以下、本発明の実施の形態に係る部品実装システムについて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る部品実装システムの構成を示す外観図である。
部品実装システム10は、基板上に部品を装着し、回路基板を生産するシステムであり、部品実装機120と、部品実装条件決定装置300とを備えている。
部品実装機120は、上流から下流に向けて回路基板を送りながら電子部品を実装していく装置であり、お互いが協調して、交互動作を行ないながら部品実装を行なう2つのサブ設備(前サブ設備120a及び後サブ設備120b)を備える。なお、本実施の形態では、マルチ装着ヘッド121が前側(前サブ設備120a)と後側(後サブ設備120b)とに備えられる事例について説明するが、本発明が適用される部品実装機は、このような部品実装機に限定されるものではない。例えば、基板搬送方向の上流側と下流側との各々にマルチ装着ヘッドを備え、マルチ装着ヘッドが協調しながら基板に交互に部品を実装する部品実装機であってもよい。つまり、どのような配置のマルチ装着ヘッドであろうとも、部品供給部と基板との移動距離がそれぞれ異なるマルチ装着ヘッドを複数備える部品実装機であれば、本発明を適用可能である。
前サブ設備120aは、部品テープを収納する部品カセット123の配列からなる部品供給部125aと、それら部品カセット123から電子部品を吸着し基板20に装着することができる複数の吸着ノズル(以下、単に「ノズル」ともいう。)を有するマルチ装着ヘッド121と、マルチ装着ヘッド121が取り付けられるビーム122と、マルチ装着ヘッド121に吸着された部品の吸着状態を2次元又は3次元的に検査するための部品認識カメラ126等を備える。後サブ設備120bも前サブ設備120aと同様の構成を有する。なお、後サブ設備120bには、トレイ部品を供給するトレイ供給部128が備えられているが、トレイ供給部128などはサブ設備によっては備えない場合もある。
ここで、「部品テープ」とは、同一部品種の複数の部品がテープ(キャリアテープ)上に並べられたものであり、リール(供給リール)等に巻かれた状態で供給される。主に、チップ部品と呼ばれる比較的小さいサイズの部品を部品実装機に供給するのに使用される。
この部品実装機120は、具体的には、高速装着機と呼ばれる部品実装機と多機能装着機と呼ばれる部品実装機それぞれの機能を併せもつ実装装置である。高速装着機とは、主として□10mm以下の電子部品を1点あたり0.1秒程度のスピードで装着する高い生産性を特徴とする設備であり、多機能装着機とは、□10mm以上の大型電子部品やスイッチ・コネクタ等の異形部品、QFP(Quad Flat Package)・BGA(Ball Grid Array)等のIC部品を装着する設備である。
すなわち、この部品実装機120は、ほぼ全ての種類の電子部品(装着対象となる部品として、0.4mm×0.2mmのチップ抵抗から200mmのコネクタまで)を装着できるように設計されており、この部品実装機120を必要台数だけ並べることで、実装ラインを構成することができる。
図2は、部品実装機120内部の主要な構成を示す平面図である。
部品実装機120は、その内部に基板20の搬送方向(X軸方向)と直交する部品実装機120の前後方向(Y軸方向)に前サブ設備120a及び後サブ設備120bを備えている。
前サブ設備120a及び後サブ設備120bは、お互いが協調し1枚の基板20に対して実装作業を行う。
前サブ設備120a及び後サブ設備120bは、部品供給部125a及び部品供給部125bをそれぞれ備えている。また、前サブ設備120a及び後サブ設備120bの各々は、ビーム122と、マルチ装着ヘッド121とを備えている。さらに、部品実装機120には前後のサブ設備間に基板20搬送用のレール129が一対備えられている。
レール129は、固定レール129aと可動レール129bとからなり、固定レール129aの位置は予め固定されているものの、可動レール129bは、搬送される基板20のY軸方向の長さに応じてY軸方向に移動可能な構成になっている。
なお、部品認識カメラ126及びトレイ供給部128などは本願発明の主眼ではないため、同図においてその記載を省略している。
ビーム122は、X軸方向に延びた剛体であって、Y軸方向(基板20の搬送方向と垂直方向)に設けられた軌道(図示せず)上をX軸方向と平行を保ったままで移動することができるものである。また、ビーム122は、当該ビーム122に取り付けられたマルチ装着ヘッド121をビーム122に沿って、すなわちX軸方向に移動させることができるものであり、自己のY軸方向の移動と、これに伴ってY軸方向に移動するマルチ装着ヘッド121のX軸方向の移動とでマルチ装着ヘッド121をXY平面内で自在に移動させることができる。また、これらを駆動させるためのモータ(図示せず)など複数のモータがビーム122に備えられており、ビーム122を介してこれらモータなどに電力が供給されている。
図3及び図4は、部品実装機120による部品実装について説明するための図である。
図3に示されるように、後サブ設備120bのマルチ装着ヘッド121は、部品供給部125bからの部品の「吸着」、吸着した部品の部品認識カメラ126による「認識」及び認識された部品の基板20への「装着」という3つの動作を交互に繰り返すことにより、部品を基板20上に実装していく。
なお、前サブ設備120aのマルチ装着ヘッド121も同様に、「吸着」、「認識」及び「装着」という3つの動作を交互に繰り返すことにより、部品を基板20上に実装していく。
なお、2つのマルチ装着ヘッド121が同時に部品の「装着」を行う場合において、マルチ装着ヘッド121同士の衝突を防ぐために、2つのマルチ装着ヘッド121は、協調動作を行ないながら部品を基板20上に実装していく。具体的には、図4(a)に示されるように、後サブ設備120bのマルチ装着ヘッド121が「装着」動作を行なっている際には、前サブ設備120aのマルチ装着ヘッド121は「吸着」動作及び「認識」動作を行なう。逆に、図4(b)に示されるように、前サブ設備120aのマルチ装着ヘッド121が「装着」動作を行なっている際には、後サブ設備120bのマルチ装着ヘッド121は「吸着」動作及び「認識」動作を行なう。このように、「装着」動作を2つのマルチ装着ヘッド121が交互に行なうことにより、マルチ装着ヘッド121同士の衝突を防ぐことができる。なお、理想的には、一方のマルチ装着ヘッド121による「装着」動作を行なっている間に、他方のマルチ装着ヘッド121による「吸着」動作及び「認識」動作が終了していれば、一方のマルチ装着ヘッド121による「装着」動作が完了した時点で、滞りなく他方のマルチ装着ヘッド121による「装着」動作に移ることができ、生産効率を向上させることができる。
図5は、部品実装条件決定装置300の機能的構成を示すブロック図である。
この部品実装条件決定装置300は、部品実装機ごとに、基板20への部品の実装順序の決定及び各部品実装機への部品の供給位置の決定等の処理を行なうコンピュータであり、演算制御部301、表示部302、入力部303、メモリ部304、プログラム格納部305、通信I/F(インターフェース)部306及びデータベース部307等から構成される。以下に説明するように、部品実装条件決定装置300は、前サブ設備120aのマルチ装着ヘッド121の動作時間と後サブ設備120bのマルチ装着ヘッド121の動作時間とが略均等となるように、部品実装機120による部品実装条件を決定する。
この部品実装条件決定装置300は、本発明に係るプログラムをパーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータシステムが実行することによって実現され、部品実装機120と接続されていない状態で、スタンドアローンのシミュレータ(部品実装条件の決定ツール)としても機能する。なお、この部品実装条件決定装置300の機能が部品実装機120の内部に備わっていても構わない。
演算制御部301は、CPU(Central Processing Unit)や数値プロセッサ等であり、オペレータからの指示等に従って、プログラム格納部305からメモリ部304に必要なプログラムをロードして実行し、その実行結果に従って、各構成要素302〜307を制御する。
表示部302はCRT(Cathode-Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等であり、入力部303はキーボードやマウス等であり、これらは、演算制御部301による制御の下で、部品実装条件決定装置300とオペレータとが対話する等のために用いられる。
通信I/F部306は、LAN(Local Area Network)アダプタ等であり、部品実装条件決定装置300と部品実装機120等との通信等に用いられる。メモリ部304は、演算制御部301による作業領域を提供するRAM(Random Access Memory)等である。
データベース部307は、この部品実装条件決定装置300による部品実装条件決定処理等に用いられる入力データ(実装点データ307a、部品ライブラリ307b、実装装置情報307c、実装点数情報307d等)や、部品実装条件決定装置300による処理の結果生成される部品供給部における部品配置を示す部品配置データ等を記憶するハードディスク等である。
図6〜図9は、それぞれ、実装点データ307a、部品ライブラリ307b、実装装置情報307c及び実装点数情報307dの一例を示す図である。
実装点データ307aは、実装の対象となる全ての部品の実装点を示す情報の集まりである。図6に示されるように、1つの実装点piは、部品種ci、X座標xi、Y座標yi、制御データφi、実装角度θiからなる。ここで、「部品種」は、図7に示される部品ライブラリ307bにおける部品名に相当し、「X座標」及び「Y座標」は、実装点の座標(基板上の特定位置を示す座標)であり、「制御データ」は、その部品の実装に関する制約情報(使用可能な吸着ノズルのタイプ、マルチ装着ヘッド121の最高移動速度等)である。なお、最終的に求めるべきNC(Numeric Control)データとは、ラインタクトが最小となるような実装点の並びである。「実装角度」は、部品種ciの部品を吸着した吸着ノズルが、部品吸着時から部品装着時までの間に回転させなければならない部品の角度を示す。
部品ライブラリ307bは、部品実装機120等が扱うことができる全ての部品種それぞれについての固有の情報を集めたライブラリであり、図7に示されるように、部品種ごとの部品サイズ、タクト(一定条件下における部品種に固有のタクト)、その他の制約情報(使用可能な吸着ノズルのタイプ、部品認識カメラ126による認識方式、マルチ装着ヘッド121の最高速度レベル等)からなる。なお、本図には、参考として、各部品種の部品の外観も併せて示されている。
実装装置情報307cは、生産ラインを構成する全てのサブ設備ごとの装置構成や上述の制約等を示す情報であり、図8に示されるように、マルチ装着ヘッド121のタイプ、すなわちマルチ装着ヘッド121に備えられている吸着ノズルの本数等に関するヘッド情報、マルチ装着ヘッド121に装着され得る吸着ノズルのタイプ等に関するノズル情報、部品カセット123の最大数等に関するカセット情報、トレイ供給部128が収納しているトレイの段数等に関するトレイ情報等からなる。
実装点数情報307dは、基板20上に実装される実装点の部品種と、その員数(実装点数)とが対応付けられている情報である。図9に示されるように、部品実装機120で実装される部品種は、A、B、C、D及びEの5種類であり、それぞれの実装点数は、6、7、8、9及び2であることが示されている。
図5に示すプログラム格納部305は、部品実装条件決定装置300の機能を実現する各種プログラムを記憶しているハードディスク等である。プログラムは、部品実装機120による部品実装条件を決定するプログラムであり、機能的に(演算制御部301によって実行された場合に機能する処理部として)、部品実装条件決定部305a等から構成される。
部品実装条件決定部305aは、2つのマルチ装着ヘッド121の動作時間が等しくなるように部品実装条件を決定する。
次に、以上のように構成された部品実装条件決定装置300の動作について説明する。
図10は、部品実装条件決定装置300の実行する処理のフローチャートである。
部品実装条件決定部305aは、基板20のY軸方向の長さまたは可動レール129bのY軸方向の位置に基づいて、前サブ設備120aのマルチ装着ヘッド121から基板20の中心までの距離を算出する。また、部品実装条件決定部305aは、後サブ設備120bのマルチ装着ヘッド121から基板20の中心までの距離も算出する(S1)。
図2に示すように、前サブ設備120aのマルチ装着ヘッド121から基板20の中心までの距離をFとし、後サブ設備120bのマルチ装着ヘッド121から基板20の中心までの距離をRとした場合に、FとRとの関係は、3種類に分類される。すなわち、図2に示すように、基板20の大きさが小さい場合には、F<<Rなる関係となる。また、図11に示すように、基板20の大きさが中程度の場合には、F<Rなる関係となる。さらに、図12に示すように、基板20の大きさが最大となる場合には、F=Rなる関係となる。
部品実装条件決定部305aは、Fが所定の閾値THよりも小さいか否かを判断する(S2)。F<THであれば(S2でYES)、部品実装条件決定部305aは、図2に示したようなF<<Rなる関係を有すると判断し、後サブ設備120b側の吸着回数及び実装点数がともに少なくなるように、部品配置及びタスクを生成する(S4)。ここで、「タスク」とは、マルチ装着ヘッド121による部品の吸着・移動・装着という一連の動作の繰返しにおける1回分の一連動作を指すものとする。なお、S4の処理については後述する。なお、S2における判断は、上述したものに限定されるものではなく、他の判断方法であってもよい。例えば、Rが所定のしきい値TH2よりも大きいか否かを判断し、R>TH2であれば、F<<Rなる関係を有すると判断するものであってもよい。また、FとRとを直接比較するものであってもよい。
F>=THであれば(S2でNO)、部品実装条件決定部305aは、F<Rであるか否かを判断する(S6)。F<Rであれば(S6でYES)、部品実装条件決定部305aは、図11に示したようなF<Rなる関係を有すると判断し、後サブ設備120b側の吸着回数が少なくなるように、部品配置及びタスクを生成する(S8)。S8の処理については後述する。
F<Rでなければ(S6でNO)、部品実装条件決定部305aは、図12に示したようにF=Rなる関係を有すると判断し、部品配置及びタスクを生成する(S10)。S10の処理については後述する。
次に、S4、S8及びS10の処理について説明する。説明の都合上、S10、S8及びS4の順に説明を行う。
図13は、F=Rの場合の部品配置及びタスク生成処理(図10のS10)のフローチャートである。図14A〜図14Fは、図13に示した処理を説明するための図である。
まず、部品実装条件決定部305aは、図9に示した実装点数情報307dに基づいて、部品ヒストグラムを生成する。すなわち、図14Aに示すように、横軸(Z軸)を部品名、縦軸を当該部品の実装点数とする部品ヒストグラムを生成する(S22)。
次に、部品実装条件決定部305aは、部品ヒストグラムの底辺から上辺に向かって、Z軸方向にスキャンをしながら部品を取り出して、タスクを生成するという処理を、部品がなくなるまで繰り返す(S24)。
ここでは、前サブ設備120a側(以下、「前側」という。)のマルチ装着ヘッド121及び後サブ設備120b側(以下、「後側」という。)のマルチ装着ヘッド121の各々の吸着ノズル本数は4本である。このため、1タスクを最大4つの部品で構成することができる。よって、図14Aに示したヒストグラムの底辺から上辺に向かってZ軸方向にスキャンをしながら部品を4つずつ取り出すと、最初に部品種D、C、B及びAの部品が取り出され、1番目のタスクが生成される。2番目以降のタスクについてもこのような処理を順次繰り返すことにより、図14Bに示すような、8個のタスクが生成される。図14Bでは、下のタスクほど、早く生成されたタスクである。すなわち、一番下のタスクが最初に形成され、一番上のタスクが最後に形成されたタスクである。
次に、部品実装条件決定部305aは、S24の処理で求められたタスクを2つのマルチ装着ヘッド121に振り分ける(S26)。例えば、図14Bに示したタスクを1つずつ前サブ設備120a及び後サブ設備120bに振り分ける。図14Cは、前サブ設備120aに振り分けられたタスクの一例を示しており、図14Dは、後サブ設備120bに振り分けられたタスクの一例を示している。すなわち、図14Bに示した8つのタスクのうち、下から数えて奇数番目に位置するタスクが、図14Cに示した前サブ設備120aのタスクであり、偶数番目に位置するタスクが、図14Dに示す後サブ設備120bのタスクである。
なお、図14Eは、前サブ設備120aの部品供給部125aの部品カセットの配置を示しており、図14Fは、後サブ設備120bの部品供給部125bの部品カセットの配置を示している。部品カセットの配置は、図14Aのヒストグラムに示すように、部品全体としての員数が多いもの順(ここでは、部品種D、C、B、A及びEの順)とする。
次に、F<Rの場合の部品配置及びタスク生成処理(図10のS8)について説明する。
図15は、F<Rの場合の部品配置及びタスク生成処理(図10のS8)のフローチャートである。
部品実装条件決定部305aは、実装点数情報307dに基づいて、部品ヒストグラムを生成する。すなわち、図16Aに示すように、横軸(Z軸)を部品名、縦軸を当該部品の実装点数とする部品ヒストグラムを生成する(S34)。なお、図16Aに示すヒストグラムは、図14Aに示したものと同じである。
次に、部品実装条件決定部305aは、後側のマルチ装着ヘッド121がなるべく多くの部品を同時吸着できるように、タスクを生成する(S36)。ここで、前サブ設備120a及び後サブ設備120bには、実装点数の順に、部品種D、C、B、A及びEの順に部品カセットが並んでいるものとする。このように部品カセットが並んでいる場合に、マルチ装着ヘッド121が1回の吸着動作で1タスク分の部品を吸着するためには、部品種D、C、B及びAまたは部品種C、B、A及びEを1タスクとすればよい。ここでは、図16Bに示すように、図16Aの部品ヒストグラムのうち、実装点数の多いものから順に1回の吸着動作で1タスク分の部品を同時吸着可能な部品を取り出し、タスクを生成する。すなわち、図16Bに示すように、部品種D、C、B及びAからなるタスクが6つ生成される。6つのタスクは、太枠で示している。
図16Cは、残りの部品種を示す図であり、残りの部品種についても、なるべく1タスクの吸着回数が少なくなるように、タスクを生成する。すなわち、部品種D、C及びBを1つのタスク内に収めることにより、3つの部品は同時吸着できることとなる。最終的に、図16Cに示した残りの部品種から、図16Dに示されるような2つのタスクが作成される。
図16Eは、図16Bに示したタスク及び図16Dに示したタスクを合わせて表示したものであり、下から6つ目までのタスクは1回の吸着動作で同時吸着可能なタスクである。
次に、部品実装条件決定部305aは、図16Eに示した8つのタスクを前側及び後側に振り分ける(S38)。具体的には、図16Eに示した8つのタスクのうち、下の4つを後側のタスクとし、上の4つを前側のタスクとする。図16Fは、後側のタスクの一例を示す図であり、図16Gは、前側のタスクの一例を示す図である。このように、タスクを割り振ることにより、1回の吸着動作で全ての部品を同時吸着することが可能なタスクを、後側に持ってくることができる。後側のマルチ装着ヘッド121は、部品供給部125bから基板20までの移動距離が、前側のマルチ装着ヘッド121に比べて長い。このため、後側のマルチ装着ヘッド121が部品を同時吸着することができるようにすることにより、吸着にかかる時間を削減することができ、トータルとして前側と後側とで部品実装機の動作時間を略均等にすることができる。
ここでは、前側及び後側のタスク数の合計が偶数であったため、前側及び後側のタスク数を同数にすることができたが、前側及び後側のタスク数の合計が奇数の場合には、前側のタスク数を1つ多くするように、タスクの分配を行うものとする。
なお、図16Hは、後サブ設備120bの部品供給部125bの部品カセットの配置を示しており、図16Iは、前サブ設備120aの部品供給部125aの部品カセットの配置を示している。
図16Jは、図16Fに示した後側のタスクにおける吸着回数を説明するための図であり、図16Kは、図16Gに示した前側のタスクにおける吸着回数を説明するための図である。図16Jに示すように、後側の4つのタスクは、それぞれ1回の吸着動作で部品を吸着することが可能である。これに対し、図16Kに示すように、前側の4つのタスクのうち、最初の2つのタスクは1回の吸着動作で部品を吸着することが可能であるが、タスク内の全ての部品を吸着するのに3番目のタスクでは2回の吸着動作が必要であり、4番目のタスクは3回の吸着動作が必要である。すなわち、3番目のタスクでは、1回目の吸着動作で部品種D、C及びBの部品を吸着し、2回目の吸着動作で部品種Dの部品を吸着する。また、4番目のタスクでは、1回目の吸着動作で部品種D及びCの部品を吸着し、2回目及び3回目の吸着動作で各々部品種Eの部品を吸着する。
次に、F<<Rの場合の部品配置及びタスク生成処理(図10のS4)について説明する。
図17は、F<<Rの場合の部品配置及びタスク生成処理(図10のS4)のフローチャートである。
部品実装条件決定部305aは、前側及び後側のタスク数を予め計算する(S42)。なお、ここでは、後側の部品の吸着時間及び装着時間を短縮するために、後側の実装点数を前側よりも少なくする。このため、後側のマルチ装着ヘッド121については、全ての吸着ノズルを使用するのではなく、吸着ノズルを1つ休止させ、残りの吸着ノズルを使用して、部品実装を行なうものとする。前側のタスク数は、次式により決定される。
前側のタスク数=総実装点数/(総ノズル数−1)
なお、小数点以下は切り上げる。なお、小数点以下を切り上げているため、前側のタスク数は後側のタスク数に比べて1つ多いか、均等になる。
ここで、総実装点数とは1枚の基板上に実装される部品数である。また、総ノズル数とは前側のマルチ装着ヘッド121のノズル数と後側のマルチ装着ヘッド121のノズル数とを足し合わせたノズル数である。ここでは、前側及び後側のマルチ装着ヘッド121のノズル数がともに4本であるため、総ノズル数は8本となる。
このため、前側のタスク数は、32/(8−1)=4.57≒5として求められる。後側のタスク数は、次式により決定される。
後側のタスク数=(総実装点数−前側のタスク数×前側の総ノズル数)
/(後側の総ノズル数−1)
なお、小数点以下は切り上げる。
ここで、総実装点数は32、前側のタスク数は5、前側の総ノズル数は4、後側の総ノズル数は4であるため、後側のタスク数は、(32−5×4)/(4−1)=4として求められる。
次に、部品実装条件決定部305aは、実装点数情報307dに基づいて、部品ヒストグラムを生成する。すなわち、図18Aに示すように、横軸(Z軸)を部品名、縦軸を当該部品の実装点数とする部品ヒストグラムを生成する(S44)。なお、図18Aに示すヒストグラムは、図14A及び図16Aに示したものと同じである。
次に、部品実装条件決定部305aは、後側のマルチ装着ヘッド121がなるべく多くの部品を同時吸着できるように、タスクを生成する(S46)。ここで、前サブ設備120a及び後サブ設備120bには、実装点数の順に、部品種D、C、B、A及びEの順に部品カセットが並んでいるものとする。このように部品カセットが並んでいる場合に、後側のマルチ装着ヘッド121が1回の吸着動作で1タスク分の部品を吸着するためには、部品種D、C及びB、部品種C、B及びAまたは部品種B、A及びEを1タスクとすればよい。ここでは、図18Bに示すように、図18Aの部品ヒストグラムのうち、実装点数の多いものから順に1回の吸着動作で1タスク分の部品を同時吸着可能な部品を取り出し、タスクを生成する。すなわち、図18Bに示すように、部品種D、C及びBからなるタスクが4つ生成される。4つのタスクは、太枠で示している。
図18Cは、残りの部品種を示す図である。部品実装条件決定部305aは、残りの部品種については、図13のS24の処理と同様に、部品ヒストグラムの底辺から上辺に向かって、Z軸方向にスキャンをしながら部品を4つずつ取り出して、前側のタスクを生成するという処理を部品がなくなるまで繰り返す(S48)。この処理により、5つのタスクが生成される。
図18Dは、後側のタスクの一例を示す図であり、図18Eは、前側のタスクの一例を示す図である。ここでは、後側のタスク数が4回であり、前側のタスク数が5回であり、後側のタスク数のほうが1回少ないことが分かる。
図18Fは、後サブ設備120bの部品供給部125bの部品カセットの配置を示しており、図18Gは、前サブ設備120aの部品供給部125aの部品カセットの配置を示している。
図18Hは、図18Dに示した後側のタスクにおける吸着回数を説明するための図であり、図18Iは、図18Eに示した前側のタスクにおける吸着回数を説明するための図である。図18Hに示すように、後側の4つのタスクは、それぞれ1回の吸着動作で部品を吸着することが可能である。これに対し、図18Iに示す前側のタスクには、部品の吸着回数が複数回必要であるものも含まれている。部品種A、E、A及びEからなるタスクは、部品種A及びEの同時吸着動作を2回行なうことにより1タスク分の部品を吸着することが可能である。
以上のようにして、F<<Rの場合のタスクを生成することができる。なお、前側のタスク数が後側のタスク数よりも1つ多いため、前側のタスクを1番目のタスクとして基板20への部品実装が行われる。
以上説明したように、本発明の実施の形態によると、後側のマルチ装着ヘッド121の移動距離が長い場合に、後側のマルチ装着ヘッド121による部品吸着回数を前側のマルチ装着ヘッド121よりも少なくなるようにタスクを生成している。このため、後側のマルチ装着ヘッド121の動作時間と前側のマルチ装着ヘッド121の動作時間とを略均等にすることができる。よって、効率よく基板20に部品を実装することができるようになる。
以上、本発明に係る部品実装条件決定方法について実施の形態に即して説明を行ったが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施の形態では、図10のフローチャートにも示したように、F<Rの場合に後サブ設備120b側で優先的に部品を同時吸着できるようにし、かつF<<Rの場合に後サブ設備120b側で優先的に部品の実装点数を減らすものとしたが、他の態様であっても構わない。つまり、RがFに比べて大きいほど、時間のかかる動作を前サブ設備120a側で優先的に行なうものであれば、いかなる態様であっても構わない。
また、図19に示すようにタスク数が奇数の場合には、1番目のタスクは前サブ設備120aに割り当てるようにするのがよい。このようにすることにより、1番目のタスクにおけるマルチ装着ヘッド121の移動距離を少なくすることができるため、部品の装着に直ちに取り掛かることができる。図20に示すように、タスク数が偶数の場合も同様である。
また、図21では、基板に部品を実装した後にマルチ装着ヘッド121が、部品供給部125aまたは部品供給部125bに戻る際にタクトロスなく移動できる範囲を破線で示している。したがって、部品供給部125aまたは部品供給部125bのハッチングを施した部分に部品カセットを配置するようにすれば、マルチ装着ヘッド121の基板20と部品供給部との間の移動距離または移動時間を小さくすることができ、部品を基板20に効率的に実装することができる。
また、後サブ設備120b側では、マルチ装着ヘッド121が部品を吸着してから基板20に移動するまでの距離が長いため、部品認識カメラ126による部品認識を高速に行なう必要がある。2次元的に部品の吸着状態を検査する部品認識カメラ126では、図22Aに示すように、部品の厚みの差Dが小さい場合には、全ての部品が被写界深度内に納まるため、1回のスキャンで部品を認識することが可能であるが、図22Bに示すように、部品の厚みの差Dが大きい場合には、被写界深度内に納まりきらない部品があるため、焦点距離を変えて2回以上のスキャンを行うことにより部品を認識しなければならない。このため、後サブ設備120bでは、部品の厚みの差ができるだけ少なくなるようにタスクを生成したり、吸着ノズルの長さを調節したりする。
さらに、2次元の部品認識カメラ126と3次元の部品認識カメラ126とが1台の部品実装機内に混在する場合には、後側に2次元の部品認識カメラ126を配置するようにしても良い。これは、一般的に2次元の部品認識カメラ126での部品認識に要する時間のほうが、3次元の部品認識カメラ126での部品認識に要する時間に比べてはるかに短いからである。また、2次元の部品認識カメラ126よりも処理時間を要する部品厚みセンサや、立ち吸着センサ(部品が立った状態で吸着していることを認識するセンサ)等を前側に配置するようにしてもよい。
さらにまた、部品実装機内に、吸着ノズル本数の異なるマルチ装着ヘッドが混在する場合には、吸着ノズル本数が少ないマルチ装着ヘッドを後側に配置するようにしても良い。例えば、図23に示すように、吸着ノズル本数が8本のマルチ装着ヘッド121aと吸着ノズル本数が4本のマルチ装着ヘッド121bとが混在する場合には、マルチ装着ヘッド121bを後側に配置する。このような配置にすることにより、後側のマルチ装着ヘッド121bによる吸着時間および装着時間を短縮することができ、これらの時間に移動時間も含めた動作時間を前側および後側で略均等にすることができる。
なお、部品実装条件決定装置300で決定された部品実装条件に基づいて、部品実装機120が部品を実装する。
また、部品実装条件決定装置300の機能が部品実装機120に備わっていても良い。
さらに、部品実装条件決定装置300は、可動レール129bの移動に応答して、図10に示した部品実装条件決定処理を行うようにしてもよい。
さらにまた、部品実装条件決定装置300は、部品テープの送り時間が長いような部品カセット123を前側に配置するような実装条件を決定してもよい。具体的には、1つの部品が吸着されてから次の部品を吸着位置まで送り出すための送り量が長い部品テープが収納されている部品カセット123ほど前側に配置するようにしてもよい。これにより、前側での部品吸着時間を後側に比べて相対的に長くすることができる。
また、部品実装条件決定装置300は、後側の部品カセットの配置数を前側に比べて相対的に少なくするような実装条件を決定してもよい。これにより、後側では、部品カセット123を部品供給部125bの中心付近に並べることができ、後側のマルチ装着ヘッド121による部品吸着時の部品カセット123間移動距離を短くすることができる。よって、後側での部品吸着時間を前側に比べて相対的に短くすることができる。
さらに、上述の実施の形態では、前側および後側の双方にマルチ装着ヘッド121を備えた部品実装機についての部品実装条件を求めたが、部品実装機はこのような構成に限定されるものではない。例えば、マルチ装着ヘッド121と検査ヘッドまたは塗布ヘッドとが対向した構成の部品実装機を対象としてもよい。検査ヘッドは、当該ヘッドを移動させながら、当該ヘッドに取り付けられた2Dカメラまたは3Dカメラを用いて、基板20上の部品実装状態や落下物の検査を行なうためのヘッドである。塗布ヘッドは、マルチ装着ヘッド121による部品実装前に、基板20上に接着剤を塗布するためのヘッドである。検査ヘッドまたは塗布ヘッドの移動時間を除いた動作時間のほうがマルチ装着ヘッド121の移動時間を除いた動作時間よりも短い。このため、検査ヘッドまたは塗布ヘッドを後側に配置し、マルチ装着ヘッド121を前側に配置するようにしてもよい。このように、ヘッドのホームポジションから基板20までの距離が長い後側に検査ヘッドまたは塗布ヘッドを配置することにより、マルチ装着ヘッド121の動作時間と検査ヘッドまたは塗布ヘッドの動作時間とを略均等にすることができる。
また、部品実装条件決定装置300は、以下に説明する変形例1〜3のいずれかに従って、部品実装条件を決定するようにしても良い。
(変形例1)
上述の実施の形態では、後側のマルチ装着ヘッド121を優先させ、部品を同時吸着できるようにタスクを生成した。変形例1では、後側のマルチ装着ヘッド121、つまり部品供給部125aから基板20までの距離が長い側のサブ設備に備えられたマルチ装着ヘッド121を優先させ、各タスクで部品実装時の実装角度が揃うようにタスクを生成する。
図24は、マルチ装着ヘッド121の斜視図である。マルチ装着ヘッド121は部品を吸着し、吸着した部品を基板20に装着するための4つの吸着ノズル135を有する。4つの吸着ノズル135は駆動系133に接続され、駆動系133は1つのサーボモータ134により駆動される。このため、4つの吸着ノズル135は同時に同じ角度だけ回転する。部品実装時には、実装点データ307aで定められた実装角度θiで部品を装着できるように部品を回転させた後、部品を基板20上に装着するという動作を、吸着ノズル135毎に行なう。上述したように4つの吸着ノズル135は同時に同じ角度だけ回転する。このため、4つの吸着ノズル135が吸着する部品の実装角度が等しければ、4つの吸着ノズル135に吸着された部品の回転動作を1回で行なうことができる。つまり、1つ目の部品を装着するために、4つの吸着ノズル135を同時に回転させるが、2つ目から4つ目までの部品を装着する際には既に部品は所望の実装角度に回転済みである。このため、これらの部品の装着時には、部品を回転させる必要がなく、装着動作を高速に行なうことができる。
部品供給部125bから基板20までの距離が長い後側のマルチ装着ヘッド121を優先して、実装角度が揃った部品からなるタスクを割り当てることにより、マルチ装着ヘッド121の動作時間を前側と後側とで略均等にすることができる。
図25は、前側と後側のタスクを生成する処理のフローチャートである。部品実装条件決定装置300の部品実装条件決定部305aは、実装点データ307aに基づいて、部品ヒストグラムを生成する(S52)。つまり、図26Aに示すように、横軸を実装角度θi、縦軸を部品の実装点数とする部品ヒストグラムを生成する。1つのブロックが1つの部品を示しており、ブロック内の数字が実装角度を示している。図26Aに示すヒストグラムより、例えば、実装角度が90°の部品の実装点数は5つであることが分かる。
次に、部品実装条件決定部305aは、実装角度ができるだけ揃うようにタスクを生成する(S54)。つまり、実装点数が最も多い実装角度の部品を優先させて、4つずつ部品を取り出すことにより、タスクを生成する。例えば、実装角度が0°の部品の実装点数は11個である。このため、図26Bに示すように実装角度が0°の部品のみからなるタスクを2つ生成することができる。同様に、実装角度が90°の部品の実装点数は5個である。このため、実装角度が90°の部品のみからなるタスクを1つ生成することができる。部品実装条件決定部305aは、残りの部品からできるだけ実装角度が少なくなるように部品を選択することにより、順次タスクを生成する。このような処理により、図26Bに示すように、実装角度がすべて等しい部品からなるタスクを3つ、2種類の実装角度の部品からなるタスクを3つ生成することができる。
次に、部品実装条件決定部305aは、生成されたタスクを前側および後側に振り分ける。つまり、部品実装条件決定部305aは、後側を優先させて、実装角度が揃ったタスクを割り当てる。例えば、図26Cに示すような、タスク内で実装角度がすべて等しい3つのタスクを後側に割り当て、図26Dに示す残りのタスクを前側に割り当てる。なお、タスク数が偶数の場合には、前側と後側とでタスクを均等に割り振ればよいが、タスク数が奇数の場合には、前側のタスク数を1つ多くするように、タスクの分配を行ってもよい。前側のタスク数を1つ多くするのは、上述したように、1番目のタスクを前側にすることで、1番目のタスクにおけるマルチ装着ヘッド121の移動距離を少なくすることができ、部品の装着に直ちに取り掛かることができるからである。
このようにタスクを決定することにより、前側と後側のマルチ装着ヘッド121の動作時間とを略均等にすることができる。
なお、この変形例では、基板20への部品実装時に部品を回転させる場合を想定しているが、吸着ノズル135で吸着した部品を部品認識カメラ126で認識後の吸着ノズル135の回転による部品吸着ずれを回避するために、部品認識前に実装角度の回転を行うべく、吸着ノズル135を回転させてから部品を吸着する場合についても同様である。つまり、部品吸着時の吸着ノズル135の回転角度が揃っていなければ、部品を吸着するたびに吸着ノズル135を回転させなければならない。このため、部品吸着に時間がかかる。また、部品吸着のたびに吸着ノズル135を回転させなければならないため、例えば、部品種の並びが部品カセットと吸着ノズルとで等しかったとしても、部品を同時吸着することができない。よって、さらに、部品吸着に時間がかかる。これに対し、部品吸着時の吸着ノズル135の回転角度が揃っていれば、一度吸着ノズル135を回転させれば、同一タスク内の他の部品については吸着ノズル135を回転させる必要がなくなる。また、部品種の並びが、部品カセットと吸着ノズルとで等しい場合には、部品を同時吸着することができる。よって、高速に部品吸着を行なうことができる。このため、部品吸着時の吸着ノズル135の回転角度が揃っている部品からなるタスクを、後側に優先して割り当てることにより、前側と後側のマルチ装着ヘッド121の動作時間を略均等にすることができる。
(変形例2)
変形例2では、後側のマルチ装着ヘッド121、つまり部品供給部125aから基板20までの距離が長い側のサブ設備に備えられたマルチ装着ヘッド121を優先させ、部品実装時間が短くなるようにタスクおよび部品実装順序を決定する。
図27は、前側と後側のタスクを生成し、部品実装順序を決定する処理のフローチャートである。
部品実装条件決定装置300の部品実装条件決定部305aは、実装点データ307aに基づいて、後側ヘッドの総移動距離が最短になるように実装点を選択し、実装順序を決定し、タスクを生成する(S62)。ここで、後側のマルチ装着ヘッド121が実装する部品の個数は以下の式に基づいて決定される。つまり、1枚の基板あたりの実装点数をnとし、前側のマルチ装着ヘッド121の吸着ノズルの本数をNF、後側のマルチ装着ヘッド121の吸着ノズルの本数をNR、前側のタスク数TF、後側のタスク数TR、前側のマルチ装着ヘッド121による部品の実装点数をCF、後側のマルチ装着ヘッド121による部品の実装点数をCRとした場合、以下の関係式が成り立つ。
TF=ROUNDUP(n/(NF+NR))
CF=NF×TF
TR=ROUNDUP((n−CF)/NR)
CR=n−CF
ここで、ROUNDUP()は、小数点以下を切り上げ、整数化する関数である。
上述の式により、総タスク数が偶数の場合には、前側と後側のタスク数を均等にし、総タスク数が奇数の場合には、前側のタスク数を後側のタスク数よりも1つ多くすることができる。
また、前側のマルチ装着ヘッド121では、すべての吸着ノズルに必ず部品を吸着させた後、部品実装を行なうものとすることができる。また、後側のマルチ装着ヘッド121では、タスクによっては、部品を吸着しない吸着ノズルが生じるようにすることができる。
例えば、図28Aの三角形で示すように、1枚の基板20中に15個の実装点が存在するものとし、NF=4、NR=4とすると、以下の関係式が成り立つ。
TF=ROUNDUP(15−(4+4))=2
CF=4×2=8
TR=ROUNDUP((15−8)/4)=2
CR=15−8=7
後側のマルチ装着ヘッド121による部品の実装点数CRは7であるため、部品実装条件決定部305aは、図28Aに示した15個の実装点の中から、最も移動距離が小さくなるような7つの実装点の選択および実装順序の決定を行なう。実装点の選択および実装順序の決定は、例えば、貪欲法または巡回セールスマン問題を用いて実装点間の移動距離の和が最小になるような実装点の選択および実装順序の決定を行えばよい。なお、実装点の選択方法および実装順序の決定方法は、このような方法に限定されるものではなく、それ以外の方法であってもよい。図28Bは、選択された7つの実装点およびその実装順序を、三角形および矢印で示した図である。
部品実装条件決定部305aは、選択された実装点および決定された実装順序に基づいて、タスクを生成する。つまり、実装順に実装点を順次選択することによりタスクを生成する。図28Cおよび図28Dは、生成された2つのタスクを示す図である。図28Cに示すように、実装順で始めから4つの実装点により後側の1番目のタスクが構成され、図28Dに示すように、実装順で後の3つの実装点により後側の2番目のタスクが構成される。ただし、タスクの実行順序は逆であってもよい。つまり、2番目のタスクを先に実行し、1番目のタスクを次に実行するものであってもよい。
部品実装条件決定部305aは、実装順序が決定されていない残りの実装点について、実装点間の移動距離の和が最小になるように実装順序を決定し、タスクを生成する(S64)。実装順序の決定方法として、上述したように貪欲法または巡回セールスマン問題等を用いることができる。タスクの生成方法もS62の処理と同様である。
図28Eは、残りの8個の実装点およびその実装順序を、三角形および矢印で示した図である。図28Fおよび図28Gは、生成された2つのタスクを示す図である。図28Fに示すように、実装順で始めの4つの実装点により前側の1番目のタスクが構成され、図28Gに示すように、実装順で後の4つの実装点により前側の2番目のタスクが構成される。ただし、タスクの実行順序は逆であってもよい。
以上説明したように、変形例2によると、部品供給部から基板までの移動距離が長いマルチ装着ヘッドを優先して、実装点間の移動距離の和が短くなるようにタスクを生成している。このため、部品供給部から基板までの移動距離が長いマルチ装着ヘッドほど、部品の装着時間を短くすることができる。よって、前側と後側のマルチ装着ヘッドの動作時間を略均等にすることができる。
(変形例3)
変形例2では、部品実装順序を決定する際に、マルチ装着ヘッド121毎に、実装点間の移動経路が最も短くなるように部品の実装順序を決定したが、変形例3では、タスク毎に、実装点間の移動経路が最も短くなるように部品の実装順序を決定する。
図29は、前側と後側のタスクを生成し、部品実装順序を決定する処理のフローチャートである。
部品実装条件決定装置300の部品実装条件決定部305aは、実装点データ307aに基づいて、各タスクにおいて実装点間の移動距離の和が最小となるようにタスクを順次生成する(S72)。タスクの生成方法について具体例を挙げながら以下に説明する。
前側のタスク数TF、前側のマルチ装着ヘッド121による部品の実装点数CF、後側のタスク数TR、後側のマルチ装着ヘッド121による部品の実装点数CRは、変形例2と同様に求められる。つまり、図28Aに示すように、1枚の基板20中に15個の実装点が存在し、前側のマルチ装着ヘッド121の吸着ノズルの本数NFと、後側のマルチ装着ヘッド121の吸着ノズルの本数NRとが、ともに4であるとした場合には、TF=2、CF=8、TR=2、CR=7となる。
また、後側の2つのタスクに含まれる実装点数は、変形例2と同様に4および3となる。このため、部品実装条件決定部305aは、15個の実装点の中から、最も移動距離が小さくなるような4つの実装点の選択および実装順序の決定を行ない、後側の1番目のタスクを生成する。次に、部品実装条件決定部305aは、実装順序が決定されていない残りの11個の実装点の中から、最も移動距離が小さくなるような3つの実装点の選択および実装順序の決定を行ない、後側の2番目のタスクを生成する。実装点の選択方法および実装順序の決定方法は、変形例2と同様である。なお、タスクの実行順序は逆であってもよい。また、1番目のタスクを決定する際に、4つの実装点を選択したが、3つの実装点を選択するものであっても良い。
図30Aおよび図30Bは、このようにして決定された後側の1番目および2番目のタスクの構成を示す図である。三角形が実装点を示し、矢印が実装順序を示している。
同様にして、部品実装条件決定部305aは、残りの8つの実装点の中から、最も移動距離が小さくなるような4つの実装点の選択および実装順序の決定を行ない、前側の1番目のタスクを生成する。最後に、部品実装条件決定部305aは、残りの4つの実装点について、最も移動距離が小さくなるような実装順序の決定を行ない、後側の2番目のタスクを生成する。実装点の選択方法および実装順序の決定方法は、変形例2と同様である。なお、タスクの実行順序は逆であってもよい。
図30Cおよび図30Dは、このようにして決定された前側の1番目および2番目のタスクの構成を示す図である。三角形が実装点を示し、矢印が実装順序を示している。図30Aおよび図30Bに示した後側のタスクに比べ、実装点間の移動距離の和が長くなっていることが分かる。
以上説明したように、変形例3によると、部品供給部から基板までの移動距離が長いマルチ装着ヘッドを優先して、実装点間の移動距離の和が短くなるようにタスクを生成している。このため、部品供給部から基板までの移動距離が長いマルチ装着ヘッドほど、部品の装着時間を短くすることができる。よって、前側と後側のマルチ装着ヘッドの動作時間を略均等にすることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。