JP4587305B2 - 船用給電装置および船舶の給電切り替え方法 - Google Patents

船用給電装置および船舶の給電切り替え方法 Download PDF

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Description

本発明は、船舶が停泊中に、船舶外にある外部電源から電力の供給を受けるための船用給電装置および船舶の給電切り替え方法に関する。
従来から船内に発電装置を備えていると共に、陸上に設置されている外部電源(陸上電源)から電力の供給を受けることができる船舶が知られている。
図4は、船内発電装置102を備えた従来の船舶の概略構成図である。この船舶100は、船内発電装置102(例えば、発電機付ディーゼルエンジン)を備えており、この船内発電装置102は、遮断器104を介して、船内の他の装置に電力を供給するための主母線106に電気的に接続されている。
また例えばアッパーデッキ108には、受電端子110が設けられており、この受電端子110と主母線106との間は、船内ケーブル112を介して互いに電気的に接続されている。さらに、船内ケーブル112の中間部には、遮断器114が設けられている。
さらにこの船舶100は、ガバナ103及び発電制御装置105を備えている。ガバナ103は、船内発電装置102に設けられ、発電制御装置105によりガバナ103を制御し、発電出力、発電周波数、を制御するようになっている。また、遮断器104、114は、例えばVCB(Vacuum Circuit Breaker)であり、発電制御装置105により、随時、電路の遮断/接続が遠隔で制御できるようになっている。なお、遮断器114は、発電制御装置105により制御されず、手動により操作されるのが一般的である。
上述した構成により、受電端子110と岸壁に設置されている陸上の外部電源端子116との間をケーブル118で互いに接続すると共に、遮断器104の電路を開き、遮断器114の電路を閉じることにより、陸上の電源設備から電力の供給を受けることができる。
なお、上記従来技術に関連する技術として、たとえば、下記特許文献1に記載の技術が知られている。
特開2001−309553号公報
従来の船舶100において船内の電源電圧として、6600Vの高電圧系統と400〜450V(以下、400V級という)の低電圧系統の2種類が通常用いられている。
既設の船舶が低電圧系統を用いている場合、ケーブル118を流れる電流は高電圧系統の場合に比べて、約15倍以上の大電流となるため、ケーブル118は大径で重いものとなる。したがって、このケーブル118を、クレーン等を用いて船舶と岸壁の間に掛け渡して配線するのに、時間がかかり、かつ作業環境が悪いという問題がある。
また、高電圧系統を用いている場合は、既設、新設のいずれの船舶でも、ケーブル118を流れる電流が低電圧系統に比べれば少ない。しかしその場合でも、船内の所要電力は一般に大きく、ケーブル118は大径で重いものとなるだけでなく、ケーブル118の条数が増えることとなる(例えば、高電圧系統の場合は2本程度であるのに対して、低電圧系統では30本程度)。そのため、高電圧系統を用いている場合でも、クレーン等を用いて船舶と岸壁の間に掛け渡して配線するのに、時間がかかり、かつ作業環境が悪いという問題がある。
また、船舶100が使用する電源を、船内発電装置102から外部電源に切り換える場合には、遮断器104の電路を開いてから遮断器114の電路を閉じ、逆に、外部電源から船内発電装置102に切り替える場合には、遮断器114の電路を開いてから遮断器104の電路を閉じるので、上記主母線106に電力が一時的に供給されない状態が発生し、上記船舶100内で一旦停電が発生するという問題がある。
上記課題を船内に既に装備されている発電制御装置105や図示しない制御/監視システムを利用し、さらに、外部電源に異常が発生すると、その影響を船内機器が受けるおそれがあるという問題点も解決しようとすると、既設の設備に多大な変更を要し、既設船舶において上記課題を解決することは多くの時間と費用を伴うという問題点もあった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、船舶において電力の給電元を切り替える場合に、船舶内の電圧系統が高電圧系統でも低電圧系統でも容易に適用でき、給電用のケーブルを船舶と岸壁との間で短時間に容易に掛け渡して配線することができ、各船舶それぞれに設置する必要がなく、新設、既設のいずれの船舶にも適用でき、さらに、無停電で切り換えることができる船用給電装置および船舶の給電切り替え方法を提供することを目的とする。
本発明は、船内で使用する電力を供給するための船内発電装置を備える船舶に、外部電源の電力を供給する船用給電装置であって、陸上を移動可能な台車と、前記台車に設置され、前記外部電源である陸上電源に接続可能な電力ケーブルと、前記台車に設置され、前記外部電源の電力を受けるために前記船舶に設けられた受電端子に接続可能な巻取ケーブルを有し該巻取ケーブルを巻き取り又は繰り出すことができるケーブルリール装置と、前記台車に設置され、前記巻取ケーブルを前記船舶の前記受電端子に接続可能な位置まで案内するケーブルクレーンと、前記台車に設置され、船内で使用する電力の供給元を、前記船内発電装置と前記外部電源との間で無停電で切り替えることが可能な電源切り替え手段と、を備える、ことを特徴とする(請求項1)。
また、本発明は、船内で使用する電力を供給するための船内発電装置を備える船舶に、外部電源の電力を供給する船用給電装置であって、陸上を移動可能な台車と、前記台車に設置され、前記外部電源として機能する発電装置と、前記台車に設置され、前記外部電源の電力を受けるために前記船舶に設けられた受電端子に接続可能な巻取ケーブルを有し該巻取ケーブルを巻き取り又は繰り出すことができるケーブルリール装置と、前記台車に設置され、前記巻取ケーブルを前記船舶の前記受電端子に接続可能な位置まで案内するケーブルクレーンと、前記台車に設置され、船内で使用する電力の供給元を、前記船内発電装置と前記外部電源との間で無停電で切り替えることが可能な電源切り替え手段と、を備える、ことを特徴とする(請求項2)。
上記本発明の船用給電装置において、好ましくは、前記電源切り替え手段は、前記外部電源の電圧を前記船内発電装置の電圧に変圧する変圧器を備える(請求項3)。
上記本発明の船用給電装置において、好ましくは、前記電源切り替え手段は、前記変圧器を経由し電圧変更のある変圧電路と、前記変圧器をバイパスし電圧変更のない無変圧電路と、前記外部電源からの電力を前記変圧電路と前記無変圧電路のいずれか一方に供給するように切り替える電路切り替え手段とを有する(請求項4)。
上記本発明の船用給電装置において、好ましくは、前記電源切り替え手段は、船内で使用する電力の供給元を前記船内発電装置から前記外部電源に切り替える場合は、遠隔制御により、前記船内発電装置が発電している発電周波数を、前記外部電源の電源周波数よりも低くしておいて、前記切り替えを行う(請求項5)。
上記本発明の船用給電装置において、好ましくは、前記電源切替え手段は、前記外部電源と前記ケーブルリール装置とを繋ぐ電路を接続又は遮断する第1の遮断器と、少なくとも前記第1の遮断器を制御する給電制御部と、を備え、前記給電制御部は、船内で使用する電力の供給元を前記船内発電装置から前記外部電源に切り替える場合は、前記船内発電装置の原動機の回転数を遠隔制御して、前記船内発電装置が発電している発電周波数を、前記外部電源の電源周波数よりも僅かに低くしておいて、前記第1の遮断器を接続状態とすると共に、船舶内の機器に電力を供給するための船内主母線と前記受電端子とを繋ぐ電路を接続又は遮断する第2の遮断器を遠隔制御により接続状態とし、前記第1の遮断器及び前記第2の遮断器を接続状態とした後に、前記船内主母線と前記船用発電装置とを繋ぐ電路を接続又は遮断する第3の遮断器を遠隔制御により遮断状態として、前記切り替えを行う(請求項6)。
上記本発明の船用給電装置において、好ましくは、前記切り替え手段は、船内で使用する電力の供給元を前記外部電源から前記船内発電装置に切り替える場合は、遠隔制御により、前記船内発電装置が発電している発電周波数を、前記外部電源の電源周波数よりも僅かに高くしておいて、前記切り替えを行う(請求項7)。
上記本発明の船用給電装置において、好ましくは、前記電源切替え手段は、前記外部電源と前記ケーブルリール装置とを繋ぐ電路を接続又は遮断する第1の遮断器と、少なくとも前記第1の遮断器を制御する給電制御部と、を備え、前記給電制御部は、船内で使用する電力の供給元を前記外部電源から前記船内発電装置に切り替える場合は、前記船内発電装置の原動機の回転数を遠隔制御して、前記船内発電装置が発電している発電周波数を、前記外部電源の電源周波数よりも僅かに高くしておいて、前記船舶内の機器に電力を供給するための船内主母線と前記船用発電装置とを繋ぐ電路を接続又は遮断する第3の遮断器を遠隔制御により接続状態とし、前記第3の遮断器を接続状態とした後に、前記第1の遮断器及び船内主母線と前記受電端子とを繋ぐ電路を接続又は遮断する第2の遮断器を遠隔制御により遮断状態として、前記切り替えを行う(請求項8)。
上記本発明の船用給電装置において、好ましくは、前記ケーブルクレーンは、前記台車の一端側に設置され上方に延びる本体フレームと、該本体フレームの上部に接続され前記台車の外方に突出するガイドビームと、該ガイドビームの先端及び末端に設けられ前記巻取ケーブルを案内するプーリとを有する(請求項9)。
上記本発明の船用給電装置において、好ましくは、前記ケーブルクレーンは、前記巻取ケーブルの送出を補助する送出補助機構を備える(請求項10)。
上記本発明の船用給電装置において、好ましくは、前記ケーブルクレーンは、ガイドビームを昇降させる昇降機構を備える(請求項11)。
また、本発明は、船内で使用する電力を供給するための船内発電装置を備える船舶において、船内で使用する電力の供給元を前記船内発電装置から外部電源に切り替える船舶の給電切り替え方法であって、陸上を移動可能な台車に、前記外部電源である陸上電源に接続可能な電力ケーブルと、前記外部電源の電力を受けるために前記船舶に設けられた受電端子に接続可能な巻取ケーブルを有し該巻取ケーブルを巻き取り又は繰り出すことができるケーブルリール装置と、前記巻取ケーブルを前記船舶の前記受電端子に接続可能な位置まで案内するケーブルクレーンと、船内で使用する電力の供給元を、前記船内発電装置と前記外部電源との間で無停電で切り替えることが可能な電源切り替え手段と、を備えた船用給電装置を用い、前記電力ケーブルを陸上電源に接続するとともに、前記巻取ケーブルを前記受電端子に接続し、前記船内発電装置の原動機の回転数を制御して、前記船内発電装置が発電している発電周波数を、前記外部電源の電源周波数よりも僅かに低くしておいて、前記電力ケーブルと前記ケーブルリール装置とを繋ぐ第1の電路を遮断状態から接続状態とすると共に、船内の機器に電力を供給するための船内主母線と前記受電端子とを繋ぐ第2の電路を遮断状態から接続状態とし、前記第1の電路及び前記第2の電路を接続状態とした後に、前記船内主母線と前記発電装置とを繋ぐ第3の電路を接続状態から遮断状態として、前記切り替えを行う、ことを特徴とする(請求項12)。
また、本発明は、船内で使用する電力を供給するための船内発電装置を備える船舶において、船内で使用する電力の供給元を前記船内発電装置から外部電源に切り替える船舶の給電切り替え方法であって、陸上を移動可能な台車に、前記外部電源として機能する発電装置と、前記外部電源の電力を受けるために前記船舶に設けられた受電端子に接続可能な巻取ケーブルを有し該巻取ケーブルを巻き取り又は繰り出すことができるケーブルリール装置と、前記巻取ケーブルを前記船舶の前記受電端子に接続可能な位置まで案内するケーブルクレーンと、船内で使用する電力の供給元を、前記船内発電装置と前記外部電源との間で無停電で切り替えることが可能な電源切り替え手段と、を備えた船用給電装置を用い、前記巻取ケーブルを前記受電端子に接続し、前記船内発電装置の原動機の回転数を制御して、前記船内発電装置が発電している発電周波数を、前記外部電源の電源周波数よりも僅かに低くしておいて、前記外部電源と前記ケーブルリール装置とを繋ぐ第1の電路、及び船内の機器に電力を供給するための船内主母線と前記受電端子とを繋ぐ第2の電路の双方を遮断状態から接続状態とし、前記第1の電路及び前記第2の電路を接続状態とした後に、前記船内主母線と前記船用発電装置とを繋ぐ第3の電路を接続状態から遮断状態として、前記切り替えを行う、ことを特徴とする(請求項13)。
船内で使用する電力を供給するための船内発電装置を備えると共に外部電源からの電力の供給を受けることが可能な船舶において、船内で使用する電力の供給元を前記外部電源から前記船内発電装置に切り替える船舶の給電切り替え方法であって、陸上を移動可能な台車に、前記外部電源である陸上電源に接続可能な電力ケーブルと、前記外部電源の電力を受けるために前記船舶に設けられた受電端子に接続可能な巻取ケーブルを有し該巻取ケーブルを巻き取り又は繰り出すことができるケーブルリール装置と、前記巻取ケーブルを前記船舶の前記受電端子に接続可能な位置まで案内するケーブルクレーンと、前記台車に設置され、船内で使用する電力の供給元を、前記船内発電装置と前記外部電源との間で無停電で切り替えることが可能な電源切り替え手段と、を備えた船用給電装置を用い、前記巻取ケーブルが前記受電端子に接続されている状態であって、前記電力ケーブルと前記ケーブルリール装置とを繋ぐ第1の電路、及び船内の機器に電力を供給するための船内主母線と前記船舶に接続された前記受電端子とを繋ぐ第2の電路の双方が接続状態であるときに、前記船内発電装置の原動機の回転数を制御して、前記船内発電装置が発電している発電周波数を、前記外部電源の電源周波数よりも僅かに高くしておいて、前記船内主母線と前記船用発電装置とを繋ぐ第3の電路を遮断状態から接続状態とし、前記第3の電路を接続状態とした後に、前記第1の電路及び前記第2の電路を遮断状態として、前記切り替えを行う、ことを特徴とする(請求項14)。
また、本発明は、船内で使用する電力を供給するための船内発電装置を備えると共に外部電源からの電力の供給を受けることが可能な船舶において、船内で使用する電力の供給元を前記外部電源から前記船内発電装置に切り替える船舶の給電切り替え方法であって、陸上を移動可能な台車に、前記外部電源として機能する発電装置と、前記外部電源の電力を受けるために前記船舶に設けられた受電端子に接続可能な巻取ケーブルを有し該巻取ケーブルを巻き取り又は繰り出すことができるケーブルリール装置と、前記巻取ケーブルを前記船舶の前記受電端子に接続可能な位置まで案内するケーブルクレーンと、船内で使用する電力の供給元を、前記船内発電装置と前記外部電源との間で無停電で切り替えることが可能な電源切り替え手段と、を備えた船用給電装置を用い、前記巻取ケーブルが前記受電端子に接続されている状態であって、前記発電装置と前記ケーブルリール装置とを繋ぐ第1の電路、及び船内の機器に電力を供給するための船内主母線と前記船舶に接続された前記受電端子とを繋ぐ第2の電路の双方が接続状態であるときに、前記船内発電装置の原動機の回転数を制御して、前記船内発電装置が発電している発電周波数を、前記外部電源の電源周波数よりも僅かに高くしておいて、前記船内主母線と前記船用発電装置とを繋ぐ第3の電路を遮断状態から接続状態とし、前記第3の電路を接続状態とした後に、前記第1の電路及び前記第2の電路を遮断状態として、前記切り替えを行う、ことを特徴とする(請求項15)。
上記本発明の船用給電装置および船舶の給電切り替え方法によれば、船内で使用する電力の供給元を切り替える場合は、ケーブルリール装置およびケーブルクレーンにより、外部電力が供給される巻取ケーブルを船舶の受電端子に接続可能な位置まで案内するので、船舶と外部電源とを容易に接続することができる。このため、船舶の接岸後に、給電用の巻取ケーブルを船舶と岸壁の間で容易に掛け渡して配線することができる。
また、上記本発明の装置および方法によれば、陸上を移動可能な台車に、ケーブルリール装置、ケーブルクレーン等の各装置を搭載しているので、不使用時には、コンテナヤード等他の場所に保管することができ、整備や修理等のメンテナンスを容易に行うことができる。
また、上記本発明の装置および方法によれば、外部電源の電力を船舶に供給する際に、変圧器を経由し電圧変更のある変圧電路と、変圧器をバイパスし電圧変更の無い無変圧電路とを選択的に切り替えることができるので、船舶内の電圧系統が高電圧系統でも低電圧系統でも容易に適用できる。
また、上記本発明の装置および方法によれば、船内で使用する電力の供給元を、船内発電装置から外部電源に切り替える場合は、船内発電装置が発電している発電周波数を、前記外部電源の電源周波数よりも僅かに低くしておいて、切り替えを行い、外部電源から船内発電装置に切り替える場合は、船内発電装置が発電している発電周波数を、外部電源の電源周波数よりも僅かに高くしておいて、切り替えを行うので、無停電で切り替えを行うことができる。このため、切り替え時においても、船舶内で使用している電気機器を支障なくそのまま継続して使用することができる。
つまり、本発明の装置及び方法によれば、船舶において電力の給電元を切り替える場合に、船舶内の電圧系統が高電圧系統でも低電圧系統でも容易に適用でき、給電用のケーブルを船舶と岸壁との間で短時間に容易に掛け渡して配線することができ、各船舶それぞれに設置する必要がなく、新設、既設のいずれの船舶にも適用でき、さらに、無停電で切り換えることができる等の優れた効果が得られる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において、同一部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る船用給電装置10の概略構成を示すと共に、船舶100が岸壁Qに接岸しており、船用給電装置10が岸壁Qの船舶100に近い端部に停車している状態を示す図である。なお、図1は、船舶100の前方側から後方側に向かって船舶100を眺めたものである。
船舶100は、自らが使用する電力を供給するために適数機の船内発電装置102(例えば、発電機付ディーゼルエンジン)を備えていると共に、外部電源から電力の供給を受けることが可能なように構成されている。
船内発電装置102は、遮断器104を介して、船内の他の装置に電力を供給するための船内主母線106に電気的に接続されている。この船内主母線106は、船舶100に設置されている機器(たとえば、照明設備、冷凍設備)に電力を供給するようになっている。遮断器104は、船内主母線106と船内発電装置102とを繋ぐ電路(電力供給線116)を接続又は遮断する機能を有し、船舶の電源電圧が高電圧系統の場合は、たとえば、VCB(Vacuum Circuit Breaker)から構成され、低電圧系統の場合は、たとえば、ACB(Air Circuit Breaker)から構成される。
そして、発電制御装置105の制御の下、遮断器104を接続状態とすることにより、船内発電装置102から船内主母線106へ電力を供給し、逆に、遮断器104を遮断状態とすることにより、船内発電装置102から船内主母線106への電力の供給を停止するようになっている。
なお、船舶100として、電力の消費量が他の船舶に比べて多い客船や冷凍貨物を運搬するためのコンテナ船等を想定し、外部電源として、例えば、陸上に設置されている発電所の発電設備等を想定することにする。
例えばアッパーデッキ108には、受電端子110が設けられており、この受電端子110と船内主母線106との間は、船内ケーブル112を介して互いに電気的に接続されている。さらに、船内ケーブル112の中間部には、遮断器114が設けられている。遮断器114は、船内主母線106と受電端子110とを繋ぐ電路(船内ケーブル112)を接続又は遮断する機能を有し、船舶の電源電圧が高電圧系統の場合は、たとえば、VCBから構成され、低電圧系統の場合は、たとえば、ACBから構成される。また、遮断器114は、後述する給電制御装置46により信号線6bを介して遠隔制御できるようになっている。
船舶100は、船内発電装置102の発電周波数を検出可能な発電周波数検出手段(図示せず)と、船内発電装置102が発電する電気の位相を検出可能な発電装置位相検出手段(図示せず)を有する。
さらにこの船舶100は、ガバナ103及び発電制御装置105を備えている。ガバナ103は、船内発電装置102に設けられ、発電制御装置105により、発電周波数検出手段からの発電周波数や発電装置位相検出手段からの位相を監視しながら、ガバナ103を制御し、船内発電装置102の発電出力、発電周波数、及び位相を制御するようになっている。また、発電制御装置105は、遮断器104の接続状態と遮断状態の切り替えを、信号線を介して遠隔制御できるようになっている。また、発電制御装置105は、後述する給電制御部46により信号線6aを介して遠隔制御できるようになっている。
なお、船舶100は、既設、新設のどちらでもよい。ただし、既設船舶の場合は、給電制御部46によって遠隔制御が可能な遮断器114、信号線6a、6bを改造により新設することが必要であり、さらに、これに適合する受電端子110も改造により新設することが必要である。また、既設船舶の場合に、ガバナ103及び発電制御装置105を備えていることが好ましいが、改造により追加してもよい。また、この改造が困難な場合には、これを省略し、同様の機能を有するほかの手段又は手動操作を併用してもよい。
次に、外部電源から船舶100に電力を供給するための各装置について説明する。
岸壁Qの海に近い部位(たとえば、岸壁の上面であって海側の端部)には、外部電源としての陸上電源Pの接続端子の例であるソケット1が設置されている。このソケット1は、岸壁Qの地中に配線されているケーブルP3を介して、陸上に設置された発電所等の6600Vの高電圧系統に接続されている。なお、陸上電源Pは、6600Vの高電圧系統に限定されず、その他の高電圧系統、或いは他の電圧系統でもよい。
ソケット1はケーブルを上述したように設置することにより、コンテナ等の貨物を船舶に搬出入するためのコンテナクレーンとケーブルとの干渉が発生せず、コンテナクレーンを岸壁に設置しやすくなる。
本発明の船用給電装置10は、台車8と、電力ケーブル14と、ケーブルリール装置20と、電源切り替え手段40とを備える。以下、各構成要素について説明する。
台車8は、車輪と荷台とからなり、陸上を走行可能に構成されている。台車8は、動力装置をもつ自走式であっても、動力装置をもたない牽引式であってもよい。
電力ケーブル14には、その先端部に陸上電源Pのソケット1に接続可能なプラグ11が設けられている。電力ケーブル14は、電力を伝送する動力線と信号を伝送する信号線からなる多線ケーブルであるのがよい。動力線は単相用の2本でも、3相用の3本でもよい。信号線は、1本でも複数でもよい。本実施形態における信号線は、光ファイバーで構成されている。
そして、プラグ11をソケット1に差し込んだときに、電力ケーブル14に設けられている信号線と、岸壁QのケーブルP3に設けられている信号線とが互いに接続されるようになっている。
ケーブルリール装置20は、台車8上に設置され、受電パネル41を介して電力ケーブル14と電気的に接続されていると共に、船舶100の受電端子110に接続可能な巻取ケーブル22と、この巻取ケーブル22を巻き取り・繰り出しするリールと24、リール24を回転駆動する駆動装置26(例えば電動モータ)と、巻取ケーブル22の繰り出し長さを検出する繰出し量検出器28と、繰出し量検出器28の検出値に基づき駆動装置26を制御するリール制御装置30とからなる。
巻取ケーブル22には、その先端部に船舶100の受電端子110に接続可能なプラグ21が設けられている。リール制御装置30は、制御線5gで接続され給電制御部46により制御される。巻取ケーブル22は、電力を伝送する動力線と信号を伝送する信号線からなる多線ケーブルである。動力線は単相用の2本でも、3相用の3本でもよい。信号線は、1本でも複数でもよい。
繰出し量検出器28により、巻取ケーブル22の繰り出し長さ(延出量)が所定の値を超えたことを検出した場合、リール制御装置30は、駆動装置26の回転を停止する制御を行う。
また、ケーブルリール装置20に隣接する位置であって、台車8上の船舶100側の端部の位置には、ケーブルクレーン32が設置されている。ケーブルクレーン32は、上方に延びる本体フレーム34と、本体フレーム34の上方に接続されたガイドビーム36と、ガイドビーム36の先端及び末端に設けられ巻取ケーブル22を案内するプーリ37a、37bとを有する。
また、ケーブルクレーンは32、ガイドビーム36を昇降させる昇降機構を備えており、これによりガイドビーム36の高さを調整できるようになっている。本実施形態における昇降機構は、本体フレームを伸縮可能にすることで構成される。また、ガイドビーム36は、実線で示す水平位置と仮想線で示す直立位置との間を揺動可能に構成されており、これにより不使用時には、ガイドビームを直立位置として、台車から突き出ないようにすることができる。なお、ガイドビーム36は本実施形態のように垂直旋回するものに限られず、水平旋回可能な構成であっても良い。
また、プーリ37a、37bの双方又はいずれか一方に、プーリ37a、37bを回転駆動し、巻取ケーブル22の送出を補助することができる送出補助機構(図示せず)を設けることが好ましい。送出補助機構の駆動源としては例えば電動モータを使用する。
このように構成されたケーブルリール装置20とケーブルクレーン32により、ガイドビーム36の高さを調整し、リール24を回転して巻取ケーブル22を繰り出すことにより、図1に仮想線で示すように巻取ケーブル22が延出し、プラグ21が船舶100の受電端子110のところまで到達するようになっている。そして、プラグ21が受電端子110のところまで到達した後、船上に待機していたオペレータがプラグ21を受電端子110に接続するようになっている。
また、台車8には、電源切り替え手段40が設けられている。電源切り替え手段40は、受電パネル41と、給電制御部46と、変圧器60とを有する。
受電パネル41にはプラグ44が設けられており、電力ケーブル14の端部に設けたソケット54をプラグ44に接続することにより、外部電源である陸上電源Pから受電パネル41へ電力を供給することができるようになっている。また、受電パネル41には、他のプラグ45が設けられており、ソケット55を接続することにより変圧器60と接続されるようになっている。
変圧器60は、受電パネル41とケーブル52との間に設置された降圧変圧器であり、外部電源(この例では6600V)を船内発電装置102の電圧(たとえば440V)に変圧し、内部電圧コネクタ48aに変圧した電圧を供給するようになっている。なお、変圧器60は、降圧変圧器に限定されず、例えば、低電圧の外部電圧を高電圧の船内電圧に変圧する昇圧変圧器でもよい。さらに、外部電圧と船内電圧がわずかに異なる場合(例えば400Vと440V)に、電圧を調整するための変圧器であってもよい。
また、ソケット55とケーブル52との間には、変圧器60をバイパスして外部電源の電力を無変圧でケーブル52に供給するバイパスケーブル47と、バイパスケーブル47とケーブル52とを接続する外部電圧コネクタ48bが設けられている。
このように構成された変圧器60、内部電圧コネクタ48a、外部電圧コネクタ48b、バイパスケーブル47により、変圧器を経由し電圧変更のある変圧電路と、変圧器をバイパスし電圧変更のない無変圧電路とが構成され、ケーブル52を、内部電圧コネクタ48aと外部電圧コネクタ48bのいずれか一方に選択的に接続することにより、船舶100内の電圧系統が高電圧系統でも低電圧系統でも、双方に容易に対応することができる。
各ケーブル52は、リール24に巻かれる巻取ケーブル22とは異なる別のケーブルであり、リール24の回転によって、リール24から延出することがなく、また、リール24に巻き取られることがないようになっている。巻取ケーブル22とケーブル52とは、リール24に設けられているスリップリング等を介して互いに導通している。
電力ケーブル14とケーブル52は、電力を伝送する動力線と信号を伝送する信号線からなる多線ケーブルであるのがよい。動力線は単相用の2本でも、3相用の3本でもよく、信号線は1本でも複数でもよいが、ケーブルリール装置20の巻取ケーブル22の動力線及び信号線に適合している必要がある。すなわち、本実施形態におけるケーブル14内の信号線は光ファイバーで構成されている。
また、受電パネル41の内部であって、プラグ44と他のプラグ45とを繋ぐ電路となる内部ケーブル43の中間部には、遮断器42が設けられている。遮断器42は、例えば、VCBから構成されており、プラグ44と他のプラグ45とを繋ぐ電路を切断又は遮断する機能を有する。言い換えれば、遮断器42は、電力ケーブル14とケーブルリール装置20とを繋ぐ電路を接続又は遮断する機能を有する。
なお、遮断器42としてVCBを採用しているので、高い電圧(たとえば6600V)であっても、確実に電路を遮断することができる。
給電制御部46は、信号線5aにより遮断器42と接続されており、遮断器42の接続状態と遮断状態を切り替える制御を行う。また、給電制御部46は、信号線5gによりリール制御装置30と接続されており、リール制御装置30を介してケーブルリール装置20を制御する。なお、リール制御装置30と給電制御部46とを一体化して、制御線5gを省略してもよい。
また、受電パネル41の内部では、光ファイバーで構成された信号線5cによりプラグ44と光変換器61とが接続されている。光変換器61は、光信号を電気的な信号に、また電気的な信号を光信号に変換する機能を有しており、信号線5d、5eによりPLC62を介して給電制御部46に接続されている。そして、給電制御部46と外部電源(陸上電源P)との間で、光通信による情報の伝達ができるようになっている。
また、給電制御部46は、信号線5bにより内部電圧コネクタ48a及び外部電圧コネクタ48bと接続され、これによりケーブル52及び巻取ケーブル22の内部の信号線と接続されている。また、船舶100では、受電端子110と発電制御装置105、及び受電端子110と遮断器114が、それぞれ信号線6a、6bにより接続されており、巻取ケーブル22のプラグ21を船舶100の受電端子110に差し込んだときに、巻取ケーブル22内の信号線と、信号線6a、6bとが互いに接続されるようになっている。そして、給電制御部46は、巻取ケーブル22のプラグ21が船舶100の受電端子110に接続された状態で、発電制御装置105と情報の交換を行うことができ、発電制御装置105を介して、船内発電装置102の発電周波数と位相、及び、遮断器104の接続状態と遮断状態の切り替えを遠隔で制御することができる。また、給電制御部46は、巻取ケーブル22のプラグ21が船舶100の受電端子110に接続された状態で、遮断器114を遠隔制御することができる。
また、電源切り替え手段40は、外部電源(陸上電源P)の発電周波数を検出可能な外部電源周波数検出手段(図示せず)と、外部電源の位相を検出可能な外部電源位相検出手段(図示せず)とを有している。
このように構成された電源切り替え手段40により、船内で使用する電力の供給元を、船内発電装置102と外部電源との間で無停電で切り替えることができる。つまり、電力の供給元を、船内発電装置102から外部電源に無停電で切り替えることができ、また、外部電源から船内発電装置102に無停電で切り替えることができる。
より詳しく説明すると、船内で使用する電力の供給元を船内発電装置102から外部電源に切り替える場合、給電制御部46は、発電周波数検出手段で検出した船内発電装置102の発電周波数を発電制御装置105を介して取得すると共に、外部電源周波数検出手段で検出した外部電源の周波数を取得し、両者の発電周波数を比較しつつ、船内発電装置102の原動機の回転数を遠隔制御により徐々に下げるように制御して、船内発電装置1021が発電している発電周波数を、外部電源の電源周波数よりも僅かに低くなるようにする。
そして、給電制御部46は、船内発電装置102が発電している発電周波数を、外部電源の電源周波数よりも僅かに低くなるようにしたならば、遮断状態となっていた遮断器42を接続状態とすると共に、遮断状態となっていた遮断器114を遠隔制御により接続状態とし、遮断器42及び遮断器114を接続状態とした後に、接続状態となっていた遮断器104を遠隔制御により遮断状態として、電力の供給元の切り替えを行うようになっている。
船舶100では、この切り替え後、船内発電装置102の稼動を停止する。
一方、船内で使用する電力の供給元を外部電源から船内発電装置102に切り替える場合、給電制御部46は、発電周波数検出手段で検出した船内発電装置102の発電周波数を発電制御装置105を介して取得すると共に、外部電源周波数検出手段で検出した外部電源の周波数を取得し、両者の発電周波数を比較しつつ、船内発電装置102の原動機の回転数を遠隔制御して、船内発電装置102が発電している発電周波数を、外部電源の電源周波数よりも僅かに高くなるようにする。
そして、給電制御部46は、船内発電装置102が発電している発電周波数を、外部電源の電源周波数よりも僅かに高くしたならば、遮断状態となっていた遮断器104を遠隔制御により接続状態とし、遮断器104を接続状態とした後に、接続状態となっていた遮断器42、114を遠隔制御により遮断状態として、電力の供給元の切り替えを行うようになっている。
さらに、発電位相検出手段で検出した船内発電装置102の位相と、外部電源位相検出手段で検出した外部電源Pの位相とを給電制御部46で比較しつつ、各位相が互いに一致したときに各切り替え(船内発電装置102から外部電源への切り替え、又は外部電源から船内発電装置102への切り替え)を行えば、船舶に供給される電力の波形が乱れないように、一層スムーズな切り替えを行うことができる。
また、船内発電装置102の電圧と外部電源の電圧とが互いにほぼ一致したときに各切り替えを行えば、より一層スムーズな切り替えを行うことができる。
なお、図1では、電力ケーブル14、ケーブルリール装置20の巻取ケーブル22、ケーブル52は、それぞれ1本しか示されていないが、船舶100での電力の使用量に応じて、これらを各々、複数本並列して設けてもよい。なお、リールを複数個設ける場合には、各リールの回転中心軸心が互いに一致するように各リールを並べて設け、1つの駆動装置で回転駆動するようにすれば、リールの構成を簡素化することができる。
また、給電制御部46と発電制御装置105とは信号線により接続され、両者間の情報の伝送は、有線通信により行われるものであったが、これに代えて、給電制御部46及び発電制御装置105に無線通信装置を接続し、無線通信により情報の伝送を行うようにしてもよい。
次に、外部電源P等で異常が発生したときの制御について説明する。
上記船用給電装置10のたとえば給電制御部46には、電力ケーブル14、光変換器61及びPLC62を介して外部電源Pの異常を検出可能な外部電源異常検出手段(図示せず)が設けられており、外部電源Pから電力の供給を受けている状態で、外部電源Pに異常が発生したことを検出した場合、船内発電装置102の稼動を開始すると共に、外部電源Pから受けている電力を、船内発電装置102から受けるように切り替える制御を行うようになっている。
また、上記船用給電装置10のたとえば給電制御部46には、船内発電装置102の異常を検出可能な発電装置異常検出手段(図示せず)が設けられており、異常を検出した場合、外部電源Pの保護回路(図示せず)を作動させるための信号を、信号線を介して外部電源Pに出力する異常信号出力手段(図示せず)が設けられている。
さらに、外部電源Pから電力の供給を受けているときに巻取ケーブル22の延出量が所定の値を超えたことを、繰出し量検出器28が検出した場合、給電制御部46は、外部電源Pから受けている電力を、船内発電装置102から受けるように切り換える制御を行うようになっている。
次に、船内で使用する電力の供給元を船内発電装置102から外部電源に切り替える場合の動作(切り替え方法)について、船舶100が岸壁Qに接岸し、船用給電装置10が所定位置に停車した直後の状態から説明する。
まず、陸側のオペレータが、船舶100の電圧系統に合わせて、内部電圧プラグ48aと外部電圧プラグ48bのいずれか一方を選択して、ケーブル52を接続する。次いで、陸側のオペレータが、台車8に搭載されている電力ケーブル14を引き出し、電力ケーブル14の先端部に取り付けられているプラグ11をソケット1に差し込む。
続いて、給電制御部46が、遮断器42と遮断器114の双方を遮断状態としながら、船側のオペレータが、リモートコントロールによって、ケーブルクレーン32を操作し、電力ケーブルが船舶の受電端子に届くように、ガイドアーム36の高さを調整する。次いで、ケーブルリール装置20のリール24を回転させて、プラグ21が受電端子110のところに届くまで巻取ケーブル22を延出させ、プラグ21を受電端子110に差し込む。
続いて、給電制御部46が、船内発電装置102の原動機の回転数を制御して、船内発電装置102の発電周波数が、外部電源Pの電源周波数よりも僅かに低くなるようにしておいて、遮断状態となっていた各遮断器42、114を接続状態とし、この接続状態とした後に、接続状態となっていた遮断器104を遠隔制御により遮断状態として、切り替えを行う。
次に、船内で使用する電力の供給元を外部電源(陸上電源P)から船内発電装置102に切り替える場合の動作(切り替え方法)について、説明する。
まず、電力の供給元が外部電源のときに、給電制御部46が、発電制御部を介して船内発電装置102を稼動させ、船内発電装置102の原動機の回転数を制御し、船内発電装置102が発電している発電周波数が、外部電源Pの電源周波数よりも僅かに高くなるようにしておいて、遮断状態となっていた遮断器104を遠隔制御により接続状態とし、この遮断器104を接続状態とした後に、接続状態としていた各遮断器42、114を遮断状態として、切り替えを行う。
続いて、船側のオペレータが、プラグ21を受電端子110から抜き取り、リモートコントロールによって、リール24を回転させ、巻取ケーブル22を巻き取ってプラグ21を所定高さまで引き上げる。
また、陸側では、陸側のオペレータがプラグ11をソケット1から抜き取り、電力ケーブル14を台車8の所定位置に戻す。
このように、本発明の第1実施形態に係る船用給電装置および船舶の給電切り替え方法によれば、船内で使用する電力の供給元を、船内発電装置102から外部電源P(陸上電源)に、又は外部電源Pから船内発電装置102に、無停電で切り替えることができる。また、電力の供給元を無停電で切り替えることができるので、切り替え時においても、船舶内で使用している電気機器を支障なくそのまま継続して使用することができる。
また、外部電源Pから電力の供給を受けていない場合には、巻取ケーブル22をリール24で巻き取り収納しておくことができるので、巻取ケーブル22が邪魔にならない。
また、船内発電装置102を備えた船舶100に対して、船用給電装置10を新たに設けることで、既設及び新設の船舶に適用することができる。また、既設の船舶に適用する場合でも、遮断器114、信号線6a、6b等を新設するだけでよいので、容易に改造を施すことができる。
また、ケーブルリール装置20およびケーブルクレーン32により、外部電力が供給される巻取ケーブルを船舶の受電端子110に接続可能な位置まで案内するので、船舶100と外部電源とを容易に接続することができる。このため、従来のように別途ケーブルを用意しこのケーブルを船舶や岸壁Qに設置されているクレーン(図示せず)を用いて配線する必要がなく、船舶100の接岸後に、給電用の巻取ケーブル22を船舶100と岸壁の間で容易に掛け渡して配線することができる。
また、ケーブルクレーン32には、ガイドビーム36を昇降させる昇降機構が設けられているので、船舶によって受電端子110の設置高さが異なる場合でも、船舶に合わせてガイドビーム36の高さを調整して、プラグ21を受電端子110に接続できる高さで巻取ケーブル22を案内することができる。
また、陸上を移動可能な台車8に、ケーブルリール装置20、ケーブルクレーン32等の各装置を搭載しているので、不使用時には、コンテナヤード等他の場所に保管することができ、整備や修理等のメンテナンスを容易に行うことができる。
また、外部電源の電力を船舶に供給する際に、変圧器を経由し電圧変更のある変圧電路と、変圧器をバイパスし電圧変更の無い無変圧電路とを選択的に切り替えて使用することができるので、船舶100内の電圧系統が高電圧系統でも低電圧系統でも、双方に容易に対応することができる。
なお、船舶100が港に停泊しているとき(船舶100が岸壁Qの接岸しているとき)、陸上の外部電源Pから電力の供給を受けることができるので、船舶の船内発電装置102を稼動する必要がなく、船内発電装置102から騒音や排気ガスが出てくることがなく、港周辺の環境悪化を防止することができる。
また、船内発電装置102の発電周波数を、外部電源Pの電源周波数よりも低くしておいて切り換えを行うので、船内発電装置102から外部電源Pへの電流の逆流を防ぐことができる。
さらに、船内発電装置102から受けている電力を上記巻取ケーブル22を介して上記外部電源Pから受けるように切り換える場合、船内発電装置102の原動機の回転数を徐々に下げるように制御して、外部電源Pの電源周波数よりも、船内発電装置102の発電周波数を僅かに低くしておくので、船内発電装置102から船内主母線106に供給している電源の周波数が急激に変化することがなく、したがって、船内主母線106やこれに接続されている他の装置に過電流が流れることを防止することができる。
また、外部電源Pから電力の供給を受けている状態で、外部電源Pに異常が発生したことを検出した場合、船内発電装置102の稼動を開始すると共に、外部電源Pから受けている電力を、船内発電装置102から受けるように自動的に切り換えるので、外部電源Pに異常が発生し電力の供給が不可能になっても、船舶100での停電を防止することができる。
また、船内発電装置102の異常を検出した場合、外部電源Pの保護回路を作動させるための信号を上記外部電源Pに出力するので、船内発電装置102の異常による外部電源Pでの故障や不具合の発生を未然に防ぐことができる。
さらに、給電制御部46と陸上電源との間、給電制御部46と発電制御装置105との間、及び給電制御部46と遮断器114との間の通信に用いる信号線は、電力ケーブル14、巻取ケーブル22と一体化されて設けられているので、巻取ケーブル22を設置するときに上記信号線も設置することができ、上記信号線の設置を別途行う必要がなくなる。
また、電力ケーブル14の先端部のプラグ11を岸壁Qに設けられている外部電源Pのソケット1に接続したときに、上記信号線も接続されるようになっているので、上記信号線の接続を別途行う必要が無くなり、信号線の接続を忘れる事態を回避することができる。同様に、巻取ケーブル22の先端部のプラグ21を船舶100の受電端子110に接続したときに、上記信号線も接続されるようになっているので、上記信号線の接続を別途行う必要が無くなり、信号線の接続を忘れる事態を回避することができる。
また、巻取ケーブル22の延出量が所定の値を超えたことを検出した場合、リール24の駆動装置26の回転を停止するので、巻取ケーブル22の延出量過多による巻取ケーブル22の破損を未然に防止することができる。
また、巻取ケーブル22の設置(リール24からの延出)や撤去(リール24への巻取り)作業をしやすくするために、リモコン操作でリール24を駆動するようにしてあるので、換言すれば、リール24から離れた位置でオペレータがリール24を操作する場合があるので、リール24からの巻取ケーブル22の延出量をオペレータが随時確認することは困難である。
しかし、上述したように、巻取ケーブル22の延出量が所定の値を超えたことを検出した場合、リール24の駆動装置26の回転を停止するので、オペレータにとって巻取ケーブルの延出状態が見えにくくてもオペレータの誤操作による巻取ケーブル22の破損を未然に防ぐことができる。
また、外部電源Pから電力の供給を受けているときに巻取ケーブル22の延出量が所定の値を超えたことを検出した場合、給電制御部46は、外部電源Pから受けている電力を、上記船内発電装置102から受けるように切り換える。
したがって、何らかの要因で、外部電源Pから電力の供給を受けているときに、船舶100が岸壁Qから所定の距離よりも離れて、たとえば、巻取ケーブル22の先端部のプラグ21が受電端子110からはずれる事態が発生しても、船舶100への電力の供給を無停電切り換えにて継続して行うことができる。
なお、外部電源Pから電力の供給を受けているときに巻取ケーブル22の延出量が所定の値を超えたことを検出した場合、給電制御部46の制御の下、警報装置を用いて警報を出すと共に主遮断機を遮断してもよい。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図2は、本発明の第2実施形態に係る船用給電装置10の概略構成を示す図である。本実施形態に係る船用給電装置10は、第1実施形態における電力ケーブル14を省略し、その代わりに外部電源として機能する発電装置70を備える。発電装置70は、受電パネル41のプラグ44に差し込み可能なソケット71が先端部に設けられたケーブル72により、受電パネル41と接続されている。また、本実施形態では、光変換器61、PLC62は設けられていない。その他の構成は、上述した第1実施形態に係る船用給電装置10と同様である。
発電装置70は、例えば、マイクロガスタービン発電装置で構成することができる。マイクロガスタービンは、窒素酸化物や煤の発生がディーゼル等と比べて大幅に低減できるという特徴がある。
なお、船内で使用する電力の供給元を船内発電装置102から外部電源である発電装置70に切り替える場合の動作(切り替え方法)は、第1実施形態において電力ケーブル14をソケット1に接続する動作が省略される以外は、上述した第1実施形態と同様である。また、船内で使用する電力の供給元を発電装置70から船内発電装置102に切り替える場合の動作(切り替え方法)は、第1実施形態において、プラグ11をソケット1から抜き取り、電力ケーブル14を台車の所定位置に戻すという動作が省略される以外は、上述した第1実施形態と同様である。
本発明の第2実施形態によれば、外部電源として、台車8上に発電装置70を搭載したので、岸壁Qにおいてソケット1やケーブルP3等の設置工事が不要となる。
また、発電装置70として低公害のマイクロガスタービン発電装置を用いることにより、周囲の環境悪化を防止することができる。
また、第2実施形態によっても、第1実施形態と共通する部分については、第1実施形態で説明したのと同様の効果が得られる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図3は、本発明の第3実施形態に係る船用給電装置10の概略構成を示す図である。本実施形態に係る船用給電装置10は、第1実施形態において、さらに、スイッチ65を備えたものである。スイッチ65は、外部電源からの電力を、変圧器60を経由し電圧変更のある変圧電路と、変圧器60をバイパスし電圧変更のない無変圧電路(バイパスケーブル47)のいずれか一方に供給するように電路を切り替える機能を有する。またスイッチ65は信号線5hを介して、給電制御部46により制御されるようになっている。なお、スイッチ65は、手動操作により切り替えを行うことができる構成であっても良い。
本実施形態では、内部電圧コネクタ48a、外部電圧コネクタ48bは設けられていないため、信号線5bは、ケーブル52に直接接続されている。その他の構成は、上述した第1実施形態に係る船用給電装置10と同様である。
なお、船内で使用する電力の供給元を船内発電装置102から外部電源である陸上電源Pに切り替える場合の動作(切り替え方法)は、第1実施形態においてケーブル52を内部電圧ケーブル48aと外部電圧ケーブル48bのいずれか一方に接続する動作に代えて、スイッチ65により電路の切り替えを行う以外は上述した第1実施形態と同様である。また、船内で使用する電力の供給元を陸上電源Pから船内発電装置102に切り替える場合の動作(切り替え方法)は、上述した第1実施形態と同様である。
本発明の第3実施形態によれば、外部電源からの電力を、変圧器を経由して変圧する電路と、変圧器をバイパスする電路のいずれに供給するかをスイッチ65の切り替えにより行うこととしたので、切り替えを容易かつ迅速に行うことができる。
また、第3実施形態によっても、第1実施形態と共通する部分については、第1実施形態で説明したのと同様の効果が得られる。
なお、第2実施形態に係る船用給電装置10において、第3実施形態と同様のスイッチ65を設け、同様に電路の切り替えを行うように構成してもよい。
なお、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
本発明の第1実施形態に係る船用給電装置の概略構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る船用給電装置の概略構成を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る船用給電装置の概略構成を示す図である。 従来技術を説明する図である。
符号の説明
1 ソケット
5a〜5h、6a、6b 信号線
8 台車
10 船用給電装置
11 プラグ
14 電力ケーブル
20 ケーブルリール装置
21 プラグ
22 巻取ケーブル
24 リール
26 駆動装置
28 繰出し量検出器
30 リール制御装置
32 ケーブルクレーン
34 本体フレーム
36 ガイドビーム
37a、37b プーリ
40 電源切り替え手段
41 受電パネル
42 遮断器
43 内部ケーブル
44、45 プラグ
46 給電制御部
47 バイパスケーブル
48a 内部電圧コネクタ
48b 外部電圧コネクタ
52 ケーブル
54、55 ソケット
60 変圧器
65 スイッチ
70 発電装置
71 ソケット
72 ケーブル
100 船舶
102 船内発電装置
103 ガバナ
104 遮断器
106 船内主母線
108 アッパーデッキ
110 受電端子
112 船内ケーブル
114 遮断器
116 電力供給線
P 陸上電源
P3 ケーブル
Q 岸壁

Claims (15)

  1. 船内で使用する電力を供給するための船内発電装置を備える船舶に、外部電源の電力を供給する船用給電装置であって、
    陸上を移動可能な台車と、
    前記台車に設置され、前記外部電源である陸上電源に接続可能な電力ケーブルと、
    前記台車に設置され、前記外部電源の電力を受けるために前記船舶に設けられた受電端子に接続可能な巻取ケーブルを有し該巻取ケーブルを巻き取り又は繰り出すことができるケーブルリール装置と、
    前記台車に設置され、前記巻取ケーブルを前記船舶の前記受電端子に接続可能な位置まで案内するケーブルクレーンと、
    前記台車に設置され、船内で使用する電力の供給元を、前記船内発電装置と前記外部電源との間で無停電で切り替えることが可能な電源切り替え手段と、を備える、
    ことを特徴とする船用給電装置。
  2. 船内で使用する電力を供給するための船内発電装置を備える船舶に、外部電源の電力を供給する船用給電装置であって、
    陸上を移動可能な台車と、
    前記台車に設置され、前記外部電源として機能する発電装置と、
    前記台車に設置され、前記外部電源の電力を受けるために前記船舶に設けられた受電端子に接続可能な巻取ケーブルを有し該巻取ケーブルを巻き取り又は繰り出すことができるケーブルリール装置と、
    前記台車に設置され、前記巻取ケーブルを前記船舶の前記受電端子に接続可能な位置まで案内するケーブルクレーンと、
    前記台車に設置され、船内で使用する電力の供給元を、前記船内発電装置と前記外部電源との間で無停電で切り替えることが可能な電源切り替え手段と、を備える、
    ことを特徴とする船用給電装置。
  3. 前記電源切り替え手段は、
    前記外部電源の電圧を前記船内発電装置の電圧に変圧する変圧器を備える、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の船用給電装置。
  4. 前記電源切り替え手段は、前記変圧器を経由し電圧変更のある変圧電路と、前記変圧器をバイパスし電圧変更のない無変圧電路と、前記外部電源からの電力を前記変圧電路と前記無変圧電路のいずれか一方に供給するように切り替える電路切り替え手段とを有する、ことを特徴とする請求項3に記載の船用給電装置。
  5. 前記電源切り替え手段は、
    船内で使用する電力の供給元を前記船内発電装置から前記外部電源に切り替える場合は、遠隔制御により、前記船内発電装置が発電している発電周波数を、前記外部電源の電源周波数よりも低くしておいて、前記切り替えを行う、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の船用給電装置。
  6. 前記電源切替え手段は、
    前記外部電源と前記ケーブルリール装置とを繋ぐ電路を接続又は遮断する第1の遮断器と、少なくとも前記第1の遮断器を制御する給電制御部と、を備え、
    前記給電制御部は、
    船内で使用する電力の供給元を前記船内発電装置から前記外部電源に切り替える場合は、前記船内発電装置の原動機の回転数を遠隔制御して、前記船内発電装置が発電している発電周波数を、前記外部電源の電源周波数よりも僅かに低くしておいて、前記第1の遮断器を接続状態とすると共に、船舶内の機器に電力を供給するための船内主母線と前記受電端子とを繋ぐ電路を接続又は遮断する第2の遮断器を遠隔制御により接続状態とし、前記第1の遮断器及び前記第2の遮断器を接続状態とした後に、前記船内主母線と前記船用発電装置とを繋ぐ電路を接続又は遮断する第3の遮断器を遠隔制御により遮断状態として、前記切り替えを行う
    ことを特徴とする請求項5に記載の船用給電装置。
  7. 前記切り替え手段は、
    船内で使用する電力の供給元を前記外部電源から前記船内発電装置に切り替える場合は、遠隔制御により、前記船内発電装置が発電している発電周波数を、前記外部電源の電源周波数よりも僅かに高くしておいて、前記切り替えを行う、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の船用給電装置。
  8. 前記電源切替え手段は、
    前記外部電源と前記ケーブルリール装置とを繋ぐ電路を接続又は遮断する第1の遮断器と、少なくとも前記第1の遮断器を制御する給電制御部と、を備え、
    前記給電制御部は、
    船内で使用する電力の供給元を前記外部電源から前記船内発電装置に切り替える場合は、前記船内発電装置の原動機の回転数を遠隔制御して、前記船内発電装置が発電している発電周波数を、前記外部電源の電源周波数よりも僅かに高くしておいて、前記船舶内の機器に電力を供給するための船内主母線と前記船用発電装置とを繋ぐ電路を接続又は遮断する第3の遮断器を遠隔制御により接続状態とし、前記第3の遮断器を接続状態とした後に、前記第1の遮断器及び船内主母線と前記受電端子とを繋ぐ電路を接続又は遮断する第2の遮断器を遠隔制御により遮断状態として、前記切り替えを行う、
    ことを特徴とする請求項7に記載の船用給電装置。
  9. 前記ケーブルクレーンは、前記台車の一端側に設置され上方に延びる本体フレームと、該本体フレームの上部に接続され前記台車の外方に突出するガイドビームと、該ガイドビームの先端及び末端に設けられ前記巻取ケーブルを案内するプーリとを有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の船用給電装置。
  10. 前記ケーブルクレーンは、前記巻取ケーブルの送出を補助する送出補助機構を備える、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の船用給電装置。
  11. 前記ケーブルクレーンは、ガイドビームを昇降させる昇降機構を備える、ことを特徴とする請求項9又は10に記載の船用給電装置。
  12. 船内で使用する電力を供給するための船内発電装置を備える船舶において、船内で使用する電力の供給元を前記船内発電装置から外部電源に切り替える船舶の給電切り替え方法であって、
    陸上を移動可能な台車に、前記外部電源である陸上電源に接続可能な電力ケーブルと、前記外部電源の電力を受けるために前記船舶に設けられた受電端子に接続可能な巻取ケーブルを有し該巻取ケーブルを巻き取り又は繰り出すことができるケーブルリール装置と、前記巻取ケーブルを前記船舶の前記受電端子に接続可能な位置まで案内するケーブルクレーンと、船内で使用する電力の供給元を、前記船内発電装置と前記外部電源との間で無停電で切り替えることが可能な電源切り替え手段と、を備えた船用給電装置を用い、
    前記電力ケーブルを陸上電源に接続するとともに、前記巻取ケーブルを前記受電端子に接続し、
    前記船内発電装置の原動機の回転数を制御して、前記船内発電装置が発電している発電周波数を、前記外部電源の電源周波数よりも僅かに低くしておいて、前記電力ケーブルと前記ケーブルリール装置とを繋ぐ第1の電路を遮断状態から接続状態とすると共に、船内の機器に電力を供給するための船内主母線と前記受電端子とを繋ぐ第2の電路を遮断状態から接続状態とし、前記第1の電路及び前記第2の電路を接続状態とした後に、前記船内主母線と前記発電装置とを繋ぐ第3の電路を接続状態から遮断状態として、前記切り替えを行う、
    ことを特徴とする船舶の給電切り替え方法。
  13. 船内で使用する電力を供給するための船内発電装置を備える船舶において、船内で使用する電力の供給元を前記船内発電装置から外部電源に切り替える船舶の給電切り替え方法であって、
    陸上を移動可能な台車に、前記外部電源として機能する発電装置と、前記外部電源の電力を受けるために前記船舶に設けられた受電端子に接続可能な巻取ケーブルを有し該巻取ケーブルを巻き取り又は繰り出すことができるケーブルリール装置と、前記巻取ケーブルを前記船舶の前記受電端子に接続可能な位置まで案内するケーブルクレーンと、船内で使用する電力の供給元を、前記船内発電装置と前記外部電源との間で無停電で切り替えることが可能な電源切り替え手段と、を備えた船用給電装置を用い、
    前記巻取ケーブルを前記受電端子に接続し、
    前記船内発電装置の原動機の回転数を制御して、前記船内発電装置が発電している発電周波数を、前記外部電源の電源周波数よりも僅かに低くしておいて、前記外部電源と前記ケーブルリール装置とを繋ぐ第1の電路、及び船内の機器に電力を供給するための船内主母線と前記受電端子とを繋ぐ第2の電路の双方を遮断状態から接続状態とし、前記第1の電路及び前記第2の電路を接続状態とした後に、前記船内主母線と前記船用発電装置とを繋ぐ第3の電路を接続状態から遮断状態として、前記切り替えを行う、
    ことを特徴とする船舶の給電切り替え方法。
  14. 船内で使用する電力を供給するための船内発電装置を備えると共に外部電源からの電力の供給を受けることが可能な船舶において、船内で使用する電力の供給元を前記外部電源から前記船内発電装置に切り替える船舶の給電切り替え方法であって、
    陸上を移動可能な台車に、前記外部電源である陸上電源に接続可能な電力ケーブルと、前記外部電源の電力を受けるために前記船舶に設けられた受電端子に接続可能な巻取ケーブルを有し該巻取ケーブルを巻き取り又は繰り出すことができるケーブルリール装置と、前記巻取ケーブルを前記船舶の前記受電端子に接続可能な位置まで案内するケーブルクレーンと、前記台車に設置され、船内で使用する電力の供給元を、前記船内発電装置と前記外部電源との間で無停電で切り替えることが可能な電源切り替え手段と、を備えた船用給電装置を用い、
    前記巻取ケーブルが前記受電端子に接続されている状態であって、前記電力ケーブルと前記ケーブルリール装置とを繋ぐ第1の電路、及び船内の機器に電力を供給するための船内主母線と前記船舶に接続された前記受電端子とを繋ぐ第2の電路の双方が接続状態であるときに、
    前記船内発電装置の原動機の回転数を制御して、前記船内発電装置が発電している発電周波数を、前記外部電源の電源周波数よりも僅かに高くしておいて、前記船内主母線と前記船用発電装置とを繋ぐ第3の電路を遮断状態から接続状態とし、前記第3の電路を接続状態とした後に、前記第1の電路及び前記第2の電路を遮断状態として、前記切り替えを行う、
    ことを特徴とする船舶の給電切り替え方法。
  15. 船内で使用する電力を供給するための船内発電装置を備えると共に外部電源からの電力の供給を受けることが可能な船舶において、船内で使用する電力の供給元を前記外部電源から前記船内発電装置に切り替える船舶の給電切り替え方法であって、
    陸上を移動可能な台車に、前記外部電源として機能する発電装置と、前記外部電源の電力を受けるために前記船舶に設けられた受電端子に接続可能な巻取ケーブルを有し該巻取ケーブルを巻き取り又は繰り出すことができるケーブルリール装置と、前記巻取ケーブルを前記船舶の前記受電端子に接続可能な位置まで案内するケーブルクレーンと、船内で使用する電力の供給元を、前記船内発電装置と前記外部電源との間で無停電で切り替えることが可能な電源切り替え手段と、を備えた船用給電装置を用い、
    前記巻取ケーブルが前記受電端子に接続されている状態であって、前記発電装置と前記ケーブルリール装置とを繋ぐ第1の電路、及び船内の機器に電力を供給するための船内主母線と前記船舶に接続された前記受電端子とを繋ぐ第2の電路の双方が接続状態であるときに、
    前記船内発電装置の原動機の回転数を制御して、前記船内発電装置が発電している発電周波数を、前記外部電源の電源周波数よりも僅かに高くしておいて、前記船内主母線と前記船用発電装置とを繋ぐ第3の電路を遮断状態から接続状態とし、前記第3の電路を接続状態とした後に、前記第1の電路及び前記第2の電路を遮断状態として、前記切り替えを行う、
    ことを特徴とする船舶の給電切り替え方法。
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