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微細な高純度金属酸化物の製造方法 Download PDF

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本発明は、シリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、半導体デバイスウエハ、磁気ディスク基板、水晶基板等の電子材料の研磨加工に用いることのできる微細な高純度金属酸化物、及びその製造方法に関するものである。
従来より、金属酸化物、特に市販の珪酸アルカリを原料として製造されるコロイダルシリカは、シリコンウエハの研磨材、ブラウン管製造における蛍光体の接着バインダー、電池中の電解液のゲル化剤および揺変や飛散防止剤など様々な用途に用いられてきた。しかし珪酸アルカリを原料としたコロイダルシリカは、原料の珪酸アルカリ水溶液に含まれる金属性不純物Fe、Cr、Ni、Cu、Zn等を含有し、シリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、半導体デバイスウエハ、磁気ディスク基板、水晶基板等の電子材料の研磨材としては不適な材料であった。特に半導体シリコンウエハの研磨加工時、研磨材中に存在する金属、特にCuはウエハ内部に深く拡散し、ウエハ品質を劣化させ、該ウエハによって形成された半導体デバイスの特性を著しく低下させるという事実が明らかとなった。そのため金属性不純物の混入を嫌う分野においては、これら金属性不純物を実質的に含まない高純度なシリカ原料から製造された高価なコロイダルシリカ製品を使用していた。
珪酸アルカリ水溶液を用いてコロイダルシリカやシリカゲルを製造する工程で不純物を除去する方法は数多く提案されている。例えば特許文献1には、高純度コロイダルシリカの製造方法として、珪酸アルカリ水溶液を純水で希釈した後、H型強酸性陽イオン交換樹脂に接触させて脱アルカリし活性珪酸の水溶液を得、さらに酸を加えて強酸性とした後H型強酸性陽イオン交換樹脂、OH型強塩基性陰イオン交換樹脂に接触させ高純度の活性珪酸とした後、粒子成長させて高純度コロイダルシリカを製造する方法が記載されている。特許文献2には、上記方法の酸と同時にシュウ酸を加える方法の記載がある。特許文献3には、珪酸アルカリ水溶液を純水で希釈した後、H型強酸性陽イオン交換樹脂に接触させて脱アルカリし(活性珪酸の作成)、さらに酸を加えて強酸性とした後、限外ろ過膜を用いて不純物を除去して得られたオリゴ珪酸溶液(高純度の活性珪酸)の一部に、アンモニアまたはアミンを加え加熱を行いヒールゾルを調製し、これに残りのオリゴ珪酸溶液を徐々に滴下し高純度シリカゾルを得る方法が記載されている。特許文献4には、上記同様に酸処理した珪酸アルカリ水溶液を、H型強酸性陽イオン交換樹脂、OH型強塩基性陰イオン交換樹脂に接触させ、これにアルカリ金属水酸化物水溶液を加え60〜150℃に加熱することにより安定な水性ゾル生成させ、さらに限外ろ過膜を介して水を除き、次いでH型強酸性陽イオン交換樹脂、OH型強塩基性陰イオン交換樹脂と接触させ、最後にアンモニアを加えてシリカ以外の多価金属酸化物を実質的に含まない安定な水性シリカゾルを生成する方法が記載されている。いずれの方法も酸性にした珪酸溶液をイオン交換樹脂に接触させて不純物イオンを除去する手段が基本になっている。これは不純金属成分が単なる金属カチオンの形態ではなく、水酸化物、酸化物、アニオン性酸化物、水和カチオン、金属珪酸塩など様々な形態で混在しているため、煩雑な工程が必要となると推定される。
特許文献5には、殺菌剤または殺生物剤の使用が記載されており、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドが殺生物剤とアルカリ剤の両方の効果があると記載されている。
一方、鉱業分野ではバクテリアリーチングという技術が開発され、細菌を用いて銅やウランの回収が実用化されている。また、環境浄化の分野でもバクテリア
のような微生物の利用が開発されつつあり、例えば特許文献6には、バクテリアを用いて土壌もしくは河川水からのアルミニウムイオン、マンガンイオンの除去方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1〜4に記載の方法では工程が煩雑に長いばかりでなく、希薄な珪酸液を強酸性にするために大量の酸を使用しなくてはならず、その酸を後工程で除去しなくてはならず、そのアニオン交換法による除去では樹脂の再生にまた数倍のアルカリを必要とし、コスト的に問題がある。
特許文献5には、殺菌剤または殺生物剤の使用が記載されているが、金属成分の除去については言及されていない。
また、バクテリアリーチングや環境浄化の技術を金属酸化物の精製に応用する試みは開示されていない。
したがって本発明の目的は、微生物を利用して、微細な高純度金属酸化物を低コストで製造可能な製造方法を提供することにある。
特開平5-97422号公報 第2頁 特許請求の範囲 特開平4-231319号公報 第2頁 請求項1 特開昭61-158810号公報 第1頁 請求項1 特開平4-2606号公報 第1頁 特許請求の範囲 特開平3-197575号公報 第5頁 特開平10-271990号公報 第2頁
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、上記のような従来の課題を解決することができた。すなわち本願の第一の発明は、不純金属成分の少ない微細な高純度金属酸化物を製造する方法であって、金属酸化物に不純金属成分と結合し得る微生物を接触させる工程、殺生物剤を添加する工程、不純金属成分を含有する金属酸化物と微生物のフロックを形成させる工程、前記フロックを除去する工程、を有することを特徴とする、微細な高純度金属酸化物の製造方法に関するものである。不純金属成分と結合し得る微生物は、Shewanella属細菌が好ましい。
また、本願の第二の発明は、第一の発明の方法によって得られた不純金属成分の少ないコロイダルシリカに関するものである。このコロイダルシリカは、シリカ当たりのCuの含有率が100ppb以下、Znの含有率が100ppb以下、Niの含有率が100ppb以下、Mgの含有率が10ppm以下であることが好ましい。また、このコロイダルシリカは、シリカの粒子径が5〜150nmであり、かつシリカの濃度が10〜60重量%であることが好ましい。
本発明は、微細な高純度の金属酸化物を低コストで製造することができる方法に係るものであり、本発明の製造方法により得られた微細な高純度の金属酸化物は、金属不純物量が極めて少量であるため、シリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、半導体デバイスウエハ、磁気ディスク基板、水晶基板等の電子材料の研磨加工に有用である。
以下、本発明をさらに説明する。微細な金属酸化物としては、コロイダルジルコニア、コロイダルアルミナ、コロイダルチタニア、コロイダルセリア、コロイダルシリカ等が挙げられる。以下コロイダルシリカを例にとり説明する。
原料として用いる珪酸アルカリ水溶液としては、通常水ガラス(水ガラス1号〜4号等)と呼ばれる珪酸ナトリウム水溶液が好適に用いられる。このものは比較的安価であり、容易に手に入れることができる。また、Naイオンを嫌う半導体用途の製品を考慮すると珪酸カリウム水溶液は高純度化の対象にふさわしい。固体状のメタ珪酸アルカリを水に溶かして珪酸アルカリ水溶液を調製する方法もある。メタ珪酸アルカリは晶析工程を経て製造されるため、不純物の少ないものがある。珪酸アルカリ水溶液は、必要に応じて水で希釈して使用する。
本発明で使用するコロイダルシリカの製造方法は、公知のイオン交換法、解膠法などいずれでも良く、ヒュームドシリカの水性分散コロイドでも良い。その粒子の形状も真球状以外の細長い形状、繭状、俵状、数珠状であってもよい。最も一般的な方法としてイオン交換法を例にして説明する。珪酸アルカリ水溶液はシリカ濃度3〜10wt%に水で希釈して使用する。金属と結合し得る微生物はこの希釈時に添加することができる。希釈珪酸アルカリは次いでH型強酸性陽イオン交換樹脂に接触させて脱アルカリし、必要に応じてOH型強塩基性陰イオン交換樹脂に接触させて脱アニオンする。接触条件の詳細は、従来から既に様々な提案があり、本発明ではそれら公知のいかなる条件も採用することができる。この工程により、活性珪酸水溶液が調製される。金属と結合し得る微生物はこの酸性を呈する活性珪酸水溶液に添加することもできる。
次いで、コロイド粒子の成長工程を行う。この成長工程は、常法に準じて行うことができ、例えばコロイド粒子の成長のため、pHが8以上となるようアルカリ剤を添加し、60〜100℃に加熱することができる。また、ビルドアップの方法をとり、pHが8以上の60〜100℃の種ゾルに、活性珪酸を添加していく方法もある。また、希釈した珪酸アルカリ水溶液に活性珪酸を添加していくビルドアップの方法も可能である。アルカリ剤としてはNaOH、KOHなどのアルカリ金属水酸化物や、アミン、第四級アンモニウム水酸化物などの有機塩基を使用することができる。またそれらの珪酸アルカリ水溶液も使用することができる。アルカリ金属水酸化物を使用して粒子成長した希薄なアルカリ性のコロイダルシリカに金属と結合し得る微生物の添加を行うことができる。この工程以前に金属と結合し得る微生物の添加が実施されていれば、この工程で殺生物性を有する第四級アンモニウム水酸化物を使用して金属と結合し得る微生物を殺菌することもできる。この場合は、生成したフロックを分離して次の操作を行うことができる。
次に、限外濾過によりシリカを濃縮する。以下、使用される限外濾過膜について説明する。限外濾過膜が適用される分離は対象粒子が1nmから数ミクロンであるが、溶解した高分子物質をも対象とするため、ナノメータ域では濾過精度を分画分子量で表現している。本発明では、分画分子量15000以下の限外濾過膜を好適に使用することができる。この範囲の膜を使用すると1nm以上の粒子は分離することが出来る。更に好ましくは分画分子量3000〜15000の限外濾過膜を使用する。3000未満の膜では濾過抵抗が大きすぎて処理時間が長くなり不経済であり、15000を超えると、精製度が低くなる。膜の材質はポリスルホン、ポリアクリルニトリル、燒結金属、セラミック、カーボンなどがあり、いずれも使用することができるが、耐熱性や濾過速度などからポリスルホン製が使用しやすい。膜の形状はスパイラル型、チューブラー型、中空糸型などあり、いずれも使用することができるが、中空糸型がコンパクトで使用しやすい。 限外濾過によりシリカの濃度が10〜60重量%となるように濃縮するのがよい。金属と結合し得る微生物はこのアルカリ性を呈する濃縮コロイダルシリカに添加することもできる。この場合、金属と結合し得る微生物を添加したコロイダルシリカは1時間以上の充分な攪拌を行い、殺生物剤や殺菌剤を添加するまで1日以上の養生期間を設け、微生物と金属成分の接触を充分に行う必要がある。
本発明で使用される金属と結合し得る微生物としては、例えばバクテリアリーチングに使用されるTiobacillus ferrooxidans、重金属耐性菌であるPseudomonas aeruginosa、Klebsiella rhinoscleromatis、あるいは活性汚泥法に用いられるZoogloea属、Pseudomonas属、Flavobacterium属、Alcaligenes属、Bacillus属の細菌類、特に糸状性細菌であるSphaerotilus natansや、Bacillus subtilis、Escherichia coli、Flavobacterium、 Tiothrix、Beggiatoa、Nocardia、Shewanellaなどの細菌、Geotricum、Fusariumなどのカビ、Candidaなどの酵母があげられる。また、大気中から落下してくるMicrococcus属やSarcina属などの細菌、Aspergillus属、Penicillium属、Alternaria属、Cladosporium属、Mucor属、Trichoderma属、Botrytis属などのカビでもよい。また、Pseudomonas属やAlcaligenes属の細菌は河川水の使用により利用することが出きる。
本発明で使用される微生物の量は、原料の珪酸アルカリ水溶液に含まれる金属不純物の量をもとにして決めることができる。微生物の種類や珪酸アルカリの品質によっても使用量は異なるが、珪酸アルカリ水溶液に含まれる金属不純物のうちAlは格段と量が多いのでこれを除去するかどうかでも、使用量は大変異なる。一般的には1×101〜1×106個/mlであり、好ましくは1×102〜1×105個/mlである。
本発明において殺生物剤とは一般に殺菌剤といわれるものも含む。殺生物剤としては、第四級アンモニウム水酸化物、第四級アンモニウム塩、エチレンジアミン、グルタルアルデヒド、過酸化水素、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、亜塩素酸ナトリウムなど公知の殺生物剤が使用できる。これらの殺生物剤は、2種類以上を併用することができ、その場合、任意の割合で併用することができる。第四級アンモニウム水酸化物としてはテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(以下TMAHと記載する)はアルカリ剤としての役割もこなすことが出来るため最も好ましい。
また、殺菌剤として知られているジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ナトリウムオマジン、塩化ベンザルコニウム、過酸化水素などの水溶性殺菌剤も使用でき、殺生物剤と併用することもできる。 ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムや過酸化水素のように分解性で有害成分の残らないものは好ましい。
本発明で使用される殺生物剤の量は、金属と結合し得る微生物の量により適宜調節する必要があるが、TMAHのようにアルカリ剤としての量は殺生物目的の量に比べ遙かに大きいので特に限定することなく大過剰に使用することが出きる。殺生物剤の添加は攪拌下に行うのが好ましく、添加後も均一に混合されるよう10分以上、好ましくは1時間以上の攪拌を行うのがよい。
このようにして、不純金属成分を含有するシリカと微生物のフロックが形成されるのであるが、フロック中には不純金属成分と微生物が濃縮されており、また微生物は大部分が死滅していると考えられる。このフロックを除去して不純金属成分の少ないコロイダルシリカを製造するのであるが、フロックの除去方法としては遠心分離、沈降分離、濾過などの分離方法が適用でき、それらを組み合わせて行うことが好ましい。シリカ濃度が高い場合にはフロックは液上部に浮くので、上部を除去することで分離できる。静置自然沈降や静置自然浮上を行う場合には、攪拌を停止した後4時間以上、好ましくは1日以上の静置時間を掛けるのがよい。
金属と結合し得る微生物を接触させ、その後殺生物剤を加えることによりコロイダルシリカ中の不純金属成分を高濃度で含有するフロックが形成される機構は、必ずしも明らかではないが、1)微生物自身の表面に不純物である金属のイオンまたはコロイドが電荷的に結合する、2)微生物が産生する繊維状菌糸に不純物である金属のイオンまたはコロイドが電荷的にからまり金属と微生物の結合体を生成する、3)菌糸の生成する粘性物質と不純物である金属が結合して結合体となり、これらの結合体がアルカリ剤を入れることによりコロイダルシリカから分離して上部にフロックを形成する、等が考えられる。
フロック分離後に精密濾過を行うことは残余の微生物の除去のため好ましい。この場合には1ミクロン以上の粒子を除去できるような性能の濾過器の使用が好ましい。更に好ましくは0.3ミクロン以上の粒子を除去できるような性能の濾過器である。
また、微生物を確実に殺菌するために再度、殺生物剤を添加することも好ましい。殺生物剤としては前記の薬剤が適用でき、その量は1ppm〜10ppmが好ましい。ただし前記のようにアルカリ剤としての役割のあるTMAHのような薬剤は10ppm以上で任意の量が使用できる。
本発明の方法によれば不純金属成分の少ない高純度金属酸化物を得ることができるが、場合によっては、本願出願人らによって出願された特開2001−294417号公報、2003−89786号公報に記載されているように、キレート化剤やキレート樹脂により不純金属成分を除去する方法を併用することもできる。
これらの方法によって得られたコロイダルシリカは、Cu、Zn、Ni、Mg等の不純金属成分が非常に少ないものであり、好ましくは、シリカ当たりのCuの含有率が100ppb以下、Znの含有率が100ppb以下、Niの含有率が100ppb以下、シリカ当たりのMgの含有率が10ppm以下である。
また、本発明によって得られたコロイダルシリカの粒子径は5〜150nmであり、かつシリカの濃度は10〜60重量%である。
(実施例1)
水216kgにJIS3号珪酸ソーダ(SiO2:28.8重量%、Na2O:9.7重量%、H2O:61.5重量%)40kgを加えて均一に混合しSiO2濃度4.5重量%の希釈珪酸ソーダを作成した。この希釈珪酸ソーダは、シリカ当たりのCu、Zn、Ni、Mgの含有率がそれぞれ280ppb、300ppb、500ppb、60ppmであった。
この希釈珪酸ソーダを予め塩酸によって再生したH型強酸性陽イオン交換樹脂のカラムに通して脱アルカリし、SiO2濃度3.8重量%でpH2.9の活性珪酸300kgを得た。この活性珪酸中のCu、Zn、Ni、Mgの濃度はほとんど変化しておらずイオン交換ではこれら元素は除去されていなかった。
別途、500Lの容器にShewanella属細菌の生息する水100Lを仕込み、SiO2濃度30重量%で粒子径40nmのコロイダルシリカを11.5kg添加し、撹伴下10重量%NaOHを添加してpHを10にし、95℃に加熱して1時間この温度を保った後、95℃に加熱保持したまま攪拌下に上記の活性珪酸300kgを24時間かけて添加した。活性珪酸の添加中は10重量%NaOHを同時添加してpHを10に保った。添加終了後50℃まで放冷して、分画分子量10000の中空糸型限外濾過膜(旭化成(株)製マイクローザUFモジュールSLP−3053)を用いてポンプ循環送液による加圧濾過を行い、粒子径が65nmでSiO2濃度40%のコロイダルシリカ約37kgを回収した。このコロイダルシリカはShewanella属細菌の生菌数が1.3×105/mlであった。
上記のコロイダルシリカ約37kgを強攪拌して、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム5%水溶液370gを加え1時間攪拌を続けた後10日間静置した。静置したコロイダルシリカの上部は褐色の浮遊物があり、これを吸引除去した。
こうして得られたコロイダルシリカは、シリカ当たりのCu、Zn、Ni、Mgの含有率がそれぞれ60ppb、200ppb、80ppb、6ppmであった。
(実施例2)
容器底部に液の抜き取り口のついた5Lのガラス容器に、SiO2濃度40重量%で粒子径150nmのコロイダルシリカを5kg入れた。このコロイダルシリカはシリカ当たりのCu、Zn、Ni、Mgの含有率がそれぞれ150ppb、250ppb、300ppb、40ppmであった。また、Shewanella属細菌の生菌数は6.5×103/mlであった。このコロイダルシリカを強攪拌し、20%TMAH水溶液5gを加え、2時間攪拌を続けたのち、攪拌を停止し、48時間静置した。静置後の液上部は褐色を呈しており、この部分を残すように、容器底部より液を抜き取った。抜き取ったコロイダルシリカは、シリカ当たりのCu、Zn、Ni、Mgの含有率がそれぞれ45ppb、90ppb、40ppb、6ppmであった。一方、容器に残した褐色を呈するコロイダルシリカは、シリカ当たりのCu、Zn、Ni、Mgの含有率がそれぞれ1500ppb、300ppb、6000ppb、400ppmであった。
本発明によれば、微細な高純度金属酸化物を、低コストで製造することができ、本発明の製造方法により得られた微細な高純度金属酸化物は、金属不純物量が極めて少量であるため、シリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、半導体デバイスウエハ、磁気ディスク基板、水晶基板等の電子材料の研磨加工に有用である。

Claims (3)

  1. 不純金属成分の少ない微細な高純度金属酸化物を製造する方法であって、金属酸化物に不純金属成分と結合し得る微生物を接触させる工程、殺生物剤を添加する工程、不純金属成分を含有する金属酸化物と微生物のフロックを形成させる工程、前記フロックを除去する工程、を有することを特徴とする、微細な高純度金属酸化物の製造方法。
  2. 不純金属成分と結合し得る微生物がShewanella属細菌である請求項1に記載の製造方法。
  3. 微細な高純度金属酸化物がコロイダルシリカである請求項1または2に記載の製造方法。
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