JP2001174287A - 光学式エンコーダー - Google Patents

光学式エンコーダー

Info

Publication number
JP2001174287A
JP2001174287A JP36294199A JP36294199A JP2001174287A JP 2001174287 A JP2001174287 A JP 2001174287A JP 36294199 A JP36294199 A JP 36294199A JP 36294199 A JP36294199 A JP 36294199A JP 2001174287 A JP2001174287 A JP 2001174287A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light receiving
light
unit
receiving unit
scale
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP36294199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001174287A5 (ja
JP4576014B2 (ja
Inventor
Jun Hane
潤 羽根
Eiji Yamamoto
英二 山本
Iwao Komazaki
岩男 駒崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP36294199A priority Critical patent/JP4576014B2/ja
Publication of JP2001174287A publication Critical patent/JP2001174287A/ja
Publication of JP2001174287A5 publication Critical patent/JP2001174287A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4576014B2 publication Critical patent/JP4576014B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Transform (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】性能を引き出すための機能を有する光学式エン
コーダーを提供する。 【解決手段】光学式エンコーダーは、光源部140と光
検出部160を含むヘッド部130と、これに対して特
定の方向に移動可能なスケール110とを備えている。
スケール110は、一定の周期で反射率が変化する第一
と第三の光学パターン114と116と、反射率が一定
の第二の光学パターン118とを有している。光源部1
40は、第一と第二と第三の光ビームL1とL2とL3を
射出する。光検出部160は、それぞれ、第一と第二と
第三の光ビームL1とL2とL3を受光する第一と第二と
第三の受光部164と170と166と、その信号処理
部220を備えている。信号処理部220は、第二の受
光部170の出力信号に基づいて、光源部140とスケ
ール110のギャップと相対姿勢を検出する回路と、光
源部140のパワーを検出してこれを制御する回路とを
含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、装置の可動部分の
移動量検出に用いられる光学式エンコーダーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光学式エンコーダーには、半導体
レーザー光源、光検出器、回折格子、コリメータレンズ
等の個別部品を高精度に組み合わせたタイプや、回折格
子に相当するスケールを除いた部分を半導体プロセスや
ボンディング技術で小型化したタイプなどがある。この
ような従来例のひとつに、「光学」27巻6号、ページ3
27〜328にある、山本英二著「面発光型半導体レー
ザーを用いたマイクロエンコーダー」がある。
【0003】このマイクロエンコーダーの基本構成は、
ヘッド部と、これに対して特定の方向に移動可能なスケ
ールとを備えている。ヘッド部は、フォトダイオード
(PD)と信号処理回路が一体形成されたシリコン基板
と、これにボンディングされた面発光レーザーとを有し
ている。スケールは、一定のピッチで反射率が変化する
二種類の構成要素が交互に並んだ光学パターンを有して
いる。
【0004】面発光レーザーから射出された光ビーム
は、スケールで反射され、フォトダイオードにより強度
が検出される。フォトダイオードで検出される光強度の
強弱の変化の数を計ることにより、ヘッド部とスケール
の間の相対移動の量が測定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】光学式エンコーダー
は、小型化や高分解能化が進んだ結果、工作機械や情報
機器さらには医療機器など幅広い分野で利用されようと
している。現状では、光学式エンコーダーの高精度化の
ための対策や組立調整の簡便化については、エンコーダ
ーメーカーや、エンコーダーのパーツを購入して製品に
組み込むユーザーのノウハウに依存しており、一般に、
光学式エンコーダー自体は、その性能を最高に引き出す
ための調整機能や、組み立ての状態や信号の安定度を測
定する機能を備えていない。
【0006】本発明は、このような現状を鑑みて成され
たものであり、その目的は、その性能を最高に引き出す
ための機能を備えた光学式エンコーダーを提供すること
である。
【0007】より具体的には、本発明の第一の目的は、
組み立て時の位置決め・位置合わせやメンテナンス時の
調整や検出信号の補正のために、ヘッド部とスケールの
光学的・幾何学的配置を検出する機能を有する光学式エ
ンコーダーを提供することである。
【0008】また、本発明の第二の目的は、パワーの安
定化や検出信号の補正のために、光源部のパワーを計測
する機能を有する光学式エンコーダーを提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の光学式エンコー
ダーは、一面においては、光源部と光検出部を含むヘッ
ド部と、ヘッド部に対して相対的に特定の方向に移動可
能なスケールとを備えており、スケールは、移動方向に
沿って延びる長手軸と、長手軸に沿って光学特性が一定
の周期で変化する第一の光学パターンと、長手軸に沿っ
たほぼ全域にわたって光学特性が一定である第二の光学
パターンとを有し、光源部は、第一の光学パターンに照
射される第一の光ビームと、第二の光学パターンに照射
される第二の光ビームとを射出し、光検出部は、第一の
光学パターンを経由した第一の光ビームを受光する第一
の受光部と、第二の光学パターンを経由した第二の光ビ
ームを受光する第二の受光部と、第一の受光部と第二の
受光部の出力信号を処理する信号処理部とを有し、信号
処理部は、第一の受光部の出力信号に基づいてヘッド部
とスケールの間の相対移動の量を検出する移動検出手段
と、第二の受光部の出力信号に基づいてヘッド部とスケ
ールのギャップと相対姿勢を検出するギャップ・相対姿
勢検出手段とを含んでいる。
【0010】信号処理部は、好ましくは、第二の受光部
の出力信号に基づいて光源部のパワーを検出するパワー
検出手段を更に含んでいる。
【0011】本発明の光学式エンコーダーは、別の面に
おいては、光源部と光検出部を含むヘッド部と、ヘッド
部に対して相対的に特定の方向に移動可能なスケールと
を備えており、スケールは、移動方向に沿って延びる長
手軸と、長手軸に沿って光学特性が一定の周期で変化す
る第一の光学パターンと、長手軸に沿ったほぼ全域にわ
たって光学特性が一定である第二の光学パターンとを有
し、光源部は、第一の光学パターンに照射される第一の
光ビームと、第二の光学パターンに照射される第二の光
ビームとを射出し、光検出部は、第一の光学パターンを
経由した第一の光ビームを受光する第一の受光部と、第
二の光学パターンを経由した第二の光ビームを受光する
第二の受光部と、第一の受光部と第二の受光部の出力信
号を処理する信号処理部とを有し、信号処理部は、第一
の受光部の出力信号に基づいてヘッド部とスケールの間
の相対移動の量を検出する移動検出手段と、第二の受光
部の出力信号に基づいて光源部のパワーを検出するパワ
ー検出手段とを含んでいる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。
【0013】[第一実施形態]図1に示されるように、
光学式エンコーダーは、光源部140と光検出部160
を含むヘッド部130と、これに対して特定の方向にす
なわちy軸に沿って移動可能なスケール110とを備え
ている。ヘッド部130は、光源部140と光検出部1
60を保持するベース132を更に有し、スケール11
0に対して、望ましくは、適正なギャップdと適正な姿
勢で保持される。
【0014】スケール110は、平板状の基板112
と、その表面に設けられた第一の光学パターン114と
第二の光学パターン118と第三の光学パターン116
とを有している。スケール110は長手軸を有してお
り、この長手軸が移動方向すなわちy軸に対して平行に
なるように配置される。第一の光学パターン114と第
二の光学パターン118と第三の光学パターン116は
共に長手軸に沿って帯状に延びている。第一の光学パタ
ーン114と第三の光学パターン116は長手軸に沿っ
て一定の周期で光学特性が変化するが、第二の光学パタ
ーン118は長手軸に沿った全域にわたり光学特性が一
定である。
【0015】ここにおいて「光学特性」は、反射率や透過
率等の光に作用する諸特性をいう。本実施形態は反射型
の光学式エンコーダーであるため、本実施形態では光学
特性は反射率を意味するが、透過型の光学式エンコーダ
ーにおいては透過率を意味する。
【0016】第一の光学パターン114と第三の光学パ
ターン116は共に、高反射率の領域と低反射率の領域
とが長手軸に沿って数十μmのピッチP0で交互に並ん
でいる。第一の光学パターン114と第三の光学パター
ン116は、同じ周期を有するが、位相がずれている。
すなわち、第一の光学パターン114と第三の光学パタ
ーン116の反射率の異なる二つの領域が互いに長手軸
に沿ってδずれている。言い換えれば、第三の光学パタ
ーン116は、第一の光学パターン114を長手軸に沿
ってδ移動させたものと等価である。両者の間のずれδ
は、望ましくは、δ=P0・(2n−1)/4を満たしてい
る。ここでnは自然数である。
【0017】光源部140は、第一の光ビームL1を射
出する第一の面発光レーザー144と第二の光ビームL
2を射出する第二の面発光レーザー146と第三の光ビ
ームL3を射出する第三の面発光レーザー148を含む
レーザーアレイ142を備えている。第一の面発光レー
ザー144と第二の面発光レーザー146と第三の面発
光レーザー148は、x軸に沿って並んでいる。レーザ
ーアレイ142は、xy平面に傾きを持って、すなわ
ち、x軸の周りに傾いて配置されている。第一の光ビー
ムL1と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3は、そ
れぞれ、第一の光学パターン114と第二の光学パター
ン118と第三の光学パターン116に照射される。
【0018】光検出部160は、例えばフォトICであ
り、第一の光学パターン114を経由した第一の光ビー
ムL1を受光する第一の受光部164と、第二の光学パ
ターン118を経由した第二の光ビームL2を受光する
第二の受光部170と、第三の光学パターン116を経
由した第三の光ビームL3を受光する第三の受光部16
6とを備えている。第一の受光部164と第二の受光部
170と第三の受光部166は、その中心がx軸に沿っ
て並ぶように配置されている。
【0019】第一の受光部164と第三の受光部166
は、それぞれ、第一の光ビームL1と第三の光ビームL3
の径に比べて大きい受光領域を持つ単一のフォトダイオ
ードで構成される。また、第二の受光部170は、第二
の光ビームL2の径に比べて同等かそれよりも小さい受
光領域を持つ単一のフォトダイオードで構成される。第
二の受光部170に照射される第二の光ビームL2は、
ガウシアン分布のように、中心が最も高く、そこから離
れるにつれて低下する光量分布を有する。
【0020】前述したように、ヘッド部130は、望ま
しくは、スケール110に対して、適正なギャップと適
正な姿勢で保持される。この状態において、第二の光ビ
ームL2の主光線は、第二の受光部170の中心に入射
する。一方、第一の光ビームL1と第三の光ビームL3
は、ギャップと姿勢にそれほど影響されることなく、そ
れぞれ、第一の受光部164と第三の受光部166にほ
ぼ適正に入射する。
【0021】光検出部160は更に、第一の受光部16
4と第二の受光部170と第三の受光部166の出力信
号を処理する信号処理部220を備えている。信号処理
部220は、例えば、レーザーアレイ142を駆動する
レーザー駆動回路と、第一の受光部164と第三の受光
部166の出力信号のゲインとオフセットを調整する正
規化回路と、第一の受光部164の出力信号と第三の受
光部166の出力信号とに基づいて光源部140とスケ
ール110の間の相対移動の量と方向を検出する移動検
出回路と、第二の受光部170の出力信号に基づいて光
源部140とスケール110のギャップdと相対姿勢を
検出するギャップ・相対姿勢検出回路と、第二の受光部
170の出力信号に基づいて光源部140のパワーを検
出してこれを制御するオートパワーコントロール(AP
C)回路とを含んでいる。
【0022】本実施形態の光学式エンコーダーは、光源
部140とスケール110の間の相対移動の方向と量を
検出し得るが、要求される機能が移動量の検出のみの場
合には、第三の面発光レーザー148と第三の光学パタ
ーン116と第三の受光部166は省略されてもよく、
これらの省略に伴い、移動検出回路は、第一の受光部1
64の出力信号に基づいて光源部140とスケール11
0の間の相対移動の量のみを検出する。
【0023】<相対移動検出>第一の面発光レーザー1
44から射出された第一の光ビームL1は、スケール1
10の第一の光学パターン114により第一の受光部1
64に向けて反射され、第一の受光部164で検出され
る。第一の受光部164は、入射する第一の光ビームL
1の光量に対応した信号を出力する。ヘッド部130と
スケール110の間の相対移動に対して、第一の受光部
164の出力信号は擬似正弦波となる。
【0024】同様に、第三の面発光レーザー148から
射出された第三の光ビームL3は、スケール110の第
三の光学パターン116により第三の受光部166に向
けて反射され、第三の受光部166で検出される。第三
の受光部166は、入射する第三の光ビームL3の光量
に対応した信号を出力する。ヘッド部130とスケール
110の間の相対移動に対して、第三の受光部166の
出力信号は擬似正弦波となる。
【0025】第一の受光部164と第三の受光部166
から出力される擬似正弦波の信号は互いに1/4周期あ
るいは3/4周期の位相差があるため、ヘッド部130
とスケール110の間の相対移動の方向と量を求めるこ
とができる。
【0026】<ギャップ・姿勢検出>第二の面発光レー
ザー146から射出された第二の光ビームL2は、スケ
ール110の第二の光学パターン118により第二の受
光部170に向けて反射され、第二の受光部170で検
出される。第二の受光部170は、入射する第二の光ビ
ームL2の光量に対応した信号を出力する。
【0027】ヘッド部130とスケール110は、望ま
しくは、相対的に適正なギャップと適正な姿勢で保持さ
れる。この状態においては、レーザーアレイ142から
射出された第一の光ビームL1と第二の光ビームL2と第
三の光ビームL3の主光線が、それぞれ、スケール11
0で反射された後、第一の受光部164と第二の受光部
170と第三の受光部166の中心に入射する。
【0028】スケール110とヘッド部130の光学的
・幾何学的配置が適正な状態から外れると、すなわち、
スケール110とヘッド部130の間のギャップdの最
適値からずれたり、ヘッド部130に対してスケール1
10がx軸周りやy軸周りに相対的に傾いたりすると、
第一の受光部164と第三の受光部166から出力され
る擬似正弦波の信号の位相が変わって検出信号に誤差が
生じたり、検出信号の出力が低下したりする。
【0029】このようなスケール110とヘッド部13
0の光学的・幾何学的配置の適正な状態からのずれは、
第二の受光部170の出力に基づいて検出され得る。
【0030】スケール110とヘッド部130の間のギ
ャップdの変化は、第二の受光部170に照射される第
二の光ビームL2のスポットをy軸に沿って移動させ
る。ヘッド部130とスケール110が適正なギャップ
で位置しているとき、第二の光ビームL2の主光線が第
二の受光部170の中心に入射するため、第二の受光部
170は最大の出力を示す。従って、第二の受光部17
0の出力の低下を検出することにより、スケール110
とヘッド部130の間のギャップの変化が検出される。
【0031】従って、メンテナンス時においては、第二
の受光部170の出力を最大に戻すように、スケール1
10とヘッド部130の間のギャップを調整し直せばよ
い。また、組み立て時においては、スケール110とヘ
ッド部130を、第二の受光部170の出力が最大とな
るギャップで配置し組み立てればよい。
【0032】また、組立後のヘッド130とスケール1
10のギャップ・姿勢検出に関しては、必ずしも、最適
なギャップに対して、第二の受光部170の出力信号が
最大となる必要はない。この場合、出力信号が変化する
ことで、最適なギャップから外れていくことが分かり、
出力信号の変化量により、ギャップの調整度合いについ
てある程度定量的な判断ができる。これに基づいて、エ
ンコーダーの再調整や交換の判断が行なえる。
【0033】このように本実施の形態の光学式エンコー
ダーは、スケール110とヘッド部130の間のギャッ
プの変化を測定できるため、以下の利点を有している。
【0034】ギャップの変動により生じる検出信号の誤
差を計算して補正することができる。
【0035】所望のギャップにおける出力値が計算また
は経験的に導ければ、これを組立調整時やメンテナンス
の際の調整の指標として用いることで、調整用の測定器
を減らしたり不要にしたりすることができ、簡便な調整
が可能となる。
【0036】ギャップ信号に基づいて、出荷前の良品判
定をしたり、経時変化が生じた際のメンテナンスや交換
の判定をしたりすることができる。
【0037】測定中のギャップの変化により生じる検出
信号の誤差の大きさを確認することで、補正が出来ない
場合のエンコーダーが保証できる検出精度の指標のひと
つとなる。
【0038】<パワーモニター>経時変化や温度変化な
どによりレーザーアレイ142から射出された第一の光
ビームL1と第三の光ビームL3のパワーが変化すると、
これに応じて、第一の受光部164と第三の受光部16
6の出力信号のレベルも変化する。このようなレーザー
アレイ142のパワーの変化は、検出信号の読み取りに
誤差を生じさせ、その変化が激しい場合には、検出信号
を読み取りを不能にする。
【0039】第一の面発光レーザー144と第二の面発
光レーザー146と第三の面発光レーザー148は、ほ
ぼ同じ特性を有していると共に、ほぼ同じ経時変化や温
度変化を受けると考えられる。第二の面発光レーザー1
46のパワーの変化は、第二の受光部170の出力信号
に基づいて調べられる。従って、第一の面発光レーザー
144と第三の面発光レーザー148のパワーの変化
は、第二の受光部170の出力信号から推定される。
【0040】信号処理部220のAPC回路は、第二の
受光部170の出力信号に基づいて第二の面発光レーザ
ー146のパワーの変化を検出し、これを一定に保つよ
うにレーザーアレイ142を制御する。APC回路によ
りレーザーアレイ142を制御する代わりに、第二の受
光部170の出力信号に基づいて、エンコーダー信号で
ある第一の受光部164と第三の受光部166の出力信
号を補正してもよい。
【0041】このように本実施の形態の光学式エンコー
ダーは、第一の面発光レーザー144と第三の面発光レ
ーザー148のパワーをモニターできるため、以下の利
点を有している。
【0042】第一の面発光レーザー144と第三の面発
光レーザー148からの裏面出力をモニターする必要が
無い。これは、素子内を光が透過し難く、裏面モニター
の利用が困難な短波長の面発光レーザに有効である。
【0043】第二の受光部170の出力信号を第一の面
発光レーザー144と第三の面発光レーザー148のパ
ワー安定化用のモニター信号に利用することで、第一の
光ビームL1と第三の光ビームL3のパワー変動を抑える
ことができ、第一の受光部164と第三の受光部166
の出力信号が安定し、検出精度が向上する。
【0044】第一の光ビームL1と第三の光ビームL3の
パワー変動に基づいて、第一の受光部164と第三の受
光部166の出力信号の誤差を補正することで、検出精
度が向上される。
【0045】[第二実施形態]図2に示されるように、
光学式エンコーダーは、光源部140と光検出部160
を含むヘッド部130と、これに対して特定の方向にす
なわちy軸に沿って移動可能なスケール110とを備え
ている。ヘッド部130は、光源部140と光検出部1
60を保持するベース132を更に有し、スケール11
0に対して、望ましくは、適正なギャップdと適正な姿
勢で保持される。
【0046】スケール110は、平板状の基板112
と、その表面に設けられた第一の光学パターン114と
第二の光学パターン118と第三の光学パターン116
とを有している。スケール110は長手軸を有してお
り、この長手軸が移動方向すなわちy軸に対して平行に
なるように配置される。第一の光学パターン114と第
二の光学パターン118と第三の光学パターン116は
共に長手軸に沿って帯状に延びている。第一の光学パタ
ーン114と第三の光学パターン116は長手軸に沿っ
て一定の周期で光学特性が変化するが、第二の光学パタ
ーン118は長手軸に沿ったほぼ全域にわたり光学特性
が一定である。
【0047】ここにおいて「光学特性」は、反射率や透過
率等の光に作用する諸特性をいう。本実施形態は反射型
の光学式エンコーダーであるため、本実施形態では光学
特性は反射率を意味するが、透過型の光学式エンコーダ
ーにおいては透過率を意味する。
【0048】第一の光学パターン114と第三の光学パ
ターン116は共に、高反射率の領域と低反射率の領域
とが長手軸に沿って数十μmのピッチP0で交互に並ん
でいる。第一の光学パターン114と第三の光学パター
ン116は、同じ周期を有するが、位相がずれている。
すなわち、第一の光学パターン114と第三の光学パタ
ーン116の反射率の異なる二つの領域が互いに長手軸
に沿ってδずれている。言い換えれば、第三の光学パタ
ーン116は、第一の光学パターン114を長手軸に沿
ってδ移動させたものと等価である。両者の間のずれδ
は、望ましくは、δ=P0・(2n−1)/4を満たしてい
る。ここでnは自然数である。
【0049】第二の光学パターンは、高反射率の領域が
長手軸に沿って帯状に延びており、その一方の端部に低
反射率の領域120を有している。
【0050】光源部140は、第一の光ビームL1を射
出する第一の面発光レーザー144と第二の光ビームL
2を射出する第二の面発光レーザー146と第三の光ビ
ームL3を射出する第三の面発光レーザー148を含む
レーザーアレイ142を備えている。第一の面発光レー
ザー144と第二の面発光レーザー146と第三の面発
光レーザー148は、x軸に沿って並んでいる。レーザ
ーアレイ142は、xy平面に傾きを持って、すなわ
ち、x軸の周りに傾いて配置されている。第一の光ビー
ムL1と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3は、そ
れぞれ、第一の光学パターン114と第二の光学パター
ン118と第三の光学パターン116に照射される。
【0051】光検出部160は、例えばフォトICであ
り、第一の光学パターン114を経由した第一の光ビー
ムL1を受光する第一の受光部164と、第二の光学パ
ターン118を経由した第二の光ビームL2を受光する
第二の受光部170と、第三の光学パターン116を経
由した第三の光ビームL3を受光する第三の受光部16
6とを備えている。第一の受光部164と第二の受光部
170と第三の受光部166は、その中心がx軸に沿っ
て並ぶように配置されている。
【0052】第一の受光部164と第三の受光部166
は、それぞれ、第一の光ビームL1と第三の光ビームL3
の径に比べて大きい受光領域を持つ単一のフォトダイオ
ードで構成される。
【0053】また、第二の受光部170は、図3に示さ
れるように、y軸に沿って並んだ三個のフォトダイオー
ド174と176と178を備えている。第二の受光部
170に照射される第二の光ビームL2は、ガウシアン
分布のように、中心が最も高く、そこから離れるにつれ
て低下する光量分布を有する。本実施形態では、第二の
受光部170は、三個のフォトダイオードを備えている
が、その個数はこれに限らず、二個のフォトダイオード
を備えていてもよく、あるいは四個以上のフォトダイオ
ードを備えていてもよい。
【0054】前述したように、ヘッド部130は、望ま
しくは、スケール110に対して、適正なギャップと適
正な姿勢で保持される。この状態において、第二の光ビ
ームL2の主光線は、第二の受光部170の中心に入射
する。更に詳しく言えば、その主光線が中央のフォトダ
イオード174の中心に入射する。一方、第一の光ビー
ムL1と第三の光ビームL3は、ギャップと姿勢にそれほ
ど影響されることなく、それぞれ、第一の受光部164
と第三の受光部166にほぼ適正に入射する。
【0055】光検出部160は更に、第一の受光部16
4と第二の受光部170と第三の受光部166の出力信
号を処理する信号処理部220を備えている。信号処理
部220は、例えば、レーザーアレイ142を駆動する
レーザー駆動回路と、第一の受光部164と第三の受光
部166の出力信号のゲインとオフセットを調整する正
規化回路と、第一の受光部164の出力信号と第三の受
光部166の出力信号とに基づいて光源部140とスケ
ール110の間の相対移動の量と方向を検出する移動検
出回路と、第二の受光部170の出力信号に基づいて光
源部140とスケール110のギャップdと相対姿勢を
検出するギャップ・相対姿勢検出回路222と、第二の
受光部170の出力信号に基づいて光源部140のパワ
ーを検出してこれを制御するオートパワーコントロール
(APC)回路224と、第二の受光部170の出力信号
に基づいてスケール110のx軸周りの傾きを検出する
x軸周り傾き検出回路226とを含んでいる。
【0056】本実施形態の光学式エンコーダーは、光源
部140とスケール110の間の相対移動の方向と量を
検出し得るが、要求される機能が移動量の検出のみの場
合には、第三の面発光レーザー148と第三の光学パタ
ーン116と第三の受光部166は省略されてもよく、
これらの省略に伴い、移動検出回路は、第一の受光部1
64の出力信号に基づいて光源部140とスケール11
0の間の相対移動の量のみを検出する。
【0057】<相対移動検出>第一の面発光レーザー1
44から射出された第一の光ビームL1は、スケール1
10の第一の光学パターン114により第一の受光部1
64に向けて反射され、第一の受光部164で検出され
る。第一の受光部164は、入射する第一の光ビームL
1の光量に対応した信号を出力する。ヘッド部130と
スケール110の間の相対移動に対して、第一の受光部
164の出力信号は擬似正弦波となる。
【0058】同様に、第三の面発光レーザー148から
射出された第三の光ビームL3は、スケール110の第
三の光学パターン116により第三の受光部166に向
けて反射され、第三の受光部166で検出される。第三
の受光部166は、入射する第三の光ビームL3の光量
に対応した信号を出力する。ヘッド部130とスケール
110の間の相対移動に対して、第三の受光部166の
出力信号は擬似正弦波となる。
【0059】第一の受光部164と第三の受光部166
から出力される擬似正弦波の信号は互いに1/4周期あ
るいは3/4周期の位相差があるため、ヘッド部130
とスケール110の間の相対移動の方向と量を求めるこ
とができる。
【0060】<z相検出>第二の面発光レーザー146
から射出された第二の光ビームL2は、スケール110
の第二の光学パターン118により第二の受光部170
に向けて反射され、第二の受光部170で検出される。
第二の受光部170は、入射する第二の光ビームL2の
光量に対応した信号を出力する。
【0061】第二の光学パターン118は、その一端部
に低反射率の領域120を有しているため、第二の光ビ
ームL2が、この低反射率の領域120を照射すると
き、第二の受光部170の出力は大きく変化する。
【0062】従って、この第二の受光部170の出力の
変化を検出することにより、低反射率の領域120を基
準としてスケール110の位置を特定することができ
る。言い換えれば、第二の光ビームL2が低反射率の領
域120を照射することに対応した第二の受光部170
の出力信号の変化に基づいて、スケール110の原点信
号を得ることができる。
【0063】<ギャップ・姿勢検出>ヘッド部130と
スケール110は、望ましくは、相対的に適正なギャッ
プと適正な姿勢で保持される。この状態においては、レ
ーザーアレイ142から射出された第一の光ビームL1
と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3の主光線が、
それぞれ、スケール110で反射された後、第一の受光
部164と第二の受光部170と第三の受光部166の
中心に入射する。
【0064】スケール110とヘッド部130の光学的
・幾何学的配置が適正な状態から外れると、すなわち、
スケール110とヘッド部130の間のギャップdの最
適値からずれたり、ヘッド部130に対してスケール1
10がx軸周りやy軸周りに相対的に傾いたりすると、
第一の受光部164と第三の受光部166から出力され
る擬似正弦波の信号の位相が変わって検出信号に誤差が
生じたり、検出信号の出力が低下したりする。
【0065】このようなスケール110とヘッド部13
0の光学的・幾何学的配置の適正な状態からのずれは、
第二の受光部170の出力に基づいて検出され得る。
【0066】スケール110とヘッド部130の間のギ
ャップdの変化は、第二の受光部170に照射される第
二の光ビームL2のスポットをy軸に沿って移動させ
る。また、ヘッド部130に対するスケール110のx
軸周りの相対的な傾きは、第二の受光部170に照射さ
れる第二の光ビームL2のスポットをy軸に沿って移動
させるとともに、その形状を変形させる。
【0067】従って、三個のフォトダイオード174と
176と178の出力に基づいて、第二の光ビームL2
の最も光量の強い位置を検出することにより、スケール
110とヘッド部130の間のギャップの変化とヘッド
部130に対するスケール110のx軸周りの傾きが検
出される。
【0068】あるいは、三個のフォトダイオード174
と176と178の出力に基づいて、第二の光ビームL
2のy軸方向のビームプロファイルを必要に応じて補間
を用いて計算し、そのビームプロファイルのy軸方向の
変位量や形状の変化を調べることにより、スケール11
0とヘッド部130の間のギャップの変化とヘッド部1
30に対するスケール110のx軸周りの傾きが分離し
て検出される。
【0069】このような検出の精度は、第二の受光部1
70のフォトダイオードの各々のy軸方向の寸法とそれ
らの間隔を小さくすることで高められる。ギャップの大
きな変化やスケールの大きな傾きへの対応には、第二の
受光部170のフォトダイオードを配置する範囲を大き
くすればよい。従って、高精度の検出とギャップの大き
な変化やスケールの大きな傾きへの対応の両方を実現す
るには、第二の受光部170は、y軸方向の寸法の小さ
いフォトダイオードを多数有し、それらがy軸に沿って
狭い間隔で広い範囲にわたって配置されているとよい。
【0070】従って、メンテナンス時においては、第二
の受光部170の三個のフォトダイオード174と17
6と178の出力が最適なバランスに戻るように、スケ
ール110とヘッド部130の間のギャップと姿勢を調
整し直せばよい。また、組み立て時においては、スケー
ル110とヘッド部130を、第二の受光部170の三
個のフォトダイオード174と176と178の出力が
最適なバランスとなるギャップと姿勢で配置し組み立て
ればよい。
【0071】また、組立後のヘッド130とスケール1
10のギャップ・姿勢検出に関しては、必ずしも、最適
なギャップと姿勢に対して、光量の最大位置が必ずしも
中央のフォトダイオード174の中心にくる必要はな
い。この場合、三個のフォトダイオード174と176
と178の出力のバランスが変化することで、最適なギ
ャップと姿勢から外れていくことが分かり、三個のフォ
トダイオード174と176と178の出力のバランス
の変化により、ギャップと姿勢の調整度合いについてあ
る程度定量的な判断ができる。これに基づいて、エンコ
ーダーの再調整や交換の判断が行なえる。
【0072】このように本実施の形態の光学式エンコー
ダーは、スケール110とヘッド部130の間のギャッ
プの変化やスケールのx軸周りの姿勢の変化を測定でき
るため、以下の利点を有している。
【0073】ギャップの変化やスケールのx軸周りの姿
勢の変化により生じる検出信号の誤差を計算して補正す
ることができる。
【0074】所望のギャップとx軸周りの姿勢における
出力値が計算または経験的に導ければ、これを組立調整
時やメンテナンスの際の調整の指標として用いること
で、調整用の測定器を減らしたり不要にしたりすること
ができ、簡便な調整が可能となる。
【0075】ギャップ信号とx軸周りの傾きとに基づい
て、出荷前の良品判定をしたり、経時変化が生じた際の
メンテナンスや交換の判定をしたりすることができる。
【0076】測定中のギャップの変化やx軸周りの姿勢
の変化により生じる検出信号の誤差の大きさを確認する
ことで、補正が出来ない場合のエンコーダーが保証でき
る検出精度の指標のひとつとなる。
【0077】<パワーモニター>経時変化や温度変化な
どによりレーザーアレイ142から射出された第一の光
ビームL1と第三の光ビームL3のパワーが変化すると、
これに応じて、第一の受光部164と第三の受光部16
6の出力信号のレベルも変化する。このようなレーザー
アレイ142のパワーの変化は、検出信号の読み取りに
誤差を生じさせ、その変化が激しい場合には、検出信号
を読み取りを不能にする。
【0078】第一の面発光レーザー144と第二の面発
光レーザー146と第三の面発光レーザー148は、ほ
ぼ同じ特性を有していると共に、ほぼ同じ経時変化や温
度変化を受けると考えられる。第二の面発光レーザー1
46のパワーの変化は、第二の受光部170の出力信号
に基づいて検出され得る。従って、第一の面発光レーザ
ー144と第三の面発光レーザー148のパワーの変化
は、第二の受光部170の出力信号から推定される。
【0079】第二の面発光レーザー146のパワーの変
化は、三個のフォトダイオード174と176と178
の出力の任意の一つあるいはそれらの合計に基づいて検
出される。
【0080】あるいは、第二の面発光レーザー146の
パワーの変化は、三個のフォトダイオード174と17
6と178の出力に基づいて、第二の光ビームL2のy
軸方向のビームプロファイルを必要に応じて補間を用い
て計算し、そのビームプロファイルから推定される、プ
ロファイルのピーク点の高さやフォトダイオードに入射
する総光量により検出される。
【0081】信号処理部220のAPC回路224は、
第二の受光部170の出力信号に基づいて第二の面発光
レーザー146のパワーの変化を検出し、これを一定に
保つようにレーザーアレイ142を制御する。APC回
路224によりレーザーアレイ142を制御する代わり
に、第二の受光部170の出力信号に基づいて、エンコ
ーダー信号である第一の受光部164と第三の受光部1
66の出力信号を補正してもよい。
【0082】このように本実施の形態の光学式エンコー
ダーは、第一の面発光レーザー144と第三の面発光レ
ーザー148のパワーをモニターできるため、以下の利
点を有している。
【0083】第一の面発光レーザー144と第三の面発
光レーザー148からの裏面出力をモニターする必要が
無い。これは、素子内を光が透過し難く、裏面モニター
の利用が困難な短波長の面発光レーザに有効である。
【0084】第二の受光部170の出力信号を第一の面
発光レーザー144と第三の面発光レーザー148のパ
ワー安定化用のモニター信号に利用することで、第一の
光ビームL1と第三の光ビームL3のパワー変動を抑える
ことができ、第一の受光部164と第三の受光部166
の出力信号が安定し、検出精度が向上する。
【0085】第一の光ビームL1と第三の光ビームL3の
パワー変動に基づいて、第一の受光部164と第三の受
光部166の出力信号の誤差を補正することで、検出精
度が向上される。
【0086】第二の受光部170がy軸に沿って並ぶ複
数のフォトダイオードを有しているため、ギャップの変
化やx軸周りの姿勢の変化に影響されることなく、レー
ザーアレイ142のパワーを安定にモニターできる。ま
た、ビームプロファイルを計算できるため、少ない受光
面積でモニターを行なえる。
【0087】[第三実施形態]図4に示されるように、
光学式エンコーダーは、光源部140と光検出部160
を含むヘッド部130と、これに対して特定の方向にす
なわちy軸に沿って移動可能なスケール110とを備え
ている。ヘッド部130は、光源部140と光検出部1
60を保持するベース132を更に有し、スケール11
0に対して、望ましくは、適正なギャップdと適正な姿
勢で保持される。
【0088】スケール110は、平板状の基板112
と、その表面に設けられた第一の光学パターン114と
第二の光学パターン118と第三の光学パターン116
とを有している。スケール110は長手軸を有してお
り、この長手軸が移動方向すなわちy軸に対して平行に
なるように配置される。第一の光学パターン114と第
二の光学パターン118と第三の光学パターン116は
共に長手軸に沿って帯状に延びている。第一の光学パタ
ーン114と第三の光学パターン116は長手軸に沿っ
て一定の周期で光学特性が変化するが、第二の光学パタ
ーン118は長手軸に沿ったほぼ全域にわたり光学特性
が一定である。
【0089】ここにおいて「光学特性」は、反射率や透過
率等の光に作用する諸特性をいう。本実施形態は反射型
の光学式エンコーダーであるため、本実施形態では光学
特性は反射率を意味するが、透過型の光学式エンコーダ
ーにおいては透過率を意味する。
【0090】第一の光学パターン114と第三の光学パ
ターン116は共に、高反射率の領域と低反射率の領域
とが長手軸に沿って数十μmのピッチP0で交互に並ん
でいる。第一の光学パターン114と第三の光学パター
ン116は、同じ周期を有するが、位相がずれている。
すなわち、第一の光学パターン114と第三の光学パタ
ーン116の反射率の異なる二つの領域が互いに長手軸
に沿ってδずれている。言い換えれば、第三の光学パタ
ーン116は、第一の光学パターン114を長手軸に沿
ってδ移動させたものと等価である。両者の間のずれδ
は、望ましくは、δ=P0・(2n−1)/4を満たしてい
る。ここでnは自然数である。
【0091】第二の光学パターンは、高反射率の領域が
長手軸に沿って帯状に延びており、その一方の端部に低
反射率の領域120を有している。
【0092】光源部140は、一本の光ビームL0を射
出する面発光レーザー150と、光ビームL0を分割し
て第一の光ビームL1と第二の光ビームL2と第三の光ビ
ームL3を作り出すビーム分割素子152とを備えてい
る。面発光レーザー150は、xy平面に傾きを持っ
て、すなわち、x軸の周りに傾いて配置されている。
【0093】ビーム分割素子152は、例えば回折格子
である。回折格子は、面発光レーザー150に近い面が
平らで、その反対側のスケール110に近い面に、x軸
に沿って一定のピッチpgで並ぶ多数のy軸に沿って延
びる溝を有している。回折格子152は、入射する光ビ
ームL0をx軸に沿って回折させ、その内の0次光と±
1次光から、第一の光ビームL1と第二の光ビームL2と
第三の光ビームL3を作り出す。
【0094】このように作り出された第一の光ビームL
1と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3は、それぞ
れ、第一の光学パターン114と第二の光学パターン1
18と第三の光学パターン116に照射される。
【0095】このような一個の面発光レーザー150と
ビーム分割素子152の使用は、高い信頼性が必要なレ
ーザーの数を減らし、コスト低減や信頼性の向上にとっ
て有利である。また、使用するレーザーが1個で済むた
め、レーザーのボンディング時のアライメントに関し
て、チップの回転ずれの精度への影響を考慮しなくて済
む。
【0096】光検出部160は、例えばフォトICであ
り、第一の光学パターン114を経由した第一の光ビー
ムL1を受光する第一の受光部164と、第二の光学パ
ターン118を経由した第二の光ビームL2を受光する
第二の受光部170と、第三の光学パターン116を経
由した第三の光ビームL3を受光する第三の受光部16
6とを備えている。第一の受光部164と第二の受光部
170と第三の受光部166は、その中心がx軸に沿っ
て並ぶように配置されている。
【0097】第一の受光部164と第三の受光部166
は、それぞれ、第一の光ビームL1と第三の光ビームL3
の径に比べて大きい受光領域を持つ単一のフォトダイオ
ードで構成される。
【0098】また、第二の受光部170は、図5に示さ
れるように、x軸とy軸に沿って、二次元的に配列され
た五個のフォトダイオード180と182と184と1
86と188を備えている。第二の受光部170に照射
される第二の光ビームL2は、ガウシアン分布のよう
に、中心が最も高く、そこから離れるにつれて低下する
光量分布を有する。本実施形態では、第二の受光部17
0は、五個のフォトダイオードを備えているが、その個
数はこれに限らず、それよりも多くのフォトダイオード
を備えていてもよい。
【0099】前述したように、ヘッド部130は、望ま
しくは、スケール110に対して、適正なギャップと適
正な姿勢で保持される。この状態において、第二の光ビ
ームL2の主光線は、第二の受光部170の中心に入射
する。更に詳しく言えば、その主光線が中央のフォトダ
イオード180の中心に入射する。一方、第一の光ビー
ムL1と第三の光ビームL3は、ギャップと姿勢にそれほ
ど影響されることなく、それぞれ、第一の受光部164
と第三の受光部166にほぼ適正に入射する。
【0100】光検出部160は更に、第一の受光部16
4と第二の受光部170と第三の受光部166の出力信
号を処理する信号処理部220を備えている。信号処理
部220は、例えば、面発光レーザー150を駆動する
レーザー駆動回路と、第一の受光部164と第三の受光
部166の出力信号のゲインとオフセットを調整する正
規化回路と、第一の受光部164の出力信号と第三の受
光部166の出力信号とに基づいて光源部140とスケ
ール110の間の相対移動の量と方向を検出する移動検
出回路と、第二の受光部170の出力信号に基づいて光
源部140とスケール110のギャップdと相対姿勢を
検出するギャップ・相対姿勢検出回路222と、第二の
受光部170の出力信号に基づいて光源部140のパワ
ーを検出してこれを制御するオートパワーコントロール
(APC)回路224と、第二の受光部170の出力信号
に基づいてスケール110のx軸周りの傾きを検出する
x軸周り傾き検出回路226と、第二の受光部170の
出力信号に基づいてスケール110のy軸周りの傾きを
検出するy軸周り傾き検出回路228とを含んでいる。
【0101】本実施形態の光学式エンコーダーは、光源
部140とスケール110の間の相対移動の方向と量を
検出し得るが、要求される機能が移動量の検出のみの場
合には、第三の光学パターン116と第三の受光部16
6は省略されてもよく、これらの省略に伴い、ビーム分
割素子152の第三の光ビームを作り出す機能は不要で
あり、移動検出回路は、第一の受光部164の出力信号
に基づいて光源部140とスケール110の間の相対移
動の量のみを検出する。
【0102】<相対移動検出>面発光レーザー150か
ら射出された光ビームL0は、ビーム分割素子152に
より分割され、第一の光ビームL1と第二の光ビームL2
と第三の光ビームL3が作り出される。
【0103】第一の光ビームL1は、スケール110の
第一の光学パターン114により第一の受光部164に
向けて反射され、第一の受光部164で検出される。第
一の受光部164は、入射する第一の光ビームL1の光
量に対応した信号を出力する。ヘッド部130とスケー
ル110の間の相対移動に対して、第一の受光部164
の出力信号は擬似正弦波となる。
【0104】同様に、第三の光ビームL3は、スケール
110の第三の光学パターン116により第三の受光部
166に向けて反射され、第三の受光部166で検出さ
れる。第三の受光部166は、入射する第三の光ビーム
L3の光量に対応した信号を出力する。ヘッド部130
とスケール110の間の相対移動に対して、第三の受光
部166の出力信号は擬似正弦波となる。
【0105】第一の受光部164と第三の受光部166
から出力される擬似正弦波の信号は互いに1/4周期あ
るいは3/4周期の位相差があるため、ヘッド部130
とスケール110の間の相対移動の方向と量を求めるこ
とができる。
【0106】<z相検出>第二の光ビームL2は、スケ
ール110の第二の光学パターン118により第二の受
光部170に向けて反射され、第二の受光部170で検
出される。第二の受光部170は、入射する第二の光ビ
ームL2の光量に対応した信号を出力する。
【0107】第二の光学パターン118は、その一端部
に低反射率の領域120を有しているため、第二の光ビ
ームL2が、この低反射率の領域120を照射すると
き、第二の受光部170の出力は大きく変化する。
【0108】従って、この第二の受光部170の出力の
変化を検出することにより、低反射率の領域120を基
準としてスケール110の位置を特定することができ
る。言い換えれば、第二の光ビームL2が低反射率の領
域120を照射することに対応した第二の受光部170
の出力信号の変化に基づいて、スケール110の原点信
号を得ることができる。
【0109】<ギャップ・姿勢検出>ヘッド部130と
スケール110は、望ましくは、相対的に適正なギャッ
プと適正な姿勢で保持される。この状態においては、レ
ーザーアレイ142から射出された第一の光ビームL1
と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3の主光線が、
それぞれ、スケール110で反射された後、第一の受光
部164と第二の受光部170と第三の受光部166の
中心に入射する。
【0110】スケール110とヘッド部130の光学的
・幾何学的配置が適正な状態から外れると、すなわち、
スケール110とヘッド部130の間のギャップdの最
適値からずれたり、ヘッド部130に対してスケール1
10がx軸周りやy軸周りに相対的に傾いたりすると、
第一の受光部164と第三の受光部166から出力され
る擬似正弦波の信号の位相が変わって検出信号に誤差が
生じたり、検出信号の出力が低下したりする。
【0111】このようなスケール110とヘッド部13
0の光学的・幾何学的配置の適正な状態からのずれは、
第二の受光部170の出力に基づいて検出され得る。
【0112】スケール110とヘッド部130の間のギ
ャップdの変化は、第二の受光部170に照射される第
二の光ビームL2のスポットをy軸に沿って移動させ
る。また、ヘッド部130に対するスケール110のx
軸周りの相対的な傾きは、第二の受光部170に照射さ
れる第二の光ビームL2のスポットをy軸に沿って移動
させるとともに、その形状を変形させる。同様に、ヘッ
ド部130に対するスケール110のy軸周りの相対的
な傾きは、第二の受光部170に照射される第二の光ビ
ームL2のスポットをx軸に沿って移動させるととも
に、その形状を変形させる。
【0113】従って、五個のフォトダイオード180と
182と184と186と188の出力に基づいて、第
二の光ビームL2の最も光量の強い位置を検出すること
により、スケール110とヘッド部130の間のギャッ
プの変化とヘッド部130に対するスケール110のx
軸周りの傾きとy軸周りの傾きが検出される。
【0114】あるいは、五個のフォトダイオード180
と182と184と186と188の出力に基づいて、
第二の光ビームL2のy軸方向とx軸方向の二次元的な
ビームプロファイルを必要に応じて補間を用いて計算
し、そのビームプロファイルのy軸方向とx軸方向の変
位量や形状の変化を調べることにより、スケール110
とヘッド部130の間のギャップの変化とヘッド部13
0に対するスケール110のx軸周りの傾きとy軸周り
の傾きとが分離して検出される。
【0115】このような検出の精度は、第二の受光部1
70のフォトダイオードの各々のy軸に沿った寸法とそ
れらの間隔およびx軸に沿った寸法とそれらの間隔を小
さくすることで高められる。ギャップの大きな変化やス
ケールの大きな傾きへの対応には、第二の受光部170
のフォトダイオードを配置する範囲を大きくすればよ
い。従って、高精度の検出とギャップの大きな変化やス
ケールの大きな傾きへの対応の両方を実現するには、第
二の受光部170は、y軸とx軸に沿った寸法が共に小
さいフォトダイオードを多数有し、それらがy軸とx軸
に沿って狭い間隔で広い範囲にわたって配置されている
とよい。
【0116】従って、メンテナンス時においては、第二
の受光部170の五個のフォトダイオード180と18
2と184と186と188の出力が最適なバランスに
戻るように、スケール110とヘッド部130の間のギ
ャップと姿勢を調整し直せばよい。また、組み立て時に
おいては、スケール110とヘッド部130を、第二の
受光部170の五個のフォトダイオード180と182
と184と186と188の出力が最適なバランスとな
るギャップと姿勢で配置し組み立てればよい。
【0117】また、組立後のヘッド130とスケール1
10のギャップ・姿勢検出に関しては、必ずしも、最適
なギャップと姿勢に対して、光量の最大位置が必ずしも
中央のフォトダイオード180の中心にくる必要はな
い。この場合、五個のフォトダイオード180と182
と184と186と188の出力のバランスが変化する
ことで、最適なギャップと姿勢から外れていくことが分
かり、五個のフォトダイオード180と182と184
と186と188の出力のバランスの変化により、ギャ
ップと姿勢の調整度合いについてある程度定量的な判断
ができる。これに基づいて、エンコーダーの再調整や交
換の判断が行なえる。
【0118】このように本実施の形態の光学式エンコー
ダーは、スケール110とヘッド部130の間のギャッ
プの変化やスケールのx軸周りとy軸周りの姿勢の変化
を測定できるため、以下の利点を有している。
【0119】ギャップの変化やスケールのx軸周りとy
軸周りの姿勢の変化により生じる検出信号の誤差を計算
して補正することができる。
【0120】所望のギャップとx軸周りとy軸周りの姿
勢における出力値が計算または経験的に導ければ、これ
を組立調整時やメンテナンスの際の調整の指標として用
いることで、調整用の測定器を減らしたり不要にしたり
することができ、簡便な調整が可能となる。
【0121】ギャップ信号とx軸周りとy軸周りの傾き
とに基づいて、出荷前の良品判定をしたり、経時変化が
生じた際のメンテナンスや交換の判定をしたりすること
ができる。
【0122】測定中のギャップの変化やx軸周りとy軸
周りの姿勢の変化により生じる検出信号の誤差の大きさ
を確認することで、補正が出来ない場合のエンコーダー
が保証できる検出精度の指標のひとつとなる。
【0123】<パワーモニター>経時変化や温度変化な
どにより面発光レーザー150から射出される光ビーム
L0のパワーが変化すると、これに応じて、第一の受光
部164と第三の受光部166の出力信号のレベルも変
化する。このような面発光レーザー150パワーの変化
は、検出信号の読み取りに誤差を生じさせ、その変化が
激しい場合には、検出信号を読み取りを不能にする。
【0124】面発光レーザー150のパワーの変化は、
第二の受光部170の出力信号に基づいて検出され得
る。
【0125】例えば、面発光レーザー150のパワーの
変化は、五個のフォトダイオード180と182と18
4と186と188の出力の任意の一つあるいはそれら
の合計に基づいて検出される。
【0126】あるいは、面発光レーザー150のパワー
の変化は、五個のフォトダイオード180と182と1
84と186と188の出力に基づいて、第二の光ビー
ムL2のy軸方向とx軸方向の二次元的なビームプロフ
ァイルを必要に応じて補間を用いて計算し、そのビーム
プロファイルから推定される、プロファイルのピーク点
の高さやフォトダイオードに入射する総光量により検出
される。
【0127】信号処理部220のAPC回路224は、
第二の受光部170の出力信号に基づいて、面発光レー
ザー150のパワーの変化を検出し、これを一定に保つ
ように面発光レーザー150を制御する。APC回路2
24により面発光レーザー150を制御する代わりに、
第二の受光部170の出力信号に基づいて、エンコーダ
ー信号である第一の受光部164と第三の受光部166
の出力信号を補正してもよい。
【0128】このように本実施の形態の光学式エンコー
ダーは、面発光レーザー150のパワーをモニターでき
るため、以下の利点を有している。
【0129】面発光レーザー150からの裏面出力をモ
ニターする必要が無い。これは、素子内を光が透過し難
く、裏面モニターの利用が困難な短波長の面発光レーザ
に有効である。
【0130】第二の受光部170の出力信号を面発光レ
ーザー150のパワー安定化用のモニター信号に利用す
ることで、第一の光ビームL1と第三の光ビームL3のパ
ワー変動を抑えることができ、第一の受光部164と第
三の受光部166の出力信号が安定し、検出精度が向上
する。
【0131】第一の光ビームL1と第三の光ビームL3の
パワー変動に基づいて、第一の受光部164と第三の受
光部166の出力信号の誤差を補正することで、検出精
度が向上される。
【0132】第二の受光部170がx軸とy軸に沿って
二次元的に並ぶ複数のフォトダイオードを有しているた
め、ギャップの変化やx軸周りやy軸周りの姿勢の変化
に影響されることなく、面発光レーザー150のパワー
を安定にモニターできる。また、ビームプロファイルを
計算できるため、少ない受光面積でモニターを行なえ
る。
【0133】[第四実施形態]図6に示されるように、
光学式エンコーダーは、光源部140と光検出部160
を含むヘッド部130と、これに対して特定の方向にす
なわちy軸に沿って移動可能なスケール110とを備え
ている。ヘッド部130は、光源部140と光検出部1
60を保持するベース132を更に有し、スケール11
0に対して、望ましくは、適正なギャップdと適正な姿
勢で保持される。
【0134】スケール110は、平板状の基板112
と、その表面に設けられた第一の光学パターン114と
第二の光学パターン118と第三の光学パターン116
とを有している。スケール110は長手軸を有してお
り、この長手軸が移動方向すなわちy軸に対して平行に
なるように配置される。第一の光学パターン114と第
二の光学パターン118と第三の光学パターン116は
共に長手軸に沿って帯状に延びている。第一の光学パタ
ーン114と第三の光学パターン116は長手軸に沿っ
て一定の周期で光学特性が変化するが、第二の光学パタ
ーン118は長手軸に沿ったほぼ全域にわたり光学特性
が一定である。
【0135】ここにおいて「光学特性」は、反射率や透過
率等の光に作用する諸特性をいう。本実施形態は反射型
の光学式エンコーダーであるため、本実施形態では光学
特性は反射率を意味するが、透過型の光学式エンコーダ
ーにおいては透過率を意味する。
【0136】第一の光学パターン114と第三の光学パ
ターン116は共に、高反射率の領域と低反射率の領域
とが長手軸に沿って数十μmのピッチP0で交互に並ん
でいる。第一の光学パターン114と第三の光学パター
ン116は、同じ周期を有するが、位相がずれている。
すなわち、第一の光学パターン114と第三の光学パタ
ーン116の反射率の異なる二つの領域が互いに長手軸
に沿ってδずれている。言い換えれば、第三の光学パタ
ーン116は、第一の光学パターン114を長手軸に沿
ってδ移動させたものと等価である。両者の間のずれδ
は、望ましくは、δ=P0・(2n−1)/4を満たしてい
る。ここでnは自然数である。
【0137】第二の光学パターンは、高反射率の領域が
長手軸に沿って帯状に延びており、その一方の端部に低
反射率の領域120を有している。
【0138】光源部140は、一本の光ビームL0を射
出する面発光レーザー150と、光ビームL0を分割し
て第一の光ビームL1と第二の光ビームL2と第三の光ビ
ームL3と第四の光ビームL4を作り出すビーム分割素子
154とを備えている。面発光レーザー150は、xy
平面に傾きを持って、すなわち、x軸の周りに傾いて配
置されている。
【0139】ビーム分割素子154は、例えば回折格子
である。回折格子は、面発光レーザー150に近い面が
ハーフミラーであり、その反対側のスケール110に近
い面に、x軸に沿って一定のピッチpgで並ぶ多数のy
軸に沿って延びる溝を有している。回折格子154は、
入射する光ビームL0をx軸に沿って回折させ、その内
の0次光と±1次光から、第一の光ビームL1と第二の
光ビームL2と第三の光ビームL3を作り出すとともに、
入射する光ビームL0を部分的に反射して第四の光ビー
ムL4を作り出す。
【0140】このように作り出された第一の光ビームL
1と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3は、それぞ
れ、第一の光学パターン114と第二の光学パターン1
18と第三の光学パターン116に照射される。また、
第四の光ビームL4は光検出部160に方向付けられ
る。
【0141】このような一個の面発光レーザー150と
ビーム分割素子154の使用は、高い信頼性が必要なレ
ーザーの数を減らし、コスト低減や信頼性の向上にとっ
て有利である。また、使用するレーザーが1個で済むた
め、レーザーのボンディング時のアライメントに関し
て、チップの回転ずれの精度への影響を考慮しなくて済
む。
【0142】光検出部160は、例えばフォトICであ
り、第一の光学パターン114を経由した第一の光ビー
ムL1を受光する第一の受光部164と、第二の光学パ
ターン118を経由した第二の光ビームL2を受光する
第二の受光部170と、第三の光学パターン116を経
由した第三の光ビームL3を受光する第三の受光部16
6と、第四の光ビームL4を直接受光する第四の受光部
210とを備えている。第一の受光部164と第二の受
光部170と第三の受光部166は、その中心がx軸に
沿って並ぶように配置されている。
【0143】第一の受光部164と第三の受光部166
と第四の受光部210は、それぞれ、第一の光ビームL
1と第三の光ビームL3と第四の光ビームL4の径に比べ
て大きい受光領域を持つ単一のフォトダイオードで構成
される。
【0144】また、第二の受光部170は、図7に示さ
れるように、x軸とy軸に沿って、二次元的に配列され
た五個のフォトダイオード190と192と194と1
96と198を備えている。中央のフォトダイオード1
90は円形形状を有し、他の四個のフォトダイオード1
92と194と196と198は、全体で中央のフォト
ダイオード190を取り囲む輪帯形状を成しており、そ
れぞれ90°の角度間隔で配置されている。第二の受光
部170に照射される第二の光ビームL2は、ガウシア
ン分布のように、中心が最も高く、そこから離れるにつ
れて低下する光量分布を有する。本実施形態では、第二
の受光部170は、五個のフォトダイオードを備えてい
るが、その個数はこれに限らず、それよりも多くのフォ
トダイオードを備えていてもよい。
【0145】前述したように、ヘッド部130は、望ま
しくは、スケール110に対して、適正なギャップと適
正な姿勢で保持される。この状態において、第二の光ビ
ームL2の主光線は、第二の受光部170の中心に入射
する。更に詳しく言えば、その主光線が中央のフォトダ
イオード190の中心に入射する。一方、第一の光ビー
ムL1と第三の光ビームL3と第四の光ビームL4は、ギ
ャップと姿勢にそれほど影響されることなく、それぞ
れ、第一の受光部164と第三の受光部166と第四の
受光部210にほぼ適正に入射する。
【0146】光検出部160は更に、第一の受光部16
4と第二の受光部170と第三の受光部166の出力信
号を処理する信号処理部220を備えている。信号処理
部220は、例えば、面発光レーザー150を駆動する
レーザー駆動回路と、第一の受光部164と第三の受光
部166の出力信号のゲインとオフセットを調整する正
規化回路と、第一の受光部164の出力信号と第三の受
光部166の出力信号とに基づいて光源部140とスケ
ール110の間の相対移動の量と方向を検出する移動検
出回路と、第二の受光部170の出力信号に基づいて光
源部140とスケール110のギャップdと相対姿勢を
検出するギャップ・相対姿勢検出回路222と、第四の
受光部210の出力信号に基づいて光源部140のパワ
ーを検出してこれを制御するオートパワーコントロール
(APC)回路224と、第二の受光部170の出力信号
に基づいてスケール110のx軸周りの傾きを検出する
x軸周り傾き検出回路226と、第二の受光部170の
出力信号に基づいてスケール110のy軸周りの傾きを
検出するy軸周り傾き検出回路228とを含んでいる。
【0147】本実施形態の光学式エンコーダーは、光源
部140とスケール110の間の相対移動の方向と量を
検出し得るが、要求される機能が移動量の検出のみの場
合には、第三の光学パターン116と第三の受光部16
6は省略されてもよく、これらの省略に伴い、ビーム分
割素子154は第三の光ビームを作り出す機能は不要で
あり、移動検出回路は、第一の受光部164の出力信号
に基づいて光源部140とスケール110の間の相対移
動の量のみを検出する。
【0148】<相対移動検出>面発光レーザー150か
ら射出された光ビームL0は、ビーム分割素子154に
より分割され、第一の光ビームL1と第二の光ビームL2
と第三の光ビームL3と第四の光ビームL4が作り出され
る。
【0149】第一の光ビームL1は、スケール110の
第一の光学パターン114により第一の受光部164に
向けて反射され、第一の受光部164で検出される。第
一の受光部164は、入射する第一の光ビームL1の光
量に対応した信号を出力する。ヘッド部130とスケー
ル110の間の相対移動に対して、第一の受光部164
の出力信号は擬似正弦波となる。
【0150】同様に、第三の光ビームL3は、スケール
110の第三の光学パターン116により第三の受光部
166に向けて反射され、第三の受光部166で検出さ
れる。第三の受光部166は、入射する第三の光ビーム
L3の光量に対応した信号を出力する。ヘッド部130
とスケール110の間の相対移動に対して、第三の受光
部166の出力信号は擬似正弦波となる。
【0151】第一の受光部164と第三の受光部166
から出力される擬似正弦波の信号は互いに1/4周期あ
るいは3/4周期の位相差があるため、ヘッド部130
とスケール110の間の相対移動の方向と量を求めるこ
とができる。
【0152】<z相検出>第二の光ビームL2は、スケ
ール110の第二の光学パターン118により第二の受
光部170に向けて反射され、第二の受光部170で検
出される。第二の受光部170は、入射する第二の光ビ
ームL2の光量に対応した信号を出力する。
【0153】第二の光学パターン118は、その一端部
に低反射率の領域120を有しているため、第二の光ビ
ームL2が、この低反射率の領域120を照射すると
き、第二の受光部170の出力は大きく変化する。
【0154】従って、この第二の受光部170の出力の
変化を検出することにより、低反射率の領域120を基
準としてスケール110の位置を特定することができ
る。言い換えれば、第二の光ビームL2が低反射率の領
域120を照射することに対応した第二の受光部170
の出力信号の変化に基づいて、スケール110の原点信
号を得ることができる。
【0155】<ギャップ・姿勢検出>ヘッド部130と
スケール110は、望ましくは、相対的に適正なギャッ
プと適正な姿勢で保持される。この状態においては、レ
ーザーアレイ142から射出された第一の光ビームL1
と第二の光ビームL2と第三の光ビームL3の主光線が、
それぞれ、スケール110で反射された後、第一の受光
部164と第二の受光部170と第三の受光部166の
中心に入射する。
【0156】スケール110とヘッド部130の光学的
・幾何学的配置が適正な状態から外れると、すなわち、
スケール110とヘッド部130の間のギャップdの最
適値からずれたり、ヘッド部130に対してスケール1
10がx軸周りやy軸周りに相対的に傾いたりすると、
第一の受光部164と第三の受光部166から出力され
る擬似正弦波の信号の位相が変わって検出信号に誤差が
生じたり、検出信号の出力が低下したりする。
【0157】このようなスケール110とヘッド部13
0の光学的・幾何学的配置の適正な状態からのずれは、
第二の受光部170の出力に基づいて検出され得る。
【0158】スケール110とヘッド部130の間のギ
ャップdの変化は、第二の受光部170に照射される第
二の光ビームL2のスポットをy軸に沿って移動させ
る。また、ヘッド部130に対するスケール110のx
軸周りの相対的な傾きは、第二の受光部170に照射さ
れる第二の光ビームL2のスポットをy軸に沿って移動
させるとともに、その形状を変形させる。同様に、ヘッ
ド部130に対するスケール110のy軸周りの相対的
な傾きは、第二の受光部170に照射される第二の光ビ
ームL2のスポットをx軸に沿って移動させるととも
に、その形状を変形させる。
【0159】従って、五個のフォトダイオード190と
192と194と196と198の出力に基づいて、第
二の光ビームL2の最も光量の強い位置を検出すること
により、スケール110とヘッド部130の間のギャッ
プの変化とヘッド部130に対するスケール110のx
軸周りの傾きとy軸周りの傾きが検出される。
【0160】あるいは、五個のフォトダイオード190
と192と194と196と198の出力に基づいて、
第二の光ビームL2のy軸方向とx軸方向の二次元的な
ビームプロファイルを必要に応じて補間を用いて計算
し、そのビームプロファイルのy軸方向とx軸方向の変
位量や形状の変化を調べることにより、スケール110
とヘッド部130の間のギャップの変化とヘッド部13
0に対するスケール110のx軸周りの傾きとy軸周り
の傾きとが分離して検出される。
【0161】このような検出の精度は、第二の受光部1
70のフォトダイオードの各々のy軸に沿った寸法とそ
れらの間隔およびx軸に沿った寸法とそれらの間隔を小
さくすることで高められる。ギャップの大きな変化やス
ケールの大きな傾きへの対応には、第二の受光部170
のフォトダイオードを配置する範囲を大きくすればよ
い。従って、高精度の検出とギャップの大きな変化やス
ケールの大きな傾きへの対応の両方を実現するには、第
二の受光部170は、y軸とx軸に沿った寸法が共に小
さいフォトダイオードを多数有し、それらがy軸とx軸
に沿って狭い間隔で広い範囲にわたって配置されている
とよい。
【0162】従って、メンテナンス時においては、第二
の受光部170の五個のフォトダイオード190と19
2と194と196と198の出力が最適なバランスに
戻るように、スケール110とヘッド部130の間のギ
ャップと姿勢を調整し直せばよい。また、組み立て時に
おいては、スケール110とヘッド部130を、第二の
受光部170の五個のフォトダイオード190と192
と194と196と198の出力が最適なバランスとな
るギャップと姿勢で配置し組み立てればよい。
【0163】また、組立後のヘッド130とスケール1
10のギャップ・姿勢検出に関しては、必ずしも、最適
なギャップと姿勢に対して、光量の最大位置が必ずしも
中央のフォトダイオード180の中心にくる必要はな
い。この場合、五個のフォトダイオード190と192
と194と196と198の出力のバランスが変化する
ことで、最適なギャップと姿勢から外れていくことが分
かり、五個のフォトダイオード190と192と194
と196と198の出力のバランスの変化により、ギャ
ップと姿勢の調整度合いについてある程度定量的な判断
ができる。これに基づいて、エンコーダーの再調整や交
換の判断が行なえる。
【0164】このように本実施の形態の光学式エンコー
ダーは、スケール110とヘッド部130の間のギャッ
プの変化やスケールのx軸周りとy軸周りの姿勢の変化
を測定できるため、以下の利点を有している。
【0165】ギャップの変化やスケールのx軸周りとy
軸周りの姿勢の変化により生じる検出信号の誤差を計算
して補正することができる。
【0166】所望のギャップとx軸周りとy軸周りの姿
勢における出力値が計算または経験的に導ければ、これ
を組立調整時やメンテナンスの際の調整の指標として用
いることで、調整用の測定器を減らしたり不要にしたり
することができ、簡便な調整が可能となる。
【0167】ギャップ信号とx軸周りとy軸周りの傾き
とに基づいて、出荷前の良品判定をしたり、経時変化が
生じた際のメンテナンスや交換の判定をしたりすること
ができる。
【0168】測定中のギャップの変化やx軸周りとy軸
周りの姿勢の変化により生じる検出信号の誤差の大きさ
を確認することで、補正が出来ない場合のエンコーダー
が保証できる検出精度の指標のひとつとなる。
【0169】<パワーモニター>経時変化や温度変化な
どにより面発光レーザー150から射出される光ビーム
L0のパワーが変化すると、これに応じて、第一の受光
部164と第三の受光部166の出力信号のレベルも変
化する。このような面発光レーザー150パワーの変化
は、検出信号の読み取りに誤差を生じさせ、その変化が
激しい場合には、検出信号を読み取りを不能にする。
【0170】ビーム分割素子154により作り出された
第四の光ビームL4は、第四の受光部210に直接方向
付けられ、第四の受光部210で検出される。第四の受
光部210は、入射する第四の光ビームL4の光量に対
応した信号を出力する。従って、面発光レーザー150
のパワーの変化は、第四の受光部210の出力信号に基
づいて検出される。
【0171】信号処理部220のAPC回路224は、
第四の受光部210の出力信号に基づいて、面発光レー
ザー150のパワーの変化を検出し、これを一定に保つ
ように面発光レーザー150を制御する。APC回路2
24により面発光レーザー150を制御する代わりに、
第四の受光部210の出力信号に基づいて、エンコーダ
ー信号である第一の受光部164と第三の受光部166
の出力信号を補正してもよい。
【0172】このように本実施の形態の光学式エンコー
ダーは、面発光レーザー150のパワーをモニターでき
るため、以下の利点を有している。
【0173】面発光レーザー150からの裏面出力をモ
ニターする必要が無い。これは、素子内を光が透過し難
く、裏面モニターの利用が困難な短波長の面発光レーザ
に有効である。
【0174】第四の受光部210の出力信号を面発光レ
ーザー150のパワー安定化用のモニター信号に利用す
ることで、第一の光ビームL1と第三の光ビームL3のパ
ワー変動を抑えることができ、第一の受光部164と第
三の受光部166の出力信号が安定し、検出精度が向上
する。
【0175】第一の光ビームL1と第三の光ビームL3の
パワー変動に基づいて、第一の受光部164と第三の受
光部166の出力信号の誤差を補正することで、検出精
度が向上される。
【0176】スケール110を経由しない第四の光ビー
ムL4の光量に対応した第四の受光部210の出力信号
をモニター信号に用いているため、ギャップや姿勢の変
化の影響を全く受けない高精度のモニタリングを行なえ
る。このような高精度のモニタリングは、ギャップや姿
勢の変化の測定の精度を高める。
【0177】これまで、いくつかの実施の形態について
図面を参照しながら具体的に説明したが、本発明は、上
述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨
を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【0178】従って、本発明は、以下の各項に記す光学
式エンコーダーを含んでいる。
【0179】1. 光源部と光検出部を含むヘッド部
と、ヘッド部に対して相対的に特定の方向に移動可能な
スケールとを備えており、スケールは、移動方向に沿っ
て延びる長手軸と、長手軸に沿って光学特性が一定の周
期で変化する第一の光学パターンと、長手軸に沿ったほ
ぼ全域にわたって光学特性が一定である第二の光学パタ
ーンとを有し、光源部は、第一の光学パターンに照射さ
れる第一の光ビームと、第二の光学パターンに照射され
る第二の光ビームとを射出し、光検出部は、第一の光学
パターンを経由した第一の光ビームを受光する第一の受
光部と、第二の光学パターンを経由した第二の光ビーム
を受光する第二の受光部と、第一の受光部と第二の受光
部の出力信号を処理する信号処理部とを有し、信号処理
部は、第一の受光部の出力信号に基づいてヘッド部とス
ケールの間の相対移動の量を検出する移動検出手段と、
第二の受光部の出力信号に基づいてヘッド部とスケール
のギャップと相対姿勢を検出するギャップ・相対姿勢検
出手段とを含んでいる、光学式エンコーダー。
【0180】2. 第1項において、スケールは、長手
軸に沿って光学特性が一定の周期で変化する第三の光学
パターンを更に有し、第一の光学パターンと第三の光学
パターンは同じ周期を有するが、位相がずれており、光
源部は、第三の光学パターンに照射される第三の光ビー
ムを更に射出し、光検出部は、第三の光学パターンを経
由した第三の光ビームを受光する第三の受光部を更に有
し、移動検出手段は、第一の受光部の出力信号と第三の
受光部の出力信号に基づいてヘッド部とスケールの間の
相対移動の量と方向を検出する、光学式エンコーダー。
【0181】3. 第1項において、光学特性が反射率
である、光学式エンコーダー。
【0182】4. 第1項において、光学特性が透過率
である、光学式エンコーダー。
【0183】5. 第1項において、第二の受光部が、
スケールの移動方向に沿って並んだ複数の受光素子を含
んでいる、光学式エンコーダー。
【0184】6. 第1項において、スケールは移動方
向に平行な平面の面を持ち、第二の受光部が、スケール
の面に平行に、二次元的に配置された複数の受光素子を
含んでいる、光学式エンコーダー。
【0185】7. 第1項において、第二の光学パター
ンは、他に対して光学特性が異なる基準領域を有してお
り、信号処理部は、第二の受光部の出力信号に基づいて
基準領域を検知することによりスケールの基準位置を検
出する基準位置検出手段を更に含んでいる、光学式エン
コーダー。
【0186】8. 第1項において、光源部が、第一の
光ビームを発する第一の発光素子と第二の光ビームを発
する第二の発光素子とを備えている、光学式エンコーダ
ー。
【0187】9. 第1項において、光源部が、一本の
光ビームを発する発光素子と、一本の光ビームを分割し
て第一の光ビームと第二の光ビームを作り出すビーム分
割素子とを含んでいる、光学式エンコーダー。
【0188】10. 第2項において、光源部が、第一
の光ビームを発する第一の発光素子と第二の光ビームを
発する第二の発光素子と第三の光ビームを発する第三の
発光素子とを備えている、光学式エンコーダー。
【0189】11. 第2項において、光源部が、一本
の光ビームを発する発光素子と、一本の光ビームを分割
して第一の光ビームと第二の光ビームと第三の光ビーム
を作り出すビーム分割素子とを含んでいる、光学式エン
コーダー。
【0190】12. 第11項において、光検出部は、
第四の受光部を更に備えており、ビーム分割素子は、第
一の光ビームと第二の光ビームと第三の光ビームの他
に、第四の受光部に直接照射される第四の光ビームを更
に作り出し、信号処理部は、第四の受光部の出力信号に
基づいて光源部のパワーを検出するパワー検出手段を更
に含んでいる、光学式エンコーダー。
【0191】13. 第12項において、信号処理部
が、パワー補正手段を更に含んでいる、光学式エンコー
ダー。
【0192】14. 第1項において、信号処理部が、
第二の受光部の出力信号に基づいて光源部のパワーを検
出するパワー検出手段を更に含んでいる、光学式エンコ
ーダー。
【0193】15. 第14項において、信号処理部
が、パワー補正手段を更に含んでいる、光学式エンコー
ダー。
【0194】16. 光源部と光検出部を含むヘッド部
と、ヘッド部に対して相対的に特定の方向に移動可能な
スケールとを備えており、スケールは、移動方向に沿っ
て延びる長手軸と、長手軸に沿って光学特性が一定の周
期で変化する第一の光学パターンと、長手軸に沿ったほ
ぼ全域にわたって光学特性が一定である第二の光学パタ
ーンとを有し、光源部は、第一の光学パターンに照射さ
れる第一の光ビームと、第二の光学パターンに照射され
る第二の光ビームとを射出し、光検出部は、第一の光学
パターンを経由した第一の光ビームを受光する第一の受
光部と、第二の光学パターンを経由した第二の光ビーム
を受光する第二の受光部と、第一の受光部と第二の受光
部の出力信号を処理する信号処理部とを有し、信号処理
部は、第一の受光部の出力信号に基づいてヘッド部とス
ケールの間の相対移動の量を検出する移動検出手段と、
第二の受光部の出力信号に基づいて光源部のパワーを検
出するパワー検出手段とを含んでいる、光学式エンコー
ダー。
【0195】17. 第16項において、信号処理部
が、パワー補正手段を更に含んでいる、光学式エンコー
ダー。
【0196】
【発明の効果】本発明よれば、ヘッド部とスケールの光
学的・幾何学的配置を検出する機能と、光源部のパワー
を計測する機能とを有する光学式エンコーダーが提供さ
れる。これにより、組み立て時の位置決め・位置合わせ
やメンテナンス時の調整が容易に行なえるとともに、組
み立て時の良品の判断やメンテナンス時の交換の判断を
定量的に行なえるようになる。また、光源部のパワーの
安定化を計ったり検出信号の補正を行なえるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態による光学式エンコーダ
ーの概略斜視図である。
【図2】本発明の第二実施形態による光学式エンコーダ
ーの概略斜視図である。
【図3】図2に示される光検出部の平面図である。
【図4】本発明の第三実施形態による光学式エンコーダ
ーの概略斜視図である。
【図5】図4に示される光検出部の平面図である。
【図6】本発明の第四実施形態による光学式エンコーダ
ーの概略斜視図である。
【図7】図6に示される光検出部の平面図である。
【符号の説明】
110 スケール 114 第一の光学パターン 118 第二の光学パターン 116 第三の光学パターン 130 ヘッド部 140 光源部 160 光検出部 164 第一の受光部 166 第三の受光部 170 第二の受光部 220 信号処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 駒崎 岩男 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 2F103 BA28 BA31 CA03 DA01 DA12 EB02 EB12 EB16 EB23 EB32 FA12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源部と光検出部を含むヘッド部と、 ヘッド部に対して相対的に特定の方向に移動可能なスケ
    ールとを備えており、 スケールは、移動方向に沿って延びる長手軸と、長手軸
    に沿って光学特性が一定の周期で変化する第一の光学パ
    ターンと、長手軸に沿ったほぼ全域にわたって光学特性
    が一定である第二の光学パターンとを有し、 光源部は、第一の光学パターンに照射される第一の光ビ
    ームと、第二の光学パターンに照射される第二の光ビー
    ムとを射出し、 光検出部は、第一の光学パターンを経由した第一の光ビ
    ームを受光する第一の受光部と、第二の光学パターンを
    経由した第二の光ビームを受光する第二の受光部と、第
    一の受光部と第二の受光部の出力信号を処理する信号処
    理部とを有し、 信号処理部は、第一の受光部の出力信号に基づいてヘッ
    ド部とスケールの間の相対移動の量を検出する移動検出
    手段と、第二の受光部の出力信号に基づいてヘッド部と
    スケールのギャップと相対姿勢を検出するギャップ・相
    対姿勢検出手段とを含んでいる、光学式エンコーダー。
  2. 【請求項2】 信号処理部が、第二の受光部の出力信号
    に基づいて光源部のパワーを検出するパワー検出手段を
    更に含んでいる、請求項1に記載の光学式エンコーダ
    ー。
  3. 【請求項3】 光源部と光検出部を含むヘッド部と、 ヘッド部に対して相対的に特定の方向に移動可能なスケ
    ールとを備えており、 スケールは、移動方向に沿って延びる長手軸と、長手軸
    に沿って光学特性が一定の周期で変化する第一の光学パ
    ターンと、長手軸に沿ったほぼ全域にわたって光学特性
    が一定である第二の光学パターンとを有し、 光源部は、第一の光学パターンに照射される第一の光ビ
    ームと、第二の光学パターンに照射される第二の光ビー
    ムとを射出し、 光検出部は、第一の光学パターンを経由した第一の光ビ
    ームを受光する第一の受光部と、第二の光学パターンを
    経由した第二の光ビームを受光する第二の受光部と、第
    一の受光部と第二の受光部の出力信号を処理する信号処
    理部とを有し、 信号処理部は、第一の受光部の出力信号に基づいてヘッ
    ド部とスケールの間の相対移動の量を検出する移動検出
    手段と、第二の受光部の出力信号に基づいて光源部のパ
    ワーを検出するパワー検出手段とを含んでいる、光学式
    エンコーダー。
JP36294199A 1999-12-21 1999-12-21 光学式エンコーダー Expired - Fee Related JP4576014B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36294199A JP4576014B2 (ja) 1999-12-21 1999-12-21 光学式エンコーダー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36294199A JP4576014B2 (ja) 1999-12-21 1999-12-21 光学式エンコーダー

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2001174287A true JP2001174287A (ja) 2001-06-29
JP2001174287A5 JP2001174287A5 (ja) 2007-02-08
JP4576014B2 JP4576014B2 (ja) 2010-11-04

Family

ID=18478122

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36294199A Expired - Fee Related JP4576014B2 (ja) 1999-12-21 1999-12-21 光学式エンコーダー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4576014B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005128002A (ja) * 2003-10-01 2005-05-19 Olympus Corp エンコーダ
JP2005156367A (ja) * 2003-11-26 2005-06-16 Olympus Corp 光学式エンコーダ
JP2012093159A (ja) * 2010-10-26 2012-05-17 Mitsutoyo Corp 光電式エンコーダ
JP2013096757A (ja) * 2011-10-28 2013-05-20 Mitsutoyo Corp 変位検出装置、変位検出方法及び変位検出プログラム
JP2013195432A (ja) * 2012-03-22 2013-09-30 Dr Johannes Heidenhain Gmbh 位置測定装置とこのような位置測定装置を備えた構造体
JP2017167145A (ja) * 2016-03-16 2017-09-21 ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツングDr. Johannes Heidenhain Gesellschaft Mit Beschrankter Haftung 光学式の距離センサおよび光学式の距離センサを備える位置測定装置
EP4174447A1 (de) 2021-10-29 2023-05-03 Dr. Johannes Heidenhain GmbH Optische positionsmesseinrichtung und verfahren zum betrieb einer optischen positionsmesseinrichtung

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01284716A (ja) * 1988-05-10 1989-11-16 Canon Inc エンコーダー
JPH02103416A (ja) * 1988-10-12 1990-04-16 Mitsutoyo Corp 光電式変位検出器
JPH0367123A (ja) * 1989-08-04 1991-03-22 Nippondenso Co Ltd 光学式エンコーダ
JPH0783612A (ja) * 1993-09-17 1995-03-28 Canon Inc 光学式変位センサ
JPH08254440A (ja) * 1995-03-17 1996-10-01 Olympus Optical Co Ltd 光学式エンコーダ
JP2001041730A (ja) * 1999-07-27 2001-02-16 Futaba Corp リニヤスケール

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01284716A (ja) * 1988-05-10 1989-11-16 Canon Inc エンコーダー
JPH02103416A (ja) * 1988-10-12 1990-04-16 Mitsutoyo Corp 光電式変位検出器
JPH0367123A (ja) * 1989-08-04 1991-03-22 Nippondenso Co Ltd 光学式エンコーダ
JPH0783612A (ja) * 1993-09-17 1995-03-28 Canon Inc 光学式変位センサ
JPH08254440A (ja) * 1995-03-17 1996-10-01 Olympus Optical Co Ltd 光学式エンコーダ
JP2001041730A (ja) * 1999-07-27 2001-02-16 Futaba Corp リニヤスケール

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005128002A (ja) * 2003-10-01 2005-05-19 Olympus Corp エンコーダ
JP2005156367A (ja) * 2003-11-26 2005-06-16 Olympus Corp 光学式エンコーダ
JP4508614B2 (ja) * 2003-11-26 2010-07-21 オリンパス株式会社 光学式エンコーダ
JP2012093159A (ja) * 2010-10-26 2012-05-17 Mitsutoyo Corp 光電式エンコーダ
JP2013096757A (ja) * 2011-10-28 2013-05-20 Mitsutoyo Corp 変位検出装置、変位検出方法及び変位検出プログラム
JP2013195432A (ja) * 2012-03-22 2013-09-30 Dr Johannes Heidenhain Gmbh 位置測定装置とこのような位置測定装置を備えた構造体
JP2017167145A (ja) * 2016-03-16 2017-09-21 ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツングDr. Johannes Heidenhain Gesellschaft Mit Beschrankter Haftung 光学式の距離センサおよび光学式の距離センサを備える位置測定装置
EP4174447A1 (de) 2021-10-29 2023-05-03 Dr. Johannes Heidenhain GmbH Optische positionsmesseinrichtung und verfahren zum betrieb einer optischen positionsmesseinrichtung
DE102021212224A1 (de) 2021-10-29 2023-05-04 Dr. Johannes Heidenhain Gmbh Optische Positionsmesseinrichtung und Verfahren zum Betrieb einer optischen Positionsmesseinrichtung

Also Published As

Publication number Publication date
JP4576014B2 (ja) 2010-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4399179B2 (ja) 光学式変位検出装置および方法
JP4473665B2 (ja) 分光器
US7002137B2 (en) Reference point talbot encoder
JPH02192035A (ja) 情報面光学走査装置
US20110192964A1 (en) Encoder
US10082410B2 (en) Optical position measuring device for generating wavelength-dependent scanning signals
US7995212B2 (en) Optical displacement measuring device
US6956654B2 (en) Displacement measuring device with interference grating
US20020134927A1 (en) Optical encoder
JP4576014B2 (ja) 光学式エンコーダー
US4729654A (en) Laser interferometer
JPS625677A (ja) 周波数安定化半導体レ−ザ−素子
CA2458954A1 (en) Reference point talbot encoder
US20180066966A1 (en) Displacement measuring device and method of measuring displacement
US9719809B2 (en) Optical unit and displacement measuring device
EP2023095B1 (en) Fixed-point detector and displacement-measuring apparatus
US20030072010A1 (en) Non-etalon reflective wavelength locking optical sub-assembly and associated methods
JP2003004487A (ja) 光学式検出装置
US10866084B2 (en) Relative position detection means and displacement detection device
US10746533B2 (en) Relative position detection means and displacement detection device
JPH01232214A (ja) エンコーダ
JP2824074B2 (ja) 光学ヘッドの製造方法
JP4416560B2 (ja) 光学式変位測定装置
US6717682B2 (en) Non-etalon wavelength locking optical sub-assembly and associated methods
KR20000011403A (ko) 광학식변위측정장치

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061211

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061211

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100406

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100526

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100810

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100823

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130827

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees