JP2002129315A - 薄膜作製方法及びその装置 - Google Patents

薄膜作製方法及びその装置

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JP2002129315A JP2000322059A JP2000322059A JP2002129315A JP 2002129315 A JP2002129315 A JP 2002129315A JP 2000322059 A JP2000322059 A JP 2000322059A JP 2000322059 A JP2000322059 A JP 2000322059A JP 2002129315 A JP2002129315 A JP 2002129315A
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安価な金属ターゲット材を使用できるととも
に、ターゲット材の利用効率も大幅に改善することによ
り低コストで酸化物透明導電膜を形成しうる薄膜作製方
法及びその装置を提供する。 【解決手段】本発明では、真空中においてIn、Sn又
はZnを基本構成元素とする金属からなるターゲット材
10を用い反応性スパッタ法によって基板14上にIn
−O、Sn−O又はZn−Oを基本構成元素とする酸化
物透明導電膜を形成する。成膜の際にターゲット材10
を加熱溶融し、液相状態になったターゲット材10に対
し所定の電界を印加してスパッタリングを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明導電膜の作製
方法及びその作製装置に関し、さらに詳細には、液晶デ
ィスプレイあるいはプラズマディスプレイなどの各種フ
ラットパネルディスプレイ、あるいは太陽電池などに用
いるIn−OあるいはSn−OあるいはZn−Oを基本
構成元素とする酸化物透明導電膜の作製方法及びその作
製装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の透明導電膜は、n型半
導体の導電機構を有しており、そのキャリア電子は、イ
オン化した添加元素に係る添加元素ドナーと、化学量論
組成からの組成ずれに係る酸素欠損ドナーというの2つ
のドナーから提供される。
【0003】このような透明導電膜の場合、添加元素と
して、In−Oを基本構成元素とするものではSnが、
Sn−Oを基本構成元素とするものではSbが、Zn−
Oを基本構成元素とするものではAlやSiが、それぞ
れ主に用いられている。
【0004】従来、この種の透明導電膜は、塗布法、ス
プレー法、気相反応法(CVD)等の化学的作製法や、
真空蒸着法、スパッタ法等の物理的作製法によって作製
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、化学的
作製法にあっては、反応を遂行するため一般的に400
℃程度の温度で焼成しなければならず、膜の急速な酸化
によって酸素欠損ドナー密度の最適化が困難であるとい
う問題がある。
【0006】一方、蒸着法やスパッタ法などの物理的作
製法は、真空中での成膜時に外部より導入する酸素ガス
量を制御することにより酸素欠損ドナー密度の最適化が
できるため、化学的作製法に比べより低抵抗の透明導電
膜を得ることができる。
【0007】さらに、物理的作製法のうち蒸着法とスパ
ッタ法を比較すると、蒸着法の方が析出速度が大きく作
製装置のイニシャルコストも安価ではあるが、スパッタ
法の方が大面積基板への均一な膜形成や制御性の面で優
れるため、近年、基板の大面積化が進むフラットパネル
ディスプレイを中心にスパッタ法が多く用いられるよう
になってきている。
【0008】ところで、スパッタ法によりこの種の透明
導電膜を作製する場合には、アルゴン(Ar)などの不
活性ガスを直流(DC)あるいは高周波(RF)放電に
よってイオン化し、負バイアスの印加された金属あるい
は酸化物ターゲット材に衝突させ、飛び出したターゲッ
ト材物質を基板上に析出させる。
【0009】この際、酸化物を形成するため酸素ガスを
導入添加するが、酸化物ターゲット材を使用する場合で
も前述の酸素欠損ドナーの密度を最適化するため少量の
酸素ガスを添加する。
【0010】一般的に、スパッタ法による薄膜形成法で
は、析出速度を改善するため、ターゲット材上に形成さ
れたループ状の磁場によって電子をトラップし、局所的
に高密度のプラズマを発生させる手法(マグネトロンス
パッタ法)が用いられている。
【0011】しかし、マグネトロンスパッタ法ではプラ
ズマが局所的に発生することから、ターゲット材上にお
けるスパッタ発生領域(エロージョン)も局在し、その
ためターゲット材の利用効率が低く、ランニングコスト
を大きくする原因の一つとなっている。
【0012】また、従来、これらの透明導電膜の作製に
おいては、制御性の問題から、金属ターゲット材に比べ
て高価な酸化物ターゲット材が多く使用されている。す
なわち、金属ターゲット材を使用した場合は、ターゲッ
ト材表面に酸化膜が形成されていくことによって、時間
経過とともに析出速度や成膜条件が大きくシフトしてし
まう。このため、連続して透明導電膜を作製する場合に
は金属ターゲット材を用いることが困難である。
【0013】本発明は、このような従来の技術の課題を
解決するためになされたもので、安価な金属ターゲット
材を使用でき、さらにターゲット材の利用効率も大幅に
改善することにより低コストで酸化物透明導電膜を形成
しうる薄膜作製方法及びその装置を提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
なされた請求項1記載の発明は、真空中において所定の
金属ターゲット材を用い反応性スパッタ法によって薄膜
を形成する薄膜作製方法であって、上記金属ターゲット
材を加熱溶融し、液相状態になった当該金属ターゲット
材に対し所定の電界を印加してスパッタリングを行うこ
とを特徴とするものである。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、In、Sn又はZnを基本構成元素とする
金属ターゲット材を用い、In−O、Sn−O又はZn
−Oを基本構成元素とする酸化物透明導電膜を形成する
ことを特徴とする。
【0016】本発明の薄膜作製方法によれば、金属ター
ゲット材を加熱溶融することによってターゲット材の表
面における酸化膜の形成を防止することができるため、
析出速度及び成膜条件を常に一定に保つことができる。
その結果、本発明によれば、酸化物ターゲットに比べて
安価な金属ターゲット材を用いることが可能になる。
【0017】しかも、本発明によれば、ターゲット材を
溶融して液相状態にするため、従来のようなターゲット
の成形及びボンディング工程が必要なくなり、また、溶
融したターゲット材が対流することから、マグネトロン
スパッタリング法を用いてプラズマを局所的に発生させ
た場合であってもターゲット材の一部分のみが消費され
ることがなくなり、その結果、従来技術に比べて膜作製
のランニングコストを大幅に低減することが可能にな
る。
【0018】一方、請求項3記載の発明は、反応性スパ
ッタ法によって透明導電膜を作製する透明導電膜作製装
置であって、所定の反応ガスを導入可能な真空処理槽
と、このスパッタ室内に配設され、所定のターゲット材
を加熱溶融して液相状態にするための加熱機構と当該液
相状態のターゲット材を収容するターゲット材収容部と
を有するカソード電極部とを備えたことを特徴とする。
【0019】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、スパッタ室内の真空状態を保持したままタ
ーゲット材収容部にターゲット材を供給するターゲット
材供給機構を有することを特徴とする。
【0020】請求項5記載の発明は、請求項3又は4の
いずれか1項記載の発明において、スパッタ室内のター
ゲット材を観察するための窓部を有することを特徴とす
る。
【0021】本発明の薄膜作製装置によれば、上述した
本発明の方法を容易に効率良く実施することができる。
【0022】特に、スパッタ室内の真空状態を保持した
ままターゲット材収容部にターゲット材を供給するター
ゲット材供給機構を設けた場合には、スパッタ室を大気
に解放することなく、消費されたターゲット材を充填供
給できるため、従来技術のようなスパッタ室を大気に解
放した状態でのターゲット交換作業が必要なくなる。
【0023】その結果、本発明を例えばインライン型の
ような連続生産を行う量産装置と組み合わせれば、従来
の量産装置に比べて大幅に長時間の連続した生産が可能
になる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る透明導電膜の
作製方法及びその作製装置の好ましい実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。
【0025】図1は、本発明に係る透明導電膜の作製装
置の一実施の形態の概略構成を示すものである。図1に
示すように、本実施の形態の透明導電膜作製装置1は、
内部にスパッタ室20を有する真空処理槽2を備えてい
る。ここで、真空処理槽2は、バルブ3を介してターボ
分子ポンプ4に接続され、このターボ分子ポンプ4によ
りスパッタ室20が高真空に排気されるように構成され
ている。
【0026】また、真空処理槽2は、バルブ5を介して
ターゲット材供給機構6に接続されている。本実施の形
態の場合は、真空状態を保持したままターゲット材(金
属ターゲット材)10をスパッタ室20内に搬入できる
ように構成されている。
【0027】具体的には、ターゲット材供給機構6内
に、あらかじめ任意の形状に形成されたターゲット材
(図示せず)が複数個収納されており、図示しないマジ
ックハンドによって、後述するカソード電極部80のタ
ーゲット材収容部80aに所定のターゲット材が配置さ
れるようになっている。
【0028】なお、後述するように供給されたターゲッ
ト材は加熱溶融されるため、供給時のターゲット材は任
意の形状のものを用いることができる。
【0029】さらに、真空処理槽2は、バルブ50、6
0を介してArガス導入系51及び酸素ガス導入系61
に接続され、図示しないマスフローコントローラーによ
る制御によって所定量の混合ガスがスパッタ室20内に
導入されるようになっている。
【0030】本実施の形態の場合、スパッタ室20内の
下部には、例えばポリフッ化4エチレン樹脂等の絶縁材
料からなる電気絶縁板7を介してカソード電極部8が配
設されている。
【0031】このカソード電極部8は、例えば銅(C
u)等の金属材料からなるカソード電極80を有し、こ
のカソード電極80は、例えば直流電源81に接続され
所定の電力が印加されるようになっている。
【0032】図1に示すように、このカソード電極80
の上部には、後述する加熱機構9によって溶融したター
ゲット材10を収容するための凹部状のターゲット材収
容部80aが設けられている。
【0033】このターゲット材収容部80aは、溶融し
たターゲット材10があふれ出さないように十分な深さ
をもつように形成されている。
【0034】本実施の形態の場合、加熱機構8は、カソ
ード電極80内に配設されたシースヒータ82を有して
いる。
【0035】このシースヒータ82は、所定のヒータ電
源83に接続され、上記ターゲット材収容部80a内に
配設された熱電対84によって検出された温度に基づい
て所定の温度に制御されるようになっている。
【0036】真空処理槽2の外部であってカソード電極
80の下方には、ターゲット材10上にループ状の磁場
を形成するためのマグネトロン磁気回路11が配設され
ている。
【0037】このマグネトロン磁気回路11は、加熱時
の磁場強度の低下を防ぐため、例えば水を循環すること
によって冷却するように構成されている(図示せず)。
【0038】また、本実施の形態の場合、マグネトロン
磁気回路11は、揺動機構12によって水平方向に揺動
できるように構成され、これによりターゲット材10上
における温度分布を均一にしてスパッタを安定させるよ
うになっている。
【0039】一方、図1に示すように、スパッタ室20
の上部には、基板ホルダー13が設けられ、この基板ホ
ルダー13に所定の基板14が保持される。また、基板
ホルダー13の近傍には、ヒータ電源15に接続された
基板加熱ヒータ16が配設されている。
【0040】また、カソード電極部8と基板ホルダー1
3との間には、成膜時間を調整するためのシャッター1
7が配設されている。
【0041】なお、真空処理槽2の所定の部位には、ス
パッタ室20内のターゲット材10を観察するための窓
部2aが設けられている。
【0042】このような構成を有する本実施の形態にお
いて透明導電膜を作製する場合には、まず、スパッタ室
20内のカソード電極80のターゲット材収容部80a
内にあらかじめターゲット材10を配置しておく。
【0043】そして、ターボ分子ポンプ4を動作させて
スパッタ室20内を1.3×10-3Pa以下の高真空状
態にする。
【0044】次に、バルブ50、60を介してスパッタ
室20内にArガス及び酸素ガスを所定量導入する。
【0045】さらに、カソード電極80のシースヒータ
82に通電することにより、ターゲット材10を所定の
温度に加熱して溶融し、液相状態にする。
【0046】この場合、カソード電極80のターゲット
材収容部80aに配設された熱電対84によってターゲ
ット材10の温度を検出し、ターゲット材10が溶融
し、かつ、真空中で蒸発しないようにヒータ電源83か
らシースヒータ82に対する通電を制御してターゲット
材10の温度を制御する。
【0047】次に、直流電源81からカソード電極80
に対して所定の大きさの電力を供給する。これにより、
マグネトロン磁気回路11によって形成されるループ状
の磁場に沿って、ターゲット材10上に高密度プラズマ
30が形成され、この領域を中心にターゲット材10が
スパッタされる。
【0048】このスパッタされたターゲット材10は、
基板ホルダー13に保持された基板14の表面に酸化膜
として形成される。
【0049】この場合、ヒータ電源15の基板加熱ヒー
タ16に対する通電を制御することにより基板14の温
度を所定の温度となるように制御する。
【0050】また、カソード電極80と基板14の間に
設置されたシャッター17の開閉により膜形成の時間を
制御する。
【0051】一方、スパッタにより消費されたターゲッ
ト材10は、スパッタ室20を真空保持したまま、上述
したように図示しないマジックハンドによってバルブ5
を介してターゲット材供給機構6より追加供給される。
【0052】以上述べたような本実施の形態の方法によ
れば、ターゲット材10を加熱溶融することによってタ
ーゲット材10の表面における酸化膜の形成を防止する
ことができるため、析出速度及び成膜条件を常に一定に
保つことができ、その結果、酸化物ターゲットに比べて
安価な金属ターゲット材を用いることが可能になる。
【0053】しかも、本実施の形態によれば、ターゲッ
ト材10を溶融して液相状態にするため、従来のような
ターゲットの成形及びボンディング工程が必要なくな
り、また、溶融したターゲット材10が対流することか
ら、マグネトロンスパッタリング法を用いてプラズマを
局所的に発生させた場合であってもターゲット材10の
一部分のみが消費されることがなくなり、その結果、従
来技術に比べて膜作製のランニングコストを大幅に低減
することが可能になる。
【0054】さらに、本実施の形態の薄膜作製装置によ
れば、上述した本発明の方法を容易に効率良く実施する
ことができることに加え、スパッタ室20内の真空状態
を保持したままターゲット材収容部80aにターゲット
材10を供給するターゲット材供給機構6を備えたこと
から、スパッタ室20を大気に解放することなく、消費
されたターゲット材10を充填供給できるため、従来技
術のようなスパッタ室を大気に解放した状態でのターゲ
ット交換作業が必要なくなる。
【0055】その結果、本実施の形態の装置を例えばイ
ンライン型のような連続生産を行う量産装置と組み合わ
せれば、従来の量産装置に比べて大幅に長時間の連続し
た生産を行うことが可能になる。
【0056】なお、本発明は上述の実施の形態に限られ
ることなく、種々の変更を行うことができる。例えば、
上述した実施の形態においては、ターゲット材としてI
n−Snなどの合金ターゲット材を用いたが、必ずしも
合金ターゲット材を用いる必要はなく、たとえばInと
Snの金属ターゲット材を別々にカソード上に配置し加
熱溶融して混合してもかまわない。ただし、形成される
膜の均一性やスパッタにおける安定性からは、合金ター
ゲット材を用いることが好ましい。
【0057】また、上述の実施の形態では、直流電源に
よってカソード電極に電力を印加するようにしたが、交
流電源を用いることも可能である。
【0058】さらに、上述した実施の形態では酸化物透
明導電膜の作製を例にとって説明したが、本発明は酸化
物透明導電膜以外にも、比較的低温で溶融可能なあらゆ
る低融点金属ターゲット材を用いた金属薄膜の形成、あ
るいは、反応性スパッタ成膜による酸化物あるいは窒化
物などの化合物形成に適用しうるものである。
【0059】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0060】<実施例1>図1に示される透明導電膜作
製装置と同様の装置のターゲット材収容部に、Inを5
重量%含むIn−Sn合金のターゲット材を配し、基板
ホルダーにガラス基板を取り付けた。
【0061】次いで、スパッタ室20を1.3×10-3
Pa以下まで真空排気した後、スパッタ室にArガスを
流量100sccmで導入し、圧力が0.67Paとな
るようにバルブのコンダクタンスを調整し、さらに酸素
ガスを所定量導入した。そして、カソード内のシースヒ
ータに所定の電力を投入し、ターゲット材を加熱溶融し
た。
【0062】この場合、溶融したターゲット材の温度が
200℃となるようにシースヒータへ投入する電力を調
整した。
【0063】そして、カソード電極に300Wの直流電
力を投入し、シャッターを用いて成膜時間を制御するこ
とによりガラス基板上に60秒間成膜を行い、In−S
n−O系透明導電膜(ITO膜)を作製した。
【0064】この場合、膜形成中の基板温度が250℃
となるように基板加熱ヒータに印加する電圧を制御し
た。
【0065】また、本実施例では、マグネトロン磁気回
路に、ターゲット材表面における水平磁場強度がおよそ
1000Oeとなるように希土類の金属からなる永久磁
石を用いている。
【0066】図2に、本実施例における、導入した酸素
ガス量と、得られたIn−Sn−O系透明導電膜の比抵
抗の関係を示す。図2に示すように、本実施例において
は、導入する酸素ガスの量が25sccmのとき最も低
い比抵抗190μΩcmが得られた。また、本実施例に
よって得られたIn−Sn−O系透明導電膜の膜厚は、
およそ220nmであった。
【0067】<実施例2>ターゲット材をSnを3重量
%含むSn−Sb合金に代え、実施例1と同様の条件
で、ガラス基板上にSn−Sb−O系透明導電膜を形成
した。
【0068】図3に、本実施例における、導入した酸素
ガス量と、得られたSn−Sb−O系透明導電膜の比抵
抗の関係を示す。図3に示すように、本実施例において
は、導入する酸素ガスの量が30sccmのとき最も低
い比抵抗1560μΩcmが得られた。また、本実施例
によって得られたSn−Sb−O系透明導電膜の膜厚
は、およそ190nmであった。
【0069】<実施例3>ターゲット材をZnを1.5
重量%含むZn−Al合金に代え、実施例1と同様の条
件で、ガラス基板上にZn−Al−O系透明導電膜を形
成した。
【0070】図4に、本実施例における、導入した酸素
ガス量と、得られたZn−Al−O系透明導電膜の比抵
抗の関係を示す。図4に示すように、本実施例において
は、導入する酸素ガスの量が20sccmのとき最も低
い比抵抗450μΩcmが得られた。また、本実施例に
よって得られたZn−Al−O系透明導電膜の膜厚はお
よそ205nmであった。
【0071】<比較例>次に比較のため、図1に示す装
置のカソード電極を通常の水冷型カソードに交換し、I
23を10重量%含むSnO2系酸化物ターゲット材
を配置し、実施例1と同様の条件で、ガラス基板上に透
明導電膜を形成した。
【0072】図5に、本例における、導入した酸素ガス
量と、得られた透明導電膜の比抵抗の関係を示す。図5
に示すように、酸素ガス量が0.8sccmのとき最も
低い比抵抗185μΩcmが得られた。また、本例によ
って得られた透明導電膜の膜厚はおよそ70nmであっ
た。
【0073】以上の結果から明らかなように、本発明に
よれば、安価な金属ターゲット材を用いて、従来の酸化
物ターゲット材を用いたときとほぼ同等の低抵抗透明導
電膜が得られる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように本発明の薄膜作製方
法によれば、酸化物ターゲットに比べて安価な金属ター
ゲット材を用いることができ、また、従来のようなター
ゲットの成形及びボンディング工程が必要なくなるた
め、酸化物透明導電膜の作製コストを低減することがで
きる。しかも、本発明によれば、マグネトロンスパッタ
リング法を用いてプラズマを局所的に発生させた場合で
あってもターゲット材の一部分のみが消費されることが
なくなるため、従来技術に比べて膜作製のランニングコ
ストを大幅に低減することが可能になる。本発明の薄膜
作製装置によれば、上述した本発明の方法を容易に効率
良く実施することができることに加え、従来技術のよう
なスパッタ室を大気に解放した状態でのターゲット交換
作業が必要なくなるため、本発明を例えばインライン型
のような連続生産を行う量産装置と組み合わせれば、従
来の量産装置に比べて大幅に長時間の連続した生産が可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る透明導電膜の作製装置の一実施の
形態の概略構成図
【図2】本発明の実施例1における、導入した酸素ガス
量と、得られたIn−Sn−O系透明導電膜の比抵抗の
関係を示すグラフ
【図3】本発明の実施例2における、導入した酸素ガス
量と、得られたSn−Sb−O系透明導電膜の比抵抗の
関係を示すグラフ
【図4】本発明の実施例3における、導入した酸素ガス
量と、得られたZn−Al−O系透明導電膜の比抵抗の
関係を示すグラフ
【図5】比較例における、導入した酸素ガス量と、得ら
れた透明導電膜の比抵抗の関係を示すグラフ
【符号の説明】
1…透明導電膜作製装置 2…真空処理槽 6…ターゲ
ット材供給機構 8…カソード電極部 9…加熱機構
10…ターゲット材(金属ターゲット材) 11…マグ
ネトロン磁気回路 14…基板 20…スパッタ室 8
0…カソード電極80a…ターゲット材収容部 81…
直流電源 82…シースヒータ 83…ヒータ電源

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空中において所定の金属ターゲット材を
    用い反応性スパッタ法によって薄膜を形成する薄膜作製
    方法であって、 上記金属ターゲット材を加熱溶融し、液相状態になった
    当該金属ターゲット材に対し所定の電界を印加してスパ
    ッタリングを行うことを特徴とする薄膜作製方法。
  2. 【請求項2】In、Sn又はZnを基本構成元素とする
    金属ターゲット材を用い、In−O、Sn−O又はZn
    −Oを基本構成元素とする酸化物透明導電膜を形成する
    ことを特徴とする請求項1記載の薄膜作製方法。
  3. 【請求項3】反応性スパッタ法によって透明導電膜を作
    製する透明導電膜作製装置であって、 所定の反応ガスを導入可能なスパッタ室を有する真空処
    理槽と、 該スパッタ室内に配設され、所定のターゲット材を加熱
    溶融して液相状態にするための加熱機構と当該液相状態
    のターゲット材を収容するターゲット材収容部とを有す
    るカソード電極部と、 を備えたことを特徴とする薄膜作製装置。
  4. 【請求項4】スパッタ室内の真空状態を保持したままタ
    ーゲット材収容部にターゲット材を供給するターゲット
    材供給機構を有することを特徴とする請求項3記載の薄
    膜作製装置。
  5. 【請求項5】スパッタ室内のターゲット材を観察するた
    めの窓部を有することを特徴とする請求項3又は4のい
    ずれか1項記載の薄膜作製装置。
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