JP4576014B2 - 光学式エンコーダー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、装置の可動部分の移動量検出に用いられる光学式エンコーダーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光学式エンコーダーには、半導体レーザー光源、光検出器、回折格子、コリメータレンズ等の個別部品を高精度に組み合わせたタイプや、回折格子に相当するスケールを除いた部分を半導体プロセスやボンディング技術で小型化したタイプなどがある。このような従来例のひとつに、「光学」27巻6号、ページ327〜328にある、山本英二著「面発光型半導体レーザーを用いたマイクロエンコーダー」がある。
【0003】
このマイクロエンコーダーの基本構成は、ヘッド部と、これに対して特定の方向に移動可能なスケールとを備えている。ヘッド部は、フォトダイオード(PD)と信号処理回路が一体形成されたシリコン基板と、これにボンディングされた面発光レーザーとを有している。スケールは、一定のピッチで反射率が変化する二種類の構成要素が交互に並んだ光学パターンを有している。
【0004】
面発光レーザーから射出された光ビームは、スケールで反射され、フォトダイオードにより強度が検出される。フォトダイオードで検出される光強度の強弱の変化の数を計ることにより、ヘッド部とスケールの間の相対移動の量が測定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
光学式エンコーダーは、小型化や高分解能化が進んだ結果、工作機械や情報機器さらには医療機器など幅広い分野で利用されようとしている。現状では、光学式エンコーダーの高精度化のための対策や組立調整の簡便化については、エンコーダーメーカーや、エンコーダーのパーツを購入して製品に組み込むユーザーのノウハウに依存しており、一般に、光学式エンコーダー自体は、その性能を最高に引き出すための調整機能や、組み立ての状態や信号の安定度を測定する機能を備えていない。
【0006】
本発明は、このような現状を鑑みて成されたものであり、その目的は、その性能を最高に引き出すための機能を備えた光学式エンコーダーを提供することである。
【0007】
より具体的には、本発明目的は、組み立て時の位置決め・位置合わせやメンテナンス時の調整や検出信号の補正のために、ヘッド部とスケールの光学的・幾何学的配置を検出する機能を有する光学式エンコーダーを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の光学式エンコーダーは、一面においては、光源部と光検出部を含むヘッド部と、ヘッド部に対して相対的に特定の方向に移動可能なスケールとを備えており、スケールは、移動方向に沿って光学特性が一定の周期で変化する第一の光学パターンと、移動方向に沿った、移動量検出に有効な領域のほぼ全域にわたって光学特性が一定である第二の光学パターンとを有し、光源部は、第一の光学パターンに照射される第一の光ビームと、第二の光学パターンに照射される第二の光ビームとを射出し、光検出部は、第一の光学パターンを経由した第一の光ビームを受光する第一の受光部と、第二の光学パターンを経由した第二の光ビームを受光する第二の受光部と、第一の受光部と第二の受光部の出力信号を処理する信号処理部とを有し、信号処理部は、第一の受光部の出力信号に基づいてヘッド部とスケールの間の相対移動の量を検出する移動検出手段と、第二の受光部の出力信号に基づいてヘッド部とスケールの相対姿勢を検出する姿勢検出手段とを含んでいる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
[第一実施形態]
図1に示されるように、光学式エンコーダーは、光源部140と光検出部160を含むヘッド部130と、これに対して特定の方向にすなわちy軸に沿って移動可能なスケール110とを備えている。ヘッド部130は、光源部140と光検出部160を保持するベース132を更に有し、スケール110に対して、望ましくは、適正なギャップdと適正な姿勢で保持される。
【0014】
スケール110は、平板状の基板112と、その表面に設けられた第一の光学パターン114と第二の光学パターン118と第三の光学パターン116とを有している。スケール110は長手軸を有しており、この長手軸が移動方向すなわちy軸に対して平行になるように配置される。第一の光学パターン114と第二の光学パターン118と第三の光学パターン116は共に長手軸に沿って帯状に延びている。第一の光学パターン114と第三の光学パターン116は長手軸に沿って一定の周期で光学特性が変化するが、第二の光学パターン118は長手軸に沿った全域にわたり光学特性が一定である。
【0015】
ここにおいて「光学特性」は、反射率や透過率等の光に作用する諸特性をいう。
本実施形態は反射型の光学式エンコーダーであるため、本実施形態では光学特性は反射率を意味するが、透過型の光学式エンコーダーにおいては透過率を意味する。
【0016】
第一の光学パターン114と第三の光学パターン116は共に、高反射率の領域と低反射率の領域とが長手軸に沿って数十μmのピッチP0で交互に並んでいる。第一の光学パターン114と第三の光学パターン116は、同じ周期を有するが、位相がずれている。すなわち、第一の光学パターン114と第三の光学パターン116の反射率の異なる二つの領域が互いに長手軸に沿ってδずれている。言い換えれば、第三の光学パターン116は、第一の光学パターン114を長手軸に沿ってδ移動させたものと等価である。両者の間のずれδは、望ましくは、δ=P0・(2n−1)/4を満たしている。ここでnは自然数である。
【0017】
光源部140は、第一の光ビームL1を射出する第一の面発光レーザー144と第二の光ビームL2を射出する第二の面発光レーザー146と第三の光ビームL3を射出する第三の面発光レーザー148を含むレーザーアレイ142を備えている。第一の面発光レーザー144と第二の面発光レーザー146と第三の面発光レーザー148は、x軸に沿って並んでいる。レーザーアレイ142は、xy平面に傾きを持って、すなわち、x軸の周りに傾いて配置されている。第一の光ビームL1と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3は、それぞれ、第一の光学パターン114と第二の光学パターン118と第三の光学パターン116に照射される。
【0018】
光検出部160は、例えばフォトICであり、第一の光学パターン114を経由した第一の光ビームL1を受光する第一の受光部164と、第二の光学パターン118を経由した第二の光ビームL2を受光する第二の受光部170と、第三の光学パターン116を経由した第三の光ビームL3を受光する第三の受光部166とを備えている。第一の受光部164と第二の受光部170と第三の受光部166は、その中心がx軸に沿って並ぶように配置されている。
【0019】
第一の受光部164と第三の受光部166は、それぞれ、第一の光ビームL1と第三の光ビームL3の径に比べて大きい受光領域を持つ単一のフォトダイオードで構成される。また、第二の受光部170は、第二の光ビームL2の径に比べて同等かそれよりも小さい受光領域を持つ単一のフォトダイオードで構成される。第二の受光部170に照射される第二の光ビームL2は、ガウシアン分布のように、中心が最も高く、そこから離れるにつれて低下する光量分布を有する。
【0020】
前述したように、ヘッド部130は、望ましくは、スケール110に対して、適正なギャップと適正な姿勢で保持される。この状態において、第二の光ビームL2の主光線は、第二の受光部170の中心に入射する。一方、第一の光ビームL1と第三の光ビームL3は、ギャップと姿勢にそれほど影響されることなく、それぞれ、第一の受光部164と第三の受光部166にほぼ適正に入射する。
【0021】
光検出部160は更に、第一の受光部164と第二の受光部170と第三の受光部166の出力信号を処理する信号処理部220を備えている。信号処理部220は、例えば、レーザーアレイ142を駆動するレーザー駆動回路と、第一の受光部164と第三の受光部166の出力信号のゲインとオフセットを調整する正規化回路と、第一の受光部164の出力信号と第三の受光部166の出力信号とに基づいて光源部140とスケール110の間の相対移動の量と方向を検出する移動検出回路と、第二の受光部170の出力信号に基づいて光源部140とスケール110のギャップdと相対姿勢を検出するギャップ・相対姿勢検出回路と、第二の受光部170の出力信号に基づいて光源部140のパワーを検出してこれを制御するオートパワーコントロール(APC)回路とを含んでいる。
【0022】
本実施形態の光学式エンコーダーは、光源部140とスケール110の間の相対移動の方向と量を検出し得るが、要求される機能が移動量の検出のみの場合には、第三の面発光レーザー148と第三の光学パターン116と第三の受光部166は省略されてもよく、これらの省略に伴い、移動検出回路は、第一の受光部164の出力信号に基づいて光源部140とスケール110の間の相対移動の量のみを検出する。
【0023】
<相対移動検出>
第一の面発光レーザー144から射出された第一の光ビームL1は、スケール110の第一の光学パターン114により第一の受光部164に向けて反射され、第一の受光部164で検出される。第一の受光部164は、入射する第一の光ビームL1の光量に対応した信号を出力する。ヘッド部130とスケール110の間の相対移動に対して、第一の受光部164の出力信号は擬似正弦波となる。
【0024】
同様に、第三の面発光レーザー148から射出された第三の光ビームL3は、スケール110の第三の光学パターン116により第三の受光部166に向けて反射され、第三の受光部166で検出される。第三の受光部166は、入射する第三の光ビームL3の光量に対応した信号を出力する。ヘッド部130とスケール110の間の相対移動に対して、第三の受光部166の出力信号は擬似正弦波となる。
【0025】
第一の受光部164と第三の受光部166から出力される擬似正弦波の信号は互いに1/4周期あるいは3/4周期の位相差があるため、ヘッド部130とスケール110の間の相対移動の方向と量を求めることができる。
【0026】
<ギャップ・姿勢検出>
第二の面発光レーザー146から射出された第二の光ビームL2は、スケール110の第二の光学パターン118により第二の受光部170に向けて反射され、第二の受光部170で検出される。第二の受光部170は、入射する第二の光ビームL2の光量に対応した信号を出力する。
【0027】
ヘッド部130とスケール110は、望ましくは、相対的に適正なギャップと適正な姿勢で保持される。この状態においては、レーザーアレイ142から射出された第一の光ビームL1と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3の主光線が、それぞれ、スケール110で反射された後、第一の受光部164と第二の受光部170と第三の受光部166の中心に入射する。
【0028】
スケール110とヘッド部130の光学的・幾何学的配置が適正な状態から外れると、すなわち、スケール110とヘッド部130の間のギャップdの最適値からずれたり、ヘッド部130に対してスケール110がx軸周りやy軸周りに相対的に傾いたりすると、第一の受光部164と第三の受光部166から出力される擬似正弦波の信号の位相が変わって検出信号に誤差が生じたり、検出信号の出力が低下したりする。
【0029】
このようなスケール110とヘッド部130の光学的・幾何学的配置の適正な状態からのずれは、第二の受光部170の出力に基づいて検出され得る。
【0030】
スケール110とヘッド部130の間のギャップdの変化は、第二の受光部170に照射される第二の光ビームL2のスポットをy軸に沿って移動させる。ヘッド部130とスケール110が適正なギャップで位置しているとき、第二の光ビームL2の主光線が第二の受光部170の中心に入射するため、第二の受光部170は最大の出力を示す。従って、第二の受光部170の出力の低下を検出することにより、スケール110とヘッド部130の間のギャップの変化が検出される。
【0031】
従って、メンテナンス時においては、第二の受光部170の出力を最大に戻すように、スケール110とヘッド部130の間のギャップを調整し直せばよい。
また、組み立て時においては、スケール110とヘッド部130を、第二の受光部170の出力が最大となるギャップで配置し組み立てればよい。
【0032】
また、組立後のヘッド130とスケール110のギャップ・姿勢検出に関しては、必ずしも、最適なギャップに対して、第二の受光部170の出力信号が最大となる必要はない。この場合、出力信号が変化することで、最適なギャップから外れていくことが分かり、出力信号の変化量により、ギャップの調整度合いについてある程度定量的な判断ができる。これに基づいて、エンコーダーの再調整や交換の判断が行なえる。
【0033】
このように本実施の形態の光学式エンコーダーは、スケール110とヘッド部130の間のギャップの変化を測定できるため、以下の利点を有している。
【0034】
ギャップの変動により生じる検出信号の誤差を計算して補正することができる。
【0035】
所望のギャップにおける出力値が計算または経験的に導ければ、これを組立調整時やメンテナンスの際の調整の指標として用いることで、調整用の測定器を減らしたり不要にしたりすることができ、簡便な調整が可能となる。
【0036】
ギャップ信号に基づいて、出荷前の良品判定をしたり、経時変化が生じた際のメンテナンスや交換の判定をしたりすることができる。
【0037】
測定中のギャップの変化により生じる検出信号の誤差の大きさを確認することで、補正が出来ない場合のエンコーダーが保証できる検出精度の指標のひとつとなる。
【0038】
<パワーモニター>
経時変化や温度変化などによりレーザーアレイ142から射出された第一の光ビームL1と第三の光ビームL3のパワーが変化すると、これに応じて、第一の受光部164と第三の受光部166の出力信号のレベルも変化する。このようなレーザーアレイ142のパワーの変化は、検出信号の読み取りに誤差を生じさせ、その変化が激しい場合には、検出信号を読み取りを不能にする。
【0039】
第一の面発光レーザー144と第二の面発光レーザー146と第三の面発光レーザー148は、ほぼ同じ特性を有していると共に、ほぼ同じ経時変化や温度変化を受けると考えられる。第二の面発光レーザー146のパワーの変化は、第二の受光部170の出力信号に基づいて調べられる。従って、第一の面発光レーザー144と第三の面発光レーザー148のパワーの変化は、第二の受光部170の出力信号から推定される。
【0040】
信号処理部220のAPC回路は、第二の受光部170の出力信号に基づいて第二の面発光レーザー146のパワーの変化を検出し、これを一定に保つようにレーザーアレイ142を制御する。APC回路によりレーザーアレイ142を制御する代わりに、第二の受光部170の出力信号に基づいて、エンコーダー信号である第一の受光部164と第三の受光部166の出力信号を補正してもよい。
【0041】
このように本実施の形態の光学式エンコーダーは、第一の面発光レーザー144と第三の面発光レーザー148のパワーをモニターできるため、以下の利点を有している。
【0042】
第一の面発光レーザー144と第三の面発光レーザー148からの裏面出力をモニターする必要が無い。これは、素子内を光が透過し難く、裏面モニターの利用が困難な短波長の面発光レーザに有効である。
【0043】
第二の受光部170の出力信号を第一の面発光レーザー144と第三の面発光レーザー148のパワー安定化用のモニター信号に利用することで、第一の光ビームL1と第三の光ビームL3のパワー変動を抑えることができ、第一の受光部164と第三の受光部166の出力信号が安定し、検出精度が向上する。
【0044】
第一の光ビームL1と第三の光ビームL3のパワー変動に基づいて、第一の受光部164と第三の受光部166の出力信号の誤差を補正することで、検出精度が向上される。
【0045】
[第二実施形態]
図2に示されるように、光学式エンコーダーは、光源部140と光検出部160を含むヘッド部130と、これに対して特定の方向にすなわちy軸に沿って移動可能なスケール110とを備えている。ヘッド部130は、光源部140と光検出部160を保持するベース132を更に有し、スケール110に対して、望ましくは、適正なギャップdと適正な姿勢で保持される。
【0046】
スケール110は、平板状の基板112と、その表面に設けられた第一の光学パターン114と第二の光学パターン118と第三の光学パターン116とを有している。スケール110は長手軸を有しており、この長手軸が移動方向すなわちy軸に対して平行になるように配置される。第一の光学パターン114と第二の光学パターン118と第三の光学パターン116は共に長手軸に沿って帯状に延びている。第一の光学パターン114と第三の光学パターン116は長手軸に沿って一定の周期で光学特性が変化するが、第二の光学パターン118は長手軸に沿ったほぼ全域にわたり光学特性が一定である。
【0047】
ここにおいて「光学特性」は、反射率や透過率等の光に作用する諸特性をいう。
本実施形態は反射型の光学式エンコーダーであるため、本実施形態では光学特性は反射率を意味するが、透過型の光学式エンコーダーにおいては透過率を意味する。
【0048】
第一の光学パターン114と第三の光学パターン116は共に、高反射率の領域と低反射率の領域とが長手軸に沿って数十μmのピッチP0で交互に並んでいる。第一の光学パターン114と第三の光学パターン116は、同じ周期を有するが、位相がずれている。すなわち、第一の光学パターン114と第三の光学パターン116の反射率の異なる二つの領域が互いに長手軸に沿ってδずれている。言い換えれば、第三の光学パターン116は、第一の光学パターン114を長手軸に沿ってδ移動させたものと等価である。両者の間のずれδは、望ましくは、δ=P0・(2n−1)/4を満たしている。ここでnは自然数である。
【0049】
第二の光学パターンは、高反射率の領域が長手軸に沿って帯状に延びており、その一方の端部に低反射率の領域120を有している。
【0050】
光源部140は、第一の光ビームL1を射出する第一の面発光レーザー144と第二の光ビームL2を射出する第二の面発光レーザー146と第三の光ビームL3を射出する第三の面発光レーザー148を含むレーザーアレイ142を備えている。第一の面発光レーザー144と第二の面発光レーザー146と第三の面発光レーザー148は、x軸に沿って並んでいる。レーザーアレイ142は、xy平面に傾きを持って、すなわち、x軸の周りに傾いて配置されている。第一の光ビームL1と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3は、それぞれ、第一の光学パターン114と第二の光学パターン118と第三の光学パターン116に照射される。
【0051】
光検出部160は、例えばフォトICであり、第一の光学パターン114を経由した第一の光ビームL1を受光する第一の受光部164と、第二の光学パターン118を経由した第二の光ビームL2を受光する第二の受光部170と、第三の光学パターン116を経由した第三の光ビームL3を受光する第三の受光部166とを備えている。第一の受光部164と第二の受光部170と第三の受光部166は、その中心がx軸に沿って並ぶように配置されている。
【0052】
第一の受光部164と第三の受光部166は、それぞれ、第一の光ビームL1と第三の光ビームL3の径に比べて大きい受光領域を持つ単一のフォトダイオードで構成される。
【0053】
また、第二の受光部170は、図3に示されるように、y軸に沿って並んだ三個のフォトダイオード174と176と178を備えている。第二の受光部170に照射される第二の光ビームL2は、ガウシアン分布のように、中心が最も高く、そこから離れるにつれて低下する光量分布を有する。本実施形態では、第二の受光部170は、三個のフォトダイオードを備えているが、その個数はこれに限らず、二個のフォトダイオードを備えていてもよく、あるいは四個以上のフォトダイオードを備えていてもよい。
【0054】
前述したように、ヘッド部130は、望ましくは、スケール110に対して、適正なギャップと適正な姿勢で保持される。この状態において、第二の光ビームL2の主光線は、第二の受光部170の中心に入射する。更に詳しく言えば、その主光線が中央のフォトダイオード174の中心に入射する。一方、第一の光ビームL1と第三の光ビームL3は、ギャップと姿勢にそれほど影響されることなく、それぞれ、第一の受光部164と第三の受光部166にほぼ適正に入射する。
【0055】
光検出部160は更に、第一の受光部164と第二の受光部170と第三の受光部166の出力信号を処理する信号処理部220を備えている。信号処理部220は、例えば、レーザーアレイ142を駆動するレーザー駆動回路と、第一の受光部164と第三の受光部166の出力信号のゲインとオフセットを調整する正規化回路と、第一の受光部164の出力信号と第三の受光部166の出力信号とに基づいて光源部140とスケール110の間の相対移動の量と方向を検出する移動検出回路と、第二の受光部170の出力信号に基づいて光源部140とスケール110のギャップdと相対姿勢を検出するギャップ・相対姿勢検出回路222と、第二の受光部170の出力信号に基づいて光源部140のパワーを検出してこれを制御するオートパワーコントロール(APC)回路224と、第二の受光部170の出力信号に基づいてスケール110のx軸周りの傾きを検出するx軸周り傾き検出回路226とを含んでいる。
【0056】
本実施形態の光学式エンコーダーは、光源部140とスケール110の間の相対移動の方向と量を検出し得るが、要求される機能が移動量の検出のみの場合には、第三の面発光レーザー148と第三の光学パターン116と第三の受光部166は省略されてもよく、これらの省略に伴い、移動検出回路は、第一の受光部164の出力信号に基づいて光源部140とスケール110の間の相対移動の量のみを検出する。
【0057】
<相対移動検出>
第一の面発光レーザー144から射出された第一の光ビームL1は、スケール110の第一の光学パターン114により第一の受光部164に向けて反射され、第一の受光部164で検出される。第一の受光部164は、入射する第一の光ビームL1の光量に対応した信号を出力する。ヘッド部130とスケール110の間の相対移動に対して、第一の受光部164の出力信号は擬似正弦波となる。
【0058】
同様に、第三の面発光レーザー148から射出された第三の光ビームL3は、スケール110の第三の光学パターン116により第三の受光部166に向けて反射され、第三の受光部166で検出される。第三の受光部166は、入射する第三の光ビームL3の光量に対応した信号を出力する。ヘッド部130とスケール110の間の相対移動に対して、第三の受光部166の出力信号は擬似正弦波となる。
【0059】
第一の受光部164と第三の受光部166から出力される擬似正弦波の信号は互いに1/4周期あるいは3/4周期の位相差があるため、ヘッド部130とスケール110の間の相対移動の方向と量を求めることができる。
【0060】
<z相検出>
第二の面発光レーザー146から射出された第二の光ビームL2は、スケール110の第二の光学パターン118により第二の受光部170に向けて反射され、第二の受光部170で検出される。第二の受光部170は、入射する第二の光ビームL2の光量に対応した信号を出力する。
【0061】
第二の光学パターン118は、その一端部に低反射率の領域120を有しているため、第二の光ビームL2が、この低反射率の領域120を照射するとき、第二の受光部170の出力は大きく変化する。
【0062】
従って、この第二の受光部170の出力の変化を検出することにより、低反射率の領域120を基準としてスケール110の位置を特定することができる。言い換えれば、第二の光ビームL2が低反射率の領域120を照射することに対応した第二の受光部170の出力信号の変化に基づいて、スケール110の原点信号を得ることができる。
【0063】
<ギャップ・姿勢検出>
ヘッド部130とスケール110は、望ましくは、相対的に適正なギャップと適正な姿勢で保持される。この状態においては、レーザーアレイ142から射出された第一の光ビームL1と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3の主光線が、それぞれ、スケール110で反射された後、第一の受光部164と第二の受光部170と第三の受光部166の中心に入射する。
【0064】
スケール110とヘッド部130の光学的・幾何学的配置が適正な状態から外れると、すなわち、スケール110とヘッド部130の間のギャップdの最適値からずれたり、ヘッド部130に対してスケール110がx軸周りやy軸周りに相対的に傾いたりすると、第一の受光部164と第三の受光部166から出力される擬似正弦波の信号の位相が変わって検出信号に誤差が生じたり、検出信号の出力が低下したりする。
【0065】
このようなスケール110とヘッド部130の光学的・幾何学的配置の適正な状態からのずれは、第二の受光部170の出力に基づいて検出され得る。
【0066】
スケール110とヘッド部130の間のギャップdの変化は、第二の受光部170に照射される第二の光ビームL2のスポットをy軸に沿って移動させる。また、ヘッド部130に対するスケール110のx軸周りの相対的な傾きは、第二の受光部170に照射される第二の光ビームL2のスポットをy軸に沿って移動させるとともに、その形状を変形させる。
【0067】
従って、三個のフォトダイオード174と176と178の出力に基づいて、第二の光ビームL2の最も光量の強い位置を検出することにより、スケール110とヘッド部130の間のギャップの変化とヘッド部130に対するスケール110のx軸周りの傾きが検出される。
【0068】
あるいは、三個のフォトダイオード174と176と178の出力に基づいて、第二の光ビームL2のy軸方向のビームプロファイルを必要に応じて補間を用いて計算し、そのビームプロファイルのy軸方向の変位量や形状の変化を調べることにより、スケール110とヘッド部130の間のギャップの変化とヘッド部130に対するスケール110のx軸周りの傾きが分離して検出される。
【0069】
このような検出の精度は、第二の受光部170のフォトダイオードの各々のy軸方向の寸法とそれらの間隔を小さくすることで高められる。ギャップの大きな変化やスケールの大きな傾きへの対応には、第二の受光部170のフォトダイオードを配置する範囲を大きくすればよい。従って、高精度の検出とギャップの大きな変化やスケールの大きな傾きへの対応の両方を実現するには、第二の受光部170は、y軸方向の寸法の小さいフォトダイオードを多数有し、それらがy軸に沿って狭い間隔で広い範囲にわたって配置されているとよい。
【0070】
従って、メンテナンス時においては、第二の受光部170の三個のフォトダイオード174と176と178の出力が最適なバランスに戻るように、スケール110とヘッド部130の間のギャップと姿勢を調整し直せばよい。また、組み立て時においては、スケール110とヘッド部130を、第二の受光部170の三個のフォトダイオード174と176と178の出力が最適なバランスとなるギャップと姿勢で配置し組み立てればよい。
【0071】
また、組立後のヘッド130とスケール110のギャップ・姿勢検出に関しては、必ずしも、最適なギャップと姿勢に対して、光量の最大位置が必ずしも中央のフォトダイオード174の中心にくる必要はない。この場合、三個のフォトダイオード174と176と178の出力のバランスが変化することで、最適なギャップと姿勢から外れていくことが分かり、三個のフォトダイオード174と176と178の出力のバランスの変化により、ギャップと姿勢の調整度合いについてある程度定量的な判断ができる。これに基づいて、エンコーダーの再調整や交換の判断が行なえる。
【0072】
このように本実施の形態の光学式エンコーダーは、スケール110とヘッド部130の間のギャップの変化やスケールのx軸周りの姿勢の変化を測定できるため、以下の利点を有している。
【0073】
ギャップの変化やスケールのx軸周りの姿勢の変化により生じる検出信号の誤差を計算して補正することができる。
【0074】
所望のギャップとx軸周りの姿勢における出力値が計算または経験的に導ければ、これを組立調整時やメンテナンスの際の調整の指標として用いることで、調整用の測定器を減らしたり不要にしたりすることができ、簡便な調整が可能となる。
【0075】
ギャップ信号とx軸周りの傾きとに基づいて、出荷前の良品判定をしたり、経時変化が生じた際のメンテナンスや交換の判定をしたりすることができる。
【0076】
測定中のギャップの変化やx軸周りの姿勢の変化により生じる検出信号の誤差の大きさを確認することで、補正が出来ない場合のエンコーダーが保証できる検出精度の指標のひとつとなる。
【0077】
<パワーモニター>
経時変化や温度変化などによりレーザーアレイ142から射出された第一の光ビームL1と第三の光ビームL3のパワーが変化すると、これに応じて、第一の受光部164と第三の受光部166の出力信号のレベルも変化する。このようなレーザーアレイ142のパワーの変化は、検出信号の読み取りに誤差を生じさせ、その変化が激しい場合には、検出信号を読み取りを不能にする。
【0078】
第一の面発光レーザー144と第二の面発光レーザー146と第三の面発光レーザー148は、ほぼ同じ特性を有していると共に、ほぼ同じ経時変化や温度変化を受けると考えられる。第二の面発光レーザー146のパワーの変化は、第二の受光部170の出力信号に基づいて検出され得る。従って、第一の面発光レーザー144と第三の面発光レーザー148のパワーの変化は、第二の受光部170の出力信号から推定される。
【0079】
第二の面発光レーザー146のパワーの変化は、三個のフォトダイオード174と176と178の出力の任意の一つあるいはそれらの合計に基づいて検出される。
【0080】
あるいは、第二の面発光レーザー146のパワーの変化は、三個のフォトダイオード174と176と178の出力に基づいて、第二の光ビームL2のy軸方向のビームプロファイルを必要に応じて補間を用いて計算し、そのビームプロファイルから推定される、プロファイルのピーク点の高さやフォトダイオードに入射する総光量により検出される。
【0081】
信号処理部220のAPC回路224は、第二の受光部170の出力信号に基づいて第二の面発光レーザー146のパワーの変化を検出し、これを一定に保つようにレーザーアレイ142を制御する。APC回路224によりレーザーアレイ142を制御する代わりに、第二の受光部170の出力信号に基づいて、エンコーダー信号である第一の受光部164と第三の受光部166の出力信号を補正してもよい。
【0082】
このように本実施の形態の光学式エンコーダーは、第一の面発光レーザー144と第三の面発光レーザー148のパワーをモニターできるため、以下の利点を有している。
【0083】
第一の面発光レーザー144と第三の面発光レーザー148からの裏面出力をモニターする必要が無い。これは、素子内を光が透過し難く、裏面モニターの利用が困難な短波長の面発光レーザに有効である。
【0084】
第二の受光部170の出力信号を第一の面発光レーザー144と第三の面発光レーザー148のパワー安定化用のモニター信号に利用することで、第一の光ビームL1と第三の光ビームL3のパワー変動を抑えることができ、第一の受光部164と第三の受光部166の出力信号が安定し、検出精度が向上する。
【0085】
第一の光ビームL1と第三の光ビームL3のパワー変動に基づいて、第一の受光部164と第三の受光部166の出力信号の誤差を補正することで、検出精度が向上される。
【0086】
第二の受光部170がy軸に沿って並ぶ複数のフォトダイオードを有しているため、ギャップの変化やx軸周りの姿勢の変化に影響されることなく、レーザーアレイ142のパワーを安定にモニターできる。また、ビームプロファイルを計算できるため、少ない受光面積でモニターを行なえる。
【0087】
[第三実施形態]
図4に示されるように、光学式エンコーダーは、光源部140と光検出部160を含むヘッド部130と、これに対して特定の方向にすなわちy軸に沿って移動可能なスケール110とを備えている。ヘッド部130は、光源部140と光検出部160を保持するベース132を更に有し、スケール110に対して、望ましくは、適正なギャップdと適正な姿勢で保持される。
【0088】
スケール110は、平板状の基板112と、その表面に設けられた第一の光学パターン114と第二の光学パターン118と第三の光学パターン116とを有している。スケール110は長手軸を有しており、この長手軸が移動方向すなわちy軸に対して平行になるように配置される。第一の光学パターン114と第二の光学パターン118と第三の光学パターン116は共に長手軸に沿って帯状に延びている。第一の光学パターン114と第三の光学パターン116は長手軸に沿って一定の周期で光学特性が変化するが、第二の光学パターン118は長手軸に沿ったほぼ全域にわたり光学特性が一定である。
【0089】
ここにおいて「光学特性」は、反射率や透過率等の光に作用する諸特性をいう。
本実施形態は反射型の光学式エンコーダーであるため、本実施形態では光学特性は反射率を意味するが、透過型の光学式エンコーダーにおいては透過率を意味する。
【0090】
第一の光学パターン114と第三の光学パターン116は共に、高反射率の領域と低反射率の領域とが長手軸に沿って数十μmのピッチP0で交互に並んでいる。第一の光学パターン114と第三の光学パターン116は、同じ周期を有するが、位相がずれている。すなわち、第一の光学パターン114と第三の光学パターン116の反射率の異なる二つの領域が互いに長手軸に沿ってδずれている。言い換えれば、第三の光学パターン116は、第一の光学パターン114を長手軸に沿ってδ移動させたものと等価である。両者の間のずれδは、望ましくは、δ=P0・(2n−1)/4を満たしている。ここでnは自然数である。
【0091】
第二の光学パターンは、高反射率の領域が長手軸に沿って帯状に延びており、その一方の端部に低反射率の領域120を有している。
【0092】
光源部140は、一本の光ビームL0を射出する面発光レーザー150と、光ビームL0を分割して第一の光ビームL1と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3を作り出すビーム分割素子152とを備えている。面発光レーザー150は、xy平面に傾きを持って、すなわち、x軸の周りに傾いて配置されている。
【0093】
ビーム分割素子152は、例えば回折格子である。回折格子は、面発光レーザー150に近い面が平らで、その反対側のスケール110に近い面に、x軸に沿って一定のピッチpgで並ぶ多数のy軸に沿って延びる溝を有している。回折格子152は、入射する光ビームL0をx軸に沿って回折させ、その内の0次光と±1次光から、第一の光ビームL1と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3を作り出す。
【0094】
このように作り出された第一の光ビームL1と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3は、それぞれ、第一の光学パターン114と第二の光学パターン118と第三の光学パターン116に照射される。
【0095】
このような一個の面発光レーザー150とビーム分割素子152の使用は、高い信頼性が必要なレーザーの数を減らし、コスト低減や信頼性の向上にとって有利である。また、使用するレーザーが1個で済むため、レーザーのボンディング時のアライメントに関して、チップの回転ずれの精度への影響を考慮しなくて済む。
【0096】
光検出部160は、例えばフォトICであり、第一の光学パターン114を経由した第一の光ビームL1を受光する第一の受光部164と、第二の光学パターン118を経由した第二の光ビームL2を受光する第二の受光部170と、第三の光学パターン116を経由した第三の光ビームL3を受光する第三の受光部166とを備えている。第一の受光部164と第二の受光部170と第三の受光部166は、その中心がx軸に沿って並ぶように配置されている。
【0097】
第一の受光部164と第三の受光部166は、それぞれ、第一の光ビームL1と第三の光ビームL3の径に比べて大きい受光領域を持つ単一のフォトダイオードで構成される。
【0098】
また、第二の受光部170は、図5に示されるように、x軸とy軸に沿って、二次元的に配列された五個のフォトダイオード180と182と184と186と188を備えている。第二の受光部170に照射される第二の光ビームL2は、ガウシアン分布のように、中心が最も高く、そこから離れるにつれて低下する光量分布を有する。本実施形態では、第二の受光部170は、五個のフォトダイオードを備えているが、その個数はこれに限らず、それよりも多くのフォトダイオードを備えていてもよい。
【0099】
前述したように、ヘッド部130は、望ましくは、スケール110に対して、適正なギャップと適正な姿勢で保持される。この状態において、第二の光ビームL2の主光線は、第二の受光部170の中心に入射する。更に詳しく言えば、その主光線が中央のフォトダイオード180の中心に入射する。一方、第一の光ビームL1と第三の光ビームL3は、ギャップと姿勢にそれほど影響されることなく、それぞれ、第一の受光部164と第三の受光部166にほぼ適正に入射する。
【0100】
光検出部160は更に、第一の受光部164と第二の受光部170と第三の受光部166の出力信号を処理する信号処理部220を備えている。信号処理部220は、例えば、面発光レーザー150を駆動するレーザー駆動回路と、第一の受光部164と第三の受光部166の出力信号のゲインとオフセットを調整する正規化回路と、第一の受光部164の出力信号と第三の受光部166の出力信号とに基づいて光源部140とスケール110の間の相対移動の量と方向を検出する移動検出回路と、第二の受光部170の出力信号に基づいて光源部140とスケール110のギャップdと相対姿勢を検出するギャップ・相対姿勢検出回路222と、第二の受光部170の出力信号に基づいて光源部140のパワーを検出してこれを制御するオートパワーコントロール(APC)回路224と、第二の受光部170の出力信号に基づいてスケール110のx軸周りの傾きを検出するx軸周り傾き検出回路226と、第二の受光部170の出力信号に基づいてスケール110のy軸周りの傾きを検出するy軸周り傾き検出回路228とを含んでいる。
【0101】
本実施形態の光学式エンコーダーは、光源部140とスケール110の間の相対移動の方向と量を検出し得るが、要求される機能が移動量の検出のみの場合には、第三の光学パターン116と第三の受光部166は省略されてもよく、これらの省略に伴い、ビーム分割素子152の第三の光ビームを作り出す機能は不要であり、移動検出回路は、第一の受光部164の出力信号に基づいて光源部140とスケール110の間の相対移動の量のみを検出する。
【0102】
<相対移動検出>
面発光レーザー150から射出された光ビームL0は、ビーム分割素子152により分割され、第一の光ビームL1と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3が作り出される。
【0103】
第一の光ビームL1は、スケール110の第一の光学パターン114により第一の受光部164に向けて反射され、第一の受光部164で検出される。第一の受光部164は、入射する第一の光ビームL1の光量に対応した信号を出力する。ヘッド部130とスケール110の間の相対移動に対して、第一の受光部164の出力信号は擬似正弦波となる。
【0104】
同様に、第三の光ビームL3は、スケール110の第三の光学パターン116により第三の受光部166に向けて反射され、第三の受光部166で検出される。第三の受光部166は、入射する第三の光ビームL3の光量に対応した信号を出力する。ヘッド部130とスケール110の間の相対移動に対して、第三の受光部166の出力信号は擬似正弦波となる。
【0105】
第一の受光部164と第三の受光部166から出力される擬似正弦波の信号は互いに1/4周期あるいは3/4周期の位相差があるため、ヘッド部130とスケール110の間の相対移動の方向と量を求めることができる。
【0106】
<z相検出>
第二の光ビームL2は、スケール110の第二の光学パターン118により第二の受光部170に向けて反射され、第二の受光部170で検出される。第二の受光部170は、入射する第二の光ビームL2の光量に対応した信号を出力する。
【0107】
第二の光学パターン118は、その一端部に低反射率の領域120を有しているため、第二の光ビームL2が、この低反射率の領域120を照射するとき、第二の受光部170の出力は大きく変化する。
【0108】
従って、この第二の受光部170の出力の変化を検出することにより、低反射率の領域120を基準としてスケール110の位置を特定することができる。言い換えれば、第二の光ビームL2が低反射率の領域120を照射することに対応した第二の受光部170の出力信号の変化に基づいて、スケール110の原点信号を得ることができる。
【0109】
<ギャップ・姿勢検出>
ヘッド部130とスケール110は、望ましくは、相対的に適正なギャップと適正な姿勢で保持される。この状態においては、レーザーアレイ142から射出された第一の光ビームL1と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3の主光線が、それぞれ、スケール110で反射された後、第一の受光部164と第二の受光部170と第三の受光部166の中心に入射する。
【0110】
スケール110とヘッド部130の光学的・幾何学的配置が適正な状態から外れると、すなわち、スケール110とヘッド部130の間のギャップdの最適値からずれたり、ヘッド部130に対してスケール110がx軸周りやy軸周りに相対的に傾いたりすると、第一の受光部164と第三の受光部166から出力される擬似正弦波の信号の位相が変わって検出信号に誤差が生じたり、検出信号の出力が低下したりする。
【0111】
このようなスケール110とヘッド部130の光学的・幾何学的配置の適正な状態からのずれは、第二の受光部170の出力に基づいて検出され得る。
【0112】
スケール110とヘッド部130の間のギャップdの変化は、第二の受光部170に照射される第二の光ビームL2のスポットをy軸に沿って移動させる。また、ヘッド部130に対するスケール110のx軸周りの相対的な傾きは、第二の受光部170に照射される第二の光ビームL2のスポットをy軸に沿って移動させるとともに、その形状を変形させる。同様に、ヘッド部130に対するスケール110のy軸周りの相対的な傾きは、第二の受光部170に照射される第二の光ビームL2のスポットをx軸に沿って移動させるとともに、その形状を変形させる。
【0113】
従って、五個のフォトダイオード180と182と184と186と188の出力に基づいて、第二の光ビームL2の最も光量の強い位置を検出することにより、スケール110とヘッド部130の間のギャップの変化とヘッド部130に対するスケール110のx軸周りの傾きとy軸周りの傾きが検出される。
【0114】
あるいは、五個のフォトダイオード180と182と184と186と188の出力に基づいて、第二の光ビームL2のy軸方向とx軸方向の二次元的なビームプロファイルを必要に応じて補間を用いて計算し、そのビームプロファイルのy軸方向とx軸方向の変位量や形状の変化を調べることにより、スケール110とヘッド部130の間のギャップの変化とヘッド部130に対するスケール110のx軸周りの傾きとy軸周りの傾きとが分離して検出される。
【0115】
このような検出の精度は、第二の受光部170のフォトダイオードの各々のy軸に沿った寸法とそれらの間隔およびx軸に沿った寸法とそれらの間隔を小さくすることで高められる。ギャップの大きな変化やスケールの大きな傾きへの対応には、第二の受光部170のフォトダイオードを配置する範囲を大きくすればよい。従って、高精度の検出とギャップの大きな変化やスケールの大きな傾きへの対応の両方を実現するには、第二の受光部170は、y軸とx軸に沿った寸法が共に小さいフォトダイオードを多数有し、それらがy軸とx軸に沿って狭い間隔で広い範囲にわたって配置されているとよい。
【0116】
従って、メンテナンス時においては、第二の受光部170の五個のフォトダイオード180と182と184と186と188の出力が最適なバランスに戻るように、スケール110とヘッド部130の間のギャップと姿勢を調整し直せばよい。また、組み立て時においては、スケール110とヘッド部130を、第二の受光部170の五個のフォトダイオード180と182と184と186と188の出力が最適なバランスとなるギャップと姿勢で配置し組み立てればよい。
【0117】
また、組立後のヘッド130とスケール110のギャップ・姿勢検出に関しては、必ずしも、最適なギャップと姿勢に対して、光量の最大位置が必ずしも中央のフォトダイオード180の中心にくる必要はない。この場合、五個のフォトダイオード180と182と184と186と188の出力のバランスが変化することで、最適なギャップと姿勢から外れていくことが分かり、五個のフォトダイオード180と182と184と186と188の出力のバランスの変化により、ギャップと姿勢の調整度合いについてある程度定量的な判断ができる。これに基づいて、エンコーダーの再調整や交換の判断が行なえる。
【0118】
このように本実施の形態の光学式エンコーダーは、スケール110とヘッド部130の間のギャップの変化やスケールのx軸周りとy軸周りの姿勢の変化を測定できるため、以下の利点を有している。
【0119】
ギャップの変化やスケールのx軸周りとy軸周りの姿勢の変化により生じる検出信号の誤差を計算して補正することができる。
【0120】
所望のギャップとx軸周りとy軸周りの姿勢における出力値が計算または経験的に導ければ、これを組立調整時やメンテナンスの際の調整の指標として用いることで、調整用の測定器を減らしたり不要にしたりすることができ、簡便な調整が可能となる。
【0121】
ギャップ信号とx軸周りとy軸周りの傾きとに基づいて、出荷前の良品判定をしたり、経時変化が生じた際のメンテナンスや交換の判定をしたりすることができる。
【0122】
測定中のギャップの変化やx軸周りとy軸周りの姿勢の変化により生じる検出信号の誤差の大きさを確認することで、補正が出来ない場合のエンコーダーが保証できる検出精度の指標のひとつとなる。
【0123】
<パワーモニター>
経時変化や温度変化などにより面発光レーザー150から射出される光ビームL0のパワーが変化すると、これに応じて、第一の受光部164と第三の受光部166の出力信号のレベルも変化する。このような面発光レーザー150パワーの変化は、検出信号の読み取りに誤差を生じさせ、その変化が激しい場合には、検出信号を読み取りを不能にする。
【0124】
面発光レーザー150のパワーの変化は、第二の受光部170の出力信号に基づいて検出され得る。
【0125】
例えば、面発光レーザー150のパワーの変化は、五個のフォトダイオード180と182と184と186と188の出力の任意の一つあるいはそれらの合計に基づいて検出される。
【0126】
あるいは、面発光レーザー150のパワーの変化は、五個のフォトダイオード180と182と184と186と188の出力に基づいて、第二の光ビームL2のy軸方向とx軸方向の二次元的なビームプロファイルを必要に応じて補間を用いて計算し、そのビームプロファイルから推定される、プロファイルのピーク点の高さやフォトダイオードに入射する総光量により検出される。
【0127】
信号処理部220のAPC回路224は、第二の受光部170の出力信号に基づいて、面発光レーザー150のパワーの変化を検出し、これを一定に保つように面発光レーザー150を制御する。APC回路224により面発光レーザー150を制御する代わりに、第二の受光部170の出力信号に基づいて、エンコーダー信号である第一の受光部164と第三の受光部166の出力信号を補正してもよい。
【0128】
このように本実施の形態の光学式エンコーダーは、面発光レーザー150のパワーをモニターできるため、以下の利点を有している。
【0129】
面発光レーザー150からの裏面出力をモニターする必要が無い。これは、素子内を光が透過し難く、裏面モニターの利用が困難な短波長の面発光レーザに有効である。
【0130】
第二の受光部170の出力信号を面発光レーザー150のパワー安定化用のモニター信号に利用することで、第一の光ビームL1と第三の光ビームL3のパワー変動を抑えることができ、第一の受光部164と第三の受光部166の出力信号が安定し、検出精度が向上する。
【0131】
第一の光ビームL1と第三の光ビームL3のパワー変動に基づいて、第一の受光部164と第三の受光部166の出力信号の誤差を補正することで、検出精度が向上される。
【0132】
第二の受光部170がx軸とy軸に沿って二次元的に並ぶ複数のフォトダイオードを有しているため、ギャップの変化やx軸周りやy軸周りの姿勢の変化に影響されることなく、面発光レーザー150のパワーを安定にモニターできる。また、ビームプロファイルを計算できるため、少ない受光面積でモニターを行なえる。
【0133】
[第四実施形態]
図6に示されるように、光学式エンコーダーは、光源部140と光検出部160を含むヘッド部130と、これに対して特定の方向にすなわちy軸に沿って移動可能なスケール110とを備えている。ヘッド部130は、光源部140と光検出部160を保持するベース132を更に有し、スケール110に対して、望ましくは、適正なギャップdと適正な姿勢で保持される。
【0134】
スケール110は、平板状の基板112と、その表面に設けられた第一の光学パターン114と第二の光学パターン118と第三の光学パターン116とを有している。スケール110は長手軸を有しており、この長手軸が移動方向すなわちy軸に対して平行になるように配置される。第一の光学パターン114と第二の光学パターン118と第三の光学パターン116は共に長手軸に沿って帯状に延びている。第一の光学パターン114と第三の光学パターン116は長手軸に沿って一定の周期で光学特性が変化するが、第二の光学パターン118は長手軸に沿ったほぼ全域にわたり光学特性が一定である。
【0135】
ここにおいて「光学特性」は、反射率や透過率等の光に作用する諸特性をいう。
本実施形態は反射型の光学式エンコーダーであるため、本実施形態では光学特性は反射率を意味するが、透過型の光学式エンコーダーにおいては透過率を意味する。
【0136】
第一の光学パターン114と第三の光学パターン116は共に、高反射率の領域と低反射率の領域とが長手軸に沿って数十μmのピッチP0で交互に並んでいる。第一の光学パターン114と第三の光学パターン116は、同じ周期を有するが、位相がずれている。すなわち、第一の光学パターン114と第三の光学パターン116の反射率の異なる二つの領域が互いに長手軸に沿ってδずれている。言い換えれば、第三の光学パターン116は、第一の光学パターン114を長手軸に沿ってδ移動させたものと等価である。両者の間のずれδは、望ましくは、δ=P0・(2n−1)/4を満たしている。ここでnは自然数である。
【0137】
第二の光学パターンは、高反射率の領域が長手軸に沿って帯状に延びており、その一方の端部に低反射率の領域120を有している。
【0138】
光源部140は、一本の光ビームL0を射出する面発光レーザー150と、光ビームL0を分割して第一の光ビームL1と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3と第四の光ビームL4を作り出すビーム分割素子154とを備えている。面発光レーザー150は、xy平面に傾きを持って、すなわち、x軸の周りに傾いて配置されている。
【0139】
ビーム分割素子154は、例えば回折格子である。回折格子は、面発光レーザー150に近い面がハーフミラーであり、その反対側のスケール110に近い面に、x軸に沿って一定のピッチpgで並ぶ多数のy軸に沿って延びる溝を有している。回折格子154は、入射する光ビームL0をx軸に沿って回折させ、その内の0次光と±1次光から、第一の光ビームL1と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3を作り出すとともに、入射する光ビームL0を部分的に反射して第四の光ビームL4を作り出す。
【0140】
このように作り出された第一の光ビームL1と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3は、それぞれ、第一の光学パターン114と第二の光学パターン118と第三の光学パターン116に照射される。また、第四の光ビームL4は光検出部160に方向付けられる。
【0141】
このような一個の面発光レーザー150とビーム分割素子154の使用は、高い信頼性が必要なレーザーの数を減らし、コスト低減や信頼性の向上にとって有利である。また、使用するレーザーが1個で済むため、レーザーのボンディング時のアライメントに関して、チップの回転ずれの精度への影響を考慮しなくて済む。
【0142】
光検出部160は、例えばフォトICであり、第一の光学パターン114を経由した第一の光ビームL1を受光する第一の受光部164と、第二の光学パターン118を経由した第二の光ビームL2を受光する第二の受光部170と、第三の光学パターン116を経由した第三の光ビームL3を受光する第三の受光部166と、第四の光ビームL4を直接受光する第四の受光部210とを備えている。第一の受光部164と第二の受光部170と第三の受光部166は、その中心がx軸に沿って並ぶように配置されている。
【0143】
第一の受光部164と第三の受光部166と第四の受光部210は、それぞれ、第一の光ビームL1と第三の光ビームL3と第四の光ビームL4の径に比べて大きい受光領域を持つ単一のフォトダイオードで構成される。
【0144】
また、第二の受光部170は、図7に示されるように、x軸とy軸に沿って、二次元的に配列された五個のフォトダイオード190と192と194と196と198を備えている。中央のフォトダイオード190は円形形状を有し、他の四個のフォトダイオード192と194と196と198は、全体で中央のフォトダイオード190を取り囲む輪帯形状を成しており、それぞれ90°の角度間隔で配置されている。第二の受光部170に照射される第二の光ビームL2は、ガウシアン分布のように、中心が最も高く、そこから離れるにつれて低下する光量分布を有する。本実施形態では、第二の受光部170は、五個のフォトダイオードを備えているが、その個数はこれに限らず、それよりも多くのフォトダイオードを備えていてもよい。
【0145】
前述したように、ヘッド部130は、望ましくは、スケール110に対して、適正なギャップと適正な姿勢で保持される。この状態において、第二の光ビームL2の主光線は、第二の受光部170の中心に入射する。更に詳しく言えば、その主光線が中央のフォトダイオード190の中心に入射する。一方、第一の光ビームL1と第三の光ビームL3と第四の光ビームL4は、ギャップと姿勢にそれほど影響されることなく、それぞれ、第一の受光部164と第三の受光部166と第四の受光部210にほぼ適正に入射する。
【0146】
光検出部160は更に、第一の受光部164と第二の受光部170と第三の受光部166の出力信号を処理する信号処理部220を備えている。信号処理部220は、例えば、面発光レーザー150を駆動するレーザー駆動回路と、第一の受光部164と第三の受光部166の出力信号のゲインとオフセットを調整する正規化回路と、第一の受光部164の出力信号と第三の受光部166の出力信号とに基づいて光源部140とスケール110の間の相対移動の量と方向を検出する移動検出回路と、第二の受光部170の出力信号に基づいて光源部140とスケール110のギャップdと相対姿勢を検出するギャップ・相対姿勢検出回路222と、第四の受光部210の出力信号に基づいて光源部140のパワーを検出してこれを制御するオートパワーコントロール(APC)回路224と、第二の受光部170の出力信号に基づいてスケール110のx軸周りの傾きを検出するx軸周り傾き検出回路226と、第二の受光部170の出力信号に基づいてスケール110のy軸周りの傾きを検出するy軸周り傾き検出回路228とを含んでいる。
【0147】
本実施形態の光学式エンコーダーは、光源部140とスケール110の間の相対移動の方向と量を検出し得るが、要求される機能が移動量の検出のみの場合には、第三の光学パターン116と第三の受光部166は省略されてもよく、これらの省略に伴い、ビーム分割素子154は第三の光ビームを作り出す機能は不要であり、移動検出回路は、第一の受光部164の出力信号に基づいて光源部140とスケール110の間の相対移動の量のみを検出する。
【0148】
<相対移動検出>
面発光レーザー150から射出された光ビームL0は、ビーム分割素子154により分割され、第一の光ビームL1と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3と第四の光ビームL4が作り出される。
【0149】
第一の光ビームL1は、スケール110の第一の光学パターン114により第一の受光部164に向けて反射され、第一の受光部164で検出される。第一の受光部164は、入射する第一の光ビームL1の光量に対応した信号を出力する。ヘッド部130とスケール110の間の相対移動に対して、第一の受光部164の出力信号は擬似正弦波となる。
【0150】
同様に、第三の光ビームL3は、スケール110の第三の光学パターン116により第三の受光部166に向けて反射され、第三の受光部166で検出される。第三の受光部166は、入射する第三の光ビームL3の光量に対応した信号を出力する。ヘッド部130とスケール110の間の相対移動に対して、第三の受光部166の出力信号は擬似正弦波となる。
【0151】
第一の受光部164と第三の受光部166から出力される擬似正弦波の信号は互いに1/4周期あるいは3/4周期の位相差があるため、ヘッド部130とスケール110の間の相対移動の方向と量を求めることができる。
【0152】
<z相検出>
第二の光ビームL2は、スケール110の第二の光学パターン118により第二の受光部170に向けて反射され、第二の受光部170で検出される。第二の受光部170は、入射する第二の光ビームL2の光量に対応した信号を出力する。
【0153】
第二の光学パターン118は、その一端部に低反射率の領域120を有しているため、第二の光ビームL2が、この低反射率の領域120を照射するとき、第二の受光部170の出力は大きく変化する。
【0154】
従って、この第二の受光部170の出力の変化を検出することにより、低反射率の領域120を基準としてスケール110の位置を特定することができる。言い換えれば、第二の光ビームL2が低反射率の領域120を照射することに対応した第二の受光部170の出力信号の変化に基づいて、スケール110の原点信号を得ることができる。
【0155】
<ギャップ・姿勢検出>
ヘッド部130とスケール110は、望ましくは、相対的に適正なギャップと適正な姿勢で保持される。この状態においては、レーザーアレイ142から射出された第一の光ビームL1と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3の主光線が、それぞれ、スケール110で反射された後、第一の受光部164と第二の受光部170と第三の受光部166の中心に入射する。
【0156】
スケール110とヘッド部130の光学的・幾何学的配置が適正な状態から外れると、すなわち、スケール110とヘッド部130の間のギャップdの最適値からずれたり、ヘッド部130に対してスケール110がx軸周りやy軸周りに相対的に傾いたりすると、第一の受光部164と第三の受光部166から出力される擬似正弦波の信号の位相が変わって検出信号に誤差が生じたり、検出信号の出力が低下したりする。
【0157】
このようなスケール110とヘッド部130の光学的・幾何学的配置の適正な状態からのずれは、第二の受光部170の出力に基づいて検出され得る。
【0158】
スケール110とヘッド部130の間のギャップdの変化は、第二の受光部170に照射される第二の光ビームL2のスポットをy軸に沿って移動させる。また、ヘッド部130に対するスケール110のx軸周りの相対的な傾きは、第二の受光部170に照射される第二の光ビームL2のスポットをy軸に沿って移動させるとともに、その形状を変形させる。同様に、ヘッド部130に対するスケール110のy軸周りの相対的な傾きは、第二の受光部170に照射される第二の光ビームL2のスポットをx軸に沿って移動させるとともに、その形状を変形させる。
【0159】
従って、五個のフォトダイオード190と192と194と196と198の出力に基づいて、第二の光ビームL2の最も光量の強い位置を検出することにより、スケール110とヘッド部130の間のギャップの変化とヘッド部130に対するスケール110のx軸周りの傾きとy軸周りの傾きが検出される。
【0160】
あるいは、五個のフォトダイオード190と192と194と196と198の出力に基づいて、第二の光ビームL2のy軸方向とx軸方向の二次元的なビームプロファイルを必要に応じて補間を用いて計算し、そのビームプロファイルのy軸方向とx軸方向の変位量や形状の変化を調べることにより、スケール110とヘッド部130の間のギャップの変化とヘッド部130に対するスケール110のx軸周りの傾きとy軸周りの傾きとが分離して検出される。
【0161】
このような検出の精度は、第二の受光部170のフォトダイオードの各々のy軸に沿った寸法とそれらの間隔およびx軸に沿った寸法とそれらの間隔を小さくすることで高められる。ギャップの大きな変化やスケールの大きな傾きへの対応には、第二の受光部170のフォトダイオードを配置する範囲を大きくすればよい。従って、高精度の検出とギャップの大きな変化やスケールの大きな傾きへの対応の両方を実現するには、第二の受光部170は、y軸とx軸に沿った寸法が共に小さいフォトダイオードを多数有し、それらがy軸とx軸に沿って狭い間隔で広い範囲にわたって配置されているとよい。
【0162】
従って、メンテナンス時においては、第二の受光部170の五個のフォトダイオード190と192と194と196と198の出力が最適なバランスに戻るように、スケール110とヘッド部130の間のギャップと姿勢を調整し直せばよい。また、組み立て時においては、スケール110とヘッド部130を、第二の受光部170の五個のフォトダイオード190と192と194と196と198の出力が最適なバランスとなるギャップと姿勢で配置し組み立てればよい。
【0163】
また、組立後のヘッド130とスケール110のギャップ・姿勢検出に関しては、必ずしも、最適なギャップと姿勢に対して、光量の最大位置が必ずしも中央のフォトダイオード180の中心にくる必要はない。この場合、五個のフォトダイオード190と192と194と196と198の出力のバランスが変化することで、最適なギャップと姿勢から外れていくことが分かり、五個のフォトダイオード190と192と194と196と198の出力のバランスの変化により、ギャップと姿勢の調整度合いについてある程度定量的な判断ができる。これに基づいて、エンコーダーの再調整や交換の判断が行なえる。
【0164】
このように本実施の形態の光学式エンコーダーは、スケール110とヘッド部130の間のギャップの変化やスケールのx軸周りとy軸周りの姿勢の変化を測定できるため、以下の利点を有している。
【0165】
ギャップの変化やスケールのx軸周りとy軸周りの姿勢の変化により生じる検出信号の誤差を計算して補正することができる。
【0166】
所望のギャップとx軸周りとy軸周りの姿勢における出力値が計算または経験的に導ければ、これを組立調整時やメンテナンスの際の調整の指標として用いることで、調整用の測定器を減らしたり不要にしたりすることができ、簡便な調整が可能となる。
【0167】
ギャップ信号とx軸周りとy軸周りの傾きとに基づいて、出荷前の良品判定をしたり、経時変化が生じた際のメンテナンスや交換の判定をしたりすることができる。
【0168】
測定中のギャップの変化やx軸周りとy軸周りの姿勢の変化により生じる検出信号の誤差の大きさを確認することで、補正が出来ない場合のエンコーダーが保証できる検出精度の指標のひとつとなる。
【0169】
<パワーモニター>
経時変化や温度変化などにより面発光レーザー150から射出される光ビームL0のパワーが変化すると、これに応じて、第一の受光部164と第三の受光部166の出力信号のレベルも変化する。このような面発光レーザー150パワーの変化は、検出信号の読み取りに誤差を生じさせ、その変化が激しい場合には、検出信号を読み取りを不能にする。
【0170】
ビーム分割素子154により作り出された第四の光ビームL4は、第四の受光部210に直接方向付けられ、第四の受光部210で検出される。第四の受光部210は、入射する第四の光ビームL4の光量に対応した信号を出力する。従って、面発光レーザー150のパワーの変化は、第四の受光部210の出力信号に基づいて検出される。
【0171】
信号処理部220のAPC回路224は、第四の受光部210の出力信号に基づいて、面発光レーザー150のパワーの変化を検出し、これを一定に保つように面発光レーザー150を制御する。APC回路224により面発光レーザー150を制御する代わりに、第四の受光部210の出力信号に基づいて、エンコーダー信号である第一の受光部164と第三の受光部166の出力信号を補正してもよい。
【0172】
このように本実施の形態の光学式エンコーダーは、面発光レーザー150のパワーをモニターできるため、以下の利点を有している。
【0173】
面発光レーザー150からの裏面出力をモニターする必要が無い。これは、素子内を光が透過し難く、裏面モニターの利用が困難な短波長の面発光レーザに有効である。
【0174】
第四の受光部210の出力信号を面発光レーザー150のパワー安定化用のモニター信号に利用することで、第一の光ビームL1と第三の光ビームL3のパワー変動を抑えることができ、第一の受光部164と第三の受光部166の出力信号が安定し、検出精度が向上する。
【0175】
第一の光ビームL1と第三の光ビームL3のパワー変動に基づいて、第一の受光部164と第三の受光部166の出力信号の誤差を補正することで、検出精度が向上される。
【0176】
スケール110を経由しない第四の光ビームL4の光量に対応した第四の受光部210の出力信号をモニター信号に用いているため、ギャップや姿勢の変化の影響を全く受けない高精度のモニタリングを行なえる。このような高精度のモニタリングは、ギャップや姿勢の変化の測定の精度を高める。
【0177】
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【0178】
従って、本発明は、以下の各項に記す光学式エンコーダーを含んでいる。
【0179】
1. 光源部と光検出部を含むヘッド部と、
ヘッド部に対して相対的に特定の方向に移動可能なスケールとを備えており、
スケールは、移動方向に沿って延びる長手軸と、長手軸に沿って光学特性が一定の周期で変化する第一の光学パターンと、長手軸に沿ったほぼ全域にわたって光学特性が一定である第二の光学パターンとを有し、
光源部は、第一の光学パターンに照射される第一の光ビームと、第二の光学パターンに照射される第二の光ビームとを射出し、
光検出部は、第一の光学パターンを経由した第一の光ビームを受光する第一の受光部と、第二の光学パターンを経由した第二の光ビームを受光する第二の受光部と、第一の受光部と第二の受光部の出力信号を処理する信号処理部とを有し、
信号処理部は、第一の受光部の出力信号に基づいてヘッド部とスケールの間の相対移動の量を検出する移動検出手段と、第二の受光部の出力信号に基づいてヘッド部とスケールのギャップと相対姿勢を検出するギャップ・相対姿勢検出手段とを含んでいる、光学式エンコーダー。
【0180】
2. 第1項において、
スケールは、長手軸に沿って光学特性が一定の周期で変化する第三の光学パターンを更に有し、第一の光学パターンと第三の光学パターンは同じ周期を有するが、位相がずれており、
光源部は、第三の光学パターンに照射される第三の光ビームを更に射出し、
光検出部は、第三の光学パターンを経由した第三の光ビームを受光する第三の受光部を更に有し、
移動検出手段は、第一の受光部の出力信号と第三の受光部の出力信号に基づいてヘッド部とスケールの間の相対移動の量と方向を検出する、光学式エンコーダー。
【0181】
3. 第1項において、光学特性が反射率である、光学式エンコーダー。
【0182】
4. 第1項において、光学特性が透過率である、光学式エンコーダー。
【0183】
5. 第1項において、第二の受光部が、スケールの移動方向に沿って並んだ複数の受光素子を含んでいる、光学式エンコーダー。
【0184】
6. 第1項において、スケールは移動方向に平行な平面の面を持ち、第二の受光部が、スケールの面に平行に、二次元的に配置された複数の受光素子を含んでいる、光学式エンコーダー。
【0185】
7. 第1項において、
第二の光学パターンは、他に対して光学特性が異なる基準領域を有しており、
信号処理部は、第二の受光部の出力信号に基づいて基準領域を検知することによりスケールの基準位置を検出する基準位置検出手段を更に含んでいる、光学式エンコーダー。
【0186】
8. 第1項において、光源部が、第一の光ビームを発する第一の発光素子と第二の光ビームを発する第二の発光素子とを備えている、光学式エンコーダー。
【0187】
9. 第1項において、光源部が、一本の光ビームを発する発光素子と、一本の光ビームを分割して第一の光ビームと第二の光ビームを作り出すビーム分割素子とを含んでいる、光学式エンコーダー。
【0188】
10. 第2項において、光源部が、第一の光ビームを発する第一の発光素子と第二の光ビームを発する第二の発光素子と第三の光ビームを発する第三の発光素子とを備えている、光学式エンコーダー。
【0189】
11. 第2項において、光源部が、一本の光ビームを発する発光素子と、一本の光ビームを分割して第一の光ビームと第二の光ビームと第三の光ビームを作り出すビーム分割素子とを含んでいる、光学式エンコーダー。
【0190】
12. 第11項において、
光検出部は、第四の受光部を更に備えており、
ビーム分割素子は、第一の光ビームと第二の光ビームと第三の光ビームの他に、第四の受光部に直接照射される第四の光ビームを更に作り出し、
信号処理部は、第四の受光部の出力信号に基づいて光源部のパワーを検出するパワー検出手段を更に含んでいる、光学式エンコーダー。
【0191】
13. 第12項において、信号処理部が、パワー補正手段を更に含んでいる、光学式エンコーダー。
【0192】
14. 第1項において、信号処理部が、第二の受光部の出力信号に基づいて光源部のパワーを検出するパワー検出手段を更に含んでいる、光学式エンコーダー。
【0193】
15. 第14項において、信号処理部が、パワー補正手段を更に含んでいる、光学式エンコーダー。
【0194】
16. 光源部と光検出部を含むヘッド部と、
ヘッド部に対して相対的に特定の方向に移動可能なスケールとを備えており、
スケールは、移動方向に沿って延びる長手軸と、長手軸に沿って光学特性が一定の周期で変化する第一の光学パターンと、長手軸に沿ったほぼ全域にわたって光学特性が一定である第二の光学パターンとを有し、
光源部は、第一の光学パターンに照射される第一の光ビームと、第二の光学パターンに照射される第二の光ビームとを射出し、
光検出部は、第一の光学パターンを経由した第一の光ビームを受光する第一の受光部と、第二の光学パターンを経由した第二の光ビームを受光する第二の受光部と、第一の受光部と第二の受光部の出力信号を処理する信号処理部とを有し、
信号処理部は、第一の受光部の出力信号に基づいてヘッド部とスケールの間の相対移動の量を検出する移動検出手段と、第二の受光部の出力信号に基づいて光源部のパワーを検出するパワー検出手段とを含んでいる、光学式エンコーダー。
【0195】
17. 第16項において、信号処理部が、パワー補正手段を更に含んでいる、光学式エンコーダー。
【0196】
【発明の効果】
本発明よれば、ヘッド部とスケールの光学的・幾何学的配置を検出する機能と、光源部のパワーを計測する機能とを有する光学式エンコーダーが提供される。
これにより、組み立て時の位置決め・位置合わせやメンテナンス時の調整が容易に行なえるとともに、組み立て時の良品の判断やメンテナンス時の交換の判断を定量的に行なえるようになる。また、光源部のパワーの安定化を計ったり検出信号の補正を行なえるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態による光学式エンコーダーの概略斜視図である。
【図2】本発明の第二実施形態による光学式エンコーダーの概略斜視図である。
【図3】図2に示される光検出部の平面図である。
【図4】本発明の第三実施形態による光学式エンコーダーの概略斜視図である。
【図5】図4に示される光検出部の平面図である。
【図6】本発明の第四実施形態による光学式エンコーダーの概略斜視図である。
【図7】図6に示される光検出部の平面図である。
【符号の説明】
110 スケール
114 第一の光学パターン
118 第二の光学パターン
116 第三の光学パターン
130 ヘッド部
140 光源部
160 光検出部
164 第一の受光部
166 第三の受光部
170 第二の受光部
220 信号処理部

Claims (5)

  1. 光源部と光検出部を含むヘッド部と、
    前記ヘッド部に対して相対的に特定の方向に移動可能なスケールとを備えており、
    前記スケールは、移動方向に沿って光学特性が一定の周期で変化する第一の光学パターンと、移動方向に沿った、移動量検出に有効な領域のほぼ全域にわたって光学特性が一定である第二の光学パターンとを有し、
    前記光源部は、前記第一の光学パターンに照射される第一の光ビームと、前記第二の光学パターンに照射される第二の光ビームとを射出し、
    前記光検出部は、前記第一の光学パターンを経由した前記第一の光ビームを受光する第一の受光部と、前記第二の光学パターンを経由した前記第二の光ビームを受光する第二の受光部と、前記第一の受光部と前記第二の受光部の出力信号を処理する信号処理部とを有し、
    前記信号処理部は、前記第一の受光部の出力信号に基づいて前記ヘッド部と前記スケールの間の相対移動の量を検出する移動検出手段と、前記第二の受光部の出力信号に基づいて前記ヘッド部と前記スケールの相対姿勢を検出する姿勢検出手段とを含んでいる、光学式エンコーダー。
  2. 前記第二の受光部は複数の受光素子を有し、
    前記第二の受光部の出力信号に基づいて前記ヘッド部と前記スケールのギャップを、姿勢検出と同時に検出するギャップ検出手段を更に含んでいる、請求項1に記載の光学式エンコーダー。
  3. 前記第二の受光部は複数の受光素子を有し、
    前記第二の受光部の出力信号に基づいて前記光源部のパワーを、姿勢検出と同時に検出するパワー検出手段を更に含んでいる、請求項1又は請求項2に記載の光学式エンコーダー。
  4. 前記第二の受光部は、前記スケールの移動方向に垂直な方向に並んだ複数の受光素子を含んでいる、請求項2又は請求項3に記載の光学式エンコーダー。
  5. 前記第二の受光部は、前記スケールの移動方向に平行に、二次元的に配置された複数の受光素子を含んでいる、請求項2又は請求項3に記載の光学式エンコーダー。
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