JPH04108339U - 移動発電機並列装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 本案は移動発電機の出力を配電線を停電させ
ることなく、並列接続させる場合における高圧ケーブル
を並列装置に引き込むため、装置の大型化を避け、高圧
ケーブルを配電線に活線接続するための高所、高電圧等
の危険作業を回避しようとするものである。 【構成】 並列装置本体、非接触センサ、そして、自動
開閉装置等で構成されている移動発電機並列装置であ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本案は移動発電機の出力を配電線を停電させることなく並列接続させることが できる移動発電機並列装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年需要家に対するサービスの一環として電力の質の向上と瞬時でも停電させ ることのない安定供給が必要となってきた。 これはＦＡ，ＯＡ，ＨＡ等コンピューター機器が一般化し多用され、中には停 電補償が完全でないものもあり、一時的にせよ停電させることは生産効率その他 に重大な影響を及ぼすことになり、改善が望まれていた。 充電されている配電線へ他の発電機の出力を並列接続する場合は、相回転、電 圧、位相を合わせること、そして、操作時には配電線及び発電機の電流を監視す る必要がある。 通常これら並列作業は区分開閉器を介して行なわれ、一定区間の停電および復 旧作業をするには区分開閉器の両側に高圧ケーブルを接続すること、そして、発 電機の操作により前記相回転、電圧、位相等を調整し、系統に同調することで行 なわれる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術で述べたものにあっては、下記のような問題点を有していた。 すなわち上述のような場合、高圧ケーブルを並列装置に引き込むため装置の大 型化、そして、高圧ケーブルを配電線に活線接続するための高所、高電圧等の危 険作業が伴うことになる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本願では下記の構成のものによって上述した問題を解決しようとするものであ る。 すなわち、本願のものは、配電線の一時的な容量不足を補うため、または配電 線の一部区間を停電作業する時に、他区間を停電させないために移動発電機の出 力を活線状態で配電線へ並列接続できる移動発電機並列装置である。 この場合、前記移動発電機並列装置はその心臓部をマイコン化し、電源側セン サに電流検出要素を持たせることにより、並列後の発電機出力調整を自動化する と共に、移動発電機並列装置を構成する分離独立した装置間を無線で結合し、装 置の配置に余裕度を持たせたこと、及び配電線に活線接続する高圧ケーブルの数 を半減させるなど省力化及び安全性の面で優れた機構を持つようにすることがで きる。

【０００５】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明する。 図１は本考案の実施例を説明するための構成図である。 本願の移動発電機並列装置は、発電機を配電線に無停電で並列接続または切離 しするために、予め用意された並列装置本体１と配電線充電部から非接触で電圧 、電流、位相情報が得られ、かつ、これらの情報を送信する送信機などで構成さ れた非接触センサ２と復旧作業時に区分開閉器５を前記並列装置本体１よりの指 令で自動で開放または、投入するための自動開閉装置３などで構成されている。 １Ａは並列装置本体の送受信アンテナ、２Ａは非接触センサ２の送受信アンテ ナ、２Ｂは接地線、４は移動発電機車、４Ａは発電機、４Ｂは開閉器、６は電源 側配電線、７は負荷側配電線、７Ａは負荷側高圧ケーブル、８は並列装置本体１ と移動発電機車４間の制御ケーブル、９は並列装置本体１と自動開閉装置３間の 制御ケーブルである。

【０００６】 負荷側配電線７を無停電のまま電源側配電線６を停電させ工事等を実施する場 合。 非接触センサ２より得られた電圧、電流、位相の情報と高圧ケーブル７Ａより 得られた情報を比較し、非接触センサ２が設置されている相と負荷側配電線７の ３本のうち、どの相と同相かを判別し、また、センサの電圧感度も含めて並列装 置本体１に記憶する。 次に、負荷側配電線７と発電機４Ａの相回転を合わせた上、並列装置本体１よ りの制御で発電機４Ａの出力調整を行ない、電圧、位相の合った点で開閉器４Ｂ を自動投入する。 こののち、非接触センサ２で監視している電流が最小になるように、発電機の 出力を調整し、自動開閉装置３で区分開閉器５を自動開放し、並列操作及び電源 側配電線６との切離し操作を完了する。 こののち、電源側配電線６の一定区間を停電させるなどして目的作業を実施す る。

【０００７】 電源側での工事等が終了し復旧動作をする場合、電源側の停電区間に通電し、 こののち非接触センサ２より送られてくる電圧、位相情報を基に発電機４Ａの出 力調整を行ない、電源側、負荷側双方の条件が合った時点で自動開閉装置３へ投 入信号を送出し投入完了する。 次に自動操作により発電機４Ａの出力を落した上で開閉器４Ｂを開放し、高圧 ケーブル７Ａ及び非接触センサ２を取外し、電源側復旧操作を完了する。 本考案では復旧操作ように区分開閉器５を利用することと電源側の情報を１個 の非接触センサ２で得ることにより、従来に比べ大幅な改良を行なった。 すなわち、電源側配電線６での活線作業が不要となり、また、並列装置本体１ に高圧ケーブルを引き込む必要がないため、安全性と並列装置本体１の小型軽量 化が可能となった。

【０００８】 図２は本考案と比較検討するため、従来の実施例を説明するための構成図であ る。 １１は従来型の並列装置、１１Ａは内蔵の開閉器、６Ａは電源側高圧ケーブル である。 負荷側配電線７を無停電のまま電源側配電線６を停電させ工事等を実施する場 合。 発電機４Ａの出力を調整し、負荷側配電線７と同相、同電圧、そして、同位相 の条件下で移動発電機車４の開閉器４Ｂを投入し並列する。 こののち、発電機の出力を上げていき、電源側配電線６の電流が最小になった 時、区分開閉器５を手動開放し、並列操作及び電源側配電線６との切離し操作を 完了する。 こののち、電源側配電線６の一定区間を停電させる等して目的作業を実施する 。 電源側での工事等が終了し復旧動作をする場合、電源側の停電区間に通電し、 こののち、発電機４Ａの出力調整を行ない、電源側配電線６と同相、同電圧、そ して、同位相の条件下で従来型の並列装置１１内蔵の開閉器１１Ａを投入、その 後、発電機４Ａの出力を落した上で、移動発電機車の開閉器４Ｂを開放し、区分 開閉器５を投入して復旧操作を完了する。 なお、図中、１０は並列装置と移動発電機車の開閉器間の高圧ケーブル、１２ は並列装置と移動発電機車間の高圧ケーブルである。

【０００９】 作用について効果と共に説明する。

【００１０】

【考案の効果】

イ．作業の安全性と省力化の向上 配電線高圧充電部での活線作業は高電圧と高所の環境であり、常に危険がつき まとう。 本考案によるものは、電源側３個所、負荷側３個所の活線作業を１個の非接触 センサを電源側に設置することにより、負荷側３個所のみにしたものである。 並列作業は原則的に電源を送出するために最低３個所の接続作業を除くことが できず、その意味では大幅な安全性と省力化の向上が達せられた。 ロ．区分開閉器の利用及び非接触センサの使用による装置の小型軽量化 並列装置は通常、負荷側配電線（発電機出力）と電源側配電線との間の復帰並 列作業時に内蔵の開閉器を使用する。 本考案によるものは、区分開閉器を利用すること及び非接触センサを使用する ことで並列装置本体より開閉器、コネクタ等の高圧部品を除くことができ、結果 として高圧充電部がないため、離隔スペースが最小限ですむ。また、大型部品が ないため、小型軽量化が可能となった。 ハ．電源側の情報が非接触で得られるためと情報を無線で送れることにより、非 接触センサは取付場所を選ばない。 すなわち、電源側配電線上で電波の届く範囲ならどこに設置してもよい。 ニ．並列作業完了後、発電機車切離し作業を自動的に行なう。 並列作業完了後の切離し作業には面倒な出力調整等を含め熟練者が手動で行な ってきた。 本考案のものは内蔵マイコンにより、複雑な作業が自動化され、熟練者でなく ても作業が可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の構成図である。

【図２】従来型の移動発電機並列装置の構成図である。

【符号の説明】

１ 並列装置本体 １Ａ 並列装置本体の送受信アンテナ ２ 非接触センサ ２Ａ 非接触センサの送受信アンテナ ２Ｂ 非接触センサの接地線 ３ 自動開閉装置 ４ 移動発電機車 ４Ａ 発電機 ４Ｂ 移動発電機車の開閉器 ５ 区分開閉器 ６ 電源側配電線 ６Ａ 電源側高圧ケーブル ７ 負荷側配電線 ７Ａ 負荷側高圧ケーブル ８ 並列装置本体と移動発電機車間の制御ケーブル ９ 並列装置本体と自動開閉装置間の制御ケーブル １１ 従来型の並列装置 １１Ａ 従来型の並列装置内蔵の開閉器 １０ 従来型の並列装置と移動発電機車の開閉器間の高
圧ケーブル １２ 従来型の並列装置と移動発電機車間の高圧ケーブ
ル

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 配電線の一時的な容量不足を補うため、
   または配電線の一部区間を停電作業する時に、他区間を
   停電させないために移動発電機の出力を活線状態で配電
   線へ並列接続できることを特徴とする移動発電機並列装
   置。
2. 【請求項２】 前記移動発電機並列装置はその心臓部を
   マイコン化し、電源側センサに電流検出要素を持たせる
   ことにより、並列後の発電機出力調整を自動化すると共
   に、移動発電機並列装置を構成する分離独立した装置間
   を無線で結合し、装置の配置に余裕度を持たせたこと、
   及び配電線に活線接続する高圧ケーブルの数を半減させ
   るなど省力化及び安全性の面で優れた機構を持つ請求項
   １記載の移動発電機並列装置。