JPH08254440A - 光学式エンコーダ - Google Patents

光学式エンコーダ

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Publication number
JPH08254440A
JPH08254440A JP7058456A JP5845695A JPH08254440A JP H08254440 A JPH08254440 A JP H08254440A JP 7058456 A JP7058456 A JP 7058456A JP 5845695 A JP5845695 A JP 5845695A JP H08254440 A JPH08254440 A JP H08254440A
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JP
Japan
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scale
light
emitting semiconductor
linear scale
surface emitting
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Application number
JP7058456A
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English (en)
Inventor
Iwao Komazaki
岩男 駒崎
Hiroshi Miyajima
博志 宮島
Masataka Ito
正孝 伊藤
Sakae Hashimoto
栄 橋本
Kenji Murakami
賢治 村上
Eiji Yamamoto
英二 山本
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】被測定物体の移動量や変位量等を高分解能に検
出可能なコンパクトな光学式エンコーダを提供する。 【構成】図中矢印M方向に移動可能であって且つ高反射
率領域12aと低反射率領域12bとが交互に一定の間
隔で配置されたリニアスケール12と、このリニアスケ
ールに対して所定角度でレーザー光を照射可能な垂直共
振器型の面発光半導体レーザ11が設けられており且つ
リニアスケールから反射した反射光を受光するように、
リニアスケールの移動方向Mに沿って所定間隔で配置さ
れた一対の光検出器13a,13bが設けられている誘
電体基板14とを備える。面発光半導体レーザは、誘電
体基板上に形成された傾斜台15上に搭載されており、
一対の光検出器は、誘電体基板上にリニアスケールと平
行に形成された平坦面14a上に搭載されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば回転又は移動す
る物体の変位量を検出するために用いられる光学式エン
コーダに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置としては、例えば特
開昭63−115010号公報(以下、従来技術と称す
る)に開示された変位測定装置が知られている。
【0003】図11(a)に示すように、従来技術の装
置において、半導体レーザ101から出射されたレーザ
ー光は、図中矢印M方向に移動している被測定物体(図
示しない)上に形成された回折格子102上に照射され
る。
【0004】このとき、回折格子102から回折した正
次数及び負次数の回折光は、夫々、一対の1/4波長板
141,142、及び、一対のコーナキューブ131,
132を介して再度、回折格子102上に照射される。
【0005】このとき、回折格子102から再び回折し
た正次数及び負次数の回折光は、互いに重ね合わされた
後、ビームスプリッタ105に入射する。
【0006】このビームスプリッタ105には、第1な
いし第4のハーフミラー面151〜154が形成されて
おり、ビームスプリッタ105に入射した回折光は、ま
ず、第1のハーフミラー面151によって透過光束と反
射光束に分割される。
【0007】第1のハーフミラー面151を透過した透
過光束は、第1の偏光板161を通過した後、第1の受
光素子171に入射し、一方、第1のハーフミラー面1
51から反射した反射光束は、第2のハーフミラー面1
52によって、再度、透過光束と反射光束に分割され
る。
【0008】第2のハーフミラー面152から反射した
反射光束は、第2の偏光板162を通過した後、第2の
受光素子172に入射し、一方、第2のハーフミラー面
152を透過した透過光束は、第3のハーフミラー面1
53によって、再度、透過光束と反射光束に分割され
る。
【0009】第3のハーフミラー面153から反射した
反射光束は、第3の偏光板163を通過した後、第3の
受光素子173に入射し、一方、第3のハーフミラー面
153を透過した透過光束は、第4のハーフミラー面1
54から反射した後、第4の偏光板164を介して第4
の受光素子174に入射する。
【0010】このとき、第1ないし第4の受光素子17
1,172,173,174から出力される電気信号E
1,E2,E3,E4(図11(b)〜(e)参照)
は、夫々、干渉縞の明暗の強度に対応した干渉信号とな
っている。
【0011】ここで、回折格子102のピッチをp、正
次数及び負次数の回折光の次数をmとすると、第1ない
し第4の受光素子171,172,173,174は、
回折格子102の移動量p/4m毎に1個の正弦波形と
なる干渉信号を出力することになる。なお、このとき、
第1ないし第4の受光素子171,172,173,1
74から出力される干渉信号は、図11(b)に示すよ
うに、互いに90度ずつ位相がずれている。
【0012】従来技術の装置では、第1ないし第4の受
光素子171,172,173,174から出力される
干渉信号のうち、互いに180度の位相差を有する2つ
の干渉信号を利用することによって、光源の出力変動や
回折格子の回折効率の変動等に影響されることなく、被
測定物体の移動量及び変位量等を測定している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術の装置には、図11(a)に示すように、第1ないし
第4の受光素子171,172,173,174や一対
のコーナキューブ131,132等の多くの光学部品が
別途必要となる関係上、小型化にはある程度の制約が生
じるといった問題がある。
【0014】これに対して、スケールとして回折格子1
02を適用する代わりに、例えば高反射部と低反射部を
交互に配置したスケールを用いた光学式エンコーダが公
知である。この公知技術では、スケールから発生する反
射光束又は透過光束の明暗を検知ことによって、被測定
物体の移動量や変位量等が測定されている。
【0015】この公知技術は、上記従来技術と比べる
と、干渉用のミラー等が不要であるため、エンコーダの
小型化が実現されるが、高反射部と低反射部の配列ピッ
チをあまり小さくすることができないため、エンコーダ
としての分解能は低下してしまうといった問題がある。
【0016】しかしながら、上記公知技術において、光
源として通常のストライプ型半導体レーザを適用した場
合、コリメータレンズが必須の構成部材となるため、小
型化にはある程度の制約が生じるといった問題が発生す
る。
【0017】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされており、その目的は、被測定物体の移動量や
変位量等を高分解能に検出可能なコンパクトな光学式エ
ンコーダを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項1の発明の光学式エンコーダは、所定
方向に移動可能に構成されていると共に、反射率又は透
過率の異なる領域が所定のピッチで配置されたスケール
と、このスケール上に所定径のスポットを形成させる所
定の発振モードの面発光半導体レーザー手段と、前記面
発光半導体レーザー手段から出射されたレーザー光によ
って、前記スケール上に前記スポットが形成された際、
前記レーザー光による前記スケールからの反射光又は透
過光を受光可能に構成されていると共に、前記スケール
の移動方向に沿って前記スポットの径の2倍以下のピッ
チで配置された光検出手段とを備えている。
【0019】請求項2の発明の光学式エンコーダは、所
定方向に移動可能に構成されていると共に、反射率又は
透過率の異なる領域が所定のピッチで配置されたスケー
ルと、このスケールの移動方向に沿って所定間隔で配置
されており、前記スケールからの反射光又は透過光の強
度振幅の位相が相対的に異なるように、所定の発振モー
ドのレーザー光を前記スケール上に照射する面発光半導
体レーザー手段と、前記レーザー光による前記スケール
からの反射光又は透過光を受光可能な光検出手段とを備
えている。
【0020】請求項3の発明の光学式エンコーダは、所
定方向に移動可能に構成されていると共に、反射率又は
透過率の異なる領域が所定のピッチで配置されたスケー
ルと、このスケールの移動方向に直交する方向に所定間
隔で配置されており、前記スケールからの反射光又は透
過光の強度振幅の位相が相対的に異なるように、所定の
発振モードのレーザー光を前記スケール上に照射する面
発光半導体レーザー手段と、前記レーザー光による前記
スケールからの反射光又は透過光を受光可能な光検出手
段とを備えている。
【0021】
【作用】請求項1の発明によれば、面発光半導体レーザ
ー手段から出射されたレーザー光によって、スケール上
にスポットが形成された際、レーザー光によるスケール
からの反射光又は透過光は、スポットの径の2倍以下の
ピッチで設けられた光検出手段によって受光される。
【0022】請求項2の発明によれば、スケールの移動
方向に沿って所定間隔で配置された面発光半導体レーザ
ー手段から出射されたレーザー光によって、強度振幅の
位相が相対的に異なるスケールからの反射光又は透過光
は、光検出手段によって受光される。
【0023】請求項3の発明によれば、スケールの移動
方向に直交する方向に所定間隔で配置された面発光半導
体レーザー手段から出射されたレーザー光によって、強
度振幅の位相が相対的に異なるスケールからの反射光又
は透過光は、光検出手段によって受光される。
【0024】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例に係る光学式エ
ンコーダについて、図1(a),(b)を参照して説明
する。
【0025】図1(a)に示すように、本実施例の光学
式エンコーダは、図中矢印M方向に移動可能であって且
つ高反射率領域12aと低反射率領域12bとが交互に
所定ピッチ(以下、スケールピッチという)で配置され
たリニアスケール12と、このリニアスケール12に対
して所定角度でレーザー光を照射可能な垂直共振器型の
面発光半導体レーザ11が設けられており且つリニアス
ケール12から反射した反射光を受光するように、所定
間隔で配置された一対の光検出器13a,13bが設け
られている誘電体基板14とを備えている。
【0026】垂直共振器型の面発光半導体レーザ(以
下、面発光半導体レーザという)11は、誘電体基板1
4上に形成された傾斜台15上に搭載されており、一対
の光検出器13a,13bは、誘電体基板14上にリニ
アスケール12と平行に形成された平坦面14a上に搭
載されている。なお、本実施例に適用された面発光半導
体レーザ11の発振モードは、ビーム拡がりの小さな基
本軸モードに規定されている。
【0027】リニアスケール12は、例えばガラス板等
の平坦な部材によって構成されており、その表面には、
高反射率領域12aと低反射率領域12bとが交互に所
定のスケールピッチで形成されている。
【0028】一対の光検出器13a,13bは、夫々、
例えばフォトダイオード等の光電変換素子が該当する。
【0029】このような構成において、傾斜台15は、
リニアスケール12に対して斜めに形成されているた
め、面発光半導体レーザ11から出射されたレーザー光
は、リニアスケール12に対して所定角度だけ傾斜して
照射される。そして、このとき、リニアスケール12か
ら反射した反射光を一対の光検出器13a,13bによ
って検出することによって、リニアスケール12の移動
方向及び移動量が検出されることになる。
【0030】この場合、リニアスケール12に照射され
るレーザー光の強度分布は、面発光半導体レーザ11の
開口径、及び、リニアスケール12と面発光半導体レー
ザ11の開口との間の距離によって近似的に規定され
る。
【0031】ここで、リニアスケール12の移動方向M
(高反射率領域12aと低反射率領域12bとの間のス
ケールピッチ方向)に対応する面発光半導体レーザ11
の開口径をa、面発光半導体レーザ11とリニアスケー
ル12との間の距離をL、レーザー光の波長をλとした
場合において、Lがaよりも充分に大きいとき、リニア
スケール12上に形成されるスポット径(半値全幅)w
は、 w=Lλ/a (1) と表される。
【0032】一方、リニアスケール12から反射した反
射光の明暗を高分解能に解像するためには、リニアスケ
ール12のスケールピッチは、スポット径wよりも大き
くなければならない。なお、充分な解像を得るために
は、少なくともスケールピッチとスポット径wとが一致
していれば足りる。
【0033】従って、光学式エンコーダとしての光学系
が成立するためには、 p>(Lλ/a) (2) p;スケールピッチ なる関係を満足させる必要がある。
【0034】また、開口径aの面発光半導体レーザ11
から出射した平面波の光強度分布のうち、面発光半導体
レーザ11の開口から距離Lだけ離間した位置の光強度
分布|A|2 は、下記の式(3)によって近似できる。 |A|2 =C{sin(πa/Lλ)x/(πa/Lλ)}2 (3) x;リニアスケール12の移動方向Mの座標 C;xに依存しない定数 このような条件の下、所定のスポットが形成されたリニ
アスケール12から反射した反射光の光量は、リニアス
ケール12の反射率分布とスポット強度分布の積をx軸
上で積分することによって算出される。
【0035】ここで、スポット径wとスケールピッチp
が略等しくなるように、上記開口径a及び距離Lを設定
した場合、一対の光検出器13a,13bを2分割する
ことによって、これら光検出器13a,13bに入射す
る反射光の位相を相対的にずらせることが可能となる。
【0036】この“位相のずれ”は、一対の光検出器1
3a,13bから夫々出力される信号相互の位相差とな
って表れるため、かかる位相差を検出することによっ
て、リニアスケール12の移動方向Mを判別することが
可能となる。
【0037】例えば、一方の光検出器13aに入射する
反射光の位相が、他方の光検出器13bに入射する反射
光の位相よりもπ/2だけ進んでいる場合、リニアスケ
ール12は、図中右方向に移動していることになり、一
方、一方の光検出器13aに入射する反射光の位相が、
他方の光検出器13bに入射する反射光の位相よりもπ
/2だけ遅れている場合、リニアスケール12は、図中
左方向に移動していることになる。
【0038】ここで、一対の光検出器13a,13bの
配置間隔及びその寸法について説明する。
【0039】面発光半導体レーザ11の開口径aを10
μm、光出力を1mW、発振波長λを1μmとすると、
レーザー光は、単峰性で且つ数度の拡がり角を有するガ
ウスビームとして近似できることが知られている。
【0040】この場合、面発光半導体レーザ11とリニ
アスケール12との間の距離Lを200μmとすると、
リニアスケール12上に形成されるスポット16のスポ
ット径wは、(1)式より、w=20μmとなる。
【0041】ところで、一対の光検出器13a,13b
の配置間隔をリニアスケール12上のスポット径(w=
20μm)の2倍に設定すると、反射光のスポット17
の殆どが、一対の光検出器13a,13bの配置間隔内
に入射することとなるため、リニアスケール12の移動
に伴って変化する信号の変化を高分解能に検出すること
が困難になってしまう。
【0042】そこで、リニアスケール12のスケールピ
ッチpを20μm前後、例えば25μmに設定した状態
において、リニアスケール12から反射した反射光によ
って形成されたスポット17の中心からスケールピッチ
pの1/4だけ、リニアスケール12の進行方向に対し
て遅れた位置を誘電体基板14の平坦面14a上に規定
し、この位置を中心に移動方向Mに沿って相互に2μm
離間させて一対の光検出器13a,13bを配置させる
ことが好ましい。
【0043】更に、この場合、一対の光検出器13a,
13bの寸法は、夫々、移動方向Mに沿った幅を40μ
m、移動方向Mに直交した長さを150μmに設定する
ことが好ましい。
【0044】このように、一対の光検出器13a,13
bを設定配置した状態において、リニアスケール12か
ら反射した反射光によって、一対の光検出器13a,1
3b上にスポット17が形成されたとき、これら光検出
器13a,13bから夫々出力される信号の位相は、図
1(b)に示すように、相対的にπ/2だけずれてい
る。
【0045】従って、一方の光検出器13aから出力さ
れる信号S1の位相が、他方の光検出器13bから出力
される信号の位相S2よりもπ/2だけ進んでいること
が検出された場合、リニアスケール12は、図中右方向
に移動していることになり、一方の光検出器13aから
出力される信号S1の位相が、他方の光検出器13bか
ら出力される信号の位相S2よりもπ/2だけ遅れてい
ることが検出された場合、リニアスケール12は、図中
左方向に移動していることになる。
【0046】即ち、本実施例によれば、一対の光検出器
13a,13bから夫々出力される信号に対して所定の
信号処理を施して両信号の位相関係を判別することによ
って、リニアスケール12の移動方向Mを判別すること
が可能となる。
【0047】なお、正弦波信号(図1(b)参照)を電
気的に100分割できれば、本実施例の場合、0.13
μm程度の位置精度のセンサを実現することができる。
【0048】このように本実施例によれば、従来技術や
公知技術等において必要であったような他の光学部品が
不要となるため、光学式エンコーダのコンパクト化を実
現することが可能となる。更に、本実施例によれば、面
発光半導体レーザ11の傾斜角度や開口径a、リニアス
ケール12のスケールピッチp、面発光半導体レーザ1
1とリニアスケール12との間の距離L等を適宜最適な
状態に設定することによって、リニアスケール12の移
動方向や移動量を高分解能に検出可能な光学式エンコー
ダを実現することが可能となる。
【0049】次に、本発明の第2の実施例に係る光学式
エンコーダについて、図2を参照して説明する。なお、
本実施例の説明に際し、第1の実施例と同一の構成に
は、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0050】図2に示すように、本実施例の光学式エン
コーダは、誘電体基板14上に形成された平坦面14a
上に、一対の櫛型光検出器20a,20bを設けたこと
を特徴とする。
【0051】本実施例に適用された一対の櫛型光検出器
20a,20bは、リニアスケール12から反射した反
射光によって形成されたスポット17の中心から上記ス
ケールピッチpの1/4だけ移動方向Mに沿って相対的
にずらせた状態で、誘電体基板14の平坦面14a上に
配置されている。この場合、一対の櫛型光検出器20
a,20bの対向間隔は、2μmとすることが好まし
い。
【0052】更に、一対の櫛型光検出器20a,20b
の寸法は、夫々、櫛の幅を15μmとすると共に櫛相互
の間隔を15μm、移動方向Mに亘った全長を50μm
に設定することが好ましい。
【0053】なお、他の構成及び条件は、第1の実施例
と同一であるため、その説明は省略する。
【0054】本実施例において、一対の櫛型光検出器2
0a,20bから出力される信号のピーク値が互いに一
致するように、リニアスケール12や面発光半導体レー
ザ11の傾斜角度を適宜調節することによって、スポッ
ト17を一対の櫛型光検出器20a,20bの中央に保
持させる。
【0055】この場合、第1の実施例と同様に、一対の
櫛型光検出器20a,20bから夫々出力される信号
は、相対的に位相がπ/2だけずれたものとなるため、
これら信号に対して所定の信号処理を施して両信号の位
相関係を判別することによって、リニアスケール12の
移動方向Mを高分解能に判別することが可能となる。
【0056】本実施例によれば、リニアスケール12の
移動方向Mに対する誘電体基板14上のスポット17の
位置に自由度をもたせた状態で、リニアスケール12と
面発光半導体レーザ11と間の距離Lを任意に変えるこ
と(即ち、光軸制御の緩和)が可能となると共に、リニ
アスケール12の移動方向や移動量を高分解能に検出可
能な光学式エンコーダを実現することが可能となる。
【0057】なお、本実施例においても第1の実施例と
同様に、正弦波信号(図1(b)参照)を電気的に10
0分割できれば、0.13μm程度の位置精度のセンサ
を実現することができる。
【0058】また、他の効果は、第1の実施例と同様で
あるため、その説明は省略する。
【0059】次に、本発明の第3の実施例に係る光学式
エンコーダについて、図3を参照して説明する。なお、
本実施例の説明に際し、上述した各実施例と同一の構成
には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0060】図3に示すように、本実施例の光学式エン
コーダは、上記第2の実施例の改良に係り、誘電体基板
14上に形成された平坦面14a上に、リニアスケール
12のスケールピッチpの1/2間隔で移動方向M及び
この移動方向Mに垂直な方向に沿って2次元アレイ状に
複数の光検出器21を配列したことを特徴とする。
【0061】具体的には、本実施例に適用された複数の
光検出器21は、夫々、リニアスケール12から反射し
た反射光によって形成されたスポット17の中心から、
上記スケールピッチpの1/4だけ移動方向Mに沿って
相対的にずらせた状態で誘電体基板14の平坦面14a
上に配置されている。この場合、複数の光検出器21の
間隔(移動方向Mに沿った間隔)は、夫々、12.5μ
mとすることが好ましい。
【0062】更に、複数の光検出器21の寸法は、夫
々、その幅を12.5μmとすると共に長さを12.5
μmに設定することが好ましい。
【0063】なお、他の構成及び条件は、第2の実施例
と同一であるため、その説明は省略する。
【0064】本実施例において、複数の光検出器21か
ら出力される信号のピーク値が互いに一致するように、
リニアスケール12や面発光半導体レーザ11の傾斜角
度を適宜調節することによって、スポット17を複数の
光検出器21の中央に保持させる。
【0065】この場合、第1の実施例と同様に、複数の
光検出器21のうち、スポット17が照射された隣り合
う光検出器21から夫々出力される信号は、相対的に位
相がπ/2だけずれたものとなるため、これら信号に対
して所定の信号処理を施して両信号の位相関係を判別す
ることによって、リニアスケール12の移動方向Mを高
分解能に判別することが可能となる。
【0066】本実施例によれば、リニアスケール12の
移動方向Mに対する誘電体基板14上のスポット17の
位置に自由度をもたせた状態で、リニアスケール12と
面発光半導体レーザ11との距離Lを任意に変えること
(即ち、光軸制御の緩和)が可能となると共に、リニア
スケール12の移動方向や移動量を高分解能に検出可能
な光学式エンコーダを実現することが可能となる。
【0067】なお、本実施例においても第1の実施例と
同様に、正弦波信号(図1(b)参照)を電気的に10
0分割できれば、0.13μm程度の位置精度のセンサ
を実現することができる。
【0068】なお、他の効果は、第1の実施例と同様で
あるため、その説明は省略する。
【0069】次に、本発明の第4の実施例に係る光学式
エンコーダについて、図4を参照して説明する。なお、
本実施例の説明に際し、上述した各実施例と同一の構成
には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0070】図4に示すように、本実施例の光学式エン
コーダは、リニアスケール12の移動方向Mに沿って所
定間隔で配列された第1及び第2の傾斜台15a,15
b上に搭載された垂直共振器型の第1及び第2の面発光
半導体レーザ30a,30bと、これら面発光半導体レ
ーザ30a,30bから出射されたレーザー光がリニア
スケール12上に照射された際、このリニアスケール1
2から反射した反射光を夫々に受光するように、誘電体
基板14の平坦面14a上に上記移動方向Mに沿って所
定間隔で配列された一対の光検出器31a,31bとを
備えている。
【0071】なお、本実施例に適用された第1及び第2
の面発光半導体レーザ30a,30bの発振モードは、
ビーム拡がりの小さな基本軸モードに規定されている。
また、第1及び第2の傾斜台15a,15bは、夫々、
リニアスケール12に対して斜めに形成されているた
め、第1及び第2の面発光半導体レーザ30a,30b
から出射されたレーザー光は、夫々、リニアスケール1
2に対して所定角度だけ傾斜して照射される。
【0072】本実施例において、第1及び第2の面発光
半導体レーザ30a,30bからレーザー光を出射させ
た際、リニアスケール12上に形成されるスポット33
a、33bの中心が、夫々、リニアスケール12の上記
スケールピッチpの1/4倍と整数倍だけずれるよう
に、第1及び第2の面発光半導体レーザ30a,30b
は、第1及び第2の傾斜台15a,15b上に搭載され
ている。
【0073】具体的には、レーザー光出射用開口の中心
相互を106μm離間させて、一対の面発光半導体レー
ザ30a,30bを配列させた場合を考える。
【0074】この場合、第1の面発光半導体レーザ30
aから出射されたレーザー光は、リニアスケール12か
ら反射した後、第1の光検出器31a上にスポット32
aを結ぶ。また、第2の面発光半導体レーザ30bから
出射されたレーザー光は、リニアスケール12から反射
した後、第2の光検出器31b上にスポット32bを結
ぶ。
【0075】このとき、第1及び第2の光検出器31
a,31b上に夫々形成されたスポット32a、32b
の位相は、相対的にπ/2だけ異なったものとなる。
【0076】従って、第1及び第2の光検出器31a、
31bから夫々出力される信号は、相対的に位相がπ/
2だけずれたものとなるため、これら信号に対して所定
の信号処理して両信号の位相関係を判別することによっ
て、リニアスケール12の移動方向M及び移動量を高分
解能に判別することが可能となる。
【0077】なお、本実施例においても第1の実施例と
同様に、正弦波信号(図1(b)参照)を電気的に10
0分割できれば、0.13μm程度の位置精度のセンサ
を実現することができる。
【0078】また、他の効果は、第1の実施例と同様で
あるため、その説明は省略する。
【0079】次に、本発明の第5の実施例に係る光学式
エンコーダについて、図5を参照して説明する。なお、
本実施例の説明に際し、上述した各実施例と同一の構成
には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0080】図5に示すように、本実施例の光学式エン
コーダは、上記第4の実施例の改良に係り、誘電体基板
14上に形成された平坦面14a上に、1個の光検出器
34を設けたことを特徴とする。なお、本実施例は、光
検出器34を除けば、上記第4の実施例と同一の構成を
有する。
【0081】本実施例において、光検出器34の受光領
域は、リニアスケール12から反射した反射光によって
形成される夫々のスポット35a、35bの少なくとも
一部を受光できるような寸法を有することが必要であ
る。
【0082】即ち、第1及び第2の面発光半導体レーザ
30a,30bのレーザー光出射用開口の中心相互の距
離が106μmであるため、光検出器34の受光領域
は、かかる距離よりも広くする必要がある。具体的に
は、リニアスケール12上のスポット径wが20μmで
ある場合、光検出器34上のスポット径は、それの約2
倍になることを考慮すれば、受光領域の面積は、200
×200μmと規定することが好ましい。
【0083】また、本実施例に適用された第1及び第2
の面発光半導体レーザ30a,30bは、夫々、スイッ
チング回路(図示しない)によって制御されており、所
定のタイミングでレーザー光を交互に出射可能に構成さ
れている。
【0084】このような構成において、例えば、まず、
第1の面発光半導体レーザ30aからレーザー光を出射
させて、リニアスケール12上にスポット33aを形成
させる。そして、このとき光検出器34上に形成された
スポット35aに対応した信号を検出する。次に、第2
の面発光半導体レーザ30bからレーザー光を出射させ
て、リニアスケール12上にスポット33bを形成させ
る。そして、このとき光検出器34上に形成されたスポ
ット35bに対応した信号を検出する。
【0085】この状態において、光検出器34上に夫々
形成されたスポット35a、35bの位相は、相対的に
π/2だけ異なっているため、光検出器34から夫々出
力される信号は、相対的に位相がπ/2だけずれたもの
となる。この結果、これら信号に対して所定の信号処理
を施して両信号の位相関係を判別することによって、リ
ニアスケール12の移動方向M及び移動量を高分解能に
判別することが可能となる。
【0086】具体的には、光検出器34上に形成された
スポット35aに対応した信号とスポット35bに対応
した信号との差を演算することによって、或いは、少な
くとも一方の信号を検出することによって、リニアスケ
ール12の移動方向M及び移動量を高分解能に判別する
ことができる。
【0087】なお、本実施例においても第1の実施例と
同様に、正弦波信号(図1(b)参照)を電気的に10
0分割できれば、0.13μm程度の位置精度のセンサ
を実現することができる。
【0088】このように、本実施例によれば、第1及び
第2の面発光半導体レーザ30a,30b相互の距離や
スポット径のみを考慮するだけで高分解能の光学式エン
コーダが実現できるため、リニアスケール12上のスポ
ット35a,35bに対する光検出器34の光軸合わせ
は不要となる。
【0089】なお、他の効果は、第1の実施例と同様で
あるため、その説明は省略する。
【0090】次に、本発明の第6の実施例に係る光学式
エンコーダについて、図6を参照して説明する。なお、
本実施例の説明に際し、上述した各実施例と同一の構成
には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0091】図6に示すように、本実施例の光学式エン
コーダは、リニアスケール12の移動方向Mに直交する
方向に沿って配列されていると共に移動方向Mに沿って
所定量だけずらされた一対の傾斜台15と、これら一対
の傾斜台15上に搭載された垂直共振器型の第1及び第
2の面発光半導体レーザ30a,30bと、これら面発
光半導体レーザ30a,30bから出射されたレーザー
光がリニアスケール12上に照射された際、このリニア
スケール12から反射した反射光を夫々に受光するよう
に、誘電体基板14の平坦面14a上に上記移動方向M
に直交する方向に沿って所定間隔で配列された第1及び
第2の光検出器36a,36bとを備えている。
【0092】本実施例では、リニアスケール12のスケ
ールピッチpを例えば24μmと設定した状態におい
て、このスケールピッチpの1/4に相当する距離(即
ち、6μm)だけ、一対の傾斜台15が移動方向Mに沿
って相対的にずらせて配置されており、これら一対の傾
斜台15上に第1及び第2の面発光半導体レーザ30
a,30bが搭載されている。この結果、第1及び第2
の面発光半導体レーザ30a,30bは、移動方向Mに
沿って相対的にずらせて配置されることとなる。
【0093】この状態において、リニアスケール12上
に夫々形成されたスポット37a、37bは、移動方向
Mに沿って相対的に少しずれた位置に形成される。この
ため、第1及び第2の光検出器36a、36b上に夫々
形成されるスポット38a,38bの位相は、相対的に
π/2だけずれる。このとき、第1及び第2の光検出器
36a、36bから夫々出力される信号は、相対的に位
相がπ/2だけずれたものとなる。この結果、これら信
号に対して所定の信号処理を施して両信号の位相関係を
判別することによって、リニアスケール12の移動方向
M及び移動量を高分解能に判別することが可能となる。
【0094】なお、本実施例においても第1の実施例と
同様に、正弦波信号(図1(b)参照)を電気的に10
0分割できれば、0.13μm程度の位置精度のセンサ
を実現することができる。
【0095】また、他の効果は、第1の実施例と同様で
あるため、その説明は省略する。
【0096】次に、本発明の第7の実施例に係る光学式
エンコーダについて、図7を参照して説明する。なお、
本実施例の説明に際し、上述した各実施例と同一の構成
には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0097】図7に示すように、本実施例の光学式エン
コーダは、上記第6の実施例の改良に係り、誘電体基板
14上に形成された平坦面14a上に、1個の光検出器
39を設けたことを特徴とする。なお、本実施例は、光
検出器39を除けば、上記第6の実施例と同一の構成を
有する。
【0098】本実施例において、光検出器39の受光領
域は、リニアスケール12から反射した反射光によって
形成される夫々のスポット38a、38bの少なくとも
一部を受光できるような寸法を有することが必要であ
る。
【0099】即ち、光源の放熱を考慮して、第1及び第
2の面発光半導体レーザ30a,30bのレーザー光出
射用開口の中心相互の距離を100μmとすると、光検
出器39の受光領域は、かかる距離よりも広くする必要
がある。具体的には、リニアスケール12上のスポット
径wが20μmである場合、光検出器39上のスポット
径は、それの約2倍になることを考慮すれば、受光領域
は、以下のように規定することが好ましい。
【0100】リニアスケール12の移動方向Mに沿った
長さを50μmとし、移動方向Mに直交する方向に沿っ
た長さを150μmとして、受光領域の面積を50×1
50μmと規定することが好ましい。
【0101】また、本実施例に適用された第1及び第2
の面発光半導体レーザ30a,30bは、夫々、スイッ
チング回路(図示しない)によって制御されており、所
定のタイミングでレーザー光を交互に出射可能に構成さ
れている。
【0102】このような構成において、例えば、まず、
第1の面発光半導体レーザ30aからレーザー光を出射
させて、リニアスケール12上にスポット37aを形成
させる。そして、このとき光検出器39上に形成された
スポット38aに対応した信号を検出する。次に、第2
の面発光半導体レーザ30bからレーザー光を出射させ
て、リニアスケール12上にスポット37bを形成させ
る。そして、このとき光検出器34上に形成されたスポ
ット38bに対応した信号を検出する。
【0103】この状態において、リニアスケール12上
に夫々形成されたスポット37a、37bは、移動方向
Mに沿って相対的に少しずれた位置に形成される。この
ため、光検出器39上に夫々形成されるスポット38
a,38bの位相は、相対的にπ/2だけずれる。この
とき、光検出器39から夫々出力される信号は、相対的
に位相がπ/2だけずれたものとなる。この結果、これ
ら信号に対して所定の信号処理を施して両信号の位相関
係を判別することによって、リニアスケール12の移動
方向M及び移動量を高分解能に判別することが可能とな
る。
【0104】なお、本実施例においても第1の実施例と
同様に、正弦波信号(図1(b)参照)を電気的に10
0分割できれば、0.13μm程度の位置精度のセンサ
を実現することができる。
【0105】このように、本実施例によれば、第1及び
第2の面発光半導体レーザ30a,30b相互の距離や
スポット径のみを考慮するだけで高分解能の光学式エン
コーダが実現できるため、リニアスケール12上のスポ
ット37a,37bに対する光検出器39の光軸合わせ
は不要となる。
【0106】なお、他の効果は、第1の実施例と同様で
あるため、その説明は省略する。
【0107】次に、本発明の第8の実施例に係る光学式
エンコーダについて、図8を参照して説明する。なお、
本実施例の説明に際し、上述した各実施例と同一の構成
には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0108】図8に示すように、本実施例の光学式エン
コーダは、上記第6の実施例の改良に係り、リニアスケ
ール12を移動方向Mに沿って2分割して、相対的に位
相が異なる第1及び第2のスケール部40a,40bを
構成したことを特徴とする。具体的には、本実施例で
は、リニアスケール12のスケールピッチpを例えば2
4μmと設定した状態において、このスケールピッチp
の1/4に相当する距離(即ち、6μm)だけ、第1及
び第2のスケール部40a,40bが、移動方向Mに沿
って相対的にずらされている。この結果、第1のスケー
ル部40aに構成されている高反射率領域12a′と低
反射率領域12b′は、第2のスケール部40bに構成
されている高反射率領域12aと低反射率領域12bに
対して相対的に移動方向Mに沿って6μmだけずらされ
ることとなる。
【0109】このようにリニアスケール12を構成した
ことによって、本実施例に適用された第1及び第2の面
発光半導体レーザ30a,30bは、第6の実施例とは
異なり、リニアスケール12の移動方向Mに直交する方
向に沿って所定間隔で配列された一対の傾斜台15上に
搭載されている。
【0110】なお、他の構成は、第6の実施例と同一で
あるため、同一符号を付してその説明は省略する。
【0111】この状態において、第1の面発光半導体レ
ーザ30aから出射されたレーザー光は、リニアスケー
ル12の第1のスケール部40a上にスポット41aを
結び、第2の面発光半導体レーザ30bから出射された
レーザー光は、リニアスケール12の第2のスケール部
40b上にスポット41bを結ぶ。このとき、両スポッ
ト41a,41bは、リニアスケール12の移動方向M
に直交する方向に沿って並列して形成されている。
【0112】本実施例に適用されたリニアスケール12
の第1及び第2のスケール部40a,40bは、相対的
に位相が異なっているため、第1のスケール部40aか
ら反射した反射光によって第1の光検出器36a上に形
成されるスポット42aの位相と、第2のスケール部4
0bから反射した反射光によって第2の光検出器36b
上に形成されるスポット42bの位相とは、相対的にπ
/2だけずれる。
【0113】このとき、第1及び第2の光検出器36
a、36bから夫々出力される信号は、相対的に位相が
π/2だけずれたものとなる。この結果、これら信号に
対して所定の信号処理を施すことによって、リニアスケ
ール12の移動方向M及び移動量を高分解能に判別する
ことが可能となる。
【0114】なお、本実施例においても第1の実施例と
同様に、正弦波信号(図1(b)参照)を電気的に10
0分割できれば、0.13μm程度の位置精度のセンサ
を実現することができる。
【0115】また、他の効果は、第1の実施例と同様で
あるため、その説明は省略する。
【0116】次に、本発明の第9の実施例に係る光学式
エンコーダについて、図9を参照して説明する。なお、
本実施例の説明に際し、上述した各実施例と同一の構成
には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0117】図9示すように、本実施例の光学式エンコ
ーダは、上記第8の実施例の改良に係り、誘電体基板1
4上に形成された平坦面14a上に、1個の光検出器3
9を設けたことを特徴とする。なお、本実施例は、光検
出器39を除けば、上記第8の実施例と同一の構成を有
する。
【0118】本実施例において、光検出器39の受光領
域は、リニアスケール12から反射した反射光によって
形成される夫々のスポット38a、38bの少なくとも
一部を受光できるような寸法を有することが必要であ
る。
【0119】即ち、光源の放熱を考慮して、第1及び第
2の面発光半導体レーザ30a,30bのレーザー光出
射用開口の中心相互の距離を100μmとすると、光検
出器39の受光領域は、かかる距離よりも広くする必要
がある。具体的には、リニアスケール12上のスポット
径wが20μmである場合、光検出器39上のスポット
径は、それの約2倍になることを考慮すれば、受光領域
は、以下のように規定することが好ましい。
【0120】リニアスケール12の移動方向Mに沿った
長さは、スケールピッチの1/4以上の幅があれば充分
であるが、余裕を持って100μmとし、また、移動方
向Mに直交する方向に沿った長さを200μmとして、
受光領域の面積を100×200μmと規定することが
好ましい。
【0121】また、本実施例に適用された第1及び第2
の面発光半導体レーザ30a,30bは、夫々、スイッ
チング回路(図示しない)によって制御されており、所
定のタイミングでレーザー光を交互に出射可能に構成さ
れている。
【0122】このような構成において、例えば、まず、
第1の面発光半導体レーザ30aからレーザー光を出射
させて、リニアスケール12の第1のスケール部40a
上にスポット41aを形成させる。そして、このとき光
検出器39上に形成されたスポット42aに対応した信
号を検出する。次に、第2の面発光半導体レーザ30b
からレーザー光を出射させて、リニアスケール12の第
2のスケール部40b上にスポット41bを形成させ
る。そして、このとき光検出器39上に形成されたスポ
ット42bに対応した信号を検出する。
【0123】この状態において、リニアスケール12上
に夫々形成されたスポット41a、41bは、移動方向
Mに直交する方向に並列して形成されるが、第1及び第
2のスケール部40a,40bは、相対的に位相が異な
っているため、これらスケール部40a,40bから反
射した夫々の反射光は、相対的に位相が異なったものと
なる。この結果、光検出器39上に夫々形成されるスポ
ット42a,42bの位相は、相対的にπ/2だけずれ
る。このとき、光検出器39から夫々出力される信号
は、相対的に位相がπ/2だけずれたものとなる。従っ
て、これら信号に対して所定の信号処理を施すことによ
って、リニアスケール12の移動方向M及び移動量を高
分解能に判別することが可能となる。なお、本実施例に
おいても第1の実施例と同様に、正弦波信号(図1
(b)参照)を電気的に100分割できれば、0.13
μm程度の位置精度のセンサを実現することができる。
【0124】このように、本実施例によれば、第1及び
第2の面発光半導体レーザ30a,30b相互の距離や
スポット径のみを考慮するだけで高分解能の光学式エン
コーダが実現できるため、リニアスケール12上のスポ
ット41a,41bに対する光検出器39の光軸合わせ
は不要となる。
【0125】なお、他の効果は、第1の実施例と同様で
あるため、その説明は省略する。
【0126】次に、本発明の第10の実施例に係る光学
式エンコーダについて、図10を参照して説明する。な
お、本実施例の説明に際し、上述した各実施例と同一の
構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0127】図10に示すように、本実施例の光学式エ
ンコーダは、平坦な誘電体基板14上に形成された傾斜
台15と、この傾斜台15上に搭載された垂直共振器型
の面発光半導体レーザ50と、リニアスケール12から
反射した反射光を受光するように、誘電体基板14の平
坦面14a上に搭載された光検出器51とを備えてい
る。なお、本実施例に適用された面発光半導体レーザ5
0の発振モードは、ビーム拡がりの小さな基本軸モード
に規定されている。
【0128】また、本実施例に適用された面発光半導体
レーザ50には、そのレーザー出射用開口の周囲に、電
極分離された第1及び第2の電極50a,50bが並設
されており、これら電極50a,50bによって2つの
面発光半導体レーザが構成されることになる。なお、第
1の電極50aによって構成される面発光半導体レーザ
のレーザー光出射形状53aは、等方性を有する。
【0129】ここで、第1の電極50aによって構成さ
れる面発光半導体レーザのレーザー光出射用開口径を1
0×10μm、第2の電極50bによって構成される面
発光半導体レーザのレーザー光出射用開口径を3×10
μmとし、これら第1及び第2の電極50a,50bを
電極分離する分離溝50cの幅を3μmとする。
【0130】このような構成において、予め、第1の電
極50aによって構成される面発光半導体レーザを駆動
させて等方性のレーザー光を出射させておく。このとき
出射したレーザー光は、リニアスケール12上にスポッ
ト52aを形成する。
【0131】この状態において、パルス的に第2の電極
50bに電流を印加すると、分離幅が3μmと狭いた
め、第1及び第2の電極50a,50bによって構成さ
れる面発光半導体レーザが1つのレーザとして動作す
る。
【0132】このため、実効的なレーザー光出射用開口
径は10×16μmとなる。
【0133】このとき、面発光半導体レーザから出射さ
れたレーザー光によってリニアスケール12上に形成さ
れるスポット52bは、リニアスケール12上に予め形
成されている上記スポット52aに対して移動方向Mに
沿って相対的にずれることとなる。
【0134】この場合、リニアスケール12上に形成さ
れたスポット52a,52bから反射した反射光は、そ
の強度振幅の位相が相対的に異なった状態で、光検出器
51上にスポット54a,54bを結ぶ。このとき、光
検出器51からスポット54a,54bに対応した信号
が夫々出力されるため、これら信号に対して所定の信号
処理を施すことによって、両信号の位相関係が判別され
ることになる。この結果、判別された位相関係に基づい
て、リニアスケール12の移動方向M及び移動量を判別
することが可能となる。
【0135】このように本実施例によれば、光学式エン
コーダの仕様に合わせて適切な開口径を有する面発光半
導体レーザを適用することによって、レーザー光を平行
光に変換するためのコリメータレンズ等の光学部材を不
要としない、且つ、リニアスケールの移動方向や移動量
を高分解能に検出可能なコンパクトな光学式エンコーダ
を提供することが可能となる。
【0136】なお、本発明は、上記具体的な実施例から
以下のような構成を有する技術的思想が導かれる。
【0137】(1) 所定方向に移動可能に構成されて
いると共に、反射率又は透過率の異なる領域が所定のピ
ッチで配置されたスケールと、このスケール上に所定径
のスポットを形成させる所定の発振モードの面発光半導
体レーザー手段と、前記面発光半導体レーザー手段から
出射されたレーザー光によって、前記スケール上に前記
スポットが形成された際、前記レーザー光による前記ス
ケールからの反射光又は透過光を受光可能に構成されて
いると共に、前記スケールの移動方向に沿って前記スポ
ットの径の2倍以下のピッチで配置された光検出手段と
を備えていることを特徴とする光学式エンコーダ。
【0138】(構成)この発明は、第1の実施例に対応
している。
【0139】面発光半導体レーザー手段は、実施例中の
垂直共振器型の面発光半導体レーザ11に該当する。ま
た、光検手段は、実施例中の符号13a,13bで示さ
れた一対の光検出器が該当し、夫々、例えばフォトダイ
オード等の光電変換素子と同様の機能を有する。また、
スケールは、実施例中の符号12で示された例えばガラ
ス板等の平坦なリニアスケールが該当し、その表面に
は、高反射率領域12aと低反射率領域12bとが交互
に所定のピッチで形成されている。
【0140】(作用)基板上に搭載された面発光半導体
レーザー手段から出射された所定の発振モードのレーザ
ー光によって、スケール上に所定径のスポットが形成さ
れた際、レーザー光によるスケールからの反射光又は透
過光は、スケールの移動方向に沿ってスポットの径の2
倍以下のピッチで設けられた光検手段によって受光され
る。
【0141】(効果)この発明によれば、光学式エンコ
ーダの仕様に合わせた適切な開口径の面発光半導体レー
ザー手段を適用することによって、レーザー光を平行光
に変換するためのコリメータレンズ等の部材を省略でき
ると共に、スケールの移動方向を高分解能に検出可能な
光学式エンコーダを実現することができる。
【0142】(2) 前記光検手段は、前記スケールの
移動方向に対応して信号相互に位相差が表れるように、
前記スケール上に形成された前記スポットの径の2倍以
下の周期で移動方向に沿って相対的にずらせて対向配置
された一対の櫛型構造の光電変換素子を備えていること
を特徴とする(1)記載の光学式エンコーダ。
【0143】(構成)この発明は、第2の実施例に対応
している。
【0144】面発光半導体レーザー手段は、実施例中の
垂直共振器型の面発光半導体レーザ11に該当する。ま
た、光検手段は、実施例中の一対の櫛型光検出器20
a,20bが該当し、夫々、例えばフォトダイオード等
の光電変換素子と同様の機能を有する。また、スケール
は、実施例中の符号12で示された例えばガラス板等の
平坦なリニアスケールが該当し、その表面には、高反射
率領域12aと低反射率領域12bとが交互に所定のピ
ッチで形成されている。
【0145】(作用)光検出器から出力される信号のピ
ーク値が相互に一致するように、光検手段を一対の櫛型
光検出器20a,20bで構成すると共に、リニアスケ
ール12や面発光半導体レーザ11の傾きを制御するこ
とによって、一対の櫛型光検出器20a,20b上に形
成されるスポットをこれら櫛型光検出器20a,20b
の中央に保持させる。この場合において、リニアスケー
ル12の移動方向に対する誘電体基板14上のスポット
17の位置に自由度をもたせた状態で、リニアスケール
12と面発光半導体レーザ11との距離を任意に変える
こと(即ち、光軸制御の緩和)が可能となる。
【0146】(効果)この発明によれば、光検出器を櫛
型構造にすることによって、スケールの移動方向に対す
るスポット位置に自由度をもたせ且つ光軸制御を緩和さ
せることが可能となる。更に、この発明によれば、光学
式エンコーダの仕様に合わせた適切な開口径の面発光半
導体レーザー手段を適用することによって、レーザー光
を平行光に変換するためのコリメータレンズ等の部材を
省略できると共に、スケールの移動方向を高分解能に検
出可能な光学式エンコーダを実現することができる。
【0147】(3) 前記光検手段は、前記スケールの
1/2ピッチで移動方向及びこの移動方向に垂直な方向
に沿って2次元的にアレイ状に配列された複数の光検出
器を備えており、前記垂直な方向に隣り合った前記光検
出器相互の間隔は、一定周期異なっていることを特徴と
する(1)記載の光学式エンコーダ。
【0148】(構成)この発明は、第3の実施例に対応
している。
【0149】面発光半導体レーザー手段は、実施例中の
垂直共振器型の面発光半導体レーザ11に該当する。ま
た、光検手段は、実施例中の複数の光検出器21が該当
し、夫々、例えばフォトダイオード等の光電変換素子と
同様の機能を有する。また、スケールは、実施例中の符
号12で示された例えばガラス板等の平坦なリニアスケ
ールが該当し、その表面には、高反射率領域12aと低
反射率領域12bとが交互に所定のピッチで形成されて
いる。
【0150】(作用)複数の光検出器21から出力され
る信号のピーク値が互いに一致するように、リニアスケ
ール12や面発光半導体レーザ11の傾きを制御するこ
とによって、複数の光検出器21上に形成されるスポッ
ト17をこれら光検出器21の中央に保持させる。この
場合において、リニアスケール12の移動方向に対する
誘電体基板14上のスポットの位置に自由度をもたせた
状態で、リニアスケール12と面発光半導体レーザ11
との距離を任意に変えること(即ち、光軸制御の緩和)
が可能となる。
【0151】この場合、リニアスケール12の移動方向
Mに対して複数の光検出器21のうち、隣り合う光検出
器21から夫々出力される信号は、互いに位相がπ/2
だけずれたものとなるため、これら信号に対して所定の
信号処理を施して両信号の位相関係を判別することによ
り、スケールの移動方向が高分解能に判別される。
【0152】(効果)この発明によれば、光学式エンコ
ーダの仕様に合わせた適切な開口径の面発光半導体レー
ザー手段を適用することによって、レーザー光を平行光
に変換するためのコリメータレンズ等の部材を省略でき
ると共に、スケールの移動方向を高分解能に検出可能な
光学式エンコーダを実現することができる。
【0153】(4) 所定方向に移動可能に構成されて
いると共に、反射率又は透過率の異なる領域が所定のピ
ッチで配置されたスケールと、このスケールの移動方向
に沿って所定間隔で配置されており、前記スケールから
の反射光又は透過光の強度振幅の位相が相対的に異なる
ように、所定の発振モードのレーザー光を前記スケール
上に照射する面発光半導体レーザー手段と、前記レーザ
ー光による前記スケールからの反射光又は透過光を受光
可能な光検出手段とを備えていることを特徴とする光学
式エンコーダ。
【0154】(構成)この発明は、第4の実施例に対応
している。
【0155】面発光半導体レーザー手段は、実施例中の
垂直共振器型の第1及び第2の面発光半導体レーザ30
a,30bに該当する。また、光検手段は、実施例中の
一対の光検出器31a,31bが該当し、夫々、例えば
フォトダイオード等の光電変換素子と同様の機能を有す
る。また、スケールは、実施例中の符号12で示された
例えばガラス板等の平坦なリニアスケールが該当し、そ
の表面には、高反射率領域12aと低反射率領域12b
とが交互に所定のピッチで形成されている。
【0156】(作用)第1の面発光半導体レーザ30a
から出射されたレーザー光は、リニアスケール12から
反射した後、第1の光検出器31a上にスポット32a
を結ぶ。また、第2の面発光半導体レーザ30bから出
射されたレーザー光は、リニアスケール12から反射し
た後、第2の光検出器31b上にスポット32bを結
ぶ。
【0157】このとき、リニアスケール12上に夫々形
成されたスポット33a、33bの位相は、相互にπ/
2だけ異なったものとなる。
【0158】従って、第1及び第2の光検出器31a、
31bから夫々出力される信号は、互いに位相がπ/2
だけずれたものとなるため、これら信号に対して所定の
信号処理を施して両信号の位相関係を判別することによ
って、リニアスケール12の移動方向M及び移動量が高
分解能に判別される。
【0159】(効果)この発明によれば、光学式エンコ
ーダの仕様に合わせた適切な開口径の面発光半導体レー
ザー手段を適用することによって、レーザー光を平行光
に変換するためのコリメータレンズ等の部材を省略でき
ると共に、スケールの移動方向を高分解能に検出可能な
光学式エンコーダを実現することができる。
【0160】(5) 前記面発光半導体レーザー手段
は、所定のスイッチング回路によって、所定のタイミン
グでレーザー光をスケール上に照射可能に構成されてお
り、また、前記光検出手段は、前記スケールから前記タ
イミングに対応して反射した夫々の反射光に対して所定
の信号処理を施すことによって、前記スケールの移動方
向及び移動量を検出可能に構成されていることを特徴と
する(4)記載の光学式エンコーダ。
【0161】(構成)この発明は、第5の実施例に対応
している。
【0162】面発光半導体レーザー手段は、実施例中の
垂直共振器型の第1及び第2の面発光半導体レーザ30
a,30bに該当する。また、光検手段は、実施例中の
1個の光検出器34が該当し、例えばフォトダイオード
等の光電変換素子と同様の機能を有する。また、スケー
ルは、実施例中の符号12で示された例えばガラス板等
の平坦なリニアスケールが該当し、その表面には、高反
射率領域12aと低反射率領域12bとが交互に所定の
ピッチで形成されている。
【0163】(作用)まず、第1の面発光半導体レーザ
30aからレーザー光を出射させて、リニアスケール1
2上にスポット33aを形成させる。そして、このとき
光検出器34上に形成されたスポット35aに対応した
信号を検出する。次に、第2の面発光半導体レーザ30
bからレーザー光を出射させて、リニアスケール12上
にスポット33bを形成させる。そして、このとき光検
出器34上に形成されたスポット35bに対応した信号
を検出する。
【0164】この状態において、リニアスケール12上
に夫々形成されたスポット33a、33bの位相は、相
互にπ/2だけ異なっているため、第1及び第2の光検
出器31a、31bから夫々出力される信号は、互いに
位相がπ/2だけずれたものとなる。この結果、これら
信号に対して所定の信号処理を施して両信号の位相関係
を判別することによって、リニアスケール12の移動方
向M及び移動量が高分解能に判別される。
【0165】(効果)この発明によれば、面発光半導体
レーザー手段を所定のスイッチング回路によって駆動さ
せることによって高分解能の光学式エンコーダが実現で
きるため、スケール上のスポットに対する光検出器の光
軸合わせは不要となる。更に、この発明によれば、光学
式エンコーダの仕様に合わせた適切な開口径の面発光半
導体レーザー手段を適用することによって、レーザー光
を平行光に変換するためのコリメータレンズ等の部材を
省略できると共に、スケールの移動方向を高分解能に検
出可能な光学式エンコーダを実現することができる。
【0166】(6) 所定方向に移動可能に構成されて
いると共に、反射率又は透過率の異なる領域が所定のス
ケールピッチで配置されたスケールと、このスケールの
移動方向に直交する方向に所定間隔で配置されており、
前記スケールからの反射光又は透過光の強度振幅の位相
が相対的に異なるように、所定の発振モードのレーザー
光を前記スケール上に照射する面発光半導体レーザー手
段と、前記レーザー光による前記スケールからの反射光
又は透過光を受光可能な光検出手段とを備えていること
を特徴とする光学式エンコーダ。
【0167】(構成)この発明は、第6の実施例に対応
している。
【0168】面発光半導体レーザー手段は、実施例中の
垂直共振器型の第1及び第2の面発光半導体レーザ30
a,30bに該当する。また、光検手段は、実施例中の
第1及び第2の光検出器36a,36bが該当し、例え
ばフォトダイオード等の光電変換素子と同様の機能を有
する。また、スケールは、実施例中の符号12で示され
た例えばガラス板等のリニアスケールが該当し、その表
面には、高反射率領域12aと低反射率領域12bとが
交互に所定のピッチで形成されている。
【0169】(作用)第1及び第2の面発光半導体レー
ザ30a,30bによってリニアスケール12上に夫々
形成されたスポット37a、37bは、移動方向Mに沿
って相対的に少しずれた位置に形成される。このため、
第1及び第2の光検出器36a、36b上に夫々形成さ
れるスポット38a,38bの位相は、相対的にπ/2
だけずれる。このとき、第1及び第2の光検出器36
a、36bから夫々出力される信号は、相対的に位相が
π/2だけずれたものとなる。この結果、これら信号に
対して所定の信号処理を施して両信号の位相関係を判別
することによって、リニアスケール12の移動方向M及
び移動量が高分解能に判別される。
【0170】(効果)この発明によれば、光学式エンコ
ーダの仕様に合わせた適切な開口径の面発光半導体レー
ザー手段を適用することによって、レーザー光を平行光
に変換するためのコリメータレンズ等の部材を省略でき
ると共に、スケールの移動方向を高分解能に検出可能な
光学式エンコーダを実現することができる。
【0171】(7) 前記スケールには、このスケール
の移動方向に沿って2分割され、且つ、相対的に位相が
異なる第1及び第2のスケール部が設けられていること
を特徴とする(6)記載の光学式エンコーダ。
【0172】(構成)この発明は、第8の実施例に対応
している。
【0173】スケールは、実施例中の符号12で示され
た例えばガラス板等の平坦なリニアスケールが該当し、
相対的に位相が異なる第1及び第2のスケール部40
a,40bから構成されている。
【0174】この発明では、リニアスケール12のスケ
ールピッチpを例えば24μmと設定した状態におい
て、このスケールピッチpの1/4に相当する距離(即
ち、6μm)だけ、第1及び第2のスケール部40a,
40bが、移動方向Mに沿って相対的にずらされてい
る。この結果、第1のスケール部40aに構成されてい
る高反射率領域12a′と低反射率領域12b′は、第
2のスケール部40bに構成されている高反射率領域1
2aと低反射率領域12bに対して相対的に移動方向M
に沿って6μmだけずらされることとなる。
【0175】(作用)第1の面発光半導体レーザ30a
から出射されたレーザー光は、リニアスケール12の第
1のスケール部40a上にスポット41aを結び、第2
の面発光半導体レーザ30bから出射されたレーザー光
は、リニアスケール12の第2のスケール部40b上に
スポット41bを結ぶ。このとき、両スポット41a,
41bは、リニアスケール12の移動方向Mに直交する
方向に沿って並列して形成されている。
【0176】この発明に適用されたリニアスケール12
の第1及び第2のスケール部40a,40bは、相対的
に位相が異なっているため、第1のスケール部40aか
ら反射した反射光によって第1の光検出器36a上に形
成されるスポット42aの位相と、第2のスケール部4
0bから反射した反射光によって第2の光検出器36b
上に形成されるスポット42bの位相とは、相対的にπ
/2だけずれる。
【0177】このとき、第1及び第2の光検出器36
a、36bから夫々出力される信号は、相対的に位相が
π/2だけずれたものとなる。この結果、これら信号に
対して所定の信号処理を施すことによって、リニアスケ
ール12の移動方向M及び移動量が高分解能に判別され
る。
【0178】(効果)この発明によれば、光学式エンコ
ーダの仕様に合わせた適切な開口径の面発光半導体レー
ザー手段を適用することによって、レーザー光を平行光
に変換するためのコリメータレンズ等の部材を省略でき
ると共に、スケールの移動方向を高分解能に検出可能な
光学式エンコーダを実現することができる。
【0179】(8) 面発光半導体レーザー手段は、所
定のタイミングでレーザー光を前記スケール上に照射可
能に構成されており、また、光検出手段は、前記スケー
ルから反射した反射光に所定の信号処理を施して、前記
スケールの移動方向及び移動量を検出可能に構成されて
いることを特徴とする(6)又は(7)記載の光学式エ
ンコーダ。
【0180】(構成)この発明は、第7及び第9の実施
例に対応している。
【0181】面発光半導体レーザー手段は、実施例中の
垂直共振器型の第1及び第2の面発光半導体レーザ30
a,30bに該当する。また、光検手段は、実施例中の
光検出器39が該当し、例えばフォトダイオード等の光
電変換素子と同様の機能を有する。また、スケールは、
実施例中の符号12で示された例えばガラス板等の平坦
なリニアスケールが該当し、その表面には、高反射率領
域12aと低反射率領域12bとが交互に所定のピッチ
で形成されている。
【0182】(作用)リニアスケール12から反射した
反射光によって光検出器39上に形成されたスポット
は、その強度振幅の位相が異なっているため、これら信
号に所定の信号処理を施して両信号の位相関係を判別す
ることによって、リニアスケール12の移動方向及び移
動量が高分解能に判別される。
【0183】(効果)この発明によれば、光学式エンコ
ーダの仕様に合わせた適切な開口径の面発光半導体レー
ザー手段を適用することによって、レーザー光を平行光
に変換するためのコリメータレンズ等の部材を省略でき
ると共に、スケールの移動方向を高分解能に検出可能な
光学式エンコーダを実現することができる。
【0184】(9) 所定方向に移動可能に構成されて
いると共に、反射率又は透過率の異なる領域が所定のピ
ッチで配置されたスケールと、このスケールから発生す
る反射光又は透過光の強度振幅の位相が相対的に異なる
ように、所定の発振モードのレーザー光を前記スケール
上に照射する面発光半導体レーザー手段と、この面発光
半導体レーザー手段の出射開口の周囲に並設されてお
り、所定の電流を印加することによって、前記スケール
から発生する反射光又は透過光の強度振幅の位相を相対
的にシフトさせる第1及び第2の電極手段と、前記スケ
ールから発生した反射光又は透過光を受光可能な光検出
手段とを備えていることを特徴とする光学式エンコー
ダ。
【0185】(構成)この発明は、第10の実施例に対
応している。
【0186】面発光半導体レーザー手段は、実施例中の
垂直共振器型の面発光半導体レーザ50に該当する。こ
の面発光半導体レーザ50の出射開口の周囲に並設され
た第1及び第2の電極手段は、実施例中符号の第1及び
第2の電極50a,50bが該当する。また、光検手段
は、実施例中の光検出器51が該当し、例えばフォトダ
イオード等の光電変換素子と同様の機能を有する。ま
た、スケールは、実施例中の符号12で示された例えば
ガラス板等の平坦なリニアスケールが該当し、その表面
には、高反射率領域12aと低反射率領域12bとが交
互に所定のピッチで形成されている。
【0187】(作用)予め、第1の電極50aによって
構成される面発光半導体レーザを駆動させて等方性のレ
ーザー光を出射させておく。このとき出射したレーザー
光は、リニアスケール12上にスポット52aを形成す
る。
【0188】この状態において、パルス的に第2の電極
50bに電流を印加すると、分離幅が3μmと狭いた
め、第1及び第2の電極50a,50bによって構成さ
れる面発光半導体レーザが1つのレーザとして動作す
る。
【0189】このとき、面発光半導体レーザから出射さ
れたレーザー光によってリニアスケール12上に形成さ
れるスポット52bは、リニアスケール12上に予め形
成されている上記スポット52aに対して移動方向Mに
沿って相対的にずれることとなる。
【0190】この場合、リニアスケール12上に形成さ
れたスポット52a,52bから反射した反射光は、そ
の強度振幅の位相が相対的に異なった状態で、光検出器
51上にスポット54a,54bを結ぶ。このとき、光
検出器51からスポット54a,54bに対応した信号
が夫々出力されるため、これら信号に対して所定の信号
処理を施すことによって、両信号の位相関係が判別され
ることになる。この結果、判別された位相関係に基づい
て、リニアスケール12の移動方向M及び移動量を判別
することが可能となる。
【0191】(効果)この発明によれば、光学式エンコ
ーダの仕様に合わせた適切な開口径の面発光半導体レー
ザー手段を適用することによって、レーザー光を平行光
に変換するためのコリメータレンズ等の部材を省略でき
ると共に、スケールの移動方向を高分解能に検出可能な
光学式エンコーダを実現することができる。
【0192】
【発明の効果】この発明によれば、光学式エンコーダの
仕様に合わせた適切な開口径の面発光半導体レーザー手
段を適用することによって、レーザー光を平行光に変換
するためのコリメータレンズ等の部材を省略できると共
に、スケールの移動方向を高分解能に検出可能な光学式
エンコーダを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施例に係る光学式
エンコーダの構成を示す斜視図、(b)は、(a)の光
学式エンコーダの光検出器から出力される正弦波信号の
特性を示す図。
【図2】本発明の第2の実施例に係る光学式エンコーダ
の構成を示す斜視図。
【図3】本発明の第3の実施例に係る光学式エンコーダ
の構成を示す斜視図。
【図4】本発明の第4の実施例に係る光学式エンコーダ
の構成を示す斜視図。
【図5】本発明の第5の実施例に係る光学式エンコーダ
の構成を示す斜視図。
【図6】本発明の第6の実施例に係る光学式エンコーダ
の構成を示す斜視図。
【図7】本発明の第7の実施例に係る光学式エンコーダ
の構成を示す斜視図。
【図8】本発明の第8の実施例に係る光学式エンコーダ
の構成を示す斜視図。
【図9】本発明の第9の実施例に係る光学式エンコーダ
の構成を示す斜視図。
【図10】本発明の第10の実施例に係る光学式エンコ
ーダの構成を示す斜視図。
【図11】(a)は、従来の光学式エンコーダの構成を
概略的に示す斜視図、(b)〜(e)は、(a)のエン
コーダの第1ないし第4の受光素子から出力される電気
信号の特性を示す図。
【符号の説明】
11…面発光半導体レーザ、12…リニアスケール、1
2a…高反射率領域、12b…低反射率領域、13a,
13b…光検出器、14…誘電体基板、14a…平坦
面、15…傾斜台、M…リニアスケールの移動方向。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 栄 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 村上 賢治 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 山本 英二 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定方向に移動可能に構成されていると
    共に、反射率又は透過率の異なる領域が所定のピッチで
    配置されたスケールと、 このスケール上に所定径のスポットを形成させる所定の
    発振モードの面発光半導体レーザー手段と、 前記面発光半導体レーザー手段から出射されたレーザー
    光によって、前記スケール上に前記スポットが形成され
    た際、前記レーザー光による前記スケールからの反射光
    又は透過光を受光可能に構成されていると共に、前記ス
    ケールの移動方向に沿って前記スポットの径の2倍以下
    のピッチで配置された光検出手段とを備えていることを
    特徴とする光学式エンコーダ。
  2. 【請求項2】 所定方向に移動可能に構成されていると
    共に、反射率又は透過率の異なる領域が所定のピッチで
    配置されたスケールと、 このスケールの移動方向に沿って所定間隔で配置されて
    おり、前記スケールからの反射光又は透過光の強度振幅
    の位相が相対的に異なるように、所定の発振モードのレ
    ーザー光を前記スケール上に照射する面発光半導体レー
    ザー手段と、 前記レーザー光による前記スケールからの反射光又は透
    過光を受光可能な光検出手段とを備えていることを特徴
    とする光学式エンコーダ。
  3. 【請求項3】 所定方向に移動可能に構成されていると
    共に、反射率又は透過率の異なる領域が所定のピッチで
    配置されたスケールと、 このスケールの移動方向に直交する方向に所定間隔で配
    置されており、前記スケールからの反射光又は透過光の
    強度振幅の位相が相対的に異なるように、所定の発振モ
    ードのレーザー光を前記スケール上に照射する面発光半
    導体レーザー手段と、 前記レーザー光による前記スケールからの反射光又は透
    過光を受光可能な光検出手段とを備えていることを特徴
    とする光学式エンコーダ。
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