JP4585234B2 - プラズマディスプレイパネルの再生方法 - Google Patents

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Description

本発明は、安価に製造可能で、且つ高精度な大画面を有しながらも、薄型であることから、壁掛け形式で設置できるカラーテレビジョン受像機や各種の情報表示用ディスプレイとして用いることのできるプラズマディスプレイパネルの機能が劣化したときに、その機能を回復させる方法およびプラズマディスプレイパネルに関するものである。
プラズマディスプレイパネルは、駆動方式で大別すると、AC型とDC型との2種類があり、放電方式で大別すると、面放電型と対向放電型との2種類がある。現在では,AC型で面放電型のプラズマディスプレイパネルが、高精細な大画面が可能で、製造が簡便であることから、主流を占めている。このプラズマディスプレイパネルにおいては、蛍光体による表示の輝度を高め、視認性および色再現性の改善を図る試みが従来から促進されている。
例えば、従来では、蛍光物質よりも屈折率の小さい透光性物質の薄膜を個々に被覆させた多数の粒状の蛍光物質によって蛍光体層を形成したプラズマディスプレイパネルが提案されている(特許文献1参照)。このプラズマディスプレイパネルでは、蛍光物質の表面層での反射が低減して、蛍光物質に入射する紫外線の透過率が増大するので、励起効率が向上して表示の輝度が高まるとともに、薄膜が放電時のイオンから蛍光物質を保護するので、蛍光物質の劣化を防ぐことができる効果が得られる。
また、誘電体保護膜として酸化マグネシウム膜を採用しているAC駆動型のプラズマディスプレイパネルでは、酸化マグネシウム膜上に絶縁性で、且つ可視光透過性のガス吸収防止膜を形成することにより、製造工程中での酸化マグネシウム膜のガス吸収を防止して、電気的特性の劣化を防止したものが知られている(特許文献2参照)。このプラズマディスプレイパネルでは、酸化マグネシウム膜上に連続してガス吸収防止膜を成膜することにより、酸化マグネシウムのガス吸収を低減して、放電開始電圧を低減することができるので、放電の安定性および高性能化を図ることができる。
さらに、従来では、一対のガラス基板のうちの少なくとも一方に形成した電極を誘電体層で被覆し、その誘電体層の表面に、該誘電体層を放電から保護するための保護膜と該保護膜の表面をパネル組み立て工程までの期間一時的に保護するための一時保護膜を形成し、該一方のガラス基板と他方のガラス基板とでパネルを組み立てたのちに、パネル内部にプラズマを発生させて上記一時保護膜を除去する工程を含んだプラズマディスプレイパネルの製造方法が提案されている(特許文献3参照)。この製造方法では、保護膜の形成後に、その上に連続的に一時保護膜を形成するので、保護膜の表面に変質層が形成されず、プラズマディスプレイパネルの保護膜を良好な放電特性の保護膜とすることができる。
特開平7−320645号公報 特開2000−348626号公報 特許第3073451号公報
ところで、プラズマディスプレイパネルでは、製造組立工程での封着時や製品としての長時間の駆動後に、蛍光体に波長シフトや輝度劣化が生じることが知られており、この波長シフトや輝度劣化は、三色の蛍光体のうちの特に青色蛍光体において発生が著しい。波長シフトが発生した場合には発光色が本来とは異なる色に変質し、一方、輝度劣化が生じた場合には発光が弱くなり、何れの場合にも表示機能の劣化を招くことになる。
上述のようなプラズマディスプレイパネルの表示機能の劣化は、酸素欠陥に起因するBAM(青色蛍光体 BaMgAl10O17 の略)へのOH基結合による波長シフトの発生やEU2 + の酸化による輝度劣化、あるいは紫外線によるBAM構造の破壊、つまり結晶性の悪化などに起因して発生すると考えられている。これに対し、従来では、上述した波長シフトや輝度劣化などに起因する表示機能の劣化を回復させることのできる手段が未だ提案されていない。
そこで、本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、蛍光体の波長シフトや輝度劣化などに起因してプラズマディスプレイパネルの表示機能が劣化したときに、その表示機能を効果的に回復させることのできるプラズマディスプレイパネルの再生方法および劣化した表示機能を効果的に回復させることのできる手段を備えたプラズマディスプレイパネルを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のプラズマディスプレイパネルの再生方法は、表示電極と誘電層とが形成された第1の基板と電極と隔壁リブと蛍光体層とが形成された第2の基板とが所定の間隙を存して対配置され封止されたプラズマディスプレイパネルの前記第1の基板と前記第2の基板とが封止された状態で、パネル駆動時間を計時し、前記計時した駆動時間を累積した積算駆動時間を記憶し、前記積算駆動時間が設定時間に達したと判別したときに表示機能が劣化した前記蛍光体層を400℃〜800℃に加熱して前記蛍光体層の表示機能を回復させてプラズマディスプレイパネルを再生することを特徴としている。
請求項2に係る発明は、請求項1の再生方法において、プラズマディスプレイパネルに発熱体が備えられており、前記発熱体を駆動して前記蛍光体層を加熱するようにした。
請求項3に係る発明は、請求項1の再生方法において、プラズマディスプレイパネルの外部からガラス基板および前記誘電体層を透過させて前記蛍光体層に光を照射して前記蛍光体層を加熱するようにした。
請求項4に係る発明のプラズマディスプレイパネルの再生方法は、請求項1の再生方法において、前記蛍光体層が導電粒子を所定の割合で混合した蛍光体粒子により形成されており、高周波電界を印加して前記導電粒子を誘導加熱することにより前記蛍光体層を加熱することを特徴としている。
請求項5に係る発明のプラズマディスプレイパネルの再生方法は、請求項1の再生方法において、前記蛍光体層が誘電体粒子を所定の割合で混合した蛍光体粒子により形成されており、高周波電界を印加して前記誘電体粒子を誘導加熱することにより前記蛍光体層を加熱することを特徴としている。
請求項6に係る発明は、請求項2の再生方法において、前記積算駆動時間が設定時間に達したと判別したときに手動操作により前記発熱体の駆動を指示入力する操作を促す内容を画面表示し、前記指示入力する操作がされたときに発熱体を駆動することを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項2の再生方法において、前記積算駆動時間が設定時間に達したと判別したときに前記発熱体を駆動する事を特徴とする。
請求項1の発明では、表示電極と誘電層とが形成された第1の基板と電極と隔壁リブと蛍光体層とが形成された第2の基板とが所定の間隙を存して対配置され封止されたプラズマディスプレイパネルの前記第1の基板と前記第2の基板とが封止された状態で、パネル駆動時間を計時し、前記計時した駆動時間を累積した積算駆動時間を記憶し、前記積算駆動時間が設定時間に達したと判別したときに表示機能が劣化した前記蛍光体層を400℃〜800℃に加熱するので、前記蛍光体層の表示機能を回復させてプラズマディスプレイパネルを再生することができる。
請求項2の発明では、プラズマディスプレイパネルに発熱体が備えられており、前記発熱体を駆動して蛍光体層を加熱して、簡単に機能を回復させて再生することができる。
請求項3の発明では、蛍光体に光を照射して加熱するので、蛍光体層における劣化が最も激しい最表面のみを加熱することができ、処理エネルギが可及的に少なくて済むとともに処理時間も短くなる利点があり、その処理時間が極めて短いことにより、プラズマディスプレイパネルに対し熱的な衝撃を与えることがないので、蛍光体層以外の構成要素に膜剥がれや変質などの不具合が生じるおそれがない。
請求項の発明では、処理エネルギが可及的に少なくて済むとともに処理時間も短くなり、この処理時間が極めて短いことにより、プラズマディスプレイパネルに対し熱的な衝撃を与えることがないので、蛍光体層以外の構成要素に膜剥がれや変質などの不具合が生じるおそれがない効果を得ることができ、この効果に加えて、高価な装置を用いることなく安価な電磁界発生装置を用いるだけで対応できる利点がある。
請求項の発明では、処理エネルギが可及的に少なくて済むとともに処理時間も短くなり、この処理時間が極めて短いことにより、プラズマディスプレイパネルに対し熱的な衝撃を与えることがないので、蛍光体層以外の構成要素に膜剥がれや変質などの不具合が生じるおそれがない効果を得ることができ、この効果に加えて、高価な装置を用いることなく安価な電磁界発生装置を用いるだけで対応できる利点がある。
請求項の発明では、蛍光体層が劣化した時点で、視聴者に機能回復用キーの操作を促して、最も適したタイミングで蛍光体層の劣化を回復する処理を行うことができるから、長期間にわたり優れた表示品位を維持することができる。
請求項の発明では、蛍光体層が劣化した時点で表示機能を回復させる処理を自動的に行うことができ、最も適したタイミングで蛍光体層の劣化を回復する処理を自動的に行うことから、長期間にわたり優れた表示品位を確実に維持することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るプラズマディスプレイパネル100を示す一部破断した斜視図、図2は図1のA−A線断面図、図3は図1のB−B線断面図である。これらの図において、表面側ガラス基板1は、ソーダガラス基板や高歪み点ガラス基板などのプラズマディスプレイ用耐熱ガラスからなり、この表面側ガラス基板1における一面(図1ないし図3における下面)上には、銀またはCr−Cu−Crよりなる走査電極2と維持電極3とが対をなす配置で互いに平行に対置されてなる表示電極4が複数対形成されている。互いに隣りあう表示電極4間には遮光層5が形成されている。走査電極2および維持電極3は、それぞれ透明電極2a,3aとこれに電気的に接続された銀などのバス電極2b,3bとから構成されている。
また、上記複数対の表示電極4は、上記表面側ガラス基板1の一面上に形成された誘電体層6により覆われている。さらに、上記誘電体層6の表面には、MgOの保護膜7が形成されており、この保護膜7は2次電子放出膜としても機能する。
一方、背面側ガラス基板8は、上記表面側ガラス基板1と同様のソーダガラス基板や高歪み点ガラス基板などのプラズマディスプレイ用耐熱ガラスからなり、表面側ガラス基板1の一面に対し平行に相対向する配置で設けられている。この背面側ガラス基板8における表面側ガラス基板1との対向面には、上記走査電極2および維持電極3からなる表示電極4に対し直交する配置でアドレス電極10が形成されているとともに、隣りあう各2つのアドレス電極10の各間には、発熱体11がアドレス電極10に平行な配置で設けられている。この発熱体11は、高抵抗率の材料、例えば、ステンレス、ニクロム、タングステン、モリブデンなどを素材として、線状に形成されており、通電されることにより発熱して、表示機能の劣化を回復させるよう機能するものである。この発熱体11の詳細については、後述する。
上記アドレス電極10および発熱体11は、背面側ガラス基板8上に形成された誘電体層9により覆われている。この誘電体層9上には、ストライブ状の隔壁リブ12が上記各発熱体11の上方位置において当該発熱体11およびアドレス電極10と平行となる配置で複数形成されている。この隔壁リブ12の周側面および誘電体層9の表面には蛍光体層13が設けられている。上記各誘電体層6,9は、電気絶縁物であって、電荷を溜めるコンデンサとして機能する。
上記表面側ガラス基板1と背面側ガラス基板8とは、所定の間隙を存して平行に相対向する配置で周囲が封止され、その封止された内部に微小な放電空間が形成されている。したがって、走査電極2および維持電極3とアドレス電極10とは、互いに直交する配置で微小な放電空間を挟んで対向配置されている。上記放電空間には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンのうち1種のガスまたは2種以上の混合ガスが放電ガスとして封入されている。また、放電空間は、図2に明示するように、隔壁リブ12によって複数の表示空間に仕切られており、この各表示空間をそれぞれ介在して相対向する表示電極4とアドレス電極10との交点が放電セル14となる。上記各放電セル14には、赤色、緑色および青色となるように蛍光体層13が一色ずつ順次配置されている。また、各放電セル14間は遮光層5によって覆われており、放電セル14以外の位置での放電は外部から視認できないようになっている。
背面側ガラス基板8における表面側ガラス基板1とは反対側の他面には断熱体17が設けられており、この断熱体17は、図2に示すように、複数の梁部17aによって複数の真空断熱空間17bが形成された構成になっている。この断熱体17は、発熱体11の駆動による発熱が背面側ガラス基板8の他面側から外部に放出されるのを防止する。
図4は、上記プラズマディスプレイパネル100の電気系統のブロック構成図を示したものである。このプラズマディスプレイパネル100の駆動には幾つかの方式が存在するが、この発明は何れの駆動方式に適用できるので、この実施の形態では代表的な駆動方式について説明する。
上記プラズマディスプレイパネル100が駆動されたときには、表示制御回路18が保持電圧供給回路19を介して全ての放電セル14に共通の保持電圧を供給しており、制御部20が駆動すべき放電セル14を表示制御回路18に対し指令すると、表示制御回路18が、複数の放電セル14のうちの制御部20から指令された放電セル14に対応するアドレス電極10および表示電極4をXアドレス回路21およびYアドレス回路22を介し選択して通電させる。これにより、選択された放電セル14では、最初に走査電極2および維持電極3間に小さい書き込み放電が生じて壁電荷が形成され、この壁電荷を利用して隣りあう2つの表示電極4間に主放電が生じ、この主放電によって発生した紫外線が蛍光体層13に照射されることによりプラズマディスプレイパネル100のカラーディスプレイ表示が行われる。
上記プラズマディスプレイパネル100では、積算駆動時間が例えば2000時間〜3000時間程度に達したときに、各蛍光体層13のうちの特に青色蛍光体に波長シフトや輝度劣化が生じて表示機能が若干劣化するので、この実施の形態では、上述の積算駆動時間に達した時点で表示機能の回復操作を促す内容を画面表示して、パネル100の視聴者によって回復操作が行われたときに、発熱体11を駆動して表示機能を回復させる処理を行う機能を備えている。
その表示機能を回復させるための構成としては、制御部20の指令を受けて発熱体11をこれに電力供給して駆動させる発熱体駆動回路23と、積算駆動時間を計時するタイマ回路24と、タイマ回路24が計時した積算駆動時間を記憶するメモリ27と、パネル100の電源がオンされているか否かを検出する電源検出回路28と、操作することによって表示機能を回復させるための処理を指示する機能回復用キー30と、上記電源検出回路28が電源オン状態を検出したときに機能回復用キー30を操作できないようにロックするインターロック機構29とを備えている。
つぎに、上記表示機能を回復させるための制御処理について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。制御部20は、電源検出回路28からの電源オン検出信号の入力の有無に基づきパネル100の電源がオンされているか否か、つまりパネル100が駆動状態であるか否かを常時監視して(ステップS1)、電源オン信号が入力する毎にタイマ回路24を駆動させて計時を開始する(ステップS2)。続いて、制御部20は、パネル100の駆動が停止されて電源オン信号の入力が無くなるのを監視して(ステップS3)、パネル100の電源がオフされて電源オン信号の入力が無くなったと判別したときに、メモリ27から読み出した積算駆動時間にタイマ回路24が計時した駆動時間を加算して新たな積算駆動時間を算出し(ステップS4)、その算出した積算駆動時間が設定時間を超えているか否かを判別する(ステップS5)。ここで、設定時間としては、表示機能の回復処理が必要となる2000時間〜3000時間が設定されている。
制御部20は、設定時間を超えていないと判別したときに、新たに算出した積算駆動時間をメモリ27に更新して記憶し(ステップS6)たのち、ステップS1にリターンして、上述と同様の制御処理を繰り返す。そして、制御部20は、算出した積算駆動時間が設定時間を超えていると判別したときに(ステップS5)、表示制御回路18に対して、機能回復用キー30の操作を促す内容を画面表示させるよう指令する(ステップS7)。これにより、表示画面には、例えば、「表示機能を回復させる処理が必要となりましたので、電源をオフしたのちに、機能回復用キーを押して下さい」といった内容が画面表示される。
続いて、制御部20は、視聴者が画面表示を見て先ず電源のオフ操作を行ったか否かを、電源検出回路28からの電源オン信号の有無に基づき監視し(ステップS8)、電源がオフしたと判別した時点で、インターロック機構29に対し機能回復用キー30へのロックを解除するよう指令する(ステップS9)。すなわち、通常時には、機能回復用キー30がインターロック機構29によって操作できないよう常時ロックされている。これは、機能回復する必要のないときに機能回復用キー30が誤って操作されて機能回復の処理が開始されることによる不都合の発生を防止するためである。
つぎに、制御部20は、電源がオンされたか否かの判別(ステップS10)を行い、電源がオンされていない場合に、機能回復用キー30が視聴者によって操作されたか否かの判別を行う(ステップS11)。ここで、視聴者は、機能回復用キー30の操作を行う前に誤って電源をオンする操作を行った場合には、制御部20がインターロック機構29に対し機能回復用キー30を操作できないようにロックするよう指令する(ステップS12)。これは、電源がオンされた状態で機能回復の処理が実行されることによる不具合の発生を防止するための処理であり、その不具合については後述する。そののち、制御部20は、ステップS7にリターンして、上述の電源オンにより駆動されたパネル100の表示画面に再び機能回復用キー30の操作を促す内容を画面表示させる制御処理を行ったのち、上述のステップS7〜S12の制御処理を繰り返す。
そして、制御部20は、電源をオンすることなく機能回復用キー30が操作されたと判別(ステップS11)したときに、その時点から一定時間が経過するのを待って発熱体駆動回路23に対し各発熱体11に対し通電して駆動するよう指令するとともに、タイマ回路24に計時動作を開始させる(ステップS13)。これにより、各発熱体11は通電されて発熱し、その発熱が誘電体層9および隔壁リブ12を通じて蛍光体層13に伝熱されて、蛍光体層13が加熱される。蛍光体層13は、加熱されることにより、一定の累積時間にわたり紫外線を照射されたことによる結晶性の悪化が改善されて、波長や輝度が元の状態に回復する。このように加熱されることによって蛍光体層13の波長や輝度が回復するのは、蛍光体層13以外の多くの材料にみられるアニールによる結晶性回復と同じプロセスである。
ここで、蛍光体層13は、400℃〜800℃の範囲内の加熱温度、好ましくは500℃〜600℃の範囲内の加熱温度に設定して加熱されることにより、波長や輝度の良好な回復効果が得られる。したがって、発熱体駆動回路23は、蛍光体層13の加熱温度が上述の範囲となるように発熱体11を駆動制御する。但し、発熱体11の発熱温度と蛍光体層13の加熱温度との間には、誘電体層9および隔壁リブ12の介在によって温度勾配が発生するので、それを見込んで発熱体11の発熱温度を設定する必要がある。例えば、蛍光体層13の加熱温度を500℃に設定する場合には、発熱体11近傍の温度を600℃に設定すればよい。この場合、背面側ガラス基板8の他面には断熱体17が設けられているので、この断熱体17の外面の温度は100℃以下に低減され、これにより、視聴者が手などを触れることによる火傷や近傍箇所に取り付けられている電子部品の熱による劣化などが生じるおそれがない。
また、蛍光体層13への上述の加熱温度による加熱時間は、10分以上で、120分以下に設定するのが好ましく、一層好ましくは、20分以上で、60分以下に設定する。これは、加熱時間が10分未満の場合に蛍光体層13の波長や輝度の回復効果が不十分であり、加熱時間が60分以上に長くなると、無駄に電力を消費するだけであるからである。なお、ここでいう加熱時間とは、発熱体11を駆動して蛍光体層13への加熱を開始した時点から蛍光体層13が常温に戻るまでの時間ではなく、蛍光体層13が上述した目標の加熱温度に達してからこの加熱温度を保持する時間である。そこで、ステップS13では、電源がオフした時点からパネル100の各構成要素が常温に戻るのに要する一定時間の経過後に発熱体11の駆動を開始している。
また、制御部20は、発熱体11の駆動を発熱体駆動回路23に指令(ステップS13)したのちに、タイマ回路24の計時時間に基づき上述の予め設定された加熱時間が経過したか否かを監視しながら(ステップS14)、視聴者が誤って電源をオンする操作を行わないか否かを監視し続ける(ステップS15)。もしも、上述の発熱体11を駆動して蛍光体層13の機能回復の処理を行っている途中で視聴者が電源をオンした場合には、パネル100が駆動状態となって蛍光体層13の機能回復の処理を正確に行えない。同様の理由により、電源がオン状態のときには上述した機能回復用キー30を操作されないようにインターロック機構29でロックしている。
制御部20は、蛍光体層13の機能回復の処理を行っている途中で電源がオンされたと判別した(ステップS15)ときに、その時点で発熱体駆動回路23に対し発熱体11の駆動を中断するよう指令するとともにインターロック機構29に対し機能回復用キー30を操作できないようにロックするよう指令し(ステップS16)、さらにタイマ回路24の計時動作をリセット(ステップS17)したのちに、ステップS7にリターンして、上述のステップS7〜S15の制御処理を繰り返す。
そして、制御部20は、蛍光体層13の機能回復の処理の開始した時点から所定の加熱時間が経過したと判別した(ステップS14)ときに、発熱体駆動回路23に対し発熱体11の駆動を停止するよう指令するとともにインターロック機構29に対し機能回復用キー30を操作できないようにロックするよう指令し(ステップS18)、メモリ27の記憶内容を消去して(ステップS19)、蛍光体層13の機能回復の処理を終了する。
なお、上記実施の形態では、赤色、青色および緑色の各蛍光体層13の全てに対応して発熱体11を設ける場合を例示して説明したが、青色の蛍光体層13の近傍箇所のみに発熱体11を設けるだけでも、上述と同様の効果を得ることができる。これは、波長シフトや輝度劣化の発生が主として青色の蛍光体層13に著しく、赤色や緑色の蛍光体層13には波長シフトや輝度劣化が僅かしか生じないからである。
つぎに、上記実施の形態のプラズマディスプレイパネル100の製造方法について、図6を参照しながら説明する。先ず、同図(a)を参照しながら表面側構造体の製造工程について説明する。洗浄した表面側ガラス基板1上に、スパッタリング法を用いてITO(Indium Tin Oxide)を成膜したのちに、周知のフォトエッチング法によって不要な部分を取り除いて透明電極2a,3aを形成し(ステップS20)たのち、この透明電極2a,3a上に、例えばスクリーンを用いた印刷法の採用またはフォトエッチングを行うことにより、バス電極2b,3bを形成する(ステップS21)。
続いて、透明電極2a,3aとバス電極2b,3bからなる表示電極4を形成した表面側ガラス基板1上における各表示電極4の各間に遮光層5を形成したのち、表面側ガラス基板1上に、印刷などでガラス粉末ペーストを全面に形成したのち、600℃程度に加熱してガラス粉末層を溶融させて、透明な誘電体層6を形成する(ステップS22)。最後に、誘電体層6上に真空蒸着法によって酸化マグネシウム膜の保護膜7を形成する(ステップS23)と、表面側構造体の製造が完了する。
つぎに、図6(b)を参照しながら背面側構造体の製造工程について説明する。先ず、洗浄した背面側ガラス基板8上に、銀ペーストを用いた厚膜印刷法によりアドレス電極10を所定のパターンに形成する(ステップS24)。続いて、ステップS25〜S28の発熱体11の製造工程が実施される。すなわち、背面側ガラス基板8における各アドレス電極10の各間に、ガラス粉末を高抵抗率の材料(例えば、ステンレス、ニクロム、タングステン、モリブデン等)の粉末に混ぜて溶媒を混合させて得られたペーストを、ディスペンサなどを用いて塗布し(ステップS25)たのち、塗布したペーストを、例えば50μm〜100μmの幅を有する線状にパターニングし(ステップS26)、乾燥し(ステップS27)たのち焼成する(ステップS28)ことにより、ペースト内のガラス成分が溶融して背面側ガラス基板8に対しガラス同士が結合する接着剤としての機能を果たし、高抵抗率の材料が背面側ガラス基板8の表面に定着して所定パターンの発熱体11が形成される。
続いて、アドレス電極10および発熱体11を形成した背面側ガラス基板8上に、印刷などでガラス粉末ペーストを全面に形成したのち、600℃程度に加熱してガラス粉末層を溶融させて、透明な誘電体層9を形成する(ステップS29)。その誘電体層9上に、低融点ガラスを材料とした厚膜印刷と乾燥とを繰り返して重ね合わせ印刷を行うことにより形成したガラス粉末のリブを焼成して、隔壁リブ12を形成する(ステップS30)。さらに、誘電体層9および隔壁リブ12上に、厚膜印刷法によって各々の放電セル14に塗り分けられた赤色、緑色および青色の蛍光体層13を形成し(ステップS31)、最後に、背面側ガラス基板8の周辺部分に、印刷法によって真空封止を行うためのシール層を形成すれば、背面側構造体の製造が完了する。
つぎに、図6(c)を参照しながら表面側構造体と背面側構造体との組立工程について説明する。上述の工程を経て完成した表面側構造体の表面側ガラス基板1と背面側構造体の背面側ガラス基板8とを、所定の相対位置に位置合わせして組み合わせた状態に仮固定する(ステップS32)。
続いて、封止、排気、ガス封入工程(ステップS33)が実施される。この工程では、放電ガスを導入するためのチップ管を背面側ガラス基板8の排気口の上に形成したのちに、封じ用焼成炉で焼成する。これにより、背面側構造体の最後の工程で形成した低融点のシール層のシールガラスとチップ管のシールガラスとが溶融して2枚のガラス基板1,8と排気管が融着することにより、1枚のパネルとなる。ガス封入に際しては、排気管を真空装置に接続して、高温焼成炉内に設定された400℃程度の高温雰囲気内で、パネル内のガスを排気し、そののち、放電用の混合ガス(例えば、ネオンとキセノンの混合ガス)を封入すると、所要のプラズマディスプレイパネル100が完成する。最後に、完成したパネル100の全面の表示電極4間に、放電開始電圧を超える電圧を印加して、長時間放電を行うエージング工程を実施する(ステップS34)ことにより、更に放電特性の安定化を図る。
この製造方法では、既存の各工程に、ステップS25〜S28の発熱体11の製造工程が追加されるだけであり、この発熱体11の製造工程は、アドレス電極10の製造工程(ステップS24)に先立って実施してもよい。すなわち、発熱体11は、アドレス電極10と同じ製造過程において連続的に形成することができるので、簡単な製造工程を経て発熱体11を形成することができ、既存の製造工程に比較して殆どコスト高を招かない。
図7は、発熱体11の好ましいパターンを示したものである。(a)は、線状の各発熱体11を互いに平行に形成して、各発熱体11の各々の一端および他端をそれぞれ共通接続して接続端子O1、O2に導出した、梯子形態になっている。(b)は線状の各発熱体11を互いに平行に形成して、その各発熱体11を一列に直列接続した両端を接続端子O1、O2に導出した、ジグザク形態になっている。この(a)および(b)の形態とした各発熱体11は、図4に示した発熱体駆動回路23により通電して駆動することができる。これに対し、(c)は線状の各発熱体11を互いに平行に形成しているだけであって、接続端子O1、O2に導出されていない、単線状形態になっている。この各発熱体11は、図4の発熱体駆動回路23に代えて、高周波磁界発生部などを設けて、発熱体11に外部から高周波またはマイクロ波を与えることにより、誘導加熱により発熱体11自体を発熱させるものである。なお、図7(a)の上下にそれぞれ7箇所ずつ存在する接続点箇所は、低抵抗として、図の横方向の電圧効果を防止することが望ましい。
図8は本発明の第2の実施の形態に係るプラズマディスプレイパネル101を示す断面図であり、図1のA−A線の切断箇所に相当する箇所を切断した断面図である。同図において、図2と同一または同等のものには同一の符号を付して、重複する説明を省略する。第1の実施の形態では各アドレス電極10における隣りあう各2つのアドレス電極10間に発熱体11を配設したのに対し、この実施の形態のプラズマディスプレイパネル101では、発熱体11が、各アドレス電極10に対し誘電体層を介在して相対向する配置で誘電体層9中に埋設されており、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
このプラズマディスプレイパネル101では、図2と図8との対比から明らかなように、発熱体11が第1の実施の形態のパネル100よりも蛍光体層13に近接した箇所に配設されていることから、発熱体11の発熱が蛍光体層13に効率的に伝熱されて蛍光体層13を効率的に加熱することができるので、発熱体11の発熱温度を第1の実施の形態に比較して低く設定しながら、蛍光体層13を所定の加熱温度で加熱することができる利点がある。なお、発熱体11は、制御部20が図5のフローチャートに基づく制御処理を実行することにより駆動される。
図9は本発明の第3の実施の形態に係るプラズマディスプレイパネル102を示す断面図であり、図1のA−A線の切断箇所に相当する箇所を切断した断面図である。同図において、図2と同一または同等のものには同一の符号を付して、重複する説明を省略する。第1の実施の形態では各アドレス電極10の各間に発熱体11を配設したのに対し、この実施の形態のプラズマディスプレイパネル102では、間隔を存して複数段(この実施の形態において3段)に配置した発熱体11が、隔壁リブ12内に埋設されており、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
このプラズマディスプレイパネル102では、発熱体11が第1および第2の各実施の形態のパネル100,101よりも蛍光体層13に一層近接した箇所において複数段に配設されていることから、発熱体11の発熱が蛍光体層13に極めて効率的に伝熱されて蛍光体層13を効果的に加熱することができるので、発熱体11の発熱温度を第2の実施の形態よりもさらに低く設定しながら、蛍光体層13を所定の加熱温度で加熱することができる。ここで、発熱体11は、制御部20が図5のフローチャートに基づく制御処理を実行することにより駆動される。なお、この実施の形態のプラズマディスプレイパネル102では、発熱体11を埋設する構成に代えて、隔壁リブ12の全部または一部を高抵抗率の材料で形成して、この隔壁リブ12の高抵抗率の材料部分に通電する構成とすることにより、隔壁リブ12に発熱体としての機能を兼備させる構成とすることもできる。その場合には、蛍光体層13を一層効率的に加熱することができる。
図10は第2の実施の形態である図8のプラズマディスプレイパネル101における背面側構造体の製造工程を示すフローチャートである。先ず、洗浄した背面側ガラス基板8上に、銀ペーストを用いた厚膜印刷法によりアドレス電極10を所定のパターンに形成する(ステップS35)。続いて、アドレス電極10を形成した背面側ガラス基板8上に、印刷などでガラス粉末ペーストを全面に形成したのち、600℃程度に加熱してガラス粉末層を溶融させて、透明な下層側誘電体層9aをアドレス電極10を被覆できる程度の厚みに形成する(ステップS36)。
高抵抗率の材料を混合した感光性ペーストを形成して、この感光性ペーストを上記下層側誘電体層9a上における各アドレス電極10の上方箇所に塗布し(ステップS37)たのちに、塗布した感光性ペーストを、露光工程および現像工程を経て所定のパターンとする(ステップS38)ことにより、発熱体11を形成する。続いて、上記ステップS36と同様の工程により透明な上層側誘電体層9bを形成して、第1、第2誘電体層9a,9bが全体として所定厚みの誘電体層9となるようにし、前記第2の誘電体層9bにより発熱体11を被覆するようにする(ステップS39)。
続いて、低融点ガラスを材料とした厚膜印刷と乾燥とを繰り返して重ね合わせ印刷を行うことにより形成したガラス粉末のリブを焼成して、隔壁リブ12を形成する(ステップS40)。さらに、誘電体層9および隔壁リブ12上に、厚膜印刷法によって各々の放電セル14に塗り分けられた赤色、緑色および青色の蛍光体層13を形成し(ステップS41)、最後に、背面側ガラス基板8の周辺部分に、印刷法によって真空封止を行うためのシール層を形成すれば、背面側構造体の製造が完了する。なお、表面側構造体の製造工程および表面側構造体と背面側構造体との組立工程は図6(a),(c)と同様である。
この製造方法では、第1の実施の形態の図6の工程に比較して、誘電体層9を形成するのに2回の工程を必要とするが、上述したように発熱体11を第1の実施の形態のパネル100よりも蛍光体層13に近接した箇所に配設できる利点がある。なお、発熱体11の形成は、図10のステップS37,S38の各工程に代えて、第1の実施の形態における図6(b)のステップS25〜S28の各工程を経て形成するようにしてもよい。さらに、発熱体11は、周知の自動車のリアガラスの製造工程と同様の製造工程を経て形成することもできる。
また、第3の実施の形態である図9のプラズマディスプレイパネル102における背面側構造体の製造は、図示を省略しているが、図6(b)のステップS24,S29と同様の各工程を経て背面側ガラス基板8上にアドレス電極10および誘電体層9をそれぞれ形成したのちに、図6(b)のステップS30の工程による隔壁リブ12の工程と、図6(b)のステップS25〜S28の各工程または図10のステップS37,S38の各工程による発熱体11の形成とを交互に繰り返し実施することにより、間隔を存して3段に配置した発熱体11を隔壁リブ12内に埋設した構成を形成することができる。
第1ないし第3の実施の形態では、図1の制御部20が図5のフローチャートに基づく制御処理を実行することにより、視聴者に機能回復の操作を促す内容を画面表示して、視聴者が画面表示に基づき機能回復用キー30を手動操作することにより機能回復の処理を開始するようにしたが、これとは別に、制御部20が機能回復すべき状態になったと判別した時点で機能回復の処理を自動的に実行する構成とすることもできる。図11は、制御部20が機能回復の処理を自動的に実行する制御処理を示したフローチャートであり、以下に図11の制御処理について説明する。なお、図11の説明に際しては、各構成要素について、図4の符号を参照するものとする。但し、図11の制御処理を行う場合には、図4の機能回復用キーが不要となり、インターロック機構29が機能回復キーに代えて電源キーの操作をロックする構成となり、さらに、時計回路を設ける必要がある。
制御部20は、電源検出回路28からの電源オン検出信号の入力の有無に基づき電源がオンされているか否かを常時監視して(ステップS42)、電源検出回路28から電源オン信号が入力する毎にタイマ回路24を駆動させて計時を開始する(ステップS43)。続いて、制御部20は、パネルの駆動が停止されて電源検出回路28から電源オン信号の入力が無くなるのを監視して(ステップS44)、電源がオフされて電源オン信号の入力が無くなったと判別したときに、メモリ27から読み出した積算駆動時間にタイマ回路24が今回計時した駆動時間を加算して新たな積算駆動時間を算出し(ステップS45)、その算出した積算駆動時間が設定時間を超えているか否かを判別する(ステップS46)。ここで、設定時間としては、表示機能の回復処理が必要となる2000時間〜3000時間が設定されている。
制御部20は、設定時間を超えていないと判別したときに、新たに算出した積算駆動時間をメモリ27に更新して記憶し(ステップS47)たのち、ステップS42にリターンして、上述と同様の制御処理を繰り返す。そして、制御部20は、算出した積算駆動時間が設定時間を超えたと判別したときに(ステップS46)、表示制御回路18に対して、機能回復の処理の実施を予告する内容を画面表示させるよう指令する(ステップS48)。これにより、表示画面には、例えば、「電源がオフされると、表示機能を回復させる処理を行いますので、明朝5時までの間は電源を投入できなくなります。ご注意下さい」といった内容が画面表示される。
続いて、制御部20は、時計回路からの時間信号を参照しながら、予め設定された処理実施時刻になるのを監視する(ステップS49)。ここで、処理実施時刻は、視聴者が電源オンする可能性が極めて低い時間帯、例えば午前2時から午前4時の間といった時間帯に予め設定されるか、制御部20によってパネルの使用開始時から一定期間の間において、パネルの不使用時間帯を検出して、その時間帯に設定される。
そして、制御部20は、処理実施時刻になったと判別(ステップS49)したときに、電源検出回路28からの電源オン信号の有無に基づき電源がオフされているか否かを判別して(ステップS50)、もしも、電源がオンされている場合には、例えば、「電源がオフされれば、表示機能を回復させる処理を行います」といった電源のオフ操作を促す内容を画面表示し(ステップS51)たのち、電源がオフされるのを待つ。
制御部20は、電源がオフされたと判別したときに、インターロック機構29に対し電源キーが投入されないようにロックするよう制御し(ステップS52)、発熱体駆動回路23に対し各発熱体11に対し通電して駆動するよう指令するとともに、タイマ回路24に計時動作を開始させる(ステップS53)。これにより、各発熱体11は通電されて発熱し、その発熱が蛍光体層13に伝熱されることにより、蛍光体層13が加熱される。続いて、制御部20は、タイマ回路24の計時時間に基づき予め設定された所定加熱時間が経過したか否かを監視する(ステップS54)。ここで、発熱体11の加熱温度および加熱時間は第1の実施の形態と同様に設定される。
そして、制御部20は、蛍光体層13の機能回復の処理の開始した時点から所定の加熱時間が経過したと判別したときに、発熱体駆動回路23に対し発熱体11の駆動を停止するよう指令するとともにインターロック機構29に対し電源キーへのロックを解除するよう制御し(ステップS55)、メモリ27の記憶内容を消去して(ステップS56)、蛍光体層13の機能回復の処理を終了する。これにより、蛍光体層13は、結晶性の悪化が改善されるとともに、波長や輝度が元の状態に回復する。
上記第1ないし第3の各実施の形態では、発熱体11を設けて、積算駆動時間が予め設定した時間に達した時点で発熱体11を駆動して蛍光体層13を加熱することにより、表示機能を回復する処理を行う構成としたが、既存のプラズマディスプレイパネルに対し表示機能回復用の構成を設けずに、表示機能を回復させるための処理を行うこともできる。つぎに、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの再生方法の第1の処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。
図12の説明に先立って、プラズマディスプレイパネルについて説明する。プラズマディスプレイパネルには、既存の構成に加えて、図4に示した、電源検出回路28、タイマ回路24、メモリ27および制御部20を設ける。そして、制御部20は、第1ないし第3の実施の形態と同様に、電源検出回路28から電源オン信号が入力している時間をタイマ回路24に計時させて、そのタイマ回路24の計時時間を累積する演算を行って積算駆動時間を算出し、その積算駆動時間をメモリにその都度更新して記憶させるとともに、積算駆動時間が設定時間に達したか否かを常時監視するよう機能する。さらに、制御部20は、上記設定時間に達したと判別した時点で、機能回復の処理を製造メーカに依頼することを促す内容を画面表示させるように制御する。例えば、表示画面には、「表示機能の回復の処理が必要ですので、お買い上げのお店に連絡して下さい」といった内容が画面表示される。
製造メーカでは、上述の画面表示に基づき視聴者から連絡を受けたときに、そのプラズマディスプレイパネルを回収して、先ず、その回収したプラズマディスプレイパネルから放電ガス(例えば、ネオンとキセノンの混合ガス)を抜き取る(ステップS57)。そののち、プラズマディスプレイパネルを加熱炉内に挿入して、放電ガスを抜き取った内部空間を排気しながら所定の加熱温度で所定の加熱時間の間加熱する(ステップS58)。この加熱温度および加熱時間は、上記第1ないし第3の実施の形態で説明した通りであり、この加熱処理により、蛍光体層13は、一定の累積時間にわたり紫外線を照射されたことによる結晶性の悪化が改善されて、波長や輝度が元の状態に回復する。この表示機能を回復する加熱処理が終了したならば、放電ガスを封入して元の状態に戻す(ステップS59)。最後に、プラズマディスプレイパネルの全面の表示電極4間に放電開始電圧を超える電圧を印加して、長時間放電させるエージング工程を実施する(ステップS60)。
このプラズマディスプレイパネルの再生方法では、加熱に先立って放電ガスを抜き取り、その放電ガスを抜き取った内部空間を排気しながら加熱することから、加熱時に内部空間に発生する不純物を外部に排出することができる。これにより、この再生方法では、発生した不純物が加熱により気化して蛍光体層13と反応することによる悪影響の発生を防止することができるから、表示機能を一層効果的に回復させることができる。また、この再生方法では、加熱炉内に入れて加熱することから、上述の発熱体11を設けた場合に発熱体11の近接箇所から蛍光体層13に至る箇所に形成される温度勾配が生じることがなく、蛍光体層13を加熱炉に設定した加熱温度で正確に加熱することができ、良好な機能回復処理を行うことができる。なお、上述の放電ガスを入れ替えを行わずに、回収したプラズマディスプレイパネルをそのまま加熱炉に入れて加熱しても、機能回復の効果を得ることができる。
図13は本発明に係るプラズマディスプレイパネルの再生方法の第2の処理を示す概略構成図であり、この実施の形態のプラズマディスプレイパネル110は、図12の第1の処理で説明したと同様に、図4の電源検出回路28、タイマ回路24、メモリ27および制御部20を備えたものであって、発熱体およびこれの駆動手段を備えないものである。すなわち、この再生方法では、図12の第1の処理と同様に、製造メーカが、画面表示に基づき視聴者から連絡を受けたときに、そのプラズマディスプレイパネル110を回収するが、第1の処理のような発熱手段による加熱処理を用いずに、蛍光体層を光照射手段により加熱して機能の回復を図るものである。
図13において、この実施の形態では、光照射手段として、複数本のキセノンフラッシュランプ32を互いに平行に配置してなる光照射装置31を用い、各キセノンフラッシュランプ32をランプ駆動回路33により同期して発光させることにより、プラズマディスプレイパネル110に光Lを照射して、この光Lを、図1のガラス基板1、誘電体層6および保護膜7をそれぞれ透過させて蛍光体層13の表面に照射することにより、この光照射により蛍光体層13の表面を400℃〜800℃の温度に加熱するものである。
この実施の形態では、プラズマディスプレイパネル110に対しこれを分解せずに光Lを直接的に照射する場合を例示してあり、この場合において、蛍光体層13を上記の所要の温度で加熱するためには、以下の条件設定が必要となる。すなわち、キセノンフラッシュランプ32として、200nm以上で4.5μm以下の波長の光Lを発光するものを選択する。これは、4.5μm以下の波長の光Lを用いれば、この光Lを、ガラス基板1、誘電体層6および保護膜7を透過して蛍光体層13まで確実に到達させることができるためであり、波長を200nm以上とするのは、200nm未満の波長の光Lを用いれば、蛍光体層13の蛍光体結晶を破壊するおそれがあるためである。なお、一層好ましいのは、波長が800nm以上の赤外線を用いることである。これは、可視光については蛍光体層13の反射率および透過率が大きいために、加熱が効果的に行えないと考えられるためである。
また、キセノンフラッシュランプ32は、駆動制御部34によりランプ駆動回路33からの供給電力を制御されて、エネルギ密度が100J/cm2 以上で5000J/cm2 以下の光Lを発射するように調整される。これは、エネルギ密度が100J/cm2 以下である場合に加熱が不十分であり、5000J/cm2 以上の場合に蛍光体層13の輝度回復が飽和するので、エネルギの無駄となるからである。
さらに、複数のキセノンフラッシュランプ32からなる光照射装置31を駆動して光Lを照射する時間は、駆動制御部34によ1nsec以上で10msec以下の極めて短い時間に制御される。これは、1nsec以下の極めて短い時間でキセノンフラッシュランプ32をフラッシング駆動するのが技術的に困難であり、できたとしても高コストとなり、10msec以上の時間駆動すると、蛍光体層13における最表面よりもさらに深い部位まで加熱されてしまい、蛍光体層13のさほど劣化していない蛍光体粒子も回復処理されることによる処理エネルギや処理時間の無駄が生じてしまうだけでなく、プラズマディスプレイパネル110の各構成要素毎に熱膨張係数が異なるために、これら各構成要素に対し熱的な衝撃を与えて割れが生じるおそれがあり、また、蛍光体層13以外の構成要素に悪影響を与えて、熱膨張係数の相違に起因する膜剥がれや変質などの不具合が生じるおそれがあるからである。
なお、回収したプラズマディスプレイパネル110を分解して、蛍光体層13に光Lを直接的に照射する場合には、上述した光Lの波長、光Lのエネルギ密度および光照射時間を上述のような条件に設定する必要がないが、その場合には、プラズマディスプレイパネル110の分解および再組立の工程が必要となる。
このように光Lを蛍光体層13に照射する場合には、蛍光体層13における劣化が最も激しい最表面のみを加熱するので、処理エネルギが可及的に少なくて済むとともに処理時間も短くなる利点があり、処理時間が極めて短いことにより、プラズマディスプレイパネル110に対し熱的な衝撃を与えることがないので、蛍光体層13以外の構成要素に膜剥がれや変質などの不具合が生じるおそれがない。
なお、この光Lの照射により劣化の回復を図れる蛍光体粒子は、以下のようなメカニズムによって発光するものである。すなわち、母体やBAMなどの母結晶が外部からエネルギを吸収し、このエネルギが発光イオンに伝達され、イオンが基底状態から励起状態に押し上げられ、励起されたイオンが熱・格子振動でエネルギを失いながら、より安定な励起状態の一つである発光準位に達し、光を放出して基底状態に戻るメカニズムによって発光する蛍光体粒子である。
図14は、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの再生方法の第2の処理の他の例を示す概略構成図であり、照射する光Lとしてレーザー光を用いたものである。すなわち、エキシマレーザー装置37から発射されたレーザー光は、光学系38を用いて線状のビーム形状を保ってプラズマディスプレイパネル110に照射され、プラズマディスプレイパネル110が載置固定されたステージ39は、矢印方向に移動してプラズマディスプレイパネル110の全体にレーザー光Lを照射させる。このレーザー光Lを照射する場合においても、図13で説明したと同様の効果を得ることができる。
図15は、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの再生方法の第3の処理を示す概略構成図である。この実施の形態では、プラズマディスプレイパネル111の蛍光体層を、電気抵抗率が8μΩ・cm以上で200μΩ・cm以下の導電粒子を所定の割合で混合した蛍光体粒子により形成することが条件となる。ここで、導電粒子は、蛍光体層全体に対し0.1(重量%)〜10(重量%)の混合割合で混合される。また、導電粒子としては、鉄、ニッケルまたはクロムを用いるのが好ましい。また、上記プラズマディスプレイパネル111は、第2の処理で用いたプラズマディスプレイパネル110と同様に、図4の電源検出回路28、タイマ回路24、メモリ27および制御部20を備えている。
この再生方法では、上述の第2の処理と同様に、製造メーカが、画面表示に基づき視聴者から連絡を受けたときに、そのプラズマディスプレイパネル111を回収して、高周波電界をプラズマディスプレイパネル111に印加して蛍光体層に混合した導電粒子を誘導加熱することにより、蛍光体層を加熱して機能の回復を図る。すなわち、図15に示すように、回収したプラズマディスプレイパネル111を筒状の支持枠40上に載置して、この支持枠40の下方に配置した、例えばIHコイルのような渦巻状の加熱コイル41に高周波電源42から高周波電力を供給することにより、加熱コイル41から発生する電磁波によってプラズマディスプレイパネルの蛍光体層に高周波電界を印加する。これにより、蛍光体層に含まれている導電粒子は誘導加熱されて渦電流が発生し、この渦電流によるジュール熱により蛍光体層の蛍光体粒子が加熱されることにより、蛍光体層の機能回復が図られる。
蛍光体層は、上述したように、導電粒子を0.1(重量%)〜10(重量%)の混合割合に設定して混合されている。これは、混合割合を0.1(重量%)以下に設定した場合に、上述の誘導加熱が不十分となって蛍光体層に所期の機能回復を得られず、一方、混合割合を10(重量%)以上に設定した場合に、蛍光体層における蛍光体粒子が少なくなって蛍光体層に所要の輝度が得られなくなるからである。
また、蛍光体層に混合する導電粒子としては、上述のように、8μΩ・cm以上で200μΩ・cm以下の電気抵抗率を有しているものを用いることが好ましい。これは、電気抵抗率が8μΩ・cm未満の場合に、抵抗が小さ過ぎて誘導電流によるジュール熱の発生が小さくなり、一方、電気抵抗率が200μΩ・cm以上の場合に、誘導電流が小さ過ぎてジュール熱の発生が小さくなり、何れの場合も蛍光体層を十分に加熱できないからである。
また、高周波電源42は、コントローラ43により制御されて、蛍光体層の含まれる導電粒子に対し10V/cm以上で300V/cm以下の高周波電界を印加することのできる高周波電力を加熱コイル41に供給するようになっている。これは、印加する高周波電界が10V/cm未満の場合に、誘導電流が小さ過ぎてジュール熱の発生が小さために蛍光体層を十分に加熱することができず、一方、印加する高周波電界が300V/cm以上の場合に、高周波電界が高過ぎることから、プラズマディスプレイパネル111に実装されている他の構成要素が損傷するおそれがあるためである。
さらに、高周波電源42としては、蛍光体層の含まれる導電粒子に対し周波数が1KHz以上で3GHz以下の高周波電界を印加するものが選定されている。これは、高周波電界が1KHz未満の周波数である場合に、誘導加熱が十分に行われず、一方、3GHz以上の周波数の高周波電界を発生させる高周波電源は高価であるためである。
このように蛍光体層に高周波電界を印加して蛍光体層に混合した導電粒子を誘導加熱することにより蛍光体層を加熱して機能回復を図る方法では、蛍光体層のみを局所的に加熱するので、光照射する第2の処理と同様に、処理エネルギが可及的に少なくて済むとともに処理時間も短くなる利点があり、この処理時間が極めて短いことにより、プラズマディスプレイパネル111に対し熱的な衝撃を与えることがないので、蛍光体層以外の構成要素に膜剥がれや変質などの不具合が生じるおそれがない効果を得ることができ、この効果に加えて、光照射する第2の処理ではキセノンフラッシュランプ32やエキシマレーザー装置37といった高価な装置を必要とするのに対し、安価な電磁界発生装置を用いるだけで対応でき、例えば、家庭用IH調理器具あるいはこれを大型化した産業用設備を利用することが可能であり、コスト高になることがない利点がある。
図16は、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの再生方法の第4の処理を示す概略構成図である。この第4の処理は上記第3の処理の変形例であって、第3の処理と相違するのは、第3の処理で蛍光体層に混合した導電粒子に代えて、プラズマディスプレイパネル112の蛍光体層を、印加される高周波電界の周波数が1KHz〜3GHzの範囲内に誘電正接が0.01以上で0.6以下となる周波数が存在する誘電体材料からなる誘電体粒子を所定の割合で混合した蛍光体粒子により形成することのみである。
上記誘電体粒子は、第3の処理における導電粒子と同様に、蛍光体層全体に対し0.1(重量%)〜10(重量%)の混合割合で混合される。誘電体粒子としては、誘電正接が大きく、且つ耐熱性に優れたものを用いるのが好ましい。例えば、チタン酸ジルコン酸鉛は、誘電正接が0.04で、500℃以上の耐熱性を有しているので、蛍光体粒子に混合する誘電体粒子として極めて好適に用いることができる。
また、上記プラズマディスプレイパネル112は、第1ないし第3の処理で用いたプラズマディスプレイパネル100,110,111と同様に、図4の電源検出回路28、タイマ回路24、メモリ27および制御部20を備えている。
この再生方法では、上述の第3の処理と同様に、製造メーカが、画面表示に基づき視聴者から連絡を受けたときに、そのプラズマディスプレイパネル112を回収して、図16に示すように、そのプラズマディスプレイパネル112を誘電体からなる支持台44上に載置して、この支持台44の下方に配置した渦巻状の加熱コイル41に高周波電源42から高周波電力を供給することにより、加熱コイル41から発生する電磁波が支持台44を透過してプラズマディスプレイパネル112の蛍光体層に高周波電界を印加する。これにより、蛍光体層に含まれている誘電体粒子は誘導加熱されて渦電流が発生し、この渦電流によるジュール熱により蛍光体層の蛍光体粒子が加熱されることにより、蛍光体層の機能回復が図られる。
蛍光体層は、上述したように、誘電体粒子を0.1(重量%)〜10(重量%)の混合割合に設定して混合されている。これは、混合割合を0.1(重量%)以下に設定した場合に、上述の誘導加熱が不十分となって蛍光体層に所期の機能回復を得られず、一方、混合割合を10(重量%)以上に設定した場合に、蛍光体層における蛍光体粒子が少なくなって蛍光体層に所要の輝度が得られなくなるからである。
また、蛍光体層に混合する誘電体粒子は、上述のように、印加される高周波電界の周波数に対する誘電正接が0.01〜0.6であるが、これは、以下のような理由による。すなわち、誘電損(発熱量)Wは、高周波電力の各周波数をω、誘電体粒子の静電容量をCo、誘電体粒子に印加される電圧をVo、誘電体粒子の比誘電率をε、誘電体粒子の誘電正接をtanδとしたときに、W=ω×Co×Vo2 ×ε×tanδの式で表される。
したがって、誘電正接が0.01未満である場合には、上記式のtanδが小さ過ぎて熱の発生が少ないために、十分な加熱を行うことができず、一方、誘電正接が0.6よりも大きい誘電体粒子では、アドレス放電によって蓄積された電荷が散逸し易く、アドレス放電のメモリ効果が失われるおそれがある。
また、高周波電源42は、コントローラ43により制御されて、蛍光体層の含まれる誘電体粒子に対し10V/cm以上で300V/cm以下の高周波電界を印加することのできる高周波電力を加熱コイル41に供給するようになっている。これは、印加する高周波電界が10V/cm未満の場合に、誘導電流が小さ過ぎてジュール熱の発生が小さいために蛍光体層を十分に加熱することができず、一方、印加する高周波電界が300V/cm以上の場合に、高周波電界が高過ぎることから、プラズマディスプレイパネル111に実装されている他の構成要素が損傷するおそれがあるためである。
さらに、高周波電源42としては、蛍光体層の含まれる誘電体粒子に対し周波数が1KHz以上で3GHz以下の高周波電界を印加するものが選定されている。これは、高周波電界が1KHz未満の周波数である場合に、誘導加熱が十分に行われず、一方、3GHz以上の周波数の高周波電界を発生させる高周波電源は高価であるためである。
このように蛍光体層に高周波電界を印加して蛍光体層に混合した誘電体粒子を誘導加熱することにより蛍光体を加熱して機能回復を図る方法では、蛍光体層のみを局所的に加熱するので、光照射する第2の処理と同様に、処理エネルギが可及的に少なくて済むとともに処理時間も短くなる利点があり、この処理時間が極めて短いことにより、プラズマディスプレイパネル112に対し熱的な衝撃を与えることがないので、蛍光体層以外の構成要素に膜剥がれや変質などの不具合が生じるおそれがない効果を得ることができ、この効果に加えて、光照射する第2の処理ではキセノンフラッシュランプ32やエキシマレーザー装置37といった高価な装置を必要とするのに対し、安価な電磁界発生装置を用いるだけでよく、例えは、家庭用IH調理器具あるいはこれを大型化した産業用設備を利用することが可能であり、コスト高になることがない利点がある。
本発明に係るプラズマディプレイパネルの再生方法は、駆動時間が所定時間経過して劣化したプラズマディスプレイパネルを回収して、このプラズマディスプレイパネルを加熱することによって機能の回復を図るようにする。また、本発明に係るプラズマディプレイパネルは、駆動した累積時間が或る時間に達する毎に、劣化した表示機能を回復させる処理を行える機能を有している。したがって、本発明は、比較的長い期間にわたり良好な表示品位を維持しながら画面表示できることが望まれるカラーテレビジョン受像機や各種の情報表示用のディスプレイに好適に適用できる。
本発明の第1の実施の形態に係るプラズマディスプレイパネルを示す一部破断した斜視図。 図1のA−A線断面図。 図1のB−B線断面図。 同上のプラズマディスプレイパネルの電気系統のブロック構成図。 同上のプラズマディスプレイパネルにおける表示機能を回復させるための制御処理を示すフローチャート。 同上のプラズマディスプレイパネルの製造工程を示すフローチャートであり、(a)は表面側構造体の製造工程、(b)は背面側構造体の製造工程、(c)は表面側構造体と背面側構造体との組立工程をそれぞれ示す。 (a)〜(c)は同上のプラズマディスプレイパネルに設けられる発熱体の異なるパターンを示した説明図。 本発明の第2の実施の形態に係るプラズマディスプレイパネルを示す断面図。 本発明の第3の実施の形態に係るプラズマディスプレイパネルを示す断面図。 第2の実施の形態に係るプラズマディスプレイパネルにおける背面側構造体の製造工程を示すフローチャート。 同上の各実施の形態における機能回復の他の制御処理を示すフローチャート。 本発明に係るプラズマディスプレイパネルの再生方法の第1の処理を示すフローチャート。 本発明に係るプラズマディスプレイパネルの再生方法の第2の処理を示す概略構成図。 同上の第2の処理の変形例を示す概略構成図。 本発明に係るプラズマディスプレイパネルの再生方法の第3の処理を示す概略構成図。 本発明に係るプラズマディスプレイパネルの再生方法の第4の処理を示す概略構成図。
符号の説明
1 表面側ガラス基板(第1の基板)
4 表示電極
6 誘電体層(第1の誘電体層)
8 背面側ガラス基板(第2の基板)
9 誘電体層(第2の誘電体層)
9a 上層側誘電体層
9b 下層側誘電体層
10 アドレス電極
11 発熱体
12 隔壁リブ
13 蛍光体層
14 放電セル
17 断熱体
20 制御部
23 発熱体駆動回路
24 タイマ回路
27 メモリ
100,101,102,110,111,112 プラズマディスプレイパネル

Claims (7)

  1. 表示電極と誘電層とが形成された第1の基板と電極と隔壁リブと蛍光体層とが形成された第2の基板とが所定の間隙を存して対配置され封止されたプラズマディスプレイパネルの前記第1の基板と前記第2の基板とが封止された状態で、パネル駆動時間を計時し、前記計時した駆動時間を累積した積算駆動時間を記憶し、前記積算駆動時間が設定時間に達したと判別したときに表示機能が劣化した前記蛍光体層を400℃〜800℃に加熱して前記蛍光体層の表示機能を回復させてプラズマディスプレイパネルを再生することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの再生方法。
  2. プラズマディスプレイパネルに発熱体が備えられており、前記発熱体を駆動して前記蛍光体層を加熱することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの再生方法。
  3. プラズマディスプレイパネルの外部からガラス基板および前記誘電体層を透過させて前記蛍光体層に光を照射して前記蛍光体層を加熱することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの再生方法。
  4. 前記蛍光体層が導電粒子を所定の割合で混合した蛍光体粒子により形成されており、高周波電界を印加して前記導電粒子を誘導加熱することにより前記蛍光体層を加熱することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの再生方法。
  5. 前記蛍光体層が誘電体粒子を所定の割合で混合した蛍光体粒子により形成されており、高周波電界を印加して前記誘電体粒子を誘導加熱することにより前記蛍光体層を加熱することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの再生方法。
  6. 記積算駆動時間が設定時間に達したと判別したときに手動操作により前記発熱体の駆動を指示入力する操作を促す内容を画面表示し、前記指示入力する操作がされたときに前記発熱体を駆動することを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイパネルの再生方法。
  7. 記積算駆動時間が設定時間に達したと判別したときに前記発熱体を駆動することを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイパネルの再生方法。
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