JP5402297B2 - 伝熱管群の洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は伝熱管群の洗浄方法に係り、特にフィンを有する伝熱管を水平に並設した伝熱管群の伝熱管外面を洗浄する方法に関する。
ボイラや排ガス煙道等に設置された伝熱管の外面には、スケールやダスト等が付着する。また、排ガス脱硝のために排ガス中にアンモニアを添加する場合には、硫酸アンモニウム系化合物が付着する。
このような伝熱管外面の付着物を除去する洗浄方法として、界面活性剤や、界面活性剤と酸又はアルカリ等の洗浄薬品を含む薬液で洗浄する方法(特許文献1,2,3)、高圧水ジェット、高圧空気ジェットなどの流体噴射(特許文献1)などが行われている。
なお、特許文献2では、伝熱管を水平に配設し、水噴出用のランスを伝熱管群の中に差し込んで水を噴射するようにしている。
特許文献3では、フィン付きの伝熱管が上下方向に配列されており、スプレーパイプから噴射されて伝熱管に掛けられた洗浄水がフィンの上面から下面に回り込むように伝わり流れる。
特開昭54−8207 特開2001−12894 特開平7−77304
I.高圧水ノズルやスプレーパイプから高圧水や洗浄薬液を噴射して伝熱管を洗浄する場合、ボイラ炉体や排ガス煙道等からの漏水がないか、集水系は正常に作動するか等を確認することが望ましいが、上記従来技術では、この点についての配慮がなされていない。
本発明は、洗浄工程途中での漏水や集水不良を事前に予知することができ、高圧水や薬液等による本洗浄工程を効率よく行うことができる伝熱管群の洗浄方法を提供することを目的とする。
II.上記特許文献3のように、フィン付きの伝熱管を上下方向に配設した場合には、フィンの上面にダスト、塩類等の付着物が溜り易い。この上面に水が伝わり流れたとしても、付着物を押し流す作用は殆ど奏されない。
また、伝熱管群を上下多段に設置してある場合、上段側の伝熱管群を洗浄したときに該上段側の伝熱管群から落ちてきた剥離物が下段側の伝熱管群の伝熱管のフィン同士の間に挟まってしまうおそれがある。
本発明は、フィン付きの伝熱管よりなる伝熱管群を効率よく十分に洗浄することができる伝熱管群の洗浄方法を提供することを目的とする。
請求項1の伝熱管群の洗浄方法は、熱交換器内に設置された、フィンを有する伝熱管を水平に並設してなる伝熱管群の伝熱管外面を洗浄する方法であって、洗浄薬品を含む薬液で伝熱管群を洗浄する薬液洗浄工程と、高圧水を伝熱管群に向けて噴射する高圧水洗浄工程とを有する伝熱管群の洗浄方法において、薬液洗浄工程及び高圧水洗浄工程に先立って、伝熱管群の上方に散水手段を設置すると共に、伝熱管群の下方に集水手段を設置し、該散水手段から水を散水し、落下してきた水を集水手段にて集水する予備水洗工程を行う伝熱管群の洗浄方法であって、前記熱交換器内に複数の伝熱管群が上下に間隔をあけて設置されており、洗浄しようとする伝熱管群よりも下段側の伝熱管群の上面にメッシュ材が設置されており、該メッシュ材の目開きは下段側の伝熱管のフィンの設置間隔よりも小さいことを特徴とするものである。
請求項2の伝熱管群の洗浄方法は、請求項1において、前記予備水洗工程の後、酸の水溶液で洗浄する酸洗浄工程と、水を散水してリンスするリンス工程と、前記高圧水洗浄工程と、該リンス工程よりも多量の水を散水する大流量水洗工程と、中和剤の水溶液を散水する中和工程とを行うことを特徴とするものである。
本発明の伝熱管群の洗浄方法にあっては、伝熱管を薬液や高圧水で洗浄する本洗浄に先立って、伝熱管群上方に配置した散水手段から水を散水すると共に、伝熱管群下方に配置した集水手段によってこの散水由来の落下水を集水する。従って、漏水の有無や送水系、集水系の作動状況などを本洗浄工程に先立ってチェック、確認することができる。
また、本発明では、伝熱管は水平に配設されており、フィンの板面は上下方向となるので、ダスト等がフィン板面に付着しにくいと共に、洗浄水や薬液がフィン板面を高流速で伝わり落ちるので、付着物を洗い流す作用が強い。
請求項2の伝熱管群の洗浄方法によると、酸洗浄と高圧水洗浄とを併用するので洗浄効果が高い。また、この高圧水洗浄工程の後に大流量水洗工程を行うので、伝熱管やフィンの表面に残留していた剥離残滓物を殆どすべて洗い流すことができる。
本発明の伝熱管群の洗浄方法によると、上段側の伝熱管群の洗浄時に該上段側伝熱管群から落下してきた剥離物等の固形分がメッシュ材で捕集される。
そのため、この落下固形物が下段側伝熱管群に付着することが防止(抑制を含む。)される。特に、本発明のように、メッシュ材の目開きを下段側の伝熱管のフィンの設置間隔よりも小さくすることにより、フィン同士の間に落下固形物が挟まることが防止される。
実施の形態に係る伝熱管群の洗浄方法を説明する概略的な縦断面図である。 伝熱管の側面図と正面図である。 伝熱管群における伝熱管の配列図である。 実施例1と比較例1の洗浄時間と溶出鉄イオン濃度の経時変化を示すグラフである。 還元剤の添加効果を示すグラフである。
以下、第1図〜第3図を参照して実施の形態について説明する。
ボイラ焼却炉やディーゼルエンジン等の燃焼ガス発生設備からの排ガスを導く煙道の末端に熱交換器ハウジング2が設置され、煙道からの排ガスがハウジング2の下端から導入され、頂部の煙突5から排出される。ハウジング2内の最下部には脱硝触媒を有した触媒床3が設けられ、ハウジング2内の最上部には消音器(サイレンサ)4が設置されている。触媒床3又はそれよりも上流側で排ガス中にアンモニアが添加され、NOx成分とアンモニアとを反応させて脱硝する。
この触媒床3と消音器4との間に、上下多段に伝熱管群11,12,13が設置されている。この実施の形態では、伝熱管群が3段に設置されているが、2段又は4段以上であってもよい。各伝熱管群11,12,13同士の間には若干(例えば5〜10mm程度)の間隙があいている。
1つの伝熱管群は、伝熱管8を水平に並列にかつ上下に千鳥配列となるように多段に配列したものである。
1つの伝熱管群における伝熱管8の段数は通常は5段以上、例えば10〜20段程度である。1段における伝熱管8の本数は、例えば20〜200本程度とされるが、これに限定されない。
伝熱管8には、その長手方向に一定のピッチ(例えば1〜5mm程度)にてフィン9が設けられている。フィン9は中心孔を有した円板形であり、伝熱管8の外周面に溶接等によって固着されている。
伝熱管群11〜13の洗浄のために、薬品洗浄用薬液槽21、通常水洗用水槽22、大流量水洗用水槽23、高圧水洗浄用水槽24、防錆液槽25が設けられている。各槽21〜25内には、水中ポンプ21a〜25aが設けられており、槽21〜25内の水又は薬液は配管21b〜25bを介して循環ポンプ26へ送水可能となっている。
循環ポンプ26からの水又は薬液は、配管27,28を介して第1の伝熱管群11の上側かつサイレンサ4の下側に配置された散水管29に送水可能とされている。この散水管29は、ハウジング2に常設されていてもよく、伝熱管洗浄時にのみ設置されてもよい。
配管27からは配管31,33,35が分岐しており、各配管31,33,35の先端は、ハウジング2内の大流量洗浄管32,34,36に接続されている。この大流量洗浄管32,34,36は伝熱管洗浄時にのみハウジング2の作業用開口を通ってハウジング2内に設置される。大流量洗浄管32,34,36としては、大口径の合成樹脂ホースなどを用いることができるが、これに限定されない。配管28,31,33,35には、ポンプ26からの水又は液の流れ方向を選択するための弁28a,31a,33a,35aが設けられている。
伝熱管群の洗浄時には、最下段の伝熱管群13の下側かつ触媒床3の上側に集水用トレー37が設置される。
トレー37で集水された水又は液は水中ポンプ38及び配管41〜45を介して槽21〜25へ返送されるか、又は配管46を介して排液槽47へ送水される。
各配管41〜46には弁41a〜46aが設けられており、水又は液の返送先を選択できるようになっている。
最上段の伝熱管群11の洗浄時には、中段の伝熱管群12及び最下段の伝熱管群13の上面部にそれぞれメッシュ材48,49が設置される。メッシュ材48,49は各伝熱管群12,13の上面全体を覆う大きさを有する。メッシュ材48,49の目開きは伝熱管8のフィン9,9間の隙間寸法(配列ピッチ)よりも小さいものとなっている。
この実施の形態では、配管27から配管52が分岐しており、循環ポンプ26からの水は、配管52、該配管52の途中に設けられた弁50及び昇圧用ポンプ51を介して高圧水噴射ノズル53に供給可能とされている。このノズル53は、ハウジング2に設けられた作業用開口を通って伝熱管群11,12又は13の上側へ配備可能とされている。
高圧水噴射ノズル32としては、例えば扇形ノズル(フラットスプレーノズル)が用いられ、水圧は5〜20MPa程度とされるが、これは一例であり、これに限定されない。
伝熱管群の洗浄方法は次の通りである。
第1図の通り、散水管29、メッシュ材48,49、トレー37、ポンプ38をハウジング2内に設置する。
その後、まず、弁28aを開、弁31a,33a,35a,50を閉とし、ポンプ22a,26を作動させ、水槽22内の水を配管27,28を介して散水管29へ送水し、散水(スプレー)して予備水洗する。そして、散水管29からのスプレー状態、トレー37からの排水回収の確認および各配管類の漏洩チェックを行う。また、この水洗浄により、併せて伝熱管群に付着しているスケールに含まれる水溶性成分を溶解除去する。この水溶性成分の溶解に使用されるスプレー水が酸性を呈する場合には、水槽22内に腐食抑制剤を添加してもよい。
この予備水洗時にトレー37で集水された洗浄排水は、排液槽47に回収した後、処分する。
なお、散水管29は、伝熱管群11の上面の全域に満遍なく水を散水(スプレー)することができるように必要な数だけ配設されるのが好ましい。散水管29の数が多数である場合、各散水管29に同時に給水すると、単位時間当りの合計給水量が過度に多くなることがある。このような場合には、散水管29を複数のグループに分け、各グループに順番に給水するようにしてもよい。
この予備水洗の後、ポンプ21a,26を作動させ、薬液槽21内の洗浄薬液を配管27,28を介して散水管29に供給し、伝熱管群11,12,13を薬液で洗浄する。
この薬液としては、鉄錆を常温で溶解できる洗浄剤の含有液が好適である。この薬液洗浄により、伝熱管に付着した水溶性成分を溶解すると共に、鉄錆を湿潤・軟化させ、また一部の鉄錆を溶解除去する。
洗浄剤としては、常温で鉄錆の溶解能力が高い酸が好適である。廃熱回収ボイラの場合であれば、臭気が少なく、洗浄剤成分が蒸発しにくいものが好ましく、運転開始後熱分解する有機酸系の薬品が好適である。この有機酸としては、スケール溶解性に優れたマロン酸とグリコール酸の混合有機酸を用いるのが好ましい。
また、洗浄薬液としては、鉄錆の溶解に伴って生成する腐食性のFe3+イオンを無害なFe2+イオンに還元する強力な還元剤を含むものが好ましい。通常は、市販の還元剤含有洗浄剤の溶液を洗浄薬液として用いれば足りるが、洗浄剤中の還元剤成分が不足するときには、洗浄剤だけではなくさらに還元剤を洗浄液槽21に添加してもよい。還元剤としては有機系L−アスコルビン酸またはエリソルビン酸を用いるのが好ましい。
散水管29から散水(スプレー)された洗浄薬液は、伝熱管群11,12,13と接触した後、トレー37にて集水され、ポンプ38、配管41を介して薬液槽21へ返送され再使用される。
この薬液洗浄の後、ポンプ22a、26を作動させ、水槽22内の水を散水管29からスプレーし、伝熱管群をリンスする。すなわち、付着残留する薬液成分を洗い流す。このリンス排水は、トレー37から水槽22に回収してもよく、排液槽47へ送って処分してもよい。
このリンス工程の後、高圧水洗浄工程を行う。この場合、扇形ノズル(15°フラットスプレーノズル)等の高圧水噴射ノズル53をまず最上段の伝熱管群11の上側に配置する。そして、弁28a,31a,33a,35aを閉、弁50を開とし、ポンプ24a,26,51を作動させ、水槽24内の水をポンプ51で昇圧し、ノズル53から高圧水を伝熱管群11に噴射する。この高圧水の噴射を受けることにより、伝熱管8に付着していた固形物が剥離され、落下する。メッシュ材48,49の目開きよりも細かい固形分は、水と共にトレー37まで落下するが、大きな固形分はメッシュ材48で捕集される。
メッシュ材48を通過する固形分の粒径は、フィン9,9間の隙間寸法よりも小さいので、フィン9,9間に詰まることはない。
トレー37で集水された水は、配管42又は43を介して水洗用水槽22又は23に回収され、次回の予備水洗やリンス用水として用いられる。水槽24内の高圧洗浄用水としては、昇圧用ポンプ51への悪影響を避けるために、常に清水(例えば、工業用水、井水、水道水など)を用いるのが好ましい。
この高圧水洗浄工程では、高圧水噴射水が当った伝熱管8からスケール等の固形分が剥離されるが、剥離された固形物が、周囲の伝熱管や、下段側の伝熱管群の伝熱管に付着して残ることがある。そこで、高圧水洗浄工程の後に、水を大流量にて供給して水洗を行う。
この大流量水洗を行うには、弁31aを開、弁28a,33a,35a,50を閉とし、ポンプ23a,26を作動させ、水槽23内の水をまず最上段の伝熱管群11に大流量にて供給し、付着固形分を洗い落とす。洗い落とされた固形分のうち粗いものは、高圧水洗浄の場合と同様にメッシュ材48で捕集され、細い固形分はトレー37にまで落下する。トレー37上の水は、ポンプ38、配管43を介して水槽23に返送される。
最上段の伝熱管群11を大流量水洗した後、第2段目の伝熱管群12上のメッシュ材48から捕集固形分を回収し、次いでメッシュ材48を撤去する。
次いで、第2段目(中段)の伝熱管群12を高圧水で洗浄する。即ち、高圧水噴射ノズル53を伝熱管群12の上側に差し込み、弁28a,31a,33a,35aを閉、弁50を開とし、ポンプ24a,26,51を作動させ、高圧水をノズル53から伝熱管群12に向けて噴射させ、高圧水洗浄する。このときに伝熱管群12から剥離した固形分のうち粗いものはメッシュ材49で捕集され、細かいものは水と共にトレー37にまで落下する。トレー37上の水は水槽22又は23に回収される。
次に、伝熱管群12を大流量水洗する。即ち、弁33aを開、弁28a,33a,35a,50を閉とし、ポンプ23a,26を作動させ、水槽23内の水を伝熱管群12に大流量にて供給し、付着固形分を洗い落とす。洗い落とされた固形分のうち粗いものは、高圧水洗浄の場合と同様にメッシュ材49で捕集され、細い固形分はトレー37にまで落下する。トレー37上の水は、ポンプ38、配管43を介して水槽23に返送される。
第2段の伝熱管群12を大流量水洗した後、最下段の伝熱管群13上のメッシュ材49から捕集固形分を回収し、次いでメッシュ材49を撤去する。
その後、最下段の伝熱管群13を高圧水で洗浄する。即ち、高圧水噴射ノズル53を伝熱管群13の上側に差し込み、弁28a,31a,33a,35aを閉、弁50を開とし、ポンプ24a,26,51を作動させ、高圧水をノズル53から伝熱管群13に向けて噴射させ、高圧水洗浄する。このときに伝熱管群13から剥離した固形分は、水と共にトレー37に落下する。トレー37上の水は水槽22又は23に回収される。
次に、伝熱管群13を大流量水洗する。この大流量洗浄を行うには、弁35aを開、弁28a,31a,33a,50を閉とし、ポンプ23a,26を作動させ、水槽23内の水を伝熱管群13に大流量にて供給し、付着固形分を洗い落とす。洗い落とされた固形分は、水と共にトレー37に落下する。トレー37上の水は、ポンプ38、配管43を介して水槽23に返送される。
最下段の伝熱管群13の大流量水洗が終了した後、弁28aを開、弁31a,33a,35a,50を閉とし、ポンプ25a,26を作動させ、防錆液槽25内の防錆液を散水管29からスプレーする。防錆液は、各伝熱管群11〜13と接触した後、トレー37に集液され、ポンプ38、配管45を介して防錆液槽25へ回収される。所定時間防錆液をスプレー及び回収した後、ポンプ25a,26を停止する。そして、トレー37に堆積したスラッジをバキューム車で排水とともに吸引回収し、トレー37を撤去して、伝熱管群11〜13の洗浄を終了する。
その後、伝熱管を乾燥するため、フィン部に滞留している水をエアーブローや伝熱管内に温水を通水するのが好ましい。
上記の洗浄方法では、洗浄用薬液を散水管29からスプレーすることにより、スケールの溶解と同時に未溶解のスケールについては湿潤・軟化させ、その後の高圧水洗浄によるフィン間のスケール剥離・除去を容易にすることができる。
また、高圧水洗浄により剥離した固形分を大流量水洗によって洗い落とすため、剥離固形分の残留が防止される。また、粗い固形分がメッシュ材48,49で捕集されるので、フィン9,9間に詰まることがない。従って、各伝熱管群を効率よく洗浄することができる。
<試験例1,2>
薬液洗浄に用いる薬液としては、前記の通り、臭気が少なく、洗浄剤成分が蒸発しにくいものが好ましく、運転開始後熱分解する有機酸系の薬品が好適である。そこで、スケール溶解剤としてマロン酸とグリコール酸の混合有機酸を用い、還元剤としてエリソルビン酸を用いた薬液のスケール溶解効果を試験すると共に、対照のために塩酸によるスケール溶解効果を試験した。
即ち、試験例1では、酸腐食抑制剤(朝日化学工業(株)製「イビット」(住友化学工業(株)登録商標)No.30F)を含むマロン酸とグリコール酸の混合有機酸(濃度5%)に、還元剤としてエリソルビン酸を1%添加した溶液を薬液とした。試験例2では、酸腐食抑制剤を含む塩酸5%溶液を薬液とした。実機から採取した伝熱管に各溶液を常温でスプレーし、溶出鉄イオン濃度の経時変化を比較した。試験結果を第4図に示す。第4図の通り、試験例1の薬液は試験例2の塩酸溶液と同等のスケール溶解効果がある。
<試験例3,4>
廃熱ボイラの場合、スケールはFeOOHまたはFeであり、酸に溶解した場合、溶出鉄イオンはすべて、3価の鉄イオン(Fe3+)である。このFe3+イオンは、化学反応式2Fe3++Fe(母材)→3Fe2+に従って母材を腐食するため、腐食性のFe3+イオンを無害なFe2+イオンに還元するのが好ましい。
そこで、マロン酸とグリコール酸の混合有機酸(濃度5%、常温)に実機から採取したスケールを浸漬して、経時的に溶解させた。スケールの溶解進行により、液中のFe3+イオン濃度が徐々に上昇するので1,000mg/Lを越えた時点で還元剤としてエリソルビン酸を10,000mg/L添加して、Fe3+イオンをFe2+イオンに還元して無害化した。液中の全Feイオン濃度とFe3+イオン濃度の経時変化を第5図に示す。
第5図の通り、試験開始後7時間目にFe3+イオンが1,200mg/Lになったため、還元剤を添加したところ、その2時間後の測定でFe3+イオン濃度が400mg/Lに低下していることが認められた。また、その後スケールの溶解進行により、15時間目にFe3+イオン濃度が1,200mg/Lとなったが、このときは還元剤を添加しなかったので24時間目にはFe3+イオン濃度が2,300mg/Lまで上昇した。
1 煙道
2 熱交換器ハウジング
3 触媒床
4 サイレンサ
5 煙突
8 伝熱管
11,12,13 伝熱管群
29 散水管
32,34,36 大流量洗浄管
37 トレー
53 高圧水噴射ノズル

Claims (3)

  1. 熱交換器内に設置された、フィンを有する伝熱管を水平に並設してなる伝熱管群の伝熱管外面を洗浄する方法であって、
    洗浄薬品を含む薬液で伝熱管群を洗浄する薬液洗浄工程と、高圧水を伝熱管群に向けて噴射する高圧水洗浄工程とを有する伝熱管群の洗浄方法において、
    薬液洗浄工程及び高圧水洗浄工程に先立って、伝熱管群の上方に散水手段を設置すると共に、伝熱管群の下方に集水手段を設置し、該散水手段から水を散水し、落下してきた水を集水手段にて集水する予備水洗工程を行う伝熱管群の洗浄方法であって、
    前記熱交換器内に複数の伝熱管群が上下に間隔をあけて設置されており、洗浄しようとする伝熱管群よりも下段側の伝熱管群の上面にメッシュ材が設置されており、
    該メッシュ材の目開きは下段側の伝熱管のフィンの設置間隔よりも小さいことを特徴とする伝熱管群の洗浄方法。
  2. 請求項1において、前記予備水洗工程の後、
    酸の水溶液で洗浄する酸洗浄工程と、
    水を散水してリンスするリンス工程と、
    前記高圧水洗浄工程と、
    該リンス工程よりも多量の水を散水する大流量水洗工程と、
    中和剤の水溶液を散水する中和工程と、
    を行うことを特徴とする伝熱管群の洗浄方法。
  3. 請求項1又は2において、各伝熱管群の洗浄後に、洗浄した伝熱管群よりも下段側の伝熱管群の上面に設置されていた前記メッシュ材を撤去することを特徴とする伝熱管群の洗浄方法。
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