JP4578706B2 - 酸性付着物の除去方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボイラ等の燃焼装置に付着する酸性付着物を除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ボイラ等の燃焼装置には、燃焼炉から煙突までの間に配置された装置又は配管において、硫黄成分を含む燃料を燃焼させた場合、燃焼の際に発生する高温の燃焼排ガス(以下、燃焼排ガスという)が接触する部分に、硫黄化合物を含有する酸性付着物が生成する。特に、ボイラには、燃料の燃焼効率向上のため、燃焼排ガスと低温の燃焼用空気とを熱交換させる装置(以下、熱交換器という)が設置されており、この酸性付着物が生成しやすい。
【0003】
通常、ボイラ運転中においては、燃焼排ガスの温度が硫酸の露点より高いため、燃焼排ガス中に含まれるSO3等の硫黄化合物(以下、SO3成分と記す)は、燃焼炉から煙突までの間に配置された装置又は配管(以下、装置内という)に硫酸として凝縮することはない。しかし、ボイラ運転を停止すると、装置内は硫酸の露点以下となるため、排ガス中のSO3成分が装置内に付着し、硫酸として凝縮する。そして、この硫酸が、燃料油に含有されるか又は燃焼時に添加される、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バナジウム等からなる群から選ばれる一つ以上の成分と反応し、酸性の固形塩、例えば、硫酸水素アンモニウム等に代表される硫酸水素塩が生成し、この硫酸水素塩がダスト等と混合し、装置内に付着する。この装置内に付着する物質を酸性付着物という。酸性物質には、他に、燃料、燃焼方法及び燃焼条件に起因する塩酸、硝酸、硫酸等の酸性物質も含まれ、さらに、酸性付着物中には水に溶解しない鉄錆、粉塵及び煤も含有されると考えられる。
【0004】
この酸性付着物がボイラ等の燃焼装置内に残留すると、燃焼運転の継続に従い、ガスの流通を妨げる他、装置内の鉄等の金属が腐食する等の問題があるため、定期的にこの酸性付着物を除去する必要がある。
【0005】
従来、酸性付着物の除去は、ボイラ等の燃焼装置において、熱交換器の場合は、熱交換装置を構成する蓄熱要素部品(以下、エレメントという)を取り付けたまま、又は、取り外して水で洗浄する方法が一般的であった。
【0006】
しかし、この酸性付着物を水で洗浄すると、酸性付着物中の硫酸成分が水に溶解して酸性水溶液が生成する。特に、熱交換器の場合はエレメントの形状が複雑であるため、多量の水で洗浄してもエレメントの細部には希硫酸が残存しやすい問題がある。このように、酸性付着物を水洗浄する際に生成する硫酸により、通常、熱交換器エレメントやその他、バルブや除塵設備等の煙道中に配置される機器に使用される金属製部分において、腐食が発生し、設備寿命や安定連続運転上大きな問題である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ボイラ等の燃焼装置における酸性付着物を短時間で安全に容易に除去し、かつ、排水量を削減する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、燃焼排ガスが接触する部分に付着した、硫黄化合物を含有する酸性付着物を、アルカリ金属の炭酸塩及び/又はアルカリ金属の炭酸水素塩の水溶液と接触させて除去することを特徴とする酸性付着物の除去方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、ボイラ等の燃焼炉から煙突までの間に配設された装置又はその構成部品、配管等に付着した酸性付着物の除去に適用できる。特に、熱交換器は、形状が複雑であること、エナメルコーティング(ほうろう加工と同じ)されている場合が多いこと等から、従来の除去方法に対する本発明の効果が顕著である。熱交換器のうち、蓄熱再生式回転式型熱交換器は形状及び材質の点で特に適している。蓄熱再生式回転式型熱交換器としては、ユングストローム式熱交換器(アルストムパワー社製)、回転式熱交換器(カンケンテクノ社製)等が挙げられる。
【0010】
本発明におけるアルカリ金属の炭酸塩及び/又はアルカリ金属の炭酸水素塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。このうち、炭酸水素ナトリウムは、水に溶解させたときのpHが低く弱アルカリ性であることから、水質汚濁防止法に定められている水素イオン濃度の規制値を超えず、かつ、作業者が安全に取扱うことができるので、特に好ましい。ナトリウムの混入を避ける場合及び水溶液の濃度を上げる場合には、炭酸水素カリウムを使用することが好ましい。本明細書では、アルカリ金属の炭酸塩及び/又はアルカリ金属の炭酸水素塩を以下、総称して、アルカリ金属炭酸塩類という。
【0011】
アルカリ金属炭酸塩類は、酸性付着物と反応して、二酸化炭素ガスを発生し、発泡するので、酸性付着物を発泡する機械的作用により剥離しながら、溶解する。酸性付着物中の鉄錆、粉塵及び煤等も同時に剥離して除去する。二酸化炭素の発泡により、洗浄効果が上がり、洗浄時間の短縮ができる。被洗浄物の形状が複雑で洗浄しにくいものであっても短時間に洗浄できる。
【0012】
炭酸水素ナトリウムは炭酸ナトリウムに比べ、物質単位質量あたりの炭酸根の含有量が多いので、発泡を利用した洗浄には炭酸水素ナトリウムの方が炭酸ナトリウムより好ましい。ただし、洗浄時のpHを9以上に調整する場合は、炭酸ナトリウムを使用することが好ましい。
【0013】
本発明において、アルカリ金属炭酸塩類として炭酸水素ナトリウムを使用する場合は、水溶液の濃度は、3〜16質量%であることが好ましい。炭酸水素ナトリウム水溶液の濃度が3質量%未満であると、使用する洗浄水の量が大きくなるので好ましくなく、また、濃度が16質量%超であると、水溶液の液温を高くする必要があり、簡便で安全な作業を実施する観点から好ましくない。炭酸水素ナトリウム水溶液の濃度は5〜14質量%が特に好ましい。
【0014】
本発明では、アルカリ金属炭酸塩類の水溶液の温度は80℃以下が好ましい。
温度80℃以下であることにより安全に作業できる。アルカリ金属炭酸塩類の水溶液の温度は60℃以下が特に好ましい。
【0015】
本発明では、アルカリ金属炭酸塩類の水溶液に、固体のアルカリ金属炭酸塩類を含むことにより、より多量の酸性付着物にも使用でき、かつ、排水量を少なくできるので好ましい。
【0016】
アルカリ金属炭酸塩類が炭酸水素ナトリウムである場合、炭酸水素ナトリウム水溶液中の炭酸水素ナトリウム固体濃度は、0.1〜30質量%が好ましい。固体濃度が0.1質量%未満であると、固体炭酸水素ナトリウムを含まない場合と比較して効果に大差がないので好ましくない。固体濃度が30質量%超であると、スラリの粘度が上がり、被洗浄物内に固体炭酸水素ナトリウムが残留する場合があり、均一に洗浄できなくなるので好ましくない。炭酸水素ナトリウム水溶液の固体濃度は2〜25質量%が特に好ましい。
【0017】
本発明において、アルカリ金属炭酸塩類の水溶液は、塩化ナトリウム含有量が0.1質量%以下であることが好ましい。塩化ナトリウムの含有量が0.1質量%超であると、塩素イオンがステンレス鋼等を腐食させ、応力割れを起こす場合があるので好ましくない。塩化ナトリウムの含有量は、0.05質量%以下が特に好ましく、さらには0.01質量%以下であることが好ましい。
【0018】
本発明において、酸性付着物とアルカリ金属炭酸塩類の水溶液とを接触させる方法としては、被処理物をアルカリ金属炭酸塩類の水溶液に浸漬する方法、又は、該水溶液を噴霧する方法が好ましい。被処理物が、脱着式の部品であれば取り外して水溶液に浸漬することが好ましく、煙道又はエアヒータ等を装置に付属した状態で処理する場合は、水溶液をスプレー等により噴霧することが好ましい。
【0019】
本発明において、アルカリ金属炭酸塩類の水溶液のpHは6.5〜8.5であることが好ましい。被処理物を水溶液に浸漬して処理する場合、酸性付着物の除去が進むにつれてpHが下がり、pH6.5未満になるおそれがある。アルカリ金属炭酸塩類の水溶液及び/又は粉末を適時追加することが好ましい。pHが6.5未満であると、設備が腐食する場合があり、pH8.5超では、洗浄水中にアルカリ金属の炭酸塩やアルカリ金属の炭酸水素塩が未反応で残留し、その結果、薬剤が無駄に使用されること、エレメントにほうろうコーティングされている場合には、ほうろうがアルカリにより侵食されることから好ましくない。pHは6.9〜8.4が特に好ましい。
【0020】
本発明において、酸性付着物の除去後は、水洗により被処理物に付着した反応物、鉄錆及び粉塵等を除去することが好ましい。水洗浄は、洗浄後の水のpHが6.0〜8.0になるまで行う。洗浄後の水のpHが6.0未満では、酸性付着物が残留している可能性が高く、pHが8.0超であると、炭酸水素ナトリウムが残留している場合がある。洗浄後の水のpHは6.5〜7.5が特に好ましい。
【0021】
【実施例】
[例1(実施例)]
洗浄液として濃度10%炭酸水素ナトリウム水溶液を作製して約20L容器に満たした。この洗浄液の入った容器内に堅軸型蓄熱再生式回転式型熱交換器(アルストムパワー社製)のエナメルコーティングされたエレメント(母材:ほうろう用鋼板)を浸漬させた。この際の洗浄液のpHは8であった。洗浄液に上記エレメントを浸漬させたところ、直に発泡が起き、酸性付着物が剥離しはじめた。
約3時間経過後、酸性付着物はほぼ完全に剥離した。引き続き、エレメントを洗浄液に一晩浸漬した後、洗浄液からエレメントを引き上げて洗浄水のpHが7.5になるまで、工業用水で洗浄を行った。
【0022】
洗浄作業終了後の点検の結果、エレメントに付着していた酸性付着物は完全に除去されており、エレメントには腐食も発見されなかった。
【0023】
[例2(比較例)]
洗浄液として濃度10%炭酸水素ナトリウム水溶液の代わりに工業用水を使用した以外は、例1と同様に行った。容器内の工業用水にエレメントを浸漬した際のpHは2であった。例1と同様、エレメントを一晩、工業用水に浸漬させた後、洗浄液からエレメントを引き上げて洗浄水のpHが7.5になるまで、洗浄を行った。
【0024】
洗浄作業終了後の点検の結果、エレメントに付着していた酸性付着物はほとんど除去されておらず、エレメントには腐食が発見された。
【0025】
[例3(実施例)]
発電所の燃焼炉に設置されたエアヒータを定置式洗浄設備を使用して濃度6%炭酸水素ナトリウム水溶液により洗浄した。このエアヒータは、6%の硫黄分を含む重油を燃料としておよそ4ヶ月間稼動していた。
【0026】
なお、エアヒータの型式は、例1と同様、竪軸型蓄熱再生式回転型熱交換器(アルストムパワー社製)で、エレメントの材質は、高温部がマイルドスチール(SS400)であり、低温部がほうろう用鋼板(GPE、新日本製鐵社製)の母材にエナメルコーティングを施したもので、エレメントの個数は合計およそ200個であった。
【0027】
このエアヒータに付着していた酸性付着物を採取し、成分を分析したところ、表1のとおりであった。
【0028】
表1の組成で、ナトリウム(以下、Naとする)、カリウム(以下、Kとする)、カルシウム(以下、Caとする)、バナジウム(以下、Vとする)等は、重油由来であり、マグネシウム(以下、Mgとする)は主に重油添加剤で、アンモニウムイオン(以下、NH4 +とする)は、SO3成分除去のために排ガスに注入されたアンモニアガスに由来する物質であり、水不溶解物は鉄錆又は未燃カーボン等のダストである。
【0029】
【表1】
【0030】
例1での設備構成を図1に示す。エアヒータは、ボイラ1から排出される高温の排ガスと低温の燃焼用空気との間で熱交換させて燃焼用空気の温度を上昇させる熱交換器2である。
【0031】
撹拌槽6を使用して濃度6%炭酸水素ナトリウム水溶液を作成し、排水ピット7に送り、洗浄用配管8を通してエアヒータ2内に、濃度6%炭酸水素ナトリウム水溶液を送り込んで噴霧した。洗浄液は、洗浄用配管9を通り、排水ピット7に戻る。排水ピット7のpHが7.0以下とならないように確認しながら洗浄作業を実施し、洗浄液の中性領域でのpHの変動が無くなった時点で洗浄作業終了とした。
【0032】
炭酸水素ナトリウム3000kgを水50m3に溶解させて洗浄液を作製し、洗浄の途中で275kgを4.3m3の水に溶解して追加し、最終的に炭酸水素ナトリウムを3275kg、工業用水を54.3m3使用した。洗浄液のpHは、作業開始時pH8.03から90分後にpH7.85であった。
水洗浄は、工業用水により噴射ノズルで50m3/時で1時間行った。pHは、水洗浄開始時7.85から150分後7.33であった。
【0033】
本実験において、洗浄作業では、作業時間が2.5時間、工業用水使用量が104m3であった。
洗浄作業終了後の点検の結果、酸性付着物が完全に除去されており、エレメントの腐食は発見されなかった。
【0034】
[例4(比較例)]
例3と同じエレメントを工業用水でジェット洗浄を行った。
洗浄作業は、作業時間が11時間、工業用水使用量が約600m3で行った。
洗浄作業終了後の点検の結果、エレメントには酸性付着物が残存しており、エレメントの腐食が発見された。
【0035】
[例5(比較例)]
洗浄液として濃度6%炭酸水素ナトリウム水溶液を使用する代わりに工業用水を使用した以外は、例3と同様にして、噴射ノズルで洗浄水のpHが6.0以上になるまで水洗浄を行った。水洗浄は、工業用水を50m3/時で12時間行った。
洗浄作業終了後の点検の結果、エレメントには酸性付着物が残存しており、エレメントの腐食が発見された。
【0036】
[例6(実施例)]
発電所の燃焼炉に設置されていたエアヒータのエレメントを取り外して濃度5%炭酸水素ナトリウム水溶液により以下のとおり洗浄した。このエアヒータは、0.3%の硫黄分を含む重油を燃料としておよそ2ヶ月稼動していた。
なお、エアヒータの型式は、横軸型蓄熱再生式回転型熱交換器(アルストムパワー社製)で、高温部はマイルドスチール鋼板(SS400)、低温部は耐食鋼(CRLS、新日本製鐵社製)である。
エアヒータに付着していた酸性付着物を採取し、成分を分析した結果を表2に示す。表2における各成分の由来は、例1と同じである。
【0037】
【表2】
【0038】
貯槽の中において、洗浄液として濃度5%炭酸水素ナトリウム水溶液を作製し、エレメントを洗浄液に浸漬した。洗浄液のpHが7.0〜8.0の間にあるように監視しながら、エレメントを3時間浸漬した後、洗浄液中よりエレメントを引き上げ、洗浄水のpHが7.8になるまで水洗浄を行った。洗浄は、サイズ850×840×500mmのエレメント264個について行った。炭酸水素ナトリウムの使用量は6000kgであり、工業用水の使用量は洗浄液、水洗浄合わせて400m3であった。
洗浄作業終了後の点検の結果、酸性付着物は完全に除去されており、エレメントの腐食は発見されなかった。
【0039】
[例7(実施例)]
洗浄液として、濃度6%炭酸水素ナトリウム水溶液の代わりに固体濃度2.9%の炭酸水素ナトリウムスラリを使用した以外は、例3と同様に行った。
撹拌層6において、炭酸水素ナトリウム3275kgに工業用水25m3を加えて、排水ピット7に送液した。排水ピット7においては、固形分が沈降しないよう撹拌機で撹拌しつづけた。洗浄を90分間行った後、工業用水にて50m3/時、1時間噴射ノズルで洗浄を行った。
洗浄作業終了後の点検の結果、酸性付着物は完全に除去されており、エレメントの腐食は発見されなかった。
本実験では、炭酸水素ナトリウムスラリで行っているため、洗浄液に使用する水の量は、例3に比べ少量に抑えることができた。
【0040】
[例8(実施例)]
洗浄液として、濃度6%炭酸水素ナトリウム水溶液を使用する代わりに濃度15%炭酸ナトリウム水溶液を使用する以外は、例5と同様に行った。
洗浄液のpHが6.0〜10.5の間にあるように監視しながら、エレメントを3時間浸漬した後、洗浄水のpHが7.8になるまで水洗浄を行った。炭酸ナトリウムの使用量は3800kgで、工業用水の使用量は洗浄液、水洗浄で合わせて250m3であった。
洗浄作業終了後の点検の結果、酸性付着物は完全に除去されており、エレメントの腐食は発見されなかった。
【0041】
[例9(実施例)]
濃度5%炭酸水素ナトリウム水溶液、濃度5%硫酸水素ナトリウム水溶液、濃度1%硫酸水溶液及び水の、鉄に対する腐食性を比較した。
試験用鉄板(山本鍍金試験器社製、商品名:ハルセル)の表面の亜鉛メッキを希硫酸で除去した後、水、アセトンで洗浄して乾燥させて、上記各水溶液中に72時間、浸漬させた。上記各水溶液に浸漬前後における各試験用鉄板の質量差を測定し、比較した。比較結果を表3に示す。
表3より、酸性付着物の主成分と考えられる硫酸水素ナトリウムに腐食作用があることと、炭酸水素ナトリウムに腐食作用がないことが分かる。
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】
本発明により、硫黄分を含有する燃料の燃焼により発生する、ボイラ等において熱交換器、集塵設備及び配管等ガス流路に設置される装置等に付着する、酸性付着物を装置基材を腐食させることなく、短時間で、効率良くかつ簡便、安全に除去できる。さらに排水量も削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】重油を燃焼した排ガスによる装置の一態様を示す図。
【符号の説明】
1:ボイラ
2:エアヒータ(空気予熱機)
3:集塵機
4:脱硫装置
5:煙突
6:撹拌槽
7:排水ピット
8:洗浄配管(行き)
9:洗浄配管(戻り)
Claims (9)
- 燃焼排ガスが接触する部分に付着した、硫黄化合物を含有する酸性付着物を、アルカリ金属の炭酸塩及び/又はアルカリ金属の炭酸水素塩の水溶液と接触させて除去することを特徴とする酸性付着物の除去方法。
- 前記酸性付着物が、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バナジウムからなる群から選ばれる一つ以上のイオンを含む硫酸塩を含有する請求項1に記載の酸性付着物の除去方法。
- 前記酸性付着物が、ボイラの燃焼炉から煙突までの間に配置された装置又は配管に付着したものである請求項1又は2に記載の酸性付着物の除去方法。
- 前記アルカリ金属の炭酸塩及び/又はアルカリ金属塩の炭酸水素塩の水溶液が、固体のアルカリ金属の炭酸塩及び/又はアルカリ金属の炭酸水素塩を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸性付着物の除去方法。
- 前記アルカリ金属の炭酸塩及び/又はアルカリ金属の炭酸水素塩が、炭酸水素ナトリウムである請求項1〜4のいずれか一項に記載の酸性付着物の除去方法。
- 前記炭酸水素ナトリウムの水溶液の濃度が3〜16質量%である請求項5に記載の酸性付着物の除去方法。
- 前記炭酸水素ナトリウムの水溶液が炭酸水素ナトリウムの固体を濃度0.1〜30質量%含有する請求項6に記載の酸性付着物の除去方法。
- 前記酸性付着物が、前記アルカリ金属の炭酸塩及び/又はアルカリ金属の炭酸水素塩の水溶液に浸漬及び/又は前記水溶液を噴霧された後、水洗浄する請求項1〜4のいずれか一項に記載の酸性付着物の除去方法。
- 前記ボイラの燃焼炉から煙突までの間に配置された装置又は配管が蓄熱再生式回転式型熱交換器である請求項3に記載の酸性付着物の除去方法。
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