JP4580900B2 - リソグラフィ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、リソグラフィ装置及びデバイス製造方法に関する。
リソグラフィ装置は、基板、一般的には基板の目標部分に所望のパターンを適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造に使用することができる。その場合、マスク又はレチクルとも呼ばれているパターン形成装置を使用してICの個々の層に形成すべき回路パターンが生成される。生成されたパターンは、基板(例えばシリコン・ウェハ)上の目標部分(例えば部分的に1つ又は複数のダイからなっている)に転送される。パターンの転送は、通常、基板の上に提供されている放射線感応材料(レジスト)の層への画像化を介して実施されている。通常、1枚の基板には、順次パターン形成される目標部分に隣接する回路網が含まれている。知られているリソグラフィ装置には、パターン全体を1回で目標部分に露光することによって目標部分の各々が照射されるいわゆるステッパと、パターンを放射ビームで所与の方向(「走査」方向)に走査し、且つ、基板をこの方向に平行又は逆平行に同期走査することによって目標部分の各々が照射されるいわゆるスキャナがある。また、パターンを基板に転写することによってパターン形成装置から基板へパターンを転送することも可能である。
従来のリソグラフィ装置は、通常、パターン形成装置を支持するために提供され、且つ、構築された支持構造体(マスク・ステージとも呼ばれている)を備えている。同様に、リソグラフィ装置は、基板を保持するように構築された基板テーブルを備えている。従来、マスクは、マスク・ステージの上に固定状態で保持されているマスク・ステージ・チャックに真空によってクランプされている。従来のリソグラフィ装置の場合、マスクのマイクロ滑り及びマクロ滑りを防止するために、真空圧力、真空クランプ面積、マスクとチャックの間の摩擦及びマスクの質量によってパターン形成装置即ちマスクの最大加速が制限されている。支持構造体及び基板テーブルは、走査(Y)方向へ移動させることができる。詳細には、支持構造体及び基板テーブルは、走査サイクルの開始時から終了までの間に、それらを走査速度に到達させ、また、静止させるためにそれぞれ加速及び減速される。マシン・スループットを大きくする、つまり一定の時間の間にリソグラフィ装置を使用して処理することができる基板の数を多くするためには、支持構造体及び基板テーブルを可能な限り迅速に走査速度に到達させ、且つ、走査速度から減速させることが望ましい。そのためには、支持構造体及び/又は基板テーブルの加速度及び減速度を大きくしなければならない。しかしながら、支持構造体及び/又は基板テーブルの加速度及び減速度を大きくすることによってマスク及び/又は基板に対する慣性力が大きくなり、延いてはマスク及び/又は基板がマイクロ滑り及びマクロ滑りする危険が増加することが分かっている。このマイクロ滑り及びマクロ滑りによって画像化誤差が生じることになる。詳細には、マスク・ステージに関して、マスク・ステージの慣性力が大きくなると、従来の真空クランプでは十分な力でマスクをクランプすることができないことが分かっている。
それぞれマスク及び基板の滑り発生率の増加を伴うことなく急加速し、且つ、急減速することができる支持構造体及び/又は基板テーブルが提供されることが望ましい。また、それぞれ支持構造体及び基板テーブルに対するマスク及び基板の粘着が改善されることが望ましい。
本発明の一態様によれば、パターン形成された放射ビームを形成するべく放射ビームの断面にパターンを付与することができるパターン形成装置を支持するように構築された支持構造体、及び基板を保持するように構築された基板テーブルのうちの少なくともいずれか一方を備えたリソグラフィ装置であって、支持構造体及び基板テーブルのうちの少なくともいずれか一方が、それぞれパターン形成装置及び基板と接触する接触表面を備え、接触表面が、それぞれ支持構造体とパターン形成装置、及び基板テーブルと基板の少なくともいずれか一方の間の相互粘着を改良するための複数の副接触表面を備えたリソグラフィ装置が提供される。
本発明の一態様によれば、対象を支持するように構築された支持構造体を備えた装置であって、支持構造体が所定の方向に移動するように配置され、且つ、支持構造体が対象と接触する接触表面を備え、接触表面が支持構造体と対象の間の相互粘着を増加するための複数の副接触表面を備え、それにより支持構造体が所定の方向に移動すると対象が支持構造体の上に保持される装置が提供される。
本発明の一態様によれば、パターン形成された放射のビームを基板に投射する工程と、パターン形成された放射ビームを形成するべく放射ビームの断面にパターンを付与することができるパターン形成装置を支持構造体上で支持する工程及び基板を基板テーブル上で保持する工程のうちの少なくともいずれか一方の工程と、それぞれパターン形成装置及び基板と接触する支持構造体及び基板テーブルのうちの少なくともいずれか一方の上に接触表面を提供する工程であって、接触表面が、それぞれ支持構造体とパターン形成装置及び基板テーブルと基板の少なくともいずれか一方の間の相互粘着を増加するための複数の副接触表面を備えた工程とを含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の一態様によれば、対象物を支持構造体上で支持する工程であって、支持構造体が所定の方向に移動するように配置された工程と、対象物と接触する支持構造体の上に接触表面を提供する工程であって、接触表面が支持構造体と対象物の間の相互粘着を増加するための複数の副接触表面を備え、それにより支持構造体が所定の方向に移動すると対象物が支持構造体の上に保持される工程とを含む方法が提供される。
本発明の一態様によれば、対象を支持するための支持構造体を製造する方法であって、支持構造体が、支持構造体と対象の間の粘着を増加するための複数の副接触領域を備えた接触表面を備え、複数の副接触領域がMEMS技術を使用して製造される方法が提供される。
以下、本発明の実施例について、単なる例として、添付の略図を参照して説明する。図において、同様の参照記号は同様の構成要素を表している。
図1は、本発明の一実施例によるリソグラフィ装置を略図で示したものである。このリソグラフィ装置は、
− 放射ビームB(例えばUV放射又はEUV放射)を条件付けるように形成された照明システム(イルミネータ)ILと、
− パターン形成装置(例えばレチクルとも呼ばれているマスク)MAを支持するように構築され、且つ、特定のパラメータに従って該パターン形成装置を正確に位置決めするように形成された第1の位置決め装置PMに接続された支持構造体(例えばレチクル・ステージとも呼ばれているマスク・テーブル)MTと、
− 基板(例えばレジスト被覆ウェハ)Wを保持するように構築され、且つ、特定のパラメータに従って該基板を正確に位置決めするように形成された第2の位置決め装置PWに接続された基板テーブル(例えばウェハ・テーブル)WTと、
− パターン形成装置MAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの目標部分C(例えば1つ又は複数のダイが含まれている)に投影するように形成された投影システム(例えば屈折投影レンズ系)PSと
を備えている。
照明システムは、放射を導き、整形し、或いは制御するための、屈折光学部品、反射光学部品、磁気光学部品、電磁光学部品、静電光学部品若しくは他のタイプの光学部品、又はそれらの任意の組合せなどの様々なタイプの光学部品を備えることができる。
支持構造体はパターン形成装置を支持している。つまり、支持構造体はパターン形成装置の重量を支えている。支持構造体は、パターン形成装置の配向、リソグラフィ装置の設計及び他の条件、例えばパターン形成装置が真空環境中で保持されているか否か等に応じた方法でパターン形成装置を保持している。支持構造体には、パターン形成装置を保持するための機械式クランプ技法、真空クランプ技法、静電クランプ技法又は他のクランプ技法を使用することができる。支持構造体は、例えば必要に応じて固定又は移動させることができるフレーム又はテーブルであっても良い。支持構造体は、パターン形成装置を例えば投影システムに対して所望の位置に確実に配置することができる。本明細書における「レチクル」又は「マスク」という用語の使用はすべて、より一般的な「パターン形成装置」という用語の同義語と見なすことができる。
本明細書に使用されている「パターン形成装置」という用語は、放射ビームの断面にパターンを付与し、それにより基板の目標部分にパターンを生成するべく使用することができる任意の対象を意味するものとして広義に解釈されたい。放射ビームに付与されるパターンは、例えばそのパターンに移相フィーチャ又はいわゆる補助フィーチャが含まれている場合、基板の目標部分における所望のパターンに必ずしも厳密に対応している必要はないことに留意されたい。放射ビームに付与されるパターンは、通常、目標部分に生成されるデバイス、例えば集積回路などのデバイス中の特定の機能層に対応している。
パターン形成装置は、透過型であっても或いは反射型であっても良い。パターン形成装置の実施例には、マスク、プログラム可能ミラー・アレイ及びプログラム可能LCDパネルがある。マスクについてはリソグラフィにおいては良く知られており、バイナリ、交番移相及び減衰移相などのマスク・タイプ、並びに様々なハイブリッド・マスク・タイプが知られている。プログラム可能ミラー・アレイの実施例には、マトリックスに配列された、入射する放射ビームが異なる方向に反射するよう個々に傾斜させることができる微小ミラーが使用されている。この傾斜したミラーによって、ミラー・マトリックスで反射する放射ビームにパターンが付与される。
本明細書に使用されている「投影システム」という用語には、例えば使用する露光放射に適した、若しくは液浸液の使用又は真空の使用などの他の要因に適した、屈折光学系、反射光学系、カタディオプトリック光学系、磁気光学系、電磁光学系及び静電光学系、又はそれらの任意の組合せを始めとする任意のタイプの投影システムが包含されているものとして広義に解釈されたい。本明細書における「投影レンズ」という用語の使用はすべて、より一般的な「投影システム」という用語の同義語と見なすことができる。
図に示すように、このリソグラフィ装置は、透過型(例えば透過型マスクを使用した)タイプの装置である。あるいは、このリソグラフィ装置は、反射型(例えば上で言及したタイプのプログラム可能ミラー・アレイを使用した、或いは反射型マスクを使用した)タイプの装置であっても良い。
リソグラフィ装置は、2つ(二重ステージ)以上の基板テーブル(及び/又は複数のマスク・テーブル)を有するタイプの装置であっても良い。このような「多重ステージ」機械の場合、追加テーブルを並列に使用することができ、或いは1つ又は複数の他のテーブルを露光のために使用している間、1つ又は複数のテーブルに対して予備工程を実行することができる。
また、リソグラフィ装置は、基板の少なくとも一部が比較的屈折率の大きい液体、例えば水で覆われ、それにより投影システムと基板の間の空間が充填されるタイプの装置であっても良い。また、リソグラフィ装置内の他の空間、例えばマスクと投影システムの間の空間に液浸液を適用することも可能である。液浸技法は、当分野では、投影システムの開口数を大きくすることで良く知られている。本明細書に使用されている「液浸」という用語は、基板などの構造体を液体中に浸すことを意味しているのではなく、単に、露光の間、投影システムと基板の間に液体が置かれることを意味しているにすぎない。
図1を参照すると、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受け取っている。放射源が例えばエキシマ・レーザである場合、放射源及びリソグラフィ装置は、個別の構成要素にすることができる。このような場合、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成しているとは見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビーム・エキスパンダを備えたビーム引渡しシステムBDを使用して放射源SOからイルミネータILへ引き渡される。それ以外の例えば放射源が水銀灯などの場合、放射源はリソグラフィ装置の一構成要素にすることができる。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビーム引渡しシステムBDと共に放射システムと呼ぶことができる。
イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調整するためのアジャスタADを備えることができる。通常、イルミネータのひとみ平面内における強度分布の少なくとも外部及び/又は内部ラジアル・エクステント(一般に、それぞれσ−外部及びσ−内部と呼ばれている)は調整が可能である。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の様々な部品を備えることができる。イルミネータを使用して放射ビームを条件付け、所望する一様な強度分布をその断面に持たせることができる。
支持構造体(例えばマスク・テーブルMT)の上に保持されているパターン形成装置(例えばマスクMA)に放射ビームBが入射し、パターン形成装置によってパターン形成される。マスクMAを透過した放射ビームBは、放射ビームを基板Wの目標部分Cに集束させる投影システムPSを通過する。基板テーブルWTは、第2の位置決め装置PW及び位置センサIF(例えば干渉デバイス、直線エンコーダ又は容量センサ)を使用して正確に移動させることができ、それにより例えば異なる目標部分Cを放射ビームBの光路内に配置することができる。同様に、第1の位置決め装置PM及びもう1つの位置センサ(図1には明確に示されていない)を使用して、例えばマスク・ライブラリから機械的に検索した後、又は走査中に、マスクMAを放射ビームBの光路に対して正確に配置することができる。通常、マスク・テーブルMTの移動は、第1の位置決め装置PMの一部を形成している長ストローク・モジュール(粗位置決め)及び短ストローク・モジュール(精密位置決め)を使用して実現することができる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2の位置決め装置PWの一部を形成している長ストローク・モジュール及び短ストローク・モジュールを使用して実現することができる。(スキャナではなく)ステッパの場合、マスク・テーブルMTは、短ストローク・アクチュエータのみに接続することができ、或いは固定することも可能である。マスクMA及び基板Wは、マスク・アライメント・マークM1、M2及び基板アライメント・マークP1、P2を使用して整列させることができる。図には専用目標部分を占有している基板アライメント・マークが示されているが、基板アライメント・マークは、目標部分と目標部分の間の空間に配置することも可能である(このような基板アライメント・マークは、スクライブ・レーン・アライメント・マークとして知られている)。同様に、複数のダイがマスクMA上に提供される場合、ダイとダイの間にマスク・アライメント・マークを配置することができる。
図に示す装置は、以下に示すモードのうちの少なくとも1つのモードで使用することができる。
1.ステップ・モード:マスク・テーブルMT及び基板テーブルWTが基本的に静止状態に維持され、放射ビームに付与されたパターン全体が目標部分Cに1回で投影される(即ち単一静止露光)。次に、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向にシフトされ、異なる目標部分Cが露光される。ステップ・モードでは、露光視野の最大サイズによって、単一静止露光で画像化される目標部分Cのサイズが制限される。
2.走査モード:放射ビームに付与されたパターンが目標部分Cに投影されている間、マスク・テーブルMT及び基板テーブルWTが同期走査される(即ち単一動的露光)。マスク・テーブルMTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの倍率(縮小率)及び画像反転特性によって決まる。走査モードでは、露光視野の最大サイズによって、単一動的露光における目標部分の幅(非走査方向の幅)が制限され、また、走査運動の長さによって目標部分の高さ(走査方向の高さ)が決まる。
3.その他のモード:プログラム可能パターン形成装置を保持するべくマスク・テーブルMTが基本的に静止状態に維持され、放射ビームに付与されたパターンが目標部分Cに投影されている間、基板テーブルWTが移動又は走査される。このモードでは、通常、パルス放射源が使用され、走査中、基板テーブルWTが移動する毎に、或いは連続する放射パルスと放射パルスの間に、必要に応じてプログラム可能パターン形成装置が更新される。この動作モードは、上で言及したタイプのプログラム可能ミラー・アレイなどのプログラム可能パターン形成装置を利用しているマスクレス・リソグラフィに容易に適用することができる。
上で説明した使用モードの組合せ及び/又はその変形形態、或いはまったく異なる使用モードを使用することも可能である。
図2〜図7を参照して説明する以下の実施例では、本発明は、とりわけマスク・テーブルへのマスクの粘着に関連して説明されている。しかしながら、本発明はそれには何ら限定されず、基板テーブルの上に保持されている基板にも等しく適用することができる。また、本発明は、リソグラフィの分野における用途だけではなく、ある対象を他の対象に粘着させることが望ましい他の分野にも用途を有している。
図2は、本発明の一実施例によるマスク・テーブルの平面図を示したものである。マスク・テーブルMTは、マスクMAが配置される領域に相対低圧力を生成し、それによりマスクMAをマスク・テーブルMTに吸着する真空クランプVCを備えている。真空クランプVCは真空領域VAを備えており、実質的にその上側の部分に比較的低い圧力が提供されている。真空クランプVCは、さらに、真空領域VAの境界を画定している吸着カップSCを備えている。図に示す実施例には2つの真空クランプVCが示されている。クランプVCは、マスクMAが配置される位置Lの端部に配置されている。真空クランプVCは、位置Lの長さに沿って走査方向Yに延在している。これらの真空クランプVCの位置は、投影ビームが通過する領域の中まで真空クランプVCが延在しないような位置である。真空クランプVCは、マスクMAの透過領域の中まで延在することができないため、マスクMAを所定の位置で保持するためにマスクMAに印加することができる真空力の量が制限されるように真空クランプのサイズが限定されている。これらの真空クランプVCは、板ばね2によってマスク・テーブルMTの上に取り付けられている。マスク・テーブルMTは、マスク・チャックMCを備えている。真空クランプVCは、詳細には板ばね2によってマスク・チャックMCの上に取り付けられている。板ばね2は、真空クランプVCの長さに沿って走査方向に延在している。真空クランプVC、CLは、真空クランプ領域VAを有する吸着カップCU、SCを有している(同じく図3参照)。吸着カップSCは、マスクMAを支持するために配置されている複数のこぶ6を備えている。吸着カップSCは、マスクMAの長さに沿って走査方向Yに真空クランプ効果を提供するように寸法決めされている。したがって吸着カップSCの寸法は、個々のマスクMAのサイズによって様々である。吸着カップSCの典型的な寸法は、走査方向Yに130mm、走査方向Yに直角のX方向に30mmである。
吸着カップSCは、さらに、複数のとげ10を備えている(図4a参照)。一実施例では、複数のとげ10は、真空クランプ領域VAの中に設けられている。この複数のとげ10は超小型機械デバイスである。マスクMAとマスク・テーブルMTの間の接触表面1は、こぶ6及びとげ10の表面によって形成されている。複数のとげ10は、マスクMAの表面と相互作用するパターン形成された表面構造22を形成している。接触力学の原理が利用されており、接触表面をより微細な副接触表面20に分割することによってマスクMAとマスク・テーブルMTの間の粘着が増加される。とりわけ図3〜図7を参照して以下で詳細に説明するように、パターン形成された表面構造22は、複数のとげ10を備えている。本明細書においては、以下、この複数のとげは、微細ターミナル・エレメント又は微細構造としても言及されている。略図では微細ターミナル・エレメント10はスケール通りには示されてないが、実際の寸法に比例して拡大されている。
この複数のとげ10は、さらに、微細板ばねとして構成することも可能である。このような実施例の場合、この複数のとげを微細板ばねと呼ぶことも可能である。微細板ばね10は、その一方の端部が真空クランプVC、詳細には吸着カップSCに取り付けられており、もう一方の端部は、ある程度の粘着を達成するべく基板と接触している。微細板ばね10の各々は、ごく一部ではあるがマスクMAに対する慣性力に対抗している。マスクMAとマスク・テーブルMTの間の相互粘着を増加することにより、マスクのマイクロ滑り及びマクロ滑りの危険が減少する。詳細には、マスク・ステージMTの加速レベル又は減速レベルは現行の真空クランプ領域限界内において増加される。図に示す実施例では、これらの複数のとげ10は、真空クランプVCと組み合わせて提供されている。しかしながら真空クランプVCは本発明の本質ではなく、複数のとげ10のみによって、追加真空力を一切印加することなく十分な粘着を達成することができる。このような実施例の場合、吸着カップSCは、支持機能及び粘着機能を提供しており、単純にカップCUと呼ばれている。また、クランプ機能は、副接触領域20とマスクMAの間の粘着力によって達成される。したがって、これらの実施例では、真空クランプVCも同じく単純にクランプCLと呼ばれている。マスク・テーブルMTは、さらに、吸着カップCU、SC及びクランプCL、VCをZ方向に支持するためのZサポートZSを備えている。このZサポートZSは、図7により詳細に示されている。
図3は、本発明の一実施例によるマスクMAを支持しているマスク・テーブルを詳細に示したものである。詳細には、図3には、マスクMAを吸着カップCU、SC上で支持する方法が示されている。吸着カップCUは、マスク・テーブルMTの材料と同じ材料を使用して構築することができる。例えば吸着カップCUは、熱膨張係数が極めて小さいゼロデュアー(登録商標)などのガラス材料を使用して構築することができる。あるいは、金属を使用して吸着カップCUを構築することも可能である。図3には、吸着カップCUを板ばね2を使用してマスク・チャックMC上に取り付ける方法が示されている。この方法によれば、吸着カップCUは、マスク・チャックMC上にフレキシブルに取り付けられる。複数のとげ10は、マスクMAと接触している副接触表面20を備えている。支持構造体MTは、走査方向Yに移動するように配置されている。電動機MOは、支持構造体MTに接続されており、所望の走査プロファイルに従って支持構造体MTを移動させるべく制御されている。電動機MOは、支持構造体MT及び基板テーブルWTのうちの少なくともいずれか一方を走査方向Yに移動させ、また、支持構造体MT及び基板テーブルWTのうちの少なくともいずれか一方に対して、走査方向Yの加速力及び/又は減速力を付与しており、支持構造体MT及び基板テーブルWTがそれぞれ走査方向へ移動すると、それぞれパターン形成装置MAと支持構造体MT、及び基板Wと基板テーブルWTの少なくともいずれか一方の間の相互粘着が、パターン形成装置MA及び基板Wのうちの少なくともいずれか一方をそれぞれ支持構造体MT上及び基板テーブルWT上で保持する。
複数のとげ10は、走査方向に剛性を提供するように構築されている。この方法によれば、マクロ滑り及びマイクロ滑りの危険がさらに減少する。また、この複数のとげ10は、それぞれパターン形成装置及び基板のうちの少なくともいずれか一方が配置される平面に対して実質的に直角の方向に柔軟性を提供するように構築されている。この方法によれば、真空クランプCL、VCからマスクMAを容易に除去することができる。詳細には、除去するための他の力を何ら印加する必要なく除去することができる。詳細には、副接触領域20は、それぞれ支持構造体MTへのパターン形成装置MAの粘着、及び基板テーブルWTへの基板Wの粘着のうちの少なくともいずれか一方のための十分な複合粘着エネルギーを提供している。また、それぞれ副接触領域20と基板Wの間又は副接触領域20とパターン形成装置MAの間の粘着エネルギーは、1平方メートル当たり20ミリジュール程度のエネルギーである。単位面積当たりのとげの寸法及び数は、とりわけ基板の質量で決まり、例えば支持構造体上で保持すべきマスク、ウェハなどの質量で決まる。とげの寸法は、接触力学の理論を適用して決定される。Arztらの「From micro to nano contacts in biological attachment devices」(PNAS、2003年9月16日、vol.100、no.19、10603〜10606頁)に、接触力学のいくつかの原理が記載されている。
一例として、支持構造体の上に保持されたマスクの例に対する大きさ計算のオーダを以下に示しておく。計算に際しては、クランプ真空は存在していないことが仮定されている。したがって、とげによってあらゆるマスク慣性力が補償され、総クランプ面積をとげのために利用することができる。以下の値が適用される。
− マスクの質量=350[gr]
− 粘着エネルギー;j=20[mJ/m]−総有効クランプ面積=3.2×10−3[m
− k=3.8×10[m−1.kg−1/3
− 1とげの長さ対幅の比率=4対1
kは、幾何学的に鈍感なパラメータである。個々のアプリケーションに応じてこれらの値が変化することは理解されよう。
計算:
とげ面密度:
Figure 0004580900

とげの数:
Figure 0004580900

1個のとげの面積:
Figure 0004580900

1個のとげの幅:
Figure 0004580900

1個のとげの長さ:
Figure 0004580900
したがって、一般に、300〜400グラム程度の質量を有する対象を保持するための粘着を生成することが望ましいとげは、マイクロメートルの寸法を有し、且つ、1000とげ/100平方マイクロメートル程度の密度を有している。以上の計算によって、マスクの質量を補償するためのとげの望ましい数及び望ましい寸法が決定される。重力加速度は考慮されているが、他の慣性力、例えば加速度は考慮されていない。
この特定の実施例の場合、1個のとげは、約8平方マイクロメートルの副接触面積を有していることが分かる。また、とげの密度は、約2.8×1013[/m]である。また、上記の値及び計算値は正確な値ではないこと、また、上記の値及び計算値に対する特定の誤差マージン内で偏移する値によっても粘着が得られることは理解されよう。大きさ計算のオーダから、例えば約350グラムの質量を有する典型的なマスクで、且つ、50メートル/秒/秒の典型的なマスク・テーブル加速度の場合、粘着力のみを使用してマスクを所定の位置に維持するためには、約2×10個の微細構造が望ましいことが分かっている。約320平方ミリメートルの典型的なクランプ表面内では、微細構造の大よその寸法は、概ね長さ×幅=2.5×1マイクロメートルである。以下で説明するように、単独であれ、或いは真空クランプ・システムとの組合せであれ、使用されるのはこのような微細構造である。微細構造と真空クランプの組合せを使用した実施例の場合、従来のマスク・テーブルよりはるかに大きい加速率、例えば従来より2倍速い最大50メートル/秒/秒でマスク・テーブルMTを加速することができることが分かっている。つまり、真空クランプと微細構造粘着を組み合わせることにより、見掛けの広域摩擦係数を2倍だけ改善することができる。
図4aは、本発明の一実施例によるマスク・クランプ領域及び板ばね2の平面図を示したものである。詳細には、図4aには、図2に示すマスク・テーブルMTの詳細が示されている。真空クランプVC、CLは、板ばね2によってマスク・チャックMCに取り付けられたカップCU、SCを備えている。接触表面1は、パターン形成された表面構造22を形成している複数のマイクロ寸法のとげ10によって構築された複数の副接触表面20を備えている。吸着カップCUは、さらに、同じくマスクMAを支持しているこぶ6を備えている。マスクMA(図示せず)は、複数のとげ10及びこぶ6の上に配置されている。接触力学による粘着は、上の計算で立証したように、マスクMAをマスク・テーブルMTに粘着させるには十分である。この粘着は、真空クランプを必要とすることなく達成される。
図4bは、複数のとげの平面図を含む、図4aに示すクランプ領域及び板ばねの1セクションの詳細平面図を示したものである。詳細には、図4bには、パターン形成された表面構造22が示されている。図5を参照してより詳細に説明するように、微細ターミナル・エレメント10は、第1の部分8(図4には示されていない)、第2の部分20、及び第1の部分8と第2の部分20を結合している中間部分12を備えている。第2の部分20は副接触領域を備えており、中間部分12は弾性である。とげ10の走査方向Yの長さは、走査方向に対して実質的に直角をなし、且つ、それぞれパターン形成装置MA及び基板Wの平面内に実質的に存在しているX方向におけるとげの幅の約4倍である。図に示す実施例の場合、個々のとげ10は、幅aを有している。個々のとげの長さは4aである。長さに対する幅の比率は、粘着に必要な機械的特性、例えば特定の寸法における剛性及び弾性に応じて変化する。
図5は、本発明の一実施例によるマスクMAを支持している少なくとも1つの完全なとげの断面を示したものである。図に示す実施例では、複数のとげ10は、複数の板ばねとして作用している。この板ばねは、走査方向に相対剛性を提供し、且つ、マスクが配置される平面に対して平面外れの方向であるZ方向に相対弾性を提供するように構築され、且つ、配置されている。走査方向Yに相対剛性を提供することにより、マスク・テーブルMTの加速及び減速によって生じるせん断力が阻止される。複数の板ばねは、第1の部分8、第2の部分20及び中間部分12を備えている。中間部分12は、第1の部分8と第2の部分20を結合している。第2の部分20は、マスクと実際に接触する副接触領域を備えている。中間部分12は弾性である。詳細には、中間部分12は、それぞれパターン形成装置及び基板のうちの少なくともいずれか一方が配置される平面に対して平面外れで延在している方向に弾性であり、図に示す状況ではZ方向に弾性である。第1の部分8は、吸着カップCU、SCの内側の上部対向表面と接触している。板ばねの幅に対するその長さの比率は、Z方向及びY方向に必要な中間部分12の剛性比率によって決まる。第1の部分8は、第2の部分20に対して走査方向Yにずらされている。このようにして、走査方向の相対剛性が達成される。
図6は、本発明の一実施例によるマスクMAを支持しているマスク・テーブルMTの断面の正面図を示したものである。図に示す実施例では、吸着カップCU、SCは、マスク・テーブルMTの上に配置されている。一実施例では、吸着カップCUは、マスク・テーブルMTの一部を形成している。吸着カップSC、CUは、こぶ6及び上で言及したとげとも呼ばれている微細ターミナル・エレメント10を備えている。微細ターミナル・エレメント10は幅aを有している。微細ターミナル・エレメント10は、凸状に湾曲した形状の接触部分14を備えた複数の副接触表面20を有している。このようにして、粘着がさらに最適化される。真空クランプVCは、さらに、マスク・テーブルMT及び吸着カップSC、CUを貫通して延在している真空孔VHを備えている。真空孔VHは、真空領域VAに相対低圧力領域を生成している真空サプライVSに接続されている。真空サプライVSは、供給すべき真空の量を決定する制御器を備えている。制御器は、マスクMAと接触する複数のとげによって生成される粘着力を考慮するようにされている。
図7は、本発明の一実施例によるマスク・テーブルの断面を詳細に示したものである。詳細には、図7には、板ばね2を介してマスク・チャックMCの上に取り付けられ、且つ、ZサポートZSによってZ方向に支持された吸着カップCU、SCを備えた真空クランプVC、CLが示されている。Z方向は、マスクMA又は基板Wが配置される平面に対して平面外れで延在している方向である。Z方向は、通常、マスクMA又は基板Wが配置される平面に対して実質的に直角をなしている。つまりZ方向は、投影レンズの光軸に実質的に平行である。
複数のとげは、超小型電気機械システム(MEMS)技術を使用して、吸着カップCU又は他の適切な任意の構造中で製造することができる。とげは、一体化されることが可能であり、つまりマスク・テーブルの材料と同じ材料を使用して構築することができる。また、とげは、とげの接触領域に配置された被覆層を備えることができる。
本明細書においては、とりわけICの製造におけるリソグラフィ装置の使用が言及されているが、本明細書において説明したリソグラフィ装置は、集積光学系、磁気領域メモリのための誘導及び検出パターン、フラット・パネル・ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造などの他の用途を有していることを理解されたい。このような代替用途の文脈においては、本明細書における「ウェハ」又は「ダイ」という用語の使用はすべて、それぞれより一般的な「基板」又は「目標部分」という用語の同義語と見なすことができることは当業者には理解されよう。本明細書において言及されている基板は、例えばトラック(通常、基板にレジストの層を塗布し、且つ、露光済みのレジストを現像するツール)、度量衡学ツール及び/又は検査ツール中で、露光前又は露光後に処理することができる。適用可能である場合、本明細書における開示は、このような基板処理ツール及び他の基板処理ツールに適用することができる。また、基板は、例えば多層ICを生成するために複数回に亘って処理することができるため、本明細書において使用されている基板という用語は、処理済みの複数の層が既に含まれている基板を指している場合もある。
また、本発明による実施例の使用について、とりわけ光リソグラフィの文脈の中で言及されているが、本発明は、他の用途、例えば転写リソグラフィに使用することができ、文脈が許す場合、光リソグラフィに限定されないことは理解されよう。転写リソグラフィの場合、基板に生成されるパターンは、パターン形成装置のトポグラフィによって画定される。パターン形成装置のトポグラフィが、基板に供給されているレジストの層にプレスされ、次に、レジストを硬化させるべく、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組合せが印加される。レジストが硬化すると、パターン形成装置がレジストから除去され、後にパターンが残される。
本明細書に使用されている「放射」及び「ビーム」という用語には、紫外(UV)放射(例えば365nm、355nm、248nm、193nm、157nm又は126nmの波長或いはその近辺の波長の放射)及び極紫外(EUV)放射(例えば波長の範囲が5〜20nmの放射)、並びにイオン・ビーム又は電子ビームなどの粒子線を含むあらゆるタイプの電磁放射が包含されている。
文脈が許す場合、「レンズ」という用語は、屈折光学部品、反射光学部品、磁気光学部品、電磁光学部品及び静電光学部品を始めとする様々なタイプの光学部品のうちの任意の1つ又は組合せを意味している。
以上、本発明の特定の実施例について説明したが、説明した以外の方法で本発明を実践することができることは理解されよう。例えば本発明は、上で開示した方法を記述した1つ又は複数の機械可読命令シーケンスを含んだコンピュータ・プログラムの形態を取ることができ、或いはこのようなコンピュータ・プログラムを記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体記憶装置、磁気ディスク又は光ディスク)の形態を取ることができる。
以上の説明は例示を意図したものであり、本発明を限定するものではない。したがって、特許請求の範囲に示す各請求項の範囲を逸脱することなく、上で説明した本発明に改変を加えることができることは当業者には明らかであろう。
本発明の一実施例によるリソグラフィ装置を示す図である。 本発明の一実施例によるマスク・テーブルの平面図である。 本発明の一実施例によるマスクを支持しているマスク・テーブルを詳細に示す図である。 本発明の一実施例によるマスク・テーブルの平面図である。 複数のとげの平面図を含む、図4aのA部詳細平面図である。 本発明の一実施例によるマスクを支持している複数のとげの断面図である。 本発明の一実施例によるマスクを支持しているマスク・テーブルの断面の正面図である。 本発明の一実施例によるマスク・テーブルの詳細断面図である。

Claims (9)

  1. パターン形成された放射ビームを形成するべく放射ビームの断面にパターンを付与することができるパターン形成装置を支持するように構築された支持構造体、及び基板を保持するように構築された基板テーブルのうちの少なくともいずれか一方を備えたリソグラフィ装置であって、
    前記支持構造体及び基板テーブルのうちの少なくともいずれか一方が、それぞれ走査方向に移動するように配列されると共に、それぞれ前記パターン形成装置及び前記基板と接触する接触表面を備え、
    前記接触表面は、前記パターン形成装置及び前記基板の少なくともいずれか一方を支持する部分を有し、さらに、
    前記接触表面は、前記部分とは異なる位置に、それぞれ前記支持構造体とパターン形成装置、及び前記基板テーブルと基板の少なくともいずれか一方の間の相互粘着を増加するための複数の副接触表面を備えた複数のとげを有し、
    前記複数のとげが、前記走査方向に剛性を提供するように構築されると共に、前記パターン形成装置及び前記基板が配置される平面に対して実質的に直角の方向に柔軟性を提供するように構築された複数の板ばねとして作用するように形成され
    前記複数の板ばねが、
    第1の部分と、
    前記副接触表面を備えて且つ前記第1の部分に対して前記走査方向にオフセットされた第2の部分と、
    前記第1の部分と第2の部分を結合して且つ前記実質的に直角の方向に弾性である中間部分と、を備えた、リソグラフィ装置。
  2. 前記支持構造体が、真空クランプ領域を有する吸着カップを有する真空クランプをさらに備え、前記複数のとげが前記真空クランプ領域に提供されている、請求項に記載のリソグラフィ装置。
  3. 前記副接触表面がパターン形成された表面構造を形成している、請求項1又は2に記載のリソグラフィ装置。
  4. 前記副接触表面が、それぞれ前記支持構造体への前記パターン形成装置の粘着、及び前記基板テーブルへの前記基板の粘着のうちの少なくともいずれか一方のための十分な複合粘着エネルギーを提供している、請求項1ないしのいずれか一項に記載のリソグラフィ装置。
  5. 前記支持構造体及び前記基板テーブルのうちの少なくともいずれか一方を走査方向に移動させるための電動機をさらに備え、
    前記電動機が、前記支持構造体及び前記基板テーブルのうちの少なくともいずれか一方に対して、前記走査方向の加速力を付与し、前記支持構造体及び基板テーブルがそれぞれ前記走査方向へ移動すると、それぞれ前記パターン形成装置と前記支持構造体、及び前記基板と前記基板テーブルの少なくともいずれか一方の間の相互粘着が、前記パターン形成装置及び基板のうちの少なくともいずれか一方をそれぞれ前記支持構造体上及び基板テーブル上で保持する、請求項1ないしのいずれか一項に記載のリソグラフィ装置。
  6. 前記複数のとげが微細ターミナル・エレメントである、請求項1ないしのいずれか一項に記載のリソグラフィ装置。
  7. 前記複数の副接触表面が凸状に湾曲した形状の接触部分を備えた、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
  8. 対象を支持するように構築された支持構造体を備えた装置であって、
    前記支持構造体が所定の方向に移動するように配置され、且つ、前記支持構造体が前記対象と接触する接触表面を備え、
    前記接触表面は、前記対象を支持する部分を有し、さらに、
    前記接触表面は、前記部分とは異なる位置に、前記支持構造体と前記対象の間の相互粘着を増加するための複数の副接触表面を備えた複数のとげを有し、それにより前記支持構造体が前記所定の方向に移動すると前記対象が前記支持構造体の上に保持されることになるものであり、
    前記複数のとげが、前記所定の方向に剛性を提供するように構築されると共に、前記対象が配置される平面に対して実質的に直角の方向に柔軟性を提供するように構築された複数の板ばねとして作用するように形成され
    前記複数の板ばねが、
    第1の部分と、
    前記副接触表面を備えて且つ前記第1の部分に対して前記所定の方向にオフセットされた第2の部分と、
    前記第1の部分と第2の部分を結合して且つ前記実質的に直角の方向に弾性である中間部分と、を備えた、装置。
  9. パターン形成された放射ビームを形成するべく放射ビームの断面にパターンを付与することができるパターン形成装置を支持するように構築された支持構造体、及び基板を保持するように構築された基板テーブルのうちの少なくともいずれか一方を備えたリソグラフィ装置であって、
    前記支持構造体及び基板テーブルのうちの少なくともいずれか一方が、それぞれ走査方向に移動するように配列されると共に、それぞれ前記パターン形成装置及び前記基板と接触する接触表面を備え、
    前記接触表面は、前記パターン形成装置及び前記基板の少なくともいずれか一方を支持する部分を有し、さらに、
    前記接触表面は、前記部分とは異なる位置に、それぞれ前記支持構造体とパターン形成装置、及び前記基板テーブルと基板の少なくともいずれか一方の間の相互粘着を増加するための複数の副接触表面を備えた複数のとげを有し、
    前記支持構造体が、真空クランプ領域を有する吸着カップを有する真空クランプをさらに備え、前記複数のとげ及び前記部分が前記真空クランプ領域に提供されており、
    前記複数のとげが、前記走査方向に剛性を提供するように構築されると共に、前記パターン形成装置及び前記基板が配置される平面に対して実質的に直角の方向に柔軟性を提供するように構築された複数の板ばねとして作用するように形成され、
    前記複数の板ばねが、
    第1の部分
    前記副接触表面を備えて且つ前記第1の部分に対して前記走査方向にオフセットされた第2の部分
    前記第1の部分と第2の部分を結合して且つ前記実質的に直角の方向に弾性である中間部分と、を備え、
    前記支持構造体は、さらに、前記吸着カップを前記実質的に直角の方向に支持するためのサポートを備えている、リソグラフィ装置。
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