上記の先行技術では、確率変動により大当たりの当選確率が高確率となれば、遊技価値の増加を期待することや大当たりが連続する喜びを享受することができた。しかしながら、確率変動にならない遊技での遊技価値の増加はあまり期待できないものであり、さらに大当たりに連続して当選するという醍醐味も味わえないため、一度も大当たりにも確率変動にもならずに遊技をやめた遊技者の多くが、次回の遊技機会に当該遊技機で遊技する意欲を持てないという事態を引き起こしている。
そこで本発明は、遊技者の遊技意欲を湧き上がらせるゲーム性を提供する。
本発明の技術は、上記課題を解決するために以下の手段を採った。
(解決手段1)
解決手段1は、1回のゲームごとに所定数の遊技価値を掛けた状態で遊技者の操作に応じて起動と停止とを行い、遊技者の操作に応じた起動により図柄の表示を変動させる一方、遊技者の操作に応じた停止の際に複数の図柄を組み合わせて表示する図柄表示装置を備え、前記図柄表示装置の停止時に表示された図柄の組み合わせ態様に基づき、必要に応じて規定数の遊技価値を遊技者に与えて1回のゲームを終了するとともに、前記図柄の組み合わせ態様が予め定められた所定の表示態様に合致すると、通常遊技状態よりも遊技者にとって比較的有利な特別遊技状態への移行を制御可能な遊技機において、予め用意された複数の当選役の中からいずれか1つに該当するか否かの内部抽選を行う内部抽選手段と、前記内部抽選の結果が特定の当選役となると、前記特定の当選役に対応した図柄の組み合わせ態様が図柄表示装置の停止時に表示されたことを条件として、前記特別遊技状態へ遊技状態を移行させる制御を行なう特別遊技状態制御手段と、前記内部抽選における前記複数の当選役の各々の当選確率を規定する当選確率規定手段と、前記複数の当選役の中から少なくとも1つの当選役について前記当選確率規定手段により規定された当選確率を高く変更することが可能な確率変更手段と、前記内部抽選手段により行われる前記内部抽選とは別に、前記特別遊技状態への移行を契機として、前記確率変更手段により行われる少なくとも前記一つの当選役についての前記内部抽選における当選確率の変更を行なうべきか否かの確率変更抽選を行なう確率変更抽選手段と、前記確率変更抽選手段により行われる前記確率変更抽選に当選した場合、前記確率変更手段により少なくとも前記一つの当選役についての前記内部抽選における当選確率が高く変更された高確率遊技状態へ遊技状態を移行する制御を行なう高確率遊技状態制御手段と、前記確率変更抽選手段により行なわれる前記確率変更抽選および前記内部抽選手段により行なわれる前記内部抽選とは別に、前記高確率遊技状態における前記特別遊技状態への移行を契機として、以降の確率変更抽選にて第1の継続抽選確率および該第1の継続抽選確率よりも確率が高い第2の継続抽選確率とを含む複数の継続抽選確率のうちいずれかの継続確率で高確率遊技状態を継続させるべきか否かの継続抽選を行なう継続抽選手段と、前記継続抽選手段により行われる前記継続抽選において適用される前記複数の継続抽選確率のうち、いずれか一つの継続抽選確率に選択決定する継続抽選確率決定手段とを備え、前記特定の当選役には、少なくとも、前記特別遊技状態への移行を契機として行われる前記確率変更抽選において所定の確率で当選しうる第1の特定当選役と、該第1の特定当選役よりも前記確率変更抽選において高い確率で当選しうる第2の特定当選役とがあるとともに、前記第1の特定当選役に対応する図柄の組み合わせ態様と、前記第2の特定当選役に対応する図柄の組み合わせ態様とは、前記内部抽選により前記第1の特定当選役と前記第2の特定当選役とのうちいずれが当選したかを外見上判断することが困難とされており、前記継続抽選確率決定手段は、前記内部抽選の結果が前記第1の特定当選役であるときには、該第1の特定当選役に対応する図柄の組合せ態様が前記図柄表示装置の停止時に表示されたことに基づいて前記継続抽選が行われるときの継続抽選確率として、前記第2の継続抽選確率が選択決定される可能性を残しつつ、該第2の継続抽選確率よりも低い前記第1の継続抽選確率が選択される割合が大きくなるように決定する継続抽選低確率決定手段と、前記内部抽選の結果が前記第2の特定当選役であるときには、該第2の特定当選役に対応する図柄の組合せ態様が前記図柄表示装置の停止時に表示されたことに基づいて前記継続抽選が行われるときの継続抽選確率として、前記第1の継続抽選確率が選択決定される可能性を残しつつ、該第1の継続抽選確率よりも高い前記第2の継続抽選確率が選択される割合が大きくなるように決定する継続抽選高確率規定手段とを有するとともに、前記第1の特定当選役と前記第2の特定当選役とのうちいずれに当選したかを遊技者が把握し難いなかでいずれに当選したとしても前記第2の継続抽選確率に選択決定しうることで、前記第1の特定当選役および前記第2の特定当選役に対応した図柄の組み合わせ態様のいずれが図柄表示装置の停止時に表示されたとしても、前記第1の特定当選役または前記第2の特定当選役に対応した図柄の組み合わせ態様が表示される都度、以降の確率変更抽選にて前記第2の継続抽選確率で前記継続抽選が行われる期待感を遊技者に与えうるようにした遊技機である。
本発明の遊技機は、遊技者が1回ごとに遊技価値の掛け数を決定してゲームを行なうものであり、遊技機の乱数抽選において当選と判定されると、該当する当選種類に適合した停止操作を遊技者が行なうことで当選種類に対応した図柄の組み合わせ態様が表示される。特に乱数抽選において所定の当選種類が得られると、図柄の組み合わせ態様が所定の表示態様に合致した場合に、特別遊技状態に制御される。特別遊技状態では、ボーナスゲームと称される遊技状態に制御されることとなり、遊技者はボーナスゲームの間、通常遊技と比して大量の遊技価値(メダル、コイン、遊技球等)を獲得することが可能になる。前記のボーナスゲームには、例えば、ビッグボーナスゲーム(BBゲーム)、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)、シングルボーナスゲーム(SBゲーム)等がある。
本発明の遊技機は、ボーナスゲーム(以下、「ボーナスゲーム」で統一する)が開始されると、ボーナスゲーム終了後からのゲームにおいて特定の当選種類(以下、「ボーナス当選役」という)の当選確率を高く変更するか否かの抽選(確率変更抽選)を行なう。この抽選に当選すると、ボーナスゲームが終了した直後のゲームからボーナス当選役の当選確率が高く変更されるので、次にボーナス当選役に当選するまでに要するゲーム数を通常遊技状態に比べて少なくすることができる。つまり確率変更抽選に当選すると確率変更抽選が行われる前の遊技状態(通常遊技状態)に比べてボーナス当選役の当選確率を高く変更することができる。このため、遊技者は短期間のうちにボーナス当選役に連続して当選することが可能となる。さらに確率変更抽選に当選となり高確率状態となってから移行したボーナスゲームでは高確率状態を以後も継続させるか否かの抽選(継続抽選)が行なわれる。そのため継続抽選に当選し続ける限り、ボーナス当選役の当選確率が高いまま維持されて、遊技価値を大量に獲得することも期待できる。このため遊技者は高確率状態がなるべく長く続いて欲しいと願いながらゲームを進行させていくこととなり、遊技意欲を十分に持ってゲームに望むことが可能となる。
(解決手段2)
解決手段2は、前記継続抽選手段により行われる継続抽選において適用される複数の継続抽選確率を規定する継続抽選確率規定手段と、前記確率変更抽選手段により行なわれる確率変更抽選に当選すると、前記継続抽選確率規定手段により規定された前記複数の継続抽選確率の中から1つを抽選して決定する継続抽選確率決定手段と、前記継続抽選確率決定手段により選ばれた前記継続抽選確率を前記継続抽選手段により行なわれる前記継続抽選に適用する継続抽選確率適用手段をさらに備えたことを特徴とする解決手段1に記載の遊技機である。
本発明の遊技機は、前記継続抽選においてその抽選に適用される当選確率(継続抽選確率)を複数設けている。また確率変更抽選に当選した際に前記複数の継続抽選確率の中から1つを抽選により選択することが可能である。ここで選択された継続抽選確率は次回のボーナスゲーム(確率変更抽選に当選し、高確率状態へと移行した遊技状態でボーナス当選役に当選したことを契機として開始されるボーナスゲーム)において行なわれる継続抽選に適用される。このように継続抽選確率を予め決めておくことで、次回のボーナスゲームを契機とした継続抽選をスムーズに行なうことが可能となる。
(解決手段3)
解決手段3は、前記継続抽選手段により行なわれる前記継続抽選に当選となると、前記継続抽選確率決定手段により決定された前記継続抽選確率を再度抽選することが可能な継続抽選確率再抽選手段と、前記継続抽選確率再抽選手段により行なわれた抽選の結果得られた前記継続抽選確率が現在適用されている前記継続抽選確率に比して相対的に高い確率であった場合に、前記継続抽選確率を前記抽選により得られた継続抽選確率とすることを許容する継続抽選確率許容手段とをさらに備えたことを特徴とする解決手段2に記載の遊技機である。
本発明の遊技機は、前記継続抽選に当選した場合に、高確率状態を継続させることが可能であるとともに、さらに継続抽選確率を再度決めなおす抽選を行なうことができる。この際に行なわれる決定方法としては、例えば、前回と同じ抽選(継続抽選確率決定手段により行なわれる抽選)を行ったり、所定の条件で変更させたり等の方法がある。
また本発明の遊技機は、前記決定方法で再度決定した継続抽選確率が現在適用されている継続抽選確率と比較して相対的に高い(継続抽選に当選する可能性が高い)ものであって場合に、前記の再度決定された継続抽選確率を新たに適用して次回の継続抽選に備えることができる。これは遊技者にとって、高確率状態が継続したことで次回のボーナス当選役も当選し易くなっている嬉しさと、次回のボーナスゲーム終了後以降も高確率状態が継続する可能性が一段と高くなる期待が持てることとなり、高確率状態でのゲームを非常に魅力あるものとすることができる。
(解決手段4)
解決手段4は、前記継続抽選確率再抽選手段により行なわれた前記抽選の結果得られた前記継続抽選確率が現在適用されている前記継続抽選確率に比して相対的に低い確率であった場合に、前記継続抽選確率を変更せずに現在適用されている前記継続抽選確率を維持させる継続抽選確率維持手段とをさらに備えたことを特徴とする解決手段3に記載の遊技機である。
本発明の遊技機は、前記継続抽選に当選した場合に、高確率状態を継続させることが可能であるとともに、さらに継続抽選確率を再度決めなおす(抽選等により)を行なうことができる。この際に行なわれる決定方法としては、例えば、前回と同じ抽選(継続抽選確率決定手段により行なわれる抽選)を行ったり、所定の条件で変更させたり等の方法がある。
また本発明の遊技機は、前記決定方法で再度決定した継続抽選確率が現在適用されている継続抽選確率と比較して相対的に低い(継続抽選に当選する可能性が低い)ものであった場合に、前記の再度決定された継続抽選確率を新たに適用せずに現在の継続抽選確率のまま次回の継続抽選に備えることしている。このため、現在適用されている継続抽選確率からさらに低い継続抽選確率へ継続抽選確率を変更するといった遊技者に不利な変更を行なわないことにより、遊技者に不利益をもたらすことがない。そのため遊技者は安心して遊技を行なうことができる。
(解決手段5)
解決手段5は、前記特定の当選種類が、前記確率変更抽選手段により行なわれる確率変更抽選において適用される確率変更抽選確率の高低により、少なくとも2つの確率変更抽選確率にそれぞれ対応した2種類の当選役に類別されており、前記2種類の当選役は、前記2つの確率変更抽選確率のうち相対的に高い確率変更抽選確率で前記確率変更抽選を実施させることが可能な確率変更抽選高確率導入当選役と、前記2つの確率変更抽選確率のうち相対的に低い確率変更抽選確率で前記確率変更抽選を実施させることが可能な確率変更抽選低確率導入当選役とを含むことを特徴とする解決手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機である。
本発明の遊技機は、ボーナスゲーム開始を契機として確率変更抽選が行われることとなるが、確率変更抽選の当選確率(確率変更抽選確率)に高低の差のある2つの確率変更抽選確率を設けている。これは、例えば予めボーナス当選役を2種類設けておき(例えば、高確率ボーナス当選役、低確率ボーナス当選役、以下では必要に応じて高確率ボーナス当選役、低確率ボーナス当選役と呼称する)、前記2種類のボーナス当選役それぞれに前記の2つの確率変更抽選確率を対応させておくことにより、ボーナス当選役ごとに確率変更抽選に当選する可能性に変化を持たせることが可能である。2種類のボーナス当選役は図柄等を分けることで遊技者に明示することも可能である。しかしボーナス当選役図柄によって確率変更抽選の当選期待度に差があることが、確率変更抽選の当選期待度の低いボーナス当選役であることが図柄を異ならせたことで分かってしまうと、遊技者は期待を持ってボーナスゲームに臨めなくなってしまう。そのため、遊技者が確率変更抽選に当選する期待を等しく持てるように2つのボーナス当選役図柄を設けず同じボーナス当選役図柄とすることで、遊技者は開始されたボーナスゲームがいずれのボーナス当選役であるのか考えながらゲームを行なうことができる。その結果、遊技者の興趣をボーナスゲーム開始時に低下させてしまうような事態を回避することが可能となる。
また2種類のボーナス当選役図柄を設ける場合には、ボーナス当選役に当選した時やボーナスゲーム開始時に確率変更抽選確率を決定する(例えば抽選により)等の方法を取って遊技者にいずれの確率変更抽選確率が選択されたのか該当する図柄からは判断できないようにすることで、遊技者の確率変更抽選に対する当選期待度を等しく持たせることが可能となる。
(解決手段6)
解決手段6は、前記継続抽選手段により行なわれる前記継続抽選に非当選となった場合、前記高確率遊技状態から通常遊技状態へと遊技状態を移行させる制御を行なう通常遊技状態制御手段をさらに備えたことを特徴とする解決手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機である。
本発明の遊技機は、前記継続抽選に非当選(はずれ)となった場合に、遊技状態を高確率状態から通常遊技状態へと移行させる制御を行なうことができる。これは高確率状態がいつまでも継続してしまうことで過剰な遊技価値の獲得が可能な遊技機となってしまい、遊技者の射幸心を煽ることを抑えることが可能となるとともに、ホールと遊技者との利益バランスをとることも可能となる。また通常遊技状態と高確率状態とのメリハリを持たせることで、ゲーム性に変化を付与することもできる。
(解決手段7)
解決手段7は、前記内部抽選手段により行われた抽選結果が前記確率変更抽選高確率導入当選役となり、前記確率変更抽選高確率導入当選役に対応した図柄の組み合わせ態様が前記図柄表示装置の停止時に表示されたことにより前記特別遊技状態に移行したことを契機として前記確率変更抽選手段により行われる前記確率変更抽選に当選した場合、前記継続抽選確率規定手段により選択される前記継続抽選確率を、前記内部抽選手段により行われた抽選結果が前記確率変更抽選低確率導入当選役となり、前記確率変更抽選低確率導入当選役に対応した図柄の組み合わせ態様が前記図柄表示装置の停止時に表示されたことにより前記特別遊技状態に移行したことを契機として前記確率変更抽選手段により行われる前記確率変更抽選に当選した場合に前記継続抽選確率規定手段により選択される前記継続抽選確率に比して、相対的に高い継続抽選確率が選択される割合を大きく規定する継続抽選高確率規定手段をさらに備えたことを特徴とする解決手段5または6に記載の遊技機である。
本発明の遊技機は、解決手段5で示した高確率ボーナス当選役と低確率ボーナス当選役という2つのボーナス当選役を備えている。解決手段7では、高確率ボーナス当選役から開始されるボーナスゲームで行なわれる確率変更抽選の当選確率(確率変更抽選確率)を低確率ボーナス当選役から開始されるボーナスゲームで行なわれる確率変更抽選の当選確率と比較して高くしている。これにより高確率ボーナス当選役からは高確率状態に移行し易く、低確率ボーナス当選役からは高確率状態に移行し辛いというボーナス当選役ごとの特徴を設けることができる。遊技者はこの2つのボーナス当選役があることにより、ボーナス当選役に当選するごとにどちらのボーナス当選役なのか想像する楽しみと、高確率ボーナス当選役あることを期待しつつも、たとえ低確率ボーナス当選役であっても高確率状態に移行する可能性に賭けて見たいという前向きな意欲を持ってゲームを進めさせることができる。
(解決手段8)
解決手段8は、前記内部抽選手段により行われた抽選結果が前記確率変更抽選低確率導入当選役となり、前記確率変更抽選低確率導入当選役に対応した図柄の組み合わせ態様が前記図柄表示装置の停止時に表示されたことにより前記特別遊技状態に移行したことを契機として前記確率変更抽選手段により行われる前記確率変更抽選に当選した場合、前記継続抽選確率規定手段により選択される前記継続抽選確率を、前記内部抽選手段により行われた抽選結果が前記確率変更抽選高確率導入当選役となり、前記確率変更抽選高確率導入当選役に対応した図柄の組み合わせ態様が前記図柄表示装置の停止時に表示されたことにより前記特別遊技状態に移行したことを契機として前記確率変更抽選手段により行われる前記確率変更抽選に当選した場合に前記継続抽選確率規定手段により選択される前記継続抽選確率に比して相対的に低い継続抽選確率が選択される割合を大きく規定する継続抽選低確率規定手段をさらに備えたことを特徴とする解決手段5乃至7のいずれかに記載の遊技機である。
本発明の遊技機は、低確率ボーナス当選役から開始されるボーナスゲームで行なわれる確率変更抽選の当選確率(確率変更抽選確率)を高確率ボーナス当選役から開始されるボーナスゲームで行なわれる確率変更抽選の当選確率と比較して低くしている。これにより高確率ボーナス当選役からは高確率状態に移行し易く、低確率ボーナス当選役からは高確率状態に移行し辛いというボーナス当選役ごとの特徴を設けることができる。遊技者はボーナスゲームが開始されるときは常にどちらのボーナス当選役に当選したのかを考えながらゲームを行なうこととなる。また当選したボーナス当選役の回数に対する高確率状態へ移行した回数等から高確率ボーナス当選役と低確率ボーナス当選役の当選比率を推測したり、あるいはボーナス当選役当選回数や高確率状態への移行回数等から当該遊技機の仕様(スペック、性能)や設定までも推定できないかとあらゆる興味を抱いてゲームを行なうことを促進することが可能となる。
(解決手段9)
解決手段9は、遊技機の外部に向けて所定の演出表示を行なう演出表示手段と、前記遊技状態に対応する複数の演出表示の中から必要に応じて演出表示を選択することが可能な演出表示選択手段とをさらに備えたことを特徴とする解決手段1乃至9のいずれかに記載の遊技機である。
本発明の遊技機は、液晶表示やドット表示等を使用して所定の演出表示を行い遊技者にアピールすることができる。この演出表示は、遊技状態に応じた様々な表示を複数用意した中から必要に応じて選ぶことが可能である。つまり演出を行なったり、反対に行なわなかったりすることができる。これにより演出を行なわないことで遊技者の焦燥感を誘ったり、演出を頻繁に行なうことで遊技者の期待感を盛り上げたりする効果を引き出すことができる。
(解決手段10)
解決手段10は、前記内部抽選手段により行われた抽選結果が前記特定の当選種類となり、前記特定の当選種類に対応した図柄の組み合わせ態様が前記図柄表示装置の停止時に表示されたことにより前記特別遊技状態に移行すると、前記複数の演出表示の中から前記特定の当選種類が前記確率変更抽選高確率導入当選役か前記確率変更抽選低確率導入当選役かのいずれであるかを示唆する演出を行なう当選役示唆演出表示手段をさらに備えたことを特徴とする解決手段5乃至9のいずれかに記載の遊技機である。
本発明の遊技機は、ボーナスゲームが開始される際に、演出表示を行なうことができる。ここで行なわれる演出は、当選したボーナス当選役が高確率ボーナス当選役であるのか低確率ボーナス当選役であるのかを示唆することが可能な演出を行なわせることができる。ただしここで示唆される演出内容は、これをもとに遊技者が高確率ボーナス当選役であるのか低確率ボーナス当選役であるのかを推測的に判断した場合、その正解率が5〜6割ほどに留まるものであることが望ましい。なぜならこうすることにより遊技者に演出内容から少なからず高確率ボーナス当選役であることに期待を持たせることができ、遊技者の興趣を低下させずにゲームを行なわせることが可能となるからである。
(解決手段11)
解決手段11は、遊技機の外部に向けて所定の発光を行なう発光手段と、前記遊技状態に対応する複数の発光制御の中から必要に応じて発光制御を選択することが可能な発光制御選択手段とをさらに備えたことを特徴とする解決手段1乃至10のいずれかに記載の遊技機である。
本発明の遊技機は、ランプやライト等を使用して各種の発光制御を行い対応する発光態様により遊技者にアピールすることができる。また遊技状態に合わせて様々な発光制御を用意することで遊技者に様々な発光態様を見せることが可能である。この様々な発光制御は必要に応じた発光制御を選ぶことができる。つまり、しばらく発光を行なわない期間を設けたり、反対に種々の発光態様を連続して行わせたりすることで、遊技者に遊技状態の変化や、ボーナス当選役に当選したかもしれないということをアピールすることができる。また各種発光態様を見ることでゲームの進行に補助的な支援を受けることができ、ボーナス当選役に当選したのにそれを分からずに当該遊技機での遊技を止めてしまうといった遊技者の不利益を極力回避することも可能となる。
(解決手段12)
解決手段12は、前記内部抽選手段により行われた抽選結果が前記特定の当選種類となり、前記特定の当選種類に対応した図柄の組み合わせ態様が前記図柄表示装置の停止時に表示されたことにより前記特別遊技状態に移行すると、前記複数の発光制御の中から前記特定の当選種類が前記確率変更抽選高確率導入当選役か前記確率変更抽選低確率導入当選役かのいずれであるかを示唆する発光制御を行なう当選役示唆発光制御手段をさらに備えたことを特徴とする解決手段5乃至11のいずれかに記載の遊技機である。
本発明の遊技機は、ボーナスゲームが開始される際に、発光を行なうことが可能である。ここで行なわれる発光制御により、当選したボーナス当選役が高確率ボーナス当選役であるのか低確率ボーナス当選役であるのかを示唆することが可能な発光態様として遊技者にアピールすることができる。ただしここで示唆される発光態様は、これをもとに遊技者が高確率ボーナス当選役であるのか低確率ボーナス当選役であるのかを推測的に判断した場合、その正解率が5〜6割ほどに留まるものであることが望ましい。なぜならこうすることにより、遊技者に発光態様から高確率ボーナス当選役であることに期待を持たせてゲームを進行させることが可能となるためである。
(解決手段13)
解決手段13は、遊技機の外部に向けて所定の効果音を発生させる効果音発生手段と、前記遊技状態に対応する複数の効果音の中から必要に応じた効果音を選択することが可能な効果音選択手段とをさらに備えたことを特徴とする解決手段1乃至12のいずれかに記載の遊技機である。
本発明の遊技機は、スピーカやブザー等を使用して様々な効果音を発生させることで遊技者にアピールすることが可能である。また遊技状態応じて様々な効果音を発生させたり、発生させなかったりすることにより、遊技者は演出表示手段で行なわれる演出や、発光制御手段により行なわれる発光態様などに合わせて、効果音を聴くことで総合的にゲームを進めていく上での手掛かりとすることができる。さらに純粋に効果音を楽しんで聴くこともできゲームの楽しさが倍増する。
(解決手段14)
解決手段14は、前記内部抽選手段により行われた抽選結果が前記特定の当選種類となり、前記特定の当選種類に対応した図柄の組み合わせ態様が前記図柄表示装置の停止時に表示されたことにより前記特別遊技状態に移行すると、前記複数の効果音の中から前記特定の当選種類が前記確率変更抽選高確率導入当選役か前記確率変更抽選低確率導入当選役かのいずれであるかを示唆する効果音を発生させる当選役示唆効果音発生手段をさらに備えたことを特徴とする解決手段5乃至13のいずれかに記載の遊技機である。
本発明の遊技機は、ボーナスゲームが開始される際に、効果音を発生させることが可能である。ここで行なわれる効果音により遊技者は、当選したボーナス当選役が高確率ボーナス当選役であるのか低確率ボーナス当選役であるのかをある程度推測することが可能である。ただしここで示唆される効果音は、これをもとに遊技者が高確率ボーナス当選役であるのか低確率ボーナス当選役であるのかを推測的に判断した場合、その正解率が5〜6割ほどに留まるものであることが望ましい。なぜなら高確率ボーナス当選役であることに期待を持たせることで、遊技者はボーナスゲーム中もいずれのボーナス当選役であったのかを考えつつ、ボーナスゲーム終了後を想像しながらゲームを行なうことができるからである。
(解決手段15)
解決手段15は、前記確率変更抽選手段により行なわれる前記確率変更抽選に当選となり前記高確率状態へと遊技状態が移行した場合、前記遊技状態が前記高確率状態であることを示唆する演出を行なう高確率状態演出表示手段をさらに備えたことを特徴とする解決手段1乃至14のいずれかに記載の遊技機である。
本発明の遊技機は、ボーナスゲーム終了の際に高確率状態に移行したのか否かの期待度(当選した可能性)に差を設けた演出を行なう。ここで行なう演出は複数の演出内容(例えば、ボーナスゲームの終了時の背景の色を変化させる等)の中から1つを選んで行なうことが可能である。これにより遊技者はボーナスゲーム終了時の背景の色が毎回違ったり、あるときは同じ色の背景が続いたりすることを見ることで、確率変更抽選に当選した場合に出やすい色の傾向を調べたり、規則性等を探したりすることで当該遊技機に対する遊技意欲を向上させることができる。
さらに高確率状態に移行した後のゲームにおいても高確率状態であることを示唆するために演出を通常遊技状態に比べて多く発生させたり、反対に通常遊技状態とほとんど変わらない頻度で演出を行なわせたりすることで、高確率状態に移行したのかそれとも移行しなかったのかと遊技者に思案させる余地を残している。こうすることで明確に高確率状態へ移行しなかったことが分かってしまった場合に比べ、遊技者の興趣の急激な低下を抑えることが可能となる。また場合によってはボーナスゲーム終了とともにゲームを即座に止めてしまうようなことを回避させることも可能となる。このように遊技者を当該遊技機に引き留めることで当該遊技機の稼動を向上させる期待を持つこともできる。
(解決手段16)
解決手段16は、前記確率変更抽選手段により行なわれる前記確率変更抽選に当選となり前記高確率状態へと遊技状態が移行した場合、前記遊技状態が前記高確率状態であることを示唆する発光制御を行なう高確率状態発光制御手段をさらに備えたことを特徴とする解決手段1乃至15のいずれかに記載の遊技機である。
本発明の遊技機は、ボーナスゲーム終了の際に高確率状態に移行したのか否かの期待度(当選した可能性)に差を設けた発光制御を行なう。この発光制御は複数の発光制御(例えば、ボーナスゲームの終了時のランプの点滅を10回行なわせる等)の中から1つを選んで行なうことが可能である。これにより遊技者はボーナスゲーム終了時のランプの点滅回数を数えたり、発光態様を注意深く観察したりすることにより、確率変更抽選に当選した場合の発光態様を推測することが可能となる。
さらに高確率状態に移行した後のゲームにおいても高確率状態であることを示唆するために発光制御を通常遊技状態に比べて多く行なわせたり、反対に通常遊技状態とほとんど変わらない頻度で発光制御を行なわせたりすることで、遊技者が遊技状態を判断する材料とすることができる。
(解決手段17)
解決手段17は、前記確率変更抽選手段により行なわれる前記確率変更抽選に当選となり前記高確率状態へと遊技状態が移行した場合、前記遊技状態が前記高確率状態であることを示唆する効果音を発生させる高確率状態効果音発生手段をさらに備えたことを特徴とする解決手段1乃至16のいずれかに記載の遊技機である。
本発明の遊技機は、ボーナスゲーム終了の際に高確率状態に移行したのか否かの期待度(当選した可能性)に差を設けた効果音を発生させる。この効果音は複数の効果音(例えば、ボーナスゲームの終了時に音声を流す等)の中から1つを選んで行なうことが可能である。これにより遊技者はボーナスゲーム終了時の音声の内容(例えば、『チャンス』、『もしかしたら』、『残念かも』等のメッセージ)から高確率状態に移行したかの期待を持ったり、反対に諦めたり一喜一憂することとなる。
さらに高確率状態に移行した後のゲームにおいても高確率状態であることを示唆するために効果音を通常遊技状態に比べて多く発生させたり、反対に通常遊技状態とほとんど変わらない頻度で効果音を発生させたりすることで、高確率状態に移行したのかそれとも移行しなかったのかと遊技者に考えさせる余地を残している。なぜなら明確に高確率状態へ移行しなかったことが分かってしまうと、遊技者は当該遊技機でのゲームを続けようという意欲を失ってしまうことを極力防止するためである。
(解決手段18)
解決手段18は、前記継続抽選確率許容手段により前記継続抽選確率の変更の許容がなされた場合、前記継続抽選確率が変更されたことを示唆する演出を行なう継続抽選確率許容示唆演出表示手段をさらに備えたことを特徴とする解決手段3乃至17のいずれかに記載の遊技機である。
本発明の遊技機は、継続抽選に当選となり、さらに継続抽選確率が上位の継続抽選確率に変更された場合に前記変更が行われたことを示唆する演出を行なう。ここで行なわれる演出により、本発明の遊技機の特徴である継続抽選の当選確率が上位の当選確率に変更可能であるということを十分にアピールすることができる。この演出内容は、例えば直接的にメッセージを表示させたり(『次回当選し易くなりましたよ』等)、もしくはキャラクター等を登場させて継続抽選確率が変更されたことをそれとなく知らせたりすることで、遊技者の期待を多いに盛り上げることが可能となる。遊技者はこの瞬間の喜びを味わいたいがために当該遊技機のゲームを楽しもうという目的を持つこととなる。
(解決手段19)
解決手段19は、前記継続抽選確率許容手段により前記継続抽選確率の変更の許容がなされた場合、前記継続抽選確率が変更されたことを示唆する発光制御を行なう継続抽選確率許容示唆発光制御手段をさらに備えたことを特徴とする解決手段3乃至18のいずれかに記載の遊技機である。
本発明の遊技機は、継続抽選に当選となり、さらに継続抽選確率が上位の継続抽選確率に変更された場合、遊技者に前記変更が行われたことを示唆する発光制御を行なう。このとき行なわれる発光態様を見て、遊技者は継続抽選確率が上昇したのかという喜びを味わうこととなる。つまり、遊技者はボーナス当選役に当選した喜びと、高確率状態が継続した喜びとに加えて継続抽選確率が上昇した喜びという一度に3回の喜びを味わうことが可能となる。これは従来の遊技機では考えられなかった新鮮味のあるゲーム性を備えた遊技機であることを遊技者に十分アピールすることにもなる。
(解決手段20)
解決手段20は、前記継続抽選確率許容手段により前記継続抽選確率の変更の許容がなされた場合、前記継続抽選確率が変更されたことを示唆する効果音を発生させる継続抽選確率許容示唆効果音発生手段をさらに備えたことを特徴とする解決手段3乃至19のいずれかに記載の遊技機である。
本発明の遊技機は、継続抽選に当選となり、さらに継続抽選確率が上位の継続抽選確率に変更された場合、遊技者に前記変更が行われたことを示唆する効果音を発生させる。この効果音を聴くことで、遊技者は演出表示や発光態様とあわせて継続抽選確率が上昇した嬉しさを改めて感じることとなる。これは次回の遊技機会にも再び当該遊技機でゲームを行なおうという遊技者の遊技意欲を強くさせる役割を果たすことにもなり、当該遊技機の稼動を向上させる期待も持てる。
(解決手段21)
解決手段21は、1回のゲームごとに遊技価値の掛け数を決定する掛け数決定手段と、前記掛け数を決定した状態で遊技者の始動操作を受け付ける始動操作手段と、周方向に図柄が付された複数個の回転体を回転させて図柄の表示を変動させる一方、前記回転体の回転を停止させて複数の図柄を組み合わせて表示する図柄表示装置と、前記回転体を停止させるべく遊技者による停止操作を受け付ける停止操作手段と、前記始動操作手段にて前記始動操作が受け付けられると前記回転体の回転を開始し、前記回転体の回転中に前記停止操作手段にて前記停止操作が受け付けられると、前記停止操作の受け付け順に前記回転体を停止させる回転体駆動手段と、1回のゲームにつき、前記回転体駆動手段により全ての前記回転体が停止されると、前記全ての回転体の停止時の図柄の組み合わせ態様に基づき、必要に応じて規定数の遊技価値を遊技者に与える遊技価値付与手段と、予め用意された複数の当選種類の中からいずれか1つに該当するか否かを抽選する内部抽選手段と、前記内部抽選に当選した当選種類に対応した停止操作が受け付けられた場合にのみ、前記回転体駆動手段により全ての前記回転体が停止されたときに前記当選種類の図柄の組み合わせ態様を表示可能とする停止制御手段と、前記内部抽選手段により行われた抽選結果が特定の当選種類となると、前記特定の当選種類に対応した図柄の組み合わせ態様が図柄表示装置の停止時に表示されたことを条件として、通常遊技状態よりも遊技者にとって比較的有利な特別遊技状態へ遊技状態を移行させる制御を行なう特別遊技状態制御手段と、前記特別遊技状態制御手段により遊技状態が前記特別遊技状態へと移行すると、前記遊技価値付与手段により行われる遊技価値が付与される機会を前記通常遊技状態に比して増加させることが可能な遊技価値付与機会増加手段と、前記内部抽選手段により行われる抽選における前記複数の当選種類の各々の当選確率を規定する当選確率規定手段と、前記複数の当選種類の中から少なくとも1つの当選種類について前記当選確率規定手段により規定された当選確率を高く変更することが可能な確率変更手段と、前記内部抽選手段により行われる抽選とは別に、前記特別遊技状態への移行を契機として、前記確率変更手段による前記当選種類の内部抽選における当選確率の変更を行なうべきか否かの抽選を行なう確率変更抽選手段と、前記確率変更抽選手段により行われる確率変更抽選に当選した場合、前記確率変更手段により前記当選種類の内部抽選における当選確率が高く変更された高確率遊技状態へ遊技状態を移行する制御を行なう高確率遊技状態制御手段と、前記確率変更抽選手段により行なわれる抽選および前記内部抽選手段により行なわれる抽選とは別に、前記高確率遊技状態における前記特別遊技状態への移行を契機として、前記高確率遊技状態を継続させるべきか否かの抽選を行なう継続抽選手段と、前記継続抽選手段により行なわれる継続抽選に当選となった場合、前記高確率遊技状態を維持する高確率遊技状態維持手段と前記継続抽選手段により行われる継続抽選において適用される複数の継続抽選確率を規定する継続抽選確率規定手段と、前記確率変更抽選手段により行なわれる確率変更抽選に当選すると、前記継続抽選確率規定手段により規定された前記複数の継続抽選確率の中から1つを抽選して決定する継続抽選確率決定手段と、前記継続抽選確率決定手段により選ばれた前記継続抽選確率を前記継続抽選手段により行なわれる前記継続抽選に適用する継続抽選確率適用手段と、前記継続抽選手段により行なわれる前記継続抽選に当選となると、前記継続抽選確率決定手段により決定された前記継続抽選確率を再度抽選する継続抽選確率再抽選手段と、前記継続抽選確率再抽選手段により行なわれた抽選の結果得られた前記継続抽選確率が現在適用されている前記継続抽選確率に比して相対的に高い確率であった場合に、前記継続抽選確率を前記抽選により得られた継続抽選確率とすることを許容する継続抽選確率許容手段とを具備したことを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機は、特にスロットマシン等の遊技機において、遊技者が1回のゲームを行なうための遊技価値の掛け数を決めた状態で始動操作を行った後に、遊技者による停止操作に基づき、そのときに乱数抽選において当選と判定された図柄の組み合わせが表示を可能とする停止操作が行なわれた場合にのみ、該当図柄の組み合わせを表示させることができ、必要に応じて遊技価値の払出しが行われ1回のゲームが終了する。ここで乱数抽選による当選と判定された図柄の組み合わせを表示が不可能な停止操作がされると、当選と判定されてはいても当該図柄の組み合わせを表示することはできない。例えば、乱数抽選にてボーナス当選役に当選と判定されていても、ボーナス当選役図柄の組み合わせが表示可能な停止操作がなされないとボーナス当選役図柄の組み合わせは表示されない。ここでボーナス当選役図柄の組み合わせが表示可能な停止操作がなされると、当該図柄の組み合わせが表示され、以後ボーナスゲームが開始される。またボーナスゲームでは、遊技価値の払出しが行われる機会が増えるため、通常遊技状態に比べて短期間で非常に大量の遊技価値を獲得することが可能である。
また本発明の遊技機は、ボーナスゲームが開始されるとともにボーナスゲーム終了後以降のゲームにおけるボーナス当選役の当選確率を高く変更するか否かの抽選(確率変更抽選)を行なう。この確率変更抽選に当選するとボーナス当選役の当選確率が高く変更された遊技状態(高確率状態)に遊技状態が制御されることとなり、ボーナス当選役に当選する可能性が通常遊技状態に比べて非常に高くなる。これにより遊技者は高確率状態となった以降のゲームでは次回のボーナス当選役に当選するまでに要するゲーム数を通常遊技状態に比べて少なくすることが可能である。さらにこの高確率状態が継続する限り、遊技価値を短期間に大量に獲得することも可能となる。
前述の通り、高確率状態がいつまでも続いてしまうと短期間に過剰な遊技価値を獲得することができてしまい、ホールに不利益となるばかりか、遊技者の過度の射幸心を植え付けてしまう危険性がある。このため本発明の遊技機は、確率変更抽選に当選となった場合に予め次回のボーナスゲームの際に行なわれる継続抽選の当選確率(継続抽選確率)を決定しておくことができる。ここで選ばれる継続抽選確率は比較的確率の低いものが選ばれ易くなっているため、遊技者の射幸心を過度に煽るようなことを回避することも期待できる。
しかし継続抽選確率が低いと結局高確率状態がほとんど継続せず、遊技者の興趣を低下させてしまうことになる。そのため、本発明の遊技機は、この継続抽選確率を再度抽選して決め直すことができる。この再度の抽選は継続抽選に当選する度に行なわれる。さらに再度抽選されて得られた結果が、現在適用されている継続抽選確率より高い確率が選択されたときのみ変更させることに限定している。つまり継続抽選確率は低いものから高いものへの一方向の変更(昇格)とすることにより、遊技者に不利益がないという安心感を遊技者に抱かせることができる。このため遊技者は、たとえ低い継続抽選確率が選ばれたとしても、継続抽選に当選するごとに継続抽選確率がより上位のものに変更されることを期待しながらゲームを進行させていくこととなる。したがってボーナス当選役に当選する喜びと、高確率状態に移行する喜びと、継続抽選に当選する喜びと、継続抽選に当選する可能性が上昇する(継続抽選確率が上位のものに変更可能)喜びという4つの喜びを遊技者に付与することが可能となる。これにより従来の遊技機では味わえないゲーム性の新鮮味を遊技者に付与することができる
本発明により、遊技者の遊技意欲を高め、遊技機会が増えても飽きのこないゲーム性を付与することが可能となる。
以下、本発明をパチンコ機に適用した一実施形態について、次に掲げる項目に沿って各対応図面を参照しながら説明する。
(一実施形態の概要)
図1は、一実施形態の回胴式遊技機であるスロットマシン1の正面図を示している。図1のスロットマシン1は、遊技媒体として例えばメダル、コイン等(以下ではメダルとして統一する)を用いるタイプのものである。
スロットマシン1は遊技者に相対する前面に前面扉3を有しており、この前面扉3の奥に箱型の本体部分2を有する。本体部分2の左側壁の内面と前面扉3の左側端部の背面とは上下2つの蝶番(図示しない)を介して相互に連結されている。この蝶番を軸として、前面扉3はその右側端に位置する鍵穴25にスロットマシン1専用の鍵を入れて時計回りに回すことで、片開き形式に手前に開閉することができ、前面扉3が閉じた状態で、蝶番は前面扉3の背後に隠れるようにして本体部分2の内側に収容される。
また前面扉3は、上半分の部分に液晶表示部30を有するほか、この液晶表示部30の下方に平坦な透明板(遊技パネル)4を有している。前面扉3の下半分の部分は遊技パネル4から前方に突出するように形成されており、この突出部にはメダル投入口14やベットボタン6,7,8(掛け数決定手段)、始動レバー9(始動操作手段)、左・中・右の各停止ボタン11,12,13(停止操作手段)等が遊技パネル4の下縁に沿って配設されている。その他、前面扉3の下半分には貯留精算ボタン24および化粧板26が配設されており、さらに化粧板26の下には受け皿28が設けられている。
液晶表示部30(演出表示手段)は、遊技の進行に伴う演出のための映像や後述するボーナスゲームでの獲得メダル枚数等を表示させることで遊技者の遊技の進行を補助する役割をしている。
遊技パネル4には、その略中央の位置に矩形の表示窓5が形成されており、この表示窓5を通してスロットマシン1に内設された可変回転体10a,10b,10cを透視することができる。また遊技パネル4には、表示窓5の周囲を取り巻くようにして表示領域20,21や表示部17,18,19等が形成されている。正面から見て表示窓5の右側に位置する表示領域21には、各種文字情報や図柄情報が付されており、反対の左側に位置する表示領域20にはベットランプ22およびボーナス告知ランプ23等の点灯表示部が配列されている。
また遊技パネル4には、表示領域20の下側に位置するスタートランプ16の他、クレジット枚数表示部17、ゲーム数表示部19、払出し枚数表示部18およびメダルインランプ15がそれぞれ設けられている。なお各ランプは遊技パネル4の背後の図示しないランプユニットのことである。各ランプの発光は遊技パネル4上で遊技者が視認することが可能である。
メダルインランプ15は、遊技者が遊技を開始する前に点滅(または点灯)し、遊技者にメダル投入口14へメダルの投入を促す役割をしている。
ベットランプ(有効ラインランプ)22は、遊技者によりメダル投入口14より投入されたメダルの枚数に対応して1ベット、2ベット、3ベット(それぞれ1枚掛け、2枚掛け、3枚掛けともいう)に対応したランプを点灯表示させて遊技者に掛け数を知らせる役割をしている(図中のベットランプ22の1は1ベット、2は2ベット、3は3ベットに対応している)。なおベットボタン6、7、8の押下操作はそれぞれ1枚掛け、2枚掛け、3枚掛けに対応している。特に3枚掛けについては1回のゲームでの最大掛け数となるためMAXベット(ベットボタン22はMAXベットボタン)と呼ぶ。
スタートランプ16は、始動レバー9の操作が有効になった場合に点灯(または点滅)し、遊技者にゲームのスタートを促す役割をしている。また払出枚数表示部18は、メダルの払出しを伴う当選種類が図柄の組み合わせとして表示された場合にその払出枚数を表示するほか、スロットマシン1に発生した各種の異常、遊技の進行に起因して発生した異常を表示するエラー表示器としても機能する。このため、以下では必要に応じて払出枚数表示部18をエラー表示部18ともいう。
クレジット枚数表示部17は、最大掛け数(例えば3ベット)を超えるメダルの貯留がある場合に貯留されている枚数として遊技者に貯留枚数を知らせる役割をしている。クレジット枚数表示部17の表示は、貯留精算ボタン24を1回操作することで貯留が解除され、メダルの貯留(クレジット)の精算を行なうことも可能である。
クレジットは最大で50まで貯留することができる。クレジットに貯留された枚数から、次回ゲームへのベット数を、ベットボタン6,7,8を操作することによって選択できるため、遊技をスムーズに進行することができる。クレジットからベットされた場合、ベットされた数だけクレジットとして貯留された枚数から減算されていく。なおメダルの払出しに伴い、最大クレジット数を超えた場合のメダルは払出口27を通じて受け皿28に払い出される。
ボーナスフラグ告知ランプ23は、遊技者に後述するボーナス等に当選したことを知らせる役割をしている。
ゲーム数表示部19は、後述するボーナスゲームでのメダルの払出しが集中して行われる特典の回数等の状況の表示を行い、遊技者のボーナスゲームの遊技をスムーズに進行させる役割をしている。
図1では特に描かれていないが、化粧板26にはスロットマシン1の機種名称やイラストなどが描かれている。化粧板26は前面扉3を装飾したり、遊技者の目を引きつけて遊技意欲を掻き立てたりする役割をしている。
鍵穴25は、スロットマシン1専用の鍵(以下では専用鍵として統一する)を入れて左右に約45度ほど回す(捻る)ことが可能となっており、右回りに回すことで前面扉3の開成を行なうことができ、また左回りに回すことでスロットマシン1の遊技が中断した状態を遊技再開が可能な状態に戻す(リセットする)ことができる。なお、このリセットする操作については、後述するリセットスイッチ66を押下することでも同様の処理ができる。
払出口27の左右には2個のスピーカ29(演出音発生手段)が設けられており、これらスピーカ29からは遊技の進行に伴う効果音やBGM、音声等が出力される。
その他、液晶表示部30の左右にランプ33、およびスロットマシン1の外周に沿ってランプ31、32、34が配置されており、これらランプ31、32、33、34(発光手段)は遊技状態に応じた発光装飾による演出を実施することができる。
図1中に破線で示される5本の有効ライン35a,35b,35cは、表示窓5内に表示される図柄の配列を1つの組み合わせとして見るための方向を規定したものであり、それぞれ1枚掛け、2枚掛け、3枚掛けのベット数に対応して有効化されるライン(一直線)となっている。具体的には、1枚掛けの遊技では中段位置にある水平な有効ライン35aが1本だけ有効化され、2枚掛けになると、これに加えて上段と下段の位置にある2本の水平な有効ライン35bが有効化されて都合3本となる。そして3枚掛けの遊技では、さらに斜めの有効ライン35cが2本とも有効化され、合計5本の有効ライン35a,35b,35cのすべてが有効となる。いずれにしても、そのときの掛け数に応じて有効化されているライン35a〜35cに沿って並んだ図柄の配列を1つの組み合わせとしてみることができる。
図2はスロットマシン1の本体部分2の内部構造を示している。この図2では前面扉3を取り外した状態が示されている。本体部分2の上半分の部分には、前述の可変回転体10a,10b,10cを有する可変図柄表示装置10が設置されている。本体部分2の内面には、可変図柄表示装置の周囲をサブ制御基板51、メイン制御基板50、外部端子板52が取り囲むように取り付けられている。また本体部分2の下半分の部分には、図2でみて左側の内壁面に沿って電源ユニット40が設置されているほか、本体部分2の底の略中央位置にホッパ装置35が設置されており、このホッパ装置35の右脇の位置には遊技メダル補助収納庫38が設置されている。
ここで本実施形態のスロットマシン1は、機械的な可変図柄表示装置(回転装置)が3つの可変回転体から構成されている。これら3つの可変回転体は同形状であり、いずれも筒型の骨組に複数種の図柄(ベル、スイカ、プラム、リンゴ、チェリー、または数字や文字等)が印刷された透光性を有する図柄帯が張られたことにより筒状の形態を成している。前記筒状の形態を成した可変回転体はスロットマシン等の遊技機においてはリール、またはドラムと呼ばれている(以下では前記可変回転体をリール、前記可変図柄表示装置をリール装置として統一する)。
各々のリール10a,10b,10cにはステッピングモータからなるリールモータ44a,44b,44c(回転体駆動手段)がそれぞれ設けられており、このため独立して回転、停止することができ、その回転時には表示窓5にて複数種類の図柄が上から下へ連続的に変化しつつ表示される。また各リール10a,10b,10cの回転軸は水平方向に延びる同一軸線上に配設されている。各リール10a,10b,10cには表示窓5から視認される位置に移動した図柄をリールの内周側から照らすためのリール内ランプ45a,45b,45cが設けられており、表示窓5より視認可能なリールの上段部分、中段部分、下段部分を各リール10a,10b,10c別に独立して点灯させることが可能に構成されている。これら各リール10a,10b,10cは、前面扉3を閉めることで外側から直接触れることができなくなる。
メイン制御基板50は、スロットマシン1の遊技の進行を行なうための中枢機器であり、このメイン制御基板50は、メダルの投入や払出し等、前記リール装置10の回転と停止等および各表示部15,16,17,18,19,22,23による表示等の遊技の進行に直接関わる動作を管理している。
サブ制御基板51は、スロットマシン1の遊技の進行を補助するための液晶表示部30への演出の表示および各ランプ31,32,33,34の管理を行っている。
外部端子板52は、スロットマシン1とホールコンピュータ等を接続する場合の各種の情報の出入り口としての役割をしている。
メイン制御基板50は、サブ制御基板51および外部端子板52と図示しない配線およびコネクタ等により接続されている。そのためメイン制御基板50から各種情報の伝達がサブ制御基板51および外部端子板52へ行われることを可能としている。
電源ユニット40内には、設定キースイッチ41、リセットスイッチ42、電源スイッチ43を有しており、スロットマシン1の設定を変更したり、異常が発生した際のエラー状態の解除を行ったり、電源のON−OFFを行なうことができる。また電源ユニット40は、前記メイン制御基板50を含め各種基板に電力を供給するために配線およびコネクタ等により接続されている。なお電源ユニット40は、スロットマシン1の外部からの不正な手段により直接触れることを防止するためのプラスチック等の合成樹脂で形成されたカバー(図示はしない)が施されている。
ホッパ装置35は、常時メダルを貯留させておくことで、メダルの払出しが行われる場合の供給源としての役割をしている。なおホッパ装置35の内部には図示しないがホッパモータを備えており、メダルの払出しが行われる場合はこのホッパモータが回転することにより、ホッパ装置35内に貯留されているメダルが払出し口36から払出される。ホッパ装置35内に貯留されているメダルは一定数量に達すると、オーバーフロー状態となり一定数量を超えたメダルは、オーバーフロー吐き出し口37から遊技メダル補助収納庫38に導かれて遊技メダル補助収納庫38へ貯留されていく。
遊技メダル補助収納庫38は、前述した通り、ホッパ装置35内にてオーバーフローしたメダルを受け入れるため、メダルの貯留の補助的な役割をしている。
(スロットマシンの内部構成)
図3は、スロットマシン1に装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示している。スロットマシン1は遊技の進行を統括的に制御するためのメイン制御基板50を有しており、このメイン制御基板50にはCPUをはじめROM、RAM、入出力インタフェース等が実装されている。
前述したベットボタン6,7,8や始動レバー9、停止ボタン11,12,13、貯留精算ボタン24等はいずれもメイン制御基板50に接続されており、これら操作ボタン類は図示しないセンサを用いて遊技者による操作を検出し、検出された操作信号をメイン制御基板50に出力することができる。具体的には、始動レバー9は前述の3つのリール10a〜10cを始動させる操作信号をメイン制御基板50に出力し、停止ボタン11,12,13はリール10a,10b,10cをそれぞれ停止させる操作信号をメイン制御基板50に出力する。鍵穴25は、専用鍵を挿入した後に左回りに回すことで、鍵穴25奥に設置されたエラー解除センサ70(図1では図示しない)よりリセット信号をメイン制御基板50に出力することができる。また右回りに回すことで前面扉4が開放されると、図示しない前面扉4の裏に設けられた扉開放センサにより開放信号がメイン制御基板へ出力される。扉開放センサはエラー解除センサ70と隣接して設置されており、前面扉4が開放されると、前面扉4と本体部分2とが離れたことを検出することができる。
またスロットマシン1にはメイン制御基板50とともにその他の機器類が収容されており、これら機器類からメイン制御基板50に各種の信号が入力されている。機器類には、前述の3つのリール10a〜10cを擁するリール装置10のほか、ホッパ装置35等がある。
リール装置10は各リール10a,10b,10cの回転に関する基準位置を検出するための位置センサ(図示していない)を有しており、これら位置センサからの検出信号(インデックス信号)がメイン制御基板50に入力されている。またメダル投入口14の奥には図示しない投入センサ46およびロックアウトソレノイド47が設置されている。このうち投入センサ46は、メダル投入口14から投入されたメダルを検出し、メダルの検出信号をメイン制御基板50に出力することができる。一方のロックアウトソレノイド47は、前面扉3の内側でメダル投入口14の奥に配置されたメダルセレクタ(図示されていない)の通路をロックアウトする(塞ぐ)役割を果たす。ロックアウトソレノイド47は、ノーマル(非作動)の状態でメダルセレクタの通路をロックアウトしているが、作動時にはこの通路を開き(ロックアウト解除)、メダルの投入を受け付け可能な状態にする。また、投入されたメダルは投入センサ46で検出される。逆に、ロックアウトソレノイド47が非作動状態になるとメダルセレクタがロックアウトされてメダルの投入が受け付けられなくなり、遊技者がメダルを投入しても、そのまま吐き出されて受け皿28に返却される。また、このとき合わせて投入センサ46の機能が無効化されるので、メダル投入によるベット・クレジット加算のいずれも行われなくなる。
ホッパ装置35は、払出し口36内に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ49を有しており、この払出センサ49からメダル1枚ごとの払出メダル信号がメイン制御基板50に入力されている。また、遊技メダル補助収納庫38にはメダル満タンセンサ39が設けられており、内部に貯留されたメダルの貯留数が所定数量を超えた場合、メダルが所定数量を超えた検出信号をメイン制御基板50に出力することができ、液晶表示部30等により遊技機の異常を知らせるエラー表示が行われ、遊技者等に報知されることとなっている。
一方、メイン制御基板50からは、リール装置10やホッパ装置35に対して制御信号が出力される。すなわち、前述した各リール10a,10b,10cを回転させるためのステッピングモータ44a,44b,44cの起動および停止を制御するための駆動パルス信号がメイン制御基板50から出力される。またホッパ装置35には、組み合わせが表示された図柄の種類に応じてメイン制御基板50から駆動信号が入力され、これを受けてホッパ装置35はメダルの払い出し動作を行なう。このときホッパ装置35内に払出しに必要な枚数のメダルが不足しているか、メダルが全く無い状態であると、払出しセンサ49による枚数検出が滞ることとなり、所定時間経過(例えば3秒間)すると、払出しセンサ49より払出しメダルの異常信号がメイン制御基板50へ出力され、これを受けてメイン制御基板50は、メダルの払出しに異常が発生したことを知らせる内容をエラー表示部18や液晶表示部30等に表示させる。
スロットマシン1は、メイン制御基板50の他にサブ制御基板51を備えており、このサブ制御基板51にはCPUやROM、RAM、インタフェース、VDP、音源IC、オーディオアンプ等(全ては図示されていない)が実装されている。サブ制御基板51はメイン制御基板50から各種の指令信号を受け、液晶表示部30や各ランプ31,32,33,34それぞれの点灯または点滅およびスピーカ29の作動を制御している。
さらに、メイン制御基板50には外部端子基板52が接続されており、スロットマシン1はこの外部端子基板52を介して遊技場のホールコンピュータ53に接続されている。外部端子基板52はメイン制御基板50から送信される各種信号(投入メダル信号や払出メダル信号、遊技ステータス等)をホールコンピュータ53に中継する役割を担っている。
その他、スロットマシン1の内部には電源ユニット40が収容されており、この電源ユニット40は外部電源から電力を取り込んでスロットマシン1の作動に必要な電力を生成する。ここで生成された電力は、電源ユニット40から各ユニットに供給されている。
また電源ユニット40には、設定キースイッチ41やリセットスイッチ42、電源スイッチ43等が付属している。これらスイッチ類はいずれもスロットマシン1の外側に露出しておらず、前面扉3を開くことで始めて操作可能となる。このうち電源スイッチ43は、スロットマシン1への電力供給をON−OFFするためのものであり、設定キースイッチ41はスロットマシン1の設定(例えば設定1〜6)を変更するためのものである。またリセットスイッチ42はスロットマシン1で発生したエラーを解除するためのものであり、さらには設定キースイッチ41とともに設定を変更する際にも操作される。
(ゲーム処理)
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、メイン制御基板50のCPUにて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
(1.回胴遊技処理)
図3は、スロットマシン1における基本的な1ゲーム(回胴遊技)の処理手順を一通り示している。1回のゲームは、まず始動処理(ステップS10)から始まる。この始動処理はリール10a,10b,10cの回転を開始させるための処理であり、ここではメダルの投入またはベットボタン6,7,8の操作を受け付けたり、始動レバー9の操作を契機とした乱数抽選を行ったりする処理が行われる。なお、始動処理(ステップS10)の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて詳しく後述する。
1回のゲームでは始動処理(ステップS10)に続いて停止処理(ステップS20)が実行される。この停止処理は、各リール10a〜10cの回転を停止させるとともに各リール10a〜10cの停止位置を制御するものである。これは、「リール制御」と称される処理に該当する。リール制御を用いた停止処理には、例えば当選役と停止ボタンが押された位置の2つを参照して最終停止位置を決定するテーブル方式と、最大限当選役を引込むコントロール方式の2つの方式があり、ここではどちらを用いる態様であってもよい。なお当選役については、後述する始動処理にて説明する。リール制御を用いた停止処理についても別のフローチャートを用いて後述する。
リール制御によって停止処理を終えると、次に判定処理(ステップS30)が実行される。この判定処理は全リール10a,10b,10cの停止時に表示された図柄の表示態様(出目)から図柄の組み合わせが有効ラインに表示されたか否かを判断し、組み合わせが表示された場合はそれに応じた遊技結果を提供するためのものである。遊技結果のうち主な特典はメダルの払い出しであるが、メダルの払出しがなくとも、表示された組み合わせ図柄(レギュラーボーナス図柄等)の種類に応じてボーナスゲームに移行する特典が与えられたり、あるいはメダルの払出しとは別に内部状態(各種モード)を変更させる契機となったりするものがある。なお判定処理の具体的な内容については停止処理の後で説明する。
(2.始動処理)
図4は、上記の始動処理の内容を具体的に示している。ここでは先ず、メダルの投入またはベットボタン6,7,8の操作が待ち受けられる(ステップS101)。遊技者がベット操作またはメダル投入をしないうちは(No)、始動レバー9が有効化されないため、ステップS104の判断が否定(No)されて待ち受け状態(ステップS101)がループされ続ける。ベット操作またはメダル投入があると、これを受けて受付処理(ステップS102)が行われ、ベット数に応じた有効ラインランプの点灯が行われる。また受付処理(ステップS102)では、メイン制御基板50からメダル投入コマンドまたはベットコマンドがサブ制御基板51に送信される。
受付処理(ステップS102)に続いて始動レバー有効処理(ステップS103)が行われ、ここで初めて始動レバー9の操作が実質的に有効化される。この状態で遊技者が始動レバー9を操作すると、ステップS104の判断が肯定(Yes)されて次に始動レバー無効処理(ステップS105)が行われる。
始動レバー9の操作があると、これを契機として乱数の抽出(乱数抽選)が行われる(ステップS106)。また、始動レバー9の操作を受け付けてから乱数を抽出するタイミングは特に規定されておらず、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
次のフラグ処理(ステップS107)では、抽出された乱数値から当選・落選が判断され(内部抽選手段)、当選の場合は当選役(小役、特別小役等)の種類に応じたフラグがONにされるとともに、メイン制御基板50から当選フラグコマンドがサブ制御基板51に送信される。
また、落選の場合は、いずれの当選役(小役、特別小役等)も揃えることのできないハズレフラグがONにされる。当選・落選したフラグ(いわゆる、成立フラグ)は、該当するフラグがONになっている時に該当図柄を揃えることではじめて特典が得られるものである。各々の特典については、判定処理にて別のフローチャートを用いて後述する。
上記のフラグ処理(ステップS107)が行われると、前回の始動処理でスタートされたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かが判断される(ステップS108)。タイムアップ(Yes)が確認されると、各リール10a,10b,10cが始動され(ステップS109)、ここから次回の始動までのウェイトタイマがスタートされる(ステップS110)。
(3.リール停止処理:停止制御手段)
図5は、一例としてテーブル方式によるリール停止処理の内容を示している。リール制御については公知の技術を適用できるため、ここでは処理の流れを概略的に説明する。
リール停止処理では先ず、該当するゲームでの当落結果を表す成立フラグにしたがってリール制御テーブルが選択される(ステップS201)。なお、リール制御テーブルは予め全ての当落結果について複数のパターンのものが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとしてメイン制御基板50のROMに格納されている。
適切なパターンのリール制御テーブルが選択された状態で、停止ボタン11,12,13が押されるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217,S219)。これらの待ち受け状態で、左・中の各リール10a,10bが既に停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグが立っていない状態(=0)であるか否かが判断されるとともに、あわせて左・中・右のいずれかの停止ボタン11,12,13が押されたか否かが判断される。いずれの停止ボタン11,12,13も押されていなければ、ステップS219およびステップS209の判断がともに否定(No)されてステップS202以降が繰り返される。
例えば、いわゆる「順押し」または「順はさみ押し」の手順に沿って最初に左の停止ボタン11が押されたとすると(ステップS202=Yes)、左の停止ボタン11が押された時点では第1リール停止フラグが立っていない(ステップS203=Yes)ため、左リール10aについて第1リール停止処理(ステップS204)が実行される。なお、ここでいう「第1リール停止処理」とは、1番目にリールを停止させる処理という意味である。
あるいは、いわゆる「中押し」の手順に沿って最初に中央の停止ボタン12が押されると(ステップS210=Yes,ステップS211=Yes)、中リール10bについて第1リール停止処理(ステップS212)が実行される。これ以外に、いわゆる「逆押し」または「逆はさみ押し」の手順に沿って最初に右の停止ボタン13が押された場合は(ステップS217=Yes、ステップS218=Yes)、右リール10cについて第1リール停止処理(ステップS219)が実行される。
左・中・右のいずれかのリール10a,10b,10cについて第1リール停止処理(ステップS204,S212,S219)が行われると、該当する成立フラグに対応した複数パターンのリール制御テーブルのなかから、乱数値に基づいて1つのテーブルパターンが選択される。これは、例えば1つの当選役「ベル」について、リール10a〜10c上にある図柄「ベル」を有効ライン上に停止させるために予め複数パターンのリール制御テーブルが用意されているが、前記テーブルの中から1つのパターンが選択されることを意味する。そして、1つのパターンが選択されると、該当するリール制御テーブルに基づいてリール10aから10cの停止位置が制御される。これにより、例えば図柄「ベル」が有効ライン上のどこかで停止されることとなる。
例えば、順押し手順に沿って左リール10aが第1番目に停止されるパターンを例にとると、ステップS204で左リール10aについて第1リール停止処理が行われる。また、このときメイン制御基板50は、左リール10aの停止目を表す停止情報コマンド(第1停止情報コマンド)をサブ制御基板51に送信する。
次のステップS206では残りの中・右リール10b,10cについてそれぞれリール制御テーブル(停止テーブル)が乱数抽選によって決定される。具体的には、図1において左リール10aの停止時に図柄「ベル」が下段位置に停止されたとすると、停止された時点で図柄の組み合わせが表示されるラインとして下段ラインまたは右上がりラインの2通り(MAXベットの場合)が選択可能となるが、ここでは乱数抽選によっていずれか一方(例えば右上がりライン)が選択される。なお、乱数抽選の振り分け率は半々程度でよい。
以上の処理(ステップS206)が行われると、続いて第1リール停止フラグがON(=1)にされるとともに(ステップS207)、左リール停止フラグがON(=1)にされる(ステップS208)。左リール停止フラグがON(=1)になった段階では全てのリール10a〜10cが停止していないので、ステップS209の判断が否定(No)されてステップS202以降が実行される。
すると、このとき既に左リール10aが停止しているので(ステップS202=No)、順押し手順に沿って2番目に中央位置の停止ボタン12が押されると(ステップS210=Yes)、第1リール停止フラグの判定(ステップS211=No)を経て中リール停止処理(ステップS213)が実行される。中リール停止処理では、先に中リール10bについて選択されているリール制御テーブル(停止テーブル)に基づいて停止位置が制御される。これにより、上記の右上がりに図柄が組み合わせとして表示されるラインの例でいうと、中リール10b上の図柄「ベル」が中段位置に停止することとなる。また停止目上は、右上がりライン上で左・中リール10a,10bに図柄「ベル」が2つ揃った状態(いわゆる「右上がりテンパイ」)となる。このときメイン制御基板50は、中リール10bの停止目を表す停止情報コマンド(第2停止情報コマンド)をサブ制御基板51に送信する。またこの場合、中リール10bは第2停止であるためステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216にて中リール停止フラグがON(=1)にされるだけとなる。
同様にして、最後に右の停止ボタン13が押されると(ステップS217=Yes)、第1リール停止フラグの判定(ステップS218=No)を経て、先に右リール10cについて選択されているリール制御テーブル(停止テーブル)に基づいて停止位置が制御される(ステップS220)。これにより、3番目の右リール10c上の図柄「ベル」が上段位置に停止するので、全リール停止時の出目は、右上がりライン上に図柄「ベル」が3つ揃った状態となる。このときメイン制御基板50は、右リール10cの停止目を表す停止情報コマンド(第3停止情報コマンド)をサブ制御基板51に送信する。またこの場合、右リール10cは第3停止であるためステップS219,S221,S222は全て迂回され、ステップS223にて右リール停止フラグがON(=1)にされる。
ここまでの処理を経て全リール停止フラグがONになると、ステップS209の判断が肯定(Yes)されるため、メイン制御基板50による処理は本ルーチンを抜ける。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
(4.判定処理)
図6は、判定処理の内容を具体的に示している。上記のリール停止処理によって全てのリール10a,10b,10cが停止されると、メイン制御基板50はそのとき表示されている出目を確認する処理を行なう(ステップS301)
次に、全リール停止時の出目から組み合わせとして表示された図柄がレギュラーボーナス図柄であるか(ステップS302)、小役図柄であるか(ステップS306)、リプレイ図柄であるか(ステップS309)、それともハズレ図柄であるかがそれぞれ判断される。そして、そのとき組み合わせとして表示された図柄がレギュラーボーナス(RB)に該当すると判断されると(Yes)、RB図柄の組み合わせが表示されたことを知らせる効果音コマンドがサブ制御基板51に送信される(ステップS303)。また、表示された組み合わせの図柄が小役に該当すると判断されると(ステップS306=Yes)、各小役図柄に対応した枚数のメダル払出動作がホッパ装置35に指示されるとともに、払出し音コマンドがサブ制御基板51に送信される(ステップS307)。あるいは、リプレイ図柄の組み合わせが表示されたと判断される(ステップS309=Yes)と、リプレイ処理(ステップS310)が実行される。ここでリプレイ処理とは、あらためてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく、次回のゲーム時を再遊技として実行できることをいう。その場合の有効ライン数は、リプレイ図柄が揃ったゲームの有効ラインと同じラインとなる(例えば、3ベットしてゲームを開始した結果、リプレイが揃った場合、次ゲーム時に再遊技を開始するときも3ベット時のライン数が有効となる)。
RB図柄の組み合わせを表示することを許容された場合、つまり、図4のフラグ処理において、レギュラーボーナス(RB)の当選フラグがONとなった場合は、確率変更処理1(ステップS304)が行なわれて、続いてRB/JACゲーム遊技処理(ステップS305)が実行されて判定処理は終了となる。なお確率変更処理1については別のフローチャートを用いて後述する。
また小役図柄、リプレイ図柄の組み合わせを表示させることを許容された場合は、そのときに表示された組み合わせの図柄に応じて払出しまたはリプレイ処理が実行されて、小役またはリプレイの当選フラグがOFFにされ(ステップS308、S311)、この処理は終了される。なお上記の図柄に応じて払出しが行われることおよびステップS307は遊技価値付与手段の一例に相当する。また、ハズレフラグONの時や成立フラグに対応する図柄が有効ラインに揃っていない(ハズレフラグON時以外で、この出目となることを取りこぼしという、以下取りこぼしで統一する)場合(ステップS309=No)は、RB当選フラグ以外の成立フラグがOFFにされて(ステップS312)、同じく判定処理は終了となる。ここでRB当選フラグ以外の成立フラグがOFFにされる。つまりRBの当選フラグは維持されるということである。なぜなら、RBは小役やリプレイが組み合わせとして表示された場合の特典よりも遊技者にとっての特典が有利なためである。このRBの特典が有利なことについては後述する。さらにRB図柄はその図柄が各リールごとに少ない(例えば、1〜3個)ため、RB当選フラグがONになった場合でも、その図柄を狙って停止(いわゆる、目押し)させる必要がある。すなわち、ONになったフラグがRB当選フラグ以外のときは、そのONになったゲームにおいて成立フラグに対応する図柄を揃えられた場合も取りこぼした場合も、その成立フラグは消滅する。しかしRB当選フラグは当該図柄を揃えるまで維持される。このRB当選フラグの維持は、遊技者の目押しの技量の差によって、RBの特典に著しい差を生じさせないために図られた便宜であるともいえる。
なお、レギュラーボーナス/JACゲーム遊技処理(ステップS305)に進んだ場合は、これら各処理中においてRB当選フラグがOFFにされる。
(特別遊技状態:特別遊技状態制御手段)
本実施形態のスロットマシン1において、レギュラーボーナス図柄(例えば「BAR−BAR−BAR」)で図柄の組み合わせが表示された場合、次回のゲームから「レギュラーボーナスゲーム」と称する特別遊技状態に移行する。このレギュラーボーナスゲームには複数回のゲーム機会が含まれており、この間に集中してメダル等の払出しの可能性があるため、遊技者にとっては通常よりも有利な状態であるといえる(遊技価値付与機会増加手段)。
本実施形態のスロットマシン1では、上記のレギュラーボーナスを内部抽選の当選確率の異なる2種類(ハイチャンスRBとローチャンスRB)に分ける。以下ではハイチャンスRBをHRB、ローチャンスRBをLRBと必要に応じて呼称する。またHRBもLRBもRB/JACゲーム中に最大で所定回数(例えば12回)のJACゲームを行なう機会が含まれる仕様となっている。なお、HRBもLRBも対応する図柄は区別されていない(同じ図柄)ため、遊技者はどちらもRBに当選したのか、表示されたRB図柄の組み合わせ態様からは判断できないものである。
(RB/JACゲーム遊技処理)
図7は、RB/JACゲーム遊技処理の内容を具体的に示している。ここでは先ず、初期化処理としてRB当選フラグがOFFにされるとともに、RB/JACゲーム用に乱数抽選の当り値テーブルが変更される(ステップS501)。ここで変更された当り値テーブルは通常よりもJAC図柄の当り値を多く保有しており、それだけJAC図柄の組み合わせが表示される確率が高い状態にあるといえる。
次にリール装置10の始動処理(ステップS502)および停止処理(ステップS503)が実行される。停止処理によって全リール10a,10b,10cが停止すると、そのときの出目がメイン制御基板50からサブ制御基板51に送信され(ステップS504)、そしてRB/JACゲームカウンタが1つカウントアップされる(ステップS505)。
次に、全リール10a,10b,10c停止時の出目が規定の図柄の組み合わせであるか否かが判断される(ステップS506)。なお、ここでの規定の図柄は通常、JAC図柄(専用の「JAC−JAC−JAC」または兼用の「リプレイ−リプレイ−リプレイ」)と同じであることが多いが、これとは別の図柄の組み合わせが表示された場合(例えば「BAR−リプレイ−リプレイ」、「7−リプレイ−リプレイ」等)が設けられている態様であってもよい。停止時の出目がJAC図柄の組み合わせでなければ(ステップS506=No)、ステップS510に進んで成立フラグがOFFにされる。この場合は、抽選でハズレフラグがONになっていたか、あるいは当選フラグがONになっていても遊技者が図柄を組み合わせとして表示させるよう各リールを停止させることができなかったかのいずれかであると考えられる。逆に、停止時の出目がJAC図柄の組み合わせであると判断(Yes)されると、メイン制御基板50はホッパ装置35を駆動して規定枚数(例えば15枚)のメダル払い出しを実行するとともに、払出し音コマンドをサブ制御基板51に送信する(ステップS508)。また払い出しが行われると、その枚数分だけ払出カウンタがカウントアップされ(ステップS509)、これに続いて成立フラグがOFFにされる(ステップS510)。
ステップS511では、RB/JACゲームの終了判定が行われる。RB/JACゲーム中にJAC図柄の組み合わせが表示された回数が一定回数(例えば8回)に達していない間は、終了判定が否定(No)されてステップS502に戻り、RB/JACゲームが続行される。この後、RB/JACゲーム中にJAC図柄の組み合わせが表示された回数が一定回数(例えば8回)に達すると、そこでRB/JACゲームを終了すべきものと判定(Yes)される。この場合、ステップS512に進んでJACゲーム(レギュラーボーナスゲーム)の終了処理が行われ、当り値テーブルが変更前の状態に戻される。
当り値テーブルが変更前の状態に戻されると、ステップS513の確率変更処理2が行われて処理は終了となる。なお確率変更処理2については別のフローチャートを用いて後述する。
(確率変更:確率変更手段)
本発明のスロットマシン1は、RBに当選した場合、そのRBゲーム開始時または終了時に所定の割合で当選種類の当選確率の変更が行なわれる(以下では、確率変更として統一する)。
確率変更とは、内部抽選において行なわれる特定の当選種類(例えば、RBまたは小役、リプレイなど)の乱数抽選の当り値の範囲を増減することで、その当選確率を変更(通常の当選確率に比して高確率もしくは低確率にする)して特定の当選種類に当選し易くしたり、または当選し辛くしたりすることである。
スロットマシン1で行なう確率変更は、RB、リプレイ等の当選種類の当選確率を高確率にする形態をとるが、特定の当選種類を高確率にする代わりに別の当選種類の当選確率を低確率にする等の組み合わせを行なう形態としてもよい。なお以下では確率変更により特定の当選種類の当選確率が高確率に変更された遊技状態を高確率状態と呼び、対して通常確率での遊技状態を通常確率状態と呼ぶ。具体的な各種当選種類の当選確率等については、以下に表を使って説明する。
表1は、当選確率規定手段の一例として、スロットマシン1の各種当選種類の当選確率を示している。通常確率は通常確率状態における遊技に適用される各種当選種類の当選確率であり、高確率は確率変更が行なわれ高確率状態となった遊技に適用される各種当選種類の当選確率のことである。前述の通り、HRBとLRBは対応する当選図柄が同じであるため、外見からはどちらかを判断することはできないが、スロットマシン1の内部抽選の当り値の範囲の相違により判定される(確率変更抽選高確率導入当選役、確率変更抽選低確率導入当選役)。
例えば、表1において通常確率と高確率とを比べてみると、RB(HRB、LRBともに)の当選確率は通常確率に比べて高確率では約10倍となっている。このとき、内部抽選で行なわれる乱数抽選の当り値の範囲も約10倍に増加している。さらにリプレイの当選確率も約3倍となっており逆にはずれの出現割合については、通常確率の約1/2に減っている。このとき、内部抽選で行なわれる乱数抽選の当り値の範囲(この場合は当り値以外の範囲、つまりはずれ値の範囲)も約1/2に減少している。このようにスロットマシン1で行なわれる確率変更は乱数抽選の当り値の範囲を増減することで行なわれる。
なおスロットマシン1は、RBの当選確率を通常確率から高確率に変更する場合、設定(例えば1〜6まで6段階の設定値があり、通常確率においては各設定ごとにRB、小役等の当選確率に差がつけられている)に基づいてその当選確率を約10倍にする制御を行なう形態をとるが、設定に関わらず高確率時の当選確率を一律(各設定共通)のものとしてもよい。表1は一例として設定1の当選確率を示している。
表1でベル、チェリー、スイカとは、それぞれ小役図柄のことであり、それぞれに対応したメダル払出し数の内訳は、
ベル 9枚
チェリー 3枚
スイカ 15枚
となっている。このうちチェリーとスイカについては各リールに図柄の配置数が少ないため、目押しを正確にしないと取りこぼしてしまう可能性のある小役である。
表1からいえる高確率の特徴としては、HRB、LRBに当選し易くなるとともに、前記HRB、LRBに当選するまでの間についてもリプレイに当選する確率が通常確率の約3倍となっているため、2〜3回に1回はリプレイに当選することとなる。そのため、遊技者は、メダルをあまり消費せず(減らさず)に遊技を進行させることが可能となり、ひたすらメダルを消費し続けてしまうことがなくなる。これは確率変更が行なわれることの大きなメリットであるといえる。さらに若干のメダルの消費は必要となることから、ホールにとっても遊技者との利益バランスが取れることとなる。
(確率変更処理:確率変更抽選手段、高確率遊技状態制御手段)
スロットマシン1は、RBゲーム開始前およびRBゲーム終了時のいずれかにおいて確率変更を行い、遊技状態を高確率状態にするか否かの抽選(以下では、高確率状態突入抽選として統一する)を行なう。図9および図10は確率変更処理の進行を具体的に示している。確率変更処理は、RBゲーム開始前に行われる確率変更処理1(図9)と、RBゲーム終了時に行われる確率変更処理2(図10)の2つに分けられる。まず図9のフローチャートを用いて確率変動処理1を説明する。
(1.確率変更処理1)
図9は確率変更処理1を具体的に示している。この確率変更処理1は図7の判定処理において現在の出目がRB図柄であると判断された場合に行われる。ステップS601では当選したRBがHRBであるかLRBであるかが判断される。HRBであると判断される(No)と処理は終了となる。LRBであると判断される(Yes)と、ステップS602では現在の遊技状態が通常確率状態であるか高確率状態であるかが判断される。通常確率状態であると判断される(No)と高確率状態突入抽選1が行なわれる(ステップS603)。この高確率状態突入抽選1は、1/2.5(40%)の当選確率であり、もし当選した場合(ステップS604=Yes)は、ステップS605で継続率決定抽選1がさらに行われる。前記継続率決定抽選1で継続率が決まると、乱数抽選の当り値の範囲が高確率時のものに変更される(ステップS606)。高確率状態突入抽選1にはずれとなった場合(ステップS604=No)は、処理は終了となる。
ここで継続率決定抽選1について説明をする。表2(継続抽選確率低確率規定手段)はステップS605で行われる継続率決定抽選1で選択される継続率の割合を示している(継続抽選確率規定手段、継続抽選確率決定手段)。
ここで継続率とは、高確率状態に移行した次回のRBゲームで行なわれる高確率状態突入抽選1の際に適用される抽選確率のことである。表2より、継続率決定抽選1では、低い継続率が選択される可能性が高い(継続率Dが選択される可能性が65%と非常に高いため)。このため、高確率状態が次回も継続する可能性は非常に低いといえる。
一方、ステップS602で現在の遊技状態が高確率状態であると判断される(ステップS602=Yes)と、高確率状態を継続するか否かの抽選(継続抽選1)が行なわれる(ステップS607)。このときにステップS605で選択された継続率に基づいた継続抽選1が行なわれる。もし継続抽選1に当選した場合(ステップS608=Yes)は、さらに継続率昇格抽選1が行なわれる(ステップS609)。
この継続率昇格抽選1とは、表2で示した割合に基づき再度継続率を決め直すものである。ただしこの抽選では、現在適用されている継続率より上位(継続率の高い)の継続率が選択された場合のみ、新たな継続率として適用する(ステップS611)。もし現在適用されている継続率と同じまたは下位(継続率の低い)の継続率が選択された場合は、継続率は変更されず処理は終了となる(ステップS610=No)。
継続抽選1にはずれた場合(ステップS608=No)は、乱数抽選の当り値の範囲が元に(通常確率時)戻される(ステップS612)(通常遊技状態制御手段)。
上記のように確率変更処理1はLRBを契機として行われる一連の処理である。
(2.確率変更処理2)
図10は確率変更処理2を具体的に示している。この確率変更処理2は図8のRB/JACゲーム遊技処理において終了判定が行われたと判断された場合に開始される(ステップS701=Yes)。それ以外の場合、処理は終了となる(ステップS701=No)。
ステップS702では現在の遊技状態が通常確率状態であるか高確率状態であるかが判断される。通常確率状態であると判断される(No)と高確率状態突入抽選2が行なわれる(ステップS703)。この高確率状態突入抽選2は、1/1.5(約67%)の当選確率であり、もし当選した場合(ステップS704=Yes)は、ステップS705で継続率決定抽選2がさらに行われる。前記継続率決定抽選2で継続率が決まると、乱数抽選の当り値の範囲が高確率時のものに変更される(ステップS706)。高確率状態突入抽選2にはずれとなった場合(ステップS704=No)は、処理は終了となる。
ここで継続率決定抽選2について説明をする。表3(継続抽選高確率規定手段)はステップS705で行われる継続率決定抽選2で選択される継続率の割合を示している(継続抽選確率規定手段、継続抽選確率決定手段)。
継続率決定抽選2は、継続率決定抽選1と継続率A〜Dは同じであるが、その選択される割合が異なっている。表3より、継続率決定抽選2では、継続率決定抽選1と比較して、上位の継続率が選択される割合が高い(継続率50%以上の継続率が6割の割合で選択される可能性が高いため)。このため、継続率決定抽選1に比べると、高確率状態が次回も継続する可能性は高い有利な抽選であるといえる。
一方、ステップS702で現在の遊技状態が高確率状態であると判断される(ステップS702=Yes)と、高確率状態を継続するか否かの抽選(継続抽選2)が行なわれる(ステップS707)。このときにステップS705で選択された継続率に基づいた継続抽選2が行なわれる。もし継続抽選2に当選した場合(ステップS708=Yes)は、さらに継続率昇格抽選2が行なわれる(ステップS709)。
この継続率昇格抽選2も、前述した継続率昇格抽選1と同様に、表3で示した割合に基づき再度継続率を決め直すものである。この抽選においても、現在適用されている継続率より上位(継続率の高い)の継続率が選択された場合のみ、新たな継続率として適用する(ステップS711)。もし現在適用されている継続率と同じまたは下位(継続率の低い)の継続率が選択された場合は、継続率は変更されず処理は終了となる(ステップS710=No)。なお上記の継続率昇格抽選1および継続率昇格抽選2は継続抽選確率再抽選手段および継続抽選確率許容手段および継続抽選確率維持手段に相当する。
継続抽選2にはずれた場合(ステップS708=No)は、乱数抽選の当り値の範囲が元に(通常確率時)戻される(ステップS712)(通常遊技状態制御手段)。なお上記の継続抽選1および継続抽選2は継続抽選手段に相当する。さらに上記の継続抽選1または継続抽選2に当選した場合高確率状態が継続することは高確率状態維持手段に相当する。
上記のように確率変更処理2はHRBを契機として行われる一連の処理である。
(遊技状態の遷移)
以上、確率変更処理1および2について説明したが、HRBまたはLRBのいずれから高確率状態に当選した場合でも、次回に当選するRBがいずれになるかにより高確率状態が継続していく可能性は相当に異なってくる。通常確率状態から高確率状態へ、または高確率状態から通常確率状態への遊技状態の遷移がRBに当選するごとに行なわれることとなる。さらに高確率状態においても継続率が昇格していく(上位の継続率に変更されていく)ことが期待できる。
(1)継続率C→継続率昇格抽選で継続率Bが選択される→継続率B→継続率昇格抽選で継続率Aが選択される→継続率A
(2)継続率D→継続率昇格抽選で継続率Aが選択される→継続率A
(3)継続率A→継続率昇格抽選で継続率Dが選択される→継続率A(変わらず)
上記(1)〜(3)は継続率昇格抽選により継続率の変更が行なわれていく一例を示したものである。上記の継続率昇格抽選は、継続率昇格抽選1および継続率昇格抽選2を共に含んだものである。
上記よりいえることとしては、一旦高確率状態に移行すると、たとえ初めに選択された継続率が下位の継続率であっても、継続抽選に当選するごとにさらに継続率が上位の継続率へと変更していくことを期待できる。これは、初めにLRBゲームから継続率D(継続する可能性25%)が選択されたとしても次回RBとしてHRBに当選すれば、高継続率(継続率50%以上)の選択される割合がLRBに比べて多いため、初めに決まった継続率Dの抽選に当選すれば、一気に継続率昇格の可能性が高まることとなる。上記(1)〜(3)で、(1)では、たとえ下位の継続率が選択された場合であっても、次回、次々回と継続率が段々と上位に上がっていくことや、(2)では、いきなり最上位の継続率が選択されて昇格することや、(3)では、最初から最上位の継続率が選択されていた場合に継続率昇格抽選で下位の継続率が選択されても、その選択された下位の継続率に変更されることはないこと等、遊技者にとっては不利益を与えることのない非常に有利な内容となっている。このため、特に継続率昇格抽選は、遊技者の興味を強く惹きつけることができる。
なお本発明のスロットマシン1では、HRBとLRBの図柄を同一のものとしたが、これに限定されることはない。HRBとLRBの図柄を異ならせた場合は、当選したRBゲームごとに高確率状態突入抽選や継続率決定抽選自体の抽選を行なって、決定された前記抽選(高確率状態突入抽選1または高確率状態突入抽選2、継続率決定抽選1または継続率決定抽選2)を適用する形態等をとることが望ましい。このように、当選したRB図柄によって高確率状態への移行期待度や継続率の振分け割合を分からなくする等の遊技者の興趣を損ねない配慮が必要となる。
(演出処理)
スロットマシン1では、遊技の進行にあわせてサブ制御基板51により演出動作の制御を行なうことができる。図11は、サブ制御基板51により実行される演出処理の一例を示している。スロットマシン1に電源が投入されると、この演出処理において先ず初期化処理が行われる(ステップS801)。次にメイン制御基板50から送信されるメダル投入コマンドが待ち受けられ、実際にメダル投入コマンドが送信されると、これに応じて投入音やベット音等を出力させる演出が行われる(ステップS802)。
続いて、メイン制御基板50から送信される当選(始動)フラグコマンドが待ち受けられる(ステップS803)。当選(始動)フラグコマンドは、始動レバー9の操作を契機としてメイン制御基板50から送信され、サブ制御基板51では、当選(始動)フラグコマンドを受信すると、それに合わせた演出動作の制御が行われる。ここでの演出動作は例えば、リール始動音の出力や液晶表示器30による当選役の告知演出等である。
上記の始動演出が行われると、続いて第1〜第3停止情報コマンドが待ち受けられる(ステップS804〜S806)。3つの停止ボタン11,12,13が順番に操作されると、メイン制御基板50からサブ制御基板51に第1〜第2停止情報コマンドが順次送信され、これを受けてサブ制御基板51では、それぞれ当選フラグと第1〜第3停止情報コマンドに応じた演出動作の制御が行われる。ここでの演出動作は例えば、各リール停止音の出力やリール消灯演出、液晶表示器30による画像演出等である。特に第3停止情報コマンドを受信すると、その入賞役に応じた演出動作が行われる(ステップS806)。
そして、判定処理の結果に応じてメイン制御基板50から払出コマンドが送信されてくるので、これを受けてサブ制御基板51では払出し音出力による演出が行われる(ステップS807)。さらに、ここではメイン制御基板50から送信される遊技ステータスコマンドが待ち受けられ、受信したコマンドから現在の遊技ステータスが吟味される。なお遊技ステータスは、例えば「RBゲーム」、「JACゲーム」等を表すものである。
(各種演出処理:演出表示選択手段)
スロットマシン1では、確率変更処理が行われるタイミングと合わせて、上記の演出処理を様々な演出として行なわせることが可能である。以下では各種演出処理と液晶表示部30で演出表示される画像の一例を示して説明する。
図12は各種演出処理を具体的に示している。図6の判定処理で現在の出目がRB図柄であると判断された場合、サブ制御基板51においてもRB図柄であること(ステップS901=Yes)を受けてステップS902でオープニング演出処理が行われる。つまり確率変更処理1が行われてRBゲームが開始される場面で行なわれる演出である。
ステップS901で現在の出目がRB図柄ではないと判断される(No)と、ステップS903ではRBゲーム終了後か否かが判断される。RBゲーム終了後と判断される(Yes)とステップS904でエンディング演出処理が行われる。つまり確率変更処理2が行われて高確率状態突入抽選2に当選したか否かが決定した場面で行なわれる演出である。なおステップS903=Yesの際は確率変更処理1も既に行なわれた後であるので、エンディング演出は高確率状態に移行したか否かを見せるものである。ステップS903でRBゲーム終了後ではない(No)と判断された場合は、通常演出処理が行われる(ステップS905)。この通常演出処理は通常確率状態での各種演出(成立した当選フラグに対応する当選役を知らせたり、思わせぶりな表示(チャンス等)をしたりする)や、RBゲーム中の演出(メダル獲得枚数を表示する演出等)を含めたものとしているが、これらをさらに各種演出処理として分けることとしてもよい。
(1.オープニング演出処理:当選役示唆演出表示手段)
本発明のスロットマシン1は、RBゲームが開始される場面において、当選したRBがHRB、LRBのどちらかであるのかと遊技者の期待度を盛り上げる演出(オープニング演出)を行なう。図13から図17までは、オープニング演出処理で表示される画像の一例である。図13はRBゲームが開始されるタイミング(RB図柄が出目として表示された際)で表示される演出画像である。図13は、子供が塀の上に腰掛けている様子を表している。この後、図14から図17のいずれかの演出(キャラクターを出現させる)へと展開させる処理が行われる。つまり子供が、登場(出現)するキャラクターに驚くまでの様子がオープニング演出として行なわれる。ここで登場するキャラクターの種類によって当選したRBがHRBであるのかそれともLRBであるのかの期待度を推し量ることが可能である。それぞれのキャラクターの登場割合は、以下の通りとなっている。
図14から図17の丸で囲った部分が登場するキャラクター『流星』、『ネコ』、『ネズミ』、『カエル』である。『カエル』と『ネズミ』が登場した場合は、HRBかLRBかの期待度はおよそ半々であり、どちらのRBかは分かり辛くなっている。そのためオープニング演出の段階で、LRBと分かってしまい遊技者が急激に落胆してしまうことを極力回避させることが可能となる。反対に『ネコ』や『流星』が登場した場合は、HRBの期待度が一気に高まる。そのため遊技者は高い継続率が選ばれることに期待を持つことができる。いずれのキャラクターが登場した場合でも遊技者の興趣を損なわせることなく、RBゲームを進行させることが可能である。なお上記の登場するキャラクターは振分けにより選択される(全て均一に1/4の割合で選択される)とするが、選択される割合を変えてもよい。例えばHRBの当選期待度の大きい『流星』はより選ばれにくく、『ネズミ』や『カエル』が選ばれ易い振分け割合にすれば、オープニング演出からはHRBなのかLRBなのか分からなくなり、RBゲーム終了まで遊技者の興趣を高めたまま維持させることも可能となる。
(2.エンディング演出処理:高確率状態演出表示手段)
さらに本発明のスロットマシン1では、RBゲームが終了する場面において、高確率状態突入抽選に当選したか否かの期待度を推し量ることの可能な演出(エンディング演出)を行なうことができる。図18から図22までは、エンディング演出処理で表示される画像の一例である。エンディング演出は図18で後ろを向いている少年が玄関に訪問者(以下では、お客さんと呼称する)を迎えに出る様子を表している。この後、図19から図22のいずれかの演出へと展開していくのがエンディング演出として行なわれる。このとき訪れたお客さんが誰なのかにより高確率状態に移行したのかの期待度(高確率状態突入抽選に当選したか否かの期待度)を推測することができる。それぞれのお客さんの高確率状態突入抽選の当選期待度は、以下の通りとなっている。
図19から図22で登場しているお客さんがそれぞれ『パンツ一丁の大人』、『出っ歯の大人』、『頭に旗を乗せた男の子』、『女の子』である。いずれのお客さんも登場する割合は全て同じ(1/4)とする。このため、登場したお客さんが『パンツ一丁の大人』や『出っ歯の大人』であっても少なからず高確率状態に移行した期待感を持つことが可能となっている。なお『女の子』がお客さんとして登場した場合は、高確率状態に移行することが決定するため、遊技者にとってはこの上ない喜びを感じることとなる。このエンディング演出は、登場するお客さんが誰か分かるまで、遊技者をハラハラさせ、高確率状態への期待を最大限に膨らまさせることができる。
なお、上記のお客さんの登場する割合に偏りを持たせてもよい。例えば、『パンツ一丁の大人』、『出っ歯の大人』、『頭に旗を乗せた男の子』、『女の子』の順番に登場する割合を低くするような形態とする。エンディング演出で『パンツ一丁の大人』が1/2、『出っ歯の大人』が1/3、『頭に旗を乗せた男の子』が1/8、『女の子』が1/24で登場する割合とする。こうすると、エンディング演出で登場する割合のほとんどを『パンツ一丁の大人』や『出っ歯の大人』が閉めることとなる。しかし実際は、そのお客さんの高確率状態への期待度(表5に記載)以上に、高確率状態に移行する可能性が多くなるため、遊技者をがっかりさせずに遊技を進行させることができる。また『頭に旗を乗せた男の子』や『女の子』の登場する割合を抑えることで、登場しただけで高確率状態へ移行したことを大いに期待させることも可能となる。
さらに登場するお客さんの高確率状態への移行期待度を変更させる形態(例えば、電源投入ごとにランダムに変更させたり、RBゲームごとに規則的に変更させたり)としてもよい。こうすることで、遊技者はいずれのお客さんが登場した場合でも、高確率状態に移行したかもしれないと期待を持つことができる。また演出にマンネリや飽きを感じさせることを極力抑えることも可能となる。そのため遊技者は毎回のRBゲームごとに上記の色々なお客さんが登場する演出を見ることができ、演出面からも遊技を多いに楽しむことができる。
(3.高確率状態での演出処理:高確率状態演出表示手段)
上記以外の演出で、高確率状態に移行した場合の演出については、選択された継続率(継続率A〜Dのいずれか)により演出が発生する割合を変化させることで、いずれの継続率が選択されたのかをおよそ見当つけることができる形態とする。ここでいう演出とは、当選したフラグを直接的または間接的に知らせるもの(いわゆる当選役をナビゲーション(指示、示唆)する演出)であったり、複数ゲームにわたって遊技者がRBに当選したかもしれないという期待を盛り上げる内容の演出(チャンス演出)であったり、その他、定期的な背景の変化など、様々な演出を含んでいる。
以下の通り、継続率ごとに演出の発生割合に差を設けることで、遊技者に継続率を推測させる楽しみを付与することができる。
(1)継続率Aが選択された場合 1/2.5で演出が行なわれる。
(2)継続率Bが選択された場合 1/4で演出が行なわれる。
(3)継続率C、継続率Dが選択された場合 1/7.5で演出が行なわれる。
なお、通常確率状態では、1/8で演出が行なわれることとする。上記の(1)〜(3)より、短いゲーム数の間に演出が多く発生すればするほど、高い継続率が選ばれた可能性が高いと判断できるため、遊技者は、高確率状態に移行したと確信して次回のRBに思いを馳せながら遊技を進めていくこととなる。反対に、下位の継続率(継続率Cまたは継続率D)が選択された場合、演出の発生割合は通常確率状態とほとんど変わらないため、高確率状態であるかどうかも疑わしく思いながら遊技を行なっていたら、短いゲーム数で
突然RBに当選するといった驚きを遊技者に与えることも可能となる。
(4.継続率昇格抽選に関係した演出処理:継続抽選確率変更示唆演出表示手段)
本発明のスロットマシン1では、継続率昇格抽選が行なわれることは前述の通りであるが、エンディング演出に登場するお客さんが前回と変わっているか否かによって継続率が昇格したのか否かまでも推測することが可能である。ここでいう前回とは、高確率状態に移行する契機となったRBゲームのエンディング演出のことである。継続率が昇格した場合には、前回と同じお客さんを登場させる。こうすると、例えば、前回『パンツ一丁の大人』が登場して、高確率状態に移行しなかったと諦めていたとしても、短いゲーム数で再びRBに当選したことに喜びを味わうこととなる。さらにエンディング演出でまた『パンツ一丁の大人』が登場したことにより継続率が昇格したことがわかると、継続率が昇格して次回以降もさらに高確率状態が継続していく可能性がグンと増えることの喜びの気持ちで一杯となる。このため、高確率状態への移行期待度の低いお客さんであっても、高確率状態となってからの意味合いは全く違うものとなる。ただし、お客さんの高確率状態への移行期待度が変わることはないため、同じお客さんが登場しなくとも、より高確率状態への期待度の高いお客さんが登場する(例えば、前回は『出っ歯の大人』が登場したが今回は『頭に旗を乗せた男の子』が登場した)ことで、高確率状態が継続したかもしれないという期待度はより大きくなる。
なお上記の演出にオープニング演出を組み合わせてもよい。こうすると、組み合わせの数が増大し、遊技者が数回の遊技機会では各演出の組み合わせと継続率との間の法則(規則、パターン)を見つけ出そうとしても容易に見つけ出すことができない。このため飽きのこない演出内容を遊技者に付与することができ、遊技者の遊技意欲を向上させることが可能となる。
(その他演出等)
以上は液晶表示部30で行なわれる各種演出処理について説明であるが、液晶表示以外にもドット表示等を用いてもよい。さらに各種演出には、スピーカ29やランプ31,32,33,34を加えた形態としてもよい。こうすることにより、液晶表示だけではなく、音や、ランプの発光状態などからも遊技状態や継続率の昇格を判断することも可能となる。そのため、本発明のスロットマシン1は遊技者の視覚と聴覚をフルに楽しませることが可能となる(発光制御選択手段、当選役示唆発光制御手段、効果音選択手段、当選役示唆効果音発生手段、高確率状態発光制御手段、高確率状態効果音発生手段、継続抽選確率変更示唆発光制御手段、継続抽選確率変更示唆効果音発生手段)。
さらに、本発明のスロットマシン1は、高確率状態に移行すると、以降のRBゲームごとに継続率の昇格抽選を行なう遊技機であることを遊技者に積極的にアピールする形態とすることで遊技者の興味を惹き付けることもできる。
図23(a)は、スロットマシン1の停止ボタン11〜13付近を拡大した図である。図23(a)中の停止ボタン11〜13と各表示部17〜19に挟まれた部分に機種のスペック(仕様、性能、特徴)を記したスペック表示部60をさらに設ける。このスペック表示部60はシール等の貼り付け可能なものや液晶表示、ドット表示等で表示させる内容とすることが可能である。
表示内容は、本発明のスロットマシン1が一度決定された継続率が変更(昇格)することが可能であるという従来のスロットマシンにはなかった新しい特徴を兼ね備えた遊技機であることを明示することができる。この表示により当該遊技機で初めて遊技する遊技者にも当該遊技機の内容を十分に理解したうえで安心して遊技を行なうことが可能となる。なおスペック表示部60の表示において、次回期待度25,50,66,90は継続率に対応づけた表示の一例である。
図23(b)はスロットマシン1の表示領域21付近を拡大した図である。表示領域21の上にさらに高確率状態演出用ランプ61を設ける。このランプは9分割された部分から構成されており、各部分ごとに設けられたLEDがそれぞれ個別に点灯(消灯)可能であり、さらに複数の色彩の発光を行なうことができる。さらに液晶表示で行なわれる各種演出と合わせて発光演出を行なわせたり、単独で発光演出を行なわせたりすることもできる。ここで行なわれる演出は例えば全て(または一部)を点灯(点滅)させたり、フラッシュさせたりすることで遊技者にアピールすることが可能である。これにより液晶表示にて行われる表示内容と合わせて遊技者を視覚的に楽しませ、遊技者の気分を盛り上げることも期待できる。
さらに、高確率状態演出用ランプ61は高確率状態に移行したもののなかなかRBに当選しない場合(例えば、高確率状態に移行したものの100ゲーム経過してもRBに当選しない場合)などに、9分割の全てを光らせる(例えば虹色)ことで高確率状態であることを知らせる救済措置的な役割を持たせることとしてもよい。こうすると、低い継続率が選択され高確率状態らしい演出もないため、高確率状態に移行しなかったと諦めて、当該遊技機での遊技を続行しようか否かと迷うような場面において、遊技者に高確率状態であることを知らせることも可能である。さらに段階的に発光させる(例えば、高確率状態に移行した後、50ゲーム目で一瞬点灯させた後、すぐ消灯、その後100ゲーム目で再度点灯させる等)こととすれば、遊技者は当該遊技機の遊技の止め時を遅らせることとなり、ホールにとっては、当該遊技機をより多く稼動させることも可能となる。
以上は一実施形態についての説明であるが、本発明の実施の形態がこれに制約されることはない。またスロットマシンに限定されるものではなく、パロット機等にも適用可能である。