JP4573010B2 - ピンチバルブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学工場、半導体製造、食品、バイオなどの各種産業分野における流体輸送配管に用いられるピンチバルブに関するものであり、更に詳しくは、コンパクトで、バルブの開閉に対する管体の耐久性を向上させたピンチバルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ピンチバルブは種々提案されているが、その中の一例が実公昭45−3264号公報に開示されている。これによると、図11、図12に示すように、脚台47と脚杆48とで構成される脚部材49上のシリンダー50に嵌装された上側下側の2ヶのピストン51、52のうち、上側のピストン51は軸杆48の上端部に固定され、下側のピストン52は軸杆48に遊嵌され管軸54の上端部に固定されている。管軸54下辺には翼片55が設けられ、翼片55は連結棒56を介して下側挟圧子57に固定されている。一方軸杆48の下端部には上側挟圧子58が固定されている。また、両端部に嵌め込んだフランジ59間に横架した2ヶの横杆60で脚部材49に支承されたバルブ管体61の中央部を上側挟圧子58、下側挟圧子57間で挟圧し、シリンダー50に穿設された孔62、63、64に適宜圧搾空気を圧入することによってピストン51、52に連結する上側挟圧子58、下側挟圧子57を対称的に上下動させバルブ管体61を開放、閉塞させるようにしたものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、現在、多種多様な配管や制御機器が配置され、複雑な配管設計がなされている半導体などの製造装置は、装置自体のコンパクト化が推し進められている。それに伴い、該装置内配管に用いられるピンチバルブに対しても省スペース化のためのコンパクト化が切望され、該装置内のピンチバルブのコンパクト化は大きな課題であった。また、微小流量の調整ができるバルブが要求されていた。
しかしながら、前記構造のピンチバルブでは、駆動部と弁本体が別体になっている構造であり、シリンダー50と流路部であるバルブ管体61の間に脚部材49と脚台47及び翼片55が設けられているため、該バルブの全高が高くなりコンパクトにすることはできなかった。そのため、半導体製造などの装置内配管におけるピンチバルブとしては全く使用できなかった。また、このような構造では、バルブ管体61の開度を任意に調整することが困難であるため、微小流量の調整もできなかった。
【0004】
本発明は、以上のような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、従来のピンチバルブに比べバルブの全高が低く、コンパクトであり、また、バルブ開閉運転における管体の耐久性を格段に向上させ、バルブの耐用期間を延長し、また微小流量の調整をすることが可能なピンチバルブを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究した結果、駆動部と弁本体を一体化することによりピンチバルブ全体をコンパクトにすることを見出し本発明を成すに至った。すなわち本発明の構成を、図1及び図3を参照して説明すると、弾性体からなる管体1と、該管体1の両端に結合している一対の継手部2と、内部上方より第1シリンダー部3と第1シリンダー部3より拡径して設けられた第2シリンダー部4及び、下端部流路方向に継手部2受容用の一対の切り欠き部5が設けられたシリンダー本体6と、第1シリンダー部2内周面に上下動可能且つ密封状態で摺接される第1ピストン7の中央より垂下して設けられた第1連動棒8の下端に固定され且つ流路軸線に線対称の位置に第1貫通孔11が設けられ、管体1を上方より押圧する第1挟圧子10と、第2シリンダー部4内周面に上下動可能且つ密封状態で摺接され且つ中心部に第1連動棒8が密封状態で貫通している第2貫通孔11を有する第2ピストン12の両端よりそれぞれ垂下し且つ第1貫通孔9に各々が貫通している第2連動棒13の下端に固定され、管体1下方より第1挟圧子10と共に管体1を挟持する第2挟圧子14と、第2ピストン12下端面と第1挟圧子10上端面とで挟持されたバネ弾性体15と、流路軸線上に管体1と継手部2を受容する溝16と、該溝16と直交する位置に第2挟圧子が上下動可能に嵌装するガイド溝17が設けられた本体18及びシリンダー本体6側面に設けられ第1ピストン7下端面、第2ピストン12上端面及びシリンダー本体6内周面で囲まれて形成された第1空間部19に連通されるエアー口27を具備することを第1の特徴とする。また、シリンダー本体6上面に開口部38が設けられ、第1ピストン37の上部に前記開口部38を貫通して開度調整用雄ネジ部41が一体的に突設され、下端面がシリンダー本体6の上端面に圧接・離間されるストッパー39及び前記ストッパー39上端面に圧接状態でロックナット40が開度調整用雄ネジ部41に回動自在に螺合されていることを第2の特徴とする。
【0006】
また、管体1の外周面に保護部21を設けたことを第3の特徴とし、第1挟圧子10の流路軸線と直交する方向(長手方向)の寸法をガイド溝17のそれより大きく設けていることを第4の特徴としている。
【0007】
さらには、管体1の材質がEPDM、フッ素ゴム、シリコンゴム、またはこれらの複合体であることを第5の特徴としている。さらに、管体1がポリテトラフルオロエチレンとゴム弾性体との複合体からなることを第6の特徴としている。
【0008】
本発明のピンチバルブの管体はEPDM、フッ素ゴム、シリコンゴム、またはフッ素ゴムとシリコンゴムとの複合体などの弾性体であれば良く特に限定されるものではないが、フッ素ゴムとシリコンゴムとの複合体の弾性体(フッ素を含有した弾性体)が特に好適なものとして挙げられ、さらには、ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFE)と前記ゴム弾性体との複合体からなるものがより好適なものとして挙げられる。
また、シリンダー本体、開度調整用雄ネジ部、ストッパー、ロックナット及び本体は金属、プラスチックなどの剛性のあるものであれば特に限定されるものではないが、PVC、PVDF等のプラスチックが特に好適なものとして挙げられる。
また、継手部はプラスチックなどの耐薬品性を有するものであれば特に限定されるものではないが、PVC、PVDF、PFAが特に好適なものとして挙げられる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様について図面を参照して説明するが、本発明が本実施態様に限定されないことは言うまでもない。図1は本発明のピンチバルブの第1の実施例に係る閉状態を側面(流路方向)から見た縦断面図である。図2は図1の開状態を示す縦断面図である。図3は図1を正面から見た縦断面図である。図4は図1における本体の平面図である。図5は図1における一部切り欠き立面図である。図6は本発明のピンチバルブの第2の実施例に係る閉状態を側面(流路方向)から見た縦断面図である。図7は図6の開状態を示す縦断面図である。図8は図6を正面から見た縦断面図である。図9は図6の中間開の状態を示す縦断面図である。図10は図9を正面から見た縦断面図である。
【0010】
以下、図1乃至図5に基づいて、本発明のピンチバルブの第1の実施例を説明する。1は内部を流体が流れるPTFEとシリコンゴムの複合体からなる管体である。該管体1は例えばシリコンゴムが含浸されたPTFEシートを何層も接着積層することにより目的とする肉厚に形成されたものである。また、21はEPDM製の保護部で、管体1の中央部外周全体を包囲するように装着されている。
本実施例では管体1の材質はPTFEとシリコンゴムの複合体になっているがEPDM、シリコンゴム、フッ素ゴム及びこれらの複合体などの弾性体でも良く特に限定されるものではない。また、同様に保護部21の材質はEPDMになっているがCRなど他のゴム弾性体でも良く、管体1への装着については中央部外周全体を包囲するように装着されているが、少なくとも管体1の後記挟圧子10、14が当接する部位に設けられていれば良い。
【0011】
2はPFA製の継手部で、この継手部2は、管体1の両端部の外周に挿入され挿入側と反対側には後記ニップル22が螺着される雌ネジ部26が内周に設けられた断面矩形状のPFA製キャップナット24と、管体1の両端部内部に挿入され、挿入側の外周に設けられた雄ネジ部25がキャップナット24の雌ネジ部26に螺着することにより管体1端部をキャップナット24と共に挟持固定し、挿入側と反対側には当該ピンチバルブを配管する為の雌ネジ部23が内周に設けられ内部に流路を有するPFA製のニップル22とからなる。尚、本実施例では、管体1と継手部2の結合がニップル22とキャップナット24による挟持固定構造になっているが、管体1をホースバンド等でニップル22に接続しても良く、その結合する構造は特に限定されるものではない。また、本実施例における当該ピンチバルブを配管するための構造は、ニップル22に設けた雌ネジ部23であるが、ニップル22の外周に雄ネジ部を設けるものでも良く、当該ピンチバルブと配管することが可能であれば、その構造は特に限定されない。
【0012】
6はPVC製のシリンダー本体で、内部上方より円筒状空間を持つ第1シリンダー部3と、第1シリンダー部3より拡径し連続して設けられた円筒状空間を持つ第2シリンダー部4及び下端部の流路方向には継手部の受容用の1対の矩形状の切り欠き部5とが設けられている。また、シリンダー本体6側面には、後記第1ピストン7下端面と第2ピストン12上端面及びシリンダー本体6内周面とで形成される第1空間部19と外部エアー給機器のコンプレッサー(図示せず)などと連通させるエアー口27が穿孔されている。さらに、シリンダー本体6上面には、外気と連通するエアー口20が穿孔されている。
【0013】
7は側周面にO−リング29が装着された円盤状のPVC製の第1ピストンで、第1シリンダー部3内周面に上下動可能且つ密封状態で摺接されている。10はSUS製の第1挟圧子で、断面かまぼこ型状で全体棒状を成し、後記本体18のガイド溝17の長手方向の寸法より大きく形成されている。また、第1挟圧子10には、流路軸線に線対称の各々の位置上に、後記第2連動棒13の各々が摺動貫通される第1貫通孔9が設けられ、第1ピストン7の下端面中央より垂下して設けられたSUS製の第1連動棒8の下端に曲面が管体1側に接するようにリベット固定されている。
【0014】
12は側周面にO−リング28が装着された円盤状のPVC製の第2ピストンで、第1ピストン7の外径より大きく形成されていて、中心部には後記第1連動棒8が密封状態で貫通するように内周面にO−リング30が装着された第2貫通孔11を有し、第2シリンダー部4内周面に上下動可能且つ密封状態で摺接されている。
【0015】
14は後記本体18のガイド溝17に嵌装されるSUS製の第2挟圧子で、断面かまぼこ型状で全体棒状を成し、第2ピストン12の下端面の両端よりそれぞれ垂下して設けられ且つ第1挟圧子10の流路軸線に線対称の位置にある2個の第1貫通孔9に各々が貫通しているSUS製の第2連動棒13の下端に、曲面が管体1側に接するようにナット32にて螺着され、管体1の下方より第1挟圧子10と共に管体1を挟持している。
尚、本実施例では、第1ピストン7及び第2ピストン12の材質は、PVC製になっているが他の樹脂、または金属でも良く特に限定されない。また、第1挟圧子10及び第2挟圧子14の材質は、SUS製になっているが他の金属でも良い。さらに第1連動棒8及び第2連動棒13の材質は、SUS製になっているが他の金属、または十分な強度を有する樹脂でも良い。
【0016】
15は、大、小2本のSUS製のバネ弾性体で、第2ピストン12下端面と第1挟圧子10上端面とで挟持された状態でシリンダー本体6内に装着されている。本実施例では、バネ弾性体が2本装着されているが、所望する付勢力に応じて装着する本数を変えても良い。また、バネ弾性体15の付勢力が第1挟圧子10及び第2ピストン12に各々さらに均等に伝達できるようにバネ弾性体15下端面と第1挟圧子10上端の間に金属製の円盤状プレート(図示せず)を設けても良い。尚、本実施例では、バネ弾性体の材質はSUS製になっているが、必要に応じてPTFEなどのコーティングを施したものを使用しても良い。
【0017】
18は、PVC製の本体で、流路軸線上には断面矩形状の溝16が設けられ、溝16の中心で且つ流路軸線に直交する位置に長手方向の寸法が第1挟圧子10の長手方向の寸法より短く形成されているガイド溝17が設けられ、またガイド溝17の両端底部には円筒溝31が設けられている。溝16には、継手部2が固定された管体1が装着され、両端部において継手部2を構成するキャップナット24が本体18とシリンダー本体6の切り欠き部5とで挟持固定されている。また、ガイド溝17には、各々の第2連動棒13が挿入され且つ第2挟圧子14が上下動可能に嵌装されている。また、円筒溝31には、第2連動棒13の下端部に螺着されたナット32がバルブ開状態時には内包される。
【0018】
以上説明したごとく、本実施例のピンチバルブは、従来のピンチバルブのように駆動部と弁本体の間に脚部材と脚台及び翼片が不要な構造になっているため、バルブの全高が低くなり従来のピンチバルブに比べコンパクトになっている。ここで、本実施例と従来品のピンチバルブの高さを比較すると、口径25mmの時、従来品の高さが371mmあるのに比べ、本発明品は140mmしかなく、本発明品の高さ寸法は従来品の高さ寸法に比べて約1/2.5となり格段にコンパクトになっている。
また、管体1の保護に関しては、本実施例は従来のピンチバルブのように直接流路部を挟圧子で挟持する構造では無く、管体1を保護部21により保護している為、管体1が劣化しにくくピンチバルブの使用寿命が長くなる。ここで、管体1を保護部21で保護している本実施例と、直接流路部を挟圧子で挟持する構造の従来品との耐久性の比較を各々のピンチバルブの長期開閉試験の回数で比較すると、口径25mmの時、従来品の開閉回数が70万回で流路部が破損したのに比べ、本実施例は140万回でも異常が無く、本実施例の管体1の耐久性が従来品に比べ飛躍的に向上し、本実施例のピンチバルブの耐用期間が格段に長くなっている。
さらに、管体1をPTFEとシリコンゴムの複合体で形成すると、管体1の開閉による内周面からのパーティクルの発生が他のゴム弾性体よりも少なく、従って特にパーティクルが製品歩留りに悪影響を及ぼす半導体産業分野の流体配管に使用すると大きい効果が得られる。
【0019】
上記の構成からなる本実施例のピンチバルブの作動は次の通りである。
図1に示すようにピンチバルブが全閉の状態において、エアー口27から第1空間部19へ圧縮空気を供給圧入すると、該空気圧により、まず、第1ピストン7より径が大きく受容面積の大きい第2ピストン12が側周面を第2シリンダー部4内周に摺接させながら且つバネ弾性体15を圧縮しながら下降し始め、それに伴って第2ピストン12より垂下して設けられた第2連動棒13を介して第2連動棒13下端にナット32螺着されている第2挟圧子14がガイド溝17内を下降する。ついには第2挟圧子14が溝16の底部に到達し、第2ピストン12の下降は止まる。同時に第1空間部19内の該空気圧により、第1ピストン7は側周面を第1シリンダー部3内周に摺接させながら上昇し且つ第1ピストン7上端面とシリンダー本体6内周面とで囲まれた空間に溜まったエアーがエアー口20より放出される。それに伴って第1ピストン7より垂下して設けられた第1連動棒8を介して第1連動棒8下端に螺着されている第1挟圧子10が第2シリンダー4内を上昇する。ついには第1ピストン7がシリンダー本体18の第1シリンダー部3の内部上端面に到達し、第1ピストン7の上昇は止まり、該ピンチバルブは全開状態となる(図1の状態)。
【0020】
次に、図2に示す前記ピンチバルブの全開状態において、エアー口27から第1空間部19へのエアーの供給を止め、大気開放すると、バネ弾性体15に当接している第1挟圧子10がバネ弾性体15の反発力により下降し、管体1を上方より押圧し、第1挟圧子10の両端下端面33が本体18の上端面34に当接して下降は止まる。同時に、バネ弾性体15の反発力により、バネ弾性体15上端に当接する第2ピストン12は、側周面が第2シリンダー部4内周に摺接しながら第2ピストン12の上端面周縁部35が第2シリンダー部4内部上端面周縁部36に当接するまで上昇する。それに伴い第2ピストン12より垂下して設けられた第2連動棒13の下端部にナット32でもって螺着された第2挟圧子14が上昇することにより、第1挟圧子10と共に管体1を挟圧し、該ピンチバルブは全閉状態となる(図2の状態)。
【0021】
次に、図6乃至図10に基づいて、本発明のピンチバルブの第2の実施例を説明する。
46はPVC製のシリンダー本体で、上部に円形の開口部38が設けられている。シリンダー本体46の他の部分の構造は第1の実施例のシリンダー本体6と同じであるので説明は省略する。
【0022】
37はPVC製の第1ピストンで、上部に、シリンダー本体6の上部の開口部38から貫通突出している開度調整用雄ネジ部41が一体的に突設されている。
開度調整用雄ネジ部41は、第1ピストン37の上部に一体的に突設されているが、第1ピストン37と一体成形で設けてもよく、また、開度調整用雄ネジ部41を別部材として第1ピストン37に接着、螺合する固定方法でも良く、その設け方は限定されない。第1ピストン37の他の部分の構造は第1の実施例と同じであるので省略する。
【0023】
39はPVC製ストッパーで、全体が略ドーナツ状を有し、下部にシリンダー本体46上部に嵌合される凹部45が設けられ、中央孔42の内周に雌ネジ部43が設けられ、下端面がシリンダー本体46の上端面に圧接、離間されるように開度調整用雄ネジ部41に貫通螺合されている。
【0024】
40はPVC製ロックナットで、内周面に雌ネジ部44を有する凹部45が設けられ、ストッパー39上端面に圧接された状態で開度調整用雄ネジ部41上部に螺着されている。
【0025】
第2の実施例のピンチバルブの上記以外の部材の構造については第1の実施例と同じであるので説明は省略する。
【0026】
次に、中間開度の調整方法について説明する。図6、図8の状態において、すなわち全閉状態において、まず、ロックナット40のみを回動させて緩め、ストッパー39上端面から離間させる。次にストッパー39を回動させ第1ピストン37を引き上げると同時に、第1ピストン37に連結されている第1挟圧子10が引き上げられ、管体1が、閉塞状態から中間開の状態になる(図9、図10の状態)。さらにストッパー39を回動させ管体1の開度を微調整する。開度が決定した後、ロックナット40を前記とは逆方向に回動させストッパー39上端面に圧接するように締め込む。これで、ピンチバルブの中間開度の調整は完了する。
【0027】
図9、図10の状態において、すなわち中間開度の状態から、第1の実施例の作動と同様に、エアー口27から圧搾空気を供給圧入すると、ピンチバルブは全開状態になる。
【0028】
次に、ピンチバルブの全開状態において、エアー口27から第1空間部19へのエアーの供給を止め、大気開放すると、中間開の状態になる(図9、図10の状態)。その後まず、ロックナット40のみを回動させて緩め、ストッパー39上端面から離間させる。次にストッパー39を中間開度の調整時とは逆方向に回動させると、第1ピストン37が引き下げられると同時に、第1ピストン37に連結されている第1挟圧子10が下降し、管体1を上方より押圧して行きついには、管体1は、全閉状態になる(図6、図8の状態)。その後、ロックナット40を前記とは逆方向に回動させストッパー39上端面に圧接するように締め込む。
【0029】
前記中間開の状態(図9、図10の状態)から、第1の実施例の作動と同様に、エアー口27から圧搾空気を供給圧入すると、ピンチバルブは全開状態になる。
【0030】
本実施例のピンチバルブは、上記構造を有するため、中間開度で流体を流すことができる。従って、例えば半導体製造などの装置内閉ループ配管において背圧弁として使用することができ、ユースポイントの圧力を下げることなく、最低圧力を保持することができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明は以上のような構造をしており、これを使用することにより以下の優れた効果が得られる。
1.従来品に比較してピンチバルブの全高が低く、コンパクトであるため、配管スペースが少なくてすむ。その為、複雑な配管設計がなされている半導体などの製造装置内での配管が可能になり、ひいては製造装置のコンパクト化も図れる。
2.管体に保護部を装着すると、従来品に比較して、管体の耐久性が向上し、ひいてはピンチバルブの耐用期間を飛躍的に延長することができる。
3.ピンチバルブの開度を調整することができるため、微小な流量を流すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピンチバルブの実施例に係る閉状態を側面(流路方向)から見た縦断面図である。
【図2】図1の開状態を示す縦断面図である。
【図3】図1を正面から見た縦断面図である。
【図4】図1における本体の平面図である。
【図5】図1の一部切り欠き立面図である。
【図6】本発明のピンチバルブの第2の実施例に係る閉状態を側面(流路方向)から見た縦断面図である。
【図7】図6の開状態を示す縦断面図である。
【図8】図6を正面から見た縦断面図である。
【図9】図6の中間開の状態を示す縦断面図である。
【図10】図9を正面から見た縦断面図である。
【図11】従来のピンチバルブの閉状態を側面(流路方向)から見た縦断面図である。
【図12】図11を正面から見た部分縦断面図である。
【符号の説明】
1…管体
2…継手部
3…第1シリンダー部
4…第2シリンダー部
5…切り欠き部
6…シリンダー本体
7…第1ピストン
8…第1連動棒
9…第1貫通孔
10…第1挟圧子
11…第2貫通孔
12…第2ピストン
13…第2連動棒
14…第2挟圧子
15…バネ弾性体
16…溝
17…ガイド溝
18…本体
19…第1空間部
20…エアー口
21…保護部
22…ニップル
23…雌ネジ部
24…キャップナット
25…雄ネジ部
26…雌ネジ部
27…エアー口
28…O-リング
29…O-リング
30…O-リング
31…円筒溝
32…ナット
33…両端下端面
34…上端面
35…上端面周縁部
36…上端面周縁部
37…第1ピストン
38…開口部
39…ストッパー
40…ロックナット
41…開度調整用雄ネジ部
42…中央孔
43…雌ネジ部
44…雄ネジ部
45…凹部
46…シリンダー本体
Claims (6)
- 弾性体からなる管体(1)と、該管体(1)の両端に結合している一対の継手部(2)と、内部上方より第1シリンダー部(3)と、該第1シリンダー部(3)より拡径して設けられた第2シリンダー部(4)及び、下端部流路方向に継手部(2)受容用の一対の切り欠き部(5)が設けられたシリンダー本体(6)と、前記第1シリンダー部(3)内周面に上下動可能且つ密封状態で摺接される第1ピストン(7)の中央より垂下して設けられた第1連動棒(8)の下端に固定され且つ流路軸線に線対称の位置に第1貫通孔(9)が設けられ、前記管体(1)を上方より押圧する第1挟圧子(10)と、前記第2シリンダー部(4)内周面に上下動可能且つ密封状態で摺接され且つ中心部に第1連動棒(8)が密封状態で貫通している第2貫通孔(11)を有する第2ピストン(12)の両端よりそれぞれ垂下し且つ第1貫通孔(9)に各々が貫通している第2連動棒(13)の下端に固定され、前記管体(1)下方より第1挟圧子(10)と共に該管体(1)を挟持する第2挟圧子(14)と、第2ピストン(12)下端面と第1挟圧子(10)上端面とで挟持されたバネ弾性体(15)と、流路軸線上に管体(1)及び継手部(2)を受容する溝(16)と、該溝(16)と直交する位置に第2挟圧子(14)が上下動可能に嵌装するガイド溝(17)が設けられた本体(18)、及びシリンダー本体(6)側面に設けられ第1ピストン(7)下端面、第2ピストン(12)上端面及びシリンダー本体(6)内周面で囲まれて形成された第1空間部(19)に連通されるエアー口(27)を具備することを特徴とするピンチバルブ。
- シリンダー本体(46)上面に開口部(38)が設けられ、第1ピストン(37)の上部に前記開口部(38)を貫通して開度調整用雄ネジ部(41)が一体的に突設され、
下端面がシリンダー本体(46)の上端面に圧接・離間されるストッパー(39)及び前記ストッパー(39)上端面に圧接状態でロックナット(40)が開度調整用雄ネジ部(41)に回動自在に螺合されていることを特徴とする請求項1記載のピンチバルブ。 - 管体(1)の外周面に保護部(21)を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のピンチバルブ。
- 第1挟圧子(10)の流路軸線と直交する方向(長手方向)の寸法をガイド溝(17)のそれより大きく設けていることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載のピンチバルブ。
- 管体(1)の材質がEPDM、フッ素ゴム、シリコンゴム、またはこれらの複合体であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のピンチバルブ。
- 管体(1)がポリテトラフルオロエチレンとゴム弾性体との複合体からなることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載のピンチバルブ。
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