JP4588626B2 - 楽曲再生装置、再生制御方法、および、プログラム - Google Patents
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Description
そのため、ユーザは、種々の楽曲データを楽曲再生装置に格納し、出先等であっても、好みの楽曲を自由に選んで聴くことができる。
まず、パソコン(パーソナルコンピュータ)にて、音楽ソースから所定形式の楽曲データ(楽曲再生装置にて再生可能となる楽曲データ)への変換が行われる。例えば、音楽用CDの各トラック(楽曲)が、それぞれMP3(MPEG1 Audio Layer3)形式の楽曲データに変換される。この際、各楽曲データには、原理的に、先頭や末尾に無音部(無音データ部)が付加される。
そして、パソコンと楽曲再生装置とが有線等にて接続された状態で、変換後の各楽曲データがパソコンから楽曲再生装置に転送されて格納される。例えば、パソコンにて音楽用CDのタイトル(アルバムタイトル名等)のフォルダが作られ、そのフォルダ内に各楽曲データが変換された場合、このフォルダごと、楽曲再生装置に送られて格納される。つまり、MP3形式で楽曲データを生成する際、MP3規格上の最小のデータサイズによって楽曲データが生成されるため、楽曲最後部分は無音部分が生じてしまう。この他、曲区切りを明確にするため、MP3形式の楽曲データ生成時に、意図的に曲頭若しくは曲尾(若しくはその両方)に無音部分を挿入することもある。
これは、上述したように、変換時において各楽曲データの先頭や末尾に無音部が付加されてしまうことに起因している。そのため、曲間のある通常の音楽ソースを変換した場合では気が付かないものの、曲間のない音楽ソースを変換した場合では、楽曲間で無音となり、ユーザには、あたかもノイズのように聞こえてしまっていた。
そのため、曲間のない音楽ソースから変換した楽曲データを再生する際に、間隔(曲間)が空かない連続再生、いわゆる「ギャップレス再生」を行うことのできる楽曲再生装置の実現が求められていた。
先頭と末尾の少なくとも一方に無音部が付加されている楽曲データを順次再生する楽曲再生装置であって、
先に再生する第1の楽曲データの末尾部分の無音部を除く所定の区間の第1の平均ボリューム値と、後に再生する第2の楽曲データの先頭部分の無音部を除く所定の区間の第2の平均ボリューム値とをそれぞれ求め、前記第1の平均ボリューム値と前記第2の平均ボリューム値とが所定範囲内にある場合に、前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとは連続性を有すると判定する連続性判定手段と、
前記連続性判定手段によって前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとが連続性を有すると判定された場合に、前記第1の楽曲データの末尾に付加されている無音部と前記第2の楽曲データの先頭に付加されている無音部とを削除した状態で、前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとを連続的に再生する連続再生手段と、
を備えることを特徴とする。
先頭と末尾の少なくとも一方に無音部が付加されている楽曲データを順次再生する楽曲再生装置における再生制御方法であって、
先に再生する第1の楽曲データの末尾部分の無音部を除く所定の区間の第1の平均ボリューム値と、後に再生する第2の楽曲データの先頭部分の無音部を除く所定の区間の第2の平均ボリューム値とをそれぞれ求め、前記第1の平均ボリューム値と前記第2の平均ボリューム値とが所定範囲内にある場合に、前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとは連続性を有すると判定する連続性判定ステップと、
前記連続性判定ステップにて前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとが連続性を有すると判定された場合に、前記第1の楽曲データの末尾に付加されている無音部と前記第2の楽曲データの先頭に付加されている無音部とを削除した状態で、前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとを連続的に再生する連続再生ステップと、
を備えることを特徴とする。
前記連続性判定ステップは、前記第1の楽曲データの再生と並行して、前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとの連続性の判定を行ってもよい。
コンピュータを、
先頭と末尾の少なくとも一方に無音部が付加されている先に再生する第1の楽曲データの末尾部分の無音部を除く所定の区間の第1の平均ボリューム値と、先頭と末尾の少なくとも一方に無音部が付加されている後に再生する第2の楽曲データの先頭部分の無音部を除く所定の区間の第2の平均ボリューム値とをそれぞれ求め、前記第1の平均ボリューム値と前記第2の平均ボリューム値とが所定範囲内にある場合に、前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとは連続性を有すると判定する連続性判定手段、
前記連続性判定手段によって前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとが連続性を有すると判定された場合に、前記第1の楽曲データの末尾に付加されている無音部と前記第2の楽曲データの先頭に付加されている無音部とを削除した状態で、前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとを連続的に再生する連続再生手段、
として機能させることを特徴とする。
この楽曲再生装置は、例えば、MP3(MPEG1 Audio Layer3)形式の楽曲データを再生可能なデジタルプレーヤ等からなり、制御部10と、記憶部11と、表示部12と、操作部13と、音声出力端子103と、を備えている。
連続再生処理アプリケーション15aは、CPU100に連続再生処理を行わせるためのプログラムである。この連続再生処理では、再生する楽曲データが、例えば、ライブ音源など曲間がないような音楽ソースから変換されたものである場合に、間隔(曲間)が空かない連続再生(ギャップレス再生)を行う。
具体的には、複数の楽曲データを続けて再生する際に、先後(前後)の楽曲データの連続性を判定し、連続性があると判別した場合に、先に再生する楽曲データの末尾に付加された無音部や、後に再生する楽曲データの先頭に付加された無音部を削除する。そして、無音部を削除した各楽曲データを連続して再生することで、ギャップレス再生を実現する。
具体的には、CPU100が割り込みの発生(割り込みコントローラ101から供給される割り込み発生信号)を検出した際に、A/Dコンバータ14から供給される電圧値に基づいて、キー処理ドライバ15cがキーコード(操作部13にて押下されたキーのコード)を特定する。そして、キーコード処理アプリケーション15bが、そのキーコードに対応付けられた処理(例えば、再生対象となるフォルダの指定等)を実行する。
例えば、RAM104には、再生対象となる楽曲データが適宜ロードされ、デコードに使用される。そして、デコードされたデータが、音声信号出力部112に順次供給される。
なお、複数の楽曲データを続けて再生する際に、先に再生する楽曲データの先頭部分と後に(次に)再生する楽曲データの末尾部分がそれぞれデコードされる。そして、これら先頭部分と末尾部分との関係に基づいて、先後の楽曲データの連続性が判別される。
なお、音声信号出力部112には、アンプ(増幅器)等が含まれており、CPU100等により設定された増幅率にて音声信号を増幅した後に、音声出力端子103に出力する。
一例として、記憶部11には、MP3形式に変換された楽曲データ(拡張子がMP3のファイル)が、図2(a)に示すようなファイル構造にて記憶されている。この例の場合では、各フォルダ内に、楽曲データがそれぞれ記憶されている。なお、FOLDER1(Summer Live)内には、曲間のない音楽ソースから変換された楽曲データが格納されており、また、FOLDER2(Best Album)内には、曲間のある音楽ソースから変換された楽曲データが格納されているものとする。
なお、図2(b)では、無音データ部BKが先頭及び末尾の両方に付加されている場合を示しているが、これ以外にも、先頭だけ又は末尾だけに、無音データ部BKが付加されている楽曲データも存在し得るものとする。
具体的に表示部12は、各楽曲データを一覧表示したり、楽曲データが格納された各フォルダを一覧表示する等により、ユーザが再生対象の楽曲データを容易に選択できるようにする。一例として、表示部12にフォルダの一覧が表示されている状態で、ユーザにより操作部13が操作され、任意のフォルダが選択されると、そのフォルダ配下の各楽曲データが順に再生される。
つまり、ユーザは、操作部13の各キーを適宜操作し、所望の楽曲データの再生指示等を入力することになる。
なお、この連続再生処理は、例えば、ユーザによる操作部13のキー操作によって、記憶部11における任意のフォルダが選択された状態で、ROM16から連続再生処理アプリケーション15aがCPU100に読み出されて開始される。
なお、次の楽曲データがない場合、つまり、現在再生中の楽曲データがフォルダ内における最後の楽曲データである場合に、制御部10は、以降のステップS16〜S20の処理を飛ばして、ステップS21に処理を進めるものとする。
すなわち、制御部10は、先後の楽曲データ(現在再生している楽曲データと、次に再生する楽曲データと)の連続性を判別するために、各区間平均ボリューム値を比較する。
一方、各区間平均ボリューム値が等しいと判別した場合に、制御部10は、楽曲番号Nの楽曲データの末尾、及び、楽曲番号N+1の楽曲データの先頭に付加された無音部を削除する(ステップS20)。つまり、図4(a)に示す現在再生している楽曲データ(楽曲番号Nの楽曲データ)の末尾に付加された無音データ部BK1を削除し、更に、図4(b)に示す次に再生する楽曲データ(楽曲番号N+1の楽曲データ)の先頭に付加された無音データ部BK2を削除する。
なお、末尾部分や先頭部分に無音部(無音データ部)が付加されていない場合もあり、この場合は、削除が不要となる。
この際、上述したステップS20にて、楽曲データの末尾から無音部が削除されている場合に、図4(a)に示す楽曲データ部SG1の終端で、再生が終了する。なお、より詳細には、ギャップレス再生を実現するために、楽曲データ部SG1の終端間際にて、再生終了が判別されるものとする。
すなわち、図4(c)に示すように、楽曲データ部SG1の終端と、楽曲データ部SG2の先頭との間に無音データ部(間隔)がなく、楽曲データ部SG1から楽曲データ部SG2が続けて再生されることにより、ギャップレス再生が実現されることになる。この場合、具体的には、読み出された楽曲データをメモリするRAM104に楽曲データ部SG1を順次メモリし、楽曲データ部SG1の無音部のあった位置、つまり無音部に代えて楽曲データ部SG2の先頭を順次メモリすることで、連続再生、いわゆるギャップレス再生が実現される。
一方、楽曲番号Nが全曲数より大きい(全楽曲の再生が完了した)と判別した場合に、制御部10は、連続再生処理を終了する。
この結果、曲間のない音楽ソースから変換した楽曲データを適切に連続再生することができる。
例えば、末尾部分(先の楽曲データ)の波形データと、先頭部分(次の楽曲データ)の波形データとを比較することにより、先後の楽曲データにおける連続性を判別してもよい。
しかしながら、パソコン側で楽曲データに変換する際に、区間平均ボリューム値等を求め、求めた区間平均ボリューム値等を楽曲データのヘッダ情報に記憶するようにし、楽曲再生装置側では、ヘッダ情報から区間平均ボリューム値等を読み出して比較し、楽曲データの連続性を判別するようにしてもよい。
更に、パソコン側で楽曲データに付加された無音部の有無等をヘッダ情報に記憶するようにしてもよい。つまり、楽曲再生装置側は、ヘッダ情報から楽曲データの連続性を判別するだけでなく、ヘッダ情報の無音部の有無に従って、その楽曲データから無音部を削除する。
この場合、フォルダ単位の再生を行う際に、楽曲再生装置側で連続性の判別を省くことができる。
なお、この連続再生処理は、例えば、ユーザによる操作部13のキー操作によって、記憶部11における任意のフォルダが選択された状態で、ROM16から他の連続再生処理アプリケーションがCPU100に読み出されて開始される。
一方、連続性があると判別した場合に、制御部10は、楽曲番号Nの楽曲データの末尾、及び、楽曲番号N+1の楽曲データの先頭に付加された無音部を削除する(ステップS36)。なお、末尾部分や先頭部分に無音部が付加されていない場合もあり、この場合は、削除が不要となる。
一方、楽曲番号Nが全曲数より大きい(全楽曲の再生が完了した)と判別した場合に、制御部10は、連続再生処理を終了する。
この結果、曲間のない音楽ソースから変換した楽曲データを適切に連続再生することができる。
例えば、ATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Coding)やATRAC3方式、及び、AAC(MPEG2-Advanced Audio Coding)方式等に変換された楽曲データを再生する場合にも、適宜適用可能である。
11 記憶部
12 表示部
13 操作部
103 音声出力端子
112 音声信号出力部
Claims (5)
- 先頭と末尾の少なくとも一方に無音部が付加されている楽曲データを順次再生する楽曲再生装置であって、
先に再生する第1の楽曲データの末尾部分の無音部を除く所定の区間の第1の平均ボリューム値と、後に再生する第2の楽曲データの先頭部分の無音部を除く所定の区間の第2の平均ボリューム値とをそれぞれ求め、前記第1の平均ボリューム値と前記第2の平均ボリューム値とが所定範囲内にある場合に、前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとは連続性を有すると判定する連続性判定手段と、
前記連続性判定手段によって前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとが連続性を有すると判定された場合に、前記第1の楽曲データの末尾に付加されている無音部と前記第2の楽曲データの先頭に付加されている無音部とを削除した状態で、前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとを連続的に再生する連続再生手段と、
を備えることを特徴とする楽曲再生装置。 - 前記連続性判定手段は、前記第1の楽曲データの再生と並行して、前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとの連続性の判定を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の楽曲再生装置。 - 先頭と末尾の少なくとも一方に無音部が付加されている楽曲データを順次再生する楽曲再生装置における再生制御方法であって、
先に再生する第1の楽曲データの末尾部分の無音部を除く所定の区間の第1の平均ボリューム値と、後に再生する第2の楽曲データの先頭部分の無音部を除く所定の区間の第2の平均ボリューム値とをそれぞれ求め、前記第1の平均ボリューム値と前記第2の平均ボリューム値とが所定範囲内にある場合に、前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとは連続性を有すると判定する連続性判定ステップと、
前記連続性判定ステップにて前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとが連続性を有すると判定された場合に、前記第1の楽曲データの末尾に付加されている無音部と前記第2の楽曲データの先頭に付加されている無音部とを削除した状態で、前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとを連続的に再生する連続再生ステップと、
を備えることを特徴とする再生制御方法。 - 前記連続性判定ステップは、前記第1の楽曲データの再生と並行して、前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとの連続性の判定を行う、
ことを特徴とする請求項3に記載の再生制御方法。 - コンピュータを、
先頭と末尾の少なくとも一方に無音部が付加されている先に再生する第1の楽曲データの末尾部分の無音部を除く所定の区間の第1の平均ボリューム値と、先頭と末尾の少なくとも一方に無音部が付加されている後に再生する第2の楽曲データの先頭部分の無音部を除く所定の区間の第2の平均ボリューム値とをそれぞれ求め、前記第1の平均ボリューム値と前記第2の平均ボリューム値とが所定範囲内にある場合に、前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとは連続性を有すると判定する連続性判定手段、
前記連続性判定手段によって前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとが連続性を有すると判定された場合に、前記第1の楽曲データの末尾に付加されている無音部と前記第2の楽曲データの先頭に付加されている無音部とを削除した状態で、前記第1の楽曲データと前記第2の楽曲データとを連続的に再生する連続再生手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
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