JP5064087B2 - 長尺状静電紡糸不織布及び長尺状静電紡糸不織布の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)長尺状静電紡糸不織布の一端から1mまでの領域から、A4サイズの試験片を2枚、任意に選んだ箇所から採取する。この操作を長尺状静電紡糸不織布の長さ方向1mごとに長尺状静電紡糸不織布の他端まで繰り返し、試験片を採取する。
(2)各試験片の質量(WmA4)を測定し、各試験片の質量を1m2あたりにおける質量、つまり目付(WuA4)に換算する。つまり、次の式により各試験片の目付(WuA4)を算出する。
WuA4=16×WmA4
(3)各試験片の目付の算術平均値(XavA4)を算出する。
(4)各試験片の目付の算術平均値をもとに、標準偏差値(SDA4)を算出する。
(5)各試験片の目付の算術平均値(XavA4)と標準偏差値(SDA4)をもとに、次の式からCVA4値(変動係数)を算出する。
CVA4(%)=(SDA4/XavA4)×100
(1)長尺状静電紡糸不織布からB5サイズの試験片を採取し、標準状態(温度:20℃、相対湿度:65%)に1時間放置する。
(2)前記試験片を長手方向の長さが半分の長さとなるように二つ折りとした後、二つ折りの状態のまま、除電バー(キーエンス製、SJ−R036)で除電する。この除電は、デジタル静電電位測定器(春日電気製、KSD−0103)により静電気量を測定し、二つ折りの試験片の片面から100mm離れた位置における静電気量が0KVとなるように行なう。
(3)前記二つ折りした試験片を元の大きさに広げた後に、静電気量をデジタル静電電位測定器(春日電気製、KSD−0103)により、試験片の開放面(広げることにより露出する面)から100mm離れた位置における静電気量を測定する。
延伸倍率=(本巻取体での巻き取り速度)/(前巻取体からの巻き出し速度)
(1)ポリマー溶液の調製;
重量平均分子量50万のポリアクリロニトリルを、N,N−ジメチルホルムアミド(沸点:153℃)に濃度10.5mass%となるように溶解させたポリマー溶液(粘度:1200mP・s)を用意した。
図1〜図3に示すような製造装置を用意した。つまり、10本のノズル群21〜210(それぞれ内径が0.4mmのステンレススチール製針状ノズル)をピッチ50mmで、チェーン状支持体6cにそれぞれ固定し、この支持体6cを第1スプロケット6aと第2スプロケット6bとの間に橋渡し、ノズル群21〜210を長円状(長径:300mm、短径:100mm)に配置した。更に、第1スプロケット6aに駆動モーター6を取り付けた。
図4に概念断面図を示すような長尺状静電紡糸不織布製造装置を用意した。つまり、前述の金属製前巻取ロール8c上の繊維ウエブを巻き出すために配置した駆動ロールD1(直径:80mm、長さ:450mm)、この駆動ロールD1の下流側に、駆動ロールD1によって巻き出された繊維ウエブに、片面ずつ本熱処理を実施することのできる加熱ロールC1、C2(いずれの直径も300mm、いずれの長さも500mm)、加熱ロールC1、C2の下流側に、加熱ロールC2からの長尺状静電紡糸不織布を搬送する金属製搬送ロール20a(直径:60mm、長さ:650mm)、NBR製ゴム駆動ロールD2(直径:80mm、長さ:540mm)、長尺状静電紡糸不織布の不要端部を切断する耳カットロール21(直径:80mm、長さ:540mm、図示しないロールカッター付属)、耳カットロール21の下流側に、長尺状静電紡糸不織布を搬送する搬送ロール20b、20c、20d(いずれの直径も60mmで、長さが540mm)、搬送ロール20dの下流側に、本巻取ロール23と当接し、本巻取ロールに押圧することにより、皺を生じることなく長尺状静電紡糸不織布を巻き取らせる押圧ロール22(直径:80mm、長さ:450mm)、押圧ロール22と当接し、長尺状静電紡糸不織布を巻き取る本巻取ロール23(直径:87mm、長さ:350mm)、及び本巻取ロール23と接触し、本巻取ロール23を回転させて長尺状静電紡糸不織布を巻き取らせるNBR製ゴム駆動ロールD3(直径:80mm、長さ:450mm)を備えた長尺状静電紡糸不織布製造装置を用意した。
前記ポリマー溶液を前記フレキシブルバッグ1に入れ、前記マイクロポンプを用いてポリマー溶液を、ノズル21を介してノズル群21〜210へ供給し、ノズル群21〜210を100mm/sec.の一定速度で移動させながら、各ノズルからポリマー溶液を吐出(1本あたりの吐出量:3g/時間)し、また、前記ベルト状捕集体5を一定速度(表面速度:27cm/分)で移動させながら、前記高電圧電源4からポリマー溶液に+22kVの電圧を印加して、吐出したポリマー溶液に電界を作用させて繊維化し、前記ベルト状捕集体5上に集積させて、平均繊維径0.3μmの連続繊維からなる繊維ウエブを製造した。なお、繊維ウエブを製造する際には、送風機10から温度25℃、相対湿度25%の調湿エアを5m3/分で供給するとともに、排気口から出てくる気体を排気ファン11で排気した。
加熱ロールC1、C2の温度を200℃にしたこと以外は実施例1と全く同様にして、長尺状静電紡糸不織布(平均繊維径:0.3μm、連続繊維、目付:4.6g/m2、厚さ:0.023mm、幅:260mm、長さ:50m)を製造した。この長尺状静電紡糸不織布のA4−CV値は0.68%の目付バラツキの小さいものであり、また、静電気量は0.1kVの手に纏わり付くことのない、取り扱い性に優れたものであった。また、長手方向と短手方向における引張強さは、それぞれ2.2N/15mm幅、1.5N/15mm幅であり、また、長尺状静電紡糸不織布を構成する繊維の表面は窪みのない、平滑な状態にあった。
加熱ロールC1、C2の温度を180℃にしたこと以外は実施例1と全く同様にして、長尺状静電紡糸不織布(平均繊維径:0.3μm、連続繊維、目付:4.6g/m2、厚さ:0.023mm、幅:260mm、長さ:50m)を製造した。この長尺状静電紡糸不織布のA4−CV値は0.67%の目付バラツキの小さいものであり、また、静電気量は0.3kVの手に纏わり付くことのない、取り扱い性に優れたものであった。また、長手方向と短手方向における引張強さは、それぞれ2.2N/15mm幅、1.5N/15mm幅であり、また、長尺状静電紡糸不織布を構成する繊維の表面は窪みのない、平滑な状態にあった。
前記ベルト状捕集体の速度を(表面速度:62cm/分)としたこと以外は、実施例1と全く同様にして、長尺状静電紡糸不織布(平均繊維径:0.3μm、連続繊維、目付:2g/m2、厚さ:0.008mm、幅:260mm、長さ:50m)を製造した。この長尺状静電紡糸不織布のA4−CV値は0.7%の目付バラツキの小さいものであり、また、静電気量は0.0kVの手に纏わり付くことのない、取り扱い性に優れたものであった。また、長手方向と短手方向における引張強さは、それぞれ0.8N/15mm幅、0.65N/15mm幅であり、また、長尺状静電紡糸不織布を構成する繊維の表面は窪みのない、平滑な状態にあった。
前記ベルト状捕集体の速度を(表面速度:27.6cm/分)としたこと以外は、実施例1と全く同様にして、長尺状静電紡糸不織布(平均繊維径:0.3μm、連続繊維、目付:4.5g/m2、厚さ:0.024mm、幅:260mm、長さ:50m)を製造した。この長尺状静電紡糸不織布のA4−CV値は0.68%の目付バラツキの小さいものであり、また、静電気量は0.0kVの手に纏わり付くことのない、取り扱い性に優れたものであった。また、長手方向と短手方向における引張強さは、それぞれ2.5N/15mm幅、1.7N/15mm幅であり、また、長尺状静電紡糸不織布を構成する繊維の表面は窪みのない、平滑な状態にあった。
加熱ロールC1、C2の温度を160℃にしたこと以外は実施例1と全く同様にして、長尺状静電紡糸不織布(平均繊維径:0.3μm、連続繊維、目付:4.6g/m2、厚さ:0.023mm、幅:260mm、長さ:50m)を製造した。この長尺状静電紡糸不織布のA4−CV値は0.69%の目付バラツキの小さいものであったが、静電気量は0.5kVで、手に纏わり付く、取り扱い性の悪いものであった。
加熱ロールC1、C2の温度を120℃にしたこと以外は実施例1と全く同様にして、長尺状静電紡糸不織布(平均繊維径:0.3μm、連続繊維、目付:4.6g/m2、厚さ:0.023mm、幅:260mm、長さ:50m)を製造した。この長尺状静電紡糸不織布のA4−CV値は0.75%の目付バラツキの小さいものであったが、静電気量は1.8kVで、手に纏わり付く、非常に取り扱い性の悪いものであった。
実施例1と同様にして形成したベルト状捕集体5上の繊維ウエブを、前熱処理を実施することなく、前巻取ロール8cで巻き取った。
1a:チューブ
21〜210:ノズル群
3:マイクロポンプ
4:高電圧電源
5:ベルト状捕集体
6:駆動モーター
6a:第1スプロケット
6b:第2スプロケット
6c:チェーン状支持体
7:遠赤外線セラミックヒーター
8a:第1金属ロール
8b:第2金属ロール
8c:前巻取ロール
9:直方体紡糸容器
10:送風機
10a:パンチングプレート
11:排気ファン
11a:パンチングプレート
D1、D2、D3:駆動ロール
C1、C2:加熱ロール
20a、20b、20c、20d:搬送ロール
21:耳カットロール
22:押圧ロール
23:本巻取ロール
Claims (5)
- 21cm以上の幅があり、少なくとも1mの長さを有する長尺状静電紡糸不織布の一端から1mまでの領域から、A4サイズ(29.7cm×21cm)の試験片を2枚、任意に選んだ箇所から採取し、この操作を長尺状静電紡糸不織布の長さ方向1mごとに長尺状静電紡糸不織布の他端まで繰り返し、採取した各試験片から換算した目付のCV値が1%以下、かつ静電気量が0.3kV以下であることを特徴とする長尺状静電紡糸不織布。
- ポリマー溶液を静電紡糸法により紡糸して繊維を形成する繊維形成工程、
前記繊維を捕集体で捕集して繊維ウエブを形成する繊維ウエブ形成工程、
前記繊維ウエブを支持体で支持した状態で前熱処理を実施する前熱処理工程、
前記前熱処理した繊維ウエブを一旦巻き取ってロール状とする前巻き取り工程、
前記ロール状の繊維ウエブを巻き出し、繊維ウエブの両面を加熱する本熱処理を、ポリマー溶液の溶媒の沸点よりも25℃以上高い温度で実施してポリマー溶液の溶媒を除去し、静電紡糸不織布とする本熱処理工程、
前記静電紡糸不織布を巻き取る本巻取り工程、
を含む、長尺状静電紡糸不織布の製造方法。 - 前熱処理工程を、繊維ウエブをロールに沿わせた状態で実施することを特徴とする、請求項2に記載の長尺状静電紡糸不織布の製造方法。
- 前熱処理を赤外線照射により実施することを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の長尺状静電紡糸不織布の製造方法。
- 本熱処理工程を、繊維ウエブを片面ずつ加熱ロールに接触させて実施することを特徴とする、請求項2〜請求項4のいずれかに記載の長尺状静電紡糸不織布の製造方法。
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