JP5894013B2 - コンクリート表面の変状管理方法 - Google Patents

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Description

本発明はトンネル壁面等のコンクリート構造物の表面の撮影画像に画像処理を施してひび割れ、エフロレッセンス、漏水などの変状を検出するコンクリート表面変状検出装置が出力する変状情報を、前記コンクリート表面変状検出装置若しくはパソコンなどの情報処理装置を用いて個別検査に利用し易いように管理するコンクリート表面の変状管理方法に関する。
トンネル壁面等のコンクリート表面の撮影画像に画像処理を施してひび割れ、エフロレッセンス、漏水などの変状を検出するコンクリート表面の変状検出装置は、特許文献1〜6に示すように、様々な方式のものが開発されている。コンクリート表面の変状検出装置が出力する変状情報は、診断個所を特定する情報として利用されている。現場点検作業者は変状情報によって特定されたコンクリート表面の診断個所をハンマーで叩いて、打音診断により個別検査を行う。
また、コンクリート表面変状検出装置が出力する変状情報は、非接触的検査手法を用いたコンクリート内部欠陥診断システムに入力され、コンクリート表面の診断個所の特定のために利用される。非接触的検査手法を用いたコンクリート内部欠陥診断システムは、入力された変状情報に基づいてコンクリート表面の診断個所を特定し、当該診断個所に電波、超音波、或いはレーザを照射して、コンクリート内部の欠陥の有無を探査し、更には欠陥の大きさを探査する。これが非接触的検査手法を用いたコンクリート内部欠陥診断システムの個別検査であり、従来の打音診断による個別検査に代わる定量的な手法として極めて有効な検査方法である。
非接触的診断手法はコンクリート表面の診断個所の位置をmmオーダーで把握している必要は必ずしもない。非接触的検査手法を用いたコンクリート内部欠陥診断システムに必要とされる処理分解能に比べて、画像抽出の精度のほうが十分に高いからである。逆に、真値以外のノイズが含まれる可能性が高まるので、ノイズの影響を受け易くするほうが、作業効率や実用性の面でマイナスになる。
ところで、トンネル壁面等のコンクリート表面の撮影画像に画像処理を施してひび割れ、エフロレッセンス、漏水などの変状を検出するコンクリート表面変状検出装置において、画像処理で抽出された変状は、撮影画像上の座標で特定され、メモリに記憶される。そして、コンクリート表面変状検出装置が出力する変状情報も座標で特定されるものである。このため、このような座標で特定された変状情報は、現場点検作業者にとっては極めて利用し難いものであった。また、非接触的検査手法を用いたコンクリート内部欠陥診断システムにおいても、座標で特定された変状情報は利用し難いものである。個別検査の対象個所は点ではなく、或る大きさの領域であるからである。
また、トンネル壁面等のコンクリート表面の撮影画像に画像処理を施してひび割れ、エフロレッセンス、漏水などの変状を検出するコンクリート表面変状検出装置は、大掛かりな装置を必要とせず且つ処理し易いので極めて実用的である。しかしながら、抽出精度には限界がある。例えば、トンネル壁面を一例とする漏水領域などの変状領域の検出方法においては、トンネル壁面を撮像した元画像からケーブルなどの壁面添架物を取り除き、当該領域周辺の背景柄で補完する処理(以後、インペインティング処理と呼ぶ。)を施し、壁面添架物の全くないトンネル壁面画像、即ち不要物を取り除いたトンネル壁面画像を生成する前処理工程が含まれる。このような前処理工程におけるインペインティング処理で、みなし補完した部位は情報が欠落した状態であり、ひび割れなどの変状抽出が不十分となる可能性、及び抽出された変状が途切れなどにより不十分な状態で抽出される可能性がある。また、このような前処理工程では、ノイズは完全には除去できない。これは処理の限界である。従って、トンネル壁面等のコンクリート表面の撮影画像から画像処理によって変状を抽出するコンクリート表面変状検出装置において、処理の限界を補完して、個別検査の対象領域を適切に特定できることが求められている。
特開2006−2417号公報 特許第4279159号公報 特許第4006007号公報 特許第4186117号公報 特許第4488308号公報 特許第4292095号公報
本発明が解決しようとする第1の課題は、コンクリート表面の変状を個別検査に対応した適切な変状情報として提供できるコンクリート表面の変状管理方法を提供することである。
本発明が解決しようとする第2の課題は、コンクリート表面の各種変状を画像処理によって抽出する変状検出装置の処理の限界を補完して、個別検査の対象領域を適切に特定できるコンクリート表面の変状管理方法を提供することである。
本発明が解決しようとする第3の課題は、画像処理によって抽出されたコンクリート表面のひび割れ率を簡単且つ確実に算出できるコンクリート表面の変状管理方法を提供することである。
本発明の課題を解決するコンクリート表面の変状管理方法は、パソコンなどの情報処理装置を用いて個別検査に利用し易いように変状を管理する方法にであって、
コンクリート表面を撮像した原画像に補正とノイズ除去の処理を施して前処理済画像を形成する工程、前記前処理済画像から画像処理によって変状を抽出し座標値をメモリに格納する工程、異なるサイズのグリッドで前処理済画像から複数レイヤのグリッド化画像を形成し、前記グリッドと前記座標値を対応づける工程、指定した個別検査に必要とされるグリッド情報となるように、個別検査の種類と変状の種類とグリッドサイズの3つの間を関係づける工程、及び、指定した個別検査に必要とされるグリッド情報を出力する工程からなる。
本明細書で、グリッドとは撮影画像を縦横の線で小矩形に分割した区画のことであり、前記縦横の線はグリッド線、グリッド線で分割された撮影画像はグリッド化画像である。
本発明においては、異なるレイヤのグリッドで変状を管理しているので、コンクリート表面に変状が位置する箇所を、座標値でなく最適なサイズのグリッドで特定できるようになり、コンクリート構造体の個別検査が必要とする精度や種類の変状情報を適切に提供できるようになった。
また、本発明においては、グリッド化して領域として検査対象箇所を指示するので、画像処理により抽出されなかった変状部分を補完し、又は前処理工程におけるインペインティング処理でみなし補完した部位に対しては情報が欠落した状態を補完することができ、より確実な変状抽出が可能になった。
また、抽出された変状にノイズが含まれる場合でもグリッド化された単位領域に対してグリッド内でのノイズと変状のそれぞれの占有率に応じて個別検査の対象とするか否かを判定することにより、抽出された変状が途切れなどにより不十分な状態で抽出された場合でもグリッド化された単位領域に対してグリッド内の変状占有率に応じて個別検査の対象とするか否かを判定することにより、いずれの場合も変状占有率に基づいて有意な情報の出力が得られるようになった。
更にまた、本発明により、画像処理によって抽出されたコンクリート表面のひび割れ率を簡単且つ確実に算出できるようになった。
コンクリート表面の変状管理方法の処理の流れを示すフローチャートである。 変状をグリッド内での占有率で重要度を判定する処理の流れを示すフローチャートである。 重み付きひび割れ密度を求める処理の流れを示すフローチャートである。 コンクリート表面を撮影した原画像である。 原画像に補正とノイズ除去の前処理を施した前処理済画像をグリッドで分割したグリッド化画像である。 変状が位置するグリッドを背景と区別できるようにして示したコンクリート表面のグリッド化画像である。 重み付きひび割れ密度の或るランクの領域に対して、一回り拡張して検査領域とするように指示することが可能であることを示したコンクリート表面のグリッド化画像の模式図である。 検査対象領域に+符号を付けて示したコンクリート表面のグリッド化画像である。
本発明はパソコンなどの情報処理装置を用いて個別検査に利用し易いように変状を管理する方法にであって、コンクリート表面を撮像した原画像に補正とノイズ除去の処理を施して前処理済画像を形成する工程、並びに前処理済画像から画像処理によって変状を抽出し座標値をメモリに格納する工程、異なるサイズのグリッドで前処理済画像から複数レイヤのグリッド化画像を形成し、前記グリッドと前記座標値を対応づける工程、指定したレイヤで変状が位置するグリッドを有意状態にする工程、及び、個別検査に対してグリッド有意情報を出力する工程からなる
本発明の実施例1のコンクリート表面の変状管理は、パソコンを用いて行われている。パソコンは、CPU、メモリ、入力部、出力部及び液晶モニタで構成された汎用のコンピュータである。
図1は、本発明の実施例1のコンクリート表面の変状管理の流れの一例を示すフローチャートで、コンクリート表面を撮像した原画像を取得する工程S1、原画像から前処理済画像を形成する工程S2、前処理済画像から変状を抽出し変状毎に座標値をメモリに格納する工程S3、個別検査の精度に応じた最小分解能を設定する工程S4、前処理済画像を最小グリッド単位で分割した第1レイヤのグリッド化画像を形成する工程S5、例えば1cm、5cm及び10cm四方のサイズの異なるグリッドをレイヤで管理する工程S6、非検査対象とするグリッドを予め設定してマスクする工程S7、指定したグリッドレイヤで変状が位置するグリッドを有意な状態にする工程S8、現在のグリッドの有意状態でよいかを判定する工程S9及び個別検査に対してグリッド有意情報を出力する工程S10で構成されている。
工程S1は、例えばトンネル壁面等のコンクリート構造物のコンクリート表面の撮影画像である原画像をパソコンに入力し、メモリに格納する工程である。原画像は、例えば256階調のグレイスケール画像である。
工程S2では、CPUはメモリから読み出した原画像に補正とノイズ除去の前処理を施して前処理済画像を形成する。そして、CPUは形成された前処理済画像をメモリに格納する。前処理は、例えば、シェーディングによる照度ムラの補正を行う工程、周波数解析によって原画像から型枠などの周期的な線分の除去を行う工程、周波数解析によって原画像から斑点状のムラの除去を行う工程、及び周波数解析によって原画像から汚れの除去を行う工程を含む処理である。前記周波数解析は、原画像にFFTフィルターをかける画像処理である。FFTフィルターのパラメータは除去対象に応じて最適な値に選ばれる。また、前処理には、例えば、トンネル壁面を撮像した元画像からケーブルなどの壁面添架物を取り除き、取り除いた壁面添架物の領域をインペインティング処理し、壁面添架物の全くないトンネル壁面画像、即ち不要物を取り除いたトンネル壁面画像を生成する工程を含むものもある。
工程S3では、CPUはメモリから原画像を読み出して、コンクリート表面のひび割れ、エフロレッセンス、漏水などの変状を画像処理によって抽出し、変状毎の座標値をメモリに記憶する。
工程S4では、個別検査の最小分解能として例えば1cm×1cmがパソコンに設定され、メモリに記憶される。非接触的検査手法を用いたコンクリート内部欠陥診断システムの個別検査における最小分解能は通常は1cm×1cmであるからである。なお、打音診断の個別検査においては概ね10cm×10cmである。打音診断は、ハンマーを手にして検査員がトンネル覆工面をたたいて、静音(健全)濁音(異常)を聞き分けながら、通常10cm×10cm程度のピッチで行われているからである。
工程S5では、CPUはメモリから前処理済画像を読み出して、前記最小分解能に対応したサイズとして例えば1cm×1cmのグリッドで分割する。ここでは、非接触的検査手法を用いたコンクリート内部欠陥診断システムの個別検査における最小分解能1cm×1cmに対応したサイズ1cm四方のグリッドを採用しているが、この値に限定されるものではない。
工程S6では、パソコンは階層化した複数のグリッドサイズ、例えば1cm、5cm及び10cm四方のサイズの異なるグリッドをレイヤで管理する。即ち、1cm四方のサイズのグリッドを第1レイヤのグリッド、5cm四方のサイズのグリッドを第2レイヤのグリッド、10cm四方のサイズのグリッドを第3レイヤのグリッドとし、第2レイヤのグリッドは第1レイヤのグリッドの5倍、第3レイヤのグリッドは第1レイヤのグリッドの10倍とピラミッド状に階層化したグリッドのサイズをメモリに記憶する。前処理済画像を1cm、5cm及び10cm四方のサイズの異なるグリッドでそれぞれ分割されたグリッド化画像は、第1レイヤのグリッド化画像、第2レイヤのグリッド化画像及び第3レイヤのグリッド化画像となる。
100万画素で構成されている1m×1mのコンクリート表面の前処理済画像については、第1レイヤのグリッド化画像は10000個、第2レイヤのグリッド化画像は400個、及び第3レイヤのグリッド化画像は100個のグリッドで構成される。このように、階層化した異なる複数のグリッドを設定することによって、座標値でメモリに記憶されている各種変状を、複数のグリッドと対応付けることができる。従って、100万個の画素には座標値の他にグリッド情報が付与される。グリッド情報とは当該画素が属するグリッドレイヤ番号である。例えば、座標値(x1,y1)の画素は第1レイヤの1番目のグリッド、第2レイヤの1番目のグリッド、第3レイヤの1番目のグリッドに属し、座標値(x6,y1)の画素は第1レイヤの2番目のグリッド、第2レイヤの1番目のグリッド、第3レイヤの1番目のグリッドに属し、座標値(x11,y1)の画素は第1レイヤの3番目のグリッド、第2レイヤの2番目のグリッド、第3レイヤの1番目のグリッドに属し、座標値(x16,y1)の画素は第1レイヤの4番目のグリッド、第2レイヤの2番目のグリッド、第3レイヤの1番目のグリッドに属する。要するに、本発明においては、住所を番地−町名−市名−県名で表すように、各画素は例えば(x,y)−P−Q−Rの如く表してメモリに記憶される。但し、P、Q、Rはグリッド情報で、Pは第1レイヤの1から1000までのグリッド番号、Qは第2レイヤの1から400までのグリッド番号、Rは第3レイヤの1から100までのグリッド番号である。
工程S7では、CPUは非検査対象となるグリッドを予め設定し、これらのグリッドをマスクする。非検査対象となるグリッドは、変状が存在しないグリッドと既に変状対策が済んでいる箇所のグリッドである。なお、トンネル壁面に存在するケーブルや蛍光灯などの添架物は変状ではないが、これら添加物が位置するグリッドも原則として予め非検査対象となるグリッドとして予め設定される。このように、非検査対象となるグリッドをマスクすることで、個別検査のために出力されるコンクリート表面のグリッド化画像は、変状をより明確に表示したものとなる。
工程S8では、CPUは個別検査に必要とされるグリッド情報となるように、個別検査の種類と変状の種類とグリッドサイズの3つの間を関係づける処理を行う。個別検査が打音検査であれば、最小分解能は例えば10cm四方でよいので、全ての変状を原則として第3レイヤのグリッドで特定することになる。非接触的検査手法を用いたコンクリート内部欠陥診断システムの個別検査では、最小分解能は例えば1cm×1cmであるから、原則として第1レイヤのグリッドで全ての変状を特定することになる。このように、個別検査の種類と変状の種類との間には原則的に結びつく関係があるので、この原則的な結びつき関係を特定するのが工程S8である。このような結びつき関係は有意な状態である。工程S8の処理の結果はメモリに記憶される。
工程S9では、変状の種類と変状の状態によって、原則的なグリッドサイズでよいか否かを変状管理の担当者が表示されたグリッド化画像をモニタしながら、判定する工程である。コンクリート表面がトンネル壁面である場合、変状が側壁部と天頂部のいずれのコンクリート壁面に存在するかによっても、グリッドサイズは異なるので、変状が存在するコンクリート壁面の場所も考慮される。個別検査が打音検査であれば、第3レイヤのグリッド化画像が表示されるが、例えば変状がひび割れであって且つひび割れ密度が大きい場合には、更に詳細に検査する必要があると判定するであろう。また、原則として第1レイヤのグリッドで全ての変状が特定される非接触的検査手法を用いたコンクリート内部欠陥診断システムの個別検査であっても、変状が漏水の場合には第2レイヤのグリッド情報でも十分な場合がある。このような場合、工程S9の判定結果がNOであるから、当該担当者は処理の流れを工程S8に戻す操作を行う。工程S9の判定結果がYESであれば、次の工程S10に進む。
工程S10は、変状管理の担当者が個別検査に必要なグリッド情報、即ちグリッド有意情報を出力する処理である。当該担当者が打音検査を指定すれば、モニタ画面には第3レイヤのグリッド化画像が表示される。当該担当者が打音検査と変状としてひび割れを指定すれば、モニタ画面には第2レイヤのグリッド化画像が表示される。当該担当者が非接触的検査手法を用いたコンクリート内部欠陥診断システムを指定すれば、モニタ画面には第1レイヤのグリッド化画像が表示される。当該担当者が非接触的検査手法を用いたコンクリート内部欠陥診断システムと変状として漏水を指定すれば、モニタ画面には第1レイヤのグリッド化画像が表示される。モニタ画面に表示されたグリッド化画像は、例えば図8の如きもので、検査対象領域に+符号を付けて示したコンクリート表面のグリッド化画像である。
ところで、変状占有率とひび割れ密度は、個別検査が必要とするグリッド有意情報を特定する上で重要な要素である。以下、変状の占有率とひび割れ密度の算出方法について説明する。
(変状占有率)
1個のグリッド内には変状だけでなく、ノイズが含まれる場合がある。この場合、変状か否かを、当該グリッド内の変状占有率で判定する。変状占有率は、図2のフローチャートに従って算出される。先ず、CPUは変状とノイズが含まれるグリッドを特定し、グリッド単位で変状を読み出す(S811)。次に、CPUはグリッド単位で変状の占有率を算出する(S812)。変状の占有率は、当該グリッド内の変状が占める面積とノイズが占める面積を用いて算出される。続いて、CPUは変状の占有率を閾値処理する(S813)。そして、閾値処理の結果、変状の占有率が閾値を超えていれば、当該グリッドは個別検査の対象とし(S814)、超えていなければノイズと判定して個別検査の対象とはしない(S815)。
1個のグリッド内に複数の変状が含まれる場合もある。このような場合、上述の変状の占有率の考え方で、占有率の高い変状を当該グリッドに含まれる変状とする。或いは、占有率ではなく、経験則で定まる優先順位で決めることもある。例えばひび割れと漏水の2つの変状が1つのグリッドに含まれている場合、当該グリッドに含まれるのはひび割れであると判定するのである。
図2のフローチャートから理解される通り、本発明においては、抽出された変状にノイズが含まれる場合でもグリッド化された単位領域に対してグリッド内でのノイズと変状のそれぞれの占有率に応じて個別検査の対象とするか否かを判定することにより、抽出された変状が途切れなどにより不十分な状態で抽出された場合でもグリッド化された単位領域に対してグリッド内の変状占有率に応じて個別検査の対象とするか否かを判定することにより、変状占有率に基づいて有意な情報の出力が得られるのである。
(重み付きひび割れ密度)
ひび割れ密度は、ひび割れ幅やひび割れ長さと共に、トンネル健全度を診断する上で重要な指標となっている。そこで、トンネル覆工面の撮影画像を縦横のグリッド線で小矩形に分割してグリッド化し、数式1で定義する重み付きひび割れ密度Σを算出するようにした。

但し、Lは対象範囲内に存在するひび割れの長さ、Sは対象範囲の面積である。また、αは係数で、ひび割れの発生部位やひび割れ同士の隣接度合に応じて0.0<α<1.0の値をとる。αが大きいほど重み(乗率)が増え、要注意度が上がることを意味する。このように、係数αを含む数式1で算出されるひび割れ密度を、重み付きひび割れ密度と定義する。
重み付きひび割れ密度Σの算出とひび割れの評価の処理は,図3のフローチャートに従って行われる。先ず、CPUはひび割れが存在する対象範囲内のひび割れの長さLを算出し、メモリに記憶する(S821)。対象範囲は、一般に図6や図7に示す如く隣り合うn個のグリッドで構成されている。従って、ひび割れの長さLはグリッド毎のひび割れ長さLnを算出し、これを合計して求められる。グリッド毎のひび割れ長さLnは、例えば当該グリッドを構成する画素を利用すれば容易に求められる。
続いてCPUは、対象領域の面積を算出し、メモリに記憶する(S822)。対象範囲はn個のグリッドで構成されている。従って、対象領域の面積は、n個のグリッドの面積の合計である。そして、各グリッドの面積はこれを構成する画素の面積から容易に求められる。
続いてCPUは、メモリからひび割れの長さL、対象範囲の面積S及び係数αを読み出して、数式1の演算を行って、ひび割れ密度Σを算出し、メモリに記憶する(S823)。
続いてCPUはメモリから重み付きひび割れ密度Σを読み出し、上限閾値として例えば1平方メートル当たり2.0メートルを超えているか否かを判定する(S824)。判定の結果がYESなら、当該ひび割れはAランクのひび割れと判定する(S825)。判定の結果がNOならば次の工程(S826)に進む。
工程S826では、CPUは重み付きひび割れ密度Σが下限閾値として例えば1平方メートル当たり2.0メートルを下回っているか否かを判定する。判定の結果がYESなら、当該ひび割れはCランクのひび割れと判定する(S828)。判定の結果がNOならば、当該ひび割れは前記上限閾値として例えば1平方メートル当たり5.0メートル以下で且つ前記下限閾値として例えば1平方メートル当たり2.0メートル以上であるから、これをBランクのひび割れと判定する(S827)。
上述の如く、重み付きひび割れ密度Σは、変状を含む検査対象範囲をグリッドで特定し、グリッドを利用することにより簡単確実に算出できる。そして、重み付きひび割れ密度Σは閾値処理によってA,B,Cの3つにランク付けられる。重み付きひび割れ密度ΣがAランクと判定された場合は更に詳細にひび割れの度合いを調べることもできる。例えば、グリッドサイズが第3レイヤであれば第2レイヤのグリッドサイズに変更して、重み付きひび割れ密度Σを改めて算出する。このようにすることで、検査対象個所を適切に絞り込むことができる。
また、重み付きひび割れ密度ΣがAランクと判定された場合は、速やかに対策を施す必要のある箇所であるAランクのグリッドの周辺を、例えば一回り拡張して検査領域とするように指示することが可能である。図7の例では、略S字状のひび割れが存在する15個のグリッドで構成されたひび割れ存在領域がAランクであるとすると、前記ひび割れ存在領域を構成する15個のグリッドから上下±3個のグリッドで構成された領域並びに前記ひび割れ存在領域を構成する15個のグリッドから左右±3個のグリッドで構成された領域まで拡張して検査領域とするように指示することが可能である。
このように、ひび割れが存在する対象範囲を重み付きひび割れ密度Σを算出して重要度に応じてA,B,Cの3つにランク付けすることによって、個別検査に対するグリッド有意情報を適切に出力することができる。即ち、ランクに応じて色分けして表示することで点検作業者にひび割れ状況を分かりやすく情報を伝えることができる。また、Cランクの領域は周辺への拡張を行わないが、Bランクの周辺はAランクに準じて少しだけ一回り拡張して検査領域とするなど、作業精度の向上と作業時間の短縮を図ることができるようになった。本発明において、ひび割れ率は重み付きひび割れ率であって、ひび割れの発生部位やひび割れ同士の隣接度合を反映した係数を含む算定式を用いて算出されることを特徴とするものであり、これによって個別検査に対するグリッド有意情報がより高い精度となるのである。














































Claims (7)

  1. パソコンなどの情報処理装置を用いて個別検査に利用し易いように変状を管理するコンクリート表面の変状管理方法にであって、
    コンクリート表面を撮像した原画像に補正とノイズ除去の処理を施して前処理済画像を形成する工程、
    前記前処理済画像から画像処理によって変状を抽出し座標値をメモリに格納する工程、
    異なるサイズのグリッドで前処理済画像から、複数レイヤのグリッド化画像を形成し、前記グリッドと前記座標値を対応づける工程、
    指定された個別検査に必要とされるグリッド情報となるように、個別検査の種類と変状の種類とグリッドサイズの3つの間を関係づける工程、及び、
    指定された個別検査に必要とされるグリッド情報を出力する工程からなるコンクリート表面の変状管理方法。
  2. 前記複数の異なるレイヤのグリッドのサイズは階層化されたものであることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート表面の変状管理方法。
  3. 前記複数の異なるレイヤは少なくとも3つであることを特徴とする請求項2に記載のコンクリート表面の変状管理方法。
  4. 前記複数の異なるレイヤの最下層のレイヤは、そのグリッドが個別検査の最小分解能に対応したサイズであることを特徴とする請求項2又は3に記載のコンクリート表面の変状管理方法。
  5. 変状が位置するグリッドは重要度に応じてランク分けされる工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のコンクリート表面の変状管理方法。
  6. 前記変状が位置するグリッドのランク付けは、ひび割れ率を算出して行われることを特徴とする請求項5に記載のコンクリート表面の変状管理方法。
  7. 前記ひび割れ率は、重み付きひび割れ率であって、ひび割れの発生部位やひび割れ同士の隣接度合を反映した係数を含む算定式を用いて算出されることを特徴とする請求項6に記載のコンクリート表面の変状管理方法。






















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