JP4576045B2 - グランドピアノのアクション - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グランドピアノのアクションに関し、特にジャックの角度位置の位置決めに必要な目印のレペティションレバーへの表示に関する。
【0002】
【従来の技術】
グランドピアノのアクションは、鍵盤の押鍵に伴って作動し、ハンマーを回動させ、打弦を行わせるものである。図2および図3はアクションの一例を、鍵盤の離鍵状態において示しており、以下、その構成および動作を概略的に説明する。すなわち、アクション1は、後端部を中心に回動自在で、鍵盤2の後部に載置されたウイッペン3と、ウィッペン3に回動自在に取り付けられたレペティションレバー4およびジャック5を備えている。また、アクション1は、レペティションレバー4およびジャック5を復帰方向(同図の反時計方向)に付勢するレペティションスプリング6と、両者4、5の回動をそれぞれ規制するレペティションスクリュー7およびレギュレーティングボタン8と、ジャック5の角度位置を調整するためのジャックボタンスクリュー9などを有している。
【0003】
レペティションレバー4には、上下方向に貫通するジャック案内孔4aが形成されており、このジャック案内孔4aの付近に、シャンクローラ11を介してハンマー10が載置されている。また、レペティションレバー4の上面には、シャンクローラ11との摩擦を軽減するために、黒鉛(図示せず)が塗られている。
一方、ジャック5は、L字状に形成されており、上下方向に延びるハンマー突上げ部5aの先端部が、レペティションレバー4のジャック案内孔4aに、これに沿って移動自在に係合するとともに、シャンクローラ11と微小な間隔を存して対向している。
【0004】
この離鍵状態から、鍵盤2が押鍵されると、ウィッペン3が突き上げられることにより、レペティションレバー4およびジャック5がウィッペン3と一緒に上方に回動する。これらの回動に伴い、まず、レペティションレバー4が、シャンクローラ11を摺動させながらこれを介してハンマー10を押し上げ、上方に回動させる。次いで、レペティションレバー4がレペティションスクリュー7に係合することにより、ジャック5がシャンクローラ11を介してハンマー10を突き上げる。その後、ハンマー10が、上方に張られた弦(図示せず)を打弦する直前まで回動した時点で、ジャック5が、レギュレーティングボタン8に係合することによって、シャンクローラ11から抜ける。これにより、ハンマー10は、アクション1および鍵盤2との連結を解かれ、自由回動状態で弦を打弦する。
【0005】
その後、鍵盤2が離鍵され、鍵盤深さの1/3程度まで戻されたタイミングで、レペティションレバー4が作動し始め、レペティションスプリング6のばね力で反時計方向に復帰回動することによって、シャンクローラ11を摺動させながら押し上げる。これにより、ジャック5が、レペティションスプリング6のばね力で反時計方向に復帰回動し、もとの位置に戻ることによって、鍵盤2が完全に戻らなくても、次の打弦が行えるようになる。
【0006】
以上のように、レペティションレバー4は、トリルのように連続して同じ鍵盤を叩く奏法を行うのに不可欠の部品である。また、レペティションレバー4は、上述したように構成されるため、その適正な動作、ひいてはアクション1全体の適正な動作を確保するためには、ジャック5を、離鍵状態において、所定の角度位置に位置決めすることが重要である。例えば、ジャック5が同図に示す所定の角度位置よりも反時計方向にずれて位置決めされた場合には、ジャック5が抜けにくく、かつ戻りづらくなってしまう。逆に、ジャック5の角度位置が時計方向にずれた場合には、ジャック5によるシャンクローラ11の突上げが良好に行えないことで、ハンマー10への打鍵エネルギーの伝達ロスが大きくなる。
【0007】
このジャック5の角度位置の調整は、前記ジャックボタンスクリュー9を用いて行われている。このジャックボタンスクリュー9は、ジャック5に前後方向に貫通した状態で進退自在に螺合するとともに、先端部にジャックボタン12が一体に取り付けられており、ジャックボタン12は、離鍵状態においては、ウィッペン3に立設されたスプーン13に当接している。したがって、このジャックボタンスクリュー9を回すことによって、離鍵状態におけるジャック5の角度位置を調整することが可能である。
【0008】
また、図5および図6に示すように、従来のアクションでは、この調整の際の目安となる目印溝14が、レペティションレバー4の上面の所定位置に、具体的には、ジャック案内孔4aの後部寄りの両側に形成されている。この目印溝14は、レペティションレバー4の上面に摩擦軽減用の黒鉛が塗られる関係上、確認しやすいように、切削加工された浅い溝として形成されている。そして、図6に示すように、ジャック案内孔4aに臨むジャック5のハンマー突上げ部5aの背面5cを目印溝14に一致させるよう、ジャックボタンスクリュー9を回すことによって、ジャック5が所定の角度位置に調整される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来のアクションでは、ジャック5の角度位置決め用の目印溝14が、シャンクローラ11の摺動範囲S(図6参照)内にあるため、アクション1の作動に伴い、シャンクローラ11は、目印溝14を横切りながら、レペティションレバー4の上面を移動することになる。このため、目印溝14の加工状態や黒鉛の付着状態などによっては、目印溝14による段差によって、レペティションレバー4が目印溝14上を滑らかに越えることができず、それにより、雑音が発生するとともに、摩擦抵抗の増加により鍵盤2のタッチ重さが増大するという問題がある。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、ジャックの角度位置決め用の目印に起因する摩擦抵抗の増大および雑音の発生を防止でき、それにより、アクションの円滑で安定した動作を確保することができるグランドピアノのアクションを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1に係る発明は、鍵盤の押鍵に伴って作動し、下面にシャンクローラを取り付けたハンマーを回動させ、打弦を行わせるグランドピアノのアクションであって、後端部を中心として回動自在に設けられ、押鍵された鍵盤で突き上げられることにより上方に回動するウィッペンと、上下方向に貫通し且つ前後方向に延びるジャック案内孔を前部に有し、ウィッペンに揺動自在に取り付けられ、上面のジャック案内孔の付近にシャンクローラを移動可能に載置するとともに、ウィッペンの回動に伴い、シャンクローラを介してハンマーを押し上げ、上方に回動させるレペティションレバーと、このレペティションレバーを復帰方向に付勢するレペティションスプリングと、ウィッペンに回動自在に取り付けられ、上端部がレペティションレバーのジャック案内孔に前後方向に移動自在に係合するとともに、ウィッペンの回動の途中から、シャンクローラを介してハンマーを突き上げ、上方に回動させるジャックと、ウィッペンの回動中に、ジャックを係止することによりシャンクローラから離脱させるレギュレーティングボタンと、鍵盤の離鍵状態におけるジャックの角度位置を調整するためのジャックボタンスクリューと、を備え、レペティションレバーの側面の所定位置に、ジャックボタンスクリューによりジャックの角度位置を調整する際の目安となる目印が表示されていることを特徴としている。
【0012】
このグランドピアノのアクションでは、通常のそれと同様、鍵盤が押鍵されると、ウィッペンが鍵盤で突き上げられ、上方に回動するのに伴い、まず、レペティションレバーが、その上面に載置されたシャンクローラを介してハンマーを押し上げ、次いで、ジャックがシャンクローラを介してハンマーを突き上げることによって、ハンマーを上方に回動させる。その後、ジャックがレギュレーティングボタンに係止され、シャンクローラから抜けることによって、ハンマーは、アクションおよび鍵盤との連結を解かれた自由回動状態で、打弦を行う。その後、鍵盤が離鍵されると、レペティションレバーがレペティションスプリングのばね力で復帰回動することによって、シャンクローラを移動させながら押し上げる。
これに伴い、ジャックがもとの位置に戻りやすくなることで、鍵盤が完全に戻らなくても、次の打弦が行えるようになる。
【0013】
また、このアクションでは、鍵盤の離鍵状態におけるジャックの角度位置をジャックボタンスクリューで調整する際の目安となる目印が、レペティションレバーの側面に表示されている。したがって、アクションの作動に伴ってシャンクローラがレペティションレバーの上面を移動する際に、シャンクローラは目印にはまったく接触しないので、レペティションレバー上を滑らかに移動できるとともに、目印との接触による摩擦抵抗の増大および雑音の発生を防止でき、それにより、アクションの円滑で安定した動作を確保することができる。また、基本的に、従来に対して目印の表示位置を変更するだけでよいので、容易かつ安価に実現することができる。
【0014】
また、上記目的を達成するため、請求項2に係る発明は、鍵盤の押鍵に伴って作動し、下面にシャンクローラを取り付けたハンマーを回動させ、打弦を行わせるグランドピアノのアクションであって、後端部を中心として回動自在に設けられ、押鍵された鍵盤で突き上げられることにより上方に回動するウィッペンと、上下方向に貫通し且つ前後方向に延びるジャック案内孔を前部に有し、ウィッペンに揺動自在に取り付けられ、上面のジャック案内孔の付近にシャンクローラを所定の移動範囲で移動可能に載置するとともに、ウィッペンの回動に伴い、シャンクローラを介してハンマーを押し上げ、上方に回動させるレペティションレバーと、このレペティションレバーを復帰方向に付勢するレペティションスプリングと、ウィッペンに回動自在に取り付けられ、上端部がレペティションレバーのジャック案内孔に前後方向に移動自在に係合するとともに、ウィッペンの回動の途中から、シャンクローラを介してハンマーを突き上げ、上方に回動させるジャックと、ウィッペンの回動中に、ジャックを係止することによりシャンクローラから離脱させるレギュレーティングボタンと、鍵盤の離鍵状態におけるジャックの角度位置を調整するためのジャックボタンスクリューと、を備え、レペティションレバーの上面のシャンクローラの所定の移動範囲外の所定位置に、ジャックボタンスクリューによりジャックの角度位置を調整する際の目安となる目印が表示されていることを特徴とする。
【0015】
このグランドのアクションの動作は、前述した請求項1のアクションとまったく同じである。また、このアクションでは、ジャックの角度位置をジャックボタンスクリューで調整する際の目安となる目印が、レペティションレバーの上面のシャンクローラの移動範囲から外れた位置に表示されている。したがって、請求項1のアクションと同様、シャンクローラがレペティションレバーの上面を移動する際に、シャンクローラは目印にはまったく接触しないので、シャンクローラが滑らかに移動できるとともに、摩擦抵抗の増大および雑音の発生を防止でき、アクションの円滑で安定した動作を確保することができる。
【0016】
この場合、目印は、レペティションレバーの上面に形成された目印溝であり、この目印溝は、ジャックが所定の角度位置にあるときの、ジャック案内孔に係合するジャックの上端部の前面に相当する位置に形成されていることが好ましい。
【0017】
一般に、シャンクローラは、レペティションレバー上を移動する際、所定の角度位置にあるジャックの背面に相当する位置を横切るものの、ジャックの前面に相当する位置までは達しない。したがって、このアクションによれば、所定の角度位置にあるジャックの前面に相当する位置に目印を表示することによって、請求項2による前述の利点を得ることができる。また、このアクションでは、従来のアクションと同様、目印がレペティションレバーの上面に目印溝として形成されているので、従来に対して目印溝の位置を変更するだけでよく、極めて容易かつ安価に実現することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を、詳細に説明する。
まず、すでに概説したグランドピアノのアクション1の構成を、図2および図3を参照して、より詳細に説明する。なお、この場合、演奏者から見て手前側(図2の右側)を「前」、奥側(図2の左側)を「後」として、説明を行うものとする。図2に示すように、アクション1は、鍵盤2を載置する筬(図示せず)の左右端部にそれぞれ設けたブラケット21(図1に一方のみ図示)に取り付けられている。左右のブラケット21、21間には、ウィッペンレール22およびハンマーシャンクレール23が渡されており、このウィッペンレール22にねじ止めした各ウィッペンフレンジ24に、ウイッペン3の後端部が回動自在に取り付けられている。各ウイッペン3は、前後方向に延び、対応する鍵盤2の上面後部に設けられたキャプスタンボタン25に、ウィッペンヒール26を介して載っている。
【0019】
レペティションレバー4は、断面が矩形状で、斜め前上がりに前後方向に延びており、その中央部でウィッペン3に回動自在に取り付けられている。レペティションレバー4の後端部には、レバースクリュー27が上下方向に貫通した状態で進退自在に螺合しており、その下端部にレバーボタン28が一体に設けられている。また、レペティションレバー4は、ウィッペン3に取り付けたレペティションスプリング6によって、復帰方向(同図の反時計方向)に付勢されている。
以上の構成により、鍵盤2の離鍵状態では、レペティションレバー4は、レペティションスプリング6のばね力により復帰側に回動していて、レバーボタン28がウィッペン3の上面に当接しているとともに、レバースクリュー27を回すことによって、離鍵状態におけるレペティションレバー4の角度を調整することが可能である。
【0020】
レペティションレバー4の前部の所定位置には、上下方向に貫通するジャック案内孔4aが前後方向に延びるように形成されている。また、レペティションレバー4の上面のジャック案内孔4aよりも前側には、レバースキン33が貼り付けられている(図1参照)。さらに、レペティションレバー4の上面には、シャンクローラ11との摩擦を軽減するために黒鉛(図示せず)が塗られている。
【0021】
一方、ハンマー10は、前後方向に延びるハンマーシャンク29と、その先端に取り付けたハンマーヘッド30で構成されており、ハンマーシャンク29の基端部において、ハンマーシャンクレール23にねじ止めしたハンマーシャンクフレンジ31に回動自在に取り付けられている。シャンクローラ11は、例えば内側のクロスとその外側に巻いたスキンとから円柱状に形成されており、ハンマーシャンク29の下面後部の所定位置に取り付けられている。シャンクローラ11は、レペティションレバー4の上面のジャック案内孔4a付近に、これをまたいだ状態で載置されている。また、ハンマーシャンクフレンジ31の下面には、レペティションレバー4の上方への回動を規制するレペティションスクリュー7が進退自在に螺合し、レバースキン33を貼り付けたレペティションレバー4の前端部と所定の間隔をもって対向している。
【0022】
ジャック5は、上下方向に延びる断面矩形のハンマー突上げ部5aと、その下端部から後方にほぼ直角に延びるレギュレーティングボタン当接部5bとから、L字状に形成されており、その角部においてウィッペン3の前端部に回動自在に取り付けられている。ハンマー突上げ部5aの上端部は、レペティションレバー4のジャック案内孔4aに、前後方向に移動自在に係合するとともに、図3に示すように、離鍵状態においてはシャンクローラ11と微小な間隔を存して対向している。また、ジャック5は、レペティションレバー4を付勢するレペティションスプリング6によって、復帰方向(図2の反時計方向)に付勢されている。
【0023】
また、ジャック5のハンマー突上げ部5aの中間部には、ジャック5の角度位置を調整するためのジャックボタンスクリュー9が、前後方向に貫通した状態で進退自在に螺合している。ジャックボタンスクリュー9の先端部には、ジャックボタン12が一体に設けられており、このジャックボタン12は、離鍵状態では、ウィッペン3に立設されたスプーン13に当接している。したがって、このジャックボタンスクリュー9を回すことによって、離鍵状態におけるジャック5の角度位置を調整することが可能である。
【0024】
一方、ハンマーシャンクレール23の下面には、レギュレーティングレール32がねじ止めされており、このレギュレーティングレール32の下面に、ジャック5の上方への回動を規制するレギュレーティングボタン8が進退自在に螺合していて、ジャック5のレギュレーティングボタン当接部5bの前端部と所定の間隔をもって対向している。
【0025】
以上の構成のアクション1によれば、図2に示す離鍵状態から鍵盤2が押鍵されると、ウィッペン3が、キャプスタンボタン25を介して突き上げられることにより、上方に回動するとともに、ウィッペン3に取り付けたレペティションレバー4およびジャック5も上方に回動する。これに伴い、まず、レペティションレバー4が、シャンクローラ11を摺動させながらこれを介してハンマー10を押し上げ、上方に回動させる。次いで、レペティションレバー4がレペティションスクリュー7に係合することにより、その回動が阻止されることで、ジャック5がシャンクローラ11を介してハンマー10を突き上げる。その後、ハンマー10が、上方に張られた弦(図示せず)を打弦する直前まで回動した時点で、ジャック5が、レギュレーティングボタン8に係合し、その回動が阻止されることによって、シャンクローラ11から抜ける。これにより、ハンマー10は、アクション1および鍵盤2との連結を解かれ、自由回動状態で弦を打弦する。
【0026】
その後、鍵盤2が離鍵され、鍵盤深さの1/3程度まで戻されたタイミングで、レペティションレバー4が作動し始め、レペティションスプリング6のばね力で反時計方向に復帰回動することによって、シャンクローラ11を摺動させながらこれを押し上げる。これにより、ジャック5が、レペティションスプリング6のばね力で、反時計方向に復帰回動し、もとの位置に戻ることによって、鍵盤2が完全に戻らなくても、次の打弦が確実に行えるようになる。
【0027】
図1は、本実施形態による、離鍵状態におけるジャック5の角度位置の位置決め用の目印の表示状況を示している。同図に示すように、本実施形態では、この目印は、レペティションレバー4の側面に形成された目印溝35で構成されている。目印溝35は、レペティションレバー4のジャック案内孔4aの両外側面に、それぞれ形成されている。また、その前後方向の位置は、図5に示した従来の目印溝14と同じであり、すなわち、所定の角度位置にあるジャック5のハンマー突上げ部5aの背面5cに相当する所定位置に設定されている。また、目印溝35は、切削加工された浅い溝として、上下方向に延びるように形成されている。
【0028】
したがって、従来と同様、ジャック5のハンマー突上げ部5aの背面5cを目印溝35、35に一致させるよう、ジャックボタンスクリュー9を回すことによって、ジャック5を所定の角度位置に調整できる。また、目印溝35が、レペティションレバー4の側面に表示されているので、アクション1の作動に伴ってシャンクローラ11が前述したようにレペティションレバー4の上面を摺動する際に、シャンクローラ11は目印溝35にはまったく接触しない。したがって、シャンクローラ11は滑らかに摺動できるとともに、目印溝35との接触による摩擦抵抗の増大および雑音の発生を防止でき、それにより、アクション1の円滑で安定した動作を確保することができる。また、従来に対して目印溝35の表示位置を変更するだけでよいので、容易かつ安価に実現することができる。
【0029】
図4は、本発明の第2実施形態を示している。同図に示すように、本実施形態は、従来と同様、目印溝45を、レペティションレバー4の上面のジャック案内孔4aの両側に、それぞれ形成したものである。一方、目印溝45の前後方向の位置は、従来の目印溝14と異なっていて、シャンクローラ11の摺動範囲S(移動範囲)を外れた前側で、かつ所定の角度位置にあるジャック5の前面5dに相当する所定位置に設定されている。
【0030】
したがって、同図に示すように、ジャック5のハンマー突上げ部5aの前面5dを目印溝45、45に一致させることによって、ジャック5を所定の角度位置に調整できる。また、目印溝45、45が、レペティションレバー4の上面のシャンクローラ11の摺動範囲Sから外れた位置に形成されているので、シャンクローラ11は目印溝45にはまったく接触しない。したがって、第1実施形態と同様、シャンクローラ11が滑らかに摺動できるとともに、目印溝45との接触による摩擦抵抗の増大および雑音の発生を防止でき、アクションの円滑で安定した動作を確保できる。また、従来の目印溝14に対してその前後方向位置を変更するだけでよいので、極めて容易かつ安価に実現することができる。
【0031】
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、第1実施形態では、目印溝35をレペティションレバー4のジャック案内孔4aの外側面に形成しているが、これを内側面に形成してもよい。また、2つの実施形態ではいずれも、ジャック5の角度位置調整用の目印を、切削加工された目印溝で構成しているが、この目印は、調整の際に目安となり得るものであれば、その表示方法は任意であり、例えばマーキングなどとしてもよい。この目印溝以外の表示方法は、第1実施形態のように、黒鉛が塗布されないレペティションレバー4の側面に目印を表示する場合には、表示が黒鉛で見にくくなることがないので、特に適している。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のグランドピアノのアクションは、ジャックの角度位置決め用の目印に起因する摩擦抵抗の増大および雑音の発生を防止でき、それにより、アクションの円滑で安定した動作を確保することができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるグランドピアノのアクションのレペティションレバーを示す斜視図である。
【図2】グランドピアノのアクションを含む鍵盤装置の側面図である。
【図3】アクションおよびハンマーの分解斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態によるグランドピアノのアクションのレペティションレバー、およびジャックの角度位置の調整方法を示す平面図である。
【図5】従来のグランドピアノのアクションのレペティションレバーを示す斜視図である。
【図6】図5によるジャックの角度位置の調整方法を示す平面図である。
【符号の説明】
1 アクション
2 鍵盤
3 ウィッペン
4 レペティションレバー
4a ジャック案内孔
5 ジャック
5d ジャックの前面
6 レペティションスプリング
8 レギュレーティングボタン
9 ジャックボタンスクリュー
10 ハンマー
11 シャンクローラ
35 目印溝(目印)
45 目印溝(目印)
S シャンクローラの摺動範囲(移動範囲)

Claims (3)

  1. 鍵盤の押鍵に伴って作動し、下面にシャンクローラを取り付けたハンマーを回動させ、打弦を行わせるグランドピアノのアクションであって、
    後端部を中心として回動自在に設けられ、押鍵された前記鍵盤で突き上げられることにより上方に回動するウィッペンと、
    上下方向に貫通し且つ前後方向に延びるジャック案内孔を前部に有し、前記ウィッペンに揺動自在に取り付けられ、上面の前記ジャック案内孔の付近に前記シャンクローラを移動可能に載置するとともに、前記ウィッペンの回動に伴い、前記シャンクローラを介して前記ハンマーを押し上げ、上方に回動させるレペティションレバーと、
    このレペティションレバーを復帰方向に付勢するレペティションスプリングと、
    前記ウィッペンに回動自在に取り付けられ、上端部が前記レペティションレバーの前記ジャック案内孔に前後方向に移動自在に係合するとともに、前記ウィッペンの回動の途中から、前記シャンクローラを介して前記ハンマーを突き上げ、上方に回動させるジャックと、
    前記ウィッペンの回動中に、前記ジャックを係止することにより前記シャンクローラから離脱させるレギュレーティングボタンと、
    前記鍵盤の離鍵状態における前記ジャックの角度位置を調整するためのジャックボタンスクリューと、を備え、
    前記レペティションレバーの側面の所定位置に、前記ジャックボタンスクリューにより前記ジャックの角度位置を調整する際の目安となる目印が表示されていることを特徴とするグランドピアノのアクション。
  2. 鍵盤の押鍵に伴って作動し、下面にシャンクローラを取り付けたハンマーを回動させ、打弦を行わせるグランドピアノのアクションであって、
    後端部を中心として回動自在に設けられ、押鍵された前記鍵盤で突き上げられることにより上方に回動するウィッペンと、
    上下方向に貫通し且つ前後方向に延びるジャック案内孔を前部に有し、前記ウィッペンに揺動自在に取り付けられ、上面の前記ジャック案内孔の付近に前記シャンクローラを所定の移動範囲内で移動可能に載置するとともに、前記ウィッペンの回動に伴い、前記シャンクローラを介して前記ハンマーを押し上げ、上方に回動させるレペティションレバーと、
    このレペティションレバーを復帰方向に付勢するレペティションスプリングと、 前記ウィッペンに回動自在に取り付けられ、上端部が前記レペティションレバーの前記ジャック案内孔に前後方向に移動自在に係合するとともに、前記ウィッペンの回動の途中から、前記シャンクローラを介して前記ハンマーを突き上げ、上方に回動させるジャックと、
    前記ウィッペンの回動中に、前記ジャックを係止することにより前記シャンクローラから離脱させるレギュレーティングボタンと、
    前記鍵盤の離鍵状態における前記ジャックの角度位置を調整するためのジャックボタンスクリューと、を備え、
    前記レペティションレバーの上面の前記シャンクローラの前記所定の移動範囲外の所定位置に、前記ジャックボタンスクリューにより前記ジャックの角度位置を調整する際の目安となる目印が表示されていることを特徴とするグランドピアノのアクション。
  3. 前記目印は、前記レペティションレバーの上面に形成された目印溝であり、この目印溝は、前記ジャックが所定の角度位置にあるときの、前記ジャック案内孔に係合する前記ジャックの上端部の前面に相当する位置に形成されていることを特徴とする、請求項2に記載のグランドピアノのアクション。
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