JP4585695B2 - 自動ブレーキ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のブレーキ装置に関し、特に、自動作動可能な気圧式の倍力装置を備える自動ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
気圧式の電子制御倍力装置を備える自動ブレーキ装置は、自車の車両運動状態や周囲環境によりブレーキ力が必要と判断される場合に、運転者のブレーキ操作から独立してブレーキ力を発生させたり、緊急時に運転者のブレーキ操作力を助勢する力を発生させるものである。
【0003】
このような自動ブレーキ装置の電子制御倍力装置として、例えば、特開平11−208453号公報のような、ソレノイドにより電磁気的にハウジング内の弁機構を作動させるようにした電子制御倍力装置が発明されている。この電子制御倍力装置では、電磁気的に大気−変圧室間の弁を開き、変圧室を増圧させ、変圧室より低圧に保たれた定圧室との差圧によってブレーキ力を発生させる。この弁機構では、ばね力と変圧室−定圧室間の差圧が弁をフロント側へ付勢し、ソレノイドの電磁気力が弁をリア側へ付勢する機構となっており、これらの付勢力が均衡すると弁が閉鎖される。この弁機構によって、ソレノイドの電磁気力に応じた差圧が発生することになり、ソレノイドに通電する電流の大小に応じて電子制御倍力装置の出力を自由に調整することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術の電子制御倍力装置を備える自動ブレーキ装置では、弁機構の付勢力がバランスし、閉弁保持状態となる電流値(以下、均衡電流値と呼ぶ)がある。この均衡電流値から電流値を増減させると、この電流値偏差の分だけ弁機構の付勢力バランスがくずれることによって、弁が開弁し、電子制御倍力装置の出力が変化する。このとき、均衡電流値からの電流値偏差が大きいほど、弁の開弁量は大きくなり、空気流量が大きくなるため、電子制御倍力装置の出力変化率が大きくなる。
【0005】
しかしながら、弁機構に付勢されるばね反力の特性が増圧時と減圧時とで異なるため、電流値偏差に対する開弁量が、増圧時と減圧時とで異なるという特性を有する。これによって、増圧時と減圧時とで電流偏差に対する液圧変化率が異なるので、出力の円滑な制御が困難となる。
【0006】
そこで、本発明では、ブレーキ力を円滑に操作できる自動ブレーキ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1によれば、自動ブレーキ装置において、前記第一の戻しばねのばね定数が、前記第二の戻しばねのばね定数より大きいことにより達成される。これにより、増減圧間における特性変化を抑制することができるので、ブレーキ力を円滑に操作できる自動ブレーキ装置を実現可能となる。
さらに上記目的は、請求項2によれば、自動ブレーキ装置において、前記第一の戻しばねが、収縮するに伴ってばね定数が増加する非線形特性を有することにより達成される。これにより、消費電力が増大することなく、増減圧間における特性変化を抑制することができるので、ブレーキ力を円滑に操作できる自動ブレーキ装置を実現可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の自動ブレーキ装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
≪基本構成≫
[自動ブレーキ装置全体]
図1に示すように、本発明の実施の形態の自動ブレーキ装置は、ブレーキペダル2と、ブレーキペダル2の操作または電磁気的な操作により作動される気圧式の電子制御倍力装置1と、この電子制御倍力装置1の出力により2つの液室にそれぞれブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ3と、このマスタシリンダ3の液室に発生したブレーキ液圧を各輪に伝達する液圧配管4a,4bと、4つの車輪の各ホイールシリンダ6a〜6dと、ブレーキ液圧を検出する液圧検出手段20と、電子制御倍力装置1に負圧を供給する負圧源7と、車両の運転状態を検知する運転状態検出手段21と、他車や障害物などの外界環境の状態を検知する外界環境検出手段22と、目標液圧を演算する目標液圧演算装置23と、電子制御倍力装置1を駆動制御する制御装置10とを備えている。
【0009】
電子制御倍力装置1は、負圧源7にて発生する負圧と大気圧との圧力差を利用してブレーキ力を発生する。この電子制御倍力装置1は、運転者によるブレーキ操作時にはブレーキペダル2の操作量に応じて圧力差を調整し、マスタシリンダ3に出力する力を増大させる。また、自動ブレーキ時にはソレノイド66への駆動電流値に応じて圧力差を調整し、マスタシリンダ3に出力する力を発生する。
【0010】
マスタシリンダ3は、出力ロッド33からの入力を液圧に変換するピストン43と、第一液室41と、第二液室42とを備え、第一液室41は、液圧配管4aを経由して、右前輪のホイールシリンダ6aと左前輪のホイールシリンダ6bと連通しており、第二液室42は、液圧配管4bを経由して、右後輪のホイールシリンダ6cと左後輪のホイールシリンダ6dと連通している。
【0011】
運転状態検出手段21は、例えば、車両の速度、車両の加速度、車両の旋回角速度、各車輪の回転速度、各車輪のスリップ状態、ブレーキペダル踏込み量、ステアリングの舵角、エンジンのスロットル開度、などを検出し、各運転状態に応じた信号を目標液圧演算装置23へ送るものである。外界環境検出手段22は、前方走行車との車間距離や相対速度、障害物の有無、道路勾配、などを検出し、外界環境に応じた信号を目標液圧演算装置23へ送るものである。目標液圧演算装置23は、運転状態検出手段21と外界環境検出手段22の信号から、ブレーキ液圧の目標値を演算し、制御装置10へ送るものである。液圧検出手段20は、ブレーキ液圧を検出するセンサで、例えば圧力センサである。制御装置10は、目標液圧演算装置23と、液圧検出手段20からの信号に応じて、電子制御倍力装置1への駆動電流値を演算し、ソレノイド66を駆動制御する。
【0012】
[電子制御倍力装置]
電子制御倍力装置1の内部には、筒状のバルブボディ51を設け、バルブボディ51の外周に設けたダイヤフラム52によって、フロント側の定圧室53と、リア側の変圧室54とで区画してあり、定圧室53と変圧室54との連通状態を切換える弁機構60を設けている。この弁機構60は、バルブボディ51の内周部に設けた真空弁座61と、真空弁座61に開弁方向の付勢力を与えるソレノイドスプリング57(第一の戻しばね)と、ブレーキペダル2に連結された大気弁座62と、バルブスプリング55(第二の戻しばね)の付勢力によって真空弁座61、大気弁座62にリア側から着座する弁体63とを備えている。
【0013】
上記真空弁座61とそれに接離する弁体63のシート部とによって真空弁64を構成してあり、この真空弁64よりも外周側の空間は、定圧室53に連通している。定圧室53は負圧源7と連通しており、常時負圧が導入されている。また、大気弁座62とそれに接離する弁体63のシート部とによって大気弁65を構成している。そして、大気弁65の外周側の空間は、変圧室54に連通しており、大気弁65の内周側の空間は、大気に連通している。入力ロッド32とバルブボディ51との間にバルブスプリング55より大きな荷重を有するスプリング56を配置している。これにより、電子制御倍力装置1の非作動状態では、大気弁65を閉鎖させるとともに、真空弁64を開放させている。なお、入力ロッド32はブレーキペダル2に連結されている。
【0014】
真空弁64よりフロント側には、ソレノイド66が設けあり、ソレノイド66の内周部には、円筒状のピストン67を摺動可能なように配置してある。バルブボディ51の内周部には筒状部材68が摺動可能なように配置されてあり、筒状部材68のフランジ部が真空弁座61となっている。また筒状部材68のフロント側はピストン67と当接してある。筒状部材68と入力ロッド32の間には、ソレノイドスプリング57が配置してあり、筒状部材68とソレノイド66をフロント側に向けて付勢してある。電子制御倍力装置の非作動時、および運転者の踏込力による通常ブレーキ時には、ソレノイドスプリング57が筒状部材68を図1に示す位置に保持させている。
【0015】
開弁量に対するバルブスプリング55とソレノイドスプリング57のばね反力、及び、開弁量に対する電磁気力を図2−(a)に示す。横軸は、開弁量0を境界として、左側が真空弁の開弁量、右側が大気弁の開弁量となる。実線がばね反力であり、破線が電磁気力である。減圧時は、バルブスプリング55の付勢力は作用しないので、開弁量に対するばね反力の勾配(以下、ばね反力勾配と呼ぶ)は、ソレノイドスプリング57のばね定数K1となる。増圧時は、バルブスプリング55とソレノイドスプリング57の付勢力が作用するので、この場合のばね反力勾配は、ソレノイドスプリング57のばね定数K1とバルブスプリング55のばね定数K2の和となる。破線は電流値一定のときの電磁気力であり、電流値Iを一定間隔iで変化させた場合の様子を複数の破線で示している。
【0016】
図2−(a)に示すように、ソレノイドスプリング57のばね定数K1は、バルブスプリング55のばね定数K2よりも大きく設定してある。増圧時はソレノイドスプリング57とバルブスプリング55のばね力が付勢されるのに対し、減圧時はソレノイドスプリング57のばね力のみ付勢される。したがって、ソレノイドスプリング57のばね定数K1を、バルブスプリング55のばね定数K2よりも大きく設定することによって、増圧時と減圧時とで、弁機構60の付勢力変化を低減できる。図2−(b)はK1<K2とした場合のばね反力特性である。減圧時と増圧時で、ばね反力勾配が大きく異なるため、出力の円滑な制御が難しくなる。
【0017】
また、ソレノイド66は、電流値が一定のとき、ピストン67の位置がリア側にあるほど、電磁気力が小さくなる特性をもつ。ピストン67のリア側への移動量に対する電磁気力減少の割合(以下、電磁気力勾配と呼ぶ)を大きくすることは、ソレノイドスプリング57のばね定数K1を増加させることと等価であるため、電磁気力勾配の増加によって、増圧時と減圧時とで、弁機構60の付勢力変化を低減できる。
【0018】
バルブボディ51のフロント側に出力ロッド33が配置してあり、バルブボディ51と出力ロッド33のあいだにリアクションディスク34を収納している。バルブボディのフロント側にはリターンスプリング35が配置してあり、非作動時にはバルブボディ51を図1に示す位置に保持させている。出力ロッド34はマスタシリンダ3のピストン43と連動する。
≪電子制御倍力装置の動作≫
以上のような基本構成をもつ自動ブレーキ装置の動作について、以下説明する。
[通常ブレーキ時]
ブレーキペダル2の踏込力により入力ロッド32がフロント側へ前進されるので、弁機構60が作動し、負圧室53と変圧室54は遮断状態、変圧室54と大気は連通状態となる。これにより、大気が変圧室54に導入されて、変圧室54内部の圧力が負圧室53内部の圧力よりも高くなる。従って、ダイヤフラム52の前後に圧力差が生じ、ダイヤフラム52および出力ロッド33がフロント側へ推進し、入力ロッド32からの入力を所定の倍率で倍力しマスタシリンダ3のピストン43へ出力する。ピストン43の作動により第一液室41および第二液室42にブレーキ液圧が発生する。第一液室41の液圧はホイールシリンダ6a、6bに供給され、第二液室42の液圧はホイールシリンダ6c、6dに供給され、各輪にブレーキ力が発生する。
[自動ブレーキ時]
電子制御倍力装置1を自動ブレーキとして作動させる場合には、外界環境検出手段22により車両の前方に他車や障害物が検知された場合、または、運動状態検出手段21により車輪の過大なスリップ率や不安定な車両挙動が検出された場合、目標液圧演算装置23は、ブレーキ液圧の目標値を演算し、制御装置10へブレーキ力の発生を要求する。制御装置10は、運転者のブレーキ操作の有無に関わらず、電子制御倍力装置1を駆動し、自動ブレーキを作動させる。
[増圧時]
ブレーキ力を増加させる場合には、ソレノイド66に通電する電流値を増加させる。電流値に応じた電磁気力によって、バルブスプリング55とソレノイドスプリング57に抗してピストン67がリア側へ移動される。これ伴って、真空弁64が遮断され、大気弁65が開放される。これにより、大気が変圧室54に導入される。変圧室54へ大気が導入されると、変圧室54内部の圧力が負圧室53内部の圧力よりも高くなり、ダイヤフラム36の前後に圧力差が生じ、バルブボディ51、ダイヤフラム52および出力ロッド33がフロント側に推進し、マスタシリンダ3の液圧が上昇する。
【0019】
筒状部材68のフランジ部69のフロント側には定圧室53の負圧が作用し、フランジ部69のリア側には変圧室54の圧力が作用する。このため、フランジ部69には、変圧室54の圧力増加に伴う差圧が作用し、ピストン67に対するフロント側への付勢力となる。変圧室54の圧力が上昇すると、差圧によるフロント側への付勢力が増加し、ピストン67はフロント側へ移動される。従って、大気弁65の開弁量は減少し、変圧室54へ導入される大気の流量は次第に減少し、ブレーキ液圧の変化率は減少する。差圧による付勢力がさらに増加すると、大気弁65は閉じられ、大気の流入が遮断されるので、ブレーキ液圧が保持される。これによって、弁機構60はサーボバランス状態となり、自動ブレーキとして作動された電子制御倍力装置1は所望の出力を得られたことになる。
【0020】
[減圧時]
ブレーキ力を減少させる場合には、ソレノイド66の電流値を減少させる。電流値の減少に伴って電磁気力が減少する。サーボバランス状態にあった弁機構60では、ソレノイド66によるリア側への付勢力が減少することによって付勢力のバランスがくずれる。このとき、弁機構60には、バルブスプリング55の付勢力は作用しない。付勢力のバランスがくずれると、ピストン67はフロント側へ移動される。これ伴って、真空弁64が開放され、変圧室54の空気が定圧室53へ流出され、変圧室54内部の圧力が減少する。変圧室54の圧力が減少すると、ダイヤフラム52の前後の圧力差が減少し、バルブボディ51、ダイヤフラム52および出力ロッド33がリア側へ戻され、マスタシリンダ3の液圧が減少する。
【0021】
変圧室54の圧力が減少すると、差圧によるフロント側への付勢力が減少し、ピストン67はリア側へ移動される。従って、真空弁64の開弁量が小さくなるのに伴い、定圧室53へ流出する空気の流量は次第に減少し、ブレーキ液圧の変化率は減少する。差圧による付勢力がさらに減少すると、真空弁64は閉じられ、空気の流出が遮断されるので、ブレーキ液圧が保持される。これによって、弁機構60はサーボバランス状態となり、自動ブレーキとして作動された電子制御倍力装置1は所望の出力を得られたことになる。
【0022】
以上のような動作の結果、サーボバランス状態(閉弁保持状態)となった均衡電流値から、電流値を変化させると、弁機構60の付勢力バランスがくずれることにより大気弁65または真空弁64が開弁する。
【0023】
増圧時に、均衡電流値から電流値を増加させると、大気弁65が開弁する。大気弁65は、電磁気力によるリア側への付勢力と、バルブスプリング55、ソレノイドスプリング57によるフロント側への付勢力が釣合う開弁量となる。従って、均衡電流値からの電流値の偏差(以下、電流値偏差と呼ぶ)が大きいほど、大気弁65の開弁量は大きくなる。これにより、変圧室54へ導入される大気の流量も大きくなり、ブレーキ液圧の変化率は大きくなる。
【0024】
一方、減圧時に均衡電流値から電流値を減少させると、真空弁64は、電磁気力によるリア側への付勢力と、ソレノイドスプリング57によるフロント側への付勢力が釣合う開弁量となる。電流値偏差が大きいほど、ピストン67の位置はフロント側へ移動することとなり、真空弁64の開弁量は大きくなる。これにより、定圧室54へ流出する大気の流量も大きくなり、ブレーキ液圧の変化率は大きくなる。
【0025】
減圧時は、バルブスプリング55の付勢力は作用しないので、ばね反力勾配は増圧時より小さい。しかしながら、図2−(a)に示す通り、ソレノイドスプリング57のばね定数K1をバルブスプリング55のばね定数K2よりも大きく設定してあるので、増圧時と比較して2分の1以上のばね反力勾配を、減圧時に確保することができる。従って、減圧時のばね反力勾配を増圧時のばね反力勾配に近づけることが可能となり、増圧時と減圧時とで、弁機構60の付勢力変化を低減できる。図2−(b)はK1<K2とした場合の、ばね反力特性である。減圧時と増圧時で、ばね反力勾配が大きく異なるため、出力の円滑な制御が難しくなる。
【0026】
さらに、ソレノイド66は、電流値が一定のとき、ピストン67の位置がリア側にあるほど、電磁気力が小さくなる特性をもつ。ピストン67のリア側への移動量に対する電磁気力の勾配を大きくすることは、ソレノイドスプリング57のばね定数K1を増加させることと等価である。従って、電磁気力勾配の増加によって、増圧時と減圧時とで、弁機構60の付勢力変化を低減できる。
【0027】
このような弁機構60の特性によって、増減圧間における付勢力特性の変化を抑制することができ、円滑にブレーキ力を発生する自動ブレーキ装置を提供することが可能となる。
【0028】
以上、本発明の一実施形態例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない限り、種々の変更を行うことができる。
≪他の実施形態例≫
例えば、上記実施の形態では、ソレノイドスプリング57とバルブスプリング55を線形ばねとして扱ったが、図3のように非線形ばねとすることも可能である。この非線形ばねは、収縮するに伴ってばね定数が増加する非線形特性を有するため、増圧時と減圧時の境界周辺でのばね定数を変更させることなく、筒状部材68の全ストローク範囲でばね反力を確保することができ、ソレノイド66の非励磁時には、筒状部材68を図1に示す位置に保持させることが可能となる。
したがって、増圧時と減圧時の境界周辺でのばね反力を低減でき、均衡電流値を下げることが可能となる。例えば、図2−(a)に示す特性では、電流値I=3iで閉弁保持状態となるが、図3の特性によれば、電流値I=2iで閉弁保持状態となる。以上のような特性によって、消費電力の少ない自動ブレーキ装置を提供することが可能となる。
【0029】
また、非線形ばねの効果は、図4に示すような電磁気力特性の非線形化によっても実現可能である。この電磁気力特性は、一定電流値に対し、真空弁64の開弁に伴って、電磁気力の上昇率が減少するような非線形特性、つまりソレノイド66の筒状部材68がフロント側へ移動するのに伴って、電磁気力の上昇率が減少する非線形特性を有する。これにより、増圧時と減圧時の境界周辺での電磁気力変化特性を変更させることなく、筒状部材68の全ストローク範囲で電磁気力を確保するこができ、図1に示す位置から筒状部材68を吸引することが可能となる。したがって、増圧時と減圧時の境界周辺での電磁気力を増加させることができ、均衡電流値を低減することが可能となる。例えば、図2−(a)に示す特性では、電流値I=3iで閉弁保持状態となるが、図4の特性によれば、電流値I=2iで閉弁保持状態となる。以上のような特性によって、消費電力の少ない自動ブレーキ装置を提供することが可能となる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の自動ブレーキ装置は、増圧時と減圧時とで付勢力特性の変化の少ない電子制御倍力装置を用いてブレーキ力を制御する。したがって、円滑にブレーキ力を発生する自動ブレーキ装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体基本構成の一例を表す図である。
【図2】電磁気力特性とばね反力特性の一例を表す図である。
【図3】電磁気力特性とばね反力特性の他の一例を表す図である。
【図4】電磁気力特性とばね反力特性の他の一例を表す図である。
【符号の説明】
1…電子制御倍力装置、10…制御装置、20…液圧検出手段、53…定圧室、54…変圧室、55…バルブスプリング、57…ソレノイドスプリング、60…弁機構、64…真空弁、65…大気弁、66…ソレノイド。
Claims (2)
- 空気圧を変動制御される変圧室、大気圧より低圧に保たれる定圧室、該変圧室と該定圧室を区画し、差圧を出力に変換するダイヤフラム、該変圧室と大気の連通状態を制御する大気弁、該変圧室と該定圧室の連通状態を制御する真空弁、該大気弁に開弁方向の、該真空弁に閉弁方向の付勢力を与え、通電する電流の大小に応じて付勢力を変更可能なソレノイド、該真空弁に開弁方向の付勢力を与える第一の戻しばね、該大気弁に閉弁方向の付勢力を与える第二の戻しばねを備える電子制御倍力装置と、
該電子制御倍力装置によってピストンを作動されブレーキ液圧を発生するマスタシリンダと、該マスタシリンダからブレーキ液圧が供給されてブレーキ力を発生させるホイールシリンダと、該ブレーキ液の実液圧を検出する液圧検出手段と、前記電子制御倍力装置を駆動制御する制御装置とを備え、
該第一の戻しばねのばね定数は、該第二の戻しばねのばね定数より大きいことを特徴する自動ブレーキ装置。 - 空気圧を変動制御される変圧室、大気圧より低圧に保たれる定圧室、該変圧室と該定圧室を区画し、差圧を出力に変換するダイヤフラム、該変圧室と大気の連通状態を制御する大気弁、該変圧室と該定圧室の連通状態を制御する真空弁、該大気弁に開弁方向の、該真空弁に閉弁方向の付勢力を与え、通電する電流の大小に応じて付勢力を変更可能なソレノイド、該真空弁に開弁方向の付勢力を与える第一の戻しばね、該大気弁に閉弁方向の付勢力を与える第二の戻しばねを備える電子制御倍力装置と、
該電子制御倍力装置によってピストンを作動されブレーキ液圧を発生するマスタシリンダと、該マスタシリンダからブレーキ液圧が供給されてブレーキ力を発生させるホイールシリンダと、該ブレーキ液の実液圧を検出する液圧検出手段と、前記電子制御倍力装置を駆動制御する制御装置とを備え、
該第一の戻しばねは、収縮するに伴ってばね定数が増加する非線形特性を有すること
を特徴する自動ブレーキ装置。
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