JP4588901B2 - コンクリートの欠陥検査方法およびコンクリートの欠陥検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネルなどのコンクリートの健全性を、走行しながら非接触で検知し、その剥落危険度を総合的に判断するコンクリートの欠陥検査方法およびコンクリートの欠陥検査装置に関するものである。
トンネル内の覆工コンクリートの落下事故をはじめとするコンクリート構造物の劣化現象が社会的に大きな問題となっている。コンクリートの落下事故は、コールドジョイントやひびわれ、空洞などの欠陥が原因となって起こる。こうした落下事故を未然に防ぐため、現在欠陥の詳細調査が行われている。詳細調査はひびわれの目視調査と打撃法による空洞のチェックが一般的であり、弾性波や超音波法などを用いた詳細な調査が行われる場合もある。
しかし、現在日本に建設されているコンクリート構造物全てを詳細に調査することは、多大な労力と時間を要することは言うまでもない。さらに、コンクリート中のひびわれや欠陥は種々の要因により、時間の経過と共に進行するものであるため、継続的な調査が必要である。
我が国における基幹交通の安全性を確保する上で、コンクリート構造物の健全性を日常的に管理できるような技術を早急に確立することが求められていることは明白である。
こうした背景を鑑みると、今後容易かつ迅速にコンクリートの欠陥を調査、判断する技術が不可欠となる。
【0002】
【従来の技術】
トンネルの覆工コンクリートにおける剥落事故は、過去の事例から判断すると、以下に示すように表層と内部の欠陥を結ぶ斜め方向に、ひびわれが発生、つながることによって、生じていることか明らかである。
これらの欠陥を表面のひびわれからのみ判断することは、相当に困難であり、内部の欠陥の情報を合わせて取る必要がある。
【0003】
最も一般に用いられている従来法は、ひびわれ面を打撃し、その音からコンクリート片の浮き、はがれを判断する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法は多大な人力と打撃音から欠陥を判断する豊富な経験が必要であり、日常管理手法としては非効率的な手法といわざるを得ない。
【0005】
また、表面のひびわれを検知する個別の技術としては、カメラによる表面撮影、レーザー、赤外線による方法がある。覆工厚さや背面空洞などの内部欠陥を検知する方法としてレーダーによる方法や超音波を用いた内部欠陥探査法がある。
しかし、個別の手法からは剥落を判定することは困難である。
また、一般的な従来の技術は、走行車両に搭載して走行しながら検査することを想定しておらず、表1に示すように上述のいずれの技術もそれぞれ技術的な問題があり、走行する車両からトンネルの覆工コンクリートの欠陥を探知する手法としてそのまま活用することはできない。
【表1】
従来技術の課題は大きく、以下の2点に集約される。
a)単独の検査手法では剥落の危険性を十分に把握できない。
b)多くの検査方法はコンクリート面に接触した測定のため、多大の労力と時間を要するため、多大の労力と時間を要するため、日常的な安全管理技術として活用しにくい。多くの概検査技術は走行、非接触の検査に対応できない。
【0006】
上記の基本技術をベースに走行車両に搭載するシステムも幾つか考案されているが、ひびわれや剥離の危性性を正確に検知できるシステムとはなっていない。
例えば、トンネルの内部欠陥を探査するレーダー装置に関しては、特開昭62−273438号公報に示されるように、レーダーの測定位置の状況を把握するために、ビデオによるコンクリート表面撮影を組み合わせたシステムが提案されている。
【0007】
しかし、このシステムは、単にレーダーの探査位置情報を正確に知るために補助的にビデオ撮影を組み合わせたものに過ぎず、ひびわれや剥落の情報をより正確に判定するための計測機器として画像機器等が組み合わされたシステムとはなっていない。
このほか、特公平2−20941号公報のように、遠赤外線検出器を走行装置に搭載し、トンネルの輻射赤外線量を測定、ビデオ装置で記録する方法が開示されている。
【0008】
この方法は、測定面に特段の熱的変化を与えない方法であり、トンネルの覆工コンクリートなどのように、通常定常の温度条件下にある対象物に対しては、ひびわれの深さのみでは温度の変化は表面に表れないため、実用上、コンクリート内部のひびわれに関する情報は得られない。この意味では、特定の条件下にある道路構造物にのみ適用可能な技術であり、トンネルのような覆工コンクリートで良好な結果を得ることは困難である。
【0009】
また、特開平9−311029号公報では、走行装置に発光ヒータと赤外線カメラを搭載し、トンネル壁面で加熱し、剥離を検出する装置が開示されている。
この装置は、赤外ヒータを搭載して熱することにより、トンネルの覆工コンクリートの表面剥離を検出することを可能としている。
【0010】
しかし、こうした単一の赤外線情報から得られる剥離は、表面から数センチの深さの情報のみであり、過去の覆工コンクリートの剥落事故から明らかなような表面から数十センチも内部に入った欠陥や実際に剥離に繋がるような欠陥を正しく検出できない。また、精度の高い検出情報を得るためには、赤外線カメラの画角を広くすることは困難であり、トンネル内面の測定範囲広くした場合、走行車両の速度を1km/h以上に高めることは困難であると考えられる。
【0011】
また、特許第2602818号、同第2721314号では、車両に搭載した赤外線検出装置置によってトンネル覆工から発せられるカリウム40、ビスマス214、タリウム208等のガンマ線を出することにより、亀裂状態と背後の空洞、地層変化を検知する方法が開示されている。
これらの方法は、自然放射されるガンマー線をもとに覆工背後の空洞を検出することを特徴としているが放射されるガンマ線量は地層の種類毎に異なるとともに、詳細な分析が困難なため、背後の空洞を検知する精度は高くない。むしろ、背後の地層の変化を検出する程度と考えられる。
【0012】
一方、赤外線による表面検査は、特公平2−20941号公報と同様で、温度変化に乏しいトンネルの覆工コンクリートに対しては亀裂の検出すら困難である。また、この方法では覆工コンクリートの剥落を支配すると考えられる表面からコンクリート内部にわたるひびわれや欠陥の存在を知することができない。
また、特公平7−23850号公報、特開昭60−122306号公報では、走行車両にレーザー投光器とレーザ受光器を搭載し、測定面に照射したレーザーの反射から測定面のひびわれの有無を検出する装置が開示されている。
【0013】
この方法は、レーザー光を利用することで、従来の低解像度のビデオ装置やデジタルカメラの欠点を解消しており、走行しながらのひびわれ検出を可能にしている。
【0014】
しかし、赤外線による検知方法と同様、本方法のみではトンネルコンクリートの表面ひびわれを検知できるのみであり、覆工コンクリートの剥落事故に繋がる表面から内部に至る欠陥を連続的、総合的に捉えることは不可能である。
本発明はかかる従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、トンネルなどのコンクリートの健全性を、走行しながら非接触で検知し、その剥落危険度を総合的に判断するコンクリートの欠陥検査方法およびコンクリートの欠陥検査装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、画像機器、赤外線検出器、非接触タイプ電磁波レーダーを走行車両に搭載し、走行しながらトンネルのコンクリート表面の欠陥情報と、コンクリート表層部の欠陥情報と、コンクリート内部およびコンクリート背面空洞の欠陥情報とを同時に測定し、前記コンクリート表面の欠陥情報から、ひびわれの形態分析を行い、ひびわれの検査結果と赤外線の温度検査結果との相互情報からコンクリート表面から内部に入るひびわれの角度を検出し、赤外線の温度検査結果と非接触タイプ電磁波レーダーの相互情報とからコンクリート表層から内部および背後にかけての欠陥情報を得るとともに、コンクリートの剥落危険性を評価するコンクリートの欠陥検査方法で得られたコンクリートのひびわれ形態分析において、コンクリート表面の画像検査情報をもとに、ひびわれの閉合性、交差度、放射度、波うち度、密度の特徴を抽出し、コンクリートの剥落危険性を評価することを特徴とする。
【0016】
請求項2に係る発明は、画像機器、赤外線検出器、非接触タイプ電磁波レーダーを走行車両に搭載し、走行しながらトンネルのコンクリート表面の欠陥情報と、コンクリート表層部の欠陥情報と、コンクリート内部およびコンクリート背面空洞の欠陥情報を同時に測定し、前記コンクリート表面の欠陥情報から、ひびわれの形態分析を行い、ひびわれの検査結果と赤外線の温度検査結果の相互情報とからコンクリート表面から内部に入るひびわれの角度を検出し、赤外線の温度検査結果と非接触タイプ電磁波レーダーの相互情報からコンクリート表層から内部および背後にかけての欠陥情報を得るとともに、コンクリートの剥落危険性を評価するコンクリートの欠陥検査方法において、得られたコンクリート表面のひびわれの測定結果とコンクリートの表面温度分布の測定結果とをもとに、ひびわれ近傍の温度変化領域を解析し、表面に現れたひびわれが内部に進行する角度の大小を判定することを特徴とする。
【0017】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2記載のコンクリートの欠陥検査方法において、前記画像装置が、撮影画面内において200万画素以上の解像度を有するとともに、1/1000秒以上のシャッタースピードで撮影することができ、かつ撮影画像をビデオ画像として30フレーム/秒以上で画像を記録可能な撮影システムを有するビデオまたはハイビジョンビデオ装置であり、前記コンクリート表面の欠陥情報を検知し、前記赤外線検出器が、赤外線を検知することによりコンクリート表面の温度分布を測定できる装置であり、前記コンクリート表層部の欠陥情報を検知し、前記非接触タイプ電磁波レーダーが、電磁波の反射を利用したレーダー装置であり、前記コンクリート内部および背面空洞の欠陥情報を検知することを特徴とする。
【0018】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3の何れか1項記載のコンクリートの欠陥検査方法に使用されるコンクリートの欠陥検査装置において、走行車両と、前記走行車両に搭載される測定検出部と、前記走行車両に搭載されるデータ処理解析部とを備え、前記測定検出部は、トンネルのコンクリート表面の欠陥情報を検出する画像機器と、コンクリート表層部の欠陥情報を検出する赤外線検出器と、コンクリート内部およびコンクリート背面空洞の欠陥情報を検出する非接触タイプ電磁波レーダーと、前記画像機器、赤外線検出器および非接触タイプ電磁波レーダーに連絡する走査装置とを備え、前記画像装置が、撮影画面内において200万画素以上の解像度を有するとともに、1/1000秒以上のシャッタースピードで撮影することができ、かつ撮影画像をビデオ画像として30フレーム/秒以上で画像を記録可能な撮影システムを有するビデオまたはハイビジョンビデオ装置であり、前記赤外線検出器が、赤外線を検知することによりコンクリート表面の温度分布を測定できる装置であり、前記非接触タイプ電磁波レーダーが、電磁波の反射を利用したレーダー装置であり、前記走査装置には、前記走行車両を制御する走行、走査コントローラと、前記画像機器を制御するカメラコントローラおよび撮影距離検出器と、前記赤外線検出器を制御する撮影距離検出器およびサーモコントローラーと、前記非接触タイプ電磁波レーダーで、反射された電磁波のデータを受け付けるレーダーコントローラーと、前記走行、走査コントローラおよび前記走行車両の位置検出器からデータを受ける走査位置検出器と、前記撮影距離検出器、前記操作位置検出器および前記位置検出器からデータを受ける撮影位置記録装置と、前記赤外線検知器で検出されたデータを受ける表面温度データ記録装置と、前記ビデオまたはハイビジョンカメラ装置で撮影されたデータを受けるビデオレコーダとが連絡し、前記データ処理解析部は、前記ビデオレコーダからのデータを受ける画像キャプチャ部と、前記表面温度データ記録装置からのデータを受ける温度データキャプチャ部と、前記レーダーコントローラおよび前記撮影位置記録装置からのデータを受けるレーダーデータマッピング処理部と、前記画像キャプチャ部からのデータを処理する画像処理部と、前記撮影位置記録装置および前記画像処理部からのデータを受けるとともに画像マッピング処理部と、前記撮影位置記録装置からのデータを受ける温度データマッピング処理部と、前記画像マッピング処理部からのデータをDXFファイルとして格納する格納部と、前記画像マッピング処理部、前記格納部、前記レーダーデータマッピング処理部および前記温度データマッピング処理部からのデータを受け付けるリレーショナルデータベースと、統合評価、危険度判定部とを備え、前記リレーショナルデータベースは、前記画像機器に伴うデータを、画像処理と画像マッピング処理を行い、画像マッピング処理を行った画像データの圧縮画像と、前記赤外線検出器に伴う表面温度データを、温度データマッピング処理を行い、ひびわれ内部角度分析を行ったデータと、前記赤外線検出器に伴う表面温度データを、温度データマッピング処理を行い、DXFファイルのデータと重ね合わせ分析を行い、そのデータに基づいてひびわれ形態分析を行ったデータと、前記非接触タイプ電磁波レーダーに伴うデータを、レーダーデータマッピング処理を行った内部欠陥、背面欠陥のデータと、前記非接触タイプ電磁波レーダーに伴うデータを、レーダーデータマッピング処理を行い、内部欠陥、背面欠陥を温度データマッピング処理されたデータと重ね合わせ解析を行い、表層欠陥分析を行ったデータとを受け付け、前記統合評価、危険度判定部は、前記リレーショナルデータベースに格納されたデータに基づいて知識ベースの支援のもとで統合評価、危険度判定を行うことを特徴とする。
【0023】
(作用)
本発明では、従来の問題点を解決するために、種々検討の結果、以下の方法により問題を解決することとした。
a)コンクリートの表面から内部に連続的に存在する欠陥をより正確に検知するために、検知対象の異なる3種類の検査手法を組み合わせ、お互いの性能を補完、強調させることにり、剥落の危険性をより正確に判定できるようにする。
【0024】
b)延長距離のあるトンネルのような構造物の全般検査を効率的に行うことができるようにするため、走行車両に搭載する上記の各検査を測定対称面に非接触で高速の測定を可能とする検査装置とする。
図1(1)〜(3)に示すように、コンクリートの剥落事故は、表面のひびわれによってのみ生じるのではなく、このひびわれが内部の欠陥と、角度を持って繋がることにより生じている。あるいは、内部に作用する圧力が、表面部へ角度を持って繋がるひびわれを形成することによって生じている。
【0025】
このような、現象を正確に判断するためには、こうした現象に関する検査方法が必要となるが、現状では単一の検査方法で全体の欠陥情報を得る技術は確立されていない。
本発明者らは、従来の危険性度の判定方法の不充分な点を検討した結果、コンクリートの剥落の危険性をより正確に、かつ効率的に示すには、表面のひびわれ形態と、表層部の浮き、表面から内部へ入るひびわれの角度、内部欠陥の位置などの情報を評価判断する必要があると考えた。
【0026】
これを実現するために、鋭意研究した結果、コンクリートの表面部、表層部、内部の3つの部分に分け、それぞれの部分の欠陥を非接触で、かつ検知能力が高い3種類の検査装置を用い、コンクリート表面のひびわれ等の欠陥情報と、コンクリート表層部の剥離などの欠陥情報、およびコンクリート内部あるいはコンクリート背面空洞の欠陥情報を同時に測定するとともに、これらの測定結果から単独の検査情報では得られない、より精度の高い欠陥検査情報を与えることに成功した。
【0027】
また、総合的な検査を効率的に行うためには、車両で走行しながら、非接触で測定を行うことが不可欠であると考え、鋭意研究した結果、コンクリート表面の欠陥情報、コンクリート表層部の欠陥情報、およびコンクリート内部あるいはコンクリート背面空洞の欠陥情報をそれぞれについて、走行しながら非接触で測定することを可能とした最適なコンクリートの欠陥検知システムを開発した。
【0028】
本発明により、従来の検査手法では検知できなかったコンクリートの欠陥を、より迅速かつ効率的に発見できるようになった。
検査装置としては、下記の構成とした。
1.コンクリート表面の欠陥情報を検知する装置が、高解像度ビデオ、あるいはハイビジョンビデオカメラである。
【0029】
2.コンクリート表層部の欠陥情報を検知する装置が、赤外線を利用したコンクリート表面の温度分布を測定装置である。
3.コンクリート内部および背面の欠陥情報を検知装置が、電磁波を利用した内部探査装置であり、測定対象面から数10cm以上離れて測定できる測定装置を基本構成としている。
【0030】
コンクリート表面の欠陥を撮影する高解像度ビデオ、ハイビジョンカメラ、デジタルビデオカメラは、撮影画面内において200万画素以上の解像度を有するとともに、1/1000秒以上のシャッタースピードで撮影することができ、かつ撮影画像をビデオ画像として30フレーム/秒以上で画像を記録可能な撮影システムであることが必要である。
【0031】
ひびわれの検出精度は、撮影画角に対応する画素数に依存しているが、検査範囲を一定以上の走行速度で検査するためには、撮像画角は少なくとも50cm×50cm、望ましくは50cm×100cm以上の広さが必要である。この画角範囲内で0.5cm以上のひびわれを検出するためには、1辺50cmに対して1000ピクセル以上の画素数、すなわち50cm×100cmの画角では200万画素数の解像度が必要である。また、ビデオ画像として記録した画像は、記録時と同等の画素数を持つ静止画像として、キャプチャーできる必要がある。
【0032】
コンクリート表層部の欠陥情報を検知する赤外線サーモビューア装置は、コンクリート表面の温度分布を、0.1℃以下の精度で計測することができ、測定面の温度分布情報を30フレーム/秒以上の速度で測定、記録可能な撮影システムであることが必要である。
撮影画角は表面検査装置と同様、少なくとも50cm×50cm以上であることが必要であり、この画角範囲で、ひびわれ近傍の温度変化領域を精度良く測定するためには、20〜40万画素以上の分解能を有する装置を用いることが望ましい。
【0033】
また、コンクリート表面に適度の温度変化を与えるため赤外線ヒータを搭載するものとし、赤外線ヒーターの加熱時間が走行時に数秒以上になるように、走行車両に配置されているものとする。
コンクリートの内部の欠陥を検知するレーダー装置は、コンクリート内部の欠陥をコンクリート表面から50cm程度離れた位置から測定可能なタイプである必要がある。このため、レーダー用アンテナとして指向性の高いアンテナ(例えばホーンアンテナ)を採用することが望ましい。また、厚さ30cm〜70cm程度のコンクリートの内部欠陥を検出するためには、使用する電波の周波数帯は400MHz〜1.2GHzである必要がある。走行車両に搭載するレーダー装置としては、周波数可変タイプ、あるいは異なる周波数の電波を使用する複数のレーダー装置を搭載してもよい。
【0034】
また、車両で走行しながら各装置によりコンクリート面を広範囲にわたって検査できるように、ビデオカメラ、サーモビューア、レーダーそれぞれの検査装置を走査架台に設置し、高速に走査しながら測定したり、あるいはこれらの検査装置を複数台利用したりすることにより、広範囲のコンクリート面の結果を記録することが望ましい。
【0035】
各検査装置の検査結果は記録装置に保持され、後から検査位置情報に基づいて再構成する。
このため、本発明において、走行検査車両および検査装置の位置情報を測定する装置が必要である。走行検査車両および検査装置の位置情報は、車両および走査装置に位置検出装置を組み込むことにより、得ることが可能である。装置に組み込む位置検出装置はエンコーダーやレーザー変位計など所定の精度を有する任意の装置の利用が可能である。一方、検査対象とするコンクリート面と検査装置間の距離が大きく変動する可能性がある場合には、必要に応じて測定装置と被検査面までの距離情報を測定する装置を搭載する。この距離情報検出装置としてはレーザー変位計など所定の精度を有する任意の装置の利用が可能である。
【0036】
また、走行速度や測定面までの距離の変化は、取得する検査データの精度および量に影響を与えるため、測定値に応じ、所要の設定値になるように制御してもよい。
コンクリート表面のひびわれは剥落事故の可能性を評価する上で、最も重要で確実な検査情報のひとつであるが、表面のひびわれのみで『剥落』が生じると判定することは困難である。すなわち、ひびわれは必要条件ではあるが十分条件とは言えない。
【0037】
また、ひびわれ情報のうちでも、トンネルなどの進行方向に対し直行して入る単独の直線状のひびわれは、必ずしも剥落に繋がる情報とはいえない場合が多い。一方、ひびわれのうちでも、円をなすように閉じているもの、ジョイント部や端部の近傍に入るひびわれで円弧をなし、その両端が打ち継ぎ部や端部に繋がることにより閉じている場合には、剥落が生じ易いと判断される(ひびわれの閉合性)。このほか、単独のひびわれではなく、複数のひびわれが重なりあったり、或いは放射状に広がるような場合は、単独のひびわれよりも「剥落」がより起こりやすいと考えられる。また、波打ち度とは、ひびわれの直線性を示す尺度のひとつであり、波うち度が特定条件に入る場合には、圧縮作用によりひびわれが発生したものと見なされる。背面の情報との関連性によっては剥落の危険性の高い指標のひとつになる。
【0038】
本発明では、こうしたひびわれパターンによる剥落危険度の評価を与えるために、コンクリート表面の画像検査データを画像処理し、ひびわれのみの情報を抽出し(2値化処理)、これを曲線ないしは直線の数値データ(ベクトルデータ)に変換し、変換したひびわれの数値データを用いて、所定の範囲内において、ひびわれの特徴を抽出する。
【0039】
ひびわれの形態や性状は、以下の5種類のカテゴリーに対する適合度合いとして定量的に評価し、その評価値を全体の安全度評価に対する指標のひとつとすることとした。
・閉合性
・波うち度
・交差度
・放射度
・密度
ここで、閉合性とはひびわれが円のように閉じているかどうか、あるいは3本以上の直線で囲まれた独立した領域を形成するかを示す尺度とした。また、上記の指標は限定的なものではなく、方向性などの付加的な指標が追加されてもよい。
【0040】
閉合性を評価する方法としては、ひびわれを曲線補完した予測曲線の想定する始点と終点がわるかどうかを判定したり、特定領域内の複数のひびわれ曲線の交差点の座標値から評価判定する。ひびわれの波打ち度および放射度はひびわれ曲線の角度の変化率や分散性、交差痩目ひびわれ曲線の交点の数から、ひびわれ密度は特定領域における独立したひびわれの数から判定される。ただし、各指標に対する判定の手法は上記の方法に限るものではない。
【0041】
上記の指標において、閉合性、波うち度、放射度、密度の指標の高いものは、より剥落の危険性の高い欠陥と判断される。
コンクリートの剥落の危険性を判定するうえで、最も重要な判定指標としては表面の情報だけでは十分ではなく、表面から内部に進展するひびわれの角度の検知がより重要となる。
【0042】
本発明では、コンクリート表面のひびわれの測定結果とコンクリートの表面温度分布の想定結果をもとに、ひびわれ近傍の温度変化から表面に現れたひびわれが内部に進行する角度の大小の判定している。
コンクリート表面にヒータなどで温度変化を与えた後の温度変化を赤外線検出器によって測定すると、ひびわれが壁面に対し直角に入っている場合には、温度の変化としては表れないが、ひびわれが角度をもって入っており、表面と背後のコンクリートとの連続性が保たれていない場合には、温度の下降が遅く、温度変化として表れることを発見した。
【0043】
さらに研究の結果、温度の変化領域は、ひびわれの角度に依存することを見出した。すなわち,内部に進行するひびわれ角度が緩やかな場合は、ひびわれ周辺部の温度上昇量が大きく、かつ上昇領域が広く、また、ひびわれ近傍からの温度勾配も大きくなる傾向にあり、また、内部に進行するひびわれ角度が大きくなるに従って、ひびわれ周辺部の温度上昇量が小さく、かつ上昇領域が狭く、温度勾配も小さくなる傾向にあることを発見した。
【0044】
本発明では、ひびわれと温度変化領域の一致性を評価するために、表面画像を処理して得られたひびわれ曲線図と、同時に測定された赤外線による温度分布の平面図をもとに、ひびわれ周辺の温度領域の統計的な分析を行い、領域の広さを決定するとともに、その領域の温度値と周辺領域の温度値を比較することにより、コンクリート内部へ進展するひびわれの角度とひびわれの方向性を特定している。
【0045】
一方、コンクリートの表層部から内部にかけて(5cm〜30cm程度の範囲)の欠陥に関しては、赤外線による温度分布と電磁波レーダーによる検査結果を重ね合わせることにより、より高い精度で内部欠陥の情報が得られることが判明した。
本システムで用いるレーダーは被検査対象となる壁面から50cm以上離した距離から測定可能とするため、アンテナを指向性の高いもの(例えばホーンアンテナ)、また、赤外線検知式の温度分布測定装置は高速での測定、記録が可能なタイプのものを用いることが必要である。
【0046】
走行時の赤外線温度分布の測定では、内部欠陥や内部空洞が表面から5cm程度までは比較的良好な結果が得られやすいが、それ以上深い領域に関しては次第に精度が悪くなる傾向にある。一方、レーダーの検知能力は周波数によって差があるが、800M〜1GHzを用いる場合、深さ20cm〜30cm程度までの欠陥を検出可能であり、欠陥の深さ位置の検出誤差は条件によるが、おおよそ2cm程度である。赤外線による温度分布平面図と、レーダーによる一次反射面(5面反射を除く)の位置の分布図を重ねて、相関度の高さを分析することにより、それぞれ単独の結果から判定される結論より、内部の欠陥の面積、深さ情報のそれぞれについて、より精度が高い結果が得られる。
【0047】
赤外線温度分布およびレーダーの一次反射面の深さデータ(欠陥の深さ位置情報)は、被測走面であるコンクリート平面を、所定の単位のグリッドに分割し、各セルに測定データから求めらた欠陥位置の情報(測定値、あるいは層別データ)を格納する。各セルについて、欠陥情報がない場合、あるいは両者のデータが一致する箇所についてはそのデータを採用し、両者のデータが所定の範囲内で異なる場合には、測定方法の特徴に基いて設定された重み係数を乗じて平均化した値、あるいは重み係数を考慮した所定の計算式によって求められた値をデータとして再格納する。両者のデータが所定の許容値を超えて異なる場合には、測定精度に基く優先度の高い方のデータを採用する。このような方法により、内部の欠陥の形状や面積、深さ情報について、精度が高い内部欠陥の情報が得られる。両者の相関性を評価する方法としては、これらに限るのではなく、非線型の補完法やその他の方法も適用可能である。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態により説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係るトンネルのコンクリートの欠陥検査装置の概要を示す。
本実施形態では、検査車両10に、画像機器11、赤外線検出器12、非接触タイプ電磁波レーダー13を搭載し、走行しながらトンネル20のコンクリート表面の欠陥情報と、コンクリート表層部の欠陥情報と、コンクリート内部およびコンクリート背面空洞の欠陥情報を同時に測定することができるように構成されている。
【0049】
ここで、画像機器11としては、例えば、高解像度ビデオまたはハイビジョンビデオ装置が使用される。画像機器11では、コンクリート表面の欠陥情報を検知する。コンクリート表面の欠陥情報としては、例えば、ひびわれ、コールドジョイント、ジャンカなどがある。
また、赤外線検出器12が、例えば、赤外線サーモビューアなどのように赤外線を検知することによりコンクリート表面の温度分布を測定できる装置が使用される。赤外線検出器12では、コンクリート表層部の欠陥情報を検知する。コンクリート表層部の欠陥情報としては、例えば、ひびわれ、表層剥離などがある。
【0050】
非接触タイプ電磁波レーダー13が、例えば、指向性レーダーのように電磁波の反射を利用したレーダー装置が使用される。非接触タイプ電磁波レーダー13では、コンクリート内部および背面空洞の欠陥情報を検知する。コンクリート内部および背面空洞の欠陥情報としては、内部剥離および背面空洞などがある。
また、検査車両10には、図3に示すように、検査車両10,画像機器11、赤外線検出器12および非接触タイプ電磁波レーダー13を制御する測定検出部30と、画像機器11、赤外線検出器12および非接触タイプ電磁波レーダー13からのデータを処理、解析するデータ処理解析部40が設けられている。
【0051】
次に、測定検出部30およびデータ処理解析部40における処理を図3,図4により説明する。
先ず、測定検出部30では、以下の処理が行われる。
検査車両10として、走行車両が適用されており、走行、走査コントローラ31によって制御される。走行、走査コントローラ31は、走査装置32を制御し、走査位置検出器33へデータを送り、同時に、走行車両から位置検出器34を介して走査位置検出器33へデータを送る。
【0052】
画像機器11として、ハイビジョンカメラ装置が搭載されており、カメラコントローラ11aと撮影距離検出器11bにより制御される。ハイビジョンカメラ装置で撮影されたデータ(図4のハイビジョン計測データ)は、走査装置32を介してHDビデオレコーダー35へ送られる。
【0053】
赤外線検出器12として、赤外線検知温度計が搭載されており、撮影距離検出器11bとサーモコントローラー12aにより制御される。赤外線検知温度計で検出されたデータ(図4のサーモ計測データ)は、走査装置32を介して表面温度データ記録装置36へ送られる。
非接触タイプ電磁波レーダー13として、トンネル用レーダー1〜2が搭載されており、反射された電磁波のデータ(図4のレーダー計測データ)は、走査装置32を介してレーダーコントローラー37へ送られる。
【0054】
撮影距離検出器11bからのデータは、走査装置32を介して撮影位置記録装置38へ送られる。撮影位置記録装置38には、捜査位置検出器3および位置検出器34からのデータも送られてくる。
次に、データ処理解析部40では、下記の処理が行われる。
画像機器11に伴うHDビデオレコーダー35のデータは、画像キャプチャ41へ送られ、画像処理(図4の画像処理)42と画像マッピング処理43が行われ(図4の解析)、画像マッピング処理43が行われた画像データを、圧縮画像44として、リレーショナルデータベース45へ送られると同時に、DXFファイル46として格納される(図4のクラック形状 閉合、放射、密度、ほか)。
【0055】
赤外線検出器12に伴う表面温度データ記録装置36のデータは、温度データマッピング処理49が行われ、ひびわれ内部角度分析50が行われ、そのデータがリレーショナルデータベース45へ送られる(図4の鋭角ひびわれ、浮き)。同時に、DXFファイル46のデータと重ね合わせ分析が行われ(図4の重ね合わせ解析)、そのデータに基づいてひびわれ形態分析47が行われ、そのデータがリレーショナルデータベース45へ送られる(図4の鋭角ひびわれ、浮き)。
【0056】
非接触タイプ電磁波レーダー13に伴うレーダーコントローラー37のデータは、レーダーデータマッピング処理51が行われ、内部欠陥、背面欠陥53がリレーショナルデータベース45へ送られる(図4の巻厚不足、背面空洞)。同時に、温度データマッピング処理49されたデータと重ね合わせ解析が行われ(図4の重ね合わせ解析)、表層欠陥分析が行われ、そのデータがリレーショナルデータベース45へ送られる(図4の表層、内部空洞)。
【0057】
同時に、撮影位置記録装置38のデータが、画像マッピング処理43,温度データマッピング処理49,レーダーデータマッピング処理51へ送られている。
そして、リレーショナルデータベース45に格納されたデータに基づいて、図4に示すように、知識ベースの支援のもとで統合評価、危険度判定54が行われる(図4の統合評価、剥離危険度判定)。
【0058】
次に、図4に示す全体の評価フローについて説明する。
1.全体の評価フロー
剥落危険性評価の全体フローは、図4に示すように、4段階の水準からなる。
すなわち、本実施形態に係るコンクリートの欠陥検査装置による計測、各測定値の関連度評価、測定値および関連度評価からのアウトプットのデータベース化、データベースに基づいた剥落危険度の評価判定からなる。
【0059】
2.測定値の関連度評価の例
2.1 撮影画像の処理
ひびわれの形態解析の前処理
ハイビジョウンカメラで撮影された画像(動画)を静止画像に変換
2.2 ひびわれに関する定義と分析
2.2.1 ひびわれ
(1)定義
▲1▼幅が0.3mm以上で長さが30cm以上の線状の割れ目をひびわれという。
【0060】
▲2▼2本のひびわれ端部間距離が10cm以下であれば結合して1本のクラックとみなす。
▲3▼1つのひびわれの端部は2つあるいは閉合しているかのどちらかである。
▲4▼ひびわれ幅はひびわれの最大幅である。(ひびわれの中から偏ることなく3〜10個所程度抽出した中での最大値)
▲5▼ひびわれ長はひびわれの曲線長である。(構成節点間距離の累加)
(2)データの持ち方
▲1▼ひびわれはナンバーリングをする。
【0061】
▲2▼各ひびわれの構成節点座標と構成節点の所属グリッド、メッシュを書き込んだデータファイル。
・構成節点は10cm程度間隔とする。
・グリッドはメッシュを10分割した程度とする。(10cm×10cm)
▲3▼各ひびわれの方向角を書き込んだデータファイル。
【0062】
・ひびわれ全長を50cm程度毎に分割し各々の平均方向角をすべて求める。(ひびわれ長2mなら4つの角度)
・このような平均方向角をある程度まるめた値にして(例えば10°単位)ファイルに書き込む。
▲4▼各ひびわれの特徴を書き込んだファイル。
【0063】
・幅
・長さ
図5は、クラックの図解説明である。
図6は、クラックのデータファイル例を示す。
2.2.2 交差・平行・放射
(1)定義
▲1▼ある領域内に2本以上のひびわれが存在し、それぞれのひびわれの有する方向角の最大開きが一定角度以上異なる場合2本のひびわれは交差している。(ただし、ある領域は30cm×30cm程度の狭い領域)
▲2▼ある領域内に2本以上のひびわれが存在し、それぞれのひびわれの有する方向角の最大開きが一定角度未満でほぼ等しい場合2本のひびわれは平行である。(ただし、ある領域は30cm×30cm程度の狭い領域)
▲3▼ある領域内に3本以上のクラックが存在し、それぞれのひびわれの有する方向角の最大開きが一定角以上異なる場合ひびわれは放射状である。(ただし、ある領域は100cm×100cm程度の広い領域)
▲4▼ひびわれの放射度を評価する方法はこの方法に限るものではない。ある領域に存在するひびわれの方向ベクトルの始点、終点を求める方法によっても評価可能である。
【0064】
図7は、クラックの交差、平行、放射の例を示す。
(2)交差などの判断方法の一例
▲1▼メッシュをさらに10分割程度のグリッドに分割する。
▲2▼9つの判定グリッドで構成される領域を図8の▲1▼、▲2▼のように順にたどる。
▲3▼判定グリッドの中にひびわれの構成節点が存在するかを判定する。
【0065】
▲4▼もし、2つ以上のひびわれの構成節点が存在するなら、交差か平行のどちらかである。
▲5▼図8では、A〜Fが判定グリッド中心の場合に、2つのクラックの構成節点が存在している。
▲6▼これらの2つのひびわれ、クラック−1とクラック−2は、ともに2つづつの方向角を有しているが、角度の最大開きはクラック−1の140°とクラック−2の50°で90°となる。今、ひびわれの開きが30°以上の場合を交差と判定するものとすれば、90°>30°でクラック−1とクラック−2は交差していると判定される。
【0066】
▲7▼この場合交差となる判定グリッド中心は、A〜Fの6グリッドであり、さらに、これらのグリッドが隣接していることから、これら6つのグリッドを交差ファイルに書き込む。
【0067】
▲8▼交差ファイルには、交差IDと交差するひびわれ数、交差ひびわれ番号、交差グリッド座標などを記入する。
▲9▼もし、交差点グリッドが隣接していない場合は、交差点が2つ以上あることになる。
図8は交差などの判断方法の一例を示す。
【0068】
(3)データの持ち方
▲1▼交差、平行、放射は、グリッドを利用して探すものとし、交差、平行、放射それぞれをシーケンシャルにナンバーリングする。
▲2▼たとえば、交差ファイルには以下のような事項を書き込む。
・交差ナンバー
・交差点中央グリッドのグリッド座標
・交差ひびわれのナンバー
・交差点の所属メッシュ座標
▲3▼一方、ひびわれのデータファイルにも以下のような情報を加える。
【0069】
・ひびわれに存在する交差点ナンバー
・交差点の数
図9は交点データの例を示す。
2.2.3 閉合
(1)定義
▲1▼1本のひびわれで始点と終点の距離が一定距離δ以下(例えば、ひびわれ長の10%以下)のひびわれを閉合クラックとする。
【0070】
▲2▼交差点とクラックで構成される線が閉じている場合の構成クラックを閉合クラックとする。
(2)データの持ち方
▲1▼ひびわれデータとして閉合のあるなしを書き込む。
【0071】
▲2▼交差点とひびわれで構成される閉合ひびわれの判定は、交差点データとひびわれ毎の交差点データから幾何学的に閉じているかどうかを判定する。
図10は、閉合の例を示す。
2.2.4 波打ち
(1)定義
1本のひびわれの平均方向角を50cm単位に求める際の最小二乗誤差がある一定値以上のものを波打ちと定義する。
【0072】
(2)データの持ち方
ひびわれデータの属性として波打ちありなしを書き込む。
図11は、波打ちの例を示す。
3.赤外線温度分布から内部進行角度の浅いひびわれと、浮き部分の判定方法について
3.1 サーモデータから「浮き、角度の浅いひびわれ」データの抽出
(1)指標の設定
浮き、角度の浅いひびわれ領域を判定するためには、コンクリート表面温度、表面温度の変化速度などが関係し、温度変化を与えた場合、対象部分の温度は他の部分より温度が高くなる。そこで、「浮き、角度の浅いひびわれ」領域を判定するための指標を次のように設定するものとする。
【式1】
また、判定するためのλの境界値をλlim とし、
λ≧λlim
の場合に、浮き、角度の浅いひびわれ領域が存在するものと判定する。
(2)サーモ撮影記録から浮き領域の抽出
一定時間をおいて撮影された2種類のサーモ撮影記録の時系列データから、トンネルに固定されたメッシュをカバーする領域の画角をキャプチャー(capture)して、そこから浮き領域のデータを抽出するフローを図12に示す。
【0073】
(3)クラック傾斜角の算出フロー
図12に示すフローに従って、クラックの傾斜角を判定し、ある一定角度(例えば45°)以下の場合を鋭角クラックと判定する。
図13は、ローカルセルを示す。
図14は、グローバルセルとグリッドを示す。
【0074】
図15は、浮きデータの抽出を示す。
図16は、フローを示す。
図17は、浮きデータの算出を示す。
3.2 内部へのひびわれ傾斜角の算出
(1)内部へのひびわれ傾斜角の算出手法
図18,図19に示すように、ひびわれの構成節点jの近傍に浮き領域が存在する場合に、浮き領域のセル座標と構成節点におけるひびわれの接線から、式2に示すように、浮き幅2σと離れδmを算出する。
【式2】
このとき、以下の場合に領域とクラックが近接しており、傾斜角の算出を行うものとする。
|δm−σ|≦ε
ε:実験的に定める十分短い幅
傾斜角の算出は、浮き幅2σの領域の表面温度変化率データを参照し、ひびわれ位置からの温度勾配から求められる。ひびわれ角度と温度勾配の関係式は、図20,図21に示す実験結果、あるいは実験に基づく解析結果をもとに導かれる。
【0075】
例えば、表2に示すように、温度勾配とひびわれ角度の関係を示す実験結果テーブルから角度の領域が選ばれる。
【表2】
あるいは、さらに詳しい角度を求める場合には、実験あるいは解析に基づく関数式で与えることができ、関数の係数から角度を判定する。
【0076】
評価尺度として、鋭角、鈍角などの尺度を領域に返し、データベースとして格納する。
4.内部空洞、欠陥の評価
コンクリートの表層部から内部にかけて(5cm〜30cm程度の範囲)の欠陥に関しては、図22に示すように、赤外線による温度分布と電磁波レーダーによる検査結果を重ね合わせることにより、より高い精度で内部欠陥の情報が得られる。
【0077】
図23は、レーダー測定値の内部欠陥深さを示す。
図24は、レーダーと赤外線測定結果の評価合成図である。
5.背面空洞の有無
背面空洞の有無は、レーダーの出力から決定される。
6.剥落危険度評価(欠陥の全体評価)
検査された対象コンクリート面は、評価領域(例えば、1×1m)に区分され、領域毎に危険度が評価される。
【0078】
危険度評価は、上述の1〜5で記載された方法にとって評価分類された損傷データベースから対象領域の損傷データをピックアップし、従来の事故例、設計情報をベースに決められた危険度判定を参照することにより、その領域毎の危険度が判定される。
図25は、そのフローを示す。
【0079】
評価ランクは、下記の式などによって、数値的に評価されてもよい。
評価ランク={浮き}×{位置}×{覆工厚}×{ひびわれ形状}
×{ひびわれ確度}
ただし、評価結果が、「危険」、「注意」、「安全」などの3ランク程度の場合には、評価条件によって分けられた危険度テーブルを参照して、評価値が決定されてもよい。
【0080】
図26〜図34に評価フローチャートの例を示す。各フローチャートに沿って危険度が評価される。
図35は、評価判定テーブルを示す。
図36は、浮きありの場合を示す。
図37は、浮きなしの場合を示す。
【0081】
【実施例】
図1ないし図4に示すコンクリートの欠陥装置を用いてコンクリートの欠陥を検査した場合に、各検査装置により得られた結果を示す。
測定は、過去に重大な剥落を起こした事故をもとに、欠陥を再現した実大のトンネルモデル試験体(半径2.5m、長さ9m)を用いた。
【0082】
条件:走行速度5km
検査装置:ハイビジョンカメラ
サーモビューア
レーダー(1GHz)
図38は、デジタル画像を再合成し、画像処理した結果から得られたひびわれマップを再合成した結果を示す。
【0083】
閉合ひびわれ:2箇所(大きさ30cm各以上)
波うちひびわれ:2箇所
放射ひびわれ:2箇所
ひびわれ高密度域:5箇所(しきい値以上)
図39は、測定結果の一例として、ハイビジョンからのひびわれ抽出と赤外線の温度変化領域を示す。
【0084】
図40は、図20,図21に示すひびわれ周辺部の温度分布と侵入角度(A−A’断面:にびわれ侵入角度:20〜45度)のレーダーによる反射面表示図である。
【0085】
図41は、レーダー測定値のコンター図である。
図42は、ひびわれ図の上に重ね合わせた、レーダーと赤外線測定結果の評価合成コンター図である。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、トンネルなどのコンクリートの健全性を、走行しながら非接触で検知し、その剥落危険度を総合的に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】代表的なコンクリートの剥落事故のひびわれを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るトンネルのコンクリートの欠陥検査装置の概要を示す図である。
【図3】図2のトンネルのコンクリートの欠陥検査装置の概要を示すブロック図である。
【図4】図2のトンネルのコンクリートの欠陥検査装置の計測、統合評価フローを示すブロック図である。
【図5】クラックの図解説明図である。
【図6】クラックのデータファイル例を示す図である。
【図7】クラックの交差、平行、放射の例を示す図である。
【図8】交差などの判断方法の一例を示す図である。
【図9】図8は交点データの例を示す図である。
【図10】閉合の例を示す図である。
【図11】波打ちの例を示す図である。
【図12】浮き領域のデータを抽出するフローを示す図である。
【図13】ローカルセルを示す図である。
【図14】グローバルセルとグリッドを示す図である。
【図15】浮きデータの抽出を示す図である。
【図16】フローを示す図である。
【図17】浮きデータの算出を示す図である。
【図18】内部へのひびわれ傾斜角の算出手法を示す図である。
【図19】内部へのひびわれ傾斜角の算出手法を示す図である。
【図20】ひびわれ角度と温度勾配の関係式を導く実験結果を示す図である。
【図21】ひびわれ角度と温度勾配の関係式を導く実験に基づく解析結果を示す図である。
【図22】コンクリートの表層部から内部にかけて(5cm〜30cm程度の範囲)の欠陥を、赤外線による温度分布と電磁波レーダーによる検査結果を重ね合わせることにより、より高い精度で内部欠陥の情報として得るフローを示す図である。
【図23】レーダー測定値の内部欠陥深さを示す図である。
【図24】レーダーと赤外線測定結果の評価合成図である。
【図25】フローを示す図である。
【図26】評価フローチャートの例を示す図である。
【図27】評価フローチャートの例を示す図である。
【図28】評価フローチャートの例を示す図である。
【図29】評価フローチャートの例を示す図である。
【図30】評価フローチャートの例を示す図である。
【図31】評価フローチャートの例を示す図である。
【図32】評価フローチャートの例を示す図である。
【図33】評価フローチャートの例を示す図である。
【図34】評価フローチャートの例を示す図である。
【図35】評価判定テーブルを示す図である。
【図36】浮きありの場合を示す図である。
【図37】浮きなしの場合を示す図である。
【図38】デジタル画像を再合成し、画像処理した結果から得られたひびわれマップを再合成した結果を示す図である。
【図39】測定結果の一例として、ハイビジョンからのひびわれ抽出と赤外線の温度変化領域を示す図である。
【図40】図20,図21に示すひびわれ周辺部の温度分布と侵入角度(A−A’断面:にびわれ侵入角度:20〜45度)のレーダーによる反射面表示図である。
【図41】レーダー測定値のコンター図である。
【図42】ひびわれ図の上に重ね合わせた、レーダーと赤外線測定結果の評価合成コンター図である。
【符号の説明】
10 検査車両
11 画像機器
11a カメラコントローラ
11b 撮影距離検出器
12 赤外線検出器
13 非接触タイプ電磁波レーダー
20 トンネル
30 測定検出部
31 走行、走査コントローラ
32 走査装置
33 走査位置検出器
34 位置検出器
35 HDビデオレコーダー
36 表面温度データ記録装置
37 レーダーコントローラー
38 撮影位置記録装置
40 データ処理解析部
41 画像キャプチャ
42 画像処理
43 画像マッピング処理
44 圧縮画像
45 リレーショナルデータベース
46 DXFファイル
47 ひびわれ形態分析
48 温度データキャプチャー
49 温度データマッピング処理
50 内部角度分析
51 レーダーデータマッピング処理
52 表層欠陥分析
53 内部欠陥、背面欠陥
54 統合評価、危険度判定
Claims (4)
- 画像機器、赤外線検出器、非接触タイプ電磁波レーダーを走行車両に搭載し、走行しながらトンネルのコンクリート表面の欠陥情報と、コンクリート表層部の欠陥情報と、コンクリート内部およびコンクリート背面空洞の欠陥情報とを同時に測定し、前記コンクリート表面の欠陥情報から、ひびわれの形態分析を行い、ひびわれの検査結果と赤外線の温度検査結果との相互情報からコンクリート表面から内部に入るひびわれの角度を検出し、赤外線の温度検査結果と非接触タイプ電磁波レーダーの相互情報とからコンクリート表層から内部および背後にかけての欠陥情報を得るとともに、コンクリートの剥落危険性を評価するコンクリートの欠陥検査方法で得られたコンクリートのひびわれ形態分析において、コンクリート表面の画像検査情報をもとに、ひびわれの閉合性、交差度、放射度、波うち度、密度の特徴を抽出し、コンクリートの剥落危険性を評価することを特徴とするコンクリートの欠陥検査方法。
- 画像機器、赤外線検出器、非接触タイプ電磁波レーダーを走行車両に搭載し、走行しながらトンネルのコンクリート表面の欠陥情報と、コンクリート表層部の欠陥情報と、コンクリート内部およびコンクリート背面空洞の欠陥情報を同時に測定し、前記コンクリート表面の欠陥情報から、ひびわれの形態分析を行い、ひびわれの検査結果と赤外線の温度検査結果の相互情報とからコンクリート表面から内部に入るひびわれの角度を検出し、赤外線の温度検査結果と非接触タイプ電磁波レーダーの相互情報からコンクリート表層から内部および背後にかけての欠陥情報を得るとともに、コンクリートの剥落危険性を評価するコンクリートの欠陥検査方法において、得られたコンクリート表面のひびわれの測定結果とコンクリートの表面温度分布の測定結果とをもとに、ひびわれ近傍の温度変化領域を解析し、表面に現れたひびわれが内部に進行する角度の大小を判定することを特徴とするコンクリートの欠陥検査方法。
- 請求項1または請求項2記載のコンクリートの欠陥検査方法において、
前記画像装置が、撮影画面内において200万画素以上の解像度を有するとともに、1/1000秒以上のシャッタースピードで撮影することができ、かつ撮影画像をビデオ画像として30フレーム/秒以上で画像を記録可能な撮影システムを有するビデオまたはハイビジョンビデオ装置であり、前記コンクリート表面の欠陥情報を検知し、
前記赤外線検出器が、赤外線を検知することによりコンクリート表面の温度分布を測定できる装置であり、前記コンクリート表層部の欠陥情報を検知し、
前記非接触タイプ電磁波レーダーが、電磁波の反射を利用したレーダー装置であり、前記コンクリート内部および背面空洞の欠陥情報を検知する
ことを特徴とするコンクリートの欠陥検査方法。 - 請求項1ないし請求項3の何れか1項記載のコンクリートの欠陥検査方法に使用されるコンクリートの欠陥検査装置において、
走行車両と、
前記走行車両に搭載される測定検出部と、
前記走行車両に搭載されるデータ処理解析部と
を備え、
前記測定検出部は、
トンネルのコンクリート表面の欠陥情報を検出する画像機器と、
コンクリート表層部の欠陥情報を検出する赤外線検出器と、
コンクリート内部およびコンクリート背面空洞の欠陥情報を検出する非接触タイプ電磁波レーダーと、
前記画像機器、赤外線検出器および非接触タイプ電磁波レーダーに連絡する走査装置と
を備え、
前記画像装置が、撮影画面内において200万画素以上の解像度を有するとともに、1/1000秒以上のシャッタースピードで撮影することができ、かつ撮影画像をビデオ画像として30フレーム/秒以上で画像を記録可能な撮影システムを有するビデオまたはハイビジョンビデオ装置であり、
前記赤外線検出器が、赤外線を検知することによりコンクリート表面の温度分布を測定できる装置であり、
前記非接触タイプ電磁波レーダーが、電磁波の反射を利用したレーダー装置であり、
前記走査装置には、
前記走行車両を制御する走行、走査コントローラと、
前記画像機器を制御するカメラコントローラおよび撮影距離検出器と、
前記赤外線検出器を制御する撮影距離検出器およびサーモコントローラーと、
前記非接触タイプ電磁波レーダーで、反射された電磁波のデータを受け付けるレーダーコントローラーと、
前記走行、走査コントローラおよび前記走行車両の位置検出器からデータを受ける走査位置検出器と、
前記撮影距離検出器、前記操作位置検出器および前記位置検出器からデータを受ける撮影位置記録装置と、
前記赤外線検知器で検出されたデータを受ける表面温度データ記録装置と、
前記ビデオまたはハイビジョンカメラ装置で撮影されたデータを受けるビデオレコーダと
が連絡し、
前記データ処理解析部は、
前記ビデオレコーダからのデータを受ける画像キャプチャ部と、
前記表面温度データ記録装置からのデータを受ける温度データキャプチャ部と、
前記レーダーコントローラおよび前記撮影位置記録装置からのデータを受けるレーダーデータマッピング処理部と、
前記画像キャプチャ部からのデータを処理する画像処理部と、
前記撮影位置記録装置および前記画像処理部からのデータを受けるとともに画像マッピング処理部と、
前記撮影位置記録装置からのデータを受ける温度データマッピング処理部と、
前記画像マッピング処理部からのデータをDXFファイルとして格納する格納部と、
前記画像マッピング処理部、前記格納部、前記レーダーデータマッピング処理部および前記温度データマッピング処理部からのデータを受け付けるリレーショナルデータベースと、
統合評価、危険度判定部と
を備え、
前記リレーショナルデータベースは、
前記画像機器に伴うデータを、画像処理と画像マッピング処理を行い、画像マッピング処理を行った画像データの圧縮画像と、
前記赤外線検出器に伴う表面温度データを、温度データマッピング処理を行い、ひびわれ内部角度分析を行ったデータと、
前記赤外線検出器に伴う表面温度データを、温度データマッピング処理を行い、DXFファイルのデータと重ね合わせ分析を行い、そのデータに基づいてひびわれ形態分析を行ったデータと、
前記非接触タイプ電磁波レーダーに伴うデータを、レーダーデータマッピング処理を行った内部欠陥、背面欠陥のデータと、
前記非接触タイプ電磁波レーダーに伴うデータを、レーダーデータマッピング処理を行い、内部欠陥、背面欠陥を温度データマッピング処理されたデータと重ね合わせ解析を行い、表層欠陥分析を行ったデータとを受け付け、
前記統合評価、危険度判定部は、
前記リレーショナルデータベースに格納されたデータに基づいて知識ベースの支援のもとで統合評価、危険度判定を行う
ことを特徴とするコンクリートの欠陥検査装置。
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