JP4575030B2 - エレベータ交通需要予測装置およびそれを備えるエレベータ制御装置 - Google Patents
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図1は、この発明の実施の形態1に係わるエレベータ交通需要予測装置が設置されたエレベータの概観図である。図2は、実施の形態1のエレベータ交通需要予測装置の機能ブロック図である。図3は、乗降人数などの時系列データのデータ構造を説明するための図である。図4は、乗降人数などからなる時系列データの更新の手順を示すフローチャートである。図5は、かごの待機階を決定する手順を示すフローチャートである。
かご3の内側の床に乗客の重さを計測する秤8が備えられている。なお、秤8以外に、画像センサや光電センサなどを利用して人数を計数してもよい。
呼び釦4、行先階登録装置5、秤8は、通信回線9を介してエレベータ制御装置7に接続されている。
エレベータ交通需要予測装置11は、図2に示すように、かご内人数計測手段12、乗降人数算出手段13、時系列データ管理手段14、滞在人数算出手段15、待客発生数予測手段16、予測関数学習手段17、かご配車階決定手段18を有している。
また、建物外部との出入口がある階床の滞在人数は、ICカード、RFID、指紋や顔による生体認証等の出入口での個人認証装置や、出入口ゲートに設置された赤外線センサ等の人数計測センサを利用して計測した建物入退場者数を用いて、補正してもよい。
なお、待客発生数予測関数gとして線形関数を例に挙げたが、これに限るものではなく、非線形の他の関数を用いても同様に予測することができる。
この学習方法としていくつか考えられるが、例えば待客発生数予測関数gが式(6)に示した線形関数の場合、最小自乗法によって係数等のパラメータの学習が可能である。
また、待客発生数予測関数gが非線形関数の場合でも、ニューラルネット等の手法によって係数等のパラメータの学習が可能である。
なお、かご配車階決定手段18は、式(8)の評価関数V(F)を最小にするFをかご配車階として決定するとしたが、式(9)に示す各階の現時刻tから所定時間先の間の待客発生数予測数が最大の階床としてもよい。
また、1番目に式(9)の値が最大になる階床、2番目に大きくなるような階床というように順番に配車階を決定してもよい。
また、滞在人数が0人の階床は、乗車する乗客が発生する可能性がほとんどないため、配車階の候補から除外してもよい。
ステップ101で、乗降人数算出手段13は、所定の周期毎にかご内人数計測手段12から乗客の重さのデータを収集し、ステップ102へ進む。
ステップ102で、乗降人数算出手段13は、所定の期間における乗客の重さのデータからその間に乗車した乗車人数および降車した降車人数を算出してステップ103へ進む。かご3が上昇の後停止したとき、上昇降車人数nfUL+(t)および上昇乗車人数nfL+(t)が算出される。また、かごが下降の後停止したとき、下降降車人数nfUL−(t)および下降乗車人数nfL−(t)が算出される。
ステップ103で、時系列データ管理手段14は、算出された上昇降車人数nfUL+(t)および上昇乗車人数nfL+(t)または下降降車人数nfUL−(t)および下降乗車人数nfL−(t)を最新のデータとし、過去所定の期間に亘る上昇降車人数および上昇乗車人数または下降降車人数および下降乗車人数に係わる時系列データを更新したのち記憶し、ステップ104へ進む。
ステップ104で、滞在人数算出手段15は、時系列データ管理手段14に記憶された所望の期間に亘る上昇降車人数および上昇乗車人数と下降降車人数および下降乗車人数のデータを読み込み、式(1)、式(2)に従い、滞在人数nf(t)を算出し、算出した滞在人数nf(t)を最新のデータとし、過去所定の期間に亘る滞在人数に係わる時系列データを更新したのち時系列データ管理手段14に記憶し、ステップ105へ進む。
ステップ105で、予測関数学習手段17は、時系列データ管理手段14から予め設定した期間(S+1)の上昇乗車人数と滞在人数の時系列データを読み出し、式(10)のように、(S+1)個の式から最小自乗法により、係数q、p0〜pTを求め、式(6)のb=q、a0=p0、・・・、aT=pTに代入する。同様に、予測関数学習手段17は、時系列データ管理手段14から予め設定した期間(S+1)の下降乗車人数と滞在人数の時系列データを読み出し、最小自乗法により、係数を求め、式(7)のd、c0、・・・、cTに代入して待客発生数予測関数の更新の手順を終了する。
ステップ201で、待客発生数予測手段16は、呼び釦4からの呼びの有無を判断する。呼びがあるとき、ステップ201を繰り返す。呼びがないとき、ステップ202へ進む。
ステップ202で、待客発生数予測手段16は、時系列データ管理手段14に記憶されている所定の期間、すなわち過去(t−T)から現在(t)までに亘る上昇乗車人数、下降乗車人数、滞在人数に係わる時系列データを読み出し、ステップ203へ進む。
ステップ203で、待客発生数予測手段16は、予測関数学習手段17に記憶されている待客発生数予測関数を読み出し、ステップ204へ進む。
ステップ204で、待客発生数予測手段16は、ステップ202で読み出した時系列データと待客発生数予測関数とに基づき、式(6)、式(7)に従い、待客発生数予測数を予測し、ステップ205へ進む。
ステップ205で、かご配車階決定手段18は、待客発生数予測数と予め定められた移動所要値とから式(8)に従い、評価関数V(F)を求める。そして、全階に亘って評価関数V(F)を求め、最も小さな値の階床を待機のための配車階と決定し、その配車階にかご3を配車するようにかご駆動装置6に指令して、待機のための配車階の決定の手順を終了する。
また、事前に想定していない交通状況が発生したとき、臨機応変に対応してかごを配車することができる。
図6は、この発明の実施の形態2に係わるエレベータ交通需要予測装置が設置されたエレベータの概観図である。図7は、実施の形態2のエレベータ交通需要予測装置の機能ブロック図である。
なお、特殊呼びとは、車椅子呼び釦による車椅子呼び、VIP呼び釦によるVIP呼びなどの一般乗場呼び釦以外の特定人物むけの呼びである。以下の説明において、特に断らないとき、特殊呼びは、車椅子呼び、VIP呼びなどすべての特定人物向けの呼びを総称した表現である。
特殊呼び釦22は、乗場に設けられ、特殊呼びが行える釦である。特殊呼び釦22には、車椅子呼び釦やVIP呼び釦が含まれている。
また、特殊行先階登録装置23は、かご3内に設けられ、特殊呼びが行える装置である。特殊行先階登録装置23には、車椅子呼びおよびVIP呼びを区別して行える機能が揃っている。
また、火災警報機24は、図示しない火災検知器などから入力される火災信号に基づき、火災検出情報を避難運転指令装置25に送信する。避難運転指令装置25は、火災検出情報に基づき、避難運転指令をエレベータ交通需要予測装置21に送信する。
時系列データ管理手段28は、所定の周期毎に乗降人数算出手段27により算出されたデータにより通常の乗降人数および特殊呼びの乗降人数の時系列データを更新する。
なお、車椅子呼びの待客発生数予測数が最大の階床、もしくはVIP呼び待客発生数予測数が最大の階床といったように、優先すべき特定の特殊呼びの待客発生数予測数が最大の階床をかご待機階として決定してもよい。
一方、かご配車階決定手段32は、避難運転指令を受信すると、待客発生数予測手段30から得られる車椅子呼び待客発生数予測数が最も多い階床を避難時に利用するエレベータのかご配車階として決定する。
また、特殊呼び乗客交通需要予測に基づいて、ビル管理者が優先したい特殊呼びの種類の乗客が乗車する可能性が高い階床をかご待機階とすることができる効果がある。
図8は、この発明の実施の形態3に係わるエレベータ交通需要予測装置が配設されたエレベータの概略図である。図9は、実施の形態3のエレベータ交通需要予測装置の機能ブロック図である。
実施の形態3のエレベータ交通需要予測装置41が配設されたエレベータ40は、図8に示すように、実施の形態1に係わるエレベータ1の秤8の替わりにRFIDリーダ42がかご3内に備えられていることが異なっている。また、エレベータ交通需要予測装置41は、実施の形態1のエレベータ交通需要予測装置11と異なり、個人単位で管理している。実施の形態1と同様な部分には、同じ符号を付記して説明は省略する。
エレベータ制御装置45は、かご駆動装置6を制御して、かご3の走行・停止を制御し、かご3の停止後乗客の乗降の間扉を開き、乗降の完了後扉を閉めている。
個人認証・属性検出手段46には、RFIDリーダ42からの個人IDとエレベータ制御装置45からのかごの走行・停止および扉の開閉信号が入力されている。そして、個人認証・属性検出手段46は、扉が開かれて乗降が完了し、扉が閉まったとき、RFIDリーダ42からの乗車している人すべての個人IDを読み取り、乗車登録データに含まれない個人IDが読み取られたとき、新たに読み取られた個人IDに係わる個人が乗車したと判断し、乗車登録データに登録し、逆に、読み取られた個人IDが乗車登録データにないとき、その乗車登録データから消えた個人IDに係わる人が降車したと判断する。
個人認証・属性検出手段46は、判断した時刻、乗車したことと合わせて乗車した人の個人IDおよび乗車した階床、降車したことと合わせて降車した人の個人IDおよび降車した階床からなる個人乗降データを滞在階床検出手段47と個人時系列データ管理手段48に伝送する。
個人時系列データ管理手段48は、個人認証・属性検出手段46からの個人乗降データと滞在階床検出手段47からの滞在時間を取得し、各個人の乗降時系列データとして更新記憶する。
なお、個人待客発生予測関数hj、vjとして過去のエレベータ利用率ujf+(t)、ujf−(t)だけ、または滞在時間wjf(t)だけを利用してもよい。
また、集合住宅管理システムにおいて、独居高齢者等の居住者の滞在階時系列データにより、居住階から一定期間移動を行っていない居住者を検出し、居住者の健康状態のチェックを行うことができる。
図10は、この発明の実施の形態4に係わるエレベータ交通需要予測装置が設置されたエレベータの概略図である。図11は、実施の形態4のエレベータ交通需要予測装置の機能ブロック図である。
実施の形態4のエレベータ交通需要予測装置61が備えられたエレベータ60は、実施の形態3に係わるエレベータ40に火災警報機24がさらに備えられている点が異なっている。この火災警報機24、避難運転指令装置25は実施の形態2に関して説明したものと同様であり、説明は省略する。
実施の形態4のエレベータ交通需要予測装置61は、図10に示すように、実施の形態3のエレベータ交通需要予測装置41のかご配車階決定手段51に避難運転指令が入力されることが異なっている。エレベータ制御装置62は、エレベータ交通需要予測装置61と避難運転指令装置25が備えられている。
なお、特殊乗客は、高齢者、車椅子使用者、VIPなどとして登録された乗客を意味する。個人IDに特殊乗客を識別する特殊属性が付与されている。また、車椅子使用者、高齢者などの乗客は、災害弱者としての災害弱者属性が付与されている。
次に、エレベータ交通需要予測装置61の各構成要素について、特殊乗客と災害弱者に関する部分について説明する。一般の利用者に関しては実施の形態3と同様であるので、説明は省略する。
滞在階床検出手段47は、特殊乗客乗降データより特殊乗客の滞在階床での滞在時間および災害弱者乗降データより災害弱者の滞在階床での滞在時間を求める。
個人時系列データ管理手段48は、特殊乗客乗降データ、災害弱者乗降データ、特殊乗客および災害弱者の滞在階床での滞在時間を用いて、それぞれの時系列データを更新する。
特殊待客発生数予測手段64は、個人時系列データ管理手段48から得られる個人乗降データおよび滞在時間のうち、特殊乗客乗降データおよび滞在時間に基づき、利用確率を式(18)、式(19)に従って算出する。そして、特殊乗客に係わる利用確率を特殊乗客全体に亘って演算して各階床方向別の特殊乗客待客発生数を予測する。
また、特殊待客発生数予測手段64は、個人時系列データ管理手段48から得られる個人乗降データおよび滞在時間のうち、災害弱者乗降データおよび滞在時間に基づき、利用確率を式(18)、式(19)に従って算出する。そして、災害弱者に係わる利用確率を災害弱者全体に亘って演算して各階床方向別の災害弱者待客発生数を予測する。
一方、避難運転指令を受信したとき、かご配車階決定手段63は、特殊待客発生数予測手段64から得られる災害弱者待客発生数の大きい階床をかごの優先的な配車階として決定する。
滞在階床検出手段47は、避難運転指令を受信すると、避難階床として予め定められた階床に滞在している個人は避難が完了したと判断する。
また、避難時に利用するエレベータにおいて、優先的な救助が必要な車椅子利用者や高齢者等の災害弱者の滞在階床に応じてかごを配車することができるので、災害弱者を優先的に救助することができ、効率的な避難を行うことができる。
Claims (4)
- エレベータの各階床の乗場における待客発生数を予測するエレベータ交通需要予測装置において、
予め定められた周期毎に上記エレベータの上昇下降別に各階床の乗降人数を算出する乗降人数算出手段と、
上記周期毎に上記各階床の乗降人数より各階床における滞在人数を算出する滞在人数算出手段と、
階床毎に、予測する時点から所定の期間遡る間の該階床の上記乗降人数と予測する時点の該階床における上記滞在人数とからエレベータの上昇下降別に該階床の乗場における待客発生数を予測する待客発生数予測手段と、
該階床から配車階までの移動時間と上記該階床上昇待客発生予測数の積ならびに、該階床から配車階までの移動時間と上記該階床下降待客発生予測数の積の、2つの積の和を、全ての階床について積算した値が、最小になるような階床を配車階に決定するかご配車階決定手段と、
を有することを特徴とするエレベータ交通需要予測装置。 - エレベータの各階床の乗場における待客発生数を予測するエレベータ交通需要予測装置において、
予め定められた周期毎に、一般呼びに関わる乗降人数と特殊呼びに関わる乗降人数とを別々に上記エレベータの上昇下降別に各階床の乗降人数を算出する乗降人数算出手段と、
階床毎に、予測する時点から所定の期間遡る間の該階床の上記一般呼びに関わる乗降人数と予測する時点の該階床における上記一般呼びに関わる滞在人数とからエレベータの上昇下降別に該階床の乗場における一般呼びに関わる待客発生数と、階床毎に、予測する時点から所定の期間遡る間の該階床の上記特殊呼びに関わる乗降人数と予測する時点の該階床における上記特殊呼びに関わる滞在人数とからエレベータの上昇下降別に該階床の乗場における特殊呼びに関わる待客発生数と、を別々に予測し、該階床から配車階までの移動時間と上記該階床の特殊呼びに関わる上昇待客発生予測数の積ならびに、該階床から配車階までの移動時間と上記該階床の特殊呼びに関わる下降待客発生予測数の積の、2つの積の和を、全ての階床について積算した値が、最小になるような階床を配車階に決定するかご配車階決定手段と、
を有することを特徴とするエレベータ交通需要予測装置。 - 上記かご配車階決定手段が、滞在人数が零の階床を除外して、配車階を決定することを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータ交通需要予測装置。
- 請求項2に記載のエレベータ交通需要予測装置を備えたエレベータ制御装置において、
火災警報器から火災検出信号を受信し、上記火災検出信号を受信した場合に、上記エレベータ交通需要予測装置に避難運転指令を送信する避難運転指令装置を備え、
上記エレベータ交通需要予測装置は、上記避難運転指令を受信した場合には、車椅子呼び待ち客発生数予測数が最も多い階床を避難時に利用するエレベータの配車階として決定することを特徴とするエレベータ制御装置。
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