JP4567561B2 - 繊維集合体の製造方法及び繊維集合体の製造装置 - Google Patents

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本発明は繊維集合体の製造方法及び繊維集合体の製造装置に関する。
繊維集合体を構成する繊維の繊維径が小さいと、分離性能、液体保持性能、払拭性能、隠蔽性能、絶縁性能、或いは柔軟性など、様々な性能に優れているため、繊維集合体を構成する繊維の繊維径を小さくするのが好ましい。このような繊維径の小さい繊維からなる繊維集合体の製造方法として、紡糸原液をノズルから吐出するとともに、吐出した紡糸原液に電界を作用させて紡糸原液を延伸し、繊維径の小さい繊維とした後に直接捕集して繊維集合体とする、いわゆる静電紡糸法が知られている。
このような静電紡糸法により繊維集合体を製造する場合、ノズルの数が1本では紡糸原液の吐出量が少ない結果として、生産性が悪いという問題があった。そのため、2本以上のノズルを使用して生産性を向上させる手段が考えられている。例えば、複数のニ−ドルからなるマルチノズルを通して紡糸原液をコレクタ(捕集体)に噴射する紡糸部を有する高分子ウェブ製造装置が提案されている(特許文献1)。また、2ヶ所以上の吐出部を備えた円盤状ロータリー型吐出装置も提案されている(特許文献2)。更に、捕集体(チューブ等)を横切るように移動する吐出部、及び逆回転可能な捕集体も開示されている(特許文献3)。
米国特許第6,616,435号明細書 米国特許第4,650,506号明細書 米国特許第4,842,505号明細書
しかしながら、複数のニ−ドルからなるマルチノズルを備えた紡糸部を有する高分子ウェブ製造装置(特許文献1)を使用して高分子ウェブ、つまり繊維集合体を製造した場合、繊維集合体の幅方向(コレクタによる搬送方向と直交する方向)において、中央部における繊維量が多く、両端部における繊維量が少ない繊維集合体しか製造することができなかった。このように、繊維集合体の幅方向において繊維量にバラツキがあるのは、或るノズルから吐出され紡糸された繊維が、別のノズルから吐出され紡糸された繊維のもつ電荷によって形成される電界の影響を受けるためであると考えられた。
例えば、特許文献1に記載の製造装置においては、特許文献1の図4Cに示すように、ノズルを千鳥状に配置して、ノズルの配置間隔を比較的に広くすることによって、別のノズルから吐出され、紡糸された繊維のもつ電荷によって形成される電界の影響を少なくし、幅方向において繊維量のバラツキの小さい繊維集合体を製造することができるものと期待された。しかしながら、実際には、ノズル孔径のバラツキによって吐出量がバラツキ、結果として繊維量にバラツキが生じたり、一列目のノズルから吐出する場合と、二列目のノズルから吐出する場合と、n列目のノズルから吐出する場合におけるコレクタ上の状態が異なり、いずれの列のノズルからも同じように繊維を集積させることができず、結果として繊維集合体の幅方向における繊維量のバラツキを抑えることができなかった。
そのため、2本以上のノズルを直線状に配置したノズル群を、捕集体による搬送方向と(1)直交する方向、又は(2)平行な方向に設置し、ノズル群を捕集体の幅方向に往復移動させることによって、繊維集合体の幅方向における繊維量のバラツキを抑えることを本発明者は考えて試してみた。しかしながら、前者(1)の場合(ノズル群を直交方向に設置する場合)には、往復移動するためにノズル群を一旦停止する必要があるため、停止箇所付近の繊維量が多くなり、しかもこの停止箇所は1本のノズルにつき2ヶ所存在するため、繊維集合体の幅方向における繊維量のバラツキが繊維集合体の長手方向に連続して発生してしまった。また、ノズル孔径にバラツキがある場合には、ノズル毎の吐出量の違いがそのまま繊維量のばらつきになるため、目付けムラを助長してしまう結果となった。
一方、後者(2)の場合(ノズル群を平行方向に設置する場合)には、1本のノズルが捕集体の端から端まで往復移動するため、前者のように幅方向における繊維量のバラツキが繊維集合体の長手方向に連続して発生するということはなかったが、前者の場合と同様に往復移動するために一旦停止する必要があり、捕集体の幅方向には1本のノズルしか存在しないため、一旦停止するために急激な加速と減速が必要となることから、繊維集合体の両端部に繊維量の多い領域が形成される結果となった。このことは、生産性を高めるために捕集体の幅を広くすればするほど、ノズルの移動速度を速くしないと、繊維集合体の長手方向に繊維量の多い領域と少ない領域とを形成してしまうため、ノズルの移動速度を速くする必要があるが、移動速度が速くなればなる程、それと比例して加速と減速に要する領域が広くなるため、繊維集合体の幅方向における繊維量のバラツキが助長される結果となった。
また、円盤状ロータリー型吐出装置(特許文献2)では、幅方向において、中央部の繊維量が少なく、両端部の繊維量の多い繊維集合体しか得ることができない。
更に、逆回転可能な捕集体を有する装置(特許文献3)の場合、捕集体を逆回転させるためには、必然的に回転速度が速くなる時間と遅くなる時間とが存在するため、繊維配向にバラツキが生じ、機械的強度にバラツキのある繊維集合体しか得ることができない。また、特許文献3では、連続的に紡糸することができるように、隣接する捕集体の境界にガードプレートを配置することを開示しているが、紡糸するにしたがってガードプレートに推積した繊維によってガードプレートが絶縁体と化して、吐出部がガードプレートに達した時に吐出部からの吐出量が減少するとともに、隣接する捕集体に達した時に減った分の紡糸原液も吐出して吐出量が増加しやすいため、繊維量のバラツキの大きい繊維集合体となりやすい。
本発明は、前記の従来技術の欠点を解決するためになされたものであり、繊維集合体の幅方向における繊維量が均一な繊維集合体を製造することができる方法、及び製造装置を提供することを目的とする。特には、繊維集合体の幅方向における繊維量が均一な繊維集合体を生産性良く製造することができる方法、及び製造装置を提供することを目的とする。
従って、本発明は、紡糸原液貯留部から供給管を通じて紡糸原液吐出部へ紡糸原液を供給し、紡糸原液吐出部から紡糸原液を吐出させる供給吐出工程と、前記吐出した紡糸原液に電界を作用させて延伸し繊維化した繊維を、捕集体の捕集表面上に直接集積させ、前記捕集表面を一定方向に移動させながら繊維集合体を形成する繊維集積工程とを含む繊維集合体の製造方法において、
一対の回転軸間を周回可能なエンドレス軌道に沿って運動する支持体に前記紡糸原液吐出部を担持させ、前記エンドレス軌道の直線運動領域の運動方向を前記捕集表面の幅方向と一致させた状態で前記支持体を一定速度で周回させながら、前記紡糸原液吐出部から紡糸原液を吐出することを特徴とする、繊維集合体の製造方法に関する。
本発明方法の好ましい態様においては、前記支持体が紡糸原液吐出部を2ヶ所以上備えている。
本発明方法の別の好ましい態様においては、供給管内の一部又は全部に導電性材料を配置した状態で供給吐出工程及び繊維集積工程を実施する。
本発明方法の更に別の好ましい態様においては、紡糸原液吐出部周辺に所望相対湿度の気体を供給しながら供給吐出工程及び繊維集積工程を実施する。
本発明方法の更に別の好ましい態様においては、前記支持体のエンドレス軌道の外側から電界を作用させながら、供給吐出工程及び繊維集積工程を実施する。
また、本発明は、紡糸原液を蓄えることのできる紡糸原液貯留部、
紡糸原液を吐出することのできる紡糸原液吐出部、
前記紡糸原液貯留部と前記紡糸原液吐出部とを繋ぐ供給管、
前記紡糸原液貯留部から前記紡糸原液吐出部へ紡糸原液を供給し、前記紡糸原液吐出部から紡糸原液を吐出させることのできる供給吐出手段、
前記供給吐出手段により吐出する紡糸原液に電界を作用させて延伸し繊維化することのできる電圧印加手段、
繊維化される繊維を直接集積する捕集表面を有し、前記捕集表面を一定方向に移動させながら繊維集合体を形成することのできる捕集体、
一対の回転軸間を周回可能なエンドレス軌道に沿って運動可能で、そのエンドレス軌道に沿って前記紡糸原液吐出部を移動可能に担持し、前記エンドレス軌道の直線運動領域の運動方向が、前記捕集表面の幅方向と一致する支持体、及び
前記支持体をエンドレス軌道に沿って一定速度で周回させることのできる移動手段
を備えていることを特徴とする、繊維集合体の製造装置にも関する。
本発明装置の好ましい態様においては、前記支持体が紡糸原液吐出部を2ヶ所以上備えている。
本発明装置の別の好ましい態様においては、供給管内の一部又は全部に導電性材料を配置している。
本発明装置の更に別の好ましい態様においては、紡糸原液吐出部周辺に所望相対湿度の気体を供給することができる気体供給手段を備えている。
本発明装置の更に別の好ましい態様においては、前記支持体のエンドレス軌道の外側から電界を作用させることのできる電界発生手段を備えている。
本発明方法によれば、支持体に担持された紡糸原液吐出部が紡糸原液を吐出しながら一定速度でエンドレス軌道を循環周回するので、繊維集合体の幅方向における繊維量が均一な繊維集合体を製造することができる。また、繊維集合体を構成する繊維同士が交差した状態となり、様々な方向における機械的強度が均一な繊維集合体を製造することができる。
本発明方法において、前記支持体がエンドレス軌道に沿って紡糸原液吐出部を2ヶ所以上備えていると、紡糸原液の吐出量を増やすことができるため、生産性良く繊維集合体を製造することができる。また、紡糸原液吐出部の孔径が揃っていなかったとしても、紡糸原液吐出部を一定速度で捕集体の捕集表面の幅方向に移動させており、各々の紡糸原液吐出部から吐出されて形成された繊維は繊維集合体全体に分散するため、繊維集合体の幅方向における繊維量のバラツキのない繊維集合体を製造することができる。
本発明方法において、供給管内の一部又は全部に導電性材料を配置した状態で供給吐出工程及び繊維集積工程を実施すると、吐出した紡糸原液に安定して電界を作用させることができるため、繊維集合体の幅方向における繊維量が均一な繊維集合体を安定して製造することができる。
本発明方法において、紡糸原液吐出部周辺に所望相対湿度の気体を供給しながら供給吐出工程及び繊維集積工程を実施すると、紡糸原液吐出部周辺に所望相対湿度の気体を供給するため、紡糸原液吐出部周辺を所望相対湿度に維持し、湿度の影響を排除することができるため、繊維径の揃った繊維集合体を製造することができる。また、紡糸原液から揮発した溶媒を速やかに除去することができ、紡糸原液吐出部周辺が飽和蒸気圧に達しないため、連続して繊維集合体を製造することができる、という効果も奏する。
本発明方法において、前記支持体のエンドレス軌道の外側から電界を作用させながら、供給吐出工程及び繊維集積工程を実施すると、電界を作用させることにより紡糸原液吐出部から吐出された繊維の捕集体への集積位置を制御することができるため、繊維集合体の幅方向における繊維量が均一な繊維集合体を安定して製造することができる。
本発明装置によれば、支持体に担持された紡糸原液吐出部を一定速度でエンドレス軌道に沿って循環周回させながら紡糸原液を吐出させることができるので、繊維集合体の幅方向における繊維量が均一な繊維集合体を製造することができる。また、繊維同士が交差した状態とすることができるため、様々な方向における機械的強度が均一な繊維集合体を製造することができる。
本発明装置において、前記支持体がエンドレス軌道に沿って紡糸原液吐出部を2ヶ所以上備えていると、紡糸原液の吐出量を増やすことができるため、生産性良く繊維集合体を製造することができる。また、紡糸原液吐出部の孔径が揃っていなかったとしても、紡糸原液吐出部を一定速度で捕集体を横切らせており、各々の紡糸原液吐出部から吐出されて形成された繊維を繊維集合体全体に分散させることができるため、繊維集合体の幅方向における繊維量のバラツキのない繊維集合体を製造することができる。
本発明装置において、供給管内の一部又は全部に導電性材料を配置していると、吐出した紡糸原液に安定して電界を作用させることができるため、繊維集合体の幅方向における繊維量が均一な繊維集合体を安定して製造することができる。
本発明装置が、紡糸原液吐出部周辺に所望相対湿度の気体を供給することができる気体供給手段を備えていると、湿度の影響を排除し、繊維径の揃った繊維集合体を製造することができる。また、紡糸原液から揮発した溶媒を速やかに除去することができ、紡糸原液吐出部周辺が飽和蒸気圧に達しないため、連続して繊維集合体を製造することができる。
本発明装置が前記支持体のエンドレス軌道の外側から電界を作用させることのできる電界発生手段を備えていると、電界を作用させることによって、紡糸原液吐出部から吐出された繊維の捕集体への集積位置を制御することでき、繊維集合体の幅方向における繊維量が均一な繊維集合体を安定して製造することができる。
本発明の繊維集合体の製造方法及び製造装置について、図1及び図2に沿って説明する。図1は、製造装置を上方から見た模式的平面図であり、図2は、前記製造装置を図1の矢印Aの方向から見た模式的断面図である。
図1に示す繊維集合体製造装置は、紡糸原液を蓄えることのできる紡糸原液貯留部1;紡糸原液吐出部群としてのノズル群2〜2;紡糸原液貯留部1と紡糸原液吐出部群(ノズル群2〜2)とを繋ぎ、紡糸原液を紡糸原液吐出部群へ供給することができる供給管1a;紡糸原液貯留部1から紡糸原液吐出部群へ紡糸原液を供給し、紡糸原液吐出部群から紡糸原液を吐出させることのできる供給吐出手段3;紡糸原液に電圧を印加することのできる電圧印加手段4;繊維化される繊維を直接集積する捕集表面5aを有し、前記捕集表面5aを一定方向Dに移動させながら繊維集合体5bを形成することができ、好ましくはアースされている捕集体5;一対の回転軸(第1スプロケット6aと第2スプロケット6bとの間)間を周回可能なエンドレス軌道に沿って前記紡糸原液吐出部群(ノズル群2〜2)を担持し、前記エンドレス軌道の直線運動領域6xの運動方向m1,m2が、前記捕集表面5aの幅方向(前記捕集表面5aの移動方向Dと直交する方向)と一致する支持体6c;支持体6cを一定速度で前記捕集表面5aの幅方向に移動させることにより、前記紡糸原液吐出部群(ノズル群2〜2)を一定速度で前記捕集表面5aの幅方向に移動させることのできる移動手段6;ノズル群2〜2のエンドレス軌道(循環移動軌跡)よりも外側に位置し、電界を作用させることのできる電界発生手段7;前記捕集表面5aの上に形成される繊維集合体を、捕集体5の端部でロール状に巻き取ることのできる巻取り装置8;ノズル群2〜2や捕集体5等を収納した紡糸容器9;紡糸容器9へ所望気体を供給することができる気体供給装置10;及び紡糸容器9内の気体を排気することができる排気装置11;を備えている。
このような製造装置を用いて繊維集合体を製造する場合、まず、紡糸原液を用意する。この紡糸原液は、例えば、静電紡糸可能な樹脂を溶媒に溶解させた溶液である。樹脂は静電紡糸することができる限り特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレングリコール、部分けん化ポリビニルアルコール、完全けん化ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、或いはポリプロピレンなどを使用することができる。これら例示以外の樹脂も使用可能であり、例示以外の樹脂も含め、2種以上の樹脂を溶媒に溶解させた紡糸原液を用いることもできる。
この溶媒としては、使用する樹脂によっても変化するため、特に限定するものではないが、例えば、水、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル、ギ酸、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、四塩化炭素、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタン、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートなどを挙げることができる。溶媒は1種類でもよいし、2種類以上の溶剤を混ぜた混合溶媒であってもよい。
本発明で用いる紡糸原液は、上述のような樹脂を溶媒に溶解させたものであるが、その濃度は、使用する樹脂の組成、樹脂の分子量、溶媒等によって変化するため、特に限定するものではないが、静電紡糸への適用性の点から、粘度が10〜6000mPa・sの範囲となるような濃度であるのが好ましく、20〜5000mPa・sの範囲となるような濃度であるのがより好ましい。粘度が10mPa・s未満であると、粘度が低すぎて曳糸性が悪く、繊維になりにくい傾向があり、粘度が6000mPa・sを超えると、紡糸原液が延伸されにくくなり、繊維となりにくい傾向があるためである。なお、この「粘度」は、粘度測定装置を用い、温度25℃で測定した、シェアレート100s−1の時の値をいう。
このような紡糸原液は紡糸原液貯留部1に蓄えられており、この紡糸原液は紡糸原液貯留部1に接続して設けられた供給吐出手段3により、供給管1aを通じて最初のノズル2へ供給され、その最初のノズル2を介してそれ以後のノズル2〜2へ供給されて、全ノズル群2〜2から紡糸原液が吐出される(供給吐出工程)。図1の製造装置においては、供給管1a内の紡糸原液に対して電圧を印加することができるように、供給管1aを電源(印加手段4)と接続させている。なお、前記の最初のノズル2は支持体6cに担持された状態で移動するため、供給管1aとノズル2とは、例えば、ロータリージョイントによって接続されている。また、図1とは異なり、供給管1aはノズル2とノズル2の2方向に分岐していても良い。
また、図1に示す態様とは異なり、全ノズル群2〜2を2系統に分割して、2種類の紡糸原液をそれぞれの系統に供給することもできる。具体的には、例えば、第1の紡糸原液を最初のノズル2へ供給し、その最初のノズル2を介して、隣接第2ノズル2を飛び越して第3ノズル2へ供給し、更に同様に、隣接第4ノズル2を飛び越して第5ノズル2へと供給する態様で、第1系統のノズル群2〜2n−1へ次々に供給するとともに、第2の紡糸原液を第2ノズル2へ供給し、その第2ノズル2を介して、隣接第3ノズル2を飛び越して第4ノズル2へ供給し、更に同様に、隣接第5ノズル2を飛び越して第6ノズル2へと供給する態様で、第2系統のノズル群2〜2へ供給することができる。こうして、2種類の繊維が均一に分散して混在した繊維集合体を製造することもできる。同様に、全ノズル群2〜2を3系統又はそれ以上の系統に分割して、3種類又はそれ以上の紡糸原液をそれぞれの系統に供給して3種類以上の繊維が均一に分散して混在した繊維集合体を製造することもできる。
紡糸原液貯留部1としては、例えば、シリンジ、ステンレスタンク、プラスチックタンク、或は塩化ビニル樹脂製、ポリエチレン樹脂製などの樹脂製バッグを挙げることができ、供給吐出手段3としては、例えば、シリンジポンプ、チューブポンプ、マグネット式マイクロギアポンプ、マイクロポンプ、ディスペンサ等を使用することができる。また、供給管1aは、ノズル2の周回循環移動に適応することができるように、例えば、柔軟性のあるプラスチックチューブ(特には、耐薬品性の高いフッ素樹脂、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂)から構成されているのが好ましい。
本発明の製造装置においては、図1から明らかなように、紡糸原液吐出部群であるノズル群2〜2が、捕集体5の捕集表面5a上を幅方向に向かって直線的に移動することができ、しかもそれらノズル群2〜2の移動速度を一定とすることができるため、繊維集合体の幅方向における繊維量が均一な繊維集合体を製造することが可能となった。また、個々のノズルの孔径が揃っていなかったとしても、個々のノズルは一定速度で捕集体5の捕集表面5aを直線的に移動し、各々のノズルから吐出されて形成された繊維は繊維集合体全体に分散するため、繊維集合体の幅方向における繊維量のバラツキのない繊維集合体を製造することができる。更に、図1に示すように、支持体6cは、回転軸である第1スプロケット6aと第2スプロケット6bとの間を周回可能なエンドレス軌道を有しており、相互に逆向きの移動方向(m1方向及びm2方向)の2つの直線運動領域6xを含む。支持体6cに担持されたノズル群2〜2がm1方向に移動している場合には、ノズルから吐出される繊維が捕集表面5a上で一方向に揃って配向する(図1に示す捕集表面5a上では、右斜め下方向へ繊維が配向する)。また、支持体6cに担持されたノズル群2〜2がm2方向に移動している場合にも、ノズルから吐出される繊維が捕集表面5a上で別の一方向に揃って配向する(図1に示す捕集表面5a上では、左斜め下方向へ繊維が配向する)。従って、捕集表面5a上で繊維が相互に交差した状態となり、様々な方向における機械的強度が均一な繊維集合体を製造することができるという特徴もある。
具体的には、個々のノズルはチェーン状支持体6cにそれぞれ固定されており、この支持体6cは第1スプロケット6aと第2スプロケット6bとの間に橋渡されており、更に第1スプロケット6aには移動手段6として駆動モーターが取り付けられているため、駆動モーターの作用により、第1スプロケット6aが回転し、支持体6cが第1スプロケット6a及び第2スプロケット6b間を移動することによってノズル群2〜2が、エンドレス軌道に沿って周回(循環的に)移動する。また、別の移動手段として、個々のノズルがベルト状の支持体にそれぞれ固定されており、この支持体は第1プーリーと第2プーリーとの間に橋渡されており、更に第1又は第2プーリーに駆動モーター等の移動手段を取り付けたものを使用することもできる。この移動手段の場合も、駆動モーターの作用により、第1及び第2プーリーが回転し、支持体が第1及び第2プーリー間を移動することによってノズル群が長円状に周回(循環的に)移動する。
なお、図1の製造装置においては、2本以上のノズル群2〜2からなる紡糸原液吐出部群を使用しているため、紡糸原液の吐出量を増やすことができ、生産性良く繊維集合体を製造することができる。なお、ノズル群2〜2のノズルピッチは隣接するノズルからの電界の影響を同じにすることができるように、同じであるのが好ましく、ノズルのピッチは紡糸原液を構成する樹脂、溶媒等によって変化するため、適宜実験を繰り返して、均一に吐出することができるとともに総吐出量の多いピッチを決めることができる。
なお、図1に示す態様とは異なり、1本のノズルを使用して繊維集合体を製造することもできる。また、ノズル群2〜2の移動速度は一定であればよく、特に限定するものではないし、捕集体の捕集表面の移動する方向も一定である限り特に限定するものではない。更に、捕集体の捕集表面の移動速度も、一定であることが好ましい。
本発明における紡糸原液のノズル群2〜2からの吐出方向は、特に限定するものではないが、図2にも示すように、重力の作用方向と同じ方向であるのが好ましい。この場合は、重力の作用方向に吐出された繊維を受容する位置に捕集体の捕集表面を配置する。
ノズル群2〜2の直径は得ようとする繊維の繊維径によって変化するため、特に限定するものではないが、例えば、繊維径を0.7μm以下とする場合には、各ノズル2〜2の直径(内径)を0.1〜2.0mmとするのが好ましい。なお、各ノズル2〜2の直径(内径)は全部同じであってもよいし、一部が同じであってもよいし、全部違っていてもよい。更に、各ノズル2〜2の材質は金属であっても非金属であってもよいし、各ノズル2〜2の材質は全部同じであってもよいし、一部が同じであってもよいし、全部違っていてもよいが、紡糸原液に対して同じ電界を作用させやすいように、全部同じであるのが好ましい。
なお、図1の製造装置においては、紡糸原液吐出部としてノズルを使用しているが、一定速度で捕集体の捕集表面を幅方向に移動しながら紡糸原液を吐出することができる限り、ノズル以外の紡糸原液吐出部を使用することができる。
図1及び図2の繊維集合体製造装置においては、ノズル群2〜2を長円状のエンドレス軌道に配置した紡糸原液吐出部群を1組のみ備えている態様を示したが、紡糸原液吐出部群を2組以上備えていると、繊維集合体の生産性が向上するため好ましい実施態様である。紡糸原液吐出部群を2組以上備えている場合には、図1及び図2の繊維集合体製造装置の紡糸原液吐出部群と同様のものを使用することができ、それぞれの紡糸原液吐出部群を、相互に同一又は異なる一定の移動速度で、捕集体の移動方向と直交する方向に移動させるのが好ましい。なお、紡糸原液吐出部群を2組以上備えている場合、紡糸原液吐出部群毎にノズル径及び/又は紡糸原液の濃度を変えることによって、繊維径の異なる層を有する繊維集合体を製造することができ、紡糸原液吐出部群毎に紡糸原液の種類(樹脂の種類)を変えることによって、樹脂組成の異なる層を有する繊維集合体を製造することができる。更に、紡糸原液吐出部群を2組以上備えている場合、隣接する紡糸原液吐出部群が互いに同じ方向となるように捕集体の捕集表面上を移動させてもよいし、互いに逆方向となるように捕集表面上を移動させてもよい。
また、図1の製造装置においては図示しないが、供給管1a内の一部又は全部に導電性材料を配置した状態で供給吐出工程及び後述の繊維集積工程を実施するのが好ましい。このようにすることによって、吐出した紡糸原液に安定して電界を作用させることができるため、繊維集合体の幅方向における繊維量が均一な繊維集合体を安定して製造することができるためである。つまり、供給管1a内に空気が混在してしまった場合には、紡糸原液を通じた印加が不安定となり、紡糸自体が不安定になる場合があるが、前記のように供給管1a内に導電性材料を配置していることによって、このような問題を回避することができるのである。なお、「導電性材料」とは体積抵抗率が10Ω・m以下の材料をいう。また、導電性材料は供給管1a内に配置されるため、紡糸原液によって侵されない耐薬品性も必要である。そのため、導電性材料として、ステンレスワイヤーを好適に使用することができる。なお、紡糸原液が付着しないように、導電性材料が紡糸原液によって侵されない材料(例えば、ポリエチレン又はフッ素系樹脂等)で被覆されているのが好ましい。この場合には、導電性材料を部分的に露出させ、電圧を印加可能にする必要がある。
前記のようなノズル群2〜2から吐出された紡糸原液は、電源(印加手段4)からの電圧印加とアースされた捕集体5とによる電界の作用を受け、延伸されて繊維化し、捕集体5の捕集表面5aの方向へ向かって飛翔し、この飛翔した繊維は直接、捕集体5の捕集表面5a上に集積し、繊維集合体を形成する(繊維集積工程)。
図1及び図2においては、印加手段4により供給管内の紡糸原液に電圧を印加するとともに、捕集体5をアースすることにより電界を形成しているが、これらの図示の態様とは逆に、紡糸原液をアースするとともに、捕集体5に電圧を印加して電界を形成してもよいし、紡糸原液と捕集体5の両方に電位差を設けるように電圧を印加してもよい。なお、この電界は、繊維径、ノズル群2〜2と捕集体5の捕集表面5aとの距離、紡糸原液の溶媒、紡糸原液の粘度などによって変化するため、特に限定するものではないが、0.2〜5kV/cmであるのが好ましい。電界強度が5kV/cmを超えると、空気の絶縁破壊が生じやすい傾向があり、0.2kV/cm未満であると、紡糸原液の延伸が不十分で繊維形状となりにくい傾向があるためである。
なお、電圧印加手段4である電源は特に限定されるものではないが、例えば、直流高電圧発生装置やヴァン・デ・グラフ起電機を用いることができる。また、印加電圧は前述のような電界強度とすることができれば良く、特に限定するものではないが、5〜50KV程度であるのが好ましい。
また、印加する電圧の極性はプラスとマイナスのいずれであってもよい。繊維の拡がりを抑制し、繊維が均一に分散した繊維集合体を製造しやすいように、適宜、極性を確認するのが好ましい。
なお、図1及び図2に示す態様においては、電圧印加手段4により供給管1a内の紡糸原液に対して印加しているが、ノズル群2〜2に印加してもよい。この場合には、2つ以上の印加手段を用いることもできる。例えば、ノズル数に対応する数の印加手段を使用することができる。
捕集体5は、その捕集表面5aに、紡糸原液吐出部群としてのノズル群から吐出された後に繊維化した繊維(一般に連続繊維)を直接集積させて繊維集合体を形成することができるものであればよく、特に限定されるものではない。例えば、金属製や炭素などの導電性材料又は有機高分子などの非導電性材料からなる、不織布、織物、編物、ネット、ドラム、或いはベルトを、捕集体5として使用することができる。
捕集体5を他方の電極として使用する場合には、捕集体5は体積固有抵抗値が10Ω・cm以下の導電性材料(例えば、金属製)からなるのが好ましい。一方、ノズル群2〜2側から見て、捕集体5よりも後方に対向電極として導電性材料を配置する場合には、捕集体5は必ずしも導電性材料からなる必要はない。後者のように、捕集体5よりも後方に対向電極を配置する場合、捕集体5と対向電極とは接触していてもよいし、離間していてもよい。
図1及び図2の製造装置においては、ノズル群2〜2のエンドレス軌道(循環移動軌跡)よりも外側の部位に、そのエンドレス軌道を取り囲むように、電界発生手段7である長方形状(図1参照)のワイヤーを備えていることができ、このワイヤーは電圧印加手段4である電源に接続されている。そのため、ワイヤーによって、ノズル群2〜2から吐出され、繊維化した繊維に対して電界を作用させることにより、ノズル群2〜2から吐出された繊維の捕集体への集積位置を制御することができるため、繊維集合体の幅方向における繊維量が均一な繊維集合体を安定して製造することができる。なお、図1においては、ワイヤーは紡糸原液に対して印加する電源と同じ電源に接続されているが、別の電源に接続されていてもよい。また、図1に示すように、本発明の製造装置を上方から見た場合には、ノズル群2〜2の周囲を取り囲むようにワイヤーを設ける。また、図2に示すように、本発明の製造装置を横から見た場合には、ノズル群2〜2の吐出部の直下に電界を発生させることのできる位置にワイヤーを設ける。図1及び図2に示す本発明製造装置におけるワイヤーとノズル群2〜2との水平方向配置や高さ方向における距離は、ノズル群2〜2と捕集体5との間の電界強度、ワイヤーの形、紡糸条件(例えば、紡糸原液の種類、吐出量、印加電圧など)等によって変化するため、パイロット実験によって適宜設定することができる。
図1に示す本発明製造装置においては、捕集体5の端部に巻取り装置8を備えているため、繊維集合体を巻き取ることができる。そのため、連続して繊維集合体を製造することができる。
図1及び図2に示す本発明製造装置においては、上述のようなノズル群2〜2、捕集体5、電界発生手段7、及び巻取り装置8は紡糸容器9に収容されており、この紡糸容器9には気体供給装置10及び排気装置11が接続されている。そのため、紡糸容器内の紡糸環境を所望紡糸環境とし、維持することが容易である。例えば、気体供給装置10から所定の相対湿度の気体を供給することによって、紡糸容器9内の紡糸環境を所定の相対湿度とし、維持することができる。このように所定の相対湿度とし、その相対湿度を維持することによって、紡糸原液に与える相対湿度の影響を一定とすることができるため、繊維径の揃った繊維集合体を製造することができる。なお、気体供給装置10としては、例えば、プロペラファン、シロッコファン、エアコンプレッサー、或いは送風機などを挙げることができる。なお、図1及び図2に示す態様とは異なり、気体供給装置10からの気体供給口を紡糸容器9の側壁面ではなく、上壁面に設けることもできる。また、図2に示すように、気体供給口10Aよりも下流側に多孔性材料10a(例えば、金属又は樹脂製のパンチングプレート、織物、不織布など)を設置し、気体供給装置10から紡糸空間への気体供給量を一定とするのが好ましい。
図2の製造装置においては、紡糸容器9内の気体を、排気装置11を用いて排出することができる。静電紡糸を行っていると、紡糸容器9内における溶媒の蒸気濃度が次第に高くなり、溶媒の蒸発が抑制され、繊維径が細くなり、繊維径のバラツキが発生しやすい傾向があり、最悪の場合には、溶媒の蒸気濃度が飽和に達してしまい、静電紡糸を行うことが困難となるが、気体を排出することによって紡糸容器9内における溶媒の蒸気濃度を一定として、繊維径の揃った繊維集合体を製造することができる。なお、排気装置11は特に限定するものではないが、例えば、排気口11Aに設置されたファンであることができる。図2に示すように、気体供給装置10によって紡糸容器9へ気体を供給する場合には、単に排気口11Aを設けるだけで供給量と同量の気体を排出することができるため、排気装置11は必ずしも必要はない。なお、図2のように排気装置11によって排気する場合、排気量は供給量と同じであるのが好ましい。供給量と排気量とが異なると、紡糸容器9内における圧力が変わることによって、溶媒の蒸発速度が変わり、繊維径のバラツキが生じやすいためである。また、図2に示す態様とは異なり、排気装置11への排気口11Aは紡糸容器9の側壁面ではなく、下壁面に設けることもできる。更に、排気口11Aよりも上流側に多孔性材料11a(例えば、金属又は樹脂製のパンチングプレート、織物、不織布など)を設置し、紡糸容器9の上方から下方への均一な気体の流れを形成して、紡糸空間の環境と風量を一定とするのが好ましい。
なお、紡糸原液吐出部周辺に所望相対湿度の気体を供給することができる気体供給手段を設置し、紡糸原液吐出部周辺に所望相対湿度の気体を供給しながら供給吐出工程及び繊維集積工程を実施すると、湿度の影響を排除して繊維径の揃った繊維集合体を製造することができ、また、紡糸原液から揮発した溶媒を速やかに除去し、紡糸原液吐出部周辺が飽和蒸気圧に達することを防ぐことができるため、連続して繊維集合体を製造することができる。紡糸原液吐出部周辺に所望相対湿度の気体を供給することができる気体供給手段を備えた製造装置を、図3に示す。図3は、捕集体の流れ方向に対して直角方向から見た模式的側断面図である。図3に示す本発明の製造装置においては、ノズル群2〜2のエンドレス軌道よりも外側にノズル群2〜2を囲むように仕切り板12を設置して、ノズルの周辺に所望相対湿度の気体を供給することができるようにしている。なお、仕切り板12とノズル群2〜2との水平方向における距離や、仕切り板12とノズル群2〜2との高さ方向における位置関係は、ノズル群2〜2と捕集体5との間の電界強度、紡糸条件(例えば、紡糸原液の種類、吐出量、印加電圧など)等によって変化するため、実験を繰り返して適宜設定する。また、図3に示す製造装置は仕切り板12を設置していること以外は、図1及び図2に示す製造装置と全く同様である。
図3に示す製造装置においては、多孔性材料10aに対して仕切り板12を設置しているが、多孔性材料10aに替えて非多孔性材料を設置し、この非多孔性材料にノズル群2〜2を取り囲むように仕切り板12を設置(仕切り板12の領域のみ非多孔性材料は多孔性又は開口)することもできる。また、多孔性材料10a、非多孔性材料、或は紡糸容器9の上壁面に、ノズル群2〜2を取り囲むように仕切り板を設置するとともに、この仕切り板に直接気体供給装置を接続して、ノズル周辺に所望相対湿度の気体を供給することもできる。この場合には、紡糸容器9全体へ所望相対湿度の気体を供給することができる気体供給装置を併設することもできる。
なお、「紡糸原液吐出部周辺」とは、紡糸原液供給部(図3においては個々のノズル先端)の中心を中心とする直径50mmの円を上壁面とし、その上壁面から紡糸原液吐出方向に向かって高さ50mmの円柱体からなる仮想空間をいう。また、相対湿度は所望繊維径によって変わるため、適宜実験を繰り返して設定することができる。
本発明の製造方法及び製造装置によれば、繊維量分布が全体的に均一で、変動係数が3%以下の繊維集合体を容易に製造することができる。なお、変動係数の測定方法は、後述する実施例に示す。
捕集体の両端に、又は仕切り板として塩化ビニル板、アクリル板などの絶縁板を配置すると、吐出部から吐出された紡糸原液のもつ電荷によって形成される電界によって、絶縁板が紡糸原液と同符号の電位に帯電するため、絶縁板表面における電気的な反発によって紡糸原液の拡がり、つまり繊維の拡がりを抑えることができるため、繊維の集積位置を調節することができ、繊維量の揃った繊維集合体を、容易に製造することができる。
繊維集合体を巻き取る前に繊維集合体を乾燥するのが好ましい。この乾燥によって、巻き取った時に繊維集合体同士の接着を回避することができる。紡糸原液を構成する溶媒の残留によって接着する場合があるためである。
図1及び図2に示す本発明製造装置によって、捕集体5の捕集表面5aに形成される繊維集合体においては、第1スプロケット6aの中心から外側の領域(図1の領域6zに相当)、及び第2スプロケット6bの中心から外側の領域(図1の領域6yに相当)は耳部として除去し、第1スプロケット6aの中心と第2スプロケット6bの中心との間の領域(図1の領域6xに相当)を繊維集合体として使用するのが好ましい。
本発明において、前記エンドレス軌道の長径と短径との比率は、特に限定されるものではないが、長径(L)の短径(S)に対する(L/S)が2より大きいのが好ましく、3以上であることがより好ましい。前記比(L/S)が2以下になると、紡糸原液吐出部群(ノズル群)の直線運動領域の割合が少なくなり、生産性の点で好ましくない。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1及び2》
(1)紡糸原液の調製
重量平均分子量40万のポリアクリロニトリルを、N,N−ジメチルホルムアミドに濃度12mass%となるように溶解させた紡糸原液(粘度:1200mP・s)を用意した。
(2)製造装置の準備
図1及び図2に示すような製造装置を用意した。つまり、14本のノズル群2〜214(それぞれ内径が0.4mmのステンレススチール製針状ノズル)をピッチ60mmで、チェーン状支持体6cにそれぞれ固定し、この支持体6cを第1スプロケット6aと第2スプロケット6bとの間に橋渡し、ノズル群2〜214を長円状(長径:480mm、短径:140mm)に配置した。更に、第1スプロケット6aに駆動モーター(移動手段6)を取り付けた。
次いで、ポリエチレン製フレキシブルバッグ(紡糸原液貯留部1)にマイクロポンプ(マイクロポンプ社製;マイクロポンプFC−513 ポンプヘッド:188 1rpm=0.017mLタイプ;コントローラ部=株式会社中央理化製)(供給吐出手段3)を接続するとともに、パーフルオロアルコキシ樹脂製チューブ(供給管1a)を接続し、このチューブをノズル2にロータリージョイントを介して接続した。次いで、このノズル2を隣接するノズル2と前記と同様のチューブ(供給管1a)で接続し、紡糸原液がノズル2を介してノズル2へ供給することができるようにした。同様に、ノズル2とノズル2、ノズル2とノズル2と順番にチューブ(供給管1a)で接続して、ノズル214まで紡糸原液を供給することができるようにした。なお、供給管1a内には直径が0.1mmのステンレススチールワイヤー(導電性材料)を挿入した。
次いで、導電性シリコーンゴムをコーティングしたスチールベルトからなるベルト状捕集体5(幅:500mm)をアースして、前記ノズル群2〜214の下方に設置した。次いで、前記紡糸原液貯留部に高電圧電源4を接続するとともに、前記ノズル群2〜214の先端が、上方から下方に向かってベルト状捕集体5の方向に向いており、しかもノズル群2〜214のエンドレス軌道の長径方向がベルト状捕集体5の幅方向(移動方向に対する直交方向)と一致するように、ノズル群2〜214を配置した。なお、ノズル群2〜214の先端とベルト状捕集体5の捕集表面5aとの距離は100mmとした。
次に、前記ノズル群2〜214及びベルト状捕集体5を塩化ビニル製直方体紡糸容器9(幅:800mm、高さ:1300mm、奥行き:1800mm)の中央部に配置した。なお、直方体紡糸容器9の内側には、上壁面から500mm下方側の位置に塩化ビニル製パンチングプレート(多孔性材料10a)を上壁面と平行に配置し、下壁面から100mm上方側の位置に塩化ビニル製パンチングプレート(多孔性材料11a)を下壁面と平行に配置した。また、ベルト状捕集体5の移動方向端部に紙管を巻取り装置8として配置した。この紙管はベルト状捕集体5の移動に従動して回転し、繊維集合体を巻き取ることができるものであった。
そして、直方体紡糸容器9の上壁面に温湿度調整機能を備えた送風機(PAU−1400HDR、(株)アピステ、気体供給装置10)を接続するとともに、更に、直方体紡糸容器9の下壁面に排気ファン(排気装置11)を接続した。
(3)繊維集合体の製造
前記紡糸原液を前記紡糸原液貯留部1に入れ、前記マイクロポンプを用いて紡糸原液を、ノズル2を介してノズル群2〜214へ供給し、ノズル群2〜214を125mm/sec.の一定速度で、エンドレス軌道の直線運動領域6xの運動方向m1,m2が、前記捕集表面5aの幅方向(前記捕集表面5aの移動方向Dと直交する方向)と一致するように移動させながら、各ノズルから紡糸原液を吐出(1本あたりの吐出量:2g/時間)し、また、前記ベルト状捕集体5を一定速度〔表面速度:2.4cm/分(実施例1);0.9cm/分(実施例2)〕で移動させながら、前記高電圧電源4から紡糸原液に+15kVの電圧を印加して、吐出した紡糸原液に電界を作用させて繊維化し、前記ベルト状捕集体5上に集積させて、平均繊維径0.42μmの連続繊維からなる繊維集合体を製造した。なお、繊維集合体を製造する際には、気体供給装置10から温度25℃、相対湿度25%の調湿エアを5m/分で供給するとともに、排気口から出てくる気体を排気ファン11で排気した。
《比較例1》
(1)製造装置の準備
直線状ステンレススチール管に、直線状に、ピッチ30mmの同間隔で8本のノズル群(それぞれ内径が0.4mmのステンレススチール製針状ノズル)を配置したノズル担持管4本を用意した。すなわち、一直線上に8本のノズル群211〜218を第1ステンレススチール管に固定し、一直線上に8本のノズル群221〜228を第2ステンレススチール管に固定し、一直線上に8本のノズル群231〜238を第3ステンレススチール管に固定し、一直線上に8本のノズル群241〜248を第4ステンレススチール管に固定した。これらの第1ステンレススチール管から第4ステンレススチール管の各ステンレススチール管は、それぞれの長さ方向が、下方に設置するベルト状捕集体(幅:500mm)の移動方向と直交する方向(幅方向と平行方向)になるように配置した。また、第1ステンレススチール管のノズル群211〜218と第2ステンレススチール管のノズル群221〜228とがベルト状捕集体の幅方向に1/4ピッチずれて千鳥状となり、第2ステンレススチール管のノズル群221〜228と第3ステンレススチール管のノズル群231〜238も同様の方向に1/4ピッチずれて千鳥状となり、第3ステンレス管のノズル群231〜238と第4ステンレススチール管のノズル群241〜248も同様の方向に1/4ピッチずれて千鳥状となるように第1ステンレススチール管から第4ステンレススチール管を設置し、これら第1ステンレススチール管から第4ステンレススチール管が一体的に捕集体5の幅方向に往復移動可能なように電動アクチェエータと接続した。
次いで、図1及び図2に示す装置と同様に、ポリエチレン製フレキシブルバッグ(紡糸原液貯留部1に相当)にマイクロポンプ(マイクロポンプ社製;マイクロポンプFC−513 ポンプヘッド:188 1rpm=0.017mLタイプ;コントローラ部=株式会社中央理化製)(供給吐出手段3に相当)を接続するとともに、第1ステンレススチール管から第4ステンレス管のそれぞれにパーフルオロアルコキシ樹脂製供給管(供給管1aに相当)を接続し、各ノズル群211〜248へ紡糸原液を供給することができるようにした。
次いで、図1及び図2に示す装置と同様に、導電性シリコーンゴムをコーティングしたスチールベルトからなるベルト状捕集体(幅:500mm)(ベルト状捕集体5に相当)をアースして、前記ノズル群211〜248の下方に設置した。次いで、前記ポリエチレン製フレキシブルバッグ(紡糸原液貯留部1に相当)に高電圧電源(高電圧電源4に相当)を接続するとともに、前記ノズル群211〜248の先端が、上方から下方に向かってベルト状捕集体の方向に向いており、しかも各列のノズル群の配置方向がベルト状捕集体の幅方向(移動方向に対する直交方向)と一致するように、ノズル群を配置した。なお、ノズル群211〜248の先端とベルト状捕集体の捕集表面との距離は100mmとした。
次に、前記ノズル群211〜248及びベルト状捕集体を塩化ビニル製直方体紡糸容器(紡糸容器9に相当)(幅:800mm、高さ:1300mm、奥行き:1800mm)の中央部に配置した。なお、直方体紡糸容器の内側には、上壁面から500mm下方側の位置に塩化ビニル製パンチングプレート(多孔性材料10aに相当)を上壁面と平行に配置し、下壁面から100mm上方側の位置に塩化ビニル製パンチングプレート(多孔性材料11aに相当)を下壁面と平行に配置した。また、ベルト状捕集体の移動方向端部に紙管を巻取り装置(巻取り装置8に相当)として配置した。この紙管はベルト状捕集体の移動に従動して回転し、繊維集合体を巻き取ることができるものであった。
そして、直方体紡糸容器の上壁面に温湿度調整機能を備えた送風機(PAU−1400HDR、(株)アピステ、気体供給装置10に相当)を接続するとともに、更に、直方体紡糸容器の下壁面に排気ファン(排気装置11に相当)を接続した。
(2)繊維集合体の製造
実施例1及び2と同じ紡糸原液を前記紡糸原液貯留部に入れ、前記マイクロポンプを用いて紡糸原液をノズル群211〜248へ供給し、ノズル群211〜248を20mm/sec.の速度でベルト状捕集体の幅方向と同じ方向に往復移動(横断幅:40mm)させながら、各ノズルから紡糸原液を吐出(1本あたりの吐出量:1g/時間)し、また、前記ベルト状捕集体を一定速度(表面速度:5cm/分)で移動させながら、前記高電圧電源から紡糸原液に17kVの電圧を印加して、吐出した紡糸原液に電界を作用させて繊維化し、前記ベルト状捕集体上に集積させて、平均繊維径0.43μmの連続繊維からなる繊維集合体を製造した。なお、繊維集合体を製造する際には、気体供給装置(気体供給装置10に相当)から温度25℃、相対湿度25%の調湿エアを5m/分で供給するとともに、排気口から出てくる気体を排気ファン(排気ファン11に相当)で排気した。
この繊維集合体は捕集体の流れ方向に多数の筋の発生した地合いの悪いものであった。これは往復移動時におけるノズル群の一時停止によるものであると考えられた。
《比較例2》
(1)製造装置の準備
一直線上に10本のノズル群2〜210(それぞれ内径が0.4mmのステンレス製針状ノズル)をピッチ30mmでステンレススチール管にそれぞれ固定し、このステンレススチール管を、その長さ方向が、下方に設置するベルト状捕集体(捕集体5に相当)(幅:500mm)の移動方向と平行する方向(幅方向と直交方向)になるように配置した。また、捕集体の幅方向に往復移動可能なように電動アクチェエータと接続した。
次いで、ポリエチレン製フレキシブルバッグ(紡糸原液貯留部1に相当)にマイクロポンプ(マイクロポンプ社製;マイクロポンプFC−513 ポンプヘッド:188 1rpm=0.017mLタイプ;コントローラ部=株式会社中央理化製)(供給吐出手段3に相当)を接続するとともに、ノズル群2〜210を固定したステンレススチール管に更にパーフルオロアルコキシ樹脂製供給管(供給管1aに相当)を接続し、ノズル群2〜210へ紡糸原液を供給することができるようにした。
次いで、図1及び図2に示す装置と同様に、導電性シリコーンゴムをコーティングしたスチールベルトからなるベルト状捕集体(幅:500mm)をアースして、ノズル群2〜210の下方に設置した。次いで、前記ポリエチレン製フレキシブルバッグ(紡糸原液貯留部1に相当)に高電圧電源(高電圧電源4に相当)を接続するとともに、前記ノズル群2〜210の先端が、上方から下方に向かってベルト状捕集体に向いており、しかもノズル群2〜210の配置方向がベルト状捕集体5の移動方向と平行方向に、ノズル群2〜210を配置した。なお、ノズル群2〜210の先端とベルト状捕集体の捕集表面との距離は100mmとした。
次に、前記ノズル群2〜210及びベルト状捕集体を塩化ビニル製直方体紡糸容器(紡糸容器9に相当)(幅:800mm、高さ:1300mm、奥行き:1800mm)の中央部に配置した。なお、直方体紡糸容器の内側には、上壁面から500mm下方側の位置に塩化ビニル製パンチングプレート(多孔性材料10aに相当)を上壁面と平行に配置し、下壁面から100mm上方側の位置に塩化ビニル製パンチングプレート(多孔性材料11aに相当)を下壁面と平行に配置した。また、ベルト状捕集体の移動方向端部に紙管を巻取り装置(巻取り装置8に相当)として配置した。この紙管はベルト状捕集体の移動に従動して回転し、繊維集合体を巻き取ることができるものであった。
そして、直方体紡糸容器の上壁面に温湿度調整機能を備えた送風機(PAU−1400HDR、(株)アピステ、気体供給装置10に相当)を接続するとともに、更に、直方体紡糸容器の下壁面に排気ファン(排気装置11に相当)を接続した。
(2)繊維集合体の製造
実施例1及び2と同じ紡糸原液を前記紡糸原液貯留部に入れ、前記マイクロポンプを用いて紡糸原液をノズル群2〜210へ供給し、ノズル群2〜210を300mm/sec.の速度でベルト状捕集体の幅方向と同じ方向に往復移動(往復幅:330mm)させながら、各ノズルから紡糸原液を吐出(1本あたりの吐出量:2g/時間)し、また、前記ベルト状捕集体を一定速度(表面速度:0.8cm/分)で移動させながら、前記高電圧電源から紡糸原液に15kVの電圧を印加して、吐出した紡糸原液に電界を作用させて繊維化し、前記ベルト状捕集体上に集積させて、平均繊維径0.43μmの連続繊維からなる繊維集合体を製造した。なお、繊維集合体を製造する際には、気体供給装置(気体供給装置10に相当)から温度25℃、相対湿度25%の調湿エアを5m/分で供給するとともに、排気口から出てくる気体を排気ファン(排気ファン11に相当)で排気した。
《繊維集合体の評価》
(1)短冊状試料の調製
実施例1及び2で調製した各繊維集合体については、第1スプロケット6aの中心から外側の領域(図1の領域6zに相当)、及び第2スプロケット6bの中心から外側の領域(図1の領域6yに相当)は耳部として除去し、第1スプロケット6aの中心と第2スプロケット6bの中心との間の領域(図1の領域6xに相当)を実施例1及び2の繊維集合体とした。比較例1で調製した繊維集合体については、両端から40mmの領域を除去し、比較例2で調製した繊維集合体については、両端から40mmの領域を除去し、それぞれ比較例1及び2の繊維集合体とした。
次に、各繊維集合体の各々について、幅方向に複数の短冊状試料を採取した。具体的には、1つの短冊状試料は、捕集体の進行方向に5cmで、捕集体の幅方向に2cmの長方形に切断し、各繊維集合体の一方の側端部からもう一方の側端部に至るまで、複数の短冊状試料を採取した。
(2)変動係数の測定
各短冊状試料の質量(=繊維質量)を測定し、各短冊状試料の1mあたりの質量、つまり目付に換算した。そして、各短冊状試料の目付をもとに各繊維集合体の変動係数(CV値)を算出した。この結果は表1に示す通りであった。
(3)結果
Figure 0004567561
表1の結果から、本発明の製造方法及び製造装置によれば、変動係数が小さく、幅方向における繊維量が均一で、繊維量のバラツキのない繊維集合体を製造することができることがわかった。
本発明は、静電紡糸法による繊維集合体の製造に利用することができる。
本発明による繊維集合体製造装置の模式的平面図である。 図1の製造装置を矢印Aの方向から見た模式的断面図である。 本発明による繊維集合体製造装置の別の態様の模式的断面図である
符号の説明
1:紡糸原液貯留部
1a:供給管
〜2:ノズル群
3:供給吐出手段
4:印加手段
5:捕集体
6:移動手段
6a:第1スプロケット
6b:第2スプロケット
6c:支持体
7:電界発生装置
8:巻取り装置
9:紡糸容器
10:気体供給装置
10a:多孔性材料
11:排気装置
11a:多孔性材料
12:仕切り板。

Claims (10)

  1. 紡糸原液貯留部から供給管を通じて紡糸原液吐出部へ紡糸原液を供給し、紡糸原液吐出部から紡糸原液を吐出させる供給吐出工程と、前記吐出した紡糸原液に電界を作用させて延伸し繊維化した繊維を、捕集体の捕集表面上に直接集積させ、前記捕集表面を一定方向に移動させながら繊維集合体を形成する繊維集積工程とを含む繊維集合体の製造方法において、
    一対の回転軸間を周回可能なエンドレス軌道に沿って運動する支持体に前記紡糸原液吐出部を担持させ、前記エンドレス軌道の直線運動領域の運動方向を前記捕集表面の幅方向と一致させた状態で前記支持体を一定速度で周回させながら、前記紡糸原液吐出部から紡糸原液を吐出することを特徴とする、繊維集合体の製造方法。
  2. 前記支持体が紡糸原液吐出部を2ヶ所以上備えていることを特徴とする、請求項1に記載の繊維集合体の製造方法。
  3. 供給管内の一部又は全部に導電性材料を配置した状態で供給吐出工程及び繊維集積工程を実施することを特徴とする、請求項1又は2に記載の繊維集合体の製造方法。
  4. 紡糸原液吐出部周辺に所望相対湿度の気体を供給しながら供給吐出工程及び繊維集積工程を実施することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の繊維集合体の製造方法。
  5. 前記支持体のエンドレス軌道の外側から電界を作用させながら、供給吐出工程及び繊維集積工程を実施することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の繊維集合体の製造方法。
  6. 紡糸原液を蓄えることのできる紡糸原液貯留部、
    紡糸原液を吐出することのできる紡糸原液吐出部、
    前記紡糸原液貯留部と前記紡糸原液吐出部とを繋ぐ供給管、
    前記紡糸原液貯留部から前記紡糸原液吐出部へ紡糸原液を供給し、前記紡糸原液吐出部から紡糸原液を吐出させることのできる供給吐出手段、
    前記供給吐出手段により吐出する紡糸原液に電界を作用させて延伸し繊維化することのできる電圧印加手段、
    繊維化される繊維を直接集積する捕集表面を有し、前記捕集表面を一定方向に移動させながら繊維集合体を形成することのできる捕集体、
    一対の回転軸間を周回可能なエンドレス軌道に沿って運動可能で、そのエンドレス軌道に沿って前記紡糸原液吐出部を移動可能に担持し、前記エンドレス軌道の直線運動領域の運動方向が、前記捕集表面の幅方向と一致する支持体、及び
    前記支持体をエンドレス軌道に沿って一定速度で周回させることのできる移動手段
    を備えていることを特徴とする、繊維集合体の製造装置。
  7. 前記支持体が紡糸原液吐出部を2ヶ所以上備えていることを特徴とする、請求項6に記載の繊維集合体の製造装置。
  8. 供給管内の一部又は全部に導電性材料を配置していることを特徴とする、請求項6又は7に記載の繊維集合体の製造装置。
  9. 紡糸原液吐出部周辺に所望相対湿度の気体を供給することができる気体供給手段を備えていることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一項に記載の繊維集合体の製造装置。
  10. 前記支持体のエンドレス軌道の外側から電界を作用させることのできる電界発生手段を備えていることを特徴とする、請求項6〜9のいずれか一項に記載の繊維集合体の製造装置。
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