JP4570395B2 - 農薬展着剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は特定の構造のグリセリン変性シリコーンを含む農薬展着剤組成物に関する。該グリセリン変性シリコーンは、炭化水素油や植物抽出液を含む乳化液が葉面全体に均等に付着することを促進し、それらの殺虫効果等を向上する。
除草、害虫駆除、病害予防の目的で農作物へ農薬を散布するとき、農作物への農薬の付着状態が不均一であると薬効が低下する。散布してからできるだけ短時間に、均一に農薬を農作物に付着させ、雨が降る前に薬効成分を葉内部へ浸透させる目的で界面活性剤を添加し、農薬水溶液の表面張力を低下させる方法が取られている。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル等の他、低毒性であり界面活性が高いという特性からシリコーン界面活性剤が使用されている。シリコーン界面活性剤の中でも、主鎖がトリシロキサン骨格を有するポリエーテル変性シリコーンは界面活性力が高く、農薬展着剤として実用化されている(特許文献1)。また、上記シリコーンはpHが酸性あるいは塩基性では界面活性が低下するという欠点があったがシロキサン鎖の構造を変更することで改良されている(特許文献2)。
一方、炭化水素油や植物抽出液をベースとしたスプレー剤は害虫の気孔を塞ぐことによって駆除する効果と、葉内部への農薬の浸透性を向上させる効果があることが知られている(非特許文献1)。しかしながら、炭化水素油、特に植物抽出液は表面張力が高く、また疎水性の葉表面への濡れ性が劣るためアルキル変性シリコーンを添加して表面張力を低下させることが提案されている(特許文献3)。R. E. Gaskinらは“SPRAY OILS−BEYOND 2000(Published by University of Western Sydney)媒の中でアルキルシリコーンを使用した場合に植物抽出液の拡展性が著しく向上し、害虫駆除に効果があることを報告している。
さらに、最近の報告では3個以上の水酸基を有するシリコーン類および2個の水酸基を有しポリオキシエチレン基を有するシリコーン類が表面張力低下能を有するとしており、水酸基を有する官能基として糖類を例示している(特許文献4)。
特公平6−55642 号公報 特開平2000-327787号公報 欧州特許公開0648413A1号公報 特表2003-533558号公報 J. Agric. Food Chem., 34(2), 235 "SPRAY OILS−BEYOND 2000"、ウェスタンシドニー大学、2002年
しかし、上記従来のシリコーン系展着剤は、界面活性性能の点でさらなる改良が必要である。そこで、従来のシリコーンよりも高い界面活性を有する特定のシリコーンを含む、自己乳化型又は乳化型の展着剤組成物を提供することにある。
即ち、本発明は、(1)油剤:100質量部、(II)下記式(1)〜(3)のいずれかで表されるグリセリン変性シリコーンの少なくとも1種:0.1〜100質量部、(3)非イオン界面活性剤1〜50質量部、(4)水:(1)、(II)、(III)の合計100質量部に対して0〜1000質量部からなる農薬展着剤組成物である。
Figure 0004570395
Figure 0004570395
Figure 0004570395
上式において、R1は、互いに独立に、炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はフッ素置換アルキル基であって、pは1〜3、qは1〜2、及び、rは0〜6の整数である。
好ましくは、前記油剤が、パラフィン油、菜種油、及び大豆油からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
上記本発明の組成物は、作物に散布された際に、作物の表面に迅速且つ均等に広がることによって、向上された殺虫効果等を示す。
本発明の農薬展着剤組成物における(1)油剤としては、害虫を駆除する効果と、葉内部への農薬の浸透性を向上させる効果があるものであれば、任意のものを使用することができる。例えば、植物の種子から抽出される植物油、牛脂などに代表される動物油があげられ、これらの水素化物あるいはエステル化物が用いられる。また、炭化水素油として総称されるマシン油、スピンドル油などの鉱物系も用いられる。
例えば、天然動植物油脂類及び半合成油脂としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。
好ましくは融点が低く、室温で液状のアボガド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、ヒマシ油、ヒマワリ油、グレープシード油、綿実油であり、さらに好ましくはサフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、綿実油などの価格の低いものがあげられる。
炭化水素油としては、当業者において一般にマシン油あるいはスピンドル油と呼ばれている石油系の油剤があげられ、各種粘度の製品から適宜選択され好適に使用される。さらにオゾケライト、α―オレフィンオリゴマー、スクワラン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン(ミネラルオイル)、ポリブテン、流動イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等があるが、この中から天然動植物油と同様に室温で液状であるα―オレフィンオリゴマー、スクワラン、セレシン、流動パラフィン、流動イソパラフィンが好ましく、さらに好ましくは流動パラフィンである。
同様に植物油の構成成分である脂肪酸や高級アルコールおよびエステル油も油剤として使用可能であるが、室温で液状であるものが好ましい。なお、該油剤は2種以上の混合物であってもよい。
本発明の組成物における(II)グリセリン変性シリコーンは下記式(1)〜(3)のいずれかで表される少なくとも1種である。
Figure 0004570395
Figure 0004570395
Figure 0004570395
上式において、R1は互いに独立に、炭素数1〜30、好ましくは1〜6、のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はフッ素置換アルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、トリフロロプロピル基、ヘプタデカフロロデシル基等のフッ素置換アルキル基などを挙げることができる。好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基である。より好ましくは、全R1の80%以上がメチル基である。
該グリセリン変性シリコーンは、オルガノハイドロジェントリシロキサンとグリセリンモノアリルエーテル(即ち、1−アリロキシ−2,3−プロパンジオール)とを付加反応させることによって作ることができる。式(1)で表されるシリコーンの好ましい例として、下記の1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンと、1−アリロキシ−2,3−プロパンジオールとの付加反応物の化合物(4)である。
Figure 0004570395
式(2)で表されるシリコーンの原料となるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの例としては、M2DDH、M2D2DH、M2D3DH、M2DDH 2、M2D2DH 2、M2D3DH 2及びこれらの混合物があげられ、平衡化反応により得られる各種環状及び直鎖シリコーンの混合物(以下、「平衡化混合物」といういう)であってもよい。但し、本明細書において、(H3C)3SiO1/2基をMと表記し、(H3C)2SiO基をDと表記し、MおよびD中のメチル基の1つが水素である単位をMHおよびDHと表記する。またメチル基の1つを置換基Rで置換した単位をそれぞれMRおよびDRと表記する。好ましくは水素原子が1つ含まれるM2DDH、M2D2DH、及びM2D3DH、より好ましくはM2DDH、M2D2DHが使用される。これらオルガノハイドロジェンポリシロキサンとグリセリンモノアリルエーテル、例えば、1−アリロキシ−2,3−プロパンジオール、との付加反応により式(2)のグリセリン変性シリコーンが得られる。
式(3)において、rは0〜6、好ましくは0〜3の整数である。原料として使用されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、MMH、MDMH、MD3MH、及びMn-BuD4.5MHなどが例示され、MDMHは、例えばM2を1モルとM2 Hを1モル及びD4を1/4モルとを酸触媒で平衡化して得られるM2 H、MMH、MDMH、M2 HD、MD3MH、M2 H2などの平衡化混合物であっても良く、又、Mn-BuD4.5MHのようなMn-BuD3MH とMn-BuD6MHの混合物であっても良い。好ましくはMMHあるいはMD3MH、より好ましくはMD3MHが使用される。例えば、下式(5)で表される、MD3MHと1−アリロキシ−2,3−プロパンジオールの付加反応物が好ましい。
Figure 0004570395
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとグリセリンモノアリルエーテルとの反応比率は、アリル基等の不飽和基のSiH基に対するモル比で、0.8〜1.5、好ましくは0.9〜1.2である。
上記付加反応は、白金触媒又はロジウム触媒の存在下で行うことが望ましく、具体的には塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸−ビニルシロキサン錯体等の触媒が好適に使用される。また、助触媒として酢酸ナトリウムやクエン酸ナトリウムを添加しても良い。
なお、触媒の使用量は触媒として有効な量であればよいが、白金又はロジウム量で50ppm以下であることが好ましく特に20ppm以下であることが好ましい。上記付加反応は、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよい。有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等の脂肪族アルコール、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。付加反応条件は特に限定されるものではないが、還流下で1〜10時間反応させることが好ましい。
該グリセリン変性シリコーンの量は、油剤100質量部に対して0.1〜100質量部、好ましくは1質量部〜50質量部であり、さらに好ましくは1質量部〜15質量部である。この範囲であれば油剤に対して十分に溶解し、組成物中で分離等が起こらず、また、取り扱いに優れたものとなるうえ、油剤の界面張力を十分に低下させることができる。
本発明の組成物において、(III)非イオン性界面活性剤は、油剤およびグリセリン変性シリコーンを水もしくは水性組成物に乳化分散させるためのものである。該界面活性剤は、公知の非イオン性界面活性剤であってよく、例えばソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油等が挙げられ、これらの2種以上を組み合わせてもよい。該非イオン性界面活性剤の添加量は、油剤100質量部に対して1〜50質量部、好ましくは2〜40質量部、より好ましくは5〜30質量部である。添加量が、前記下限値よりも少ないと乳化性能が不足し、一方、前記上限値よりも多いと、グリセリン変性シリコーンの溶解性を低下させて、該シリコーンの界面張力低下効果が十分に発揮できなくなる場合がある。
本発明の農薬展着剤組成物は、水を含有しない自己乳化型タイプ、即ち、使用するときに水を加えて撹拌混合することにより乳化物となるタイプ、でもよいし、当初より水を含有する乳化型であっても良い。乳化型とする場合、前述の(1)油剤、(II)グリセリン変性シリコーン、(III)非イオン界面活性剤に所定量の(4)水を添加し、プロペラミキサー、アンカーミキサー、パドルミキサー、ホモミキサー、ラインミキサー、コロイドミル、ホモジナイザー等の撹拌混合機にて乳化する事によって得られる。水の量は、(1)、(II)、(III)の合計100質量部に対して、1000質量部であり、好ましくは、800質量部以下である。水の量が前記上限値を越えると油剤の濃度が低くなりすぎ、所望の効果を得るためには、何度も撒布しなければならず経済的ではない。
本発明の組成物は、上記成分に加えて、防腐の目的で少量の保存料・殺菌料を添加してもよい。この保存料・殺菌料の具体例としては、次亜塩素酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラベン類、イソチアゾリン化合物等が挙げられる。これらの添加量は本発明の農薬展着剤組成物100質量部に対して、好ましくは0.001〜1.0質量部、より好ましくは、0.005〜0.8質量部である。
さらに、所望により、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ソーダ、キサンタンガム等の安定化剤を添加しても良い。
また、農薬あるいは他の添加剤を追加しても良い。使用可能な農薬としては除草剤、殺菌剤、殺虫剤などがあげられるが特に限定されるものではない。
農薬等を混合する際の泡立ちを抑えるために消泡剤、例えばシリコーンオイルとシリカ等からなるシリコーン系消泡剤を添加してもよい。
本発明の農薬展着剤組成物を農作物に散布する際は、乳化型もしくは自己乳化型のいずれの場合においても水で希釈して、撹拌混合して均一な乳化物とした後、噴霧器、散布機等を使用して散布される。撹拌混合は、一般に使用されている撹拌混合機でよく、プロペラミキサー、アンカーミキサー、パドルミキサー、ホモミキサー、ラインミキサー等が挙げられるが、小規模では撹拌棒、撹拌へら等による撹拌混合で任意の濃度の乳化物を作成することが出来る。この時、公知の水分散液用展着剤、例えばポリオキシエチィレンノニルフェニルエーテル、ポリエーテル変性シリコーン等、消泡剤等の添加剤を配合してもよい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。実施例中の界面張力は25℃における値であり、液滴法により空気との界面張力を測定した(協和界面化学株式会社製 全自動界面張力系PD−W型)。なお、表中の括弧内におけるDあるいはIの記号は溶解性を示すものでありDは微分散状態、Iは不溶を示し、特に記載のないものについては透明溶解を示すものとする。この方法にて測定したジメチルポリシロキサン(25℃での粘度が30mm2/s)の界面張力は18.2mN/mであった。
本実施例中の各種官能基変性シリコーンは、撹拌機、温度計および還流管を備えた反応器に、SiH基に対する不飽和基のモル比が1.05となる量の不飽和基含有化合物と溶媒と、有効量の触媒を入れ、オルガノハイドロジェンシロキサンを滴下しながら反応させた後、反応液を減圧下100℃にて蒸留して、溶剤を留去して得た。
例えば表1、No.1のグリセリン変性シリコーンは、撹拌機、温度計および還流管を備えた反応器に、グリセリンモノアリルエーテル100g、とイソプロピルアルコール100gおよび塩化白金酸0.5質量%のIPA溶液0.05gを仕込み、撹拌しながら60℃にてペンタメチルジシロキサン107gを滴下して反応を行った後、反応液を減圧下100℃にて蒸留し、溶剤を留去して得た。
グリセリン変性シリコーンNo.1〜5を調製し、それらの特性と、各種油剤と混合した組成物におけるシリコーンの溶解性、及び、該組成物の界面張力を測定した。
Figure 0004570395
表中、変性基量%は、グリセリンモノアリルエーテル質量/(グリセリンモノアリルエーテル質量+オルガノハイドロジェンシロキサン質量)(%)である。
表1から分かるように、本発明におけるグリセリン変性シリコーンは、油剤単独の界面張力を著しく低下する。特に、No.2および4は溶解性にも優れ、界面張力も大幅に低下していることがわかる。なお、No.3及び5に見られるように、ポリシロキサン分子量の増加、即ち、変性基含有量の低下により溶解性が低下してくるが、油剤の界面張力低下の効果に問題はなかった。
本発明の範囲を超える量でグリセリン変性された各種シリコーンNo.6〜8を調製した。
Figure 0004570395
これらのシリコーンはいずれも高粘度であった。また、各種油剤に対する溶解性が低く、混合した後に泡が消えるまで放置している間に、沈降してしまい、界面張力を測定することができなかった。
グリセリン以外の化合物により変性されたシリコーンNo.9〜20を調製した。
Figure 0004570395
表1と表4を比較すると分かるように、No.6〜20のシリコーンは、No.1〜5の本発明におけるグリセリンモノ変性シリコーンよりも界面活性が低かった。イソプレノール、エチレングリコールモノアリルエーテルおよびトリメチロールプロパンモノアリルエーテルで変性されたものは、流動パラフィンでの界面張力低下能は認められたものの、植物油における界面張力低下能が低かった。また、トリメチロールプロパンモノアリルエーテルは、グリセリンモノアリルエーテルと同様に2価アルコールであり、分子量も近い置換基ではあるが、これにより変性されたNo.19および20のシリコーンは、植物油の界面張力低下能において本発明におけるグリセリン変性シリコーンに及ばなかった。
図1及び図2は、夫々10質量%のサンプルNo.2及び11を夫々含有する流動パラフィンを夏みかんの葉に一滴(15μl)落とし、5分後に写真を撮ったものである。本発明におけるグリセリン変性シリコーンであるNo.2のサンプルを含有する流動パラフィンは、オクチル基を官能基とするNo.11と比較して葉上での拡展性に優れることがわかる。
実施例1、3、4、参考例2、5
上で調製したNo.1、2のシリコーンを用いて、下表に示す組成物を調製した。
Figure 0004570395
上表において、拡展性は下記の方法により評価した。
水以外の成分の合計質量が全質量の10質量%になるように水を添加し、均一に撹拌混合した後に、スプレーで葉に塗布する。水分が乾燥した後、葉の表面を観察して薬剤の付着範囲を目視観察し、以下の基準で判定した。
○:薬剤の付着範囲が、葉全表面積の95%以上
△:薬剤の付着範囲が、葉全表面積の70〜95%
×:薬剤の付着範囲が、葉全表面積の70%以下。

上表から、本発明の農薬展着剤組成物は広がりが良く、使用性の良いものであることがわかる。
比較例1〜4及び参考例1
No.8、14のシリコーンを使用して、下記組成物を調製した。また、No.2のグリセリン変性シリコーンを、本発明で規定する範囲外で含有する組成物を調製した。
Figure 0004570395
上表から分かるように、比較例1〜4の組成物は、実施例の組成物に比べて、拡展性に劣る。
本発明の農薬展着剤組成物は、特定のグリセリン変性シリコーンの界面張力低下効果により、葉面全体に広がり、効率的な殺虫効果等が得られる。
グリセリン変性シリコーン(No.2)を含む油剤の葉上での広がりを示す写真である。 グリセリン変性シリコーン(No.11)を含む油剤の葉上での広がりを示す写真である。

Claims (4)

  1. I)油剤 100質量部、
    (II)下記式(4)又は(5)で表されるグリセリン変性シリコーンの少なくとも1種 0.1〜100質量部、
    Figure 0004570395
    Figure 0004570395
    (III)上記(II)以外の非イオン性界面活性剤 1〜50質量部、及び
    (IV)水 (I)、(II)、(III)の合計100質量部に対して0〜1000質量部、
    を含むことを特徴とする農薬展着剤組成物。
  2. 油剤()が、パラフィン油、菜種油、及び大豆油からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の農薬展着剤組成物。
  3. 非イオン性界面活性剤(III)が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである請求項1または2記載の農薬展着剤組成物。
  4. さらに農薬を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の農薬展着剤組成物。
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