JP4587548B2 - 酸化物透明導電膜の作製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明導電膜の作製方法及びその作製装置に関し、さらに詳細には、液晶ディスプレイあるいはプラズマディスプレイなどの各種フラットパネルディスプレイ、あるいは太陽電池などに用いるIn−OあるいはSn−OあるいはZn−Oを基本構成元素とする酸化物透明導電膜の作製方法及びその作製装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の透明導電膜は、n型半導体の導電機構を有しており、そのキャリア電子は、イオン化した添加元素に係る添加元素ドナーと、化学量論組成からの組成ずれに係る酸素欠損ドナーというの2つのドナーから提供される。
【0003】
このような透明導電膜の場合、添加元素として、In−Oを基本構成元素とするものではSnが、Sn−Oを基本構成元素とするものではSbが、Zn−Oを基本構成元素とするものではAlやSiが、それぞれ主に用いられている。
【0004】
従来、この種の透明導電膜は、塗布法、スプレー法、気相反応法(CVD)等の化学的作製法や、真空蒸着法、スパッタ法等の物理的作製法によって作製されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、化学的作製法にあっては、反応を遂行するため一般的に400℃程度の温度で焼成しなければならず、膜の急速な酸化によって酸素欠損ドナー密度の最適化が困難であるという問題がある。
【0006】
一方、蒸着法やスパッタ法などの物理的作製法は、真空中での成膜時に外部より導入する酸素ガス量を制御することにより酸素欠損ドナー密度の最適化ができるため、化学的作製法に比べより低抵抗の透明導電膜を得ることができる。
【0007】
さらに、物理的作製法のうち蒸着法とスパッタ法を比較すると、蒸着法の方が析出速度が大きく作製装置のイニシャルコストも安価ではあるが、スパッタ法の方が大面積基板への均一な膜形成や制御性の面で優れるため、近年、基板の大面積化が進むフラットパネルディスプレイを中心にスパッタ法が多く用いられるようになってきている。
【0008】
ところで、スパッタ法によりこの種の透明導電膜を作製する場合には、アルゴン(Ar)などの不活性ガスを直流(DC)あるいは高周波(RF)放電によってイオン化し、負バイアスの印加された金属あるいは酸化物ターゲット材に衝突させ、飛び出したターゲット材物質を基板上に析出させる。
【0009】
この際、酸化物を形成するため酸素ガスを導入添加するが、酸化物ターゲット材を使用する場合でも前述の酸素欠損ドナーの密度を最適化するため少量の酸素ガスを添加する。
【0010】
一般的に、スパッタ法による薄膜形成法では、析出速度を改善するため、ターゲット材上に形成されたループ状の磁場によって電子をトラップし、局所的に高密度のプラズマを発生させる手法(マグネトロンスパッタ法)が用いられている。
【0011】
しかし、マグネトロンスパッタ法ではプラズマが局所的に発生することから、ターゲット材上におけるスパッタ発生領域(エロージョン)も局在し、そのためターゲット材の利用効率が低く、ランニングコストを大きくする原因の一つとなっている。
【0012】
また、従来、これらの透明導電膜の作製においては、制御性の問題から、金属ターゲット材に比べて高価な酸化物ターゲット材が多く使用されている。すなわち、金属ターゲット材を使用した場合は、ターゲット材表面に酸化膜が形成されていくことによって、時間経過とともに析出速度や成膜条件が大きくシフトしてしまう。このため、連続して透明導電膜を作製する場合には金属ターゲット材を用いることが困難である。
【0013】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、安価な金属ターゲット材を使用でき、さらにターゲット材の利用効率も大幅に改善することにより低コストで酸化物透明導電膜を形成しうる薄膜作製方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためなされた請求項1記載の発明は、真空中において所定の金属ターゲット材を用い反応性スパッタ法によって薄膜を形成する酸化物透明導電膜の作製方法であって、酸素ガス導入雰囲気中において、前記金属ターゲット材として酸化物透明導電膜の構成元素からなる合金のターゲット材を加熱溶融し、液相状態になった当該ターゲット材に対し所定の電界を印加してマグネトロンスパッタリングを行うことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、真空中において所定の金属ターゲット材を用い反応性スパッタ法によって薄膜を形成する酸化物透明導電膜の作製方法であって、酸素ガス導入雰囲気中において、前記金属ターゲット材として酸化物透明導電膜を構成する金属からなる複数のターゲット材を加熱溶融し、液相状態となって混合された当該ターゲット材に対し所定の電界を印加してマグネトロンスパッタリングを行うことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2のいずれか1項記載の発明において、In、Sn又はZnを基本構成元素とする金属ターゲット材を用い、In−O、Sn−O又はZn−Oを基本構成元素とする酸化物透明導電膜を形成することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記金属ターゲット材が、Inからなる金属ターゲット材とSnからなる金属ターゲット材を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、金属ターゲット材を加熱溶融することによってターゲット材の表面における酸化膜の形成を防止することができるため、析出速度及び成膜条件を常に一定に保つことができる。その結果、本発明によれば、酸化物ターゲットに比べて安価な金属ターゲット材を用いることが可能になる。
しかも、本発明によれば、ターゲット材を溶融して液相状態にするため、従来のようなターゲットの成形及びボンディング工程が必要なくなり、また、溶融したターゲット材が対流することから、マグネトロンスパッタリング法を用いてプラズマを局所的に発生させた場合であってもターゲット材の一部分のみが消費されることがなくなり、その結果、従来技術に比べて膜作製のランニングコストを大幅に低減することが可能になる。
さらに、本発明を例えばインライン型のような連続生産を行う量産装置に適用すれば、従来の量産装置に比べて大幅に長時間の連続した生産が可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る透明導電膜の作製方法の好ましい実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に用いる透明導電膜の作製装置の一実施の形態の概略構成を示すものである。
図1に示すように、本実施の形態の透明導電膜作製装置1は、内部にスパッタ室20を有する真空処理槽2を備えている。ここで、真空処理槽2は、バルブ3を介してターボ分子ポンプ4に接続され、このターボ分子ポンプ4によりスパッタ室20が高真空に排気されるように構成されている。
【0018】
また、真空処理槽2は、バルブ5を介してターゲット材供給機構6に接続されている。本実施の形態の場合は、真空状態を保持したままターゲット材(金属ターゲット材)10をスパッタ室20内に搬入できるように構成されている。
【0019】
具体的には、ターゲット材供給機構6内に、あらかじめ任意の形状に形成されたターゲット材(図示せず)が複数個収納されており、図示しないマジックハンドによって、後述するカソード電極80のターゲット材収容部80aに所定のターゲット材が配置されるようになっている。
【0020】
なお、後述するように供給されたターゲット材は加熱溶融されるため、供給時のターゲット材は任意の形状のものを用いることができる。
【0021】
さらに、真空処理槽2は、バルブ50、60を介してArガス導入系51及び酸素ガス導入系61に接続され、図示しないマスフローコントローラーによる制御によって所定量の混合ガスがスパッタ室20内に導入されるようになっている。
【0022】
本実施の形態の場合、スパッタ室20内の下部には、例えばポリフッ化4エチレン樹脂等の絶縁材料からなる電気絶縁板7を介してカソード電極80が配設されている。
【0023】
このカソード電極部8は、例えば銅(Cu)等の金属材料からなるカソード電極80を有し、このカソード電極80は、例えば直流電源81に接続され所定の電力が印加されるようになっている。
【0024】
図1に示すように、このカソード電極80の上部には、後述する加熱機構9によって溶融したターゲット材10を収容するための凹部状のターゲット材収容部80aが設けられている。
【0025】
このターゲット材収容部80aは、溶融したターゲット材10があふれ出さないように十分な深さをもつように形成されている。
【0026】
本実施の形態の場合、加熱機構8は、カソード電極80内に配設されたシースヒータ82を有している。
【0027】
このシースヒータ82は、所定のヒータ電源83に接続され、上記ターゲット材収容部80a内に配設された熱電対84によって検出された温度に基づいて所定の温度に制御されるようになっている。
【0028】
真空処理槽2の外部であってカソード電極80の下方には、ターゲット材10上にループ状の磁場を形成するためのマグネトロン磁気回路11が配設されている。
【0029】
このマグネトロン磁気回路11は、加熱時の磁場強度の低下を防ぐため、例えば水を循環することによって冷却するように構成されている(図示せず)。
【0030】
また、本実施の形態の場合、マグネトロン磁気回路11は、揺動機構12によって水平方向に揺動できるように構成され、これによりターゲット材10上における温度分布を均一にしてスパッタを安定させるようになっている。
【0031】
一方、図1に示すように、スパッタ室20の上部には、基板ホルダー13が設けられ、この基板ホルダー13に所定の基板14が保持される。また、基板ホルダー13の近傍には、ヒータ電源15に接続された基板加熱ヒータ16が配設されている。
【0032】
また、カソード電極80と基板ホルダー13との間には、成膜時間を調整するためのシャッター17が配設されている。
【0033】
なお、真空処理槽2の所定の部位には、スパッタ室20内のターゲット材10を観察するための窓部2aが設けられている。
【0034】
このような構成を有する本実施の形態において透明導電膜を作製する場合には、まず、スパッタ室20内のカソード電極80のターゲット材収容部80a内にあらかじめターゲット材10を配置しておく。
【0035】
そして、ターボ分子ポンプ4を動作させてスパッタ室20内を1.3×10-3Pa以下の高真空状態にする。
【0036】
次に、バルブ50、60を介してスパッタ室20内にArガス及び酸素ガスを所定量導入する。
【0037】
さらに、カソード電極80のシースヒータ82に通電することにより、ターゲット材10を所定の温度に加熱して溶融し、液相状態にする。
【0038】
この場合、カソード電極80のターゲット材収容部80aに配設された熱電対84によってターゲット材10の温度を検出し、ターゲット材10が溶融し、かつ、真空中で蒸発しないようにヒータ電源83からシースヒータ82に対する通電を制御してターゲット材10の温度を制御する。
【0039】
次に、直流電源81からカソード電極80に対して所定の大きさの電力を供給する。
これにより、マグネトロン磁気回路11によって形成されるループ状の磁場に沿って、ターゲット材10上に高密度プラズマ30が形成され、この領域を中心にターゲット材10がスパッタされる。
【0040】
このスパッタされたターゲット材10は、基板ホルダー13に保持された基板14の表面に酸化膜として形成される。
【0041】
この場合、ヒータ電源15の基板加熱ヒータ16に対する通電を制御することにより基板14の温度を所定の温度となるように制御する。
【0042】
また、カソード電極80と基板14の間に設置されたシャッター17の開閉により膜形成の時間を制御する。
【0043】
一方、スパッタにより消費されたターゲット材10は、スパッタ室20を真空保持したまま、上述したように図示しないマジックハンドによってバルブ5を介してターゲット材供給機構6より追加供給される。
【0044】
以上述べたような本実施の形態の方法によれば、ターゲット材10を加熱溶融することによってターゲット材10の表面における酸化膜の形成を防止することができるため、析出速度及び成膜条件を常に一定に保つことができ、その結果、酸化物ターゲットに比べて安価な金属ターゲット材を用いることが可能になる。
【0045】
しかも、本実施の形態によれば、ターゲット材10を溶融して液相状態にするため、従来のようなターゲットの成形及びボンディング工程が必要なくなり、また、溶融したターゲット材10が対流することから、マグネトロンスパッタリング法を用いてプラズマを局所的に発生させた場合であってもターゲット材10の一部分のみが消費されることがなくなり、その結果、従来技術に比べて膜作製のランニングコストを大幅に低減することが可能になる。
【0046】
さらに、本実施の形態の薄膜作製装置によれば、上述した本発明の方法を容易に効率良く実施することができることに加え、スパッタ室20内の真空状態を保持したままターゲット材収容部80aにターゲット材10を供給するターゲット材供給機構6を備えたことから、スパッタ室20を大気に解放することなく、消費されたターゲット材10を充填供給できるため、従来技術のようなスパッタ室を大気に解放した状態でのターゲット交換作業が必要なくなる。
【0047】
その結果、本実施の形態の装置を例えばインライン型のような連続生産を行う量産装置と組み合わせれば、従来の量産装置に比べて大幅に長時間の連続した生産を行うことが可能になる。
【0048】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、上述した実施の形態においては、ターゲット材としてIn−Snなどの合金ターゲット材を用いたが、必ずしも合金ターゲット材を用いる必要はなく、たとえばInとSnの金属ターゲット材を別々にカソード上に配置し加熱溶融して混合してもかまわない。
ただし、形成される膜の均一性やスパッタにおける安定性からは、合金ターゲット材を用いることが好ましい。
【0049】
また、上述の実施の形態では、直流電源によってカソード電極に電力を印加するようにしたが、交流電源を用いることも可能である。
【0050】
さらに、上述した実施の形態では酸化物透明導電膜の作製を例にとって説明したが、本発明は酸化物透明導電膜以外にも、比較的低温で溶融可能なあらゆる低融点金属ターゲット材を用いた金属薄膜の形成、あるいは、反応性スパッタ成膜による酸化物あるいは窒化物などの化合物形成に適用しうるものである。
【0051】
【実施例】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0052】
<実施例1>
図1に示される透明導電膜作製装置と同様の装置のターゲット材収容部に、Inを5重量%含むIn−Sn合金のターゲット材を配し、基板ホルダーにガラス基板を取り付けた。
【0053】
次いで、スパッタ室20を1.3×10-3Pa以下まで真空排気した後、スパッタ室にArガスを流量100sccmで導入し、圧力が0.67Paとなるようにバルブのコンダクタンスを調整し、さらに酸素ガスを所定量導入した。そして、カソード内のシースヒータに所定の電力を投入し、ターゲット材を加熱溶融した。
【0054】
この場合、溶融したターゲット材の温度が200℃となるようにシースヒータへ投入する電力を調整した。
【0055】
そして、カソード電極に300Wの直流電力を投入し、シャッターを用いて成膜時間を制御することによりガラス基板上に60秒間成膜を行い、In−Sn−O系透明導電膜(ITO膜)を作製した。
【0056】
この場合、膜形成中の基板温度が250℃となるように基板加熱ヒータに印加する電圧を制御した。
【0057】
また、本実施例では、マグネトロン磁気回路に、ターゲット材表面における水平磁場強度がおよそ1000Oeとなるように希土類の金属からなる永久磁石を用いている。
【0058】
図2に、本実施例における、導入した酸素ガス量と、得られたIn−Sn−O系透明導電膜の比抵抗の関係を示す。
図2に示すように、本実施例においては、導入する酸素ガスの量が25sccmのとき最も低い比抵抗190μΩcmが得られた。
また、本実施例によって得られたIn−Sn−O系透明導電膜の膜厚は、およそ220nmであった。
【0059】
<実施例2>
ターゲット材をSnを3重量%含むSn−Sb合金に代え、実施例1と同様の条件で、ガラス基板上にSn−Sb−O系透明導電膜を形成した。
【0060】
図3に、本実施例における、導入した酸素ガス量と、得られたSn−Sb−O系透明導電膜の比抵抗の関係を示す。
図3に示すように、本実施例においては、導入する酸素ガスの量が30sccmのとき最も低い比抵抗1560μΩcmが得られた。
また、本実施例によって得られたSn−Sb−O系透明導電膜の膜厚は、およそ190nmであった。
【0061】
<実施例3>
ターゲット材をZnを1.5重量%含むZn−Al合金に代え、実施例1と同様の条件で、ガラス基板上にZn−Al−O系透明導電膜を形成した。
【0062】
図4に、本実施例における、導入した酸素ガス量と、得られたZn−Al−O系透明導電膜の比抵抗の関係を示す。
図4に示すように、本実施例においては、導入する酸素ガスの量が20sccmのとき最も低い比抵抗450μΩcmが得られた。
また、本実施例によって得られたZn−Al−O系透明導電膜の膜厚はおよそ205nmであった。
【0063】
<比較例>
次に比較のため、図1に示す装置のカソード電極を通常の水冷型カソードに交換し、In2O3を10重量%含むSnO2系酸化物ターゲット材を配置し、実施例1と同様の条件で、ガラス基板上に透明導電膜を形成した。
【0064】
図5に、本例における、導入した酸素ガス量と、得られた透明導電膜の比抵抗の関係を示す。
図5に示すように、酸素ガス量が0.8sccmのとき最も低い比抵抗185μΩcmが得られた。
また、本例によって得られた透明導電膜の膜厚はおよそ70nmであった。
【0065】
以上の結果から明らかなように、本発明によれば、安価な金属ターゲット材を用いて、従来の酸化物ターゲット材を用いたときとほぼ同等の低抵抗透明導電膜が得られる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の薄膜作製方法によれば、酸化物ターゲットに比べて安価な金属ターゲット材を用いることができ、また、従来のようなターゲットの成形及びボンディング工程が必要なくなるため、酸化物透明導電膜の作製コストを低減することができる。
しかも、本発明によれば、マグネトロンスパッタリング法を用いてプラズマを局所的に発生させた場合であってもターゲット材の一部分のみが消費されることがなくなるため、従来技術に比べて膜作製のランニングコストを大幅に低減することが可能になる。
さらに、本発明によれば、従来技術のようなスパッタ室を大気に解放した状態でのターゲット交換作業が必要なくなるため、本発明を例えばインライン型のような連続生産を行う量産装置に適用すれば、従来の量産装置に比べて大幅に長時間の連続した生産が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる透明導電膜の作製装置の一実施の形態の概略構成図
【図2】本発明の実施例1における、導入した酸素ガス量と、得られたIn−Sn−O系透明導電膜の比抵抗の関係を示すグラフ
【図3】本発明の実施例2における、導入した酸素ガス量と、得られたSn−Sb−O系透明導電膜の比抵抗の関係を示すグラフ
【図4】本発明の実施例3における、導入した酸素ガス量と、得られたZn−Al−O系透明導電膜の比抵抗の関係を示すグラフ
【図5】比較例における、導入した酸素ガス量と、得られた透明導電膜の比抵抗の関係を示すグラフ
【符号の説明】
1…透明導電膜作製装置 2…真空処理槽 6…ターゲット材供給機構 8…カソード電極部 9…加熱機構 10…ターゲット材(金属ターゲット材) 11…マグネトロン磁気回路 14…基板 20…スパッタ室 80…カソード電極 80a…ターゲット材収容部 81…直流電源 82…シースヒータ 83…ヒータ電源
Claims (4)
- 真空中において所定の金属ターゲット材を用い反応性スパッタ法によって薄膜を形成する酸化物透明導電膜の作製方法であって、
酸素ガス導入雰囲気中において、前記金属ターゲット材として酸化物透明導電膜の構成元素からなる合金のターゲット材を加熱溶融し、液相状態になった当該ターゲット材に対し所定の電界を印加してマグネトロンスパッタリングを行うことを特徴とする酸化物透明導電膜の作製方法。 - 真空中において所定の金属ターゲット材を用い反応性スパッタ法によって薄膜を形成する酸化物透明導電膜の作製方法であって、
酸素ガス導入雰囲気中において、前記金属ターゲット材として酸化物透明導電膜を構成する金属からなる複数のターゲット材を加熱溶融し、液相状態となって混合された当該ターゲット材に対し所定の電界を印加してマグネトロンスパッタリングを行うことを特徴とする酸化物透明導電膜の作製方法。 - In、Sn又はZnを基本構成元素とする金属ターゲット材を用い、In−O、Sn−O又はZn−Oを基本構成元素とする酸化物透明導電膜を形成することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載の酸化物透明導電膜の作製方法。
- 前記金属ターゲット材が、Inからなる金属ターゲット材とSnからなる金属ターゲット材を含むことを特徴とする請求項3記載の酸化物透明導電膜の作製方法。
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