JP6466151B2 - 固形物移送用ピンチバルブ、及び固形物供給装置 - Google Patents

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本発明は、固形物を流通する流路を開閉する技術に関し、特に上記流路を開閉するためのピンチバルブ及び当該ピンチバルブを備えた供給装置に関するものである。
従来、錠剤やカプセル等の医薬品、飴や米菓等の菓子類、あるいは小型のマカロニや果物又はゼリー品等の食品類に例示される固形物を貯蔵したりあるいは出荷したりする際に、これらの固形物を移送又は移し替えする工程が行われる。
上記の固形物を移送する工程を行う例として、例えば錠剤、カプセル等の固形医薬品を貯蔵タンクから他の装置に移す供給装置において、貯蔵タンクの排出側にシャッター装置を設け、当該シャッター装置の開閉動作によって所定量又は所定数の固形物を供給する装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2000−53253号公報
特許文献1に開示されている供給装置においては、シャッター装置の開閉時に固形医薬品がバルブのエッジと貯留槽の内壁面との間に挟まって傷付いてしまうのを回避するために、貯蔵タンクの漏斗状供給部内に笠状の遮蔽体と、上記貯蔵タンクの排出側に設けられた案内筒内を昇降する排出筒と、上記排出筒の下端に連結されたエアシリンダーと、を備えたシャッター装置を用いている。
特許文献1に記載された当該シャッター装置は、排出筒をエアシリンダーで上昇させて笠状の遮蔽体の下面に当接させることにより、固形医薬品を挟むことなく流路の遮断を行うことができる。
しかしながら、特許文献1に記載されたシャッター装置は、流路(案内筒)への固形物の流入を遮断するために、案内筒の内部に排出筒を設ける二重筒構造とするとともに上記排出筒を上昇させるためのエアシリンダーを追加的に設ける必要があり、固形物を案内する流路の構成が複雑になってしまう。
また、案内筒内で排出筒が進退する二重構造の流路の場合、排出筒と案内筒との間には隙間が生じることが多く、このため、シャッター装置の開放時に排出筒が案内筒内に退避する際に上記隙間に固形物を巻き込む(引き込む)ことが避けられない。
そこで、本発明は、複雑な構造を用いずにかつ固形物を破損することなく、流路の開閉動作を行うことができるバルブ及び当該バルブを含む供給装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の固形物移送用ピンチバルブは、バルブハウジングと、前記バルブハウジングの内部に位置するチューブを挟むように配設される1対のピンチレバーと、前記1対のピンチレバーを接近又は離間させるピンチレバー駆動機構と、前記1対のピンチレバーの最接近時の間隔を調整する間隔調整機構と、を備え、
前記間隔調整機構は、前記ピンチレバーにより押しつぶされた前記チューブ内に所定の隙間を付与するように、前記ピンチレバー駆動機構の駆動距離を制限するストッパーである。
本発明の構成により、複雑な構造を用いずにかつ固形物を破損することなく、流路の開閉動作を行うことができる。
本発明の固形物移送用ピンチバルブを適用した固形物供給装置の概要を示す模式図である。 本発明の実施例1による固形物移送用ピンチバルブの外観を示す斜視図である。 図2に示した固形物移送用ピンチバルブのバルブ本体の内部構造を示す斜視図である。 本発明の実施例1による固形物移送用ピンチバルブの閉弁動作の概要を示す断面図であって、バルブの開弁時を示すものである。 本発明の実施例1による固形物移送用ピンチバルブの閉弁動作の概要を示す断面図であって、開弁時と閉弁時との中間状態を示すものである。 本発明の実施例1による固形物移送用ピンチバルブの閉弁動作の概要を示す断面図であって、バルブの閉弁時を示すものである。 本発明の実施例2による固形物移送用ピンチバルブの内部構造を示す断面図である。
図1は、本発明の固形物移送用ピンチバルブ1を適用した固形物供給装置5の概要を示す模式図である。
図1に示すように、固形物供給装置5は、貯蔵タンク3から配管2を通って搬送装置又は梱包装置4に至る固形物Pの供給経路を有している。このとき、配管2の中間部には、上記固形物Pの流れをせき止め又は開放する固形物移送用ピンチバルブ1が設けられている。
また、固形物の供給経路は、貯蔵タンク3の下端に配管2が接続されて、その後固形物移送用ピンチバルブ1と配管2とを経て搬送装置又は梱包装置4に至る構造となっており、固形物Pは固形物移送用ピンチバルブ1が開放時には自重で落下するように構成されている。
<実施例1>
図2は、本発明の実施例1による固形物移送用ピンチバルブ1の外観を示す斜視図である。また、図3は、図2に示した固形物移送用ピンチバルブ1のバルブ本体10の内部構造を示す斜視図である。
図2に示すように、固形物移送用ピンチバルブ1は、円盤状の外観を有するバルブ本体10と、バルブ本体10の内部に設けられた機構を駆動させる駆動装置20とを備えている。
また、図2に示したバルブ本体10は、図3に示すように、第1のバルブハウジング100と、当該第1のバルブハウジング100に設けられた配管取付部102と、第2のバルブハウジング110と、当該第2のバルブハウジングに設けられた配管取付部112と、を備えている。
図3に示すように、バルブ本体10を構成する第1のバルブハウジング100と第2のバルブハウジング110との内部には、後述の1対のピンチレバーを駆動するピンチレバー駆動機構として機能するローター120が回動自在に挿入される。
ローター120の外周部の一部にはギヤ部122が形成され、駆動装置20に設けられたピニオンギア250と噛合している。一方、ローター120の内部には、第1のカム山124及び第2のカム山125が対向して1対設けられる。
また、ローター120の内部には、弾性材料からなるチューブ150が配置されており、その両端部のフランジ部153が、第1のバルブハウジング100と第2のバルブハウジング110の配管取付部102及び配管取付部112にそれぞれ接触するように取り付けられる。チューブ150の材料としては、シリコンゴムやフッ素系樹脂、あるいはエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等の高分子材料が例示できる。
ローター120の内側でチューブ150の中央部の外側には、当該チューブ150をピンチして内部を流れる流体の流れを封止する1対のピンチレバー160が支柱116を中心に回動自在に設けられる。
ローター120が回動すると、ローター120の内部に形成された第1のカム山124によりピンチレバー160は内側に押圧されて回動する。当該回動動作により1対のピンチレバー160の間隔が小さくなり、チューブ150の中央部を押しつぶしてピンチする。
図3に示すように、1対のピンチレバー160の互いに対向する面には、ピンチ動作時の1対のピンチレバー160の最接近時の間隔を調整する間隔調整機構として機能するスペーサー161が取り付けられている。スペーサー161の材料としては、金属、硬質のゴム、セラミック等の任意のものが適用可能である。このとき、繰り返しのピンチ動作を考慮して、スペーサー161のピンチレバー160との対向面に耐摩耗性を有するコーティングを設けてもよい。
また、スペーサー161は、ピンチバルブ全体の軽量化を考慮すれば、1対のピンチレバー160の少なくとも一方に配置すれば良いが、ピンチバルブの重量バランスを考慮して、1対のピンチレバーの両方に設けてもよい。
図4は、本発明の実施例1による固形物移送用ピンチバルブ1の閉弁動作の概要を示す断面図である。
図4aに示すように、固形物移送用ピンチバルブ1は、開弁状態にあるときに、1対のピンチレバー160がローター120の第1のカム山124にそれぞれ嵌合している。そして、ローター120が矢印R1方向に回動すると、第1のカム山124がピンチレバー160のそれぞれに圧力P1を加えることとなり、1対のピンチレバー160の間隔が小さくなる方向に支柱116を中心に回動する。
図4bに示すように、ローター120が矢印R1方向にさらに回動すると、第1のカム山124がさらにピンチレバー160の接触面を押圧することにより、1対のピンチレバー160の間隔がさらに小さくなる。
そして、図4cに示すように、一方のピンチレバー160に取り付けられたスペーサー161が他方のピンチレバー160に接触する位置で、ピンチレバー160の回動が止まる。
このような動作により、1対のピンチレバー160の間隔がスペーサー161の厚みとなるようにチューブ150を押しつぶして閉弁する。
実施例1に示す固形物移送用ピンチバルブ1において、スペーサー161の厚みを移送される固形物の最小厚さ又は最小径と同一あるいはほぼ同一とすることにより、流路を流れる固形物を破損することなくピンチバルブを閉弁することが可能となる。
例えば、固形物として錠剤やカプセル等の医薬品に本発明の固形物移送用ピンチバルブ1を適用した場合、スペーサー161の厚みを上記錠剤又はカプセルの最小径(短軸径)と同一又はほぼ同一とすれば、1対のピンチレバー160で押しつぶされたチューブ150の隙間を上記医薬品が通過することができなくなる。
また、仮に上記医薬品が1対のピンチレバー160の間に挟まれたとしても、医薬品は直接ピンチレバー160に接触せずに弾性部材からなるチューブ150に接触するため、チューブ150の医薬品を挟んでいる部分が弾性変形することにより、医薬品への過剰な加圧を抑制し、結果として医薬品の変形や破損を防止することができる。
さらに、例えば大きさの異なる複数種の医薬品が流路を流れる場合であっても、当該複数種の医薬品の中で最も小さいものの径に合わせて上記スペーサー161の厚みを決定しておけば、流路を流れるすべての固形物を遮断することが可能である。
このような構成により、流路に接続されたピンチバルブを利用することによって、複雑な構成を追加することなくかつ固形物を破損することなく、流路の開閉動作を行うことができる。
また、流路を流れる固形物を破損することがないため、ピンチバルブ自体や流路を形成する配管の清掃あるいはメンテナンスの頻度を下げることができる。
<実施例2>
図5は、本発明の実施例2による固形物移送用ピンチバルブ1の内部構造を示す断面図である。
図5に示すように、本発明の実施例2による固形物移送用ピンチバルブ1において、1対のピンチレバー160の最接近時の間隔を調整する間隔調整機構として、上記1対のピンチレバー160と接触することにより当該ピンチレバー160とローター120との相対回転を規制するストッパー162が、ローター120の内側に突出する態様で取り付けられている。
ストッパー162は、ピンチレバー駆動機構であるローター120の回動動作により1対のピンチレバー160が回動した際に、当該1対のピンチレバー160が所定の間隔となるようなローター120の回動位置(駆動距離)となる位置に取り付けられる。
ストッパー162の材料としては、金属、硬質のゴム、セラミック等の任意のものが適用可能であるが、ストッパー162はピンチレバー160と突き当てる動作を繰り返すため、当該突き当て動作に対して変形しない程度の剛性を有する材料が好ましい。
また、繰り返しの突き当て動作を考慮して、ストッパー162のピンチレバー160との対向面に耐摩耗性を有するコーティングを設けてもよい。
このような構成により、ローター120の回動位置(駆動距離)を規制するストッパー162を用いることによって、1対のピンチレバー160の間が所定の間隔となるようにピンチ動作を行うことが可能となる。
したがって、実施例1と同様に、複雑な構成を追加することなくかつ固形物を破損することなく、流路の開閉動作を行うことができる。
また、実施例2において、ローター120に取り付けるストッパー162は、その取り付け位置が任意に変えられるように着脱自在としてもよい。例えば、ローター120にストッパー162を着脱自在に取り付ける手法としては、ローター120にスロットを形成してストッパー162を差し込み嵌合したり、ローター120にボルトや接着剤等の固着手段を用いて締結又は接合したりするものが例示できる。
このような構成を採用することにより、流路を流れる固形物のサイズが変わった場合であっても、ストッパー162のローター120への取り付け位置を調整することにより、1対のピンチレバー160の間隔を任意に調整することができるため、ローターごと交換する必要がない。
なお、実施例2において、ストッパー162をローター120に取り付けてピンチレバー160の回動動作を規制する場合を例示したが、ストッパー162をローター120又はバルブハウジング100のいずれかに取り付けて、ローター120とバルブハウジング100との相対回転量を規制するように変更してもよい。
<実施例3>
本発明の実施例3による固形物移送用ピンチバルブ1においては、1対のピンチレバーの最接近時の間隔を調整する間隔調整機構として、図2に示すバルブ本体10の内部に設けられた機構を駆動させる駆動装置20と、当該駆動装置20にバルブの開閉を指令する信号を発する制御装置(図示せず)とを用いる。
本発明の固形物移送用ピンチバルブ1に用いられる駆動装置20は、図2及び図3に示すバルブ本体10のバルブハウジング100内に設けられたローター120を回動させるための装置であって、例えば、図2に示すピニオン250を回転させる駆動軸212を出力軸とするモータ、もしくは油圧又は空圧のシリンダやラック機構等の直進運動をピニオン250の回転運動に変換する機構を含んでいる。なお、図2には示していないが、駆動装置20として、油圧又は空圧のシリンダやラック機構等の直進運動を直接ローター120の回転運動に変換し得るように構成してもよい。
実施例3において1対のピンチレバー160の最接近時の間隔を調整する動作としては、上記モータに制御装置が所定の方向への回転信号を出力している間だけ、当該回転信号の指令を受けたモータが回転するようなものが例示できる。
例えば、本発明の固形物移送用ピンチバルブ1において、ピンチバルブ160が回動する角度はローター120のバルブハウジング100に対する相対回転角度に対応する。そこで、流路を流れる固形物(例えば錠剤)の径に対応するローター120の相対回転角度を予め算出しておき、ローター120が上記相対回転角度だけ回転するように、制御装置が上記モータを回転させるための回転信号を出力する。
このような構成及び動作により、制御装置から出力される指令に応じてローター120のバルブハウジングに対する相対回転角度が制御されることによって、1対のピンチレバー160の間が所定の間隔となるようにピンチ動作を行うことが可能となる。
したがって、実施例1及び実施例2の場合と同様に、複雑な構成を追加することなくかつ固形物を破損することなく、流路の開閉動作を行うことができる。
ここで、制御装置がモータへの回転信号を出力する場合を例示したが、例えば制御装置が上記油圧又は空圧のシリンダのピストンもしくは上記ラック機構を進退させるための指令信号を出力する時間を制御することにより、ローター120のバルブハウジング100に対する相対回転角度を制御するようにしてもよい。
本発明の固形物移送用ピンチバルブは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例や組合せが含まれる。
その他、本発明の固形物移送用ピンチバルブ及び固形物供給装置は、その構成の一部について、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で、その他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、実施例1〜3では、1対のピンチレバーがローターの回転に応じて回動することによってピンチ動作を行うピンチバルブを例示したが、1対のピンチレバーをチューブに対して平行に対向させ、それらの対向する面を近接するように平行移動することによってピンチ動作を行うようなピンチバルブにも適用することができることは言うまでもない。
また、バルブハウジング内に配置されるチューブのピンチされる領域に筒状の外周部材を設けてもよい。このような構成により、チューブ自体の寿命を延ばすことができる。
さらに、例えば図1では、固形物供給装置の配管が鉛直方向となる、すなわち固形物がピンチバルブを介して下方に移送される態様を例示したが、配管が水平方向に配置された場合、あるいは水平方向に対して傾斜した場合であっても、本発明の固形物移送用ピンチバルブによって、上記効果を得ることが可能である。
本発明の固形物移送用ピンチバルブによれば、1対のピンチレバーの最接近時の間隔を所定の間隔に調整する間隔調整機構(スペーサーやストッパー等)を備えるため、ピンチ動作によって挟まれると変形又は破損してしまうような固形物を移送する際に、当該固形物をピンチ部分で挟むことなくバルブの開閉動作を行うことが可能である。
また、仮に上記固形物をピンチ部分で挟んでしまった場合であっても、1対のピンチレバーと固形物との間にシリコンゴム等の弾性部材からなるチューブも挟まれるため、チューブが弾性変形して固形物への過剰な加圧力を吸収することで、固形物の変形や破損を防止することができる。
さらに、スペーサーやストッパーのサイズや取付位置を適宜調整することにより、1対のピンチレバーの最接近時の間隔を容易に調整できるため、移送される固形物のサイズや形状や異なる場合であってもバルブ自体を交換することなく、上記スペーサーやストッパー等の交換のみで対応でき、様々な用途への適用が期待できる。
1 固形物移送用ピンチバルブ
10 バルブ本体
20 駆動装置
100 第1のバルブハウジング
102 配管取付部
110 第2のバルブハウジング
112 配管取付部
116 支柱
120 ローター
122 ギヤ部
124 第1のカム山
125 第2のカム山
150 チューブ
151、251 チューブ本体
160 ピンチレバー
161 スペーサー
162 ストッパー

Claims (4)

  1. バルブハウジングと、前記バルブハウジングの内部に位置するチューブを挟むように配設される1対のピンチレバーと、前記1対のピンチレバーを接近又は離間させるピンチレバー駆動機構と、前記1対のピンチレバーの最接近時の間隔を調整する間隔調整機構と、を備え、
    前記間隔調整機構は、前記ピンチレバーにより押しつぶされた前記チューブ内に所定の隙間を付与するように、前記ピンチレバー駆動機構の駆動距離を制限するストッパーである、
    ことを特徴とする固形物移送用ピンチバルブ。
  2. 前記間隔調整機構は、前記ピンチレバー駆動機構に所定の駆動距離だけ駆動するように指令を発する制御装置である
    ことを特徴とする請求項に記載の固形物移送用ピンチバルブ。
  3. 前記1対のピンチレバーは、前記バルブハウジング内で一端が回転軸として固定される態様で搖動自在に固定されており、
    前記ピンチレバー駆動機構は、前記バルブハウジング内で前記チューブの中心軸と同軸で回転するローターである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の固形物移送用ピンチバルブ。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載された固形物移送用ピンチバルブを、固形物供給経路に取り付けた
    ことを特徴とする固形物供給装置。
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