JP4577994B2 - カーペット清掃用ブラシ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に室内で飼育されている動物により汚された敷物及びカーペットを清掃するカーペット清掃用ブラシであって、金属製剛毛を固定して支持するブラシ本体、及びそのブラシ本体に固定されたブラシヘッドを有し、このブラシヘッドにハンドル接続部が設けられているカーペット清掃用ブラシに関する。
【0002】
【従来の技術】
敷物の清掃のためには多種類のブラシが知られており、たとえば敷物上を転動するホイールによって駆動され転動するブラシローラによって作業を行うカーペットクリーナは広く普及しており、その剛毛の回転によって編んだ敷物の表面を清掃することができる。しかしその欠点は、敷物の汚れとなっている動物の毛が敷物の深部に侵入してその繊維と絡み合う状態になっている場合には剛毛が実際上これに届かないことである。
【0003】
動物から抜け落ちた毛を除去するためのブラシも同じく多数知られている。一般的に知られているものは、手にはめて使用するクリーニンググローブである。このクリーニンググローブはゴム面から突出しているゴム製の剛毛を備え、これにより動物の抜け毛を集めることができる。しかし、このグローブは小形で効率も悪いためカーペットの清掃には適していない。
【0004】
特許公報DE19500008には、動物の毛の除去に適しており、必要とする力を軽減した、ハンドル付きのブラシが開示されている。このブラシの剛毛は硬いワイヤ又はプラスチックから作られている。
【0005】
特許公報US4044724は動物の毛皮の除菌及び除菌粉末を拡散させるのに適したブラシを開示している。このブラシの剛毛は、その自由端においてブラシを引く方向に曲げられたワイヤから作られている。該ブラシは動物の皮膚表面及び毛皮の手入れ専用であり、カーペットの清掃には適していない。
【0006】
また、カーペットの清掃用として、掃除機の吸込みヘッドに設けられたブラシも知られている。このブラシの剛毛は吸込みヘッドの吸込み口の周囲を取り巻くように設けられ、カーペット表面を保護するため一般に馬の毛あるいはこれに類する材料から作られている。
【0007】
このブラシの欠点は、剛毛が取り囲む吸込み面では、たまったダストと毛屑とが分離されないため、掃除機の吸込みブラシをそのままカーペット上で引っ張り続けるとこれらが糸玉状に集まり、短時間で掃除機の吸込みパイプが詰ってしまうことである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、効率的、迅速且つ確実にダストおよび動物の抜け毛をカーペットの中及び表面から除去するカーペット清掃用ブラシを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記のように、本発明は、特に室内で飼育されている動物の毛によって汚れた敷物やカーペットの清掃に好適なカーペット清掃用ブラシに関する。このブラシは円弧状又は角張った形状に曲げられた剛毛と、該剛毛を支持するブラシ本体と、ブラシ本体に固定されたブラシヘッドと、ブラシヘッドに固定されたハンドル、および望ましくは吸込みパイプエンドを含むダストコレクタ部を有する。
【0010】
本発明の特徴は、ブラシ本体がゴム板であり、弾性を有するU字形の剛毛の脚部が、ブラシ本体の面と垂直な平面に対して5〜15°の角度を形成しブラシの引き方向に対して斜めの平面を通過するように前記ゴム板に固定されていること、および前記U字形剛毛を形成する脚部の少なくとも突出している自由端にプラスチックまたは類似の材料による被覆を有することである。
【0011】
本発明によれば、前記U字形金属製剛毛がその面と共にブラシ本体を形成するゴム板に、その長辺に平行な列をなしてU字形脚部に相応する距離を隔てて、かつ列方向に一定距離だけずれて貫通する位置に固定されていることが望ましい。
【0012】
さらに、ブラシヘッドに対向するブラシ本体の上面を、弾性パッドを有しベルベット状で堅く、突出した、かつブラシの引き方向に対して斜めに位置する繊維を含む布で被覆された織物ブラシとして形成すれば、カーペット清掃の効率を一層高めることができる。
【0013】
ブラシ本体の短辺側の両面にハンドルのための接続要素を設け、ブラシヘッドの面に対して約30〜45°傾き、ブラシの引き方向に向いたハンドルを、着脱可能な接続部を介して同接続要素に接続すれば、カーペット清掃用ブラシの使用はより容易となる。
【0014】
本発明のカーペット清掃用ブラシは、ブラシヘッドと、ブラシヘッドと一体をなし剛毛を支持するブラシ本体のブラシ引き方向側長辺に、漏斗状に拡大する形状のハウジングに囲まれ剛毛の方向に開口部を備えたダストコレクタ部を接続し、開口部の下側境界をなすハウジングの下側内面をダスト送りショベルとして形成し、更にブラシヘッドのダストコレクタ部の漏斗形ハウジングの幅が狭くなった端部に吸込みパイプエンドを、またハウジングの下側外表面に少なくとも1個の支持輪を設けることにより、著しく効率が良いものとなる。
【0015】
本発明のカーペット清掃用ブラシにおいては、その構造により、カーペットのパイルの根元までもぐりこんだ毛をも掃き出すと同時にダスト粒子をほぐすような剛毛を使用することができる。またその後に、ダスト粒子を含んでベール状に絡まった毛を剛毛から手で容易に取り除くことができる。
【0016】
本発明のカーペット清掃用ブラシは、カーペット上で引きずるだけで、カーペットから極く小さい毛やダストの粒子をも除去することが可能である。
【0017】
本発明は掃除機を用いることでダスト粒子と動物の毛を分離させることも可能にしている。すなわち、ベール状に絡まった毛は、ブラシヘッドに傾斜して貫通固定した弾性のある剛毛に付着し、またダスト粒子は掃除機の吸引により、剛毛の方向に開いた開口部からダスト送りショベルへ、更に掃除機のダストバッグへ吸込みによって移送される。したがってベール状に絡まった毛は剛毛から完全に、しかも手作業で除去できる。毛がダストから分離されるため、掃除機の吸込みパイプに動物の毛が入り込まず、パイプが詰まることがない。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
【0019】
図1乃至図4に示す実施形態のカーペット清掃用ブラシは、本質的にブラシヘッド1と、これに連結されたブラシ本体2と、それに貫通固定され突出した剛毛3から成る。ブラシヘッド1は、木、プラスチック等の材料から作られ、ブラシ本体2はゴム板、又は類似の弾性材料から作られており、突出した剛毛3は弾性を有する金属線からU字形に湾曲した脚部として形成されている。この金属線製U字形弾性剛毛3は、ブラシ本体2の面に垂直な面に対してα=5〜15°の角度をなす、矢印5で示されるカーペット清掃用ブラシの引き方向の方向に傾斜した平面内にあって、ゴム板から成るブラシ本体2に貫通して弾性的に固定されている。ゴム板製のブラシ本体(2)を貫通して突出している剛毛3は、矢印5で示したカーペット清掃用ブラシの引き方向に、角張った形状又は円弧形状に形成されている。剛毛3は少なくともその自由端において、プラスチック等の材料による被覆を施されている。
【0020】
金属線製U字形弾性剛毛3は、ブラシ本体2を形成する弾性ゴム板内において、その長辺に平行な列をなして、U字形脚部間の間隔uをもって配置され、それら列は互いに距離uだけ離れ、貫通により固定されている。
【0021】
ブラシヘッド1の両方の短辺には、スリーブ状に形成されたハンドル接続要素6が設けられ、その中にブラシヘッド1の面に対して30〜45°の角度をなす、清掃用具に一般的に使用されているハンドル9を連結するフォーク状の弾性成形体90が嵌合により着脱可能に固定されている。
【0022】
以上説明した本発明によるブラシでは、図5に示すように、使用前にハンドル9を取付けなければならない。このためには、接続部となる弾性成形体90を、ブラシ本体の短辺に配置されハンドル接続要素6をなすスリーブに嵌合させる。ついで清掃用具に一般に用いられるハンドル9を、接続のための成形体90にねじ込む。このようにして使用可能となったカーペット清掃用ブラシを、清掃しようとする、動物の毛やダストで汚れたカーペットの表面上で矢印5の方向へ引くと、弾性材料製の剛毛3がカーペットの結び合わされた繊維の間に深く侵入し、ダストと共に動物の毛を拾い上げる。ダストは剛毛3に残るベール状に絡まった毛に保持されている。ダストで飽和状態となった絡まった毛は、手作業により剛毛3から適当な時間間隔で除去する必要がある。
【0023】
本発明によるカーペット清掃用ブラシの図5及び図6に例示した実施形態は、以上説明したブラシと異なって、ブラシ本体2に対向するブラシヘッド1の上面に弾性パッド(たとえばゴム又はスポンジ)が設けられ、ベルベット状で堅く突出した、矢印5で示すブラシの引き方向に対して傾斜した繊維を有する布80によって被覆され、織物ブラシ8として形成されている。本発明のカーペット清掃用ブラシは、この実施形態においては本質的に二つのブラシ面、即ちスプリングによって固定され、自由端をプラスチックによって被覆した金属剛毛3を備えたブラシと、弾性パッド上に設けられた織物ブラシとから構成されている。
【0024】
上記の両面カーペット清掃用ブラシは、使用前に図5に従ってハンドル9を取り付ける。カーペットの清掃後は、前記の実施形態の説明中の注記に対応して、表面に残留する毛やダスト粒子を次のようにして除去する。図5に示すブラシのハンドル9に連結された成形体90をスリーブ状接続要素6への嵌合を外し、カーペット清掃用ブラシを図6に示す位置に反転させる。これにより織物ブラシ面がカーペットの表面に接するようになる。その後、接続部をなす成形体90をスリーブ状接続要素6に嵌合させ、カーペット清掃用ブラシをカーペットの表面に沿って引くことにより、カーペットを清掃する。織物ブラシの表面には毛及びダスト粒子が付着し、容易に除去できる。
【0025】
汚れが少ないカーペットの場合は、まず図6に示すように組み立てた織物ブラシを用いてカーペットを清掃し、ついで織物ブラシによって形成された毛の小さい絡まりを、図5のように組み立てた、プラスチック被覆金属剛毛3を備えたカーペット清掃用ブラシにより除去するようにしてもよい。
【0026】
本発明の更に別の実施形態を図7に示す。本実施形態では、カーペット清掃用ブラシは、図示されていない掃除機の吸込み側に接続するためのダストコレクタ部7を備えている。ダストコレクタ部7を形成するハウジング70は本実施形態においては末端に向かって漏斗状に拡大する開口部71として形成され、その狭い方の末端は図示されていない掃除機への接続のための吸込みパイプエンド72として形成されている。本実施形態においてはハウジングの広い上面は延長部73としてブラシヘッド1に固定されている。ダストコレクタ部7の開口部71はこのようにしてブラシの引き方向を向いたブラシ本体2の長辺に接続され、したがって金属線製剛毛3に向き合っている。ダストコレクタ部7の開口部71の下側境界となるハウジング70の下方内面はダスト送りショベルとして形成されている。
【0027】
最後に、前記実施形態においては、カーペット清掃用ブラシを簡単に移動できるようにするために、ダストコレクタ部7のハウジング70の下側の外表面に支持輪75を設けることが望ましい。
【0028】
図7に示した本発明のカーペット清掃用ブラシは、ダストコレクタ部7の吸込みパイプエンド72によって、図示されていない掃除機の吸込みパイプに接続することが好ましい。掃除機を起動した後、カーペット清掃用ブラシをカーペットの表面上で矢印5の方向に引くと、剛毛3がカーペットの結び合わされた繊維の間にある毛を拾い出し、ベール状の絡まりを形成しつつ除去する。一方、掃除機は、ダスト送りショベル上へ掃き出されたダストの粒子を、図示されていない掃除機内のダストバッグへ移送する。従って、カーペット清掃用ブラシが使用されている間、ベール状に絡まった毛は剛毛3によって保持され、ダストは掃除機の吸込み作用によりダストバッグ内へ移送される。この分離作用によって、ベール状に絡まった毛が掃除機の吸込みパイプに入り込むことがなく、吸込みパイプの詰まりが避けられる。
【0029】
絡まった毛は清掃作業終了後、特別な道具を使用することなく手作業により剛毛から容易に除去することができる。もとより図7のカーペット清掃用ブラシを掃除機なしで使用することも可能であり、清掃すべきカーペット上で同ブラシを矢印5の方向に引くことにより剛毛3がカーペットの結び合わされた繊維の間にある毛を拾い出し、ベール状の絡まりを形成しつつ除去する一方で、ダスト粒子は弾性剛毛3のスプリング作用によりダスト送りショベル74を経てダストコレクタ部7内に移送される。
【0030】
本発明によるカーペット清掃用ブラシの大きな利点は、ダストや動物の毛によって汚れたカーペットを最小限の力で、簡単、迅速、且つ効率的に清掃できることである。
【0031】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内で他の形態により実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるカーペット清掃用ブラシの見取り図である。
【図2】 金属線から作られたU字形剛毛の見取り図である。
【図3】 図1に示したカーペット清掃用ブラシのブラシ本体の部分的上面図である。
【図4】 図3に示したブラシ本体の線IV−IVに沿った部分的切断図に貫通した2本の剛毛要素を示した図である。
【図5】 ブラシヘッドを布で製した織物ブラシとして形成した別の実施形態の見取り図である。
【図6】 図5のブラシを回転させた後の見取り図である。
【図7】 掃除機の吸込み側に接続可能な本発明のカーペット清掃用ブラシの一部を切断した見取り図である。
【符号の説明】
1 ブラシヘッド
2 ブラシ本体
3 剛毛
7 ダストコレクタ部
9 ハンドル
70 ハウジング
71 口部
74 ゴミ送りショベル
Claims (4)
- 自由端がブラシの引き方向(5)に傾斜されていて、角張り形状又は円弧形状に曲げられた弾力性のある剛毛(3)と、この剛毛(3)を支持するブラシ本体(2)と、ブラシ本体に取り付けられ、ハンドル(9)とダストコレクタパイプエンド(7)を備えたブラシヘッドとを有する、室内で飼育されている動物によって汚れた敷物又はカーぺットを清掃するためのカーペット清掃用ブラシであって、剛毛(3)を支持するブラシ本体(2)とブラシヘッド(1)のブラシ引き方向(5)側長辺にダストコレクタパイプエンド(7)を接続し、このダストコレクタパイプエンドのハウジング(70)はブラシ引き方向(5)に幅が狭くなっているとともに、口部(71)を備えており、その長手方向に隣接した内面がダスト送りショベル(74)として形成されていることを特徴とするカーペット清掃用ブラシ。
- 請求項1記載のカーペット清掃用ブラシであって、ブラシ本体(2)と反対側のブラシヘッド(1)の上面は、弾性パッドをベルベット状の布(80)で被覆した織物ブラシ(8)として設計され、この布の繊維は、ブラシの引き方向(5)に傾斜して配置されていることを特徴とするカーペット清掃用ブラシ。
- 請求項1又は2に記載のカーペット清掃用ブラシであって、ブラシヘッド(1)の両短辺上には、ハンドル(9)用の接続要素(6)が設けられ、ハンドル(9)は、ブラシヘッド(1)の面に対して30°〜45°の角度で引き方向に傾斜した状態で、開放可能ジョイントにより接続要素(6)に接続されることを特徴とするカーペット清掃用ブラシ。
- 請求項1〜3の何れかに記載のカーペット清掃用ブラシであって、ブラシヘッド(1)に接続されたダストコレクタパイプエンド(7)の漏斗状のハウジング(70)の幅狭にされた端部に吸込みパイプエンドが設けられ、その下側外表面に支持輪(75)を設けたことを特徴とするカーペット清掃用ブラシ。
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