JP2001076628A - プラズマ表示装置 - Google Patents

プラズマ表示装置

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JP2001076628A
JP2001076628A JP25132899A JP25132899A JP2001076628A JP 2001076628 A JP2001076628 A JP 2001076628A JP 25132899 A JP25132899 A JP 25132899A JP 25132899 A JP25132899 A JP 25132899A JP 2001076628 A JP2001076628 A JP 2001076628A
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electrode
layer
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plasma display
electrodes
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Hiroshi Mori
啓 森
Hidehiro Kawaguchi
英広 川口
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】AC型プラズマ表示装置の発光効率と輝度を向
上させる。 【解決手段】本発明のプラズマ表示装置は、(イ)第1
基板10と、複数の第1電極11から構成された第1電
極群と、第1保護層12とから成る第1パネルP1と、
(ロ)第2基板20と、複数の第2電極21から構成さ
れた第2電極群と、蛍光体層22と、第2保護層23と
から成る第2パネルP2とを有し、第1パネルP1と第
2パネルP2とは、第1保護層12と第2保護層23と
が対面するごとく対向して配置され、第1パネルP1と
第2パネルP2とによって形成された空間内には2.0
×104Pa以上3.0×105Pa以下の圧力の希ガス
が封入され、第1電極11と第2電極21とが重複する
領域において、第1電極11の頂面から最短距離に位置
する第1保護層12の表面の部分と、第2電極21の頂
面から最短距離に位置する第2保護層23の表面の部分
との間の距離で定義される電極間距離は5×10-5m未
満である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光効率及び輝度
が改善された、比較的容易に製造が可能なプラズマ表示
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在主流の陰極線管(CRT)に代わる
画像表示装置として、平面型(フラットパネル形式)の
表示装置が種々検討されている。このような平面型の表
示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロル
ミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置
(PDP:プラズマ・ディスプレイ)を例示することが
できる。中でも、プラズマ表示装置は、大画面化や広視
野角化が比較的容易であること、温度、磁気、振動等の
環境要因に対する耐性に優れること、長寿命であること
等の長所を有し、家庭用の壁掛けテレビの他、公共用の
大型情報端末機器への適用が期待されている。
【0003】プラズマ表示装置は、希ガスを封入した放
電セルに電圧を印加して、希ガス中でのグロー放電に基
づき発生した紫外線で放電セル内の蛍光体層を励起する
ことによって発光を得る表示装置である。つまり、個々
の放電セルは蛍光灯に類似した原理で駆動され、放電セ
ルが、通常、数十万個のオーダーで集合して1つの表示
画面が構成されている。プラズマ表示装置は、放電セル
への電圧の印加方式によってDC型とAC型とに大別さ
れ、それぞれ一長一短を有する。AC型プラズマ表示装
置は、表示画面内で個々の放電セルを仕切る役割を果た
す隔壁を例えばストライプ状に形成すればよいので、高
精細化に適している。しかも、電極の表面が誘電体材料
で覆われているので、電極が磨耗し難く、長寿命である
といった長所を有する。
【0004】従来のAC型プラズマ表示装置の典型的な
構成例を、図11に示す。このAC型プラズマ表示装置
は所謂3電極型に属し、一対の放電維持電極101とア
ドレス電極201とによって放電が生じる。図11に示
すAC型プラズマ表示装置は、フロントパネルP10とリ
アパネルP20とが貼り合わされて成る。リアパネルP 20
上の蛍光体層204の発光は、フロントパネルP10を通
して観察される。
【0005】フロントパネルP10は、透明基板100
と、透明基板100上にストライプ状に設けられ、透明
導電材料から成る放電維持電極101と、放電維持電極
101のインピーダンスを低下させるために設けられ、
放電維持電極101よりも電気抵抗率の低い材料から成
るバス電極102と、バス電極102及び放電維持電極
101上を含む透明基板100上に形成された誘電体膜
103とから構成されている。
【0006】一方、リアパネルP20は、基板200と、
基板200上にストライプ状に設けられたアドレス電極
(データ電極とも呼ばれる)201と、アドレス電極2
01上を含む基板200上に形成された誘電体膜202
と、誘電体膜202上であって隣り合うアドレス電極2
01の間の領域にアドレス電極201と平行に延びる絶
縁性の隔壁203と、誘電体膜202上から隔壁203
の側壁面上に亙って設けられた蛍光体層204とから構
成されている。蛍光体層204は、赤色蛍光体層204
R、緑色蛍光体層204G、及び青色蛍光体層204B
から構成されており、これらの各色の蛍光体層204
R,204G,204Bが所定の順序に従って設けられ
ている。図11は分解斜視図であり、実際にはリアパネ
ルP20側の隔壁203の頂部がフロントパネルP10側の
誘電体膜103に当接している。一対の放電維持電極1
01と、2つの隔壁203の間に位置するアドレス電極
201とが重複する領域が、放電セルに相当する。そし
て、隣り合う隔壁203と蛍光体層204と誘電体膜1
03とによって囲まれた空間内には、希ガスが封入され
ている。
【0007】放電維持電極101が延びる方向とアドレ
ス電極201が延びる方向とは直交しており、隣り合う
一対の放電維持電極101と、3原色を発光する蛍光体
層204R,204G,204Bの1組とが重複する領
域が1画素に相当する。グロー放電が隣り合う一対の放
電維持電極101間で生じることから、このタイプのプ
ラズマ表示装置は「面放電型」と称される。一対の放電
維持電極101間に電圧を印加する直前に、放電セルの
放電開始電圧よりも低いパルス電圧をアドレス電極20
1に印加することで、放電セル内に壁電荷が蓄積され
(表示を行う放電セルの選択)、見掛け上の放電開始電
圧が低下する。次いで、一対の放電維持電極101の間
で開始された放電は、放電開始電圧よりも低い電圧にて
維持され得る。放電セルにおいては、希ガス中でのグロ
ー放電に基づき発生した真空紫外線の照射によって励起
された蛍光体層が、蛍光体材料の種類に応じた特有の発
光色を呈する。尚、封入された希ガスの種類に応じた波
長を有する真空紫外線が発生する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ここで、放電セル内に
おけるグロー放電の発光状態を、図12を参照して説明
する。図12の(A)に、希ガスを封入した放電管内で
直流グロー放電を行った場合の発光状態を模式的に示
す。陰極から陽極に向かって、アストン暗部A、陰極グ
ローB、陰極暗部(クルックス暗部)C、負グローD、
ファラデー暗部E、陽光柱F及び陽極グローGが順に現
れる。交流グロー放電では、陰極と陽極が所定の周波数
にて反転を繰り返すため、電極間の中央部に陽光柱Fが
位置し、陽光柱Fの両側にファラデー暗部E、負グロー
D、陰極暗部C、陰極グローB及びアストン暗部Aがこ
の順に対称に現れる。図12の(B)に示す状態は、蛍
光灯のように電極間の距離が十分に長い場合にみられ
る。電極間の距離を縮めてゆくと陽光柱Fの長さが減少
する。更に電極間の距離を縮めると、図12の(C)に
示すように陽光柱Fが消失し、電極間の中央部に負グロ
ーDが位置し、負グローDの両側に陰極暗部C、陰極グ
ローB及びアストン暗部Aがこの順に対称に現れる。
【0009】図12の(C)に示した状態が、従来の一
般的なAC型プラズマ表示装置において達成される状態
である。即ち、従来のAC型プラズマ表示装置において
は、フロントパネルP10側の誘電体膜103の表面とリ
アパネルP20側の蛍光体層204の最上面との間が負グ
ローで丁度満たされるように、フロントパネルP10側の
誘電体膜103の表面とリアパネルP20側の蛍光体層2
04の最低面との間の距離(以下、電極間距離と呼ぶ場
合がある)を設定している。従来のAC型プラズマ表示
装置における放電セル内の希ガスの圧力は、概ね6.7
×104Pa(約0.66気圧)以下、高くとも8.0
×104Pa(約0.79気圧)以下である。また、電
極間距離は、7×10-5〜1×10-4m程度である。但
し、面放電型のAC型プラズマ表示装置では、放電を維
持するための一対の放電維持電極101が図12の
(C)に示したような対向した配置ではなく、並列配置
を採るので、負グローは陰極(一対の放電維持電極10
1のいずれか一方)の表面と蛍光体層204の表面との
間の領域に形成される。
【0010】ところで、電極間距離を概ね決定する部材
は、図11からも明らかなように隔壁203である。従
って、電極間距離を7×10-5〜1×10-4m程度とす
るためには、蛍光体層204の厚さを見込んで、隔壁2
03を概ね8×10-5〜1.1×10-4mの高さに形成
する必要がある。ところで、プラズマ表示装置の製造に
おいて最も困難な工程の1つが、隔壁203の形成工程
である。隔壁203の形成方法としてはスクリーン印刷
法あるいはサンドブラスト法が代表的であるが、いずれ
の方法を用いるにしても、かかる高さの隔壁203を形
成するには多大な手間を要する。即ち、スクリーン印刷
法では、印刷を10回程度繰り返さなければならず、隔
壁203のパターン精度を高めるために、印刷の各回毎
に使用するペーストの物性を変更したり、十分な重ね合
わせ精度を確保する等の工夫が必要とされる。また、サ
ンドブラスト法では、所望の厚さに形成された隔壁形成
用の材料層の不要部を砂粒子の吹き付けによって除去す
るので、材料層の厚さが厚ければ、除去に要する時間が
長くなり、また、材料層の利用率も低くなる。
【0011】また、放電セルにおける発光効率や輝度を
向上させるためには、放電電流を増やす必要があり、そ
のためには電極面積を広くすることが有効である。しか
しながら、上述のような面放電型のAC型プラズマ表示
装置では、隣り合う一対の放電維持電極101の側面
(即ち、放電維持電極101の膜厚分)が対向している
に過ぎず、大幅な輝度の改善を望むことは難しい。
【0012】従って、本発明は、発光効率及び輝度が改
善された、比較的容易に製造が可能なプラズマ表示装置
を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明のカラー表示用のプラズマ表示装置は、
(イ)第1基板と、第1基板上に設けられた複数の第1
電極から構成された第1電極群と、第1電極群上を含む
第1基板上に形成された第1保護層とから成る第1パネ
ル、及び、(ロ)第2基板と、第2基板上に設けられた
複数の第2電極から構成された第2電極群と、第2電極
上に設けられ、赤色を発光する蛍光体材料、緑色を発光
する蛍光体材料及び青色を発光する蛍光体材料から成る
群から選択された蛍光体材料から構成された蛍光体層
と、蛍光体層を被覆する第2保護層とから成る第2パネ
ル、を有し、第1パネルと第2パネルとは、第1保護層
と第2保護層とが対面するごとく対向して配置され、第
1パネルと第2パネルとによって形成された空間内に
は、2.0×104Pa以上3.0×105Pa以下の圧
力の希ガスが封入されており、各第1電極が延びる方向
と各第2電極が延びる方向とは所定の角度を成し、第1
電極と第2電極とが重複する領域において、第1電極の
頂面から最短距離に位置する第1保護層の表面の部分
と、第2電極の頂面から最短距離に位置する第2保護層
の表面の部分との間の距離で定義される電極間距離は、
5×10-5m未満であり、蛍光体層は、希ガス中での交
流グロー放電に基づき発生した紫外線に照射されて発光
することを特徴とする。
【0014】第1保護層を、第1電極群上を含む第1基
板上に形成することにより、イオンや電子と第1電極群
との直接接触を防止することができる結果、第1電極群
の磨耗を防ぐことができる。第1保護層は、この他に
も、アドレス期間に発生する壁電荷を蓄積する機能、放
電に必要な2次電子を放出する機能、過剰な放電電流を
制限する抵抗体としての機能、放電状態を維持するメモ
リ機能を有する。
【0015】第2保護層は、蛍光体層を有する従来のカ
ラー表示用のAC型プラズマ表示装置には設けられてい
ない層である。本発明のプラズマ表示装置における第2
保護層は、蛍光体層を被覆して設けられ、イオンや電子
と蛍光体層との直接接触を防止することができる結果、
イオンや電子の衝突による蛍光体層の損傷が防止され、
プラズマ表示装置の長寿命化を図ることができる。第2
保護層は、この他にも、アドレス期間に発生する壁電荷
を蓄積する機能、放電に必要な2次電子を放出する機
能、過剰な放電電流を制限する抵抗体としての機能、放
電状態を維持するメモリ機能を有する。尚、蛍光体層が
第2基板の表面を隙間無く埋め尽くすように設けられて
いる場合、第2保護層は専ら蛍光体層上に設けられる
が、隣り合う蛍光体層の間に第2基板の表面が露出して
いる場合、第2保護層を蛍光体層上を含む第2基板上に
形成してもよい。
【0016】本発明のプラズマ表示装置は、所謂対向放
電型の装置であり、第1電極群及び第2電極群は、厳密
には電極リードとしての役割を果たし、真の電極は第1
保護層及び第2保護層である。そして、第1電極と第2
電極とが重複する領域のほぼ全体を放電領域として使用
できる。それ故、2つの電極が対面する面積を増加させ
ることができ、表示画面の輝度を高めることが可能とな
る。
【0017】各第1電極が延びる方向と各第2電極が延
びる方向とが成す所定の角度は、典型的には90°であ
る。1つの第1電極と1つの第2電極とが重複する領域
が、1つの放電セルに相当する。
【0018】蛍光体層は、赤色を発光する蛍光体材料、
緑色を発光する蛍光体材料及び青色を発光する蛍光体材
料から成る群から選択された蛍光体材料から構成され、
第2電極上に設けられている。具体的には、例えば、赤
色を発光する蛍光体材料から構成された蛍光体層(赤色
蛍光体層)が第2電極上に設けられ、緑色を発光する蛍
光体材料から構成された蛍光体層(緑色蛍光体層)が別
の第2電極上に設けられ、青色を発光する蛍光体材料か
ら構成された蛍光体層(青色蛍光体層)が更に別の第2
電極上に設けられており、これらの3原色を発光する蛍
光体層が1組となり、所定の順序に従って設けられてい
る。そして、1つの第1電極とこれらの3原色を発光す
る1組の蛍光体層が重複する領域が、1画素に相当す
る。赤色蛍光体層、緑色蛍光体層及び青色蛍光体層は、
ストライプ状に形成されていてもよいし、格子状に形成
されていてもよい。赤色蛍光体層、緑色蛍光体層及び青
色蛍光体層がストライプ状に形成されている場合には、
1つの赤色蛍光体層が1つの第2電極上に形成され、1
つの緑色蛍光体層が1つの第2電極上に形成され、1つ
の青色蛍光体層が1つの第2電極上に形成されている。
一方、赤色蛍光体層、緑色蛍光体層及び青色蛍光体層が
格子状に形成されている場合には、1つの第2電極上
に、赤色蛍光体層、緑色蛍光体層及び青色蛍光体層が所
定の順に形成されている。
【0019】電極間距離は、従来のAC型プラズマ表示
装置におけるよりも短い5×10-5m未満であり、好ま
しくは4×10-5m以下、更に好ましくは2.5×10
-5m以下である。電極間距離の下限は、第1保護層と第
2保護層との間で交流グロー放電、より具体的には主に
陰極グローが生じ、しかも、第1保護層及び/又は第2
保護層に絶縁破壊が生じない距離とすればよい。
【0020】このように電極間距離を5×10-5m未満
とすることによって、しかも、前記空間内における希ガ
スの圧力を2.0×104Pa(0.2気圧)以上3.
0×105Pa(3気圧)以下とすることによって、蛍
光体層は、希ガス中での陰極グローに主に基づき発生し
た紫外線に照射されて発光する。また、このような圧力
範囲内では、圧力が高いほどプラズマ表示装置を構成す
る各種部材のスパッタリング率が低減する結果、プラズ
マ表示装置を長寿命化することができる。空間内におけ
る希ガスのより好ましい圧力範囲は4.0×104Pa
(0.4気圧)以上2.0×105Pa(2気圧)以下
であり、更に好ましくは8.0×104Pa(0.8気
圧)以上1.0×105Pa(1気圧)以下である。
【0021】2つの電極に交流電圧を印加しているとき
の本発明のプラズマ表示装置における発光状態を、模式
的に図10の(A)に示す。電極(第1保護層及び第2
保護層の表層部が相当する)間の中央部に陰極グローB
が位置し、陰極グローBの両側にアストン暗部Aが現れ
る。尚、場合によっては、負グローが一部存在し得る。
このように、本発明のプラズマ表示装置においては、従
来のプラズマ表示装置よりも電極間距離を短くし、且
つ、空間内の圧力を高くしているので、従来とは全く異
なる放電モード(陰極グロー)を利用することが可能と
なる。それ故、高い交流グロー放電効率を達成できる結
果、プラズマ表示装置において高い発光効率と輝度を得
ることができる。
【0022】本発明のプラズマ表示装置では、電極間距
離を規定する部材として、間隔維持部材あるいは隔壁の
いずれかを用いることが好ましい。間隔維持部材を用い
る構成を便宜上「第1の構成」と称し、隔壁を用いる構
成を便宜上「第2の構成」と称する。これらの部材は、
フルカラー表示を想定して複数の種類の蛍光体層を用い
る本発明のプラズマ表示装置において、プラズマの生成
範囲を物理的に制限し、画素間の光学的クロストークを
低減若しくは防止する効果も有する。
【0023】第1の構成に係るプラズマ表示装置におい
ては、前記空間内に間隔維持部材が配され、前記電極間
距離が間隔維持部材によって規定されていることが好ま
しい。間隔維持部材は、例えば塊状部材から成り、第2
電極の間の領域に離散的に配置されている構成とするこ
とができる。塊状部材は、全ての隣り合う第2電極の間
の領域に離散的に配置されていてもよいし、第2電極の
間の領域であって各画素の区切りに対応する領域に配置
されていてもよいし、あるいは、幾つかの画素毎に配置
されていてもよい。間隔維持部材は、典型的には、絶縁
性を有するガラスやセラミックス等の剛性材料から構成
することができ、液晶表示装置の製造分野で通常用いら
れている所謂「スペーサー」を転用することもできる。
間隔維持部材の構成材料や形状、寸法は特に限定されな
いが、所望の電極間距離に応じて選択された直径あるい
は大きさを有する球体、円筒体や角柱体であることが好
ましい。離散的な配置の様式はランダムであってもよい
が、放電の安定性を考慮すると、マトリックス状に配列
された画素と画素との間の位置に規則的に配置すること
が好ましい。球体の間隔維持部材を配置する方法として
は、予め粘着シートや適当な治具上に配列された球体を
第1保護層若しくは第2保護層上に転写する方法を挙げ
ることができる。円筒体や角柱体の間隔維持部材の配置
については、球体の間隔維持部材の配置と同様に行って
もよいし、あるいは、間隔維持部材を構成する材料層を
第1保護層上若しくは第2保護層上の全面に形成し、リ
ソグラフィー法とエッチング法の組合せ、あるいはサン
ドブラスト法により、材料層をパターニングすることに
よって配置してもよい。
【0024】あるいは、間隔維持部材は線状部材から成
り、第2電極の間の領域において第2電極と平行に配置
されている構成とすることもできる。線状部材は、全て
の隣り合う第2電極の間の領域に配置されていてもよい
し、第2電極の間の領域であって各画素の区切りに対応
する領域に配置されていてもよいし、あるいは、幾つか
の画素毎に配置されていてもよい。
【0025】更には、間隔維持部材は格子状部材から成
り、格子状部材は、第1電極の間の領域において第1電
極と平行に延びる第1線状部と、第2電極の間の領域に
おいて第2電極と平行に延びる第2線状部とから成る構
成とすることもできる。第1線状部又は第2線状部は、
全ての隣り合う第1電極又は第2電極の間の領域に配置
されていてもよいし、第1電極又は第2電極の間の領域
であって各画素の区切りに対応する領域に配置されてい
てもよいし、あるいは、幾つかの画素毎に配置されてい
てもよい。かかる格子状部材を用いることにより、画素
間の光学的クロストークをほぼ完全に抑えることが可能
となる。
【0026】本発明のプラズマ表示装置においては、電
極間距離が5×10-5m未満であるが故に、放電が水平
方向に広がり難く、従って、上述のような構成の間隔維
持部材を用いることができる。
【0027】第2の構成に係るプラズマ表示装置におい
ては、第2パネルは隣り合う蛍光体層を隔てる隔壁を更
に備え、蛍光体層は第2電極上から隔壁の側壁面上に亙
って設けられ、第2保護層は蛍光体層上を含む隔壁上に
設けられ、第1保護層は隔壁の頂部上の第2保護層の部
分に当接している構成とすることができる。
【0028】この場合、隔壁は、隣り合う第2電極の間
の領域において第2電極と平行に延びている構成とする
ことができる。あるいは又、隔壁は、隣り合う第1電極
の間の領域において第1電極と平行に延びる第1隔壁
と、隣り合う第2電極の間の領域において第2電極と平
行に延びる第2隔壁とから構成されている(即ち、格子
状とされている)構成とすることもできる。かかる格子
状の隔壁は、従来よりDC型プラズマ表示装置に採用さ
れているが、AC型の本発明のプラズマ表示装置にも適
用することができる。いずれにしても、本発明のプラズ
マ表示装置においては、蛍光体層の厚さを見込んでも、
隔壁の高さを、例えば、概ね6×10-5m未満、より好
ましくは概ね5×10-5m以下、更に好ましくは概ね
3.5×10 -5m以下とすることができるので、隔壁の
形成に要する工数、材料使用量、コストは従来よりも大
幅に低減される。
【0029】尚、第2の構成に係るプラズマ表示装置に
おいて、第1パネルは隣り合う第1電極を隔てる隔壁を
更に備え、第1保護層は第1電極上を含む隔壁上に設け
られ、第2保護層は隔壁の頂部上の第1保護層の部分に
当接している構成とすることもできる。この場合、隔壁
は、隣り合う第1電極の間の領域において第1電極と平
行に延びている構成とすることができる。あるいは又、
隔壁は、隣り合う第1電極の間の領域において第1電極
と平行に延びる第1隔壁と、隣り合う第2電極の間の領
域において第2電極と平行に延びる第2隔壁とから構成
されている(即ち、格子状とされている)構成とするこ
ともできる。
【0030】第2の構成に係るプラズマ表示装置におい
て、隔壁は、隣り合う電極の間の領域に配置されている
ことが好ましいが、場合によっては、電極の間の領域で
あって各画素の区切りに対応する領域に配置されていて
もよいし、あるいは、幾つかの画素毎に配置されていて
もよく、これらの場合には、3原色を発光する蛍光体層
を、第2電極上、及び、第2電極上から隔壁の側壁面上
に亙って設ければよい。
【0031】隔壁の構成材料としては、従来公知の絶縁
材料を使用することができ、例えば広く用いられている
低融点ガラスにアルミナ等の金属酸化物を混合した材料
を用いることができる。隔壁の形成方法として、スクリ
ーン印刷法、サンドブラスト法、ドライフィルム法、感
光法を例示することができる。ドライフィルム法とは、
第2電極が形成された第2基板上(後述の補助誘電体層
を用いる場合には、補助誘電体層上)に感光性フィルム
をラミネートし、露光及び現像によって隔壁形成予定部
位の感光性フィルムを除去し、除去によって生じた開口
部に隔壁形成用の材料を埋め込み、焼成する方法であ
る。感光性フィルムは焼成によって燃焼、除去され、開
口部に埋め込まれた隔壁形成用の材料が残り、隔壁とな
る。感光法とは、第2電極が形成された第2基板上(後
述の補助誘電体層を用いる場合には、補助誘電体層上)
に感光性を有する隔壁形成用の材料層を形成し、露光及
び現像によってこの材料層をパターニングした後、焼成
を行う方法である。尚、隔壁を黒くすることにより、所
謂ブラック・マトリックスを形成し、表示画面の高コン
トラスト化を図ることができる。隔壁を黒くする方法と
して、隔壁の頂部に感光性銀ペースト層や低反射クロム
層等の光吸収層を設ける方法や、黒色に着色されたカラ
ーレジスト材料を用いて隔壁を形成する方法を例示する
ことができる。
【0032】最も単純な第1保護層若しくは第2保護層
の構成は、単層構成である。単層構成の第1保護層若し
くは第2保護層を構成する材料として、酸化マグネシウ
ム(MgO)、フッ化マグネシウム(MgF2)、酸化
アルミニウム(Al23)を例示することができる。中
でも酸化マグネシウムは、化学的に安定であり、スパッ
タリング率が低く、蛍光体層の発光波長における光透過
率が高く、放電開始電圧が低い等の特色を有する好適な
材料である。尚、第1保護層若しくは第2保護層を、酸
化マグネシウム、フッ化マグネシウム及び酸化アルミニ
ウムから成る群から選択された少なくとも2種類の材料
から構成された積層膜構造としてもよい。
【0033】あるいは又、第1保護層を2層構成とする
こともできる。2層構成を有する第1保護層は、第1電
極群に接する第1誘電体層と、第1誘電体層上に設けら
れ、第1誘電体層よりも2次電子放出効率の高い第1被
覆層とから成る。一方、第2保護層も2層構成とするこ
とができる。2層構成を有する第2保護層は、蛍光体層
に接する第2誘電体層と、第2誘電体層上に設けられ、
第2誘電体層よりも2次電子放出効率の高い第2被覆層
とから成る。第1誘電体層又は第2誘電体層は、典型的
には、低融点ガラスあるいはSiO2から構成される。
また、第1被覆層若しくは第2被覆層は、典型的には、
酸化マグネシウム(MgO)、フッ化マグネシウム(M
gF2)、酸化アルミニウム(Al23)から構成する
ことができる。かかる2層構成は、真空紫外線の波長領
域における第1被覆層若しくは第2被覆層の透明性(光
透過率)がそれ程高くない場合に、第1保護層若しくは
第2保護層全体としての透明性を第1誘電体層又は第2
誘電体層で確保し、2次電子放出効率の高さを第1被覆
層若しくは第2被覆層で確保する目的で採用することが
できる。これによって、安定した放電維持動作が可能と
なり、しかも、真空紫外線が保護層によって吸収され難
くなり、更には、蛍光体層から射出した可視光が保護層
に吸収され難い構造を得ることができる。
【0034】第1基板及び第2基板の構成材料として、
ソーダガラス(Na2O・CaO・SiO2)、硼珪酸ガ
ラス(Na2O・B23・SiO2)、フォルステライト
(2MgO・SiO2)、鉛ガラス(Na2O・PbO・
SiO2)を例示することができる。第1基板と第2基
板の構成材料は、同じであっても異なっていてもよい。
【0035】第1電極及び第2電極を構成する電極材料
は、プラズマ表示装置が透過型であるか、反射型である
かによって異なる。透過型のプラズマ表示装置では、蛍
光体層の発光は第2基板を通して観察されるので、第1
電極を構成する電極材料に関して透明/不透明の別は問
わないが、第2電極が透明であることが望まれる。反射
型のプラズマ表示装置では、蛍光体層の発光は第1基板
を通して観察されるので、第2電極を構成する電極材料
に関して透明/不透明の別は問わないが、第1電極が透
明であることが望まれる。尚、ここで述べる透明/不透
明とは、蛍光体材料に固有の発光波長(可視光域)にお
ける電極材料の光透過性に基づく。不透明な電極材料と
して、Ni、Al、Au、Ag、Al、Pd/Ag、C
r、Ta、Cu、Ba、LaB6、Ca0.2La0.8Cr
3等の材料を単独又は適宜組み合わせて用いることが
できる。透明な電極材料として、ITO(インジウム・
錫酸化物)やSnO2を挙げることができる。第1電極
及び第2電極の形成方法として、使用する電極材料に応
じて蒸着法、スパッタリング法、印刷法を適宜選択する
ことができる。即ち、適当なマスクやスクリーンを使用
して最初から所定のパターンを有する電極を形成しても
よいし、電極材料層を全面に形成した後に、電極材料層
をパターニングして電極を形成してもよい。
【0036】第1電極は、蛍光体層の発光波長に対して
透明な透明電極層と、透明電極層上に設けられ、透明電
極層よりも電気抵抗率の低い材料から成る補助電極層
(バス電極)とから構成されていてもよい。補助電極層
は、典型的には、金属材料、例えば、Ag、Al、N
i、Cu、Cr、Cr/Cu/Cr積層膜から構成する
ことができる。かかる金属材料から成る補助電極層は、
反射型のプラズマ表示装置においては、蛍光体層から放
射されて第1基板を通過する可視光の透過光量を低減さ
せ、表示画面の輝度を低下させる要因となり得るので、
第1電極に必要な電気抵抗値が得られる範囲内で出来る
限り細く形成することが好ましい。
【0037】蛍光体層を構成する蛍光体材料としては、
従来公知の蛍光体材料の中から、量子効率が高く、真空
紫外線に対する飽和が少ない蛍光体材料を適宜選択して
用いることができる。カラー表示を想定しているので、
色純度がNTSCで規定される3原色に近く、3原色を
混合した際の白バランスがとれ、残光時間が短く、3原
色の残光時間がほぼ等しくなる蛍光体材料を組み合わせ
ることが好ましい。真空紫外線の照射により赤色に発光
する蛍光体材料として、(Y23:Eu)、(YBO3
Eu)、(YVO4:Eu)、(Y0.960.60
0.404:Eu0.04)、[(Y,Gd)BO3:Eu]、
(GdBO3:Eu)、(ScBO3:Eu)、(3.5
MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)を例示するこ
とができる。真空紫外線の照射により緑色に発光する蛍
光体材料として、(ZnSiO2:Mn)、(BaAl
1219:Mn)、(BaMg2Al1627:Mn)、
(MgGa24:Mn)、(YBO3:Tb)、(Lu
BO3:Tb)、(Sr4Si38Cl 4:Eu)を例示
することができる。真空紫外線の照射により青色に発光
する蛍光体材料として、(Y2SiO5:Ce)、(Ca
WO4:Pb)、CaWO4、YP0.850.154、(B
aMgAl1423:Eu)、(Sr227:Eu)、
(Sr227:Sn)を例示することができる。蛍光
体層の形成方法として、厚膜印刷法、蛍光体粒子をスプ
レーする方法、蛍光体層の形成予定部位に予め粘着性物
質を付けておき、蛍光体粒子を付着させる方法、感光性
の蛍光体ペーストを使用し、露光及び現像によって蛍光
体層をパターニングする方法、全面に蛍光体層を形成し
た後に不要部をサンドブラスト法により除去する方法を
挙げることができる。
【0038】上述の蛍光体材料は誘電体材料であること
から、本発明のプラズマ表示装置の第2基板上に設けら
れる蛍光体層は、図11に示した従来のAC型プラズマ
表示装置のリアパネルP20側において、アドレス電極2
01を被覆する誘電体膜202と同等の効果を奏する。
但し、本発明のプラズマ表示装置において、蛍光体層の
誘電体層としての機能が不十分である場合には、第2電
極群と蛍光体層との間に補助誘電体層を設けてもよい。
補助誘電体層の構成材料として、低融点ガラスやSiO
2を挙げることができる。
【0039】空間に封入される希ガスには、以下の点が
要求される。 プラズマ表示装置の長寿命化の観点から、化学的に
安定であり、且つ、ガス圧力を高く設定し得ること 表示画面の高輝度化の観点から、真空紫外線の放射
強度が大きいこと 真空紫外線から可視光線へのエネルギー変換効率を
高める観点から、放射される真空紫外線の波長が長いこ
と 消費電力低減の観点から、放電開始電圧の低いこと
【0040】希ガスとして、He(共鳴線の波長=5
8.4nm)、Ne(同74.4nm)、Ar(同10
7nm)、Kr(同124nm)、Xe(同147n
m)を単独で用いるか、又は混合して用いることが可能
であるが、ペニング効果による放電開始電圧の低下が期
待できる混合ガスが特に有用である。かかる混合ガスと
しては、Ne−Ar混合ガス、He−Xe混合ガス、N
e−Xe混合ガスを挙げることができる。尚、これらの
希ガスの中でも最も長い共鳴線波長を有するXeは、波
長172nmの強い真空紫外線も放射するので、好適な
希ガスである。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0042】(実施の形態1)実施の形態1は、第1の
構成を有するプラズマ表示装置に関する。実施の形態1
のプラズマ表示装置の概念的な分解斜視図を、図1に示
す。このプラズマ表示装置は、第1パネルP1と第2パ
ネルP2を有する。第1パネルP1は、例えばガラスから
成る第1基板10と、第1基板10上に設けられた複数
の第1電極11から構成された第1電極群と、第1電極
群上を含む第1基板10上に形成され、誘電体材料から
成り、厚さ10μm程度の第1保護層12とから構成さ
れている。第1電極群は、ストライプ状に形成された第
1電極11の集合体である。各第1電極11は、第1基
板10上に形成され、例えばITOから成る透明電極層
111と、透明電極層111上の長手方向の1辺に沿っ
て形成され、ITOよりも電気抵抗率の低い材料、例え
ばクロム/銅/クロム積層膜から成る補助電極層112
とから構成されている。補助電極層112は、透明電極
層111のインピーダンスを下げるための層であり、バ
ス電極とも呼ばれる。補助電極層112の線幅は、表示
画面(ここでは、第1基板10の図中上側の面)の輝度
を損なわないように、透明電極層111の線幅に比べて
十分に狭くされている。
【0043】第2パネルP2は、例えばガラスから成る
第2基板20と、第2基板20上に設けられた複数の第
2電極21から構成された第2電極群と、第2電極21
上に設けられた蛍光体層22と、蛍光体層22を被覆
し、誘電体材料から成り、厚さ1×10-5m(10μ
m)程度の第2保護層23とから構成されている。第2
電極群は、第2基板20上にストライプ状に形成された
第2電極21の集合体である。第2電極21が延びる方
向は、第1電極11が延びる方向と直交している。各第
2電極21は、例えば銀やアルミニウムから構成されて
おり、第1電極11と共に放電の維持に寄与する他、蛍
光体層22から生ずる発光を表示画面側へ反射させ、表
示画面の輝度を向上させることにも寄与する。蛍光体層
22は、赤色蛍光体層22R、緑色蛍光体層22G及び
青色蛍光体層22Bから構成されており、これらの3原
色を発光する蛍光体層22R,22G,22Bが1組と
なり、且つ、所定の順序に従って第2電極21上に設け
られている。
【0044】第1パネルP1と第2パネルP2とは、第1
保護層12と第2保護層23とが対面するごとく対向し
て配置され、周縁部において図示しないシール層を介し
て接着されている。1本の第1電極11と、3原色の蛍
光体層22R,22G,22Bの1組とが重複する領域
が1画素に相当する。第1パネルP1と第2パネルP2
によって形成された空間内には、例えばNe−Xe混合
ガス(例えば、Ne50%−Xe50%混合ガス)が圧
力8×104Pa(0.8気圧)にて封入されている。
【0045】第1電極11と第2電極21とが重複する
領域において、第1電極11の頂面(第2パネル側の表
面)から最短距離に位置する第1保護層12の表面の部
分と、第2電極21の頂面(第1パネル側の表面)から
最短距離に位置する第2保護層23の表面の部分との間
の(最短)距離で定義される電極間距離(L:図2の
(A)参照)を、例えば、1×10-5m(10μm)あ
るいは2×10-5m(20μm)とする。この電極間距
離Lをパネル全面に亙って一定に維持する部材が、空間
内に配された間隔維持部材24Aである。図1では、間
隔維持部材24Aが第2保護層23上に配置されている
ように図示されているが、実際には間隔維持部材24A
は第1保護層12と第2保護層23の双方に当接してい
る。図1には、ガラスから成る高さ1×10-5mあるい
は2×10-5mの角柱状の塊状部材から構成された間隔
維持部材24Aを例示した。間隔維持部材24Aは、第
2電極21の間の領域であって、且つ、第1電極11の
間の領域に、各画素の区切りに対応して離散的に配置さ
れている。従って、実施の形態1のプラズマ表示装置に
おいては、画素毎に独立した閉鎖された空間とはなって
いない。しかしながら、実施の形態1のプラズマ表示装
置においては、電極間距離Lが5×10-5m未満である
が故に、放電が水平方向に広がり難く、従って、画素毎
に独立した閉鎖された空間になっていなくとも何ら問題
は生じない。実施の形態1のプラズマ表示装置におい
て、実質的に放電を維持するための電極として機能する
部材は、第1保護層12及び第2保護層23である。第
1電極11及び第2電極21は、実際には、電極リード
としての役割を果たす。
【0046】次に、かかる構成を有するプラズマ表示装
置の交流グロー放電動作を説明する。放電動作は、初期
放電によって第1保護層12及び第2保護層23の表面
に壁電荷を発生させるアドレス期間と、放電を維持する
放電維持期間とに分けて行われる。アドレス期間では、
選択された第1電極11と選択された第2電極21に、
放電開始電圧Vbdよりも低いパルス電圧を短時間印加す
る。パルス電圧が印加された第1電極11と第2電極2
1との重複領域が表示画素として選択され、この重複領
域において第1保護層12と第2保護層23の表面に誘
電分極に起因して壁電荷が発生する。続く放電維持期間
では、第1電極11又は第2電極21のいずれか一方に
bdよりも低い放電維持電圧Vsusを印加する。壁電荷
が誘起する壁電圧Vwと放電維持電圧Vsusとの和が放電
開始電圧Vbdよりも大きくなれば(即ち、Vw+Vsus
bd)、放電が開始される。第1電極11と第2電極2
1に印加される放電維持電圧Vsusの位相は半周期ずれ
ており、電極の極性は交流の周波数に応じて反転する。
【0047】交流グロー放電が維持された画素では、空
間内に生じた希ガスの励起に基づき放射された真空紫外
線に照射されて蛍光体層22が励起され(尚、真空紫外
線の一部は第2保護層23に吸収される)、蛍光体材料
の種類に応じた特有の色の発光が得られる。かかる可視
光は第2保護層23では左程吸収されない。実施の形態
1のプラズマ表示装置では、電極間距離Lが1×10-5
mあるいは2×10-5mと短く、且つ、空間内における
希ガスの圧力が8×104Pa(0.8気圧)と高いの
で、第1保護層12と第2保護層23との間に位置する
空間領域の相当の部分を主に陰極グローが占める状態を
得ることができ、プラズマ表示装置の発光効率及び輝度
が向上する。しかも、実施の形態1のプラズマ表示装置
は、所謂対向放電型であり、第1保護層12と第2保護
層23とが重複する部分のほぼ全体が放電領域となる。
従って、放電領域の面積を、図11に示した従来の3電
極型のAC型プラズマ表示装置よりも大幅に増加させる
ことができるので、表示画面の輝度を高めることが可能
となる。
【0048】実施の形態1のプラズマ表示装置の製造方
法の概要を、以下、説明する。尚、以下の説明中、製造
方法の任意の段階における第1基板10やその上に形成
された全ての構造物、あるいは第2基板20やその上に
形成された全ての構造物を、「基体」と称する場合があ
る。
【0049】第1パネルP1は、以下のようにして製造
する。先ず、第1基板10の全面に例えばスパッタリン
グ法によりITO層を形成し、フォトリソグラフィ技術
及びエッチング技術によりITO層をストライプ状にパ
ターニングすることによって、透明電極層111を形成
することができる。次に、基体の全面に例えばスパッタ
リング法によりクロム/銅/クロム積層膜を形成し、フ
ォトリソグラフィ技術及びエッチング技術によりクロム
/銅/クロム積層膜をパターニングすることによって、
透明電極層111の長手方向の一辺に沿った補助電極層
(バス電極)112を透明電極層111上に形成するこ
とができる。透明電極層111と補助電極層112と
で、第1電極11が構成される。更に、基体の全面に第
1保護層12を形成する。図1及び図2の(A)では、
第1保護層12を厚さ約1×10-5m(約10μm)の
酸化マグネシウム(MgO)から成る単一の層として図
示しているが、第1誘電体層121と第1被覆層122
の2層構造としてもよい(図2の(B)を参照)。第1
誘電体層121は、例えば、スクリーン印刷法により基
体の全面に低融点ガラスペースト層を形成し、この低融
点ガラスペースト層を焼成することによって形成するこ
とができる。また、第1被覆層122は、例えば、第1
誘電体層121の全面に電子ビーム蒸着法により酸化マ
グネシウム層を形成することにより得ることができる。
以上の工程により第1パネルP1を完成することができ
る。
【0050】第2パネルP2は、以下のようにして製造
する。先ず、第2基板20上に例えばスクリーン印刷法
により銀ペーストをストライプ状に印刷し、焼成を経て
第2電極21を形成することができる。次に、第2電極
21上を含む第2基板上に、例えばスクリーン印刷法に
より、3原色の蛍光体スラリーを順次印刷し、焼成を経
て蛍光体層22R,22G,22Bを形成することがで
きる。尚、図1では、蛍光体層22R,22G,22B
を互いに接して形成しているが、後述の図3の(A)に
示すように各蛍光体層22R,22G,22Bが離間し
ていてもよい。次に、基体の全面に第2保護層23を形
成する。図1及び図2の(A)では、第2保護層23を
厚さ約1×10-5m(約10μm)の酸化マグネシウム
(MgO)から成る単一の層として図示しているが、第
2誘電体層231と第2被覆層232の2層構造として
もよい(図2の(B)を参照)。第2誘電体層231
は、例えば、スクリーン印刷法により基体の全面に低融
点ガラスペースト層を形成し、この低融点ガラスペース
ト層を焼成することによって形成することができる。ま
た、第2被覆層232は、例えば、第2誘電体層231
の全面に電子ビーム蒸着法により酸化マグネシウム層を
形成することにより得ることができる。以上の工程によ
り第2パネルP2を完成することができる。
【0051】次に、プラズマ表示装置の組み立てを行
う。先ず、第2保護層23上に塊状部材から成る間隔維
持部材24Aを配置又は形成する。ここで、「配置」と
は、所定の最終形状を有する間隔維持部材24Aを密
着、接着あるいは吸着させる操作を指し、「形成」とは
印刷やパターニングを含む操作を指す。ここでは、一例
として第2保護層23上に低融点ガラスペーストをスク
リーン印刷することにより、塊状部材から成る間隔維持
部材24Aを形成する。尚、このスクリーン印刷によ
り、第2パネルP2の周縁部にシール層(図示せず)を
同時に形成することができる。あるいは、間隔維持部材
24A及びシール層を、第1パネルP1側の第1保護層
12上に形成してもよい。次に、第1パネルP1と第2
パネルP2とを貼り合わせ、焼成して間隔維持部材24
A及びシール層を硬化させる。次に、第1パネルP1
第2パネルP2との間に形成された空間を排気した後、
Ne−Xe混合ガス(例えば、Ne50%−Xe50%
混合ガス)を圧力8×104Pa(0.8気圧)にて封
入し、空間を封止し、プラズマ表示装置を完成させる。
尚、第1パネルP1と第2パネルP2との貼り合わせを圧
力8×104Pa(0.8気圧)のNe−Xe混合ガス
を満たしたチャンバ内で行えば、排気工程とNe−Xe
混合ガスの封入工程を省略することも可能である。
【0052】第1の構成を有するプラズマ表示装置とし
ては、図1に示した最も基本的な構成例に加え、様々な
変形例があり得る。図2の(A)は、図1に示したとほ
ぼ同じ構成例である。図2に示した塊状部材から成る間
隔維持部材24は球体状であるが、図1に示したような
角柱状の間隔維持部材24Aであってもよく、更には、
後述する線状部材から成る間隔維持部材24B(図4参
照)や格子状部材から成る間隔維持部材24C(図5参
照)であってもよい。
【0053】図2の(B)は、第1保護層12を第1誘
電体層121(厚さ:約10μm)と第1被覆層122
(厚さ:約0.6μm)の2層構成とし、且つ、第2保
護層23を第2誘電体層231(厚さ:約10μm)と
第2被覆層232(厚さ:約0.6μm)の2層構成と
した例である。図2の(C)は、図2の(A)に示した
第2パネルP2の第2電極21と蛍光体層22との間
に、補助誘電体層25を設けた例である。補助誘電体層
25を形成する場合には、第2基板20上に第2電極2
1を形成した後、蛍光体層22の形成に先立って、基体
の全面に例えば低融点ガラスペーストを印刷し、焼成を
行えばよい。図2の(D)は、第1保護層12と第2保
護層23をそれぞれ2層構成とし、更には補助誘電体層
25を設けた例である。図2の(B)及び図2の(D)
に示した例においては、第1保護層12及び第2の保護
層23のいずれか一方のみを2層構成としてもよい。
【0054】図3には、第2パネルP2の更に他の変形
例を示す。図3の(A)に示す第2パネルP2において
は、隣り合う蛍光体層22が離間し、蛍光体層22上を
含む第2基板20上に第2保護層23が形成されてい
る。図3の(B)に示す第2パネルP2においては、図
3の(A)に示した構成に補助誘電体層25が追加され
ている。図3の(C)に示す第2パネルP2において
は、第2基板20に形成された溝部に埋め込まれるよう
に第2電極21が形成され、蛍光体層22が第2基板2
0上に隙間無く形成されている。図3の(D)に示す第
2パネルP2においては、図3の(C)に示した構成に
補助誘電体層25が追加されている。図3の(E)に示
す第2パネルP2においては、第2電極21が第2基板
20に形成された溝部に埋め込まれるように第2電極2
1が形成され、隣り合う蛍光体層22は離間している。
図3の(F)に示す第2パネルP2においては、図3の
(E)に示した構成に補助誘電体層25が追加されてい
る。図3の(A)〜(F)に示したこれらの第2パネル
2のいずれにおいても、第2保護層23は図2の
(B)に示したような2層構成を採ることができる。ま
た、これらのいずれの第2パネルP2も、図1に示した
と同様に、第1パネルP1及び間隔維持部材と組み合わ
せることによってプラズマ表示装置を構成することがで
きる。
【0055】図4は、間隔維持部材の変形例である。図
4に示す間隔維持部材24Bは、線状部材から成り、第
2電極21の間の領域において第2電極21と平行に配
置されている。かかる構成により、第1電極11に沿っ
て並ぶ画素間の光学的クロストークを抑制することがで
きる。尚、線状部材から成る間隔維持部材24Bを、隣
り合う第1電極11の間の領域において第1電極11と
平行に配置してもよい。
【0056】図5は、間隔維持部材の更に他の変形例で
ある。図5に示す間隔維持部材24Cは格子状部材から
成り、この格子状部材は、第1電極11間の領域におい
て第1電極11と平行に延びる第1線状部241と、第
2電極21の間の領域において第2電極21と平行に延
びる第2線状部242とから成る。かかる構成により、
隣り合う全ての画素間の光学的クロストークを抑制する
ことができる。
【0057】(実施の形態2)実施の形態2は、第2の
構成を有するプラズマ表示装置に関する。実施の形態2
のプラズマ表示装置の概念的な分解斜視図を、図6に示
す。実施の形態2のプラズマ表示装置における第1パネ
ルP1は、図1に示したと同様の構造を有するので、詳
細な説明は省略する。
【0058】第2パネルP2は、例えばガラスから成る
第2基板20と、第2基板20上に設けられた複数の第
2電極210から構成された第2電極群と、第2電極2
10上に設けられた蛍光体層220と、隣り合う蛍光体
層220を隔てる隔壁26Aと、蛍光体層220上を含
む隔壁26A上に設けられた第2保護層230とから構
成されている。第2電極群は、第2基板20上にストラ
イプ状に形成された第2電極210の集合体である。第
2電極210が延びる方向は、第1電極11が延びる方
向と直交している。各第2電極210は、例えば銀から
構成されており、第1電極11と共に放電の維持に寄与
する他、蛍光体層220から生ずる発光を表示画面側へ
反射させ、表示画面の輝度を向上させることにも寄与す
る。隔壁26Aは、隣り合う第2電極210の間の領域
において第2電極210と平行に延びる。蛍光体層22
0は、赤色蛍光体層220R、緑色蛍光体層220G及
び青色蛍光体層220Bから構成されており、それぞれ
第2電極210上から隔壁26Aの側壁面上に亙って設
けられている。これらの3原色の蛍光体層220R,2
20G,220Bが1組となり、且つ、所定の順序に従
って第2電極210上に設けられている。
【0059】第1パネルP1と第2パネルP2とは、第1
保護層12と第2保護層230とが対面するごとく対向
して配置され、周縁部において図示しないシール層を介
して接着されている。この接着により、第1保護層12
が隔壁26Aの頂部上の第2保護層230の部分に当接
し、隣り合う隔壁26Aと第1保護層12と第2保護層
230によって囲まれた空間が形成される。この空間内
には、Ne−Xe混合ガス(例えば、Ne50%−Xe
50%混合ガス)が圧力8×104Pa(0.8気圧)
にて封入されている。電極間距離L(図7の(A)参
照)を、例えば1×10-5m(10μm)あるいは2×
10-5m(20μm)とする。電極間距離Lは、概ね隔
壁26Aの高さによって決定される。
【0060】実施の形態2のプラズマ表示装置における
交流グロー放電動作や、第1保護層12と第2保護層2
30との間に位置する空間領域の相当の部分を主に陰極
グローが占める形態によって得られる利点は、実施の形
態1で述べたと同様であるが故に、詳細な説明は省略す
る。
【0061】実施の形態2のプラズマ表示装置の製造方
法の概要を、以下、説明するが、第1パネルP1の製造
方法については、実施の形態1で述べたと同様とすれば
よいので、説明を省略する。
【0062】第2パネルP2は、以下のようにして製造
する。先ず、第2基板20上に例えばスクリーン印刷法
により銀ペーストをストライプ状に印刷し、焼成を経て
第2電極210を形成することができる。次に、隣り合
う第2電極210の間の領域に、例えばスクリーン印刷
法により低融点ガラスペーストを印刷し、焼成を経て隔
壁26Aを形成する。実施の形態2のプラズマ表示装置
における隔壁26Aの高さは、従来のプラズマ表示装置
に比べて大幅に低くてよいので、隔壁26Aの形成工程
に要する工数、材料、コストを大幅に削減することが可
能である。隔壁26Aの高さは、第2電極210の厚
さ、更には、次に形成される蛍光体層220や第2保護
層230の厚さを考慮し、例えば2×10-5m(20μ
m)あるいは3×10-5m(30μm)とすればよい。
次に、3原色の蛍光体スラリーを順次印刷し、焼成を経
て蛍光体層220R,220G,220Bを形成する。
次に、基体の全面に厚さ10μm程度の第2保護層23
0を形成する。図6及び図7の(A)では第2保護層2
30を単一の層として図示しているが、第2誘電体層2
301と第2被覆層2302の2層構造としてもよい
(図7の(B)を参照)。第2誘電体層2301は、例
えば、スクリーン印刷法により基体の全面に低融点ガラ
スペースト層を形成し、この低融点ガラスペースト層を
焼成することによって形成される。また、第2被覆層2
302は、例えば、第2誘電体層2301の全面に電子
ビーム蒸着法により酸化マグネシウム層を形成すること
により得ることができる。以上の工程により第2パネル
2を完成することができる。プラズマ表示装置の組み
立ては、実施の形態1で述べたと同様に行うことができ
るので、詳細な説明は省略する。
【0063】第2の構成を有するプラズマ表示装置とし
ては、図6に示した最も基本的な構成例に加え、様々な
変形例があり得る。図7の(A)は、図6に示したと同
じ構成例である。隔壁26は、図6に示したような平行
な隔壁26Aであってもよいし、あるいは、後述する格
子状の隔壁26B(図9参照)であってもよい。図7の
(B)は、第1保護層12を第1誘電体層121(厚
さ:約10μm)と第1被覆層122(厚さ:約0.6
μm)の2層構成とし、且つ、第2保護層230を第2
誘電体層2301(厚さ:約10μm)と第2被覆層2
302(厚さ:約0.6μm)の2層構成とした例であ
る。図7の(C)は、図7の(A)に示した第2パネル
2の第2電極210と蛍光体層220との間に、補助
誘電体層250を設けた例である。補助誘電体層250
を形成する場合には、第2基板20上に第2電極210
を形成した後、蛍光体層220の形成に先立って、基体
の全面に例えば低融点ガラスペーストを印刷し、焼成を
行えばよい。図7の(D)は、第1保護層12と第2保
護層230をそれぞれ2層構成とし、更に、補助誘電体
層250も設けた例である。図7の(B)及び図7の
(D)に示した例においては、第1保護層12及び第2
の保護層230のいずれか一方のみを2層構成としても
よい。
【0064】図8には、第2パネルP2の更に他の変形
例を示す。図8の(A)に示す第2パネルP2において
は、第2基板20に形成された溝に埋め込まれるように
第2電極210が形成されている。図8の(B)に示す
第2パネルP2においては、図8の(A)に示した構成
に補助誘電体層250が追加されている。図8の(A)
及び(B)に示したこれらの第2パネルP2のいずれに
おいても、第2保護層230は図7の(B)に示したよ
うな2層構成を採ることができる。また、これらのいず
れの第2パネルP2も、図6に示したと同様に、第1パ
ネルP1及び隔壁と組み合わせることによってプラズマ
表示装置を構成することができる。
【0065】図9は、隔壁の変形例である。図9に示す
隔壁26Bは、隣り合う第1電極11間の領域において
第1電極11と平行に延びる第1隔壁261と、隣り合
う第2電極210の間の領域において第2電極210と
平行に延びる第2隔壁262とから成る。即ち、隔壁2
6Bの平面形状は格子状である。かかる構成により、隣
り合う全ての画素間の光学的クロストークを抑制するこ
とができる。
【0066】以上、本発明を実施の形態に基づいて説明
したが、本発明のプラズマ表示装置はこれらの実施の形
態に限定されるものではない。プラズマ表示装置の構
成、構成材料、製造方法の細部については、適宜変更、
選択、組合せが可能である。
【0067】
【発明の効果】本発明のプラズマ表示装置は、対向放電
型の装置であり、第1電極と第2電極とが重複する領域
のほぼ全体を放電領域として使用できるので、表示画面
の輝度を高めることが可能となる。また、蛍光体層の表
面は第2保護層で被覆されているので、電子やイオンの
衝突による蛍光体層の損傷が防止され、プラズマ表示装
置の長寿命化を達成し得る。更には、本発明のプラズマ
表示装置においては、電極間距離Lを5×10-5m未満
と薄く規定し、且つ、空間内における希ガスの圧力を
2.0×104Pa以上3.0×105Pa以下としてい
るので、第1保護層と第2保護層との間に位置する空間
領域の相当の部分を主に陰極グローが占める状態の交流
グロー放電を発生させ得る。従って、従来とは全く異な
る放電モードを利用して、カラー表示用のプラズマ表示
装置の発光効率と輝度の改善を図ることができる。
【0068】電極間距離Lを間隔維持部材を用いて規定
する構成にすれば、簡易な工程により高歩留、低コス
ト、高スループットにてプラズマ表示装置を提供するこ
とができるし、表示ピッチを極限まで精細化することが
可能となり、高品質のカラー表示用のプラズマ表示装置
を提供することができる。また、電極間距離Lを隔壁を
用いて規定する構成にすれば、従来のプラズマ表示装置
よりも隔壁の高さが遥かに低くてよいため、やはり高歩
留、低コスト、高スループットにてプラズマ表示装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】間隔維持部材を備えた本発明の第1の構成を有
するプラズマ表示装置の基本的な構成例を概念的に示す
分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の構成を有するプラズマ表示装置
の変形例を概念的に示す断面図である。
【図3】本発明の第1の構成を有するプラズマ表示装置
の第2パネルの変形例を概念的に示す断面図である。
【図4】線状の間隔維持部材を備えた本発明の第1の構
成を有するプラズマ表示装置の変形例を概念的に示す分
解斜視図である。
【図5】格子状の間隔維持部材を備えた本発明の第1の
構成を有するプラズマ表示装置の変形例を概念的に示す
分解斜視図である。
【図6】隔壁を備えた本発明の第2の構成を有するプラ
ズマ表示装置の基本的な構成例を概念的に示す分解斜視
図である。
【図7】本発明の第2の構成を有するプラズマ表示装置
の変形例を概念的に示す断面図である。
【図8】本発明の第2の構成を有するプラズマ表示装置
の第2パネルの変形例を概念的に示す断面図である。
【図9】格子状の隔壁を備えた本発明の第2の構成を有
するプラズマ表示装置の変形例を概念的に示す分解斜視
図である。
【図10】本発明のプラズマ表示装置におけるグロー放
電の状態を示す模式図である。
【図11】従来の3電極型のAC型プラズマ表示装置の
一般的な構成例を概念的に示す分解斜視図である。
【図12】従来のグロー放電の状態を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
10・・・第1基板、11・・・第1電極、111・・
・透明電極層、112・・・補助電極層、12・・・第
1保護層、121・・・第1誘電体層、122・・・第
1被覆層、20・・・第2基板、21,210・・・第
2電極、22,220・・・蛍光体層、22R,220
R・・・赤色蛍光体層、22G,220G・・・緑色蛍
光体層、22B,220B・・・青色蛍光体層、23,
230・・・第2保護層、231,2301・・・第2
誘電体層、232,2302・・・第2被覆層、24,
24A,24B,24C・・・間隔維持部材、241・
・・第1線状部、242・・・第2線状部、25,25
0・・・補助誘電体層、26,26A,26B・・・隔
壁、261・・・第1隔壁、262・・・第2隔壁、P
1・・・第1パネル、P2・・・第2パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C040 FA01 FA04 GB06 GB14 GC05 GE01 GE02 GF01 GF02 GF03 GF12 GF16 GG01 GG03 GJ08 MA03 MA10 MA22 MA26

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)第1基板と、第1基板上に設けられ
    た複数の第1電極から構成された第1電極群と、第1電
    極群上を含む第1基板上に形成された第1保護層とから
    成る第1パネル、及び、 (ロ)第2基板と、第2基板上に設けられた複数の第2
    電極から構成された第2電極群と、第2電極上に設けら
    れ、赤色を発光する蛍光体材料、緑色を発光する蛍光体
    材料及び青色を発光する蛍光体材料から成る群から選択
    された蛍光体材料から構成された蛍光体層と、蛍光体層
    を被覆する第2保護層とから成る第2パネル、を有し、 第1パネルと第2パネルとは、第1保護層と第2保護層
    とが対面するごとく対向して配置され、 第1パネルと第2パネルとによって形成された空間内に
    は、2.0×104Pa以上3.0×105Pa以下の圧
    力の希ガスが封入されており、 各第1電極が延びる方向と各第2電極が延びる方向とは
    所定の角度を成し、 第1電極と第2電極とが重複する領域において、第1電
    極の頂面から最短距離に位置する第1保護層の表面の部
    分と、第2電極の頂面から最短距離に位置する第2保護
    層の表面の部分との間の距離で定義される電極間距離
    は、5×10-5m未満であり、 蛍光体層は、希ガス中での交流グロー放電に基づき発生
    した紫外線に照射されて発光することを特徴とするカラ
    ー表示用のプラズマ表示装置。
  2. 【請求項2】蛍光体層は、希ガス中での陰極グローに主
    に基づき発生した紫外線に照射されて発光することを特
    徴とする請求項1に記載のプラズマ表示装置。
  3. 【請求項3】前記空間内には間隔維持部材が配され、 前記電極間距離は、間隔維持部材によって規定されるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のプラズマ表示装置。
  4. 【請求項4】間隔維持部材は塊状部材から成り、第2電
    極の間の領域に離散的に配置されていることを特徴とす
    る請求項3に記載のプラズマ表示装置。
  5. 【請求項5】間隔維持部材は線状部材から成り、第2電
    極の間の領域において第2電極と平行に配置されている
    ことを特徴とする請求項3に記載のプラズマ表示装置。
  6. 【請求項6】間隔維持部材は格子状部材から成り、該格
    子状部材は、第1電極の間の領域において第1電極と平
    行に延びる第1線状部と、第2電極の間の領域において
    第2電極と平行に延びる第2線状部とから成ることを特
    徴とする請求項3に記載のプラズマ表示装置。
  7. 【請求項7】第2パネルは、隣り合う蛍光体層を隔てる
    隔壁を更に備え、 蛍光体層は、第2電極上から隔壁の側壁面上に亙って設
    けられ、 第2保護層は、蛍光体層上を含む隔壁上に設けられ、 第1保護層は、隔壁の頂部上の第2保護層の部分に当接
    していることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ表
    示装置。
  8. 【請求項8】隔壁は、隣り合う第2電極の間の領域にお
    いて第2電極と平行に延びていることを特徴とする請求
    項7に記載のプラズマ表示装置。
  9. 【請求項9】隔壁は、隣り合う第1電極の間の領域にお
    いて第1電極と平行に延びる第1隔壁と、隣り合う第2
    電極の間の領域において第2電極と平行に延びる第2隔
    壁とから成ることを特徴とする請求項7に記載のプラズ
    マ表示装置。
  10. 【請求項10】第1保護層は、第1電極群に接する第1
    誘電体層と、第1誘電体層上に設けられ、第1誘電体層
    よりも2次電子放出効率の高い第1被覆層とから成るこ
    とを特徴とする請求項1に記載のプラズマ表示装置。
  11. 【請求項11】第2保護層は、蛍光体層に接する第2誘
    電体層と、第2誘電体層上に設けられ、第2誘電体層よ
    りも2次電子放出効率の高い第2被覆層とから成ること
    を特徴とする請求項1に記載のプラズマ表示装置。
  12. 【請求項12】第2電極群と蛍光体層との間に補助誘電
    体層を有することを特徴とする請求項1に記載のプラズ
    マ表示装置。
  13. 【請求項13】第1電極は、蛍光体層の発光波長に対し
    て透明な透明電極層と、透明電極層上に設けられ、透明
    電極層よりも電気抵抗率の低い材料から成る補助電極層
    とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載
    のプラズマ表示装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006038654A1 (ja) * 2004-10-05 2006-04-13 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. プラズマディスプレイパネルとその製造方法

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