JP4577293B2 - ハイブリッド自動車およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド自動車およびその制御方法に関する。
一般に、いわゆるハイブリッド自動車はバッテリとして二次電池を備えているが、この種のバッテリから取り出される電力は、バッテリが低温状態にあるほど低下する。このため、従来から、本来のバッテリ性能を最大限に引き出すべく、バッテリ温度が低い場合に当該バッテリの残容量(SOC)の制御中心値を制御範囲の上側に設定して充電効率が低下する領域における充電の頻度を高め、それによりバッテリ温度を上昇させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、従来から、ハイブリッド自動車のバッテリ充電状態を制御するための技術として、バッテリ温度が低い場合にバッテリの目標残容量を上昇させ、バッテリの充電により発生する熱でバッテリの暖機を促進させるものも知られている(例えば、特許文献2参照)。更に、従来から、ハイブリッド自動車の始動時に、バッテリの充電電圧が上昇するように発電機を制御し、充電電圧の上昇に伴う充電抵抗による発熱を利用してバッテリの暖機を促進させる技術も知られている(例えば、特許文献3参照)。また、従来から、ハイブリッド自動車が停止されてバッテリの充放電が停止された時間である放置時間が設定範囲を越えたときに、強制充電モードのもとでバッテリを強制的に充電し、その後、充電よりも放電を優先する放電モードのもとでバッテリを放電させた上で、ノーマル充放電モードとする技術も知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開2001−314039号公報 特開2000−040532号公報 特開平7−79503号公報 特開2002−171609号公報
ところで、上述のようなハイブリッド自動車における燃費を向上させるためには、バッテリを放電させて電動機に走行用の動力を出力させると共にエンジンを適宜始動または停止させる間欠運転を実行するのが有効であるが、このようなエンジンの間欠運転を実行するに際してはバッテリが十分な電力を出力し得る状態になければならない。このため、バッテリの温度が低い場合には、上述のようなバッテリ昇温制御を実行して、バッテリから十分な電力を得ることができるようにバッテリの温度を高める必要がある。しかしながら、上述のようなバッテリ昇温制御は、充放電時の損失やバッテリ充電のためのエンジンの燃料消費を伴うものである。従って、上記従来例のように単にバッテリの温度に基づいてバッテリ昇温制御を実行するか否か判断したのでは、無駄なバッテリ昇温制御が実行されてしまい、ハイブリッド自動車における更なるエネルギ効率の向上を図ることが困難となるおそれもある。
そこで、本発明によるハイブリッド自動車およびその制御方法は、バッテリを強制的に昇温させるためのバッテリ昇温制御をより適正に実行することを目的の一つとする。また、本発明によるハイブリッド自動車およびその制御方法は、当該ハイブリッド自動車におけるエネルギ効率をより向上させることを目的の一つとする。
本発明によるハイブリッド自動車およびその制御方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採っている。
本発明によるハイブリッド自動車は、
走行用の動力を出力可能な内燃機関と、
走行用の動力を出力可能な電動機と、
前記内燃機関からの動力を用いて発電可能な発電手段と、
前記電動機および前記発電手段のそれぞれと電力をやり取り可能なバッテリと、
前記バッテリの温度を取得するバッテリ温度取得手段と、
前記内燃機関の間欠運転の許否を決定し得る所定の車両状態を取得する車両状態取得手段と、
前記取得された前記バッテリの温度および前記車両状態に基づいて前記バッテリを強制的に昇温させるべきか否かを判定する判定手段と、
走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記判定手段により前記バッテリを強制的に昇温させるべきではないと判断された場合には、前記バッテリを強制的に昇温させるためのバッテリ昇温制御を伴うことなく前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が得られるように前記内燃機関と前記電動機と前記発電手段とを制御する一方、前記判定手段により前記バッテリを強制的に昇温させるべきと判断された場合には、所定の解除条件が成立するまで前記バッテリ昇温制御を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が得られるように前記内燃機関と前記電動機と前記発電手段とを制御する制御手段と、
を備えるものである。
このハイブリッド自動車では、バッテリ温度取得手段により取得されたバッテリの温度および車両状態取得手段により取得された内燃機関の間欠運転の許否を決定し得る所定の車両状態に基づいてバッテリを強制的に昇温させるべきか否かが判定される。そして、バッテリを強制的に昇温させるべきではないと判断された場合にはバッテリを強制的に昇温させるためのバッテリ昇温制御を伴うことなく、また、バッテリを強制的に昇温させるべきと判断された場合には所定の解除条件が成立するまでバッテリ昇温制御を伴って、走行に要求される要求駆動力に基づく駆動力が得られるように内燃機関と電動機と発電手段とが制御される。このように、バッテリ昇温制御を実行するか否かの判定に際して、バッテリの温度に加えて上記所定の車両状態を用いれば、当該車両状態に基づいて内燃機関の間欠運転の許否すなわち内燃機関の運転の有無を知ることが可能となり、そのような内燃機関の運転の有無とバッテリの温度とからバッテリ昇温制御を実行すべきか否かをより適正に判断することができる。従って、このハイブリッド自動車では、無駄なバッテリ昇温制御の実行を抑制したより適正なバッテリ昇温制御の実行が可能となり、エネルギ効率をより向上させることができる。なお、内燃機関の間欠運転の許否を決定し得る車両状態としては、例えば、各種車両温度や車速、バッテリの残容量等が挙げられる。
この場合、前記車両状態は、所定の車両温度であり、前記判定手段は、システム起動時に取得された前記バッテリの温度および前記車両温度に基づいて前記バッテリを強制的に昇温させるべきか否かを判定するものであってもよい。このように、システム起動時に取得されたバッテリの温度および車両温度に基づいてバッテリを強制的に昇温させるべきか否かを判定すれば、システム起動後に無駄なバッテリ昇温制御の実行を抑制したより適正なバッテリ昇温制御の実行が可能となり、エネルギ効率をより向上させることができる。なお、内燃機関の間欠運転の許否を決定し得る車両温度としては、例えば、空調制御に関連した内燃機関の冷却水温、外気温度、車室温度等が挙げられる。
また、本発明によるハイブリッド自動車において、前記判定手段は、前記システム起動の際に前記車両温度に基づいて前記内燃機関の間欠運転が禁止される場合に該システム起動から該間欠運転が許容されるまでの間に前記バッテリ昇温制御無しで前記バッテリが所定温度まで昇温し得るときの前記システム起動時における前記バッテリの温度および前記車両温度を規定する制約を用いて前記バッテリを強制的に昇温させるべきか否かを判定するものであってもよい。このような制約を用いてバッテリを強制的に昇温させるべきか否か判定すれば、システム起動に際して内燃機関が運転されてバッテリ昇温制御無しでもバッテリの十分な昇温が見込める場合にバッテリ昇温制御を取り止めることができるので、無駄なバッテリ昇温制御の実行を抑制してエネルギ効率をより向上させることが可能となる。
この場合、前記所定温度は、前記内燃機関の間欠運転を許容するのに十分な電力を出力可能な状態にあるときの前記バッテリの温度に基づいて定められてもよい。これにより、システム起動の際に禁止された内燃機関の間欠運転がその後に許容された際にバッテリから十分な電力を出力させながら内燃機関の間欠運転を良好に実行することが可能となる。
更に、前記判定手段は、前記システム起動に際して取得された前記バッテリの温度が所定の下限温度未満である場合には、前記バッテリを強制的に昇温させるべきではないと判断するものであってもよい。すなわち、システム起動に際して取得されたバッテリの温度が極端に低いような場合には、システム起動直後からバッテリ昇温制御を実行したとしても、システム起動から停車(システム停止)までの間に内燃機関の間欠運転を許容するのに十分な電力を出力可能な状態にあるときの温度までバッテリを昇温させ得なかったり、バッテリを十分に昇温させ得たとしてもその後に内燃機関の間欠運転が結局実行されなかったりする可能性が高く、それまでに実行されたバッテリ昇温制御が結局無駄となってしまうおそれがある。従って、システム起動に際して取得されたバッテリの温度が所定の下限温度未満である場合にバッテリを強制的に昇温させるべきではないと判断するものとすれば、無駄なバッテリ昇温制御の実行を抑制してハイブリッド自動車のエネルギ効率を向上させることが可能となる。なお、この場合の閾値としての下限温度は、例えば車両温度に応じて変化する値であってもよく、一定の値であってもよい。
また、前記判定手段は、前記内燃機関の間欠運転が許容されるときの前記車両温度である間欠許容車両温度と前記システム起動に際して取得された前記車両温度との偏差が所定値以上である場合に、前記バッテリを強制的に昇温させるべきではないと判断するものであってもよい。すなわち、システム起動の際の車両温度と間欠許容車両温度との乖離が大きい場合には、暖機等の必要性から内燃機関の間欠運転が許容されずに内燃機関がシステム起動後に比較的長い時間だけ運転されると共にバッテリの放電を伴うモータ走行が制限されることになるので、このような場合には、バッテリ昇温制御を実行してバッテリを昇温させたとしても結果的に内燃機関の間欠運転が許容されない可能性が高い。従って、間欠許容車両温度とシステム起動に際して取得された車両温度との偏差が所定値以上である場合にバッテリを強制的に昇温させるべきではないと判断すれば、無駄なバッテリ昇温制御の実行を抑制してハイブリッド自動車のエネルギ効率を向上させることが可能となる。
この場合、前記判定手段は、前記間欠許容車両温度と前記システム起動に際して取得された前記車両温度との偏差が所定値未満であり、かつ前記システム起動に際して取得された前記バッテリの温度と前記内燃機関の間欠運転を許容するのに十分な電力を出力可能な状態にあるときの前記バッテリの温度である間欠許容バッテリ温度との偏差が所定値以上である場合に、前記バッテリを強制的に昇温させるべきと判断するものであってもよい。すなわち、内燃機関の間欠運転が許容されるときの車両温度である間欠許容車両温度とシステム起動に際して取得された車両温度との偏差が所定値未満である場合には、システム起動後の比較的早い段階で車両温度と間欠許容車両温度との関係から内燃機関の間欠運転が許容される可能性が高い。従って、このような場合には、バッテリ昇温制御を実行してバッテリを間欠許容バッテリ温度まで昇温させておくことが好ましい。ただし、システム起動に際して取得されたバッテリの温度と間欠許容バッテリ温度との偏差が所定値未満であれば、システム起動後の初期走行の間にバッテリが間欠許容バッテリ温度以上にまで昇温する可能性が高い。従って、間欠許容車両温度とシステム起動に際して取得された車両温度との偏差が所定値未満であり、かつシステム起動に際して取得されたバッテリの温度と間欠許容バッテリ温度との偏差が所定値以上である場合に、バッテリを強制的に昇温させるべきと判断すれば、バッテリ昇温制御をより適正に実行して、バッテリが十分に昇温した時点から内燃機関の間欠運転を実行可能となるので、ハイブリッド自動車のエネルギ効率をより向上させることが可能となる。
また、本発明によるハイブリッド自動車は、道路に関する情報を含む地図情報を保持する地図情報保持手段と、前記ハイブリッド自動車の現在位置を取得する現在位置取得手段と、前記地図情報と所定の制約とに基づいて前記取得された現在位置から目的地までの走行時間または走行距離を推定する推定手段とを更に備えてもよく、前記判定手段は、前記システム起動に際して推定された走行時間または走行距離が所定時間または所定距離未満である場合に、前記バッテリを強制的に昇温させるべきではないと判断するものであってもよい。すなわち、システム起動に際して推定された走行時間または走行距離が絶対的に短い場合には、その後の走行中にバッテリ昇温制御を実行したとしても、停車(システム停止)までの間に内燃機関の間欠運転を許容するのに十分な電力を出力可能な状態にあるときの温度までバッテリを昇温させ得ない可能性が高い。従って、システム起動に際して推定された走行時間または走行距離が所定時間または所定距離未満である場合にバッテリを強制的に昇温させるべきではないと判断するものとすれば、無駄なバッテリ昇温制御の実行を抑制してハイブリッド自動車のエネルギ効率をより向上させることが可能となる。なお、この場合の閾値としての所定時間または所定距離は、一定の値であってもよく、バッテリ温度のような何れかのパラメータに応じて変化する値であってもよい。
更に、本発明によるハイブリッド自動車は、車速を検出する車速検出手段を更に備えてもよく、前記解除条件は、前記検出された車速が所定時間継続して所定車速以上となった場合に成立するものであってもよい。すなわち、ハイブリッド自動車では、ある程度高い車速での走行に際して内燃機関に走行用の動力を出力させる必要が生じ、そのような走行状態が継続される場合には内燃機関の間欠運転が禁止されることから、間欠運転の実行を可能とするためにバッテリ昇温制御を実行する必要がなくなる。従って、車速が所定時間継続して所定車速以上となった場合には、バッテリ昇温制御を取り止めるようにすれば、無駄なバッテリ昇温制御の実行を抑制してハイブリッド自動車のエネルギ効率をより向上させることが可能となる。
また、本発明によるハイブリッド自動車は、前記バッテリの残容量を取得する残容量取得手段を更に備えてもよく、前記解除条件は、前記取得された残容量が所定残容量未満となった場合に成立するものであってもよい。すなわち、ハイブリッド自動車では、バッテリの残容量が所定残容量未満になったような場合、内燃機関の動力を用いて発電手段に電力を発生させ、その電力にてバッテリを充電する必要が生じる。そして、このような場合には内燃機関の間欠運転が禁止されることから、間欠運転の実行を可能とするためにバッテリ昇温制御を実行する必要がなくなる。従って、バッテリの残容量が所定残容量未満になった場合にバッテリ昇温制御を取り止めるようにすれば、無駄なバッテリ昇温制御の実行を抑制してハイブリッド自動車のエネルギ効率をより向上させることが可能となる。
そして、前記制御手段は、前記判定手段により前記バッテリを強制的に昇温させるべきではないと判断された場合には、第1の制約に従った前記バッテリの充放電量の設定を実行しながら前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が得られるように前記内燃機関と前記電動機と前記発電手段とを制御する一方、前記判定手段により前記バッテリを強制的に昇温させるべきと判断された場合には、前記第1の制約に比べて前記バッテリの充電と放電との切り換えを抑制する傾向の第2の制約に従った前記バッテリの充放電量の設定を前記バッテリ昇温制御として実行しながら前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が得られるように前記内燃機関と前記電動機と前記発電手段とを制御するものであってもよい。これにより、第2の制約に従えば、バッテリを強制的に昇温させるべきときに充放電に伴う熱を利用してバッテリを良好に昇温させることが可能となる。
また、前記発電手段は、前記内燃機関の出力軸と車軸とに接続され、電力と動力の入出力を伴って前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記車軸に出力する電力動力入出力手段であってもよい。更に、前記電力動力入出力手段は、前記車軸と前記内燃機関の出力軸と回転可能な回転軸とに接続され、これら3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づいて定まる動力を残余の軸に入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な電動機とを含み、前記電動機は、前記車軸または該車軸とは異なる第2の車軸に動力を入出力可能であってもよい。
本発明によるハイブリッド自動車の制御方法は、
走行用の動力を出力可能な内燃機関と、走行用の動力を出力可能な電動機と、前記内燃機関からの動力を用いて発電可能な発電手段と、前記電動機および前記発電手段のそれぞれと電力をやり取り可能なバッテリとを備えたハイブリッド自動車の制御方法であって、
a)前記バッテリの温度と前記内燃機関の間欠運転の許否を決定し得る所定の車両状態とを取得するステップと、
(b)ステップ(a)で取得された前記バッテリの温度と前記車両状態とに基づいて前記バッテリを強制的に昇温させるべきか否かを判定するステップと、
(c)ステップ(b)で前記バッテリを強制的に昇温させるべきではないと判断された場合には、前記バッテリを強制的に昇温させるためのバッテリ昇温制御を伴うことなく走行に要求される要求駆動力に基づく駆動力が得られるように前記内燃機関と前記電動機と前記発電手段とを制御する一方、ステップ(b)で前記バッテリを強制的に昇温させるべきと判断された場合には、所定の解除条件が成立するまで前記バッテリ昇温制御を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が得られるように前記内燃機関と前記電動機と前記発電手段とを制御するステップと、
を含むものである。
この方法のように、バッテリ昇温制御を実行するか否かの判定に際して、バッテリの温度に加えて上記所定の車両状態を用いれば、当該車両状態に基づいて内燃機関の間欠運転の許否すなわち内燃機関の運転の有無を知ることが可能となり、そのような内燃機関の運転の有無とバッテリの温度とからバッテリ昇温制御を実行すべきか否かをより適正に判断することができる。従って、この方法によれば、無駄なバッテリ昇温制御の実行を抑制したより適正なバッテリ昇温制御の実行が可能となり、ハイブリッド自動車のエネルギ効率をより向上させることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施例に係るハイブリッド自動車20の概略構成図である。同図に示すハイブリッド自動車20は、エンジン22と、エンジン22の出力軸であるクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、乗員室(車室)21の空調を行なう空調ユニット90と、ハイブリッド自動車20の全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「ハイブリッドECU」という)70等とを備える。
エンジン22は、ガソリンや軽油といった炭化水素系の燃料の供給を受けて動力を出力する内燃機関であり、当該エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24により燃料噴射量や点火時期、吸入空気量等の制御を受けている。エンジンECU24には、例えば、エンジン22の間欠運転の許否を決定し得る車両温度たるエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ121からの冷却水温Tw等を示す信号等が入力される。そして、エンジンECU24は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号等に基づいてエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、動力分配統合機構30は、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側とにそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構37およびデファレンシャルギヤ38を介して最終的に駆動輪39a,39bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、何れも発電機として作動すると共に電動機として作動可能な周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介して二次電池であるバッテリ50と電力のやり取りを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2の何れか一方により発電される電力を他方のモータで消費できるようになっている。従って、バッテリ50は、モータMG1,MG2の何れかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになり、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されないことになる。モータMG1,MG2は、何れもモータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や、図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流等が入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号等が出力される。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44から入力した信号に基づいて図示しない回転数算出ルーチンを実行し、モータMG1,MG2の回転子の回転数Nm1,Nm2を計算している。また、モータECU40は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号等に基づいてモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧、バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流、バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からのバッテリ温度Tb等が入力されている。バッテリECU52は、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッドECU70やエンジンECU24に出力する。更に、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量SOCも算出している。
空調ユニット90は、エンジン22の冷却系統に含まれて冷却水と空気との熱交換を可能とする熱交換器91と、外気や乗員室21内の空気を熱交換器91側に吸引すると共に熱交換器91にて冷却水と熱交換した空気である調和空気を乗員室21へと送り出すブロワ92と、外気と乗員室21からの空気との何れかがブロワ92により選択的に吸引されるようにする三方弁(切換機構)93と、ユニット全体をコントロールする空調用電子制御ユニット(以下、「空調用ECU」という)99とを備える。空調用ECU99には、乗員室内のインストルメントパネル上に設けられた空調用オンオフスイッチ94からのオンオフ信号や、同様にインストルメントパネルに設けられた温度設定用スイッチ95からの設定温度信号、乗員室21内に配置された室温センサ96からの室温Tr、乗員室21の外部に配置された外気温センサ97からの外気温To、乗員室21の外部に配置されて日射量を検出する日射センサ98からの日射量SR等が入力される。空調用ECU99は、これらの入力信号に基づいて乗員室21内の室内温度Trが設定温度となるようブロワ92を駆動制御する。また、空調用ECU99は、室温Tr、外気温Toおよび冷却水温Twの少なくとも何れか(本実施例では、冷却水温Tw)に基づいてエンジン22の運転すなわちエンジン22の間欠運転の禁止を要求するためのエンジン運転要求(暖房用運転要求)を設定し、こうして空調用ECU99によりエンジン運転要求が設定されたときには、エンジン22が始動されると共にエンジン22の間欠運転が禁止されることになる。本実施例において、空調用ECU99は、冷却水温Twが第1の温度(例えば60℃)未満のときにエンジン運転要求を設定すると共に冷却水温Twが第2の温度(例えば80℃)以上になるとその設定を解除する。また、空調用ECU99は、冷却水温Twが所定温度未満であり、かつ空調用オンオフスイッチ94がオンされたときにエンジン運転要求を設定するものであってもよい。そして、空調用ECU99は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、必要に応じて設定したエンジン運転要求や空調ユニット90の状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に送信する。
ハイブリッドECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッドECU70には、イグニッションスイッチ(スタートスイッチ)80からのイグニッション信号、シフトレバー81の操作位置であるシフトポジションSPを検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ87からの車速V、ナビゲーションシステム88からの走行予定時間tt等が入力ポートを介して入力される。そして、ハイブリッドECU70は、上述したように、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52と各種制御信号やデータのやり取りを行なっている。なお、ナビゲーションシステム88は、地図情報等を記憶したハードディスクやDVDーROM等の記憶媒体(地図情報保持手段)や通信ポートなどを含む制御部(推定手段)とを内蔵する本体と、車両の現在位置に関する情報を受信するGPSアンテナ(現在位置取得手段)と、車両の現在位置に関する情報や目的地までの走行ルートといった各種情報を表示可能なディスプレイとを備え(何れも図示省略)、操作者により目的地が指定されたときに地図情報と車両の現在位置と目的地とに基づいて目的地までの走行ルートを検索すると共に検索した走行ルートについての走行予定時間や走行予定距離を出力し、ディスプレイ上の表示や音声等を介してルート案内を行なうものである。
上述のように構成された本実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*が計算され、この要求トルクTr*に対応する動力がリングギヤ軸32aに出力されるようにエンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御モードとしては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2から要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するように運転制御するモータ運転モード等がある。
次に、上述のように構成されたハイブリッド自動車20の動作について説明する。図2は、ハイブリッドECU70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に実行される。
図2の駆動制御ルーチンの開始に際して、ハイブリッドECU70のCPU72は、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ87からの車速V、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2、バッテリ50の残容量SOC、バッテリ50の充放電に許容される電力である入出力制限Win,Wout、昇温制御フラグFbの値といった制御に必要なデータの入力処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、モータECU40から通信により入力するものとした。また、残容量SOCは、バッテリECU52から通信により入力するものとした。更に、バッテリ50の充電に許容される電力である充電許容電力としての入力制限Winと、その放電に許容される電力である放電許容電力としての出力制限Woutとは、温度センサ51により検出されたバッテリ50のバッテリ温度Tbとバッテリ50の残容量SOCとに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定すると共に、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定可能である。図3にバッテリ温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示し、図4にバッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す。また、昇温制御フラグFbは、後述する起動時昇温制御判定ルーチンや起動後昇温制御判定ルーチンを経てバッテリ50の強制的な充放電により熱を発生させて当該バッテリ50をエンジン22の間欠運転を許容するのに十分な電力を出力可能な状態にあるときのバッテリ50の温度として予め定められる間欠許容バッテリ温度Tbrefまで昇温させるバッテリ昇温制御を実行すべき場合に値1に設定され、バッテリ昇温制御を実行すべきではない場合に値0に設定されるものである。なお、間欠許容バッテリ温度Tbrefは、図3および図4の特性等に基づいて決定され得る値であり、実施例では例えば0℃〜10℃程度の値とされる。
ステップS100のデータ入力処理の後、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動輪39a,39bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS110)。本実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めた要求トルク設定用マップがROM74に記憶されており、要求トルクTr*としては、与えられたアクセル開度Accと車速Vとに対応したものが当該マップから導出・設定される。図5に要求トルク設定用マップの一例を示す。続いて、ステップS100にて入力した昇温制御フラグFbが値0であるか否かを判定し(ステップS120)、昇温制御フラグFbが値0であれば、バッテリ昇温制御を実行しない通常時用のマップを用いてバッテリ50が充放電すべき充放電要求パワーPb*を設定する(ステップS130)。また、昇温制御フラグFbが値1であれば、バッテリ昇温制御を実行する昇温制御時用のマップを用いてバッテリ50が充放電すべき充放電要求パワーPb*を設定する(ステップS140)。本実施例では、バッテリ昇温制御を実行しない通常時とバッテリ昇温制御を実行する昇温制御時とにおけるバッテリ50の残容量SOCと充放電要求パワーPb*との関係を予め定めた通常時充放電要求パワー設定用マップと昇温制御時充放電要求パワー設定用マップとがROM74に記憶されており、残容量SOCと昇温制御フラグFbの値とが与えられると両マップの何れかから対応する充放電要求パワーPb*が導出・設定される。通常時充放電要求パワー設定用マップおよび昇温制御時充放電要求パワー設定用マップの例を図6に示す。図6において実線で示すように、本実施例の通常時充放電要求パワー設定用マップは、残容量SOCが低残量側閾値SL未満のときには充放電要求パワーPb*を一定の最大充電量(Pc)に設定すると共に残容量SOCが高残量側閾値SH以上であるときには充放電要求パワーPb*を一定の最大放電量(Pd)に設定し、残容量SOCが低残量側閾値SL以上かつ高残量側閾値SH未満であるときには充放電要求パワーPb*を比較的緩やかな勾配で残容量SOCに比例して増減するように設定するものとされている。これに対して、本実施例の昇温制御時充放電要求パワー設定用マップは、同図において一点鎖線で示すように充放電要求パワーPb*が一定の最大充電量Pcに設定されている状態で残容量SOCが高残量側閾値SH′(例えばSH′>SH)以上になると急峻に(直ちに)充放電要求パワーPb*を一定の最大放電量Pdに設定する一方、同図において二点鎖線で示すように充放電要求パワーPb*が一定の最大放電量Pdに設定されている状態で残容量SOCが低残量側閾値SL′(例えばSL′<SL)未満になると急峻に(直ちに)充放電要求パワーPb*を一定の最大充電量Pcに設定するものとされている。すなわち、昇温制御時充放電要求パワー設定用マップはヒステリシス特性を有し、通常時充放電要求パワー設定用マップに比べて、充放電の切り換え時における残容量SOCに対する充放電要求パワーPb*の傾きを大きく規定すると共に、充放電の切り換え閾値間(SL′とSH′との間)の幅を大きく規定するものである。これにより、昇温制御フラグFbが値1とされている場合には、昇温制御フラグFbが値0とされているときに比べて、充放電要求パワーPb*の値が最大充電量Pcと最大放電量Pdとの何れかに固定される時間が長くなり、バッテリ50の充電と放電との頻繁な切り換えが抑制されることになる。
こうして充放電要求パワーPb*を設定すると、ハイブリッド自動車20の全体に要求される要求パワーP*を設定する(ステップS150)。本実施例において、要求パワーP*は、ステップS110にて設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものと充放電要求パワーPb*(ただし、充電要求側を正とする)とロスLossとの和として計算される。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、図示するようにモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除するか、あるいは車速Vに換算係数kを乗じることによって求めることができる。要求パワーP*を設定したならば、設定した要求パワーP*が所定の閾値Pref以上であるか否かを判定する(ステップS160)。ここで用いられる閾値Prefは、エンジン22に動力(トルク)を出力させるべきか否かを判定するためにエンジン22やモータMG2の特性等に基づいて定められ、エンジン22を効率よく運転することができる領域における下限のパワーまたはその近傍の値とされる。そして、要求パワーP*が閾値Pref以上である場合には、エンジン22に要求パワーP*を出力させるものとし、更にエンジン22が運転されているか否かを判定する(ステップS170)。この場合、エンジン22が運転されていなければ、図示しないエンジン始動ルーチン(ステップS180)を経てエンジン22が始動された後に再度本ルーチンが実行されることになる。また、エンジン22が運転されている場合には、要求パワーP*をエンジン22に出力させるべく要求パワーP*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS190)。本実施例では、予め定められたエンジン22を効率よく動作させるための動作ラインと要求パワーPe*とに基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定するものとした。図7に、エンジン22の動作ラインと目標回転数Ne*と目標トルクTe*との相関曲線とを例示する。同図に示すように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定となることを示す相関曲線との交点から求めることができる。
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定したならば、ステップS190にて設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρ(サンギヤ31の歯数/リングギヤ32の歯数)とを用いて次式(1)に従いモータMG1の目標回転数Nm1*を計算した上で、計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づく式(2)の計算を実行してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS200)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。また、動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図8に例示する。図中、左側のS軸はモータMG1の回転数Nm1に一致するサンギヤ31の回転数を示し、中央のC軸はエンジン22の回転数Neに一致するキャリア34の回転数を示し、右側のR軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。また、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1からトルクTm1を出力したときにこのトルク出力によりリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。モータMG1の目標回転数Nm1*を求めるための式(1)は、この共線図における回転数の関係を用いれば容易に導出することができる。そして、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) …(1)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt …(2)
モータMG1のトルク指令Tm1*を設定したならば、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと、S200にて設定したモータMG1のトルク指令Tm1*と現在のモータMG1の回転数Nm1との積として得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で除することによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(3)および式(4)に従い計算する(ステップS210)。更に、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρと減速ギヤ35のギヤ比Grとを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを次式(5)に従い計算し(ステップS220)、モータMG2のトルク指令Tm2*をステップS210にて計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値として設定する(ステップS230)。このようにしてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するトルクをバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。なお、式(5)は、図8の共線図から容易に導出することができる。こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*をエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS240)、本ルーチンを一旦終了させる。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを得るための制御を実行する。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*に従ってモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*に従ってモータMG2が駆動されるようにインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 …(3)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 …(4)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr …(5)
一方、ステップS160にて要求パワーP*が閾値Pref未満であると判断した場合にも、更にエンジン22が運転されているか否かを判定する(ステップS250)。この場合、エンジン22が運転されていれば、エンジン22が実質的にトルクの出力を行なうことなく自立運転されるように、エンジン22の目標回転数Ne*を所定の回転数Nidlに設定すると共に目標トルクTe*を値0に設定する(ステップS260)。本実施例では、回転数Nidlは、例えばアイドル時の回転数(800〜1000rpm)であるものとした。また、エンジン22が運転されていなければ、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とをそれぞれ値0に設定する(ステップS270)。そして、ステップS260またはS270の処理の後、モータMG1のトルク指令Tm1*を値0に設定した上で(ステップS280)、上述のステップS210〜S240の処理を実行する。
このように、本実施例のハイブリッド自動車20では、昇温制御フラグFbが値0に設定されている場合には、第1の制約としての通常時充放電要求パワー設定用マップを用いた充放電要求パワーPb*の設定(ステップS130)を伴ってステップS110にて設定された要求トルクTr*に基づく駆動力が得られるようにエンジン22とモータMG1およびMG2とが制御される。これに対して、昇温制御フラグFbが値1に設定されている場合には、通常時充放電要求パワー設定用マップに比べてバッテリ50の充電と放電との切り換えを抑制する傾向の第2の制約たる昇温制御時充放電要求パワー設定用マップを用いたバッテリ50の充放電要求パワーPb*の設定(ステップS140)をバッテリ昇温制御として伴ってステップS110にて設定された要求トルクTr*に基づく駆動力が得られるようにエンジン22とモータMG1およびMG2とが制御される。これにより、昇温制御フラグFbが値1に設定されており、昇温制御時充放電要求パワー設定用マップを用いて充放電要求パワーPb*が設定された場合には、エンジン22を停止または自立運転すると共にバッテリ50から最大放電量Pdの電力を放電させてモータMG2により要求トルクTr*を賄うモータ走行状態と、要求パワーP*をエンジン22に発生させ、発電機としてのモータMG1を駆動して電力を発生させると共に最大充電量Pcにてバッテリ50を充電しつつ要求トルクTr*を賄う走行状態とが比較的少ない頻度で繰り返されることになる。従って、ハイブリッド自動車20では、昇温制御フラグFbが値1に設定されており、バッテリ50を強制的に昇温させるべきときに、充放電に伴う熱を利用してバッテリ50を良好に昇温させることが可能となる。
引き続き、図9から図12を参照しながら、上述のハイブリッド自動車20において実行される起動時昇温制御判定ルーチンおよび起動後昇温制御判定ルーチンについて説明する。
図9は、イグニッションスイッチ80がオンされてハイブリッド自動車20のシステム起動がなされるとハイブリッドECU70により1サイクル実行される起動時昇温制御判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。システム起動がなされて図9の起動時昇温制御判定ルーチンを開始させるに際して、ハイブリッドECU70は、まず、システム起動がなされた際(起動直後)のバッテリ温度Tbや冷却水温Tw、バッテリ50の残容量SOC、ナビゲーションシステム88からの走行予定時間ttといった制御に必要なデータの入力処理を実行する(ステップS300)。本実施例において、バッテリ温度Tbおよび残容量SOCは、バッテリECU52から通信により入力するものとし、冷却水温Twは、水温センサ121により検出されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。
次いで、ステップS300にて走行予定時間ttを入力したか否か、すなわち運転者等により目的地が指定されてナビゲーションシステムにより走行予定時間ttが出力されたか否かを判定し(ステップS310)、走行予定時間ttを入力していれば、入力した走行予定時間ttが予め定められた閾値ttref以上であるか否かを判定する(ステップS320)。ここで、システム起動に際してナビゲーションシステム88により推定された走行予定時間ttが絶対的に短い場合には、その後の走行中にバッテリ昇温制御を実行したとしても、システム起動から停車(イグニッションスイッチ80がオフされるとき)までの間にバッテリ50を間欠許容バッテリ温度Tbrefまで昇温させ得ない可能性が高い。これを踏まえて、本実施例では、ステップS320にて、システム起動に際して推定された走行予定時間ttが予め定められた閾値ttref未満であると判断された場合、バッテリ50を強制的に昇温させるべきではないとみなして昇温制御フラグFbを値0に設定し(ステップS360)、本ルーチンを終了させる。これにより、無駄なバッテリ昇温制御の実行が抑制されることになるので、ハイブリッド自動車20のエネルギ効率をより向上させることが可能となる。なお、閾値ttrefは、バッテリ温度Tbと、あるバッテリ温度Tbを間欠許容バッテリ温度Tbrefまで上昇させるのに要する時間との関係等に基づいて実験、解析を経て定められ、実施例では一定の値とされる。また、ステップS310にて否定判断がなされた場合には、ステップS320の処理はスキップされる。
一方、ステップS310にて否定判断がなされた場合や、ステップS320にて肯定判断がなされた場合には、ステップS300にて入力した残容量SOCに対応した図10に例示するような昇温制御判定用マップをROM74から読み出して設定し(ステップS330)、設定した昇温制御判定用マップを用いると共にステップS300にて入力したシステム起動の際のバッテリ温度Tbおよび冷却水温Twに基づいてバッテリ昇温制御を実行すべきか否かを判定する(ステップS340)。そして、バッテリ50を強制的に昇温させるべきであれば、昇温制御フラグFbを値1に設定する一方(ステップS350)、バッテリ50を強制的に昇温させるべきでなければ、昇温制御フラグFbを値0に設定し(ステップS360)、本ルーチンを終了させる。
昇温制御判定用マップは、バッテリ昇温制御を実行すべき場合のシステム起動時におけるバッテリ温度Tbの上限および下限をシステム起動時における冷却水温Twに応じて残容量SOCごとに規定するように実験、解析を経て作成され、予めROM74に記憶されている。かかる昇温制御判定用マップを用いた場合、システム起動に際して取得されたバッテリ温度Tbおよび冷却水温Twが図10においてハッチングを付した昇温制御実行領域内にあれば、バッテリ50を強制的に昇温させるべきと判断される。すなわち、図10からわかるように、基本的に、バッテリ温度Tbと冷却水温Twとの双方がある程度高ければ、バッテリ50を強制的に昇温させるべきではないと判断されることになる。また、図10の昇温制御判定用マップを用いた場合、冷却水温Twが絶対的に低い場合(極低温)であってもバッテリ温度Tbがある程度高ければ、バッテリ50を強制的に昇温させるべきではないと判断され、バッテリ温度Tbが絶対的に低い場合(極低温)であっても冷却水温Twがある程度高ければ、バッテリ50を強制的に昇温させるべきではないと判断されることになる。
ここで、本実施例のハイブリッド自動車20では、システム起動に際し、冷却水温Twに基づいて暖房性能すなわち熱交換器91の熱源を確保する必要がある際に空調用ECU99によりエンジン22の運転(暖機運転)を要求するためのエンジン運転要求が設定され、それに伴ってエンジン22が始動されると共にエンジン22の間欠運転が禁止される。この場合、図11に示すように、システム起動の際のエンジン運転要求の設定に伴ってエンジン22が始動されてから(暖機開始から)、エンジン運転要求の設定が解除されてエンジン22の間欠運転が許容されるまでの間(システム起動後の間欠禁止時間)の冷却水温Twの上昇分ΔTwは、システム起動時における冷却水温Twや一般的な走行パターン(車速パターン)等に基づいて推定され得る。また、システム起動後の初期走行中のバッテリ温度Tbの上昇分ΔTb、すなわち当該システム起動後の間欠禁止時間中におけるエンジン22からの熱や通常時充放電要求パワー設定用マップに従った(バッテリ昇温制御無しの)充放電によるバッテリ温度Tbの上昇分ΔTbも一般的な走行パターン(車速パターン)を踏まえた実験、解析を行うことにより推定され得る。従って、実験、解析を行うことにより、システム起動の際のバッテリ温度Tbと、システム起動後の間欠禁止時間内のバッテリ50の温度上昇分ΔTbとの和が間欠許容バッテリ温度Tbref以上となるときのシステム起動時におけるバッテリ温度Tbおよび冷却水温Twを予め推定することができる。これらを踏まえて、本実施例の昇温制御判定用マップは、システム起動の際に冷却水温Twに基づいてエンジン22の間欠運転が禁止される場合にシステム起動から間欠運転が許容されるまでの間にバッテリ昇温制御無しでバッテリ50が間欠許容バッテリ温度Tbrefまで昇温し得るときのシステム起動時におけるバッテリ温度Tbおよび冷却水温Twを昇温制御実行領域に含まないように作成される。これにより、図10の昇温制御判定用マップを用いれば、システム起動に際してエンジン22が運転されてバッテリ昇温制御無しでもバッテリ50の十分な昇温が見込める場合にバッテリ昇温制御を取り止めることができる。また、システム起動の際に禁止されたエンジン22の間欠運転がその後に許容された際に、バッテリ50から十分な電力を出力させながら内燃機関の間欠運転を良好に実行することが可能となる。
更に、システム起動に際して取得されたバッテリ温度Tbが極端に低い場合には、システム起動直後からバッテリ昇温制御を実行したとしても、内燃機関の間欠運転を許容するのに十分な電力を出力可能な状態となるようにバッテリを昇温させるのに長時間を要してしまう。従って、システム起動の際のバッテリ温度Tbが極端に低い場合には、システム起動から停車(イグニッションスイッチ80がオフされるとき)までの間にバッテリ50を間欠許容バッテリ温度Tbrefまで昇温させ得なかったり、バッテリ50を十分に昇温させ得たとしてもその後にエンジン22の間欠運転が結局実行されなかったりする可能性が高く、それまでに実行されたバッテリ昇温制御が結局無駄となってしまうおそれがある。例えば、バッテリ温度Tbが−30℃程度である場合には、上述のようなバッテリ昇温制御を実行してバッテリ温度Tbを0℃程度まで昇温させるのに、およそ60分を要してしまい、この場合、バッテリ50が十分に昇温した後にエンジン22の間欠運転が実際に実行される可能性は低い。このため、本実施例の昇温制御判定用マップは、図10からわかるように、バッテリ昇温制御を実行すべき場合のシステム起動時におけるバッテリ温度Tbの下限をシステム起動時における冷却水温Twに応じて規定するように作成されている。これにより、図10の昇温制御判定用マップを用いれば、システム起動に際して取得されたバッテリ温度Tbがシステム起動時における冷却水温Twに対応した下限温度未満である場合にバッテリ昇温制御を取り止めることができるので、結果的に無駄なバッテリ昇温制御の実行を抑制してハイブリッド自動車20のエネルギ効率を向上させることが可能となる。
上述のように、本実施例のハイブリッド自動車20では、イグニッションスイッチ80がオンされてシステムが起動されると、その時点で図9の起動時昇温制御判定ルーチンが実行され、バッテリ昇温制御を実行すべきか否かが判定される。そして、起動時昇温制御判定ルーチンにおける判定結果に応じてバッテリ昇温制御が開始された場合には、その後にバッテリ昇温制御を続行すべきか否かを判定すべく図12に例示する起動後昇温制御判定ルーチンが実行される。図12の起動後昇温制御判定ルーチンは、図9の起動時昇温制御判定ルーチンが実行された後、ハイブリッドECU70により所定時間おきに繰り返し実行されるものである。
図12の起動時昇温制御判定ルーチンを開始させるに際して、ハイブリッドECU70は、まず、バッテリECU52からの出力制限Woutや残容量SOC、車速センサ87からの車速Vといった制御に必要なデータの入力処理を実行する(ステップS400)。かかるデータの入力処理の後、入力した出力制限Woutが予め定められた閾値W1未満であるか否かを判定する(ステップS410)。閾値W1は、エンジン22の間欠運転を実行する際にバッテリ50から出力させるべき電力に基づいて定められる値である。そして、入力した出力制限Woutが閾値W1以上であれば、バッテリ50がエンジン22の間欠運転を許容するのに十分な電力を出力可能な状態にあることになるから、バッテリ昇温制御の続行を禁止すべく昇温制御フラグFbを値0に設定し(ステップS480)、本ルーチンを一旦終了させる。こうして昇温制御フラグFbが値0に設定された後には、適宜エンジン22の間欠運転を実行することにより、ハイブリッド自動車20の燃費を良好に保ってそのエネルギ効率を向上させることができる。なお、このように出力制限Woutに基づいてバッテリ昇温制御を続行すべきか否か判定する代わりに、ステップS400にてバッテリ温度Tbを入力し、ステップS410にて、入力したバッテリ温度Tbと上述の間欠許容バッテリ温度Tbrefとを比較してバッテリ昇温制御を続行すべきか否か判定してもよい。
一方、ステップS410にて出力制限Woutが閾値W1未満であると判断した場合には、更に、ステップS400にて入力した残容量SOCが所定値SOC1以上であるか否かを判定する(ステップS420)。そして、残容量SOCが所定値SOC1未満であれば、バッテリ昇温制御の続行を禁止すべく昇温制御フラグFbを値0に設定し(ステップS480)、本ルーチンを一旦終了させる。すなわち、ハイブリッド自動車20では、バッテリの残容量が所定値SOC1未満になった場合、エンジン22の動力を用いて発電機としてのモータMG1に電力を発生させ、その電力にてバッテリ50を強制的に充電する必要が生じる。そして、このような場合にはエンジン22の間欠運転が禁止されることから、間欠運転の実行を可能とするために昇温制御時充放電要求パワー設定用マップを用いたバッテリ昇温制御を実行する必要がなくなる。従って、バッテリ50の残容量SOCが所定値SOC1未満になった場合にバッテリ昇温制御を取り止めるようにすれば、無駄なバッテリ昇温制御の実行を抑制してハイブリッド自動車20のエネルギ効率をより向上させることが可能となる。
また、ステップS420にて残容量SOCが所定値SOC1以上であると判断した場合には、更に、ステップS400にて入力した車速Vが所定車速Vref未満であるか否かを判定し(ステップS430)、車速Vが所定車速Vref未満であれば、バッテリ昇温制御を続行すべく昇温制御フラグFbを値1に設定する(ステップS460)。また、車速Vが所定車速Vref以上であれば、図示しない所定のカウンタを1だけインクリメントした上で(ステップS440)、当該カウンタのカウント値nが所定値N未満であるか否かを判定する(ステップS450)。そして、カウント値nが所定値N未満であれば、バッテリ昇温制御を続行すべく昇温制御フラグFbを値1に設定し(ステップS460)、本ルーチンを一旦終了させる。また、ステップS450にてカウント値nが所定値N以上であると判断した場合には、上記カウンタをリセットした上で(ステップS470)、バッテリ昇温制御の続行を禁止すべく昇温制御フラグFbを値0に設定し(ステップS480)、本ルーチンを一旦終了させる。すなわち、ハイブリッド自動車20では、ある程度高い車速での走行に際してエンジン22に走行用の動力を出力させる必要が生じ、そのような走行状態が継続される場合にはエンジン22の間欠運転が禁止されることから、間欠運転の実行を可能とするために昇温制御時充放電要求パワー設定用マップを用いたバッテリ昇温制御を実行する必要がなくなる。従って、ステップS450にて否定判断がなされたとき、すなわち車速Vが所定時間継続して所定車速Vref以上になっていると判断された場合に、バッテリ昇温制御を取り止めるようにすれば、無駄なバッテリ昇温制御の実行を抑制してハイブリッド自動車20のエネルギ効率をより向上させることが可能となる。なお、ステップS430における閾値としての所定車速Vrefは、例えば60〜70km程度の値とすることができる。
以上説明したように、本実施例のハイブリッド自動車20では、システム起動がなされると図9の起動時昇温制御判定ルーチンが実行され、それぞれシステム起動に際して取得されたバッテリ温度Tbとエンジン22の間欠運転の許否を決定し得る車両温度としての冷却水温Twとに基づいてバッテリ50を強制的に昇温させるべきか否かが判定される(ステップS330,S340)。そして、バッテリ50を強制的に昇温させるべきではないと判断された場合には昇温制御フラグFbが値0に設定され(ステップS360)、この場合、図2の駆動制御ルーチンのもと、バッテリ50を強制的に昇温させるためのバッテリ昇温制御を伴うことなく要求トルクTr*に基づく駆動力が得られるようにエンジン22とモータMG1およびMG2とが制御される。また、バッテリ50を強制的に昇温させるべきと判断された場合には昇温制御フラグFbが値1に設定され(ステップS350)、図12の起動後昇温制御判定ルーチンにおいて昇温制御フラグFbが値0に設定されるまで、図2の駆動制御ルーチンのもと、バッテリ昇温制御を伴って要求トルクTr*に基づく駆動力が得られるようにエンジン22とモータMG1およびMG2とが制御される。このように、バッテリ昇温制御を実行するか否かの判定に際して、バッテリ温度Tbに加えてエンジン22の間欠運転の許否を決定し得る車両状態としての冷却水温Twを用いれば、当該冷却水温Twに基づいてエンジン22の間欠運転の許否すなわちエンジン22の運転の有無を知ることが可能となり、そのようなエンジン22の運転の有無とバッテリ温度Tbとからバッテリ昇温制御を実行すべきか否かをより適正に判断することができる。そして、本実施例のように、システム起動時に取得されたバッテリ温度Tbおよび冷却水温Twに基づいてバッテリを強制的に昇温させるべきか否かを判定すれば、システム起動後に無駄なバッテリ昇温制御の実行を抑制したより適正なバッテリ昇温制御の実行が可能となり、エネルギ効率をより向上させることができる。
なお、上述の冷却水温Twに代わるエンジン22の間欠運転の許否を決定し得る車両温度としては、例えば、冷却水温Twと同様に空調用ECU99によるエンジン運転要求の設定の有無すなわちエンジン22の間欠運転の許否の決定に供され得る外気温度To、室温Tr等が挙げられ、上記昇温制御判定用マップは、外気温度Toあるいは室温Trとバッテリ温度Tbとに基づいて作成されてもよい。また、図3等からわかるように、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、残容量SOCとバッテリ温度Tbとから定まるものであるから、システム起動時におけるバッテリ温度Tbの上限および下限をシステム起動時における冷却水温Twに応じて残容量SOCごとに規定するように昇温制御判定用マップを作成する代わりに、バッテリ50の入力制限Winまたは出力制限Woutの上限および下限をシステム起動時における冷却水温Twに応じて規定するように昇温制御判定用マップを作成してもよい。
更に、本実施例のハイブリッド自動車20では、ステップS340の判定処理に、システム起動の際に冷却水温Twに基づいてエンジン22の間欠運転が禁止される場合にシステム起動から間欠運転が許容されるまでの間にバッテリ昇温制御無しでバッテリ50が間欠許容バッテリ温度Tbrefまで昇温し得るときのシステム起動時におけるバッテリ温度Tbおよび冷却水温Twを昇温制御実行領域に含まないように作成された昇温制御判定用マップが用いられる。これにより、ハイブリッド自動車20では、システム起動に際してエンジン22が運転されてバッテリ昇温制御無しでもバッテリ50の十分な昇温が見込める場合にバッテリ昇温制御を取り止めることができる。また、ステップS340にて用いられる昇温制御判定用マップは、バッテリ昇温制御を実行すべき場合のシステム起動時におけるバッテリ温度Tbの下限をシステム起動時における冷却水温Twに応じて規定するように作成されているので、間欠許容バッテリ温度Tbrefまでバッテリ50を昇温させることが困難であってエンジン22の間欠運転が実際に実行される可能性は低い場合に、無駄なバッテリ昇温制御が実行されることを抑制することができる。なお、昇温制御判定用マップは、冷却水温Tw(車両温度)に拘わらず、バッテリ温度Tbに関する下限温度を一定の値として規定するものであってもよい。
そして、図9の起動時昇温制御判定ルーチンにおいては、システム起動に際してナビゲーションシステム88により推定された走行予定時間ttが予め定められた閾値ttref未満である場合に、バッテリ50を強制的に昇温させるべきではないと判断される(ステップS310)。これにより、システム起動に際して推定された走行予定時間ttが絶対的に短く、その後の走行中にバッテリ昇温制御を実行したとしてもバッテリ50を間欠許容バッテリ温度Tbrefまで昇温させ得ない可能性が高い場合に、無駄にバッテリ昇温制御が実行されてしまうことを抑制してハイブリッド自動車20のエネルギ効率をより向上させることが可能となる。なお、図9のステップS310の処理に際しては、システム起動に際してナビゲーションシステム88によって推定された走行予定距離と所定の閾値とを比較してもよい。更に、ステップS310における閾値としての時間または距離は、例えばバッテリ温度Tbといった他のパラメータに応じて変化する値とされてもよい。
また、図12の起動後昇温制御判定ルーチンに関連して説明したように、出力制限Woutが閾値W1以上になること(ステップS410)、バッテリ50の残容量SOCが所定値SOC1未満となること(ステップS420)、および車速Vが所定時間継続して所定車速Vref以上になっていること(ステップS430〜S470)を主にバッテリ昇温制御の解除条件とすれば、無駄なバッテリ昇温制御の実行を抑制してハイブリッド自動車20のエネルギ効率をより向上させることが可能となる。
次に、図13を参照しながら、本発明の第2の実施例として、上述のハイブリッド自動車20において実行される得る他の起動時昇温制御判定ルーチンについて説明する。図13の起動時昇温制御判定ルーチンもイグニッションスイッチ80がオンされてハイブリッド自動車20がシステム起動されたときにハイブリッドECU70により実行されるものである。システム起動がなされて図13の起動時昇温制御判定ルーチンを開始させるに際して、ハイブリッドECU70は、図9のステップS300と同様にして、それぞれシステム起動に際して取得されたバッテリ温度Tbや冷却水温Tw、室温センサ96からの室温Tr、外気温センサ97からの外気温To、日射センサ98からの日射量SR、ナビゲーションシステム88からの走行予定時間ttといった制御に必要なデータの入力処理を実行する(ステップS500)。次いで、図9のステップS310およびS320と同様の処理であるステップS510およびS520を実行し、システム起動に際して推定された走行予定時間ttが閾値ttref未満であると判断した場合、バッテリ50を強制的に昇温させるべきではないとみなして昇温制御フラグFbを値0に設定し(ステップ570)、本ルーチンを終了させる。また、ステップS510にて否定判断がなされた場合や、ステップS520にて肯定判断がなされた場合には、ステップS500にて入力した室温Tr、外気温Toおよび日射量SRに基づいてエンジン22の間欠運転が許容されるときの冷却水の温度(最低温度)、すなわちシステム起動の際に空調用ECU99によりエンジン運転要求が設定されないときの冷却水の最低温度である間欠許容冷却水温Twrefを設定する(ステップS530)。本実施例では、間欠許容冷却水温Twrefと室温Tr、外気温Toおよび日射量SRとの関係を予め定めた間欠許容冷却水温設定用マップがROM74に記憶されており、間欠許容冷却水温Twrefとしては、与えられた室温Tr、外気温Toおよび日射量SRに対応したものが当該マップから導出・設定される。
続いて、ステップS530にて設定した間欠許容冷却水温TwrefからステップS500にて入力したシステム起動の際の冷却水温Twを減じた値(偏差)が予め定められた閾値α未満であるか否かを判定する(ステップS540)。閾値αは、例えば30℃〜50℃程度の値(本実施例では、40℃)とされ、ステップS540にて間欠許容冷却水温Twrefからシステム起動の際の冷却水温Twを減じた値が閾値α以上であると判断した場合には、バッテリ50を強制的に昇温させるべきではないとみなして昇温制御フラグFbを値0に設定し(ステップS570)、本ルーチンを終了させる。すなわち、ステップS540にて否定判断がなされる場合には、システム起動の際の冷却水温Twと間欠許容冷却水温Twrefとの乖離が大きいため、暖機等の必要性からエンジン22の間欠運転が許容されずにエンジン22がシステム起動後に比較的長い時間だけ運転され、バッテリ50の放電を伴うモータMG2によるモータ走行が制限されることになるので、このような場合には、バッテリ昇温制御を実行してバッテリ50を昇温させたとしても結果的にエンジン22の間欠運転が許容されない可能性が高い。従って、ステップS540にて否定判断がなされた場合に、昇温制御フラグFbを値0に設定すれば、無駄なバッテリ昇温制御の実行を抑制してハイブリッド自動車20のエネルギ効率を向上させることが可能となる。
一方、ステップS540にて間欠許容冷却水温Twrefからシステム起動の際の冷却水温Twを減じた値が閾値α未満であると判断した場合には、更にステップS500にて入力したシステム起動の際のバッテリ温度Tbから上記間欠許容バッテリ温度Tbrefを減じた値(偏差)が予め定められた閾値β以上であるか否かを判定する(ステップS550)。閾値βは、例えば5℃〜10℃程度の値(本実施例では、5℃)とされ、ステップS550にてシステム起動の際のバッテリ温度Tbから間欠許容バッテリ温度Tbrefを減じた値が閾値β未満であると判断した場合には、バッテリ50を強制的に昇温させるべきではないとみなして昇温制御フラグFbを値0に設定し(ステップS570)、本ルーチンを終了させる。すなわち、ステップS550にて否定判断がなされる場合には、システム起動の際のバッテリ温度Tbと間欠許容バッテリ温度Tbとの間に殆ど差がないといってよく、このような場合には、特にバッテリ昇温制御を実行しなくても、システム起動後の初期走行によりバッテリ50が速やかに間欠許容バッテリ温度Tbrefまで昇温すると考えられることから、無駄なバッテリ昇温制御の実行を抑制すべく、昇温制御フラグFbを値0に設定するのである。これに対して、ステップS550にてシステム起動の際のバッテリ温度Tbから間欠許容バッテリ温度Tbrefを減じた値が閾値β以下であると判断した場合には、バッテリ50を強制的に昇温させるべきとみなして昇温制御フラグFbを値1に設定し(ステップS560)、本ルーチンを終了させる。
このように、第2の実施例に係る起動時昇温制御判定ルーチンのもとでは、間欠許容冷却水温Twrefとシステム起動の際の冷却水温Twとの偏差が閾値α未満であり、かつシステム起動の際のバッテリ温度Tbと間欠許容バッテリ温度Tbrefとの偏差が閾値β以上である場合に、バッテリを強制的に昇温させるべきと判断されて昇温制御フラグfbが値1に設定されることになる。すなわち、エンジン22の間欠運転が許容されるときの冷却水温Twである間欠許容冷却水温Twrefとシステム起動の際の冷却水温Twとの偏差が閾値α未満である場合には、システム起動後の比較的早い段階で冷却水温Twと間欠許容冷却水温Twとの関係からエンジン22の間欠運転が許容される可能性が高い。従って、このような場合には、バッテリ昇温制御を実行してエンジン22の間欠運転を許容するのに十分な電力を出力可能な状態にあるときの温度である間欠許容バッテリ温度Tbrefまでバッテリ50を昇温させておくことが好ましい。ただし、システム起動の際のバッテリ温度Tbと間欠許容バッテリ温度Tbrefとの偏差が閾値β未満であれば、上述のようにシステム起動後の初期走行の間にバッテリ50が間欠許容バッテリ温度Tbref以上にまで昇温する可能性が高い。従って、間欠許容冷却水温Twrefとシステム起動の際の冷却水温Twとの偏差が閾値α未満であり、かつシステム起動の際のバッテリ温度Tbと間欠許容バッテリ温度Tbrefとの偏差が閾値β以上である場合に、バッテリ昇温制御が実行されるようにすれば、バッテリ昇温制御をより適正に実行すると共に、バッテリ50が十分に昇温した時点からエンジン22の間欠運転を実行可能となるので、ハイブリッド自動車20のエネルギ効率をより向上させることが可能となる。
以上、実施例を用いて本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記各実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。
すなわち、上記ハイブリッド自動車20では、駆動軸としてのリングギヤ軸32aとモータMG2とがモータMG2の回転数を減速してリングギヤ軸32aに伝達する減速ギヤ35を介して連結されているが、減速ギヤ35の代わりに、例えばHi,Loの2段の変速段あるいは3段以上の変速段を有し、モータMG2の回転数を変速してリングギヤ軸32aに伝達する変速機を採用してもよい。
更に、上記ハイブリッド自動車20は、モータMG2の動力を減速ギヤ35により減速して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものであるが、本発明の適用対象は、これに限られるものではない。すなわち、本発明は、図14に示す変形例としてのハイブリッド自動車120のように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aに接続された車軸(駆動輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図14における車輪39c,39dに接続された車軸)に出力するものに適用されてもよい。
また、実施例のハイブリッド自動車20は、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪39a,39bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものであるが、本発明の適用対象は、これに限られるものでもない。すなわち、本発明は、図15に示す変形例としてのハイブリッド自動車220のように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪39a,39bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えたものに適用されてもよい。
本発明の第1の実施例に係るハイブリッド自動車20の概略構成図である。 第1の実施例のハイブリッドECU70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 バッテリ50におけるバッテリ温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示す説明図である。 バッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す説明図である。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 通常時充放電要求パワー設定用マップおよび昇温制御時充放電要求パワー設定用マップの例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインと目標回転数Ne*と目標トルクTe*との相関曲線とを例示する説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 第1の実施例のハイブリッド自動車20のシステム起動がなされたときにハイブリッドECU70により実行される起動時昇温制御判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 昇温制御判定用マップの一例を示す説明図である。 システム起動がなされた後にエンジン22が運転される場合の冷却水温Twとバッテリ温度Tbとの推移を示す説明図である。 第1の実施例のハイブリッドECU70により実行される起動後昇温制御判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施例における起動時昇温制御判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例のハイブリッド自動車120の概略構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の概略構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、21 乗員室、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、39c,39d 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(ハイブリッドECU)、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、87 車速センサ、88 ナビゲーションシステム、90 空調ユニット、91 熱交換器、92 ブロワ、94 空調用オンオフスイッチ、95 温度設定用スイッチ、96 室温センサ、97 外気温センサ、98 日射センサ、99 空調用電子制御ユニット(空調用ECU)、121 水温センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (14)

  1. 走行用の動力を出力可能な内燃機関と、
    走行用の動力を出力可能な電動機と、
    前記内燃機関からの動力を用いて発電可能な発電手段と、
    前記電動機および前記発電手段のそれぞれと電力をやり取り可能なバッテリと、
    前記バッテリの温度を取得するバッテリ温度取得手段と、
    前記内燃機関の間欠運転の許否を決定し得る所定の車両状態を取得する車両状態取得手段と、
    前記取得された前記バッテリの温度および前記車両状態に基づいて前記バッテリを強制的に昇温させるべきか否かを判定する判定手段と、
    走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記判定手段により前記バッテリを強制的に昇温させるべきではないと判断された場合には、前記バッテリを強制的に昇温させるためのバッテリ昇温制御を伴うことなく前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が得られるように前記内燃機関と前記電動機と前記発電手段とを制御する一方、前記判定手段により前記バッテリを強制的に昇温させるべきと判断された場合には、所定の解除条件が成立するまで前記バッテリ昇温制御を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が得られるように前記内燃機関と前記電動機と前記発電手段とを制御する制御手段と、
    を備えるハイブリッド自動車。
  2. 前記車両状態は、所定の車両温度であり、前記判定手段は、システム起動時に取得された前記バッテリの温度および前記車両温度に基づいて前記バッテリを強制的に昇温させるべきか否かを判定する請求項1に記載のハイブリッド自動車。
  3. 前記判定手段は、前記システム起動の際に前記車両温度に基づいて前記内燃機関の間欠運転が禁止される場合に該システム起動から該間欠運転が許容されるまでの間に前記バッテリ昇温制御無しで前記バッテリが所定温度まで昇温し得るときの前記システム起動時における前記バッテリの温度および前記車両温度を規定する制約を用いて前記バッテリを強制的に昇温させるべきか否かを判定する請求項2に記載のハイブリッド自動車。
  4. 前記所定温度は、前記内燃機関の間欠運転を許容するのに十分な電力を出力可能な状態にあるときの前記バッテリの温度に基づいて定められる請求項3に記載のハイブリッド自動車。
  5. 前記判定手段は、前記システム起動に際して取得された前記バッテリの温度が所定の下限温度未満である場合に、前記バッテリを強制的に昇温させるべきではないと判断する請求項2から4の何れかに記載のハイブリッド自動車。
  6. 前記判定手段は、前記内燃機関の間欠運転が許容されるときの前記車両温度である間欠許容車両温度と前記システム起動に際して取得された前記車両温度との偏差が所定値以上である場合には、前記バッテリを強制的に昇温させるべきではないと判断する請求項2に記載のハイブリッド自動車。
  7. 前記判定手段は、前記間欠許容車両温度と前記システム起動に際して取得された前記車両温度との偏差が所定値未満であり、かつ前記システム起動に際して取得された前記バッテリの温度と前記内燃機関の間欠運転を許容するのに十分な電力を出力可能な状態にあるときの前記バッテリの温度である間欠許容バッテリ温度との偏差が所定値以上である場合に、前記バッテリを強制的に昇温させるべきと判断する請求項6に記載のハイブリッド自動車。
  8. 請求項1から7の何れかに記載のハイブリッド自動車において、
    道路に関する情報を含む地図情報を保持する地図情報保持手段と、
    前記ハイブリッド自動車の現在位置を取得する現在位置取得手段と、
    前記地図情報と所定の制約とに基づいて前記取得された現在位置から目的地までの走行時間または走行距離を推定する推定手段とを更に備え、
    前記判定手段は、前記システム起動に際して推定された走行時間または走行距離が所定時間または所定距離未満である場合に、前記バッテリを強制的に昇温させるべきではないと判断するハイブリッド自動車。
  9. 請求項1から8の何れかに記載のハイブリッド自動車において、
    車速を検出する車速検出手段を更に備え、前記解除条件は、前記検出された車速が所定時間継続して所定車速以上となった場合に成立するハイブリッド自動車。
  10. 請求項1から9の何れかに記載のハイブリッド自動車において、
    前記バッテリの残容量を取得する残容量取得手段を更に備え、前記解除条件は、前記取得された残容量が所定残容量未満となった場合に成立するハイブリッド自動車。
  11. 前記制御手段は、前記判定手段により前記バッテリを強制的に昇温させるべきではないと判断された場合には、第1の制約に従った前記バッテリの充放電量の設定を実行しながら前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が得られるように前記内燃機関と前記電動機と前記発電手段とを制御する一方、前記判定手段により前記バッテリを強制的に昇温させるべきと判断された場合には、前記第1の制約に比べて前記バッテリの充電と放電との切り換えを抑制する傾向の第2の制約に従った前記バッテリの充放電量の設定を前記バッテリ昇温制御として実行しながら前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が得られるように前記内燃機関と前記電動機と前記発電手段とを制御する請求項1から10の何れかに記載のハイブリッド自動車。
  12. 前記発電手段は、前記内燃機関の出力軸と車軸とに接続され、電力と動力の入出力を伴って前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記車軸に出力する電力動力入出力手段である請求項1から11の何れかに記載のハイブリッド自動車。
  13. 請求項12に記載のハイブリッド自動車において、
    前記電力動力入出力手段は、前記車軸と前記内燃機関の出力軸と回転可能な回転軸とに接続され、これら3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づいて定まる動力を残余の軸に入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な電動機とを含み、前記電動機は、前記車軸または該車軸とは異なる第2の車軸に動力を入出力可能であるハイブリッド自動車。
  14. 走行用の動力を出力可能な内燃機関と、走行用の動力を出力可能な電動機と、前記内燃機関からの動力を用いて発電可能な発電手段と、前記電動機および前記発電手段のそれぞれと電力をやり取り可能なバッテリとを備えたハイブリッド自動車の制御方法であって、
    (a)前記バッテリの温度と前記内燃機関の間欠運転の許否を決定し得る所定の車両状態とを取得するステップと、
    (b)ステップ(a)で取得された前記バッテリの温度と前記車両状態とに基づいて前記バッテリを強制的に昇温させるべきか否かを判定するステップと、
    (c)ステップ(b)で前記バッテリを強制的に昇温させるべきではないと判断された場合には、前記バッテリを強制的に昇温させるためのバッテリ昇温制御を伴うことなく走行に要求される要求駆動力に基づく駆動力が得られるように前記内燃機関と前記電動機と前記発電手段とを制御する一方、ステップ(b)で前記バッテリを強制的に昇温させるべきと判断された場合には、所定の解除条件が成立するまで前記バッテリ昇温制御を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が得られるように前記内燃機関と前記電動機と前記発電手段とを制御するステップと、
    を含むハイブリッド自動車の制御方法。
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