JP4570453B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、半導体レーザ素子などの半導体装置およびその製造方法に関し、より詳細には、リッジ部などによる凹凸構造を有する半導体装置およびその製造方法に関する。
半導体レーザ素子は、コンパクトディスク(Compact Disk;略称CD)、デジタルバーサタイルディスク(Digital Versatile Disk;略称DVD)などの光ディスクを記録媒体とする光ディスクシステムにおける書込みおよび読取りなどの情報処理用光源として、また光通信用光源として、広範に利用されている。近年、光ディスクへの書込み速度および光通信速度の向上のために、半導体レーザ素子の高出力化が図られている。
高出力の半導体レーザ素子として、ストライプ状のリッジ部を有する半導体レーザ素子(以後、リッジ型半導体レーザ素子とも称する)が開発されている。リッジ型半導体レーザ素子では、たとえば30mW以上という高い出力が実現されている。
半導体レーザ素子は、レーザ光の出射に伴って発熱するので、その熱によって特性が変化する恐れがある。特に、高出力の半導体レーザ素子は、発熱量が大きく、特性、信頼性などが大きな影響を受けるので、放熱性の向上が重要である。
そのため、半導体レーザ素子を備える電子機器内では、半導体レーザ素子の主な発熱源である活性層近傍のpn接合(ジャンクション)をヒートシンクに近づけるように、基板と反対側の半導体成長層表面で半導体レーザ素子をヒートシンクに実装(マウント)するジャンクションダウンという方法がとられている。さらに、高出力化を目的としてリッジ部が形成された半導体レーザ素子の場合には、放熱性を向上させるために、電流通路であり発熱源であるリッジ部のすぐ近くに放熱性の高い金属を配置するような構造がとられるようになってきている。
たとえば、図7に示すように、リッジ部93の頂部にストライプ状の金属マスクパターン95を形成し、金属マスクパターン95に接してリッジ部93およびリッジ部93の両側方に配置されるテラス部94を覆うようにオーバーコート電極96を設けた半導体レーザ素子90が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。図7は、従来のリッジ型半導体レーザ素子90の構成を簡略化して示す断面図である。リッジ部93およびテラス部94は、互いに離間して、基板91に積層されるエッチングストップ層92から突出して形成されるので、半導体レーザ素子90のオーバーコート電極96側の表面には凹凸が生じている。このため、半導体レーザ素子90をジャンクションダウンでヒートシンクに融着する場合、ヒートシンクと半導体レーザ素子90とを接着するためのはんだ材が半導体レーザ素子90表面の凹部まで回込みにくくなり、ヒートシンクと半導体レーザ素子90との間に空洞が生じる。この空洞は、半導体レーザ素子90の動作時に活性層で発生する熱をヒートシンクへ逃がす妨げとなるので、充分な放熱性が確保できない。
空洞の発生を防止するための技術として、リッジ部とテラス部との間の凹部にポリイミドなどの有機物を充填して、半導体レーザ素子のリッジ部が形成された側の表面部を平坦化することが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開2000−340880号公報(第4−5頁,第3図) 特開平10−144990号公報(第3頁,第2図)
特許文献2に開示の技術では、金属に比べて熱伝導率の低い有機物で凹部を埋込むので、充分な放熱性が得られず、発熱量の多い高出力の半導体レーザ素子への適用は困難である。充分な放熱性を確保するためには、凹部を金属で埋込むことが求められるけれども、凹部を金属で埋込んで凹凸状の表面部を平坦化する技術は確立されていない。
本発明の目的は、凹凸状の表面が熱伝導性に優れる金属で平坦化された放熱性に優れる半導体装置およびその製造方法を提供することである。
本発明は、略等しい高さに形成されるリッジ部およびテラス部を含み、凹凸状の表面部を有する半導体装置本体と、半導体装置本体の凹凸状の表面部に積層される金属層とを備える半導体装置の製造方法であって、
リッジ部とテラス部とが互いに離間し、かつテラス部がリッジ部の両側方に配置されるようにリッジ部およびテラス部を形成することによって、前記凹凸状の表面部を形成した後、リッジ部の側面部、テラス部の表面部および前記凹凸状の表面部の凹部の底面部に誘電体膜を形成して半導体装置本体を得る工程と、
前記凹凸状の表面部に電極層を形成する電極形成工程と、
電解めっきによって電極層の上に金属層を形成するめっき工程とを含み、
前記電極形成工程では、
電極層は、前記凹凸状の表面部の凹部の底面部に形成される電極層の電気伝導度が、前記凹凸状の表面部の凸部および凹部の側面部に形成される電極層の電気伝導度よりも大きくなるように形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
また本発明は、前記電極形成工程は、
前記凹凸状の表面部のうち、凸部および凹部の側面部に第1電極層を形成する工程と、
前記凹凸状の表面部の凹部の底面部に、第1電極層よりも大きい電気伝導度を有する第2電極層を、第1電極層に電気的に接続されるように形成する工程とを含むことを特徴とする。
また本発明は、前記電極形成工程は、
前記凹凸状の表面部に、全面にわたって第1電極層を形成する工程と、
第1電極層が形成された前記凹凸状の表面部の凹部の底面部に、第1電極層よりも大きい電気伝導度を有する第2電極層を形成する工程とを含むことを特徴とする。
また本発明は、前記凹凸状の表面部の凸部を構成するリッジ部に形成される電極層は、金属層からリッジ部への金属の拡散を防止することのできる材料で形成されることを特徴とする。
また本発明は、前記本発明の半導体装置の製造方法によって製造される半導体装置であって、
前記凹凸状の表面部に積層される金属層は、半導体装置本体を臨む側と反対側の表面部が平坦に形成されることを特徴とする半導体装置である。
本発明によれば、半導体装置は、半導体装置本体を得る工程、電極形成工程およびめっき工程を経て製造される。半導体装置本体を得る工程では、リッジ部とテラス部とが互いに離間し、かつテラス部がリッジ部の両側方に配置されるようにリッジ部およびテラス部を形成することによって、半導体装置本体の凹凸状の表面部を形成した後、リッジ部の側面部、テラス部の表面部および前記凹凸状の表面部の凹部の底面部に誘電体膜を形成する。電極形成工程では半導体装置本体の凹凸状の表面部に電極層を形成し、めっき工程では形成された電極層の上に電解めっきによって金属層を形成する。電極形成工程で形成される電極層は、前記凹凸状の表面部の凹部(以後、単に凹部とも称する)の底面部に形成される電極層の電気伝導度が、前記凹凸状の表面部の凸部(以後、単に凸部とも称する)および凹部の側面部に形成される電極層の電気伝導度よりも大きくなるように形成される。このことによって、めっき工程において電極層の上に金属層を形成するために電極層に電流を注入したときに、凹部の底面部に形成される電極層内の電流密度、凸部および凹部の側面部に形成される電極層内の電流密度よりも大きくすることができる。これによって、凹部の底面部に形成される電極層への金属層の析出速度を、凸部および凹部の側面部に形成される電極層への金属層の析出速度よりも大きくすることができるので、凹部の底面部に形成される電極層上の金属層の層厚、凸部および凹部の側面部に形成される電極層上の金属層の層厚よりも厚くすることができる。したがって、凹部の底面部に形成される電極層の電気伝導度、ならびに凸部および凹部の側面部に形成される電極層の電気伝導度を適切に選択することによって、半導体装置本体の凹凸状の表面部が金属層で平坦化された放熱性に優れる半導体装置を製造することができる。ここで、凸部とは、凸状の部分の頂部のみをいい、凸状の部分の側面部は、凹状の部分の側面部でもあるので、凹部の側面部として記載する。
また本発明によれば、電極形成工程では、半導体装置本体の凹凸状の表面部のうち、凸部および凹部の側面部に第1電極層を形成した後、凹部の底面部に、第1電極層よりも大きい電気伝導度を有する第2電極層を、第1電極層に電気的に接続するように形成する。これによって、凹部の底面部に形成される電極層の電気伝導度が、凸部および凹部の側面部に形成される電極層の電気伝導度よりも大きい電極層を容易に形成することができる。
また本発明によれば、電極形成工程では、半導体装置本体の凹凸状の表面部の全面にわたって第1電極層を形成した後、第1電極層が形成された凹部の底面部に、第1電極層よりも大きい電気伝導度を有する第2電極層を形成する。このように、凹部の底面部に形成された第1電極層を除去することなく第2電極層を形成するので、凸部および凹部の側面部のみに第1電極層を形成する場合のように凹部の底面部に形成された第1電極層を除去して第2電極層を形成する場合に比べ、製造工程を簡略化することができる。また、第2電極層は、第1電極層に接して形成されるので、第1電極層と確実に導通させることができる。したがって、めっき工程において第1電極層と第2電極層との間で電気的に導通がとれなくなることを防ぐことができるので、金属層が部分的に形成されなくなることを防止することができる。
また本発明によれば、半導体装置本体の凹凸状の表面部において凸部を構成するリッジ部に形成される電極層は、金属層からリッジ部への金属の拡散を防止することのできる材料で形成されるので、リッジ部と金属層とのバリアメタル層として機能する。したがって、リッジ部と金属層との間に新たにバリアメタル層を形成することなく、金属層からリッジ部に金属が拡散することを防止することができるので、製造工程を簡略化することができる。
また本発明によれば、半導体装置は、凹凸状の表面部を有する半導体装置本体と、前記凹凸状の表面部に積層される金属層とを備え、半導体装置本体の凹凸状の表面部に積層される金属層は、半導体装置本体を臨む側と反対側の表面部が平坦に形成される。したがって、本発明の半導体装置は、ヒートシンクに融着させる際に、金属層の平坦な表面部全体にはんだ材を回込ませてヒートシンクに融着させることができるので、動作時には効率良く放熱することができる。
図1は、本発明の実施の一態様である半導体装置の製造方法によって得られる半導体装置1の構成を簡略化して示す断面図である。本実施の形態において例示する半導体装置1は、半導体レーザ素子1であり、具体的には、リッジ部19を有するリッジ型半導体レーザ素子1である。
半導体レーザ素子1は、n型半導体基板11と、n型半導体基板11の厚み方向一方側の表面部(以後、単に一方の表面部と称する)に順次積層されるn型バッファ層12、n型クラッド層13、活性層14、p型第1クラッド層15およびp型エッチングストップ層16と、p型エッチングストップ層16の表面部から突出して、p型エッチングストップ層16の厚み方向に垂直な方向に延びるように設けられるストライプ状のリッジ部19およびテラス部20と、リッジ部19の長手方向の両方の側面部、ならびにテラス部20およびp型エッチングストップ層16の表面部に設けられる誘電体膜21と、リッジ部19のp型エッチングストップ層16に接する側と反対側の表面部に設けられるp側コンタクト電極22と、誘電体膜21およびp側コンタクト電極22の表面部に設けられる電極層29と、電極層29の表面部に設けられる金属層30と、n型半導体基板11の厚み方向他方側の表面部(以後、単に他方の表面部と称する)に設けられるn側電極31とを含んで構成される。p側コンタクト電極22は、リッジ部19と電極層29とをオーミック接触させるために設けられるオーミックコンタクト層である。
本実施の形態では、n型半導体基板11の一方の表面部に積層される層のうち電極層29および金属層30を除く層、具体的にはn型バッファ層12、n型クラッド層13、活性層14、p型第1クラッド層15、p型エッチングストップ層16、リッジ部19、テラス部20、誘電体膜21およびp側コンタクト電極22と、n型半導体基板11とからなる積層体を半導体装置本体10と呼ぶ。すなわち、半導体レーザ素子1は、半導体装置本体10と、電極層29と、金属層30と、n側電極31とを含んで構成される。
リッジ部19およびテラス部20は、p型エッチングストップ層16の一方の表面部に設けられるp型第2クラッド層17と、p型第2クラッド層17の一方の表面部に形成されるp型コンタクト層18とを含む。リッジ部19は、電流狭窄部として機能する。
テラス部20は、リッジ部19から離間して、リッジ部19の長手方向の両側方に配置される。これによって、半導体装置本体10に凹凸状の表面部が形成される。すなわち、リッジ部19の頂部およびテラス部20の頂部が凸部23を構成し、リッジ部19とテラス部20との間に凹部24が形成される。ここで、テラス部とは、リッジ部の長手方向側方から半導体レーザ素子の一端部まで、リッジ部に沿ってストライプ状に設けられ、n型半導体基板に臨む側と反対側の表面部が平坦に形成されるテラス状の部分のことである。
本実施の形態では、リッジ部19とテラス部20とは、略等しい高さに形成される。すなわち、リッジ部19の高さH1とテラス部20の高さH2とは、略等しい。ここで、リッジ部19の高さH1とは、p型エッチングストップ層16の一方の表面部からリッジ部19の頂部までの距離のことであり、リッジ部19の頂部とは、リッジ部19の表面部のうち、p型エッチングストップ層16の一方の表面部から最も離れた表面部、すなわちp型コンタクト層18の一方の表面部のことである。同様に、テラス部20の高さH2とは、p型エッチングストップ層16の一方の表面部からテラス部20の頂部までの距離のことであり、テラス部20の頂部とは、テラス部20の表面部のうち、p型エッチングストップ層16の一方の表面部から最も離れた表面部、すなわちp型コンタクト層18の一方の表面部のことである。また、本発明において、「略等しい」とは、「等しい」を含む。
電極層29は、半導体装置本体10の凹凸状の表面部において、凸部23を構成するリッジ部19に積層されるp側コンタクト電極22の一方の表面部(以後、単に凸部23と称する)および凹部24の側面部26に臨む誘電体膜21の表面部(以後、単に凹部24の側面部26と称する)に設けられる第1電極層27と、凹部24の底面部25に臨む誘電体膜21の表面部(以後、単に凹部24の底面部25と称する)に設けられ、第1電極層27に電気的に接続される第2電極層28とを含む。
電極層29の表面部に設けられる金属層30は、半導体装置本体10を臨む側と反対側の表面部が平坦に形成される。このため、半導体レーザ素子1を金属層30がヒートシンクを臨むようにジャンクションダウンでヒートシンクに実装する場合に、金属層30とヒートシンクとの間に供給されるはんだ材は、金属層30の平坦な表面部全面に回込むことができる。これによって、ヒートシンクとの間に空洞を生じさせることなく、半導体レーザ素子1をヒートシンクに融着させることができる。この状態で半導体レーザ素子1を動作させると、活性層14で発生した熱が金属層30を通して効率良く放熱されるので、半導体レーザ素子1の熱抵抗を低減することができる。したがって、本実施の形態のように金属層30の半導体装置本体10を臨む側と反対側を平坦に形成することによって、熱による特性の変化を抑えることができるので、高出力で長期間にわたって安定して動作可能な長寿命の半導体レーザ素子1を実現することができる。
また、金属層30は、リッジ部19とテラス部20との間の凹部24を充填するように形成されるので、電流流路であるリッジ部19の長手方向の両側方には、熱伝導性に優れる金属層30が配置されることになる。したがって、本実施の形態の半導体レーザ素子1では、リッジ部19で発生した熱を効率良く放熱させることができる。
図1に示す半導体レーザ素子1は、本実施態様の半導体装置の製造方法を用いて、以下のようにして製造される。図2〜図5は、本実施態様による半導体レーザ素子1の製造における各工程の状態を簡略化して示す断面図である。
図2は、半導体装置本体10を形成した状態を示す断面図である。半導体装置本体10は、以下のようにして形成することができる。まず、n型半導体基板11の一方の表面部に、分子線エピタキシ(Molecular Beam Epitaxy;略称MBE)法、有機金属化学気相成長(Molecular Organic Chemical Vapor Deposition;略称MOCVD)法などのエピタキシャル成長法などを用いて、n型バッファ層12、n型クラッド層13、活性層14、p型第1クラッド層15、p型エッチングストップ層16、p型第2クラッド層17およびp型コンタクト層18を、n型半導体基板11の厚み方向に順次結晶成長させる。
たとえば、半導体レーザ素子1がアルミニウム−ガリウム−インジウム−リン(化学式AlGaInP)系の半導体レーザ素子である場合、n型半導体基板11はヒ化ガリウム(化学式GaAs)などで形成され、n型バッファ層12はガリウム−インジウム−リン(化学式GaInP)などで形成され、n型クラッド層13はアルミニウム−ガリウム−インジウム−リン(化学式AlGaInP)などで形成され、活性層14はAlGaInP、GaInPなどで形成され、p型第1クラッド層15はAlGaInPなどで形成され、p型エッチングストップ層16はGaInPなどで形成され、p型第2クラッド層17はAlGaInPなどで形成され、p型コンタクト層18はGaAsなどで形成される。
半導体レーザ素子1は、AlGaInP系の半導体レーザ素子に限定されず、アルミニウム−ガリウム−ヒ素(AlGaAs)系、インジウム−ガリウム−ヒ素−リン(InGaAsP)系などの半導体レーザ素子であってもよい。この場合、n型半導体基板11、n型バッファ層12、n型クラッド層13、活性層14、p型第1クラッド層15、p型エッチングストップ層16、p型第2クラッド層17およびp型コンタクト層18の材料は、適宜選択される。
n型半導体基板11、n型バッファ層12およびn型クラッド層13には、n型の導電性を示すように、たとえばケイ素(Si)などのIV族元素、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)などのVI族元素などのn型不純物が添加される。p型第1クラッド層15、p型エッチングストップ層16、p型第2クラッド層17およびp型コンタクト層18には、p型の導電性を示すように、たとえば亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、ベリリウム(Be)などのII族元素などのp型不純物が添加される。
活性層14は、量子井戸構造であることが好ましい。量子井戸構造の活性層14を設けることによって、半導体レーザ素子1の出力を高めることができる。量子井戸構造の活性層14は、障壁層と、障壁層よりもバンドギャップの小さい井戸層とを含んで構成される。この場合、活性層14は、単一量子井戸構造であってもよく、また多重量子井戸構造であってもよい。多重量子井戸構造の活性層14は、たとえば、複数の障壁層と複数の井戸層とを交互に積層することによって形成することができる。
n型半導体基板11の厚さは、たとえば約100μmである。n型バッファ層12の厚さは、たとえば約0.3μmである。n型クラッド層13の厚さは、たとえば約2μmである。活性層14の厚さは、たとえば0.1μmである。p型第1クラッド層15の厚さは、たとえば約0.1μmである。p型エッチングストップ層16の厚さは、たとえば約10nmである。p型第2クラッド層17の厚さは、たとえば約1μmである。p型コンタクト層18の厚さは、たとえば約0.5μmである。
以上のようにして形成したp型コンタクト層18およびp型第2クラッド層17を、ウェットエッチングまたはドライエッチングによってストライプ状にエッチングし、リッジ部19およびテラス部20を形成する。これによって、p型エッチングストップ層16の表面部に凹凸構造が形成される。本実施態様では、リッジ部19およびテラス部20は、リッジ部19の長手方向に垂直な仮想平面における断面形状が、p型エッチングストップ層16から離れるにつれて幅が小さくなるような台形状、すなわち順メサ形状に形成される。これによって、外方に向かって広がるような形状の凹部24が形成される。
次いで、リッジ部19の頂部、すなわち露出するp型コンタクト層18の一方の表面部を除く部分に、プラズマ化学気相成長(Plasma−CVD;略称P−CVD)法などを用いて誘電体膜21を成膜する。これによって、リッジ部19の長手方向側面部、ならびにテラス部20およびp型エッチングストップ層16の表面部に誘電体膜21が形成される。誘電体膜21は、たとえば二酸化ケイ素(化学式SiO)などの誘電材料で形成される。誘電体膜21の厚さは、たとえば約0.2μmである。
続いて、誘電体膜21が形成されていないリッジ部19の頂部であるp型コンタクト層18の一方の表面部に、蒸着法などを用いて、p側コンタクト電極22を成膜する。これによって、半導体装置本体10が形成される。p側コンタクト電極22は、リッジ部19と電極層29とをオーミック接触させることができるように、たとえば金−亜鉛(化学式AuZn)合金などの導電材料で形成される。p側コンタクト電極22の厚さは、たとえば約0.1μmである。
図3は、半導体装置本体10の凹凸状の表面部全面に第1電極層27を形成した状態を示す断面図である。前述のようにして形成された半導体装置本体10の凹凸状の表面部全面、すなわち誘電体膜21およびp側コンタクト電極22の露出する表面部全体に、第1電極層27を成膜する。これによって、図3に示すように、凸部23および凹部24の側面部26、ならびに凹部24の底面部25に第1電極層27が形成される。
第1電極層27は、第2電極層28と異なる電気伝導度を有する材料で形成される。本実施の形態では、第1電極層27は、第2電極層28よりも電気伝導度の小さい材料で形成される。具体的には、たとえば第2電極層28が金(元素記号Au)で形成される場合、第1電極層27は、チタン(元素記号Ti)、モリブデン(元素記号Mo)、白金(元素記号Pt)などのAuよりも電気伝導度の小さい金属材料で形成される。この中でも、Auとの電気伝導度の差が好適であることから、Tiが好適に用いられる。
また、本実施の形態では、第1電極層27は、金属層30からp側コンタクト電極22を介してリッジ部19に金属が拡散されることを防止することのできる材料で形成される。このような材料としては、たとえば、金属層30がAuで形成される場合には、前述の第2電極層28を構成する材料よりも電気伝導度の小さい材料として例示したTi、Mo、Ptなどを挙げることができる。
すなわち、第2電極層28および金属層30がAuで形成される場合、Ti、MoおよびPtから選ばれる1種または2種以上、好ましくはTiを用いて第1電極層27を形成することによって、第2電極層28よりも電気伝導度が小さく、かつ金属層30からリッジ部19への金属の拡散を防止することのできる拡散防止層として機能する第1電極層27を形成することができる。第1電極層27の厚さは、たとえば約0.1μmである。
図4は、第2電極層28を形成した状態を示す断面図である。前述のようにして形成された第1電極層27の露出する表面部にフォトレジストを塗布し、図示しないレジスト層を形成する。フォトリソグラフィ法によって、凹部24の底面部25に形成された第1電極層27のみが露出するように、レジスト層をパターニングする。次いで、露出された凹部24の底面部25の第1電極層27をエッチングによって選択的に除去する。これによって、凹部24の底面部25において誘電体膜21が露出し、半導体装置本体10の凹凸状の表面部のうち、凸部23および凹部24の側面部26のみに第1電極層27が形成された状態となる。
続いて、第1電極層27が形成された半導体装置本体10の凹凸状の表面部全面、すなわち第1電極層27の露出する表面部および誘電体膜21の露出する表面部全体に、蒸着法、スパッタリング法などによって第2電極層28を成膜する。これによって、凹部24の底面部25と、凸部23および凹部24の側面部26に形成された第1電極層27の表面部とに、第2電極層28が形成される。第2電極層28は、第1電極層27を構成する材料よりも電気伝導度が大きい材料で形成される。たとえば、第1電極層27を前述のようにTi、Mo、PtなどのAuよりも電気伝導度の小さい材料で形成する場合には、第2電極層28は、Auで形成することができる。第2電極層28の厚さは、たとえば約0.1μmである。
次に、形成された第2電極層28の露出する表面部全体にフォトレジストを塗布し、図示しないレジスト層を形成する。フォトリソグラフィ法によって、凹部24の底面部25に形成されたレジスト層のみが残存するように、レジスト層をパターニングする。これによって、凸部23および凹部24の側面部26に形成された第1電極層27の表面部に形成された第2電極層28が露出する状態となる。
形成されたレジストパターンをマスクとしてウェットエッチングまたはドライエッチングを行ない、凹部24の底面部25のみに第2電極層28が残存するように、露出する第2電極層28を選択的に除去する。以上のようにして、図4に示すように、凹部24の底面部25に、第1電極層27よりも電気伝導度が大きい第2電極層28を、第1電極層27に電気的に接続されるように形成することができる。
本実施の形態では、以上の第1電極層27の形成工程および第2電極層28の形成工程が電極層29を形成する電極形成工程に相当する。これらの工程によって、凹部24の底面部25に形成される第2電極層28の電気伝導度が、凸部23および凹部24の側面部26に形成される第1電極層27の電気伝導度よりも大きい電極層29を容易に形成することができる。
なお、本実施の形態では、第1電極層27および第2電極層28のパターニングは、エッチングによって行なうけれども、これに限定されず、リフトオフ法を用いて行なうこともできる。リフトオフ法を用いる場合、たとえば第2電極層28のパターニングは、以下のようにして行なうことができる。第1電極層27のパターニング後、第2電極層28を形成する前に、第1電極層27が形成された半導体装置本体10の凹凸状の表面部に、全面にわたってレジスト層を形成する。フォトリソグラフィ法によって、第1電極層27が形成されていない凹部24の底面部25に臨む誘電体膜21が露出するように、レジスト層をパターニングする。次いで、半導体装置本体10の凹凸状の表面部全体、すなわちレジスト層の露出する表面部および誘電体膜21の露出する表面部全体に第2電極層28を成膜した後、レジスト層を剥離液などで剥離させる。これによって、レジスト層の表面部に形成された第2電極層28がレジスト層とともに除去され、図4に示すように凹部24の底面部25のみに第2電極層28が残存する状態にパターニングされる。第1電極層27についても同様にしてパターニングすることができる。
図5は、金属層30およびn側電極31を形成した状態を示す断面図である。第2電極層28のパターニング後、めっき工程を行なう。具体的には、第1電極層27および第2電極層28が形成された半導体装置本体10をめっき浴に浸漬し、第1電極層27および第2電極層28をめっき給電層として、電解めっきによって第1電極層27および第2電極層28の表面部に金属層30を析出させる。
本実施の形態では、凹部24の底面部25に形成される第2電極層28の電気伝導度は、凸部23および凹部24の側面部26に形成される第1電極層27の電気伝導度よりも大きいので、第1電極層27および第2電極層28に通電したとき、第2電極層28内の電流密度は、第1電極層27内の電流密度よりも高くなる。電流密度が高いほど、その部分への金属層30の析出速度が速くなるので、第2電極層28への金属層30の析出速度は、第1電極層27への金属層30の析出速度よりも速くなる。めっき浴への浸漬時間が同じ場合、形成される金属層30の層厚は、その析出速度が速いほど厚くなるので、電流密度の違いによる析出速度の違いを利用して金属層30の各部分における層厚を調整することができる。これによって、凹部24の底面部25に形成された第2電極層28の表面部に形成される金属層30の層厚d2を、凸部23に形成された第1電極層27の表面部に形成される金属層30の層厚d1および凹部24の側面部26に形成された第1電極層27の表面部に形成される金属層30の層厚d3に比べて厚くすることができる。したがって、半導体装置本体10を臨む側と反対側の表面部が平坦な金属層30を容易に形成することができる。
ここで、前記表面部が平坦な金属層30をより確実に形成するためには、リッジ部19およびテラス部20は、本実施の形態のように、断面形状が、p型エッチングストップ層16から離れるにつれて幅が小さくなるような台形状、具体的には順メサ形状に形成されることが好ましい。これによって、凹部24を、外方に向かって広がるような形状に形成することができるので、半導体装置本体10を臨む側と反対側の表面部が平坦な金属層30をより確実に形成することができる。
金属層30は、たとえばAuで形成される。金属層30は、凸部23に積層される部分の厚さ、すなわち凸部23に形成された第1電極層27の表面部に形成される部分の厚さd1が、たとえば約1μmである。
金属層30の形成後、n型半導体基板11の他方の表面部全体に、Auなどの導電材料をスパッタ法などによって成膜し、n側電極31を形成する。n側電極31の厚さは、たとえば約0.5μmである。以上のようにして、半導体レーザ素子1が製造される。
前述のように、本実施の形態では、電極形成工程において、凹部24の底面部25に、凸部23および凹部24の側面部26に形成される第1電極層27よりも電気伝導度の大きい第2電極層28を形成するので、めっき工程において、半導体装置本体10を臨む側と反対側の表面部が平坦な金属層30を形成することができる。したがって、前述の図1に示すように、半導体装置本体10の凹凸状の表面部が金属層30で平坦化された、放熱性に優れる半導体レーザ素子1を製造することができる。
また、本実施の形態では、リッジ部19の両側方には、リッジ部19と略等しい高さのテラス部20が配置されているので、テラス部20が防護壁となり、半導体レーザ素子1の作製時にリッジ部19が破損することを防止することができる。したがって、製造歩留を向上させることができる。
また、本実施の形態では、リッジ部19の高さとテラス部20の高さとが略等しいので、第1電極層27を、リッジ部19の頂部に形成される部分の電気伝導度がテラス部20の頂部に形成される部分の電気伝導度と異なるように形成する必要がない。
たとえばリッジ部19がテラス部20よりも低く形成される場合、前記表面部が平坦な金属層30を形成するためには、リッジ部19の頂部に形成される第1電極層27の電気伝導度を、テラス部20の頂部に形成される第1電極層27の電気伝導度よりも大きくする必要がある。このような第1電極層27を形成するためには、第1電極層27と第2電極層28とを作り分けるときと同様に、金属膜の成膜およびパターニングを繰返し行なわなければならず、製造工程が増加する。
これに対し、本実施の形態では、リッジ部19の頂部とテラス部20の頂部とに、同じ電気伝導度の第1電極層27を形成するだけで、半導体装置本体10を臨む側と反対側の表面部が平坦な金属層30を形成することができる。したがって、リッジ部19の高さとテラス部20の高さとが異なる場合に比べ、製造工程を簡略化することができる。
また、本実施の形態では、第1電極層27は、金属層30からリッジ部19への金属の拡散を防ぐことのできる材料で形成される。凸部23を構成するリッジ部19は電流流路であるので、リッジ部19に電流を注入するために、リッジ部19の頂部にはp側コンタクト電極22が形成され、このp側コンタクト電極22が凸部23に形成される第1電極層27に電気的に接続される。このとき、第1電極層27の表面部に形成される金属層30からp側コンタクト電極22を介してリッジ部19に金属が拡散することを防止するために、リッジ部19と金属層30との間にはバリアメタル層が必要である。本実施の形態では、第1電極層27が、前述のように金属層30からリッジ部19への金属の拡散を防止することのできる材料で形成され、リッジ部19と金属層30との間のバリアメタル層の役割を果たすので、金属層30からp側コンタクト電極22を介してリッジ部19のp側コンタクト層18に金属が拡散されることを防ぐことができる。したがって、リッジ部19と金属層30との間に新たにバリアメタル層を形成する必要がないので、製造工程を一層簡略化することができる。
以上のように、本実施の形態では、リッジ部19の頂部には、p側コンタクト電極22が設けられるけれども、p側コンタクト電極22を設けない構成とすることもできる。この場合、リッジ部19の頂部、すなわちp側コンタクト層18に接するように第1電極層27を形成し、第1電極層27をp側コンタクト電極22として用いる。これによって、p側コンタクト電極22を形成する工程が不要となるので、製造工程をさらに簡略化することができる。この場合の第1電極層27を構成する材料は、リッジ部19と金属層30とのオーミック接触が実現されるように選択される。このような材料としては、前述のTiなどが挙げられる。
図6は、本発明の実施の他の態様である半導体装置の製造方法によって得られる半導体レーザ素子2の構成を簡略化して示す断面図である。本実施態様(以後、第2実施態様とも称する)によって得られる半導体レーザ素子2は、前述の実施態様(以後、第1実施態様とも称する)によって得られる半導体レーザ素子1と類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
半導体レーザ素子2において注目すべきは、第1電極層27が、半導体装置本体10の凹凸状の表面部の全面にわたって形成されていることである。すなわち、電極層40は、半導体装置本体10の凹凸状の表面部全体に形成される第1電極層27と、凹部24の底面部25に形成された第1電極層27の表面部に形成される第2電極層28とを含む。
本実施態様による半導体レーザ素子2は、実施の第1態様による半導体レーザ素子1と同様に、金属層30の半導体装置本体10を臨む側と反対側の表面部が平坦に形成されるので、金属層30の平坦な表面部全体にはんだ材を回込ませ、ヒートシンクとの間に空洞を生じさせることなく、ヒートシンクに融着させることができる。したがって、本実施態様による半導体レーザ素子2は、第1実施態様による半導体レーザ素子1と同様に、動作時に活性層14で発生した熱を、金属層30を通して効率的に放熱することができる。
図6に示す半導体レーザ素子2は、電極層40を形成する電極形成工程以外は、前述の第1実施態様と同様にして製造することができる。第1実施態様と本実施態様との違いは、第1実施態様では、図3に示すように半導体装置本体10の凹凸状の表面部全体に第1電極層27を形成した後、エッチングによって凹部24の底面部25に形成された第1電極層27を選択的に除去した後で第2電極層28を形成するのに対し、本実施態様では、第1電極層27のエッチングを行なわずに、そのまま第2電極層28の形成を行なうことである。
すなわち、半導体レーザ素子2は、以下のようにして製造することができる。まず、第1実施態様と同様にして、半導体装置本体10を形成し、前述の図3に示すように半導体装置本体10の凹凸状の表面部全面にわたって第1電極層27を形成する。
次いで、第1電極層27の露出する表面部全体に、第1実施態様と同様にして第2電極層28を形成する。これによって、半導体装置本体10の凹凸状の表面部全体に第1電極層27および第2電極層28が形成される。本実施態様においても、第2電極層28は、第1電極層27を構成する材料よりも電気伝導度が大きい材料で形成される。
続いて、凹部24の底面部25に形成された第1電極層27の表面部に形成された第2電極層28のみが残存するように、第1実施態様と同様にフォトリソグラフィ法を用いて、凸部23および凹部24の側面部26に形成された第1電極層27の表面部に形成された第2電極層28を選択的に除去する。これによって、図6に示すように、凹部24の底面部25に形成された第1電極層27の表面部のみに第2電極層28が形成された状態となる。以上のようにして、電極層40が形成される。
第2電極層28のパターニング後、第1実施態様と同様にして、電極層40が形成された半導体装置本体10をめっき浴に浸漬し、第1電極層27および第2電極層28をめっき給電層として、電解めっきによって第1電極層27および第2電極層28の露出する表面部に金属層30を析出させる。
このとき、凹部24の底面部25に形成された第2電極層28の電気伝導度は、凸部23および凹部24の側面部26に形成された第1電極層27の電気伝導度よりも大きいので、凹部24の底面部25に形成された第2電極層28内の電流密度は、第1実施態様と同様に、凸部23および凹部24の側面部26に形成された第1電極層27内の電流密度よりも高くなる。
また、本実施の形態では、第2電極層28は、凹部24の底面部25において第1電極層27に確実に接触した状態で形成されるので、第1電極層27との電気的な導通を確実にとることができ、第1電極層27と第2電極層28との間で電気的に導通がとれなくなることを防ぐことができる。これによって、金属層30を形成する際に、第2電極層28を含む電極層40全体に確実に電流を行き渡らせることができるので、金属層30が部分的に形成されなくなることを防ぎ、電極層40の表面部全体に金属層30を形成することができる。
このように、本実施態様では、プロセス上の不良を防止することができるので、半導体装置本体10を臨む側と反対側の表面部が平坦に形成された金属層30をより確実に形成することができる。
なお、本実施態様では、凹部24の底面部25に形成される第1電極層27の電気伝導度は、凸部23および凹部24の側面部26に形成される第1電極層27の電気伝導度と同じであるけれども、凹部24の底面部25に形成される第1電極層27の表面部には、第1電極層27よりも電気伝導度の大きい第2電極層28が形成されているので、前記表面部が平坦な金属層30を形成することができる。すなわち、半導体装置本体10を臨む側と反対側の表面部が平坦な金属層30を形成するためには、金属層30を形成する際に、凹部24の底面部25において露出する電極層40である第2電極層28の電気伝導度が、凸部23および凹部24の側面部26において露出する電極層40である第1電極層27の電気伝導度よりも大きいことが必要である。
以上のようにして金属層30を形成した後、第1実施態様と同様にしてn側電極31を形成し、半導体レーザ素子2を得る。前述のように、本実施態様では、凹部24の底面部25に形成された第1電極層27を除去することなく第2電極層28を形成するので、第1実施態様のように凹部24の底面部25に形成された第1電極層27を除去した後に第2電極層28を形成する場合に比べ、製造工程を簡略化することができる。
以上の第1および第2実施態様では、半導体装置として半導体レーザ素子1,2を製造するけれども、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体レーザ素子の製造に限定されず、発光ダイオードなどの他の半導体装置の製造にも用いることができる。ただし、第1および第2実施態様による半導体レーザ素子1,2などの半導体レーザ素子は、他の半導体装置に比べて発熱量が多いので、第1および第2実施態様のように、金属層30の半導体装置本体10を臨む側と反対側の表面部を平坦に形成して放熱性を向上させることが特に有効である。このようにして放熱性を向上させることによって、半導体レーザ素子の更なる高出力化が可能になる。したがって、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体レーザ素子の製造に特に好適である。
なお、以上の第1および第2実施態様では、基板としてn型半導体基板を用いるけれども、p型半導体基板を用いてもよい。この場合には、第1および第2実施態様においてp型の導電性を有するように形成した層をn型の導電性を有するように形成し、n型の導電性を有するように形成した層をp型の導電性を有するように形成すればよい。
本発明の実施の一態様である半導体装置の製造方法によって得られる半導体装置1の構成を簡略化して示す断面図である。 半導体装置本体10を形成した状態を示す断面図である。 半導体装置本体10の凹凸状の表面部全面に第1電極層27を形成した状態を示す断面図である。 第2電極層28を形成した状態を示す断面図である。 金属層30およびn側電極31を形成した状態を示す断面図である。 本発明の実施の他の態様である半導体装置の製造方法によって得られる半導体レーザ素子2の構成を簡略化して示す断面図である。 従来のリッジ型半導体レーザ素子90の構成を簡略化して示す断面図である。
符号の説明
1,2 半導体レーザ素子
10 半導体装置本体
11 n型半導体基板
12 n型バッファ層
13 n型クラッド層
14 活性層
15 p型第1クラッド層
16 p型エッチングストップ層
17 p型第2クラッド層
18 p型コンタクト層
19 リッジ部
20 テラス部
21 誘電体膜
22 p側コンタクト電極
23 凸部
24 凹部
25 凹部の底面部
26 凹部の側面部
27 第1電極層
28 第2電極層
29,40 電極層
30 金属層
31 n側電極

Claims (5)

  1. 略等しい高さに形成されるリッジ部およびテラス部を含み、凹凸状の表面部を有する半導体装置本体と、半導体装置本体の凹凸状の表面部に積層される金属層とを備える半導体装置の製造方法であって、
    リッジ部とテラス部とが互いに離間し、かつテラス部がリッジ部の両側方に配置されるようにリッジ部およびテラス部を形成することによって、前記凹凸状の表面部を形成した後、リッジ部の側面部、テラス部の表面部および前記凹凸状の表面部の凹部の底面部に誘電体膜を形成して半導体装置本体を得る工程と、
    前記凹凸状の表面部に電極層を形成する電極形成工程と、
    電解めっきによって電極層の上に金属層を形成するめっき工程とを含み、
    前記電極形成工程では、
    電極層は、前記凹凸状の表面部の凹部の底面部に形成される電極層の電気伝導度が、前記凹凸状の表面部の凸部および凹部の側面部に形成される電極層の電気伝導度よりも大きくなるように形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記電極形成工程は、
    前記凹凸状の表面部のうち、凸部および凹部の側面部に第1電極層を形成する工程と、
    前記凹凸状の表面部の凹部の底面部に、第1電極層よりも大きい電気伝導度を有する第2電極層を、第1電極層に電気的に接続されるように形成する工程とを含むことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記電極形成工程は、
    前記凹凸状の表面部に、全面にわたって第1電極層を形成する工程と、
    第1電極層が形成された前記凹凸状の表面部の凹部の底面部に、第1電極層よりも大きい電気伝導度を有する第2電極層を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記凹凸状の表面部の凸部を構成するリッジ部に形成される電極層は、金属層からリッジ部への金属の拡散を防止することのできる材料で形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
  5. 請求項1〜のうちのいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法によって製造される半導体装置であって、
    前記凹凸状の表面部に積層される金属層は、半導体装置本体を臨む側と反対側の表面部が平坦に形成されることを特徴とする半導体装置。
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