構成図である。
【図6】従来の定着装置の作動中を示した状態図である。
【符号の説明】
12 加熱ロール(加熱部材)
14 加圧ロール
16 ウェブ(帯材)
20 送出しロール
22 巻取りロール
30、46、60 定着装置
34 溝部材(保持手段)
36 針車(駆動手段、付勢手段)
38 支持棒(付勢手段)
42 コイルバネ(弾性体、付勢手段)
62 PETフイルム(シート状部材)
Claims (5)
- 加熱源により加熱される加熱部材と、前記加熱部材と圧接回転する加圧ロールと、前記加熱部材あるいは前記加圧ロールの少なくとも1方に圧接してクリーニングする帯材と、前記帯材を送り出す送出しロールと、送り出された前記帯材を巻き取る巻取りロールと、前記巻取りロールを駆動させる駆動手段と、が設けられた定着装置であって、
前記巻取りロールと前記送出しロールの軸部をスライド可能に保持する保持手段と、
前記巻取りロールと前記送出しロールのどちらか一方を付勢し、前記送出しロールから送り出される前記帯材と前記巻取りロールに巻き取られた前記帯材とを接触させる付勢手段と、
が設けられたことを特徴とする定着装置。 - 前記駆動手段は前記巻取りロールに巻き取られた前記帯材に接触して該巻取りロールに回転駆動力を与える駆動ロールであることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記駆動ロールは前記付勢手段を兼ねるものであり、
前記駆動ロールは、前記巻取りロールのスライド方向に移動可能に支持棒で支持され、前記支持棒には前記駆動ロールが前記巻取りロールを押圧する方向に付勢する弾性体が設けられたことを特徴とする請求項2に記載の定着装置。 - 前記送出しロールから送り出される送出し帯材と前記巻取りロールに巻き取られる巻取り帯材とは、前記送出しロールと前記巻取りロールとを結ぶ直線上で接触していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記送出しロールと前記巻取りロールとに巻き取られた帯材はシート状部材を介して接触していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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