JP4573696B2 - 感光性組成物 - Google Patents
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一方、前記フォトリソグラフィー法では、パターンの位置精度には優れるものの、焼成工程における感光性成分の熱分解性が低いという問題があった。
また、焼成による他部材への損傷を抑さえるためにも、低温焼成性に優れた感光性樹脂組成物が待ち望まれていた。
で表されるオキシアルキレン単位を含む非感光性(メタ)アクリル系樹脂を用いて得られた感光性組成物が、非感光性成分の熱分解性に優れ、かつ低温焼成性に優れていることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
〔1〕 式
で表されるオキシアルキレン単位を含む非感光性(メタ)アクリル系樹脂(A)、感光性成分(B)、光重合開始剤(C)および焼結性粉末(D)を含有することを特徴とする感光性組成物、
〔2〕 前記非感光性(メタ)アクリル系樹脂(A)が、式
で表されるオキシアルキレン単位を含む(メタ)アクリレートモノマーと、該モノマーとは異なる(メタ)アクリレートモノマーおよび/または(メタ)アクリル酸との共重合体樹脂である前記〔1〕に記載の感光性組成物、
〔3〕 前記非感光性(メタ)アクリル系樹脂(A)が、ポリプロピレングリコールモノアクリレートと、メチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートおよびメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種以上のモノマーとの共重合体樹脂である前記〔1〕に記載の感光性組成物、
〔4〕 感光性成分が、ポリオールの多官能(メタ)アクリレート化合物または該多官能(メタ)アクリレート化合物とポリオールの単官能(メタ)アクリレート化合物との混合物である前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の感光性組成物、
〔5〕 感光性成分(B)がポリエチレングリコールジメタクリレートとグリセロールメタクリレートとの混合物である前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の感光性組成物、
〔6〕 焼結性粉末(D)が、ガラス粉末、セラミックス粉末、蛍光体粉末、導電金属粉末、黒色顔料、またはカーボンナノチューブである前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の感光性組成物、
〔7〕 焼結性粉末(D)が、フリットガラス、アルミナ粉末、蛍光体粉末、銀粉またはカーボンナノチューブである前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の感光性組成物、および
〔8〕 前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の感光性組成物に溶剤を加えて液状とし、ついで液状物をキャスティングして得られた感光性シート、
に関する。
で表されるオキシアルキレン単位を含む非感光性(メタ)アクリル系樹脂(A)、感光性成分(B)、光重合開始剤(C)および焼結性粉末(D)を含有することを特徴とする。
前記非感光性(メタ)アクリル系樹脂は、式
で表されるオキシアルキレン単位を含む非感光性(メタ)アクリル系樹脂であれば特に限定されず、非感光性(メタ)アクリル系樹脂中の重合体の主鎖に前記オキシアルキレン単位を含んでいてもよいし、側鎖に前記オキシアルキレン単位を含んでいてもよい。
前記オキシアルキレン単位のおけるRで示される炭素数3以上のアルキレン基としては、例えば、直鎖状のアルキレン基、式
で表される基を含む非感光性(メタ)アクリル系樹脂であり、より好ましくは、
式
で表されるオキシアルキレン単位を含む(メタ)アクリレートモノマーと、該モノマーとは異なる(メタ)アクリレートモノマーおよび/または(メタ)アクリル酸との共重合体樹脂であるのが好ましく、オキシプロピレン単位含有(メタ)アクリレートモノマーと、該モノマーとは異なる(メタ)アクリレートモノマーおよび/または(メタ)アクリル酸との共重合体樹脂であるのがより好ましく、ポリプロピレングリコールモノメタクリレートと、メチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールメタクリレートおよびメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種以上のモノマーとの共重合体樹脂であるのが最も好ましい。
前記感光性成分は、感光性を有する化合物であれば特に限定されず、感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーのいずれであってもよい。
また、本発明では、感光性成分として前記非感光性(メタ)アクリル系樹脂中の側鎖にエチレン性不飽和基を導入したものを使用してもよい。非感光性(メタ)アクリル系樹脂に対するエチレン性不飽和基導入(メタ)アクリル系樹脂の比率は、重量比で0〜100重量%である。
エチレン性不飽和基の導入方法としては、公知の方法を使用することができる。具体的には、(メタ)アクリル系樹脂中に水酸基を含む(メタ)アクリレートを共重合し、該水酸基と(メタ)アクリロイルイソシアネートと反応させる方法、(メタ)アクリル系樹脂中にカルボキシル基を含む(メタ)アクリレートを共重合し、該カルボキシル基と、分子内にエポキシ基を含む(メタ)アクリレートを共重合し、該エポキシ基と分子内にカルボキシル基を含む(メタ)アクリレートとを反応させる方法などが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、光照射によりラジカルを発生させ、感光性成分のラジカル重合を開始させるものであれば特に限定されず、例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロクチキキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ミヒラーズケトン、ベンジルジメチルケタール、2−エチルアンスラキノン等が挙げられる。また、黒色無機顔料、黒色有機顔料、カーボンナノチューブのような光の透過率の低いものを含む感光性組成物については、光重合開始剤として下記化学式(1)または(2)で示される光重合開始剤が好適に使用される。
前記焼結性粉末は、焼結性を有する粉末であれば特に限定されない。焼結性粉末の種類としては、例えば、導電金属、金属酸化物、蛍光体粉末、ガラス、セラミックス、黒色顔料、カーボン類などが挙げられる。前記導電金属の種類としては、例えば、金、銀、白金、パラジウム、アルミニウム、銅、ニッケル、タングステン、モリブデン、チタニウムなどが挙げられる。前記金属酸化物の種類としては、例えば、酸化ルテニウム、酸化イットリウム、酸化ユーロピウム、酸化サマリウム、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、Y2O3:Eu、YVO4:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、BaAl12O19:Mn、Zn2SiO4:Mn、BaMgAl14O23:Eu、BaMgAl16O27:Eu、MgO、LaB6、Al、La0.5Sr0.5CoO3、La0.7Sr0.3:MnO3等が挙げられる。
前記希釈剤としては、例えば、有機溶剤類などが挙げられる。前記有機溶剤類としては、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エチレングリコールモノアリールエーテル類、ポリエチレングリコールモノアリールエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エステル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン、ベンジルアルコール等の芳香族炭化水素類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ソルベントナフサ、テルピネオール、アセチルテルピネオール等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記感光性シートも、前記感光性組成物と同様、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などの各表示セルを構成する誘電体、電極、抵抗体、蛍光体、隔壁、カラーフィルターおよびブラックマトリックスの形成用の感光性シートとして好適に用いられる。これらは、通常、直接基板に貼り合わせる、あるいは粘着剤を、接着剤を介して貼り合わせるなどの方法により、例えば石英板やガラス板などの基板(より具体的には、例えば、PDPの背面板や前面板など)に積層される。積層後、フォトマスクを介して紫外線を照射される。ここで、紫外線の露光量としては10〜3000mJ/cm2が好ましい。次に水もしくはアルカリ水溶液により現像し、必要であればリンスを行ったのち乾燥し、ついで低温焼成し、パターンを形成する。ここで、低温焼成時の焼成温度は、好ましくは250〜400℃であり、より好ましくは300〜380℃である。焼成時間は、好ましくは1〜60分間であり、より好ましくは5〜30分間である。
(1)非感光性バインダ樹脂(A)の調製
撹拌機を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂株式会社製、ブレンマーPP−1000)20g、メチルメタクリレート50g、ヒドロキシエチルメタクリレート20g、メタクリル酸10gおよびテルピネオール100gを投入して、混合した。モノマー混合溶液を窒素ガスで置換し、撹拌しながら還流に達するまでに昇温した。還流した後、重合開始剤としてジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.036gを1gのテルピネオールで希釈した溶液を投入した。さらに、重合開始から3時間後、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.036gを1gのテルピネオールで希釈した溶液を投入した。最初の重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し、重合を終了させることにより、オキシプロピレン単位を含むポリエーテル側鎖を有する重合体(A)のテルピネオール溶液を得た。この重合体(A)を非感光性バインダ樹脂(A)のテルピネオール溶液とした。なお、重合体(A)の数平均分子量は約2万(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる、分子量はポリスチレン換算)であった。
非感光性バインダ樹脂(A)のテルピネオール溶液に、下記表1に示される成分(B)〜(D)を加えて、感光性組成物をそれぞれ得た。
実施例1〜7および比較例1〜2で得られた感光性組成物を、150メッシュのポリエステル製スクリーンを用いてガラス基板上の全面に膜厚35μm(乾燥膜厚)で塗布し、80℃で30分プリベークした後、L/S(ライン・アンド・スペース)50μm/50μmのネガフィルムを接触させ、超高圧水銀灯により150mJ/cm2照射し、ついで未露光部を、水(40℃)を用いてスプレー圧2kg/cm2で2分間、水現像を実施し、現像性について以下のように評価した。
「可」・・・完全に現像できた。
「不可」・・・残渣が存在したか、または現像されない部分があった。
水を用いて水現像を実施することに代えて、1.5%炭酸ソーダ水溶液を用いてアルカリ現像を実施したこと以外、上記(1)現像パターンの良否と同様に評価した。結果を表2に示す。
実施例1〜7および比較例1〜2で得られた感光性組成物を、400℃で15分間焼成し、得られた焼結体の良否につき、以下のように評価した。
「良」・・・焼成による他部材への損傷や残留物もなく、良好な焼結体が得られた。
「不良」・・・焼成による他部材への損傷や残留物が確認されたか、または焼結体に変形やクラックが確認された。
「可」・・・クラックや表面荒れなし。
感光性シートの製造
実施例8および比較例3の感光性組成物に、酢酸エチル200重量部を加えて低粘度にし、ついで液状物を、離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥後膜厚が150μmになるように塗工した後、加熱して溶剤を揮発させることにより、キャスティングシートを実施例9および比較例4の感光性シートとして得た。
下記表6に示される各成分を用いて、実施例10〜13および比較例5〜8の感光性組成物をそれぞれ得た。
Claims (6)
- ポリプロピレングリコールモノアクリレートと、メチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートおよびメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種以上のモノマーとの共重合体樹脂である非感光性(メタ)アクリル系樹脂(A)、感光性成分(B)、光重合開始剤(C)および焼結性粉末(D)を含有することを特徴とする感光性組成物。
- 感光性成分(B)が、ポリオールの多官能(メタ)アクリレート化合物または該多官能(メタ)アクリレート化合物とポリオールの単官能(メタ)アクリレート化合物との混合物である請求項1に記載の感光性組成物。
- 感光性成分(B)が、ポリエチレングリコールジメタクリレートとグリセロールメタクリレートとの混合物である請求項1に記載の感光性組成物。
- 焼結性粉末(D)が、ガラス粉末、セラミックス粉末、蛍光体粉末、導電金属粉末、黒色顔料、またはカーボンナノチューブである請求項1〜3のいずれかに記載の感光性組成物。
- 焼結性粉末(D)が、フリットガラス、アルミナ粉末、蛍光体粉末、銀粉またはカーボンナノチューブである請求項1〜3のいずれかに記載の感光性組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の感光性組成物に溶剤を加えて液状とし、ついで液状物をキャスティングして得られた感光性シート。
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