JP4586637B2 - 作業車両の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、対地作業機を昇降自在に備えるトラクタやフロントローダ等の作業車両に関し、特にその変速制御装置の構成に関する。
従来、農業用トラクタ等の作業車両では、主に作業状態と路上走行状態といった二つの場面があり、作業状態では、前記エンジン回転数を高回転状態、所謂フルスロットル状態に保つと共に変速位置を低速位置として走行する一方、前記路上走行状態では、前記エンジンの回転数をアイドリング付近に保ち変速位置を高速位置として走行するものである。そして前記トラクタには、コントローラによりエンジンの回転数を変更可能に構成し、また変速位置も切り替え可能に構成して耕耘作業時等に負荷を一定に保つ制御装置を備えるものが知られている。
特開平4−271704号
しかしながら、前記のようなトラクタでは、前記負荷を一定に保つ制御を作業選択スイッチなるスイッチ設定具により入切する構成となっている為、作業を開始、終了する度に同スイッチを操作する必要が有り、操作が煩わしく切忘れ等、誤操作も生じ易い構成であった。
また、前進速度に対する後進速度を任意に変更できるようにしローダ作業の効率化、安全を図る。
この発明は上記課題を鑑みて、作業車両の変速制御装置を以下のように構成した。
即ち、請求項1の発明では、アクチュエータ(1)の駆動により走行系変速装置(5)の変速位置を変更可能に構成すると共に、車体に対し作業機昇降アーム(3)の上下回動操作にて対地作業機(R)を昇降自在に備えた作業車両において、車体状態を指定するモード切替スイッチ(4)を備え、このモード切替スイッチ(4)の設定状態を「路上走行」モード、「ローダ」モード或いは「牽引作業」モードに選択できる構成とし、前記「路上走行」モードのときは前記アクチュエータ(1)の駆動により車速を一定に保つレシオ制御を選択し、前記「ローダ」モードのときは作業機昇降アーム(3)の回動角を検出するセンサ(3s)による検出値の値に関係無く前記アクチュエータ(1)の駆動によりエンジン(E)の回転数を一定に保つトルク制御を選択し、前記「牽引作業」モードであって、作業機昇降アーム(3)の回動角を検出するセンサ(3s)による検出値が所定値以下のときは前記トルク制御を選択し、該センサ(3s)による検出値が所定値を超えているときはレシオ制御を選択する制御部(C)を備え、前記「ローダ」モードのときに、前進速度に対する後進速度を任意に変更することができる後進速度減速率設定器(21)を有効とする構成としたことを特徴とする作業車両とした。
(請求項1の作用)
以上のように構成した請求項1の発明では、モード切替スイッチ4の設定状態を判定し、これが「路上走行」モードであれば、後述するレシオ制御が行われる。また「ローダ」モードであれば、作業機昇降アーム(3)の回動角を検出するセンサ(3s)による検出値の値に関係無くトルク制御が実行され、「牽引作業」モードであればトルク制御とレシオ制御のミックス制御が実行される。
また、「ローダ」モードでは、前記後進速度減速率設定器21の設定が有効となり、前進速に対し後進速度を任意に変更することができる。
これにより、対地作業機Rを備えている作業車両の場合に、モード切替スイッチ4を「牽引作業」モードに切り替えたときは、作業機昇降アーム3の回動角を検出するセンサ3sによる検出値に応じてトルク制御とレシオ制御が制御部Cの操作により自動で切り替わるので、従来のようにスイッチを切り替える煩わしさが無く、またスイッチの切り忘れ等、誤操作による作業性の悪化や燃費の悪化を防止することができる。
また、ローダ作業を行う時には、前記モード切替スイッチ4を「ローダ」モードに切り替えて、前記リフトアーム3の上下位置に関係無くエンジンの回転数を一定に保つトルク制御を選択することができ、また芝刈作業や散布作業等、牽引負荷が係らない作業を行う時には、前記モード切替スイッチ4を「路上走行」モードに切り替えて、リフトアーム3の上下位置に関係無く車速を一定に保つレシオ制御を選択することができる。これにより、各種作業に応じて制御を選択することで、作業性の向上、または燃費の向上を図ることができる。
また、前記「ローダ」モードでは、前記後進速度減速率設定器21の設定が有効となり、前進速に対し後進速度を何割にするかを任意に変更することができることにより、ローダ作業時の土砂の積載状態や走行面の状態に応じて後進に切り替えたときの車速を変更することができ、作業の効率化と安全を図ることができる。
以下、図面に基づいて、この発明を作業車両となる農業用トラクタTに搭載した形態について説明する。
最初にトラクタTの構成について説明する。
トラクタTは、図1に示すように、ボンネット11内部にエンジンEを備え、このエンジンEの回転動力をフロントミッションケース2aとミッドミッションケース2bとリヤミッションケース2c内の各種伝動装置を介して走行装置となる後輪9R、または前後輪9F,9Rへ伝達して走行する構成となっている。
前記エンジンEには、ガバナ機構G近傍にアクセル位置センサ13aを設け、エンジン出力軸12にエンジン回転センサ13bを設けている。
またトラクタTの車体後部には、作業機昇降用油圧シリンダ14を内装するシリンダケース15を備え、同シリンダ14のピストン伸縮操作によりケース両側の作業機昇降アームとなるリフトアーム3を上下回動し、三点リンク機構16を介して対地作業機、ここではロータリ作業機Rを昇降する構成となっている。また前記リフトアーム3の基部には、作業機の高さを検出するセンサとしてリフトアーム角センサ3sを設け、操縦席17側方の作業機昇降レバー18基部のレバー位置センサ18sの検出角と前記リフトアーム3基部のリフトアーム角センサ3sの検出角が一致するように、前記作業機昇降用油圧シリンダ14を駆動する構成となっている。
また前記三点リンク機構16の左右一側のロアリンクとリフトアーム3は、作業機ローリング用油圧シリンダ19を介して接続され、同シリンダ19のピストンの伸縮操作により、作業機Rの左右一側を上下操作して作業機Rの左右ローリング姿勢を調整する構成となっている。また前記ローリング用油圧シリンダ19の駆動量は、ワイヤーを介してミッションケース2上部のストロークセンサにて検出する構成となっている。
またトラクタTの操縦席17の前方には、前記前輪9Fを左右操舵するステアリングハンドル25を設け、この下方に車両の前後進を切り替える前後進切替レバー26、及びエンジンEの回転数を調節するアクセルレバーを設けている。また前記アクセルレバーの回動基部には、摩擦材を有するレバー保持機構を設けると共に、ワイヤーを介して前記エンジンEのガバナ機構Gに接続する構成となっている。これにより、エンジンEのスロットル位置を同レバー2の操作位置を変更し任意の位置で保持することができる。
また前記ステアリングハンドル25の下方には、左右ブレーキペダル7L,7R、そしてアクセルペダル28を設け、前記アクセルペダル28の回動基部には、エンジン回転数を減速側へ戻すよう付勢したスプリングを設けると共に、前記アクセルレバーと同様に、ワイヤーを介して前記エンジンEのガバナ機構Gへ接続する構成となっている。
これにより、前記アクセルレバーにより保持されたスロットル設定位置を下限として、アクセルペダル28の踏み込み時にだけエンジン回転数を上昇させ、踏み込み解除時には、前記アクセルレバーで設定された元の位置に復帰する構成となっている。
尚、一般的に前記トラクタTのような作業車両では、作業時には変速位置を低速側に設定し、アクセルレバーをエンジン高回転位置(フルスロットル位置)に設定して一定速で走行する一方、路上走行や圃場内移動時では、変速位置を高速側に設定し、アクセルレバーを低回転位置(アイドリング位置近傍)に設定し、アクセルペダル28を踏み込んでエンジン回転数、即ち車速を調節する。
また前記ステアリングハンドル25の前方には、液晶モニタMを有するメータパネル31を設け、この裏面にメータパネル用コントローラC3を備え、同コントローラC3に入力された情報を液晶モニタMや警報ブザー32にて報知する構成となっている。
また、トラクタTの操縦席17の側方には、前記作業機Rの高さを調整する作業機昇降レバー18と、後述する走行系変速装置5の変速位置を調整する変速レバー(変速操作具)6と、トラクタTの状態が「牽引作業」か「ローダ作業」、或いは「路上走行」状態かを指定するモード切替スイッチ4、更に後進速度減速率設定器21を備える構成となっている。また前記変速レバー6の基部には、同レバー6の操作位置を検出するポテンショメータ式の変速レバー位置センサ6sを設け、前記コントローラCでは同レバー6の操作に応じて走行系変速装置5の出力回転を変更する構成となっている。
また前記操縦席17の下方には、同トラクタTの制御部Cとなる各種コントローラC1,C2や、作業機ローリング制御に利用する傾斜センサを備える構成となっている。
次に、図2に基づいてトラクタTの動力伝達経路について説明する。
前記エンジンEの回転動力は、PTO系動力として、PTOクラッチ40及びPTO変速装置41を介して車体後部のPTO軸42へ伝達すると共に、走行系動力として、減速ギヤ組35を介して変速装置5(トロイダル型無段変速部5a、遊星ギヤ式差動機構部5b、高低切替クラッチ機構部5c)と後輪デフ機構36Rを介して左右後輪9R,9Rへ伝達すると共に、前記変速装置5にて出力された回転を前輪駆動軸37と前輪デフ機構36Fを介して左右前輪9Fへ伝達する構成となっている。
尚、図2中の符号38はトラクタTの旋回時に前輪を増速駆動させる所謂前輪増速装置を示し、等速クラッチ38aと増速クラッチ38bとを備える構成となっている。
前記走行系変速装置5について詳細に説明すると、前記トロイダル型無段変速部5aは、図3に示すように、走行系入力軸となるバリエータ入力軸45と、同軸45と一体回転する2つの入力側ディスク46a,46aと、伝動下手側の遊星ギヤ式差動機構部5bへ動力を伝えるバリエータ出力軸47と、同軸47と一体の出力側ディスク46bとを夫れ夫れ同一軸芯線上に備えると共に、前記入力側ディスク46a,46aと出力側ディスク46bとの間に、シリンダピストンの先端部に支持した回転ローラを複数挟持する構成(バリエータ機構46)としている。そして、前記複数の回転ローラ及びシリンダピストン(以下、パワーローラ1,1…)を油圧操作で位置を変更することにより同ローラの傾倒角が変更され、前記入力側ディスク46a,46aから出力側ディスク46bへ伝わる動力伝達比が変更されてバリエータ出力軸47の回転を変速する構成となっている。
また前記遊星ギヤ式差動機構部5bは、前記バリエータ出力軸47と、伝動下手側の低速クラッチ23Lへ動力を伝達する低速用出力ギヤ51と、高速クラッチ50Hへ動力を伝達する高速用出力ギヤ52を備え、前記バリエータ出力軸47後端部の出力用サンギヤ47aから前記低速出力ギヤ51及び高速用出力ギヤ52を夫れ夫れ常時噛み合わせる大ギヤ54a及び小ギヤ54bを有する3つのプラネタリギヤ54,54,45を駆動する構成となっている。
また前記3つのプラネタリギヤ54,54,54は、共通のキャリア55に支持され、前記出力用サンギヤ47aの周りを公転する構成となっている。また前記バリエータ入力軸45は、前記キャリア55を介して後側の入力側ディスク46aと一体構成となっている。
これにより、前記パワーローラ1,1…のローラ傾倒角を変更し、バリエータ入力軸45の回転とバリエータ出力軸47の回転に差を付けることにより、プラネタリギヤ54の回転が変速され、同ギヤ54に備える高低各出力ギヤ54a,54bから伝達される回転が変速される。
また前記高低切替クラッチ機構部5cは、前記高速出力ギヤ54aの回転を伝達して入切操作する高速クラッチ23Hと、前記低速用出力ギヤ54bの回転を、第一カウンター軸56、第二カウンター軸57を介して伝達して入切操作する低速クラッチ23Lを備え、両クラッチ23L,23Hを夫れ夫れの比例圧力制御弁60L,60Hの油路開放操作で接続圧を調整する構成となっている。
これにより、前記プラネタリギヤ54の高速出力ギヤ54a若しくは低速出力ギヤ54bの回転の一方を選択して、後輪デフ機構36Rへの伝動軸58を駆動する構成となっている。
以上のように構成した走行系変速装置5では、前記エンジンEの回転をトロイダル型無段変速部5aへ伝達し、バリエータ出力軸47とバリエータ入力軸45の回転を遊星ギヤ式差動機構部5bにて合成する。そしてこの際、前記低速クラッチ23Lを入とした状態で、前記パワーローラ1の傾倒角を変更すると、出力回転を低速域内で正転から逆転に亘って無段階で変速、即ちトラクタTを作業に適した低速域で前進と後進に亘って無段変速する構成となっている。また前記高速クラッチ23Hを入とした状態で、前記パワーローラ1の傾倒角を変更すると、出力回転を正転に保ったまま高速域、即ちトラクタTを路上走行に適した高速域で無段変速する構成となっている。
次に前記PTO系動力について詳細に説明する。
前記エンジンEの出力回転は、エンジン出力軸12からフロントミッションケース2a前部に位置するPTO伝動ギヤ63へ伝達され、同ギヤ63と一体のPTO伝動軸64にて車体後方へ伝達される。また前記PTO伝動ギヤ63には、回転方向を一方向に規制するワンウェイクラッチ66を備える構成となっている。これにより、例えば前記エンジンE停止時のエンジン出力軸12の振戻しやPTO軸42からの付き回りにより、同ギヤ63及びこれと常時噛み合うギヤ及び同ギヤと一体の軸の逆転を防止することができ、ひいては前記入出側ディスク46a,46b間に挟持された前記ローラを安定して保持することができる。
また前記PTO伝動軸64の後部には、傘歯車状のポンプ駆動ギヤ67を設け、同ギヤ67を駆動することでミッドミッションケース2b上面に備えた第三ポンプP3を駆動する構成となっている。またPTO伝動軸64上には、側面視、前記高低切替クラッチ機構部5cと後輪デフ機構36R間にPTOクラッチ40を設け、同クラッチ40にて入切操作された回転をPTO正逆切替装置69にて正転、逆転に切り替えて、伝動下手側のPTO変速装置41へ伝達する構成となっている。またこのPTO変速装置41は、低、中、高の三段変速可能なコンスタントメッシュギヤ式変速機構であり、前記操縦席17近傍のPTO変速レバーのシフト操作によりギヤを切り替える構成となっている。
次に図4と図5に基づいてトラクタTの油圧構成について説明する。
前記トラクタTのフロントミッションケース2aは、内部に中壁71を形成し、前方の区画に前記PTO伝動ギヤ63、ワンウェイクラッチ66とトロイダル型無段変速部5aを内装すると共に、後方の区画に前記遊星ギヤ式差動機構部5bと高低切替クラッチ機構部5cと、前記ポンプ駆動ギヤ67及びPTOクラッチ40等を内装する構成となっている。また前記前方の区画には、前記各パワーローラ1のシリンダ室へ送り込む特殊作動油を充填すると共に、後方の区画には、トラクタTの他のアクチュエータ、例えば昇降用油圧シリンダ14やローリング用油圧シリンダ19用の標準作動油を充填する構成となっている。
また前記トラクタTには、第一の油圧ポンプP1にて前記標準作動油を、パワーステアリング用油圧シリンダを駆動するパワステ回路L1へ送り込み、また第二油圧ポンプP2から、同じく標準作動油を作業系回路L2と走行系油路L3へ送り込む構成となっている。
前記作業系油路L2は、回路上手側に分流弁74を設け、同分流弁74から前記ローリング用油圧シリンダ19へ通じるローリング用油路L2aと、作業機昇降用油圧シリンダ14へ通じる作業機昇降用油路L2bとへ圧油を送る構成となっている。
また前記走行系油路L3は、回路上手側から順に、前記等速クラッチ38a及び増速クラッチ38bを有する前輪駆動用油路、兼PTOクラッチ40へ圧油を送るPTOクラッチ用油路L3a、前記高低切替クラッチ機構部5cへ圧油を送る高低切替用油路L3bを並列分岐し、回路末端をトラクタTの左右後輪9Rを夫れ夫れ独立して制動させるブレーキ用油路L3cを構成している。
また前記第三油圧ポンプP3は、図5に示すように、前記特殊作動油をフロントミッションケース2aの前方の区画から吸い上げ、回路下手側にて二手に分岐し、夫れ夫れの回路(パワーローラ操作用油路L4a,L4b)に比例流量制御弁62,62及び逆止弁と絞りから成るダンパ機構75を介してパワーローラ1のシリンダピストン室に接続する構成となっている。また前記二本のパワーローラ操作用油路L4a,L4bは、夫れ夫れの比例流量制御弁62とダンパ機構75との間油路同士を、逆止弁を備えたシャトル弁76にて接続し、同シャトル弁76にて高圧側の回路から圧油の一部を取り出し、同圧油を回路下手側に備えたリリーフバルブ77の開度を開放するパイロット圧として利用する構成としている。
また前記パワーローラ操作用油路L4a,L4bには、前記パワーローラ1,1…のシリンダ室へ接続する油路と並列して、前記同様、高圧側の回路から圧油の一部を取り出す第二のシャトル弁79を備え、同弁79から取り出された圧油をリリーフバルブ80で一定圧に保った状態で前記入出力側ディスク46a,46bを押す所謂エンドロード圧に利用する構成となっている。これにより、比例流量制御弁62にて作動油を送りパワーローラ1,1…を駆動する際、これに連動して入出力側ディスク46a,46bの押圧力を適度に増加するので、過剰なローラの滑りを防止して円滑に変速することができる。
次に図6に基づいて、トラクタTの制御系について説明する。
前記トラクタTの制御部となるコントローラCは、変速制御用コントローラC1と作業機制御用コントローラC2とメータパネル用コントローラC3とから成り、各コントローラは夫れ夫れ各種情報を処理するCPU、制御プログラムを記憶するEEPROM、センサ情報や設定器情報を一時記憶するRAM等を備えると共に、互いを通信回線にて接続し入出力情報を共用する構成となっている。
また前記変速制御用コントローラC1は、この入力部に前後進切替レバー26のレバー位置を検出する前進スイッチ26fと後進スイッチ26r、変速レバー6の変位置を検出する変速レバー位置センサ6s、モード切替スイッチ4、後進速度減速率設定器21、左右ブレーキペダル7L,7Rの連結スイッチ7sを備えると共に、油圧回路の適所に備えた各圧力センサ、エンジン回転センサ13b、そして出力側ディスク46bの回転を検出するバリエータ出力センサ46bs、後輪9Rの回転を検出する車速センサ82等を接続して設けている。
また変速制御用コントローラC1の出力部には、前記パワーローラ1のピストン伸縮用の比例流量制御弁62のソレノイド62s,62Sと、高速切替クラッチ23Hを入切操作する比例流量制御弁60Hのソレノイド60Hs、低速クラッチ23Lを入切制御する比例流量制御弁60Lのソレノイド60Ls,60Ls等を接続して設けている。
また前記作業機制御用コントローラC2は、この入力部に作業機昇降レバー18の操作位置を検出する昇降レバー位置センサ18s、リフトアーム角センサ3s、そしてローリング制御モード設定器やローリング角センサ、傾斜センサ等の作業機ローリング制御に関する設定器類を接続して設け、出力部に作業機上昇用及び下降用の比例流量制御弁83,84のソレノイド83s,84s、作業機ローリング用の切替制御弁85のソレノイド85a,85b等を接続して設けている。
またメータパネル用コントローラC3には、液晶モニタMや警報ブザー32、各種パイロットランプを接続する構成となっている。
以上のように構成したトラクタTでは、前記変速制御用コントローラC1により、図7〜図9に示す変速制御が行われる。
まずトラクタTの電源系をONすると、各種センサや設定器類の状態が読み込まれ初期作動確認処理が行われる。
この初期作動確認処理は、パワーローラ1の作動を安定化する処理であり、図8に示すように、まず前記高速クラッチ23Hと低速クラッチ23Lを共に切に保った状態で、前記パワーローラ操作用の比例流量制御弁62のソレノイド62sへ通電を行ってパワーローラ1のピストンを伸長、短縮させると共に、この1回毎の伸長作動と短縮作動の作動速度、詳しくは前記バリエータ出力センサ46bsによる出力回転数の変化率を測定する。そして前記伸長動作、短縮動作を所定回数行い、各変化率が連続して所定の範囲内、即ちパワーローラ1の作動速度が安定したことを検出すると、この平均値を演算しパワーローラ1の制御定数に設定する構成としている。また前記作動速度が連続して所定の範囲内に検出されない場合は、前記モニタMにエラー(異常)の旨を表示する。
これにより、油圧回路内の汚れによる環境変化や油圧機器の固体差による影響に係わらず、パワーローラ1の動作を常に一定とすることができ、ひいては正確且つ安定したトラクタTの変速操作が得られる。
尚、前記パワーローラ1の制御定数とは、通常運転時に変速する際、パワーローラ1の所定時間後の駆動位置、即ちトロイダル型無段変速部5aの出力回転数を予測してシリンダピストンを作動遅れ無く正確に停止するために用いられる。
また前記初期作動確認の処理が終了すると、前記左右ブレーキペダル連結スイッチ7sにより両ペダル7L,7Rの連結状態を判定し、これが非連結状態であれば、最高速度を作業に想定される最高速、例えば7km/hに設定する。また前記ブレーキペダル7L,7Rが連結状態であれば、トラクタTの最高車速を路上走行に想定される最高速、例えば15km/hに設定する。これにより、トラクタTの状態に応じて最高車速が変更され、車両の操作性及び安全性を向上することができる。
また続いて前記モード切替スイッチ4の設定状態を判定し、これが「路上走行」モードであれば、後述するレシオ制御が行われる。また「ローダ」モードであれば、トルク制御が実行され、「牽引作業」モードであればトルク制御とレシオ制御のミックス制御が実行される。
前記レシオ制御とは、路面の傾斜変化や摩擦変化に係わらず車速を一定に保つ制御であり、変速レバー5と前後進切替レバー26の操作位置に応じた設定車速と前記車速センサ82による検出車速が常に一致する様、前記変速制御用コントローラCによりパワーローラ1のローラ傾倒角と高低切替クラッチ部5cのクラッチ接続状態を随時変更する制御となっている。
また前記トルク制御とは、牽引負荷の変化に係わらずエンジンEの出力回転を一定に保つ制御であり、前記アクセル位置センサ13aによる設定回転数がエンジン回転センサ13bの検出回転数と常に一致する様、前記変速制御用コントローラC1によりパワーローラ1のローラ傾倒角と高低切替クラッチ部5cのクラッチ接続状態を随時変更する制御となっている。
また前記トルク制御とレシオ制御のミックス制御とは、前記リフトアーム角センサ3sの検出値よりトラクタTの状態を判定し、リフトアーム3が所定角を超えて保持されているときには、作業機Rを上昇させた路上走行状態と想定して、前記作業機Rを上昇して一定時間経過した時点での車速を保つ様、前記変速制御用コントローラC1によりパワーローラ1の傾倒角と高低切替クラッチ部5cのクラッチ接続状態を随時変更するレシオ制御を行い、前記リフトアーム3が所定角以下に保持されているときには、作業機を着地させた作業状態と想定して、前記作業機Rを下降して一定時間経過した時点でのエンジン回転数を保つ様、前記変速制御用コントローラC1によりパワーローラ1の傾倒角と高低切替クラッチ部5cのクラッチ接続状態を随時変更するトルク制御を行う構成となっている。
これにより、車両の状態に応じてトルク制御とレシオ制御がコントローラの操作により自動で切り替わる構成としたので、従来のようにオペレータ自ら設定器を切り替える煩わしさが無く、スイッチの切り忘れ等、誤操作による作業性の悪化や燃費の悪化も防止することができる。
また同トラクタTでは、ローダ作業を行う時には、前記モード切替スイッチ4を「ローダ」モードに切り替えて、前記リフトアーム3の上下位置に関係無くエンジンの回転数を一定に保つトルク制御を選択することができ、また芝刈作業や散布作業等、牽引負荷が係らない作業を行う時には、前記モード切替スイッチ4を「路上走行」モードに切り替えて、リフトアーム3の上下位置に関係無く車速を一定に保つレシオ制御を選択することができる。
これにより、各種作業に応じて制御を選択することで、作業性の向上、または燃費の向上を図ることができる。
また前記トラクタTの「ローダ」モードでは、前記後進速度減速率設定器21の設定が有効となり、図10に示すように、前進速に対し後進速度を何割にするかを任意に変更することができる構成となっている。
これにより、ローダ作業時の土砂の積載状態や走行面の状態に応じて後進に切り替えたときの車速を変更することができ、作業の効率化と安全を図ることができる。
尚、この発明の別形態としては、作業機Rの高さを検出する手段として前記リフトアーム角センサ3sに代えて、作業機昇降レバー18のレバー位置センサ18sや別途備えた作業機Rに備えた接地センサを用いる構成としても良い。
トラクタの全体側面図。 操縦席側方を示す斜視図。 トラクタの伝動機構線図。 トラクタの一部油圧回路図。 コントローラの接続状態を示すブロック図。 制御の概要を示すフローチャート。 初期作動確認処理の概要を示す制御フローチャート。 レシオ制御の概要を示すフローチャート。 トルク制御の概要を示すフローチャート。 ミックス制御の概要を示すフローチャート。
C 制御部(コントローラ)
E エンジン
R ロータリ作業機対地作業機
T トラクタ
1 パワーローラ(アクチュエータ)
3 リフトアーム(作業機昇降アーム)
3s リフトアーム角センサ
4 モード切替スイッチ
5 走行系変速装置
21 後進速度減速率設定器

Claims (1)

  1. アクチュエータ(1)の駆動により走行系変速装置(5)の変速位置を変更可能に構成すると共に、車体に対し作業機昇降アーム(3)の上下回動操作にて対地作業機(R)を昇降自在に備えた作業車両において、車体状態を指定するモード切替スイッチ(4)を備え、このモード切替スイッチ(4)の設定状態を「路上走行」モード、「ローダ」モード或いは「牽引作業」モードに選択できる構成とし、前記「路上走行」モードのときは前記アクチュエータ(1)の駆動により車速を一定に保つレシオ制御を選択し、前記「ローダ」モードのときは作業機昇降アーム(3)の回動角を検出するセンサ(3s)による検出値の値に関係無く前記アクチュエータ(1)の駆動によりエンジン(E)の回転数を一定に保つトルク制御を選択し、前記「牽引作業」モードであって、作業機昇降アーム(3)の回動角を検出するセンサ(3s)による検出値が所定値以下のときは前記トルク制御を選択し、該センサ(3s)による検出値が所定値を超えているときはレシオ制御を選択する制御部(C)を備え、前記「ローダ」モードのときに、前進速度に対する後進速度を任意に変更することができる後進速度減速率設定器(21)を有効とする構成としたことを特徴とする作業車両。
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