JP3089931B2 - 車両用自動ブレーキ装置 - Google Patents

車両用自動ブレーキ装置

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JP3089931B2
JP3089931B2 JP06007286A JP728694A JP3089931B2 JP 3089931 B2 JP3089931 B2 JP 3089931B2 JP 06007286 A JP06007286 A JP 06007286A JP 728694 A JP728694 A JP 728694A JP 3089931 B2 JP3089931 B2 JP 3089931B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車における自動操
縦等に用いて好適の、車両用自動ブレーキ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば車両(一般には、自動
車)の暴走を防止するなど、自動的に車両を制動させる
車両用の自動ブレーキ装置が開発されているが、このよ
うな自動ブレーキ装置の重要な構成要素として、ブレー
キアクチュエータ(即ち、自動ブレーキ用アクチュエー
タ)がある。また、このような自動ブレーキ装置では、
通常のドライバの操作によるブレーキ(従来のブレー
キ)の性能を低下させることなく自動ブレーキを作動さ
せることができなくてはならなず、特に、ブレーキアク
チュエータの構成が重要になる。
【0003】かかるブレーキアクチュエータとしては、
例えばアンチロックブレーキシステム(以下、これをA
BSという)に用いられる油圧式ブレーキアクチュエー
タを利用することが考えられている。また、かかるブレ
ーキアクチュエータとして、例えば図12に示すような
電動モータ方式のものも考えられる。この方式は、キャ
リパ101側の図示しない油圧ピストンを駆動するため
の油圧ライン102(即ち、ブレーキの操作に対応した
油圧を供給する、従来の油圧ライン)とは並列的に設け
られた電動モータ式油圧給排ライン103と、これらの
従来の油圧ライン102と電動モータ式油圧給排ライン
103との何れかを選択して該キャリパ101側へ導入
させることができる切換弁(OR弁)104とからな
る。
【0004】電動モータ式油圧給排ライン103は、電
動モータ105と、この電動モータ105とギヤ機構1
07を介して接続されたボールネジ式ピストン機構10
6とからなり、ボールネジ式ピストン機構106は、ギ
ヤ機構107に接続されたボールネジ108とボールネ
ジ108と螺合してボールネジ108の回転を受けて進
退するピストン109と、このピストン109の進退で
拡縮する油室110とからなる。
【0005】そして、切換弁104がこの電動モータ式
油圧給排ライン103を開通させていると、電動モータ
105の回転をギヤ機構107を介してボールネジ10
8に伝達してピストン109を前進駆動させることで、
油室110か縮小して、キャリパ101側の図示しない
油圧ピストンを駆動しブレーキ力を発生させるようにな
っている。
【0006】また、特開平4−262957号公報,特
開平4−303060号公報,特開平4−310460
号公報,特開平4−339066号公報には、負圧式ブ
レーキブースタ(即ち、真空倍力機構)を自動ブレーキ
用のブレーキアクチュエータに適用する提案が開示され
ている。これらのブレーキブースタの自動ブレーキへの
適用例は、ブレーキブースタ特有の負圧室と大気圧室と
の圧力バランスを直接制御することで、キャリパ側の油
圧ピストンを駆動するためのブレーキ液圧を調整するよ
うにするものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ABSに用いられる油圧式ブレーキアクチュエータを利
用する自動ブレーキ装置では、自動ブレーキ時は、ブレ
ーキの液圧がアクチュエータによりブレーキペダルの踏
込量に関係なく制御され、アクチュエータのフェイル時
にブレーキペダルを踏み込んでもブレーキ圧を高められ
ずに制動できないおそれがある。
【0008】また、この油圧式ブレーキブースタを用い
た従来の自動ブレーキ装置では、ブレーキの液圧を直接
制御するため、ブレーキフィーリングが不自然なものと
なってしまったり、油圧源のポンプから生じる騒音も大
きくなりやすいという課題がある。また、上述の電動モ
ータ方式の自動ブレーキ装置では、切換弁(OR弁)1
04のフェイル時対策が必要であり、ボールネジ式ピス
トン機構106にフリクションが生じるので、制御応答
性を高めにくく、自動ブレーキとして十分な制御性能を
得ることが困難であるという課題がある。また、自動ブ
レーキに真空倍力機構等のアシストを利用できないの
で、電動モータの出力を大きくする必要があり、装置の
大型化や重量増大化や消費エネルギ増大化やコスト増を
招く。
【0009】そして、上述の真空倍力機構を利用した自
動ブレーキ装置では、フェイル時対応は容易であるもの
の、ブレーキ液圧を調整するための制御圧が圧縮性流体
である空気圧により与えられるので、最大制御圧を大き
くとれず、また、ブレーキ液圧の最大昇圧速度を大きく
できず、急制動を発生できないという課題がある。ま
た、近年、普及しているABSに対しても、車両用自動
ブレーキ装置を良好にマッチングさせたい。
【0010】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、自動ブレーキ系のフェイル時対策が容易で、
しかも、アンチロックブレーキと良好にマッチングしう
るとともに、応答性がよく高い制御性能で自動ブレーキ
を行なえるようにした、車両用自動ブレーキ装置を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の車両用自動ブレーキ装置は、ブレーキペダル
と連動して進退しマスタシリンダを操作するブレーキペ
ダル連動部材と、該ブレーキペダル連動部材に接続され
たダイヤフラムと、該ダイヤフラムで仕切られた負圧室
及び大気圧室と、該ブレーキペダルの踏み込み時に該ブ
レーキペダルの踏み込み力をアシストするために該ブレ
ーキペダル連動部材と連動して該負圧室内と該大気圧室
内との間に圧力差を生じせしめる開閉弁とから構成され
た真空倍力機構と、該マスタシリンダの出力側に設けら
れたアンチロックブレーキシステムとをそなえるととも
に、該真空倍力機構とは別に新たに設けられ該ブレーキ
ペダルが踏み込まれていなくても該ブレーキペダル連動
部材をブレーキ操作側へ駆動して該マスタシリンダを操
作しうるとともに該ブレーキペダルの踏込時には該踏込
を妨げない自動ブレーキ用アクチュエータをそなえ、該
自動ブレーキ用アクチュエータが、該ブレーキペダル連
動部材を該ブレーキ操作側へ押圧しうるピストンと、該
ピストンに対して該ブレーキ操作側へ駆動する油圧を与
えうる油圧室と、油圧源から該油圧室に至る油路に介装
されて、該油圧源からの油圧を減圧調整しながら該油圧
室内に導いて該油圧室内の油圧を調整する減圧弁を有す
る油圧調整機構と、該ピストンを該ブレーキ操作側とは
反対方向へ付勢するリターンスプリングとをそなえ、該
減圧弁と該油圧室との間に、該アンチロックブレーキシ
ステムの作動時に開通状態に切り換えられる脈動防止バ
イパス油路が介設され、さらに、該油圧調整機構の該油
圧源及び該油路の一部が車両用操舵機構と併用されてい
ることを特徴としている。
【0012】また、請求項2記載の本発明の車両用自動
ブレーキ装置は、請求項1記載の構成において、該脈動
防止バイパス油路に、バイパス油路脈動防止手段と、該
アンチロックブレーキシステムの作動時に開通状態に切
り換えられる切換弁とが、介装されていることを特徴と
している。また、好ましい実施態様としては、該バイパ
ス油路脈動防止手段として、アキュムレータが用いられ
るようにする。
【0013】また、好ましい実施態様としては、該バイ
パス油路脈動防止手段として、フレキシブルチューブが
用いられるようにする。また、請求項記載の本発明の
車両用自動ブレーキ装置は、請求項1又は2記載の構成
において、該油圧源に油圧ポンプがそなえられ、該減圧
弁が該油圧ポンプの負圧を利用して減圧しうるように、
該減圧弁と該油圧ポンプの吸入側との間にリターン油路
が介設されて、該リターン油路にリターン油路脈動吸収
手段が設けられていることを特徴としている。
【0014】また、好ましい実施態様としては、該リタ
ーン油路脈動吸収手段としてアキュムレータが用いられ
るようにする。また、好ましい実施態様としては、該リ
ターン油路脈動吸収手段としてフレキシブルチューブが
用いられるようにする。
【0015】また、好ましい実施態様としては、該ブレ
ーキペダル連動部材が該真空倍力機構の本体の中心を貫
通するように配設された軸状の部材であって、該ブレー
キペダル連動部材の外周に、該ブレーキ操作側へ向けて
押圧力を受ける受圧面が形成されて、該ピストンに、該
受圧面に当接して該ブレーキ操作側への押圧力を与える
押圧面が形成されるようにする。
【0016】また、好ましい実施態様としては、該真空
倍力機構本体のケース部材の後端を覆うカバー部材が装
着され、該カバー部材と該ケース部材の後端面とで覆わ
れた閉空間内に、該ピストンが内装されるようにする。
また、好ましい実施態様としては、該油圧調整機構の油
圧源及び油路の一部が、車両用油圧式四輪操舵装置と併
用されるようにする。
【0017】また、好ましい実施態様としては、該油圧
調整機構の油圧源及び油路の一部が、車両用自動操舵装
置と併用されるようにする。また、好ましい実施態様と
しては、該油圧源が、タンクから作動を吸い上げる作動
油駆動手段と、該作動油駆動手段からの作動油を貯留す
る蓄圧手段とから構成されるようにする。
【0018】また、好ましい実施態様としては、該油圧
調整機構が、該油圧源と該圧力室との間に介設された油
路に、該減圧弁と直列に介装されて、該油圧源からの作
動油を該圧力室に送給する送給モードと送給を停止する
停止モードとをそなえた切換弁をそなえるようにする。
【0019】
【作用】上述の請求項1記載の本発明の車両用自動ブレ
ーキ装置では、自動ブレーキ用アクチュエータでは、油
圧調整機構を通じて油圧室内に油圧が与えることで、ピ
ストンをブレーキ操作側へ駆動することができ、ピスト
ンがブレーキ操作側へ進むと、ブレーキペダルが踏み込
まれていなくても、ブレーキペダル連動部材をブレーキ
操作側へ駆動してマスタシリンダをブレーキ力の発生す
る側へ操作する。これにより、自動的なブレーキを与え
ることができる。また、このとき、真空倍力機構では、
開閉弁がブレーキペダル連動部材と連動して負圧室内と
大気圧室内との間に圧力差を生じせしめるので、ブレー
キペダル連動部材のブレーキ操作側への駆動がこの真空
倍力機構によってアシストされ、より速やかに、自動的
なブレーキを与えることができる。
【0020】また、この時のピストンの押圧力は、油圧
調整機構を通じて油圧室内に与える油圧に対応するが、
この油圧の調整は、油圧調整機構の減圧弁により、油路
を通じて油圧源から供給される作動油の油圧を減圧調整
しながら該油圧室内に導くことで行なわれる。このよう
な自動ブレーキの動作中に、アンチロックブレーキシス
テムが作動することがあり、この時には、アンチロック
ブレーキシステムの作動によって、高周波でブレーキ系
統の油圧が変動して、マスタシリンダ,真空倍力機構を
介して減圧弁にこの油圧変動による脈動が伝達されて減
圧弁の発振するなど不安定になりやすいが、この時に
は、減圧弁と油圧室との間に介設された脈動防止バイパ
ス油路が開通状態に切り換えられるので、減圧弁と油圧
室との間で脈動が吸収されて、減圧弁の発振が回避され
る。なお、自動ブレーキ用アクチュエータは、ブレーキ
ペダルの踏込時にはこの踏込を妨げない。また、自動ブ
レーキ用アクチュエータは、真空倍力機構とは別に新た
に設ける構成なので、既存のブレーキシステムへの追加
設置が可能になる。さらに、油圧調整機構の該油圧源及
び該油路の一部が車両用操舵機構と併用されることによ
り、油圧系の構成が簡素化される。
【0021】上述の請求項2記載の本発明の車両用自動
ブレーキ装置では、アンチロックブレーキシステムの作
動時に脈動防止バイパス油路の切換弁が開通状態に切り
換えられて、脈動防止バイパス油路が開通し、この脈動
防止バイパス油路を流通する作動油は、バイパス油路脈
動防止手段により脈動を防止される。また、アンチロッ
クブレーキシステムが作動していない時には切換弁を閉
鎖状態に切り換えることで、減圧弁側から圧力室側へ脈
動防止バイパス油路を通ることなく、作動油が流通す
る。
【0022】該バイパス油路脈動防止手段として、アキ
ュムレータが用いられると、アキュムレータの圧力調整
機能が、バイパス油路の脈動を吸収する。該バイパス油
路脈動防止手段として、フレキシブルチューブが用いら
れると、フレキシブルチューブが弾性変形しながら、バ
イパス油路の脈動を吸収する。上述の請求項記載の本
発明の車両用自動ブレーキ装置では、ピストンの押圧力
は、油圧調整機構を通じて油圧室内に与える油圧に対応
するが、この油圧の調整は、油圧調整機構の減圧弁によ
り、油路を通じて油圧源から送られる作動油の油圧を減
圧調整しながら該油圧室内に導くことで行なわれる。特
に、該減圧弁では、該減圧弁と油圧ポンプの吸入側との
間に介設されたリターン油路を通じて、該油圧ポンプの
負圧を利用しながら効率よく減圧しうる。
【0023】この際、該油圧ポンプの脈動は、脈動吸収
手段により吸収されて、ポンプ脈動が減圧弁に影響しな
くなる。該リターン油路脈動吸収手段としてアキュムレ
ータが用いられると、アキュムレータの圧力調整機能
が、リターン油路の脈動を吸収する。該リターン油路脈
動吸収手段としてフレキシブルチューブが用いられる
と、フレキシブルチューブが弾性変形しながら、リター
ン油路の脈動を吸収する。
【0024】該ブレーキペダル連動部材が該真空倍力機
構の本体の中心を貫通するように配設された軸状の部材
であって、該ブレーキペダル連動部材の外周に、該ブレ
ーキ操作側へ向けて押圧力を受ける受圧面が形成され
て、該ピストンに、該受圧面に当接して該ブレーキ操作
側への押圧力を与える押圧面が形成されると、請求項1
にかかるピストンの動作時に、該ピストンがブレーキ操
作側へ駆動されると、該ピストンに形成された押圧面
が、該ブレーキペダル連動部材の外周に形成された受圧
面に当接してブレーキ操作側へ向けて押圧力を与える。
これにより、該ブレーキペダル連動部材が該ブレーキ操
作側へ駆動されるので、マスタシリンダがブレーキ力の
発生する側へ操作され、自動ブレーキが与えられる。
【0025】一方、該ピストンの押圧面は、該ブレーキ
ペダル連動部材の受圧面に当接するが特に結合していい
ないので、該受圧面は該押圧面から自由に離隔でき、こ
れにより、該ピストンが該ブレーキペダルの踏み込みに
よる該ブレーキペダル連動部材の該ブレーキ操作側への
前進を妨げないという状態が達成される。該真空倍力機
構本体のケース部材の後端を覆うカバー部材が装着さ
れ、該カバー部材と該ケース部材の後端面とで覆われた
閉空間内に、該ピストンが内装されると、該真空倍力機
構本体のケース部材の後端にカバー部材を装着するとと
もに、この内部にピストンが内装することで、ピストン
及び油圧室を設けることができるので、既存の真空倍力
機構本体を利用してカバー部材やピストンを後付けする
などしても、本装置を形成することが可能になる。
【0026】該油圧調整機構の油圧源及び油路の一部
が、車両用油圧式四輪操舵装置と併用されたり、該油圧
調整機構の油圧源及び油路の一部が、車両用自動操舵装
置と併用されると、油圧系の構成が簡素化される。該油
圧源が、タンクから作動を吸い上げる作動油駆動手段
と、該作動油駆動手段からの作動油を貯留する蓄圧手段
とから構成されると、作動油駆動手段が、タンクから作
動油を吸い上げると、この作動油駆動手段からの作動油
が蓄圧手段に貯留される。このため、油圧源として安定
した作動油圧が得られるようになる。
【0027】該油圧調整機構が、該油圧源と該圧力室と
の間に介設された油路に、該減圧弁と直列に介装され
て、該油圧源からの作動油を該圧力室に送給する送給モ
ードと送給を停止する停止モードとをそなえた切換弁を
そなえると、上記の油圧調整機構において、切換弁を送
給モードと停止モードとのいずれかに設定するが、送給
モードに設定されると、該油圧源からの作動油を油路を
介して該圧力室に送給できるようになり、圧力制御弁に
よって、この切換弁を通じて送給された作動油の油圧を
制御しながら該圧力室の油圧調整を行なう。また、切換
弁が停止モードに設定されると、該油圧源からの該圧力
室への作動油の送給が停止される。
【0028】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
の車両用自動ブレーキ装置について説明すると、図1は
その自動ブレーキ用アクチュエータの要部構成を示す真
空倍力機構の部分断面図、図2はその自動ブレーキ用ア
クチュエータの油圧調整機構を示す模式的な構成図、図
3はその真空倍力機構を示す断面図である。
【0029】図1に示すように、本車両用自動ブレーキ
装置は、マスターバック(真空倍力機構)1をそなえた
ブレーキ装置に付設されたものである。このマスターバ
ック1は、ブレーキペダル2と連動するオペレーティン
グロッド(ブレーキペダル連動部材)3のブレーキ操作
側への動きを加勢するが、本車両用自動ブレーキ装置の
自動ブレーキ用アクチュエータ(以下、ブレーキアクチ
ュエータ)4はこのオペレーティングロッド3をブレー
キ操作側へ駆動することで、図示しないマスタシリンダ
を通じてキャリパ側のブレーキピストン(図示略)を駆
動してブレーキ操作を行なうようになっている。また、
マスタシリンダの下流側には、具体的に図示しないがア
ンチロックブレーキシステム(ABS)がそなえられ、
マスタシリンダからの制動輪のスリップ状態に応じてブ
レーキ液圧を適宜制御するようになっている。
【0030】まず、マスターバック1について詳述する
と、図3に示すように、このマスターバック1は、図示
しないマスタシリンダの後部(即ち、ブレーキペダル2
とマスタシリンダとの間)にそなえられれており、ケー
ス6内に、ブレーキペダル2と結合するオペレーティン
グロッド3とマスタシリンダと結合するプッシュロッド
5との間に介装された可動ベース部材7をそなえてい
る。
【0031】可動ベース部材7は、オペレーティングロ
ッド3及びプッシュロッド5と同軸上にそなえられ、こ
の可動ベース部材7の外周とケース6の内周との間に
は、ダイヤフラム8が介設されている。ケース6内はこ
のダイヤフラム8及び可動ベース部材7によって、エン
ジン負圧を導かれる負圧室9と大気圧を導かれる大気圧
室10とに区画されている。
【0032】また、可動ベース部材7とケース6の内壁
との間には、可動ベース部材7を反ブレーキ操作側(即
ち、図3中、右方)へ付勢するリターンスプリング11
が介装されており、負圧室9と大気圧室10との圧力差
がこのリターンスプリング11の付勢力よりも大きい力
を発揮すると、ダイヤフラム8及び可動ベース部材7が
ブレーキ操作側(即ち、図3中、左方)へ駆動されるよ
うになっている。
【0033】そして、負圧室9と大気圧室10との間に
は、これらの各室9,10を連通しうるバルブ(開閉
弁)12が設けられている。このバルブ12は、可動ベ
ース部材7に介装され、オペレーティングロッド3が可
動ベース部材7に対して後退していると、開放して、負
圧室9と大気圧室10との圧力差を解消させ、オペレー
ティングロッド3が可動ベース部材7に対してブレーキ
操作側(即ち、図3中、左方)に前進すると、閉鎖し
て、負圧室9と大気圧室10との間に圧力差を発生させ
るようになっている。また、オペレーティングロッド3
は外力を受けなければ可動ベース部材7に対してバルブ
12を開放する初期位置に戻るようにリターンスプリン
グ13により付勢されている。
【0034】これにより、オペレーティングロッド3に
ブレーキ操作力(ブレーキペダルの踏み込み力)が働か
なければ、大負圧室9と大気圧室10との圧力差が減少
してリターンスプリング11の付勢力によりダイヤフラ
ム8及び可動ベース部材7が反ブレーキ操作側へ駆動さ
れるが、オペレーティングロッド3にブレーキ操作力が
働けば、負圧室9と大気圧室10との圧力差が増大して
リターンスプリング11の付勢力によりダイヤフラム8
及び可動ベース部材7がブレーキ操作側へ駆動され、オ
ペレーティングロッド3へのブレーキ操作力を加勢する
ようになっている。
【0035】オペレーティングロッド3をブレーキ操作
側へ駆動する力、即ち、ブレーキ操作力は、通常はブレ
ーキペダル2を通じてドライバの踏力で与えられるが、
本車両用自動ブレーキ装置のブレーキアクチュエータ4
は、このドライバの踏力に代わってオペレーティングロ
ッド3にブレーキ操作力を与えるように構成されてい
る。
【0036】ここで、ブレーキアクチュエータ4につい
て説明すると、このブレーキアクチュエータ4は、図1
に示すように、オペレーティングロッド3に当接しうる
ピストン14と、このピストン14をブレーキ操作側へ
駆動するような油圧を与えるための油圧室15と、この
油圧室15内の油圧を調整する油圧調整機構16と、ピ
ストン14を反ブレーキ操作側へ付勢するリターンスプ
リング17とをそなえて構成される。
【0037】このうち、ピストン14は、図2に示すよ
うに、マスターバック1の後端部(ブレーキペダル2側
の端部)に、オペレーティングロッド3をブレーキ操作
側へ押圧しうるがブレーキペダルの踏み込みによるオペ
レーティングロッド3のブレーキ操作側への前進を妨げ
ないように、設けられている。即ち、マスターバック1
のケース6の後端には、カバー6Aが装着されており、
このカバー6Aの内部で且つオペレーティングロッド3
の外周上に環状のピストン14がオペレーティングロッ
ド3の軸心上に沿うように配設されてている。そして、
ピストン14に設けられたフランジ部14Aの押圧面1
4aがオペレーティングロッド3に設けられたフランジ
部3Aの受圧面3aにブレーキ操作側(マスターバック
1の外側であって、図2中、右方)から当接しており、
ピストン14がブレーキ操作側へ移動するとオペレーテ
ィングロッド3に押圧力を与えてブレーキ操作側へ駆動
するが、ピストン14がブレーキ操作側へ移動しなくて
もオペレーティングロッド3は自由にブレーキ操作側へ
移動しうるようになっている。なお、28はダッシュパ
ネルを示す。
【0038】また、油圧調整機構16は、図1に示すよ
うに、リザーバタンク18と、このタンク18から油圧
室15に至る油圧回路(油路)19とをそなえ、この油
圧回路19内には、作動油駆動手段としてのポンプ2
0,分流弁21,逆止弁22,蓄圧手段としてのアキュ
ムレータ23,自動ブレーキ切換弁24,圧力制御弁
(減圧弁)25が介設されている。すなわち、この油圧
回路では、ポンプ20とアキュムレータ23とから油圧
源が構成されている。
【0039】ポンプ20は、タンク18から作動油を吸
い上げるが、これにより吸い上げられた作動油は、分流
弁21で分流されてその一部を車両用操舵機構を構成す
4輪操舵系(4WS)へ供給されるようになってい
る。そして、残りの作動油が、車両用操舵機構を構成す
パワーステアリング系(P/S)と本自動ブレーキ装
置へと供給されるようになっている。そして、本自動ブ
レーキ装置へ供給された作動油は、逆止弁22及びアキ
ュムレータ23により、所定の圧力レベルに調整された
うえで、自動ブレーキ切換弁24及び圧力制御弁(減圧
弁)25へと導かれるようになっている。
【0040】自動ブレーキ切換弁24は、圧力制御弁
(減圧弁)25へ作動油を供給する自動ブレーキ作動モ
ードと圧力制御弁(減圧弁)25へ作動油を供給しない
自動ブレーキ非作動モードとのいずれかをとる弁体24
Aをそなえ、弁体24Aは、リターンスプリング24B
により弁閉鎖側即ち自動ブレーキ非作動モードの側へ付
勢されており、ソレノイド24Cが通電されて磁力を発
揮すると、弁開放側即ち自動ブレーキ作動モード側へ駆
動され、ソレノイド24Cが通電されなければ、図1に
示すように、リターンスプリング24Bにより弁閉鎖側
即ち自動ブレーキ非作動モード側へ駆動されるようにな
っている。
【0041】圧力制御弁(減圧弁)25は、吐出圧を減
圧調整しうる弁であり、弁体25Aをそなえ、弁体25
Aは、リターンスプリング(プリセットスプリング)2
5Bにより閉鎖側へ付勢されており、ソレノイド25C
が通電されて磁力を発揮すると、その磁力に応じて開放
しながら磁力に応じた吐出圧の作動油を油圧室15へ供
給して過剰な作動油はタンク18側に戻し、逆に、油圧
室15側の圧力が高ければ油圧室15側の圧力をソレノ
イド25Cの磁力に応じた吐出圧まで下げるべく油圧室
15側の作動油をタンク18側に戻すようになってい
る。
【0042】特に、一般に、減圧弁は0kgf/cm2 制御が
不得意であるので、本減圧弁25では、作動油をタンク
18側に戻すリターン油路50を、油圧ポンプ20の吸
い込み側(吸入側)に導入しており、油圧ポンプ20の
吸い込みによる負圧を利用して、大きく減圧できるよう
にして、0kgf/cm2 制御を達成できるようになってい
る。
【0043】また、このような油圧ポンプ20に通じる
リターン油路50は、油圧ポンプ20の脈動が減圧弁2
5に伝達して、減圧弁25の作動を不安定にさせるおそ
れがあるが、本装置では、このリターン油路50にリタ
ーン油路用脈動吸収手段としてのアキュムレータ又はフ
レキシブルチューブ51が介設されており、このアキュ
ムレータ又はフレキシブルチューブ51の脈動吸収によ
り、油圧ポンプ20の脈動が吸収されて、減圧弁25の
作動が不安定にならないように構成されている。
【0044】このように、自動ブレーキ切換弁24のソ
レノイド24Cへ電流を供給すると自動ブレーキを作動
させることができ、ソレノイド24Cへ電流供給を停止
すると自動ブレーキを停止させることができ、また、自
動ブレーキの作動時には、圧力制御弁(減圧弁)25の
ソレノイド25Cへの電流を調整することで、油圧室1
5内の油圧を調整しこれにより自動ブレーキのブレーキ
力を調整することができるようになっている。
【0045】そして、各ソレノイド24C,25Cは、
電子制御ユニット(ECU)26により、制御されるよ
うになっている。例えば、ECU26では、図4に示す
ように、車両に装備された図示しない前方状況検出セン
サで前方の車両との車間距離Lを検出して、この車間距
離Lが一定値以下になったら、マップA(図5参照)で
示すように、その車間距離Lに応じて自動ブレーキを作
用させ、前方の車両との接近度合(即ち、負の相対速
度:−dL/dt)に応じて、接近度合が一定度合以上
になったら、マップB(図6参照)で示すように、その
接近度合いに応じて自動ブレーキを作用させたりするよ
うに設定されている。そして、自動ブレーキをどの程度
作用させるかは、車間距離Lや接近度合(−dL/d
t)に応じて目標減速度αa を設定する一方で、車両の
実減速度αr を図示しないセンサで検出しながら、実減
速度αr が目標減速度αa に達するまで自動ブレーキを
作動させて、実減速度αr が目標減速度α a に達っした
ら自動ブレーキを作動させるようになっている。
【0046】また、自動ブレーキを作動させる場合に
は、圧力制御弁(減圧弁)25をフィードバックによら
ずフィードフォワード制御するようになっている。つま
り、例えば、図7に示すように、目標減速度αa に応じ
た指示電流Iを設定し、この指示電流Iをソレノイド2
5Cに供給して、油圧室15内の油圧を目標減速度αa
に応じたものに調整して自動ブレーキのブレーキ力を制
御するのである。実際には、ECU26は、目標減速度
αa に応じた指示電圧Vを設定し、この指示電圧Vをバ
ルブ駆動回路27の増幅回路(Kamp )に送ると、バル
ブ駆動回路27では指示電圧Vに応じたバルブ駆動電流
(指示電流)Iを圧力制御弁(減圧弁)25に出力する
ようになっている。したがって、実際の制御では、この
目標減速度αa に応じた指示電圧Vを設定する必要があ
る。
【0047】なお、図8は、乾燥アスファルト路(ブレ
ーキ路)上で所定速度から指示電圧Vを代えた種々のモ
ードで減速させた実験結果であり、指示電圧Vに対する
減速度αa の変化(減速度制御性)を示している。図示
するように、指示電圧Vに基づいて、減速度αa の制御
を行なえることがわかる。さらに、本車両用自動ブレー
キ装置には、減圧弁25と油圧室15との間に、通常の
油路60と並列的に、脈動防止バイパス油路61が介設
されている。この脈動防止バイパス油路61には、その
減圧弁25側に逆止弁62か設けられ、その油圧室15
側にバイパス油路用脈動防止手段としての脈動防止アキ
ュムレータ63が介装されている。なお、脈動防止アキ
ュムレータ63をフレキシブルパイプに変更してもよ
い。
【0048】また、このような脈動防止バイパス油路6
1と通常油路60とを択一的に選択して開通するよう
に、油路切換弁64が設けられている。この油路切換弁
64は、通常油路60を開通させるモードと脈動防止バ
イパス油路61を開通されるモードとを有する弁体64
Aと、この弁体64Aを通常油路開通モードに付勢する
リターンスプリング64Bと、この弁体64Aをリター
ンスプリング64Bに抗して脈動防止バイパス油路開通
モードに切り換えるソレノイド64Cとをそなえてい
る。そして、ソレノイド64Cは、ABSからの作動信
号を受けると、作動(通電)して油路切換弁64を脈動
防止バイパス油路開通モードに切り換えるが、ABSか
らの作動信号を受けなければ、作動しないようになって
いる。したがって、ABSが作動しない限りは油路切換
弁64は通常油路開通モードになっている。
【0049】本発明の一実施例としての車両用自動ブレ
ーキ装置は、上述のように構成されるので、例えば図9
に示すような流れで、自動ブレーキを作動させる。即
ち、図示しないセンサで車両の実減速度αr を検出し
(ステップS1)、この一方で、例えば、図4に示すよ
うにして、前方の車両との車間距離Lや前方の車両との
接近度合(−dL/dt)に応じて、各マップ(図5,
6参照)から目標減速度α a を設定する(ステップS
2)。
【0050】ついで、実減速度αr が目標減速度αa
下かを判断し(ステップS3)、実減速度αr が目標減
速度αa 以下ならば、ステップS4に進んで、自動ブレ
ーキ切換弁24をオンにセットして、自動ブレーキを作
動させる。即ち、自動ブレーキ切換弁24のソレノイド
24Cへ電流を供給して、自動ブレーキ切換弁24を開
通する。
【0051】そして、ステップS5に進んで、圧力制御
弁(減圧弁)25の作動を制御する。即ち、ECU26
で、目標減速度αa に応じた指示電圧Vをバルブ駆動回
路に送ってバルブ駆動回路から指示電圧Vに応じたバル
ブ駆動電流(指示電流)Iを圧力制御弁(減圧弁)25
に出力する。これにより、油圧室15内の油圧が調整さ
れて、この油圧に応じて、ピストン14がブレーキ操作
側へ駆動され、これに伴いオペレーティングロッド3も
ブレーキ操作側へ駆動される。そして、オペレーティン
グロッド3に連動してプッシュロッド5がブレーキ操作
側へ移動してマスタシリンダを作動させて、キャリパ側
のブレーキピストン(図示略)が駆動され、目標減速度
αa に応じるようなブレーキ力が車輪を通じて与えられ
る。
【0052】そして、このような圧力制御弁(減圧弁)
25の制御を行なって、実減速度α r が目標減速度αa
に達したら、ステップS3からステップS6へ進んで、
自動ブレーキ切換弁24をオフに切り換えて、自動ブレ
ーキを停止させる。即ち、自動ブレーキ切換弁24のソ
レノイド24Cへの電流供給を停止して、自動ブレーキ
切換弁24を閉鎖するのである。
【0053】このようにして、本車両用自動ブレーキ装
置では、圧縮性流体である空気を用いるのでなく、非圧
縮性流体である作動油(液体)を用いて、自動ブレーキ
のブレーキ制御が行なわれるので、制御応答性を良好に
でき、また、最大制御圧力も大きく設定しやすい。さら
に、このような自動ブレーキの作動時にも、オペレーテ
ィングロッド3のブレーキ操作側への移動に伴い、マス
ターバック1のバルブ12が閉鎖されて、負圧室9と大
気圧室10との圧力差による力が、オペレーティングロ
ッド3へのブレーキ操作力を加勢する。
【0054】このように、非圧縮性流体を用いること、
及び、マスターバック1の加勢を利用することにより、
油圧室15内への供給油圧を比較的小さく設定しても、
マスターバック1の加勢により、マスタシリンダを十分
な速度で十分な量だけ駆動することができる。即ち、ブ
レーキアクチュエータ4を小型化しながらも、十分な制
御応答性や十分な最大制御量を得られるようになる利点
がある。
【0055】特に、本減圧弁25では、リターン油路5
0を通じて油圧ポンプ20のポンプ負圧を利用して、大
きな減圧を容易に行なえるので、0kgf/cm2 制御を確実
且つ速やかに達成でき、ブレーキの引きずり等のおそれ
を解消でき、自動ブレーキの制御性能を大きく向上させ
ることができる効果がある。また、ポンプ負圧を利用す
るとポンプ脈動が減圧弁25へ悪影響を及ぼし易いが、
本装置では、脈動吸収手段としてのアキュムレータ又は
フレキシブルチューブ51の脈動吸収により、ポンプ脈
動の減圧弁25へ影響が確実に解消されて、減圧弁25
の作動を安定させることができる。
【0056】さらに、このポンプ負圧の利用により、プ
リセットスプリング25Bのばね力を小さく設定でき
る。図10は、ポンプ負圧を利用しない一般的な減圧弁
の応答特性を示す図であり、破線が指示液圧(指令値)
を示し実線が最大昇圧速度での実液圧を示している。図
示するように、液圧を昇圧すべき指令があっても、実液
圧が0kgf/cm2 から立ち上がるまでには、無駄時間が発
生する。この無駄時間は、プリセットスプリング25B
のばね力に抗して仕事をするために生じるもので、プリ
セットスプリング25Bのばね力が小さいほど無駄時間
が短くなり、本装置では、プリセットスプリング25B
のばね力を小さくできるので、油圧制御の応答性を高め
て、自動ブレーキの制御応答性を向上させることができ
る。
【0057】なお、脈動吸収手段51としてはアキュム
レータ又はフレキシブルチューブに限定されるものでは
ない。また、ABSの動作によって、高周波でブレーキ
系統の油圧が変動して、マスタシリンダ,真空倍力機構
1を介して減圧弁25にこの油圧変動による脈動が伝達
されて減圧弁25が発振するなど不安定になりやすい
が、本車両用自動ブレーキ装置には、減圧弁25と油圧
室15との間に、通常の油路60と並列的に、脈動防止
バイパス油路61が介設されているので、減圧弁25の
発振が回避される。即ち、ABSの作動時には、油路切
換弁64が脈動防止バイパス油路開通モードに切り換え
られるので、ABSの動作によって生じるブレーキ系統
の高周波の油圧変動は、マスタシリンダ,真空倍力機構
1を介して、脈動防止バイパス油路61の下流に伝達さ
れるが、勿論、通常油路60には伝達されなる。そし
て、高周波の油圧変動は、この脈動防止バイパス油路6
1に設けられた脈動防止アキュムレータ63によって吸
収されるので、減圧弁25には伝達しない。したがっ
て、減圧弁25の発振が確実に回避されるのであり、A
BSの動作は本車両用自動ブレーキ装置には何ら悪影響
を及ぼさないのである。
【0058】勿論、ABSか作動していなければ、油路
切換弁64が通常油路開通モードに保持されるので、減
圧弁25側から通常油路60を通じて油圧室15側に油
圧供給を行なえ、通常の自動ブレーキ操作のための油圧
制御を行なえる。また、この時、逆止弁62により脈動
防止バイパス油路61側の脈動防止アキュムレータ63
への作動油の進入は防止されるので、脈動防止アキュム
レータ63がブレーキ操作制御に影響を及ぼすこともな
い。
【0059】なお、脈動防止アキュムレータ63に代え
てフレキシブルチューブ等の他の脈動防止を用いてもよ
い。また、自動ブレーキを作動させない場合には、自動
ブレーキ切換弁24のソレノイド24Cへ電流の供給を
停止する。これにより、ピストン14は後退位置に保持
されるが、オペレーティングロッド3はピストン14に
拘束されることなく自由にブレーキ操作側へ移動しうる
ので、ブレーキペダル2が踏み込まれると、オペレーテ
ィングロッド3がブレーキ操作側へ移動し、マスターバ
ック1の加勢を受けながら、オペレーティングロッド
3,プッシュロッド5がブレーキ操作側へ移動してマス
タシリンダを作動させ、キャリパ側のブレーキピストン
が駆動され、ブレーキペダル2の踏み込みに応じたブレ
ーキ力が車輪を通じて与えられる。
【0060】さらに、本車両用自動ブレーキ装置の制御
系がフェイルした場合、即ち、自動ブレーキ切換弁24
のソレノイド24Cや圧力制御弁(減圧弁)25のソレ
ノイド25Cへの電流の供給を行なえない場合には、ピ
ストン14が後退位置に保持され、上述と同様に、ブレ
ーキペダル2に応じたブレーキ性能は何ら損なわれるこ
となく確保される。
【0061】また、本車両用自動ブレーキ装置は、マス
ターバック1をそなえた既存の車両用ブレーキ装置に、
ブレーキアクチュエータ4、即ち、ピストン14,油圧
室15,油圧調整機構16及びリターンスプリング17
を追加するだけで、既存の装置を最大限生かしながら容
易に設置することができ、コスト的にも有利である。も
ちろん、本実施例のブレーキ装置のように、パワーステ
アリングの油圧系をそなえていれば、このパワーステア
リングの油圧系を油圧調整機構16に利用できて、コス
ト的に更に有利になる。
【0062】ところで、図7又は図8に示すようなマッ
プに基づいて、目標減速度αa に応じて、指示電流I又
は指示電圧Vを制御する手段は、自動ブレーキの作動中
にドライバがブレーキペダル2を踏み込んだ場合を考慮
していないが、本装置では、自動ブレーキの作動中にド
ライバが自由にブレーキペダル2を踏み込んでブレーキ
力を加えることができるので、この点を考慮する必要が
ある。
【0063】即ち、図11に示すように、ECU26で
指示電圧Vが設定されると、バルブ駆動回路27からこ
の指示電圧Vに応じたバルブ駆動電流Iが圧力制御弁
(減圧弁)25に供給されて、圧力制御弁(減圧弁)2
5を通じてバルブ駆動電流Iに応じた油圧Pが出力され
る。すると、ピストン14からは、この油圧Pとピスト
ン14の面積Aとの積に応じた力A・Pがオペレーティ
ングロッド押圧力(自動ブレーキによるブレーキ操作
力)F1(=A・P)としてオペレーティングロッド3
に与えられる。
【0064】一方、ドライバがブレーキペダル2を踏み
込むと、ドライバの踏力にブレーキペダル2のペダル比
を掛けた力F2がオペレーティングロッド押圧力(ドラ
イバによるブレーキ操作力)としてオペレーティングロ
ッド3に与えられる。結果として、オペレーティングロ
ッド(図11中のand回路が相当する)3には、二つ
の押圧力F1,F2の合力F3(=F1+F2)が入力
されることになる。マスタバック1には、この合力F3
からリターンスプリング11の反力kxを減じた力F4
(F3−kx)が働き、マスタシリダでは、マスタバッ
ク特性図11中の特性図参照)に応じて(この入力F4
に対応した吐出圧Pbが出力される。そして、この吐出
圧Pbとキャリパ側のブレーキシリンダのピストン面積
Amとの積に応じた力Am・Pがブレーキ力F5(=A
m・P)として車両に与えられる。
【0065】このように、制御パラメータVは、and
回路に相当するオペレーティングロッド3の上流側であ
るが、制御目標はオペレーティングロッド3の下流側で
あるため、制御系としては、結合部(and回路)より
も下流側のパラメータをフィードバック制御又はフィー
ドフォワード制御により制御量(制御パラメータV)を
設定する必要がある。
【0066】この一手段としては、例えばドライバのブ
レーキペダル2を踏み込み状態から、結合部(and回
路)よりも下流側のパラメータであるブレーキ液圧を予
測して、この予測に基づく、フィードフォワード制御が
考えられる。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の車両用自動ブレーキ装置によれば、ブレーキペダ
ルと連動して進退しマスタシリンダを操作するブレーキ
ペダル連動部材と、該ブレーキペダル連動部材に接続さ
れたダイヤフラムと、該ダイヤフラムで仕切られた負圧
室及び大気圧室と、該ブレーキペダルの踏み込み時に該
ブレーキペダルの踏み込み力をアシストするために該ブ
レーキペダル連動部材と連動して該負圧室内と該大気圧
室内との間に圧力差を生じせしめる開閉弁とから構成さ
れた真空倍力機構と、該マスタシリンダの出力側に設け
られたアンチロックブレーキシステムとをそなえるとと
もに、該真空倍力機構とは別に新たに設けられ該ブレー
キペダルが踏み込まれていなくても該ブレーキペダル連
動部材をブレーキ操作側へ駆動して該マスタシリンダを
操作しうるとともに該ブレーキペダルの踏込時には該踏
込を妨げない自動ブレーキ用アクチュエータをそなえ、
該自動ブレーキ用アクチュエータが、該ブレーキペダル
連動部材を該ブレーキ操作側へ押圧しうるピストンと、
該ピストンに対して該ブレーキ操作側へ駆動する油圧を
与えうる油圧室と、油圧源からの油圧を減圧調整しなが
ら該油圧室内に導いて該油圧室内の油圧を調整する減圧
弁を有する油圧調整機構と、該ピストンを該ブレーキ操
作側とは反対方向へ付勢するリターンスプリングとをそ
なえ、該減圧弁と該油圧室との間に、該アンチロックブ
レーキシステムの作動時に開通状態に切り換えられる脈
動防止バイパス油路が介設され、さらに、該油圧調整機
構の該油圧源及び該油路の一部が車両用操舵機構と併用
されることにより、以下のような効果や利点を得ること
ができるようになる。 (1)非圧縮性流体を用いること及び真空倍力機構の加
勢を利用することから自動ブレーキ用アクチュエータを
小型化しながら十分な制御応答性や十分な最大制御量
(即ち、ブレーキ力)を得られるようになる利点があ
る。勿論、消費エネルギの増大を招くことなくブレーキ
制御を行なえる。 (2)本自動ブレーキ装置の制御系がフェイルした場合
にも、ブレーキペダルを通じての通常のブレーキ操作性
能を確保し易い。 (3)真空倍力機構とは別に新たに自動ブレーキ用アク
チュエータを設ける構成 なので、真空倍力機構をそなえ
た既存の車両用ブレーキ装置に、自動ブレーキ用アクチ
ュエータを追加するだけで設置でき、既存の装置を最大
限生かしながら低コストで且つ容易に設置することがで
きる。しかも、油圧調整機構の油圧源及び油路の一部が
車両用操舵機構と併用されるので、油圧系の構成が簡素
化されて、車両の総合的な自動制御を構成するうえで、
装置の小型化や設置コストの低減等を促進できる利点が
得られる。 (4)また、アンチロックブレーキシステムの作動によ
って、高周波でブレーキ系統の油圧が変動して、マスタ
シリンダ,真空倍力機構を介して減圧弁にこの油圧変動
による脈動が伝達されて減圧弁が発振するなど不安定に
なりやすいが、本車両用自動ブレーキ装置には、減圧弁
と油圧室との間に、通常の油路と並列的に、脈動防止バ
イパス油路が介設されているので、この脈動防止バイパ
ス油路における脈動防止作用によって、減圧弁の発振が
回避される。これにより、アンチロックブレーキシステ
ムを作動させても、自動ブレーキ性能が損なわれなくな
り、アンチロックブレーキシステムと自動ブレーキとを
自由に作動させることができるようになり、ブレーキの
走行性能を向上させることができる効果がある。
【0068】また、請求項2記載の本発明の車両用自動
ブレーキ装置によれば、請求項1記載の構成において、
該脈動防止バイパス油路に、バイパス油路脈動防止手段
と、該アンチロックブレーキシステムの作動時に開通状
態に切り換えられる切換弁とが、介装されていることに
より、アンチロックブレーキシステムの作動時の脈動を
回避しながら、通常の自動ブレーキの性能を十分に高く
確保できる。
【0069】また、該バイパス油路脈動防止手段とし
て、アキュムレータが用いられると、上記の(4)の効
果、即ち、アンチロックブレーキシステムの作動による
悪影響を回避できるという効果を、より確実に得られる
ようになる。
【0070】また、該バイパス油路脈動防止手段とし
て、フレキシブルチューブが用いられると、上記の
(4)の効果、即ち、アンチロックブレーキシステムの
作動による悪影響を回避できるという効果を、より低コ
ストで得られるようになる。
【0071】また、請求項記載の本発明の車両用自動
ブレーキ装置によれば、請求項1又は2記載の構成にお
いて、該油圧源に油圧ポンプがそなえられ、該減圧弁が
該油圧ポンプの負圧を利用して減圧しうるように、該減
圧弁と該油圧ポンプの吸入側との間にリターン油路が介
設されて、該リターン油路にリターン油路脈動吸収手段
が設けられていることにより、以下のような効果及び作
用を得ることができる。 (5)リターン油路を通じて油圧ポンプのポンプ負圧を
利用しながら大きな減圧を容易に行なえるので、0kgf/
cm2 制御を確実且つ速やかに達成でき、ブレーキの引き
ずり等のおそれを解消でき、自動ブレーキの制御性能を
大きく向上させることができる効果がある。 (6)このようなポンプ負圧の利用により、ポンプ脈動
が減圧弁の作動に悪影響を及ぼし易いが、脈動吸収手段
の脈動吸収により、ポンプ脈動の減圧弁への影響が確実
に解消されて、減圧弁の作動が安定する効果がある。 (7)このポンプ負圧の利用により、減圧弁に一般にそ
なえられるプリセットスプリングのばね力を小さく設定
でき、油圧制御の応答性を高めて、自動ブレーキの制御
応答性を向上させることができる。
【0072】また、該リターン油路脈動吸収手段として
アキュムレータが用いられると、上記の(6)の効果、
即ち、ポンプ脈動の吸収を行なってポンプ脈動の減圧弁
への影響を解消することで減圧弁の作動を安定するとい
う効果を、より確実に得られるようになる。
【0073】また、該リターン油路脈動吸収手段として
フレキシブルチューブが用いられると、上記の(6)の
効果、即ち、ポンプ脈動の吸収を行なってポンプ脈動の
減圧弁への影響を解消することで減圧弁の作動を安定す
るという効果を、より低コストでに得られるようにな
る。
【0074】また、該ブレーキペダル連動部材が該真空
倍力機構の本体の中心を貫通するように配設された軸状
の部材であって、該ブレーキペダル連動部材の外周に、
該ブレーキ操作側へ向けて押圧力を受ける受圧面が形成
されて、該ピストンに、該受圧面に当接して該ブレーキ
操作側への押圧力を与える押圧面が形成されると、上述
の(2)の効果、即ち、自動ブレーキ装置の作動時にも
ブレーキペダルを通じての通常のブレーキ操作を加える
ことが可能となり、また、本自動ブレーキ装置の制御系
等がフェイルした場合にもブレーキペダルを通じての通
常のブレーキ操作性能を確保できる、という効果を、よ
り確実に得られるようになる。
【0075】また、該真空倍力機構本体のケース部材の
後端を覆うカバー部材が装着され、該カバー部材と該ケ
ース部材の後端面とで覆われた閉空間内に、該ピストン
が内装されると、上述の(3)の効果、即ち、既存の装
置を最大限生かしながら低コストで且つ容易に設置する
ことができる効果を、より確実に得られるようになる。
【0076】また、該油圧調整機構の油圧源及び油路の
一部が、車両用油圧式四輪操舵装置と併用されると、
圧系の構成が簡素化されて、車両の総合的な自動制御を
構成するうえで、装置の小型化や設置コストの低減等の
利点が得られる。
【0077】また、該油圧調整機構の油圧源及び油路の
一部が、車両用自動操舵装置と併用されると、油圧系の
構成が簡素化されて、車両の総合的な自動制御を構成す
るうえで、装置の小型化や設置コストの低減等の利点が
得られる。
【0078】また、該油圧源が、タンクから作動を吸い
上げる作動油駆動手段と、該作動油駆動手段からの作動
油を貯留する蓄圧手段とから構成されると、安定した油
圧源油圧が得られるようになり、油圧制御を精度良く行
なえるようになって、自動ブレーキの性能を向上させる
ことができる。
【0079】また、該油圧調整機構が、該油圧源と該圧
力室との間に介設された油路に、該減圧弁と直列に介装
されて、該油圧源からの作動油を該圧力室に送給する送
給モードと送給を停止する停止モードとをそなえた切換
弁をそなえると、適切な油圧制御を行なえるようになっ
て、自動ブレーキの性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての車両用自動ブレーキ
装置の自動ブレーキ用アクチュエータの要部構成を示す
真空倍力機構の部分断面図である。
【図2】本発明の一実施例としての車両用自動ブレーキ
装置の自動ブレーキ用アクチュエータの油圧調整機構を
示す模式的な構成図である。
【図3】本発明の一実施例としての車両用自動ブレーキ
装置をそなえたブレーキ系に装備される真空倍力機構の
断面図である。
【図4】本発明の一実施例としての車両用自動ブレーキ
装置の自動ブレーキ制御に用いる目標減速度の設定のた
めの信号処理系を示す図である。
【図5】本発明の一実施例としての車両用自動ブレーキ
装置の自動ブレーキ制御に用いる目標減速度の設定のた
めのマップを示す図である。
【図6】本発明の一実施例としての車両用自動ブレーキ
装置の自動ブレーキ制御に用いる目標減速度の設定のた
めのマップを示す図である。
【図7】本発明の一実施例としての車両用自動ブレーキ
装置の自動ブレーキ制御における減速度と指示電流との
関係を示す図である。
【図8】本発明の一実施例としての車両用自動ブレーキ
装置の自動ブレーキ制御における減速度と制御電圧との
関係の実験結果を示す図である。
【図9】本発明の一実施例としての車両用自動ブレーキ
装置の自動ブレーキ制御の手順を示すフローチャートで
ある。
【図10】本発明の一実施例としての車両用自動ブレー
キ装置の効果を説明する補足的な図であり、一般的な減
圧弁の応答特性を示す図である。
【図11】本発明の一実施例としての車両用自動ブレー
キ装置をそなえたブレーキ系のブレーキ力の伝達経路を
示す模式的なブロック図である。
【図12】従来の電動モータ方式のアクチュエータヲ用
いた車両用自動ブレーキ装置を示す模式的な構成図であ
る。
【符号の説明】
1 マスターバック(真空倍力機構) 2 ブレーキペダル 3 オペレーティングロッド(ブレーキペダル連動部
材) 3A フランジ部 3a 受圧面 4 自動ブレーキ用アクチュエータ(ブレーキアクチュ
エータ) 5 プッシュロッド 6 ケース 6A カバー 7 可動ベース部材 8 ダイヤフラム 9 負圧室 10 大気圧室 11 リターンスプリング 12 バルブ(開閉弁) 13 リターンスプリング 14 ピストン 14A フランジ部 14a 押圧面 15 油圧室 16 油圧調整機構 17 リターンスプリング 18 リザーバタンク 19 油圧回路(油路) 20 作動油駆動手段としてのポンプ(油圧源) 21 分流弁 22 逆止弁 23 蓄圧手段としてのアキュムレータ(油圧源) 24 自動ブレーキ切換弁 24A 弁体 24B リターンスプリング 24C ソレノイド 25 圧力制御弁(減圧弁) 25A 弁体 25B リターンスプリング 25C ソレノイド 26 電子制御ユニット(ECU) 27 バルブ駆動回路 28 ダッシュパネル 50 リターン油路 51 リターン油路用脈動吸収手段としてのアキュムレ
ータ又はフレキシブルチューブ 60 通常の油路 61 脈動防止バイパス油路 62 逆止弁 63 バイパス油路用脈動吸収手段としての脈動防止ア
キュムレータ 64 油路切換弁 64A 弁体 64B リターンスプリング 64C ソレノイド
フロントページの続き (72)発明者 前村 高広 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 田中 忠夫 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−262958(JP,A) 特開 昭59−92245(JP,A) 特開 平1−160768(JP,A) 特開 昭57−130845(JP,A) 実開 昭54−171083(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 13/52 - 13/56 B60T 7/12 B60T 13/60

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルと連動して進退しマスタ
    シリンダを操作するブレーキペダル連動部材と、該ブレ
    ーキペダル連動部材に接続されたダイヤフラムと、該ダ
    イヤフラムで仕切られた負圧室及び大気圧室と、該ブレ
    ーキペダルの踏み込み時に該ブレーキペダルの踏み込み
    力をアシストするために該ブレーキペダル連動部材と連
    動して該負圧室内と該大気圧室内との間に圧力差を生じ
    せしめる開閉弁とから構成された真空倍力機構と、 該マスタシリンダの出力側に設けられたアンチロックブ
    レーキシステムとをそなえるとともに、該真空倍力機構とは別に新たに設けられ 該ブレーキペダ
    ルが踏み込まれていなくても該ブレーキペダル連動部材
    をブレーキ操作側へ駆動して該マスタシリンダを操作し
    うるとともに該ブレーキペダルの踏込時には該踏込を妨
    げない自動ブレーキ用アクチュエータをそなえ、 該自動ブレーキ用アクチュエータが、 該ブレーキペダル連動部材を該ブレーキ操作側へ押圧し
    うるピストンと、 該ピストンに対して該ブレーキ操作側へ駆動する油圧を
    与えうる油圧室と、 油圧源から該油圧室に至る油路に介装されて、該油圧源
    からの油圧を減圧調整しながら該油圧室内に導いて該油
    圧室内の油圧を調整する減圧弁を有する油圧調整機構
    と、 該ピストンを該ブレーキ操作側とは反対方向へ付勢する
    リターンスプリングとをそなえ、 該減圧弁と該油圧室との間に、該アンチロックブレーキ
    システムの作動時に開通状態に切り換えられる脈動防止
    バイパス油路が介設され、さらに、該油圧調整機構の該
    油圧源及び該油路の一部が車両用操舵機構と併用され
    いることを特徴とする、車両用自動ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 該脈動防止バイパス油路に、バイパス油
    路脈動防止手段と、該アンチロックブレーキシステムの
    作動時に開通状態に切り換えられる切換弁とが、介装さ
    れていることを特徴とする、請求項1記載の車両用自動
    ブレーキ装置
  3. 【請求項3】 該油圧源に、油圧ポンプがそなえられ、 該減圧弁が該油圧ポンプの負圧を利用して減圧しうるよ
    うに、該減圧弁と該油圧ポンプの吸入側との間にリター
    ン油路が介設されて、該リターン油路にリターン油路脈
    動吸収手段が設けられていることを特徴とする、請求項
    1又は2記載の車両用自動ブレーキ装置
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