JP4582851B2 - 電圧非直線抵抗体、並びにこの電圧非直線抵抗体を用いた避雷器 - Google Patents
電圧非直線抵抗体、並びにこの電圧非直線抵抗体を用いた避雷器 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなり、例えば避雷器、サージアブソーバなどに好適に使用し得る電圧非直線抵抗体、及びそれを搭載した避雷器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は、避雷器等に用いられる酸化亜鉛を主成分とする電圧非直線抵抗体の構成を模式的に示す斜視図である。この電圧非直線抵抗体は、従来、主成分である酸化亜鉛に、電圧非直線性の発現に必須といわれている酸化ビスマスと、電気特性の改善、制御のための添加物とを添加して焼結した焼結体に、図4に示したように、側面高抵抗層1および金属アルミニウムを溶射するなどによって形成した電極2を設けることによって構成されている。
【0003】
図5は、従来の電圧非直線抵抗体における焼結体の微細構造を模式的に示す結晶組織図であり、例えば特開平10−12407号公報に記載されたものである。図5において、3は亜鉛およびアンチモンを主成分とするスピネル粒子、4は酸化亜鉛を主成分とする酸化亜鉛粒子、5は珪酸亜鉛(Zn2SiO4)粒子、6は酸化ビスマスを主成分とする酸化ビスマス粒子、8は酸化亜鉛粒子4内の双晶境界、7は亜鉛、ビスマス、アンチモンおよび希土類元素からなる酸化物(以下R相と表記する)であり、スピネル粒子3は酸化亜鉛粒子4の内部に取り囲まれて存在するものと、酸化亜鉛粒子4の粒界付近に存在するものと2種類の存在状態があり、R相7は酸化亜鉛粒子4の粒界付近に存在する。
【0004】
酸化亜鉛を主成分とする酸化亜鉛粒子2自体は単に抵抗体として作用し、酸化亜鉛粒子4と酸化亜鉛粒子4との境界部分(粒界)で電圧非直線性を示すことが、ポイント電極を用いた実験から、G.D.Mahan,L.M.Levinson&H.R.Philipp「Theory of conduction in ZnO varistors」J.Appl.Phys.vol.50,No.4,p2799(1979)(以下、文献1とする)に明らかにされている。
【0005】
また、後述するように、酸化亜鉛粒子4と酸化亜鉛粒子4との境界部分の数がバリスタ電圧を決定することが、T.K.Gupta「Application of Zinc Oxide Varistors」J.Am.Ceram.Soc.,vol.73,No.7,p1817−1840(1990)(以下、文献2とする)によって実験的に確認されている。
【0006】
図6は、一般的な電圧非直線抵抗体の電圧−電流特性(電圧非直線特性)を示す図である。避雷器などで優れた保護性能を有する酸化亜鉛電圧非直線抵抗体とは、図に示す大電流域電流値Hにおける電圧VHと、小電流域電流値Lにおける電圧VLとの比VH/VL(制限電圧比または平坦率という)が小さいものである。ここで、制限電圧比の改善について検討する場合、大電流域における制限電圧比と小電流域における制限電圧比とでは、それを決定する要因が異なるため、図中の電流S(概ね1mA付近)における電圧VS(バリスタ電圧)を用いて、大電流域制限電圧比VH/VSと小電流域制限電圧比VS/VLに分離して論じることにする。
【0007】
一般に、大電流域制限電圧比VH/VSは、VHが酸化亜鉛結晶粒内部の電気抵抗率によって決まるといわれており(文献1および2)、酸化亜鉛結晶粒内部の抵抗率が小さくなる程VHが小さくなり、従ってVH/VSが小さくなる。一方、小電流域制限電圧比VS/VLは、酸化亜鉛結晶粒界に形成されると考えられているショットキーバリアによって決まるといわれており(文献1および2)、酸化亜鉛結晶粒界の見かけの抵抗成分が大きくなるほど、VS/VLは小さくなる。従って、全電流域での制限電圧比VH/VLを改善するためには、酸化亜鉛結晶粒内部の電気抵抗率を低減し、さらに同時に酸化亜鉛結晶粒界の見かけの電気抵抗率を高くする必要があることが示される。
【0008】
電圧比直線抵抗体における、この閾値電圧VSの値は、避雷器が適用される送電系統に対応しており、電圧非直線抵抗体(素子)に1mA(素子の大きさを勘案すると約30μA/cm2程度の電流密度)を通電した場合の素子の両端電極間の電圧を代表値として使用することが多い。さらに、後述のように、素子のVS値は、素子の厚みに比例するので、単位厚み当りのバリスタ電圧V1mA/mm(V/mm)を材料評価の指標に使うことが通常行われるし、以下に述べるように、避雷器の設計にも重要な意味を持つので、通例に従って単位厚み当りのVSまたはバリスタ電圧を以下V1mA/mmと表し、単位系をV/mmとして述べる。
【0009】
系統電圧の高い、例えば、UHV100万ボルト送電に使用される避雷器などでは、素子の直列積層枚数が増加し、その結果、避雷器が大きくなる。また、直列接続方式が複雑化するため、電気的、熱的および機械的設計上の問題点が多くなる。そこで、VS値を素子の厚さで除して得られる単位長さ当りのVS値が大きな素子を使用できれば、素子1枚当りの分担電圧が高くなるので、素子の直列積層枚数を減らすことができ、上記の問題点を解決することが可能になる。
【0010】
VS値に関連しているのは、図5に示した酸化亜鉛粒子4の結晶粒径であることが知られている(文献2)。1mA程度の電流領域は、図6に示した電流−電圧特性における電圧非直線領域であり、実験的には下記式(1)が成立する。
V1mA/mm=k/D (1)
上記式(1)中、kは定数、Dは酸化亜鉛結晶粒の平均粒径である。
従って、1/Dは単位長さ当りに存在する酸化亜鉛結晶粒子間の結晶粒界の数に相当し、この結晶粒界の数をNgとすれば、上記式(1)は下記式(2)のように書き表すことができる。
V1mA/mm=k1・Ng (2)
上記式(2)において、k1は素子の1粒界当りのバリスタ電圧を表しており(文献2)、式(2)は、バリスタ電圧VSを高くするためには何らかの方法で酸化亜鉛粒子の粒径を小さくすればよいことを示唆している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、
(イ)コンパクトな避雷器を実現するために電圧非直線抵抗体に要求される電気特性は、バリスタ電圧VS値を高くすることである。
(ロ)優れた保護特性をもったコンパクトな避雷器を実現するためには、電圧非直線抵抗体の電気特性として、全電流域における制限電圧比VH/VLを小さくすることである。
【0012】
避雷器の大きさ等の構造を決定する因子は、主に上記(イ)であるので、バリスタ電圧VSを大きくすることが要求され、避雷器の保護特性を決定する因子は上記(ロ)であるので、電圧比直線抵抗体の組成および製造プロセスを改善することが要求されるという課題がある。
【0013】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、とりわけバリスタ電圧VS値が高い電圧比直線抵抗体を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電圧非直線抵抗体は、90〜97mol%の酸化亜鉛と、0.1〜5mol%の酸化ビスマスと、0.5〜5mol%の酸化アンチモンと、0.05〜0.1mol%の、イオン半径0.095nm以下で平均粒径が20〜100nmである希土類酸化物とを含有する電圧非直線抵抗体用組成物を焼成してなる、酸化亜鉛粒子および亜鉛、ビスマス、アンチモン、希土類元素を主成分として構成される粒子(R相)を含む電圧非直線抵抗体であって、測定個数50の酸化亜鉛粒子の粒径分布における標準偏差値が1.5以下であるものである。
【0015】
本発明に係る第1の避雷器は、上記第1の電圧非直線抵抗体を使用したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明に係る電圧非直線抵抗体は、酸化亜鉛を主成分とし、希土類元素(以下、Reと表記する)のうち少なくとも1種類のイオン半径(+3価、6配位)が0.095nm以下のEu、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれるものであり、かつBi、SbおよびSi酸化物を有する組成物の焼結体であって、その微細構造には酸化亜鉛粒子の粒界に形成された析出粒子(R相、基本成分はZn−Bi−Sb−Re−O)、スピネル粒子が存在するもので、希土類酸化物の原料粉に超微粒子粉末を使用したものである。
【0017】
図1は、この希土類元素を添加することで得られたR相を含む素子の結晶組織を示す模式図である。図1において、3は亜鉛およびアンチモンを主成分とするスピネル粒子、4は酸化亜鉛を主成分とする酸化亜鉛粒子、5は珪酸亜鉛(Zn2SiO4)粒子、6は酸化ビスマスを主成分とする酸化ビスマス粒子、8は酸化亜鉛粒子4内の双晶境界、7は亜鉛、ビスマス、アンチモンおよび希土類元素からなる酸化物(以下R相と表記する)であり、スピネル粒子3は酸化亜鉛粒子4の内部に取り囲まれて存在するものと、酸化亜鉛粒子4の粒界付近に存在するものと2種類の存在状態があり、R相7は酸化亜鉛粒子4の粒界付近に存在する。図1に示されているように、超微粒子粉末の希土類酸化物を使用することによって、微細なR相7が酸化亜鉛粒子4の粒界に高度に分散している。
【0018】
本発明は、VS値を大きくし、かつ微細構造を均一化、均質化する方法として、希土類酸化物の添加形態、添加方法の検討結果から、希土類酸化物を超微粒子として添加し、焼成することで、微細なR相7が酸化亜鉛粒子4の粒界に高度に分散するようにでき、この結果、酸化亜鉛粒子4の結晶成長を抑制し、かつ微細構造を均一化、均質化できることを見いだしたものである。
【0019】
すなわち、焼成過程における、酸化亜鉛粒子の成長、スピネル粒子、珪酸亜鉛粒子、R相粒子の形成・成長は、融点の低い原料であるSb2O3(融点:650℃)、Bi2O3(融点:825℃)が融解した液相を介した元素拡散によるところが大きい(「液相焼結」内田老鶴圃(文献3))。ところが、希土類元素またはその酸化物は焼成過程において、自らは大きな移動、拡散はせずに核となり、Zn、Bi、Sbが移動、拡散することによりR相が形成、成長する。従って、焼成前の原料において、希土類酸化物を超微粒子として添加し、核となる希土類または希土類酸化物を高度に分散させることで、酸化亜鉛粒子4の結晶成長を抑制し、かつ微細構造を均一化、均質化できる。
【0020】
このように、超微粒子の希土類酸化物をはじめ、必要な酸化物を添加することによって、酸化亜鉛粒子4の粒界にR相7を高度に分散、形成し、主にこのR相7粒子によるピン留め効果で酸化亜鉛粒子の成長を抑止するため、バリスタ電圧は高くなり、同時に微量の希土類イオンが酸化亜鉛粒子4へ固溶することにより大電流制限電圧比も小さくすることができる。この基本的な組成物は、VS値が大きく、かつVH/VS値が小さく制限電圧特性に優れる。
【0021】
図2は、以上の説明の根拠を示すもので、酸化亜鉛粒子の粒界のEDSスペクトルを示す図であり、液相にどのような元素が溶け込んでいるかを調べた分析結果を示している。
この分析に用いた試料は、1150℃で5時間焼成した後、850℃から急冷したものであり、この急冷により、焼成時における酸化亜鉛粒子間の液相に元素が溶け込んだ状態が保持され、この焼結体の粒界層を含む領域の分析透過電子顕微鏡(TEM−EDS:Transmission Electron Microscope−Energy Dispersive X−ray Spectroscopy)像を撮影し、粒界のEDSスペクトルを測定することによって、液相にどのような元素が溶け込んでいるかを調べることができる。
【0022】
図2に示されているように、粒界層にはZn、Bi、O元素を主成分として、Sb、Cr元素が検出されたが、添加したイットリウム(Y)元素は検出されなかった。このように、液相中にYがEDSで検出できる濃度まで溶解していないという結果は、YはZn、Bi、Sb等に比べて焼成過程における移動、拡散が小さいことを示している。
【0023】
図2の結果は、主にイットリウム(Y)を始めとする希土類元素またはその酸化物は焼成過程において、自らは大きな移動、拡散はせずに核となり、Zn、Bi、Sbが移動、拡散することによりR相が形成、成長することを示唆する。従って、焼成前に、核となる希土類または希土類酸化物を高度に分散させることが、最も効果が大きいことを示している。
【0024】
本発明において、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Er、Tm、YbおよびLuのうち少なくとも1種類以上の希土類元素を超微粒子の形態で添加すれば、酸化亜鉛粒子内または粒界に析出粒子(R相)を形成し、バリスタ電圧を大きくすると同時に酸化亜鉛粒子内への希土類元素の微量固溶による抵抗値の減少で大電流域制限電圧比を小さくすることができる。
【0025】
さらに、ピン留め効果のあるR相の高分散化により、酸化亜鉛粒子の結晶粒径が均一化されることにより、エネルギ耐量が向上するという効果が得られる。
【0026】
希土類酸化物の超微粒子は概ね球状に近く、平均粒径は100nm程度以下、望ましくは50nm程度のものを使用することによって、酸化亜鉛粒子の結晶成長を抑制し、均一化する効果が顕著になる。また、この超微粒子は、気相法で作られたシーアイ化成製その他の製品が使用可能である。
【0027】
希土類酸化物以外の酸化亜鉛、その他の添加酸化物は通常の製法による概ね数μm程度の粒径を有する粉末とする。これは単にすべての原料を超微粒子化すれば特性の改善につながるというものではないことを意味している。つまり超微粒子の使用に対し一定の制限がある。
【0028】
加えて超微粒子粉末は、製法からいっても通常市販されている一般的酸化物粉末例えば平均粒径が数μm程度のものよりもかなり高価であり、全添加物および主原料酸化亜鉛自体に超微粒子を適用するのは電圧非直線抵抗体の工業的大量生産に対して原料価格が高くなりすぎる。また、空中飛散等による歩留まり低下、安全性および粉末取扱い方法などの複雑さからみても使いこなす上で現実的ではない。
【0029】
R相その他の粒子についても厳密にいえばCo、Mn等の他の元素が少量含まれているが、これらは修飾的元素として作用するものであり、本発明においては特に考慮の対象としない。
【0030】
本発明に係わる主成分となる酸化亜鉛は、バリスタ電圧および電圧非直線性の改善の観点から、含有量は、ZnOに換算して原料中に90〜97mol%、より望ましくは92〜96mol%含有されるように調整する。
【0031】
本発明に係わる超微粒子の希土類酸化物は、例えば、低酸素分圧を有する雰囲気中で蒸発固化法を適用して製造し、形状は概ね球状となっている。これらを他の通常粒径の添加物や主成分の酸化亜鉛粉末と適当な手段例えばボールミル等でよく粉砕や混合することにより所望の配合済み原料混合物を得る。
【0032】
超微粒子の希土類酸化物の配合量は、約0.05mol%より少ない場合にはその効果が小さく、約0.1mol%を越えるとR相以外の相が析出し、全電流域制限電圧に悪影響を及ぼすようになるので、約0.05〜0.1mol%の範囲とするのが好ましい。
【0033】
超微粒子の希土類酸化物を配合し、焼成した場合、原料の状態で超微粒子が高度に分散された結果、R相の粒径は小さくなり、各R相の最大直径を測定して求めた平均直径が3μm以下になる。
【0034】
主成分原料である酸化亜鉛は、平均粒径が0.1μm〜0.5μm程度で通常の高温の大気中酸化による乾式法で製造された工業用製品を使用することができる。
【0035】
酸化ビスマスの配合量は、5mol%より多い場合には、酸化亜鉛粒子の成長抑制効果に対して逆効果を呈するようになり、0.1mol%より少ない場合には、漏れ電流が増加する(VL値が小さくなる)ため、電圧非直線抵抗体の原料(以下、原料という)の中に約0.1〜5mol%、より望ましくは0.2〜2mol%含有されるように調整する。
【0036】
また、本発明の電圧非直線抵抗体は、VS値を大きくする性質を有する酸化アンチモンを含有する。配合量は、5mol%より多い場合にはバリスタ電圧は高くなるが、酸化亜鉛との反応物の主に電気絶縁性のスピネル粒子が多く存在するようになって通電パスが大きく制限されるため不均一性が増してエネルギ耐量が低下し破壊しやすくなる。一方、0.5mol%より少ない場合には、酸化亜鉛粒子の粒成長抑制効果が十分に発現されなくなるので、原料中には、約0.5〜5mol%、より望ましくは0.75〜2mol%含有されるように調整する。
【0037】
また、本発明の電圧非直線抵抗体は、VS値を大きくするとともに大電流平坦性VH/VSを改善する性質を有する酸化珪素を含有してもよい。配合量は、5mol%より多い場合はバリスタ電圧が高くなるが、酸化亜鉛と反応して生成された電気絶縁性の珪酸亜鉛粒子が多く存在するようになって通電パスが大きく制限されるため不均一性が増してエネルギ耐量が低下し破壊しやすくなる。一方、0.5mol%より少ない場合には、酸化亜鉛粒子の粒成長抑制効果が十分に発現されなくなるので、原料中には、約0.5〜5mol%、より望ましくは0.75〜2mol%含有されるように調整する。
【0038】
従来、量産工程で使用する酸化珪素は、量産的には酸化亜鉛と他の添加物、ポリビニルアルコール水溶液のようなバインダや分散材の添加でスラリを形成し、スプレイドライヤ等の装置で乾燥することが多い。この時、酸化珪素の状態で添加すると、その製法やそれに関わる材料物性や分散材の選択によってはスラリ粘度が高くなり過ぎ、ノズルからの噴霧が困難となり安定的に乾燥工程に移れない場合もある。これを避けるため酸化珪素の表面活性を減らすことを目的に予め酸化亜鉛と酸化珪素を1000℃以上の高温で反応させこの形で添加することがよく使われる。
【0039】
また、本発明の電圧非直線抵抗体が、電圧非直線性を改善させるために、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化マンガンを含有してもよく、これらは粉砕等して通常平均粒子径が1μm以下のものを用いるのが望ましい。また、十分な電圧非直線性を得るためには、これらの成分の配合量としてそれぞれ原料中に、Cr2O3、NiO、Co3O4、Mn3O4に換算して約0.1mol%以上、より望ましくは0.2mol%含有するように調整する。
【0040】
また、本発明の電圧非直線抵抗体が、酸化亜鉛粒子の電気抵抗を下げ、電圧非直線性を改善させるために、0.001〜0.01mol%の硝酸アルミニウムを含有してもよい。アルミニウムイオンは、イオン半径がZn2+イオンのイオン半径より小さいので、ZnO結晶の格子歪の許容範囲内でZnO結晶粒子内に固溶し、+2価のイオンであるZnを+3価のアルミニウムイオンが置換することによって、その電子的効果により、ZnO結晶粒子内部が低抵抗化し、その結果大電流域制限電圧比が改善される。Al2O3としてのmol%は、硝酸アルミニウム(Al(NO3)3)のmol%の1/2であるので、Al2O3のmol%に換算すれば0.0005mol%〜0.005mol%必要となる。
【0041】
また、本発明の電圧非直線抵抗体に、酸化ビスマスをより低融点化させ、その流動性をよくし、粒子間などに存在する微細孔(ポア)を有効に減ずる役割を果たさせるために、0.01〜0.1mol%のホウ酸を原料中に含有せしめてもよい。
【0042】
次に、上述の原料からなる本発明の電圧非直線抵抗体の製造方法について説明する。
ボールミル等の手段で原料の平均粒子径を調整し、十分混合した後、一旦乾燥し、バインダ、例えばポリビニルアルコール水溶液などを加え、メッシュを通して整粒し、これを金型に移し200〜500kgf/cm2程度の加圧力で一軸加圧を施し、所定形状の粉末成形体を作製する。
【0043】
粉末成形体からバインダを除去するために、600℃程度の温度で予備加熱した後、本焼成する。焼成の温度条件は、例えば1000℃〜1300℃とする。この焼成条件は、焼結反応が均一かつ十分に進行し、素子を緻密化するために必要な条件を満足するものであり、X線回折装置、熱重量分析装置(TG)、熱機械分析装置(TMA)等を用いて焼成温度、時間などの最適な条件を求めることができる。
【0044】
本発明の電圧非直線抵抗体を適用した避雷器においては、VSが高いことによって小型化ができ、酸化亜鉛粒子の粒径の均一化によって、保護特性の改善ができる。
【0045】
【実施例】
以下に、本発明の電圧非直線抵抗体およびその製造方法を実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は係る実施例のみに限定されるものでないことはいうまでもない。
また、下記の各実施例および比較例は、次に示す基本組成と製造方法とを含んでおり、得られた電圧非直線性抵抗体の評価を下記の評価方法により行った。
[基本組成]
イオン半径0.095nm以下の希土類酸化物、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化マンガンおよび酸化珪素の含有量がそれぞれ0.5mol%、酸化アンチモンの含有量が1.2mol%である。また、ホウ酸の含有量が0.08mol%となるように調整した。アルミニウムは、硝酸塩水溶液として0.04mol%添加した。残部は、酸化亜鉛である。
【0046】
上記基本組成に対して希土類酸化物はEu、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Er、Tm、YbおよびLuであり、これにシーアイ化成製の超微粒子製品を適用し、50%累積分布における平均粒径(以下50%平均粒径と表記する)はそれぞれ種類により若干異なるが20〜50nmであった。
【0047】
[製造方法]
上記の基本組成の内の酸化亜鉛以外の希土類酸化物、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化珪素および酸化アンチモンの添加物原料に水を加え、ボールミルを用いて湿式混合粉砕し、この粉砕物にさらに酸化亜鉛、水、硝酸アルミニウム水溶液、ホウ酸の水溶液を加え、ボールミルを用いてさらに十分に混合した後、この混合物の水分を除去して粉末を得た。この粉末にポリビニルアルコール3%水溶液を全粉末に対して6wt%添加し、粉体混合装置で乾燥粉末によくなじませ、最終的にナイロンメッシュ(40メッシュ)を通して整粒した。得られた粉末を金型に投入し、400kgf/cm2の加圧力で一軸加圧成形し、直径40mm,厚さ12mmの成形体を得た。この成形体からポリビニルアルコールを除去するために、600℃で5時間予備加熱し、その後1120℃で5時間本焼成を行った。
【0048】
得られた焼結体(焼結により直径約32mmに収縮)を研磨、洗浄および側面処理を施した後、アルミニウム電極を形成した。側面処理は、SiO2が20mol%、Sb2O3が72mol%、Bi2O3が8moll%の混合粉末にバインダを加えて、この混合物を側面に塗布し、焼成して側面高抵抗層を形成した。
【0049】
[評価方法]
バリスタ電圧(V1mA/mm):1mAの直流電流を通電した際の両電極間電圧と素子厚さから求めた。
小電流域制限電圧比:1mAおよび1μAの直流電流を流し、それぞれ電極間の電圧を測定し、その電圧比V(1mA)/V(1μA)を求めた。
酸化亜鉛粒子の平均粒径:走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscopy)を用いて、微細構造を観察し、線引き法によって求めた。線引き法とは、観察される微細構造に任意の直線を引き、この直線上における結晶粒の長さの平均を求め、この平均長さに係数として1.558を乗じた値を平均粒径とするものである(Journal of The American Ceramic Society,Vol.52,No.8 p445(1969)参照)。
【0050】
実施例1.
希土類元素の代表例としてYを選び、平均粒径が50nmの酸化イットリウム超微粒子を添加した場合につき、バリスタ電圧および酸化亜鉛粒子の平均粒径を測定し、平均粒径が5μmの通常の酸化イットリウムを用いた場合と比較した。表1にバリスタ電圧および酸化亜鉛粒子の平均粒径を示す。
【0051】
【表1】
【0052】
表1に示されているように、酸化イットリウム超微粒子を用いることにより、酸化亜鉛平均粒径は小さくなり、バリスタ電圧は高くなっており、避雷器のコンパクト化が可能である。
【0053】
図1は、希土類酸化物として酸化イットリウム超微粒子を添加した電圧非直線抵抗体の微細構造を模式的に示す結晶組織図である。図に示されているように、超微粒子でない希土類酸化物を添加した場合(図5)に比べ、希土類元素を含むR相7が酸化亜鉛粒子の粒界に高度に分散し、また、R相7の粒径が小さくなっている。このR相7の平均直径(各粒の最大径の平均値)を測定した結果、3μm以下であった。
【0054】
図3は、本実施例の電圧非直線抵抗体における酸化亜鉛粒子の粒径分布を示す図であり、測定はSEM像を撮影し、各酸化亜鉛粒子において最も長い径を測定して得たものである。酸化イットリウム超微粒子を添加した電圧非直線抵抗体では、通常の粒子径の酸化イットリウムを添加したものの標準偏差値が2.246であるのに比べ、標準偏差値が1.136と酸化亜鉛粒子の粒径分布の幅が小さくなっている。特に、異常成長した大きな粒子の数が減少していることが分かる。また、同様の電圧非直線抵抗体50個について、図3と同様の酸化亜鉛粒子の粒径分布を測定した結果、標準偏差値が1.5以下になった。このように、酸化イットリウム超微粒子を用いることにより、酸化亜鉛粒子の粒径が均一化するので、エネルギ耐量が向上する。
【0055】
実施例2および3.
実施例1と同じ酸化イットリウム超微粒子を使用し、その濃度を変えた場合のバリスタ電圧、小電流域制限電圧比VS/VLを測定した。その結果を、表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】
表2に示されているように、酸化イットリウム超微粒子の濃度が増加することにより、バリスタ電圧が増加する。この増加は、酸化亜鉛粒子の粒界に、R相を分散、形成し、ピン留め効果により酸化亜鉛粒子の結晶成長を抑止していることを示している。また、酸化イットリウム超微粒子の濃度が増加しても小電流域制限電圧比の増加はほとんどなく、VS/VLを劣化させない。
【0058】
R相の平均直径を実施例1と同様に測定した結果、実施例2および3は、いずれも3μm以下であった。
【0059】
【発明の効果】
本発明に係る電圧非直線抵抗体は、90〜97mol%の酸化亜鉛と、0.1〜5mol%の酸化ビスマスと、0.5〜5mol%の酸化アンチモンと、0.05〜0.1mol%の、イオン半径0.095nm以下で平均粒径が20〜100nmである希土類酸化物とを含有する電圧非直線抵抗体用組成物を焼成してなる、酸化亜鉛粒子および亜鉛、ビスマス、アンチモン、希土類元素を主成分として構成される粒子(R相)を含む電圧非直線抵抗体であって、測定個数50の酸化亜鉛粒子の粒径分布における標準偏差値が1.5以下であることによって、エネルギ耐量を向上させることができる。
【0060】
本発明に係る第1の避雷器は、上記第1の電圧非直線抵抗体を使用したもので、優れた保護特性を有し、かつコンパクトな避雷器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態による電圧非直線抵抗体の微細構造を模式的に示す結晶組織図である。
【図2】 高温から急冷して得られた酸化亜鉛電圧非直線抵抗体をEDSで測定した結果を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態による電圧非直線抵抗体における酸化亜鉛粒子の粒径分布を比較例とともに示す図である。
【図4】 一般的な酸化亜鉛電圧非直線抵抗体の構造を示す模式図である。
【図5】 一般的な酸化亜鉛電圧非直線抵抗体の微細構造を模式的に示す結晶組織図である。
【図6】 一般的な酸化亜鉛電圧非直線抵抗体の電流−電圧特性を示す特性図である。
【符号の説明】
1 側面高抵抗層、2 電極、3 スピネル粒子、4 酸化亜鉛粒子、
5 珪酸亜鉛粒子、6 酸化ビスマス粒子、7 R相、8 双晶境界。
Claims (2)
- 90〜97mol%の酸化亜鉛と、0.1〜5mol%の酸化ビスマスと、0.5〜5mol%の酸化アンチモンと、0.05〜0.1mol%の、イオン半径0.095nm以下で平均粒径が20〜100nmである希土類酸化物とを含有する電圧非直線抵抗体用組成物を焼成してなる、酸化亜鉛粒子および亜鉛、ビスマス、アンチモン、希土類元素を主成分として構成される粒子(R相)を含む電圧非直線抵抗体であって、測定個数50の酸化亜鉛粒子の粒径分布における標準偏差値が1.5以下であることを特徴とする電圧非直線抵抗体。
- 請求項1に記載の電圧非直線抵抗体を使用したことを特徴とする避雷器。
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