JP6466151B2 - 固形物移送用ピンチバルブ、及び固形物供給装置 - Google Patents
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Description
上記の固形物を移送する工程を行う例として、例えば錠剤、カプセル等の固形医薬品を貯蔵タンクから他の装置に移す供給装置において、貯蔵タンクの排出側にシャッター装置を設け、当該シャッター装置の開閉動作によって所定量又は所定数の固形物を供給する装置が知られている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載された当該シャッター装置は、排出筒をエアシリンダーで上昇させて笠状の遮蔽体の下面に当接させることにより、固形医薬品を挟むことなく流路の遮断を行うことができる。
また、案内筒内で排出筒が進退する二重構造の流路の場合、排出筒と案内筒との間には隙間が生じることが多く、このため、シャッター装置の開放時に排出筒が案内筒内に退避する際に上記隙間に固形物を巻き込む(引き込む)ことが避けられない。
そこで、本発明は、複雑な構造を用いずにかつ固形物を破損することなく、流路の開閉動作を行うことができるバルブ及び当該バルブを含む供給装置を提供することを目的とする。
前記間隔調整機構は、前記ピンチレバーにより押しつぶされた前記チューブ内に所定の隙間を付与するように、前記ピンチレバー駆動機構の駆動距離を制限するストッパーである。
図1に示すように、固形物供給装置5は、貯蔵タンク3から配管2を通って搬送装置又は梱包装置4に至る固形物Pの供給経路を有している。このとき、配管2の中間部には、上記固形物Pの流れをせき止め又は開放する固形物移送用ピンチバルブ1が設けられている。
また、固形物の供給経路は、貯蔵タンク3の下端に配管2が接続されて、その後固形物移送用ピンチバルブ1と配管2とを経て搬送装置又は梱包装置4に至る構造となっており、固形物Pは固形物移送用ピンチバルブ1が開放時には自重で落下するように構成されている。
図2は、本発明の実施例1による固形物移送用ピンチバルブ1の外観を示す斜視図である。また、図3は、図2に示した固形物移送用ピンチバルブ1のバルブ本体10の内部構造を示す斜視図である。
図2に示すように、固形物移送用ピンチバルブ1は、円盤状の外観を有するバルブ本体10と、バルブ本体10の内部に設けられた機構を駆動させる駆動装置20とを備えている。
また、図2に示したバルブ本体10は、図3に示すように、第1のバルブハウジング100と、当該第1のバルブハウジング100に設けられた配管取付部102と、第2のバルブハウジング110と、当該第2のバルブハウジングに設けられた配管取付部112と、を備えている。
ローター120の外周部の一部にはギヤ部122が形成され、駆動装置20に設けられたピニオンギア250と噛合している。一方、ローター120の内部には、第1のカム山124及び第2のカム山125が対向して1対設けられる。
また、ローター120の内部には、弾性材料からなるチューブ150が配置されており、その両端部のフランジ部153が、第1のバルブハウジング100と第2のバルブハウジング110の配管取付部102及び配管取付部112にそれぞれ接触するように取り付けられる。チューブ150の材料としては、シリコンゴムやフッ素系樹脂、あるいはエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等の高分子材料が例示できる。
ローター120が回動すると、ローター120の内部に形成された第1のカム山124によりピンチレバー160は内側に押圧されて回動する。当該回動動作により1対のピンチレバー160の間隔が小さくなり、チューブ150の中央部を押しつぶしてピンチする。
また、スペーサー161は、ピンチバルブ全体の軽量化を考慮すれば、1対のピンチレバー160の少なくとも一方に配置すれば良いが、ピンチバルブの重量バランスを考慮して、1対のピンチレバーの両方に設けてもよい。
図4aに示すように、固形物移送用ピンチバルブ1は、開弁状態にあるときに、1対のピンチレバー160がローター120の第1のカム山124にそれぞれ嵌合している。そして、ローター120が矢印R1方向に回動すると、第1のカム山124がピンチレバー160のそれぞれに圧力P1を加えることとなり、1対のピンチレバー160の間隔が小さくなる方向に支柱116を中心に回動する。
図4bに示すように、ローター120が矢印R1方向にさらに回動すると、第1のカム山124がさらにピンチレバー160の接触面を押圧することにより、1対のピンチレバー160の間隔がさらに小さくなる。
そして、図4cに示すように、一方のピンチレバー160に取り付けられたスペーサー161が他方のピンチレバー160に接触する位置で、ピンチレバー160の回動が止まる。
このような動作により、1対のピンチレバー160の間隔がスペーサー161の厚みとなるようにチューブ150を押しつぶして閉弁する。
例えば、固形物として錠剤やカプセル等の医薬品に本発明の固形物移送用ピンチバルブ1を適用した場合、スペーサー161の厚みを上記錠剤又はカプセルの最小径(短軸径)と同一又はほぼ同一とすれば、1対のピンチレバー160で押しつぶされたチューブ150の隙間を上記医薬品が通過することができなくなる。
また、仮に上記医薬品が1対のピンチレバー160の間に挟まれたとしても、医薬品は直接ピンチレバー160に接触せずに弾性部材からなるチューブ150に接触するため、チューブ150の医薬品を挟んでいる部分が弾性変形することにより、医薬品への過剰な加圧を抑制し、結果として医薬品の変形や破損を防止することができる。
さらに、例えば大きさの異なる複数種の医薬品が流路を流れる場合であっても、当該複数種の医薬品の中で最も小さいものの径に合わせて上記スペーサー161の厚みを決定しておけば、流路を流れるすべての固形物を遮断することが可能である。
また、流路を流れる固形物を破損することがないため、ピンチバルブ自体や流路を形成する配管の清掃あるいはメンテナンスの頻度を下げることができる。
図5は、本発明の実施例2による固形物移送用ピンチバルブ1の内部構造を示す断面図である。
図5に示すように、本発明の実施例2による固形物移送用ピンチバルブ1において、1対のピンチレバー160の最接近時の間隔を調整する間隔調整機構として、上記1対のピンチレバー160と接触することにより当該ピンチレバー160とローター120との相対回転を規制するストッパー162が、ローター120の内側に突出する態様で取り付けられている。
ストッパー162は、ピンチレバー駆動機構であるローター120の回動動作により1対のピンチレバー160が回動した際に、当該1対のピンチレバー160が所定の間隔となるようなローター120の回動位置(駆動距離)となる位置に取り付けられる。
また、繰り返しの突き当て動作を考慮して、ストッパー162のピンチレバー160との対向面に耐摩耗性を有するコーティングを設けてもよい。
したがって、実施例1と同様に、複雑な構成を追加することなくかつ固形物を破損することなく、流路の開閉動作を行うことができる。
このような構成を採用することにより、流路を流れる固形物のサイズが変わった場合であっても、ストッパー162のローター120への取り付け位置を調整することにより、1対のピンチレバー160の間隔を任意に調整することができるため、ローターごと交換する必要がない。
なお、実施例2において、ストッパー162をローター120に取り付けてピンチレバー160の回動動作を規制する場合を例示したが、ストッパー162をローター120又はバルブハウジング100のいずれかに取り付けて、ローター120とバルブハウジング100との相対回転量を規制するように変更してもよい。
本発明の実施例3による固形物移送用ピンチバルブ1においては、1対のピンチレバーの最接近時の間隔を調整する間隔調整機構として、図2に示すバルブ本体10の内部に設けられた機構を駆動させる駆動装置20と、当該駆動装置20にバルブの開閉を指令する信号を発する制御装置(図示せず)とを用いる。
本発明の固形物移送用ピンチバルブ1に用いられる駆動装置20は、図2及び図3に示すバルブ本体10のバルブハウジング100内に設けられたローター120を回動させるための装置であって、例えば、図2に示すピニオン250を回転させる駆動軸212を出力軸とするモータ、もしくは油圧又は空圧のシリンダやラック機構等の直進運動をピニオン250の回転運動に変換する機構を含んでいる。なお、図2には示していないが、駆動装置20として、油圧又は空圧のシリンダやラック機構等の直進運動を直接ローター120の回転運動に変換し得るように構成してもよい。
例えば、本発明の固形物移送用ピンチバルブ1において、ピンチバルブ160が回動する角度はローター120のバルブハウジング100に対する相対回転角度に対応する。そこで、流路を流れる固形物(例えば錠剤)の径に対応するローター120の相対回転角度を予め算出しておき、ローター120が上記相対回転角度だけ回転するように、制御装置が上記モータを回転させるための回転信号を出力する。
したがって、実施例1及び実施例2の場合と同様に、複雑な構成を追加することなくかつ固形物を破損することなく、流路の開閉動作を行うことができる。
ここで、制御装置がモータへの回転信号を出力する場合を例示したが、例えば制御装置が上記油圧又は空圧のシリンダのピストンもしくは上記ラック機構を進退させるための指令信号を出力する時間を制御することにより、ローター120のバルブハウジング100に対する相対回転角度を制御するようにしてもよい。
その他、本発明の固形物移送用ピンチバルブ及び固形物供給装置は、その構成の一部について、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で、その他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、バルブハウジング内に配置されるチューブのピンチされる領域に筒状の外周部材を設けてもよい。このような構成により、チューブ自体の寿命を延ばすことができる。
さらに、例えば図1では、固形物供給装置の配管が鉛直方向となる、すなわち固形物がピンチバルブを介して下方に移送される態様を例示したが、配管が水平方向に配置された場合、あるいは水平方向に対して傾斜した場合であっても、本発明の固形物移送用ピンチバルブによって、上記効果を得ることが可能である。
また、仮に上記固形物をピンチ部分で挟んでしまった場合であっても、1対のピンチレバーと固形物との間にシリコンゴム等の弾性部材からなるチューブも挟まれるため、チューブが弾性変形して固形物への過剰な加圧力を吸収することで、固形物の変形や破損を防止することができる。
さらに、スペーサーやストッパーのサイズや取付位置を適宜調整することにより、1対のピンチレバーの最接近時の間隔を容易に調整できるため、移送される固形物のサイズや形状や異なる場合であってもバルブ自体を交換することなく、上記スペーサーやストッパー等の交換のみで対応でき、様々な用途への適用が期待できる。
10 バルブ本体
20 駆動装置
100 第1のバルブハウジング
102 配管取付部
110 第2のバルブハウジング
112 配管取付部
116 支柱
120 ローター
122 ギヤ部
124 第1のカム山
125 第2のカム山
150 チューブ
151、251 チューブ本体
160 ピンチレバー
161 スペーサー
162 ストッパー
Claims (4)
- バルブハウジングと、前記バルブハウジングの内部に位置するチューブを挟むように配設される1対のピンチレバーと、前記1対のピンチレバーを接近又は離間させるピンチレバー駆動機構と、前記1対のピンチレバーの最接近時の間隔を調整する間隔調整機構と、を備え、
前記間隔調整機構は、前記ピンチレバーにより押しつぶされた前記チューブ内に所定の隙間を付与するように、前記ピンチレバー駆動機構の駆動距離を制限するストッパーである、
ことを特徴とする固形物移送用ピンチバルブ。 - 前記間隔調整機構は、前記ピンチレバー駆動機構に所定の駆動距離だけ駆動するように指令を発する制御装置である
ことを特徴とする請求項1に記載の固形物移送用ピンチバルブ。 - 前記1対のピンチレバーは、前記バルブハウジング内で一端が回転軸として固定される態様で搖動自在に固定されており、
前記ピンチレバー駆動機構は、前記バルブハウジング内で前記チューブの中心軸と同軸で回転するローターである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の固形物移送用ピンチバルブ。 - 請求項1〜3のいずれかに記載された固形物移送用ピンチバルブを、固形物供給経路に取り付けた
ことを特徴とする固形物供給装置。
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