JP4565745B2 - カラゲナン組成物及びそれらの製造のための方法 - Google Patents
カラゲナン組成物及びそれらの製造のための方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4565745B2 JP4565745B2 JP2000562405A JP2000562405A JP4565745B2 JP 4565745 B2 JP4565745 B2 JP 4565745B2 JP 2000562405 A JP2000562405 A JP 2000562405A JP 2000562405 A JP2000562405 A JP 2000562405A JP 4565745 B2 JP4565745 B2 JP 4565745B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carrageenan
- composition
- carrageenan composition
- aqueous gel
- gel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L5/00—Compositions of polysaccharides or of their derivatives not provided for in groups C08L1/00 or C08L3/00
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/30—Macromolecular organic or inorganic compounds, e.g. inorganic polyphosphates
- A61K47/36—Polysaccharides; Derivatives thereof, e.g. gums, starch, alginate, dextrin, hyaluronic acid, chitosan, inulin, agar or pectin
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
- A23L—FOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
- A23L29/00—Foods or foodstuffs containing additives; Preparation or treatment thereof
- A23L29/20—Foods or foodstuffs containing additives; Preparation or treatment thereof containing gelling or thickening agents
- A23L29/206—Foods or foodstuffs containing additives; Preparation or treatment thereof containing gelling or thickening agents of vegetable origin
- A23L29/256—Foods or foodstuffs containing additives; Preparation or treatment thereof containing gelling or thickening agents of vegetable origin from seaweeds, e.g. alginates, agar or carrageenan
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/0012—Galenical forms characterised by the site of application
- A61K9/0014—Skin, i.e. galenical aspects of topical compositions
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Dispersion Chemistry (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Nutrition Science (AREA)
- Dermatology (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Cosmetics (AREA)
- Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Fertilizers (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Biological Depolymerization Polymers (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Dairy Products (AREA)
- Confectionery (AREA)
- Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Description
【発明の分野】
本発明は、カラゲナン組成物、及びカラゲナン組成物を製造するための方法に関する。本発明は、更に、カラゲナン組成物を含有する製品に関する。
【本発明の背景及び関連情報】
種々の用途について、高度の温度感度を有する水性ゲルの必要性が存在する。例えば、食品製品においては、ゴム性のテクスチャー、高度の凝集性を有し、約5〜15℃の低い温度において反跳性(bounciness)を発揮するが、約25〜37℃の温度の消費者の口の中ですぐに溶けるゲルの必要性が存在する場合が多い。同様に、肌への局所適用のための水性ゲル化粧品及び医薬製品のような用途について、低い温度において堅いが人間の体温か又はそれに近い温度において柔らかくなるゲル成分を有することも望ましい。
【0002】
これらのゲル化剤のうち最も普及しているのは、高い平均分子量の水溶性タンパク質の不均一系混合物であるゼラチンである。ゼラチンは天然には存在しないが、コラーゲンから加水分解法を用いて誘導される。ゼラチンは、通常、ウシ又は豚の皮、腱、靭帯、骨等を煮ることによって得られるが、魚の皮からも得ることができる。
そのゲル化の特質において、ゼラチンは他を凌いでいる。それは、そのゲル強さ、ゲル強さの損失、ゴム性(gumminess)の欠如及び“リング(ring)”において最高である。しかし、それは必ず動物から由来するので、それ自身の独特の不利益を受ける。例えば、ゼラチンは、通常、豚の皮から調製されるので、ユダヤ教及びイスラム教を信仰する者には受け入れられない。そのうえ、食品におけるゼラチンの使用の安全性は、ウシの脂肪精製(bovine renderings)から調製される食品の消費とクロイツフェルト−ヤコブ病の発病との可能性のある関連のために、最近、疑われている。結局、道徳上、動物又は動物由来の製品の消費に反対する人達がいる。
【0003】
前述の理由から、植物由来のゲル化剤について市場における要求及び必要性が存在する。種々のそのような薬剤は存在するが、最も知られているもののうちの1つはカラゲナンであり、それは海草中に豊富に見られる。カラゲナン類は多糖類であり、具体的には、α(1→3)−D−ガラクトース単位とβ(1→4)−3,6−アンヒドロ−D−ガラクトース単位との交互コポリマーを含んでなるガラクタン類である。そのカラゲナンファミリーのうち、硫酸エステル及び/又は他の置換基のそれらの量が異なるいくつかのメンバーが知られており、それらには、ιカラゲナン、κカラゲナン及びλカラゲナンが含まれ、それらのうち、ι及びκカラゲナンだけがゲル化特性を有する。
【0004】
カラゲナンの一般式は、NIJENHUIS. K.によりAdvanced Polymer Science 130, 203-218(1997)(以下、NIJENHUIS)に開示されており、その記載内容は、ここで参照することにより、その全てが本明細書中に援用される。STORTZ, C. A. and CEREZO, A. S.は、Carbohydrate Research 145(1986), 219-235(以下、STORTZ and CEREZO 、そして本明細書中に全て示すがこれによって参照により明白に援用される)に、それらの理想化された繰り返し単位によるカラゲナンファミリーの異なるメンバーを記載している。:
【0005】
【表1】
【0006】
カラゲナンのゲル化能はアルカリ処理により影響され、それを通じて、存在するC−6硫酸エステル類の脱エステル化を経て3,6−アンヒドロ結合が形成され、このようにして水溶性の低下の原因となることは一般的に知られている。カラゲナン類の粘弾性(viscoelastic behavior)は、アルカリ処理だけではなく、電解質濃度、カラゲナンタイプ、タンパク質相互作用、カラゲナンの分子量及び濃度、並びに温度によっても影響される。カラゲナン類の特質の一般的な説明は、Thickening and Gelling Agents for Food. Second Edition (Imeson. ed., Chapman & Hall, NY 1997)(以下、IMESON)のChapter 3及びIndustrial Gums: Polysaccharides and Their Derivatives. Third Edition (Whistler and BeMiller. eds., Academic Press, San Diego 1993)(以下、WHISTLER)のChapter 7に示されている。IMESON及びWHISTLERは、ここで参照することにより、その全てが本明細書中に援用される。このように、特定のカラゲナンの粘弾性に従う複素機構(complex mechanisms)は、それらの特性を予測するのを困難にする。そのうえ、粘弾性は、時には個人的な消費者の好みを予測できない場合がある。
【0007】
現在のところ、商業的に入手可能なカラゲナン類においては改善の余地がある。例えば、現在入手可能なカラゲナン類の温度感度はやや不十分である。すなわち、それらカラゲナン類は、15℃〜20℃以下の温度で望ましい弾性テクスチャーを有し得るが、口の中の普通の温度ではゴム性である。理想的には、それらカラゲナン類は、例えば、水菓子におけるゲル化剤として有用であるために粘性又は塑性の特徴を示すべきである。更に、現在の商業的に入手可能なカラゲナン類は、水菓子又は乳菓子のようなある種の用途において望ましい所望の“リング”を示さない比較的硬いゲル構造を形成することを特徴としている。そのうえ、現在入手可能なカラゲナン類は、個人的な消費者の見地からは完全には満足のいくものではない。
【0008】
カラゲナン類の抽出及び修飾のための方法は数多くあり、各々はその仕上がり製品の特質に異なる仕方で寄与する。例には、Ciancia, M.ら Carbohydrate Polymers 32, (1997), 293-295, "Alkaline modification of carrageenans. Part III. Use of mild alkaline media and high ionic strengths,"(以下、CIANCIA)が含まれ、それには、少なくとも12のpH値における炭酸ナトリウムの使用によるカラゲナン類のアルカリ修飾が示されている。CIANCIAは、ここで参照することにより、その全てが本明細書中に援用される。
【0009】
LEGLOAHECへの米国特許第2,624,727号(LEGLOAHEC)は、海草類からカラゲナンを抽出するための方法の初期の例である。LEGLOAHECは、抽出工程において陽イオン交換のために陽イオンを存在させる必要性を強調している。
STANLEYへの米国特許第3,094,517号(STANLEY)は、海草からカラゲナン類を抽出するための方法に向けられている。STANLEYは、その抽出手順におけるアルカリ加水分解の役割の広範な説明を示している。水酸化カルシウムはその抽出手順に好ましいと説明している。
STANICOFFへの米国特許第3,176,003号は、水酸化物塩類を用いて海草からκ及びλカラゲナンを抽出するための方法に向けられている。
【0010】
FOSTERへの米国特許第3,342,612号(FOSTER)は、海洋植物から得られた抽出物とそれらの回収及び処理、並びに、水性ゲルが含まれるそのような抽出物を含んでなる組成物を開示している。特に、FOSTERは、抽出物はEucheuma spinosum及びAgarchiella teneraから得ることができることを開示しており、慣用的な方法と比べて、温度と同様に水酸化カルシウムの量が重要であるということを強調している。最適には、水酸化カルシウムの量は、乾燥海洋植物の重量基準で約7重量%であると開示している。好ましい温度は約90℃〜100℃であると開示している。
【0011】
STRONGへの米国特許第3,907,770号は、海草の混合物を水とアルカリ土類金属の水酸化物又はアルカリ金属の水酸化物とで高温で蒸解することを含む方法を用いて、海草からカラゲナンを抽出するための方法に向けられている。海草含量は、その海草の乾燥重量基準で少なくとも約9重量%に等しいと開示されている。
LARSENへの米国特許第5,502,179号は、乳化剤として及び濃化又はゲル化水性系に有用であると開示されているカラゲナン製品を開示している。その製品は、見かけ上、6−硫酸化ガラクトース単位が3,6−アンヒドロガラクトース単位に転化されたカラゲナン含有原料をせん断応力処理にかけることによって作られる。
海草からのカラゲナンのアルカリ抽出において、海草中に存在するνカラゲナンは、同じく海草中に存在するιカラゲナンに転化される。この転化は、一般的には、ιカラゲナンが望ましい最終生成物である場合に望ましいことが分かっている。この反応はWHISTLERに説明されており、以下の通りに図で示される。:
【0012】
【化1】
【0013】
しかし、現在入手可能なカラゲナン類のいずれも、室温以下の温度における弾性特徴と口及び体の温度における塑性及び/又は粘性特徴との望ましい組合せを提供しない。
【本発明の要旨】
前述のことを考慮して、本発明はカラゲナン組成物に向けられている。
本発明は、更に、望ましい濃度で使用するとき優れた流動性及び望ましい官能特性を示すカラゲナン組成物に向けられている。
本発明は、更に、5〜25℃の温度で著しい温度感度を示すカラゲナン組成物に向けられている。
本発明は、更に、野菜に基づいているゲル化剤に向けられている。
本発明は、更に、カラゲナン組成物を製造する方法に向けられている。
本発明は、更に、優れた流動性及び望ましい官能特質を示すカラゲナン組成物を製造する方法に向けられている。
本発明は、更に、その方法が改善された製造効率を示すカラゲナン組成物を製造する方法に向けられている。
本発明は、いっそう更に、優れた流動性及び望ましい官能特質を示すカラゲナン組成物を含んでなる組成物に向けられている。
本発明は、食品、医薬及びパーソナルケア製品などにおけるカラゲナン組成物の使用に向けられている。
【0014】
本発明のこれら及び他の側面は、13C−NMRを用いて測定したとき約79mol%〜約95mol%のιカラゲナン及び約0.1mol%〜約10mol%のνカラゲナンを含んでなる組成物により達成される。好ましくは、その組成物は、13C−NMRを用いて測定したとき、約82mol%〜約92mol%のιカラゲナンを含んでなり、最も好ましくは、約85mol%〜約89mol%のιカラゲナンを含んでなる。好ましくは、その組成物は、13C−NMRを用いて測定したとき、約3mol%〜約8.5mol%のνカラゲナンを含んでなり、最も好ましくは、約5mol%〜約7mol%のνカラゲナンを含んでなる。好ましくは、その組成物は、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて測定したときポリ(エチレンオキシド)標準と比較して約600kDより高い分子量を示し、より好ましくは、約600kD〜約1,000kDの分子量を示す。
【0015】
かかる組成物は、低−メトキシル化ペクチン(low-methoxyl pectin)、ローカストビーンガム(locust bean gum)、フルセララン(frucellaran)、寒天、ゲランガム(gellan gum)、κカラゲナン、ゼラチン、キサンタンガム、アルギン酸塩及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つのメンバーを含んでなるゲル化剤と組合わせて使用してもよい。好ましくは、そのゲル化剤はκカラゲナンを含んでなる。
【0016】
好ましくは、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて60℃未満、より好ましくは、約45℃から約60℃未満まで、更により好ましくは、約45℃〜約55℃、及び最も好ましくは、約45℃〜約50℃の融点を示す。好ましくは、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて約200Paより大きい、より好ましくは、約200Paより大きくて約400Paまで、より好ましくは、約250Pa〜約350Pa、更により好ましくは、約250Pa〜約325Pa、及び最も好ましくは、約250Pa〜約300Paの弾性率(5℃におけるG’−1Hz)を示す。好ましくは、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて約200Pa未満、より好ましくは、約80Paから約200Pa未満まで、より好ましくは、約80Pa〜約180Pa、更により好ましくは、約80Pa〜約160Pa、及び最も好ましくは、約80Pa〜約120Paの弾性率(25℃におけるG’−1Hz)を示す。好ましくは、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて約20%より大きい、より好ましくは、約20%より大きくて約80%まで、より好ましくは、約35%〜約80%、更により好ましくは、約50%〜約80%、及び最も好ましくは、約55%〜約80%の弾性率の損失(5℃と25℃の間の%ΔG’)を示す。好ましくは、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて約5Paより大きい、より好ましくは、約5Paより大きくて約25Paまで、より好ましくは、約10Pa〜約25Pa、更により好ましくは、約15Pa〜約25Pa、及び最も好ましくは、約20Pa〜約25Paの粘弾性率(viscous modulus)(5℃におけるG”−0.2Hz)を示す。
【0017】
好ましくは、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて約200〜約600g、より好ましくは、約350〜約600g、及び最も好ましくは、約500〜約600gの5℃における破壊強さ(グラムの力)を示す。好ましくは、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて約110〜約160g、より好ましくは、約110〜約145g、及び最も好ましくは、約110〜約130gの25℃における破壊強さを示す。好ましくは、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて約40〜約80%、より好ましくは、約50〜約80%、及び最も好ましくは、約60〜約80%の5℃〜25℃の破壊強さの変化を示す。
【0018】
好ましくは、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて約10〜約25g、より好ましくは、約15〜約25g、及び最も好ましくは、約20〜約25gの5℃における2mmの圧縮距離でのゲル強さ(グラムの力)を示す。好ましくは、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて約7〜約15g、より好ましくは、約7〜約12g、及び最も好ましくは、約7〜約9gの25℃における2mmでのゲル強さを示す。好ましくは、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて約20〜約60%、より好ましくは、約35〜約60%、及び最も好ましくは、約50〜約60%の5℃〜25℃の2mmでのゲル強さの変化を示す。
【0019】
好ましくは、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて約100〜約300g、より好ましくは、約150〜約300g、及び最も好ましくは、約200〜約300gの5℃における15mmの圧縮距離でのゲル強さ(グラムの力)を示す。好ましくは、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて約60〜約90g、より好ましくは、約60〜約80g、及び最も好ましくは、約60〜約70gの25℃における15mmでのゲル強さを示す。好ましくは、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて約20〜約60%、より好ましくは、約35〜約60%、及び最も好ましくは、約50〜約60%の5℃〜25℃の15mmでのゲル強さの変化を示す。
【0020】
好ましくは、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて約20〜約30mm、より好ましくは、約25〜約30mm、及び最も好ましくは、約28〜約30mmの5℃における破壊距離を示す。好ましくは、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて約20〜約26mm、より好ましくは、約20〜約25mm、及び最も好ましくは、約20〜約24mmの25℃における破壊距離を示す。好ましくは、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて約5〜約20%、より好ましくは、約10〜約20%、及び最も好ましくは、約15〜約20%の5℃〜25℃の破壊距離の変化を示す。
【0021】
好ましくは、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて約−1500〜約−4000g・sec、より好ましくは、約−2500〜約−4000g・sec、及び最も好ましくは、約−3500〜約−4000g・secの5℃における負の力−時間領域を示す。好ましくは、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて約−900〜約−1200g・sec、より好ましくは、約−900〜約−1100g・sec、及び最も好ましくは、約−900〜約−1000g・secの25℃における負の領域(negative area)を示す。好ましくは、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて約50〜約80%、より好ましくは、約60〜約80%、及び最も好ましくは、約70〜約80%の5℃〜25℃の負の領域の変化を示す。
【0022】
本発明は、更に、ιカラゲナン及びνカラゲナンを含んでなる組成物の供給により達成され、その際、ιカラゲナンのνカラゲナンに対するモル比は約6:1より大きく;1.2重量%水性ゲルにおいて約20%より大きい弾性率の損失(5℃と25℃の間の%ΔG’)を示し;そして、1.2重量%水性ゲルにおいて約20%より大きい5℃〜25℃の2mmでのゲル強さの変化を示す。好ましくは、ιカラゲナンのνカラゲナンに対するモル比は、約6:1より大きくて約1000:1まで、より好ましくは、約8:1〜約100:1、更により好ましくは、約9:1〜約25:1、及び最も好ましくは、約10:1〜約20:1である。
【0023】
本発明は、更に、13C−NMRを用いて測定したとき約79mol%〜約95mol%のιカラゲナン及び約0.1mol%〜約10mol%のνカラゲナンを含んでなる組成物の供給により達成され、その際、その組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて約200Paより大きい弾性率(5℃におけるG’−1Hz)、約200Pa未満の弾性率(25℃におけるG’−1Hz)、約5Paより大きい粘弾性率(5℃におけるG”−0.2Hz)及び60℃未満の融点を示す。好ましくは、その組成物は、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて測定したときポリ(エチレンオキシド)標準と比較して約600kDより大きい分子量を示す。
【0024】
本発明は、いっそう更に、13C−NMRを用いて測定したとき約79mol%〜約95mol%のιカラゲナン及び約0.1mol%〜約10mol%のνカラゲナンを有するカラゲナン組成物を得るための、時間、温度、pH及びイオン条件下で、カラゲナン含有原料を塩基性一価陽イオン性溶液と接触させることを含んでなるカラゲナン組成物を製造する方法の供給により達成される。好ましくは、その方法は、カラゲナン含有原料を塩基性一価陽イオン性溶液と約65℃〜約135℃の温度で約10分〜約200分間接触させることを含んでなり、その際、13C−NMRを用いて測定したとき約79mol%〜約95mol%のιカラゲナン及び約0.1mol%〜約10mol%のνカラゲナンを有するカラゲナン組成物を得るため、塩基性一価陽イオン性溶液が約8〜約11.5のpH及び約0.05M〜約0.5Mの濃度の炭酸塩又は重炭酸塩を有する。より好ましくは、その方法は、カラゲナン含有原料を塩基性一価陽イオン性溶液と約95℃〜約125℃の温度で約20分〜約120分間接触させることを含んでなり、その際、13C−NMRを用いて測定したとき約79mol%〜約95mol%のιカラゲナン及び約0.1mol%〜約10mol%のνカラゲナンを有するカラゲナン組成物を得るため、塩基性一価陽イオン性溶液が約8.5〜約10.5のpH及び約0.06M〜約0.4Mの濃度の炭酸塩又は重炭酸塩を有する。更により好ましくは、その方法は、カラゲナン含有原料を塩基性一価陽イオン性溶液と約95℃〜約125℃の温度で約30分〜約60分間接触させることを含んでなり、その際、13C−NMRを用いて測定したとき約79mol%〜約95mol%のιカラゲナン及び約0.1mol%〜約10mol%のνカラゲナンを有するカラゲナン組成物を得るため、塩基性一価陽イオン性溶液が約9〜約10のpH及び約0.07M〜約0.3Mの濃度の炭酸塩又は重炭酸塩を有する。最も好ましくは、その方法は、カラゲナン含有原料を塩基性一価陽イオン性溶液と約110℃〜約121℃の温度で約30分〜約60分間接触させることを含んでなり、その際、13C−NMRを用いて測定したとき約79mol%〜約95mol%のιカラゲナン及び約0.1mol%〜約10mol%のνカラゲナンを有するカラゲナン組成物を得るため、塩基性一価陽イオン性溶液が約9〜約10のpH及び約0.07M〜約0.3Mの濃度の炭酸塩又は重炭酸塩を有する。
【0025】
かかる塩基性一価陽イオン性溶液は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸アンモニウム及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つのメンバーを含んでもよい。好ましくは、その溶液は、出発原料の乾燥重量の約5%〜約20%、より好ましくは、約5%〜約15%、及び最も好ましくは、約5%〜約11%である量の炭酸塩又は重炭酸塩の一価の陽イオンを含んでなる。
【0026】
1.2重量%水性ゲルにおいて約200Paより大きい弾性率(5℃におけるG’−1Hz)、約200Pa未満の弾性率(25℃におけるG’−1Hz)、約5Paより大きい粘弾性率(5℃におけるG”−0.2Hz)及び60℃未満の融点を示すカラゲナン組成物を得るための、時間、温度、pH及びイオン条件下で、カラゲナン含有原料を塩基性一価陽イオン性溶液で処理することを含んでなるカラゲナン組成物を製造する方法も提供される。
【0027】
カラゲナン含有原料を、約8〜約11.5のpHを有する溶液で約65℃〜約90℃の温度で約10分〜約200分間処理して、13C−NMRを用いて測定したとき約79mol%〜約95mol%のιカラゲナン及び約0.1mol%〜約10mol%のνカラゲナンを生じさせ;処理した出発原料をその溶液から分離し;その出発原料のpHを調整し;処理した出発原料を洗浄し;そして処理した出発原料を乾燥させること、を含んでなるカラゲナン組成物を製造する方法も提供される。
【0028】
本発明は、更に、前述のカラゲナン組成物のいずれかを含んでなる食品、医薬品、化粧品、家庭用製品及びパーソナルケア製品の供給により達成される。それら食品は、好ましくは、約0.4〜約2.6重量%、及びより好ましくは、約0.6〜1.3重量%のカラゲナン組成物を含んでなる。そのような食品には、水菓子、乳菓子又は加工肉製品が含まれる。医薬品には、経口用、局所用又は獣医用が含まれる。パーソナルケア製品には、練り歯磨き及びスキンケア製品が含まれる。家庭用製品には、空気清浄ゲル又は空気洗浄ゲルが含まれる。
【0029】
【本発明の好ましい態様の具体的な説明】
本発明は、他の特徴の中でも、望ましい物理的特性を示すカラゲナン組成物に向けられている。具体的には、本発明によるカラゲナン組成物を用いて調製されるゲルは、低温で望ましい堅さを示すにもかかわらず高温で望ましい柔らかさを示す。これらの特性により、本発明によるカラゲナン組成物は、食品、化粧品及び他の類似製品のような製品への使用に特に望ましくなる。
【0030】
特に、本発明は、優れた流動性及び/又はテクスチャー特性及び/又は官能特性を示すカラゲナン組成物に向けられている。本明細書中に使用するように、流動学的特性及びテクスチャー特性は、次の諸成分(重量部、その全重量は100部を構成する)を有するゲルに関している:15.00重量部の細目(fine mesh)(30メッシュ)糖(スクロース);0.30重量部のクエン酸三カリウム一水和物;0.15重量部の塩化カルシウム二水和物;0.20重量部のクエン酸無水物;1.2重量部のカラゲナン(ストレート);及び83.15重量部の脱塩水。それら乾燥した構成要素を計量しよく混ぜて、勢いよく掻き回しながら沸騰水を添加して、溶液を形成させる。その溶液を冷やして、ゲルを形成させる。それら特性は、ゲル化の間か又はその後に分析することができる。
【0031】
重要な流動学的パラメータには、1)弾性率,5℃におけるG’−1Hz(ゲル強さ)、2)弾性率,25℃におけるG’−1Hz(ゴム性)、3)弾性率の損失,5℃〜25℃の%ΔG’(軟化(softening))、及び4)粘弾性率,5℃におけるG”−0.2Hz(リング)が含まれる。
弾性率(G’)は、ゲルの固体性を示す。5℃で測定される弾性率は、“ゲル強さ”と呼ぶことができる。本発明によるカラゲナン組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて、約200Paより大きい、より好ましくは、約200より大きくて約400Paまで、より好ましくは、約250〜約350Pa、更により好ましくは、約250〜約325Pa、及び最も好ましくは、約250〜約300Paのゲル強さ弾性率(5℃におけるG’−1Hz)を示す。
【0032】
25℃で測定される弾性率は、“ゴム性”と呼ぶことができる。本発明によるカラゲナン組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて、約200Pa未満、より好ましくは、約80から約200Pa未満まで、より好ましくは、約80〜約180Pa、更により好ましくは、約80〜約160Pa、及び最も好ましくは、約80〜約120Paのゴム性弾性率(25℃におけるG’−1Hz)を示す。
温度の関数として測定されるゲル強さの損失は、そのゲルが加温により融解するのが認められる程度を示すので、口での水を多く含んだ感触又は流動性の尺度である。ゲル強さの損失は、本明細書中において、5℃〜25℃の温度差における弾性率の損失として定義される。
従って、
【0033】
【化2】
【0034】
本発明によるカラゲナン組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて、20%より大きい、より好ましくは、20%より大きくて約80%まで、より好ましくは、約35%〜約80%、更により好ましくは、約50%〜約80%、及び最も好ましくは、約55%〜約80%の弾性率の損失(5℃と25℃の間の%ΔG’)を示す。
粘弾性率(5℃におけるG”−0.2Hz)は、ゲルの液体性を示し、“リング”と呼ぶことができる。本発明によるカラゲナン組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて、約5Paより大きい、より好ましくは、約5Paより大きくて約25Paまで、より好ましくは、約10〜約25Pa、更により好ましくは、約15〜約25Pa、及び最も好ましくは、約20〜約25Paの粘弾性率(5℃におけるG”−0.2Hz)を示す。
【0035】
そのうえ、本発明によるカラゲナン組成物は、融点によって特徴づけることができる。本発明によるカラゲナン組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて、60℃未満、より好ましくは、約45℃から60℃未満まで、更により好ましくは、約45℃〜約55℃、及び最も好ましくは、約45℃〜約50℃の融点を示す。
そのうえ、本発明によるカラゲナン組成物は望ましいテクスチャー特性を示す。特に、本発明によるカラゲナン組成物は、望ましい破壊強さ、ゲル強さ、破壊時間及び負の領域を示し、それらの全ては、例えば、Stable Micro Systems(ゴダルミン、サリー州、イギリス)により製造されたTA-XT2テクスチャーアナライザーのようなテクスチャーアナライザーで測定することができる。
【0036】
破壊強さ(BS)は、そのゲルを1インチ(2.54センチ)径のプローブで破壊点まで圧縮するのに必要とされる力(グラム)である。本発明によるカラゲナン組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて、約200〜約600g、より好ましくは、約350〜約600g、及び最も好ましくは、約500〜約600gの5℃における破壊強さを示す。本発明によるカラゲナン組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて、約110〜約160g、より好ましくは、約110〜約145g、及び最も好ましくは、約110〜約130gの25℃における破壊強さを示す。本発明によるカラゲナン組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて、約40〜約80%、より好ましくは、約50〜約80%、及び最も好ましくは、約60〜約80%の5℃〜25℃の破壊強さの変化を示す。
【0037】
ゲル強さ(GS)は、そのゲルを1インチ径のプローブで2mm及び15mmの深さまで圧縮するのに必要とされる力(グラム)である。本発明によるカラゲナン組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて、約10〜約25g、より好ましくは、約15〜約25g、及び最も好ましくは、約20〜約25gの5℃における2mmでのゲル強さを示す。本発明によるカラゲナン組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて、約7〜約15g、より好ましくは、約7〜約12g、及び最も好ましくは、約7〜約9gの25℃における2mmでのゲル強さを示す。本発明によるカラゲナン組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて、約20%より大きい、好ましくは、約20%より大きくて約60%まで、より好ましくは、約35〜約60%、及び最も好ましくは、約50〜約60%の5℃〜25℃の2mmでのゲル強さの変化を示す。
【0038】
本発明によるカラゲナン組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて、約100〜約300g、より好ましくは、約150〜約300g、及び最も好ましくは、約200〜約300gの5℃における15mmでのゲル強さを示す。本発明によるカラゲナン組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて、約60〜約90g、より好ましくは、約60〜約80g、及び最も好ましくは、約60〜約70gの25℃における15mmでのゲル強さを示す。本発明によるカラゲナン組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて、約20〜約60%、より好ましくは、約35〜約60%、及び最も好ましくは、約50〜約60%の5℃〜25℃の15mmでのゲル強さの変化を示す。
【0039】
破壊距離(BD)は、1インチ径プローブがゲルを破壊するのに移動する距離(mm)である。破壊距離は、1mm/secのプローブ速度で測定する。本発明によるカラゲナン組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて、約20〜約30mmの5℃における破壊距離を示すことができる。本発明によるカラゲナン組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて、約20〜約26mmの25℃における破壊距離を示すことができる。本発明によるカラゲナン組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて、約5〜約20%の5℃〜25℃の破壊距離の変化を示すことができる。
【0040】
負の領域(NA)は、そのプローブをそのサンプルから引き戻すときにの力のプロットを圧縮距離の関数としてプロットした場合のX軸より下の領域である。本発明によるカラゲナン組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて、約−1500〜約−4000g・sec、より好ましくは、約−2500〜約−4000g・sec、及び最も好ましくは、約−3500〜約−4000g・secの5℃における負の領域を示す。本発明によるカラゲナン組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて、約−900〜約−1200g・sec、より好ましくは、約−900〜約−1100g・sec、及び最も好ましくは、約−900〜約−1000g・secの25℃における負の領域を示す。本発明によるカラゲナン組成物は、1.2重量%水性ゲルにおいて、約50〜約80%、より好ましくは、約60〜約80%、及び最も好ましくは、約70〜約80%の5℃〜25℃の負の領域の変化を示す。
【0041】
本明細書中で説明する流動学的、テクスチャー及び官能特性の各々は、本発明によるカラゲナン組成物の全体の望ましい物理的性質の一構成要素にすぎない。好ましくは、本発明によるカラゲナン組成物は、前述の望ましい特性の全てを示す。しかし、本発明によるカラゲナン組成物は、これらの好ましい特性のうちの1つ又はそれより多くを示してもよい。例えば、本発明に従って製造されるカラゲナン組成物は、弾性率(5℃におけるG’−1Hz(ゲル強さ))、弾性率(25℃におけるG’−1Hz(ゴム性))、破壊強さ及びゲル強さを好ましい値で示すことができるが、好ましいよりも高い融点を示してもよい。別の例として、本発明に従って製造されるカラゲナン組成物は、好ましい融点を示すことができるが、弾性及び粘弾性率と負の領域とのいずれか又は全ての好ましい範囲を外れてもよい。換言すれば、本発明に従って製造されたカラゲナン組成物は、それらの物理的特性の点から特徴づけることができるが、それら物理的特性は、本発明に従って製造されるカラゲナン組成物を必ずしも限定するものではない。しかし、最も好ましくは、本発明によるカラゲナン組成物はそれら好ましい物理的特性の全てを示す。
【0042】
前述のように、種々のカラゲナンが同定されており、各々はそれらの理想化された繰り返し単位により特徴づけられ、これらには、β、κ、ι、μ、ν、λ、θ及びξカラゲナンが含まれる。本発明によるカラゲナン組成物は、少なくともν及びιカラゲナンを含んでなる。本発明によるカラゲナン組成物は、約79mol%〜約95mol%、より好ましくは、約82mol%〜約92mol%、及び最も好ましくは、約85mol%〜約89mol%の量のιカラゲナンを含んでなる。本発明によるカラゲナン組成物は、約0.1mol%〜約10mol%、より好ましくは、約3mol%〜約8.5mol%、及び最も好ましくは、約5mol%〜約7mol%の量のνカラゲナンを含んでなる。
【0043】
カラゲナン組成物中のカラゲナン構成素のレベルは、多数の異なるやり方で測定することができる:しかし、カラゲナン成分の測定に最も好ましいのはNMRであり、本発明を規定するカラゲナン組成物について本明細書中に示す値はNMR測定に基づくものである。そのうえ、また、化学分析及びIR測定を使用して、それらカラゲナン構成素のレベルを測定してもよい。これらの手順の詳細は以下の“試験方法”に示され、NMR測定に加えたIR測定はいくつかの実施例に含まれる。
【0044】
また、本発明によるカラゲナン組成物は、分子量を含む他の特性によって特徴づけることができる。分子量は、好ましくは、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)標準を用いたサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いて測定し、本明細書中に示す分子量の値は、PEO標準でのSECを用いて測定されたものである。これらの手順の詳細を以下の“試験方法”に示す。本発明によるカラゲナン組成物のカラゲナン成分の分子量は、好ましくは、約600キロダルトン(kD)を超え、より好ましくは、約600kD〜約1,000kDである。
【0045】
本発明は、また、先に定義されるようなカラゲナン組成物と少なくとも1つの他の成分との組み合わせを含んでなる組成物に関する。例えば、追加の諸成分は、塩類、糖類、着色剤、調味料、キレート化剤を含んでなることができ、又は別のゲル化剤を含んでなってもよい。この種類の組み合わせを使用して、その混合物のゲル化の性質を調整し、それによって最終製品の特性を変化させてもよい。このやり方において、本発明に従った新規なカラゲナン組成物とκカラゲナンのような別のゲル化剤との組み合わせは、具体的な用途に正確に合わせて調整することができる製品をもたらす。追加のゲル化剤は、種々のゲル化剤から選択されてもよく、好ましくは、低−メトキシル化ペクチン、ローカストビーンガム、フルセララン、寒天、ゲランガム、κカラゲナン、ゼラチン、キサンタンガム、アルギン酸塩及びそれらの混合物からなる群から選択されるメンバーを含んでなるが、最も好ましくは、κカラゲナン又はローカストビーンガムである。
【0046】
本発明は、また、ιカラゲナンのνカラゲナンに対する比が約6:1より大きいモル比でιカラゲナン及びνカラゲナンを含んでなる組成物に関する。好ましくは、ιカラゲナンのνカラゲナンに対する比は、約6:1より大きくて約1000:1まで、より好ましくは、約8:1〜約100:1、更により好ましくは、約9:1〜約25:1、及び最も好ましくは、約10:1〜約20:1である。
【0047】
本発明によるカラゲン組成物は、種々の源から得ることができる。好ましくは、本発明によるカラゲナン組成物は、Gigartinales目の海草、好ましくは、Euchema、Agardhiella、Callihlepharis、Gymnogongrus、Uncinanum、Isiforme又はPhyllophora属、最も好ましくは、Eucheuma spinosumとしても知られるEucheuma deuticulaium種から得られる。これらの海草から作られるカラゲナン類は、ほとんどシネレシス(syneresis)を示さず、凍解安定性、凝集性、柔軟性、弾性があり、低濃度において考慮すべき降伏点を示すゲルを形成することを特徴とする。
【0048】
本発明によるカラゲナン組成物の製造方法は、望ましい特徴を示す製品が得られさえすれば、特定的には限定されない。好ましくは、本発明によるカラゲナン組成物の製造方法は、カラゲナン含有基質又は出発原料からの抽出を含んでなる。先に示したように、その出発原料は、好ましくは、海草であり、最も好ましくは、Eucheuma spinosumである。抽出に加えて、本発明による方法は、更に、イオン交換、ろ過、中和又はpH調整、沈殿、乾燥及び/又は粉砕を含むがこれらに限定されない追加の方法を含んでなってもよい。
【0049】
抽出手順に関して、時間、温度、pH及びイオン濃度各々は抽出による生成物に影響を与えることが分かっている。理論によってくくることを望むものではないが、伝統的に適用されるよりも低いpH値、例えば、中性により近いpHでの抽出を行うことにより、カラゲナンの不完全なアルカリ修飾が起こる、すなわち、硫酸エステルを有するガラクトース単位がより少なく3,6−アンヒドロ−ガラクトースに転化する(νカラゲナンのιカラゲナンへの転化)と考えられる。このことは、より少ない連結帯域、従ってそれほど堅くないゲル構造へ導くと考えられる。例えば、約12より高いpHにおいて紅藻を抽出する際は、約98%〜約100%の6−硫酸エステルガラクトース単位が3,6−アンヒドロ−ガラクトースに転化する(化学分析により測定)のに対して、抽出を中性のpHにおいて行う際は、この転化は約76%〜約82%に過ぎない。従って、より高いpHにおいてはより多くのνカラゲナンがιに転化し、中性pHにおいてはその転化は少ない。しかし、炭酸ナトリウムのような弱アルカリをその抽出に使用して、より低いpHをもたらす際は、その転化は、本発明の範囲のιカラゲナン濃度をもたらす。
【0050】
そのうえ、低い温度においては、νのιへの転化はゆっくりと進行し、その転化は、温度が高くなるにつれ確かとなる。転化の速度に影響を及ぼすと考えられている別の因子は、多価陽イオンの存在又は不存在である。従って、時間、温度、pH及びイオンの特徴を含む種々の因子を細かく操作することにより、好ましい比のι及びνカラゲナンを得ることができる。
【0051】
以下の抽出手順は、ν及びι形の望ましい組み合わせを示すカラゲナン組成物を製造するために優れていることが分かっている。本発明に従った抽出は、カラゲナン含有出発原料を弱アルカリのpHの溶液中で加熱することを含んでなる。その抽出のpHは塩基性であり、好ましくは、約8〜約11.5、より好ましくは、約8.5〜約10.5、及び最も好ましくは、約9〜約10である。温度はpHに影響を及ぼし得るので、pHは操作温度で測定すべきである。加熱は、好ましくは、約65℃〜約135℃、より好ましくは、約95℃〜約125℃、及び最も好ましくは、約110℃〜約121℃の温度で行う。その抽出時間は、その温度及びpHに依存して変動するであろうが、好ましくは、約10分〜約200分、より好ましくは、約20分〜約120分、及び最も好ましくは、約30分〜約60分である。
【0052】
弱いアルカリのpHの溶液は、一価の陽イオン性溶液を含んでなる。好ましくは、多価の陽イオンはわずかに痕跡量で存在する。好ましくは、その溶液は、二価の陽イオンのような多価陽イオンを実質的に含まない。従って、好ましくは、多価陽イオンは、約5mg/gカラゲナン含有出発原料未満、より好ましくは、3mg/g未満、更により好ましくは、1mg/g未満、及び最も好ましくは、0.75mg/g未満で存在する。好ましくは、多価陽イオンはその溶液に添加されず、存在する唯一の多価陽イオンは、それら出発原料から存在する痕跡量である。
【0053】
弱いアルカリのpHの溶液は、好ましくは、一価陽イオンの炭酸塩及び/又は重炭酸塩を含んでなる。好ましくは、その炭酸又は重炭酸塩は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム及び/又は炭酸アンモニウムを含んでなる。その炭酸塩又は重炭酸塩の濃度は、好ましくは、約0.05M〜約0.5M、より好ましくは、約0.06M〜約0.4M、及び最も好ましくは、約0.07M〜約0.3Mである。その出発原料、例えば、海草の乾燥重量に関して、その炭酸塩又は重炭酸塩は、好ましくは、その出発原料の乾燥重量の約5%〜約20%、より好ましくは、約5%〜約15%、及び最も好ましくは、約5%〜約11%の量で存在する。
【0054】
抽出に続いて、得られる混合物を、好ましくは、中和する。中和を果たすやり方は、抽出の後に続く混合物のpHに依存して変動するだろう。具体的には、その中和は、水で洗浄することによってか、又は酢酸、クエン酸、塩酸(HCl)、硫酸(H2SO4)、リン酸(H2PO4)、硝酸(HNO3)及び炭酸(H2CO3)を含むがこれらに限定されない有機又は無機のいずれかの酸を含む酸の添加によって行ってもよい。その中和は、CO2をその混合物を通してバブリングすることによって行ってもよい。好ましくは、中和の後に続く混合物のpHは、約7〜約9.5である。
【0055】
中和の後、その抽出したカラゲナンを、溶けていない海草残留物から分離してもよい。これは、種々のやり方で行うことができる。ろ過は、真空ろ過、減圧ろ過又は遠心分離を含むがこれらに限定されない方法によって行うことができる。ろ過を促進するために、製紙用パルプ、珪藻土又は他のろ過助剤を、澄んだ抽出物を得るのに充分な量でその抽出物混合物にろ過の前に添加してもよい。
【0056】
カラゲナンを残った海草から分離した後、そのカラゲナンを乾燥又は沈殿によりその溶媒から単離することができる。これは、有機溶媒の添加を含むがこれに限定されない種々のやり方で行うことができる。好ましくは、その有機溶媒は、アルコール類及び/又はケトン類を含むがこれらに限定されない、水と混和できるものである。この目的のための好ましいアルコール類には、イソプロパノール、エタノール又はメタノールが含まれるが、より好ましくは、イソプロパノールである。次いで、沈殿させたカラゲナンをその溶媒混合物から分離することができる。分離後、そのカラゲナン組成物を乾燥させてもよい。
【0057】
本発明によるカラゲナン組成物のいくつかの最終用途について、多価陽イオン類のレベルを痕跡量よりも少なく減らすことは特に望ましい。数ある中でもこのことのような理由で、時には、そのカラゲナン組成物をイオン交換処理にさらすことが望ましい。この処理は種々のやり方で行うことができるが、好ましくは、そのカラゲナン組成物をイオン交換樹脂にさらすことが含まれる。
【0058】
そのうえ、望ましければ、他の化合物を前述の処理の間に添加してもよい。例えば、時には、カラゲナン含有出発原料からのカラゲナン組成物の抽出の間にはシリコンオイルのような消泡剤が望ましい。そのうえ、望ましければ、例えば、κカラゲナンのような別のゲル化剤を、処理した混合物に乾燥の前に添加してもよい。それら変法は非常に多く、本発明はそれによって限定されない。
【0059】
前述の方法における変法が時には望ましい。例えば、いくつかの最終用途の適用については、本発明に従って製造されるようなカラゲナン組成物を不溶性の海草画分から分離する必要がない。このことは多くのやり方で達成することができる。一つの変法においては、前述の方法は、カラゲナン組成物を不溶性の海草画分から分離することなく行うことができる。簡単には、抽出を先に説明したように行う。すなわち、カラゲナン組成物を抽出するのに充分な弱いアルカリのpH及び温度の溶液中でその出発原料を加熱することにより抽出を行う。抽出の後に続いて、得られる混合物を先に説明したようなやり方で中和することができる。好ましくは、中和の後に続く混合物のpHは約7〜約9.5である。
中和の後、抽出したカラゲナン及び海草残留物の混合物を、乾燥によってか又は沈殿によってその溶媒から単離してもよい。沈殿は先に説明したように行うことができる。次いで、沈殿させたカラゲナン及び海草混合物をその溶媒混合物から分離してもよい。分離後、そのカラゲナン及び海草混合物を乾燥させてもよい。
【0060】
別の変法においては、その海草(カラゲナン含有出発原料)を、内部のカラゲナンを修飾する、すなわち、νカラゲナンをιカラゲナンに十分な比で転化するが、その海草からのカラゲナンの除去をもたらさないのに充分な条件にさらす。
そのような方法について、その修飾の間の温度を、カラゲナンがその不溶性海草画分から除去されない温度以下に維持することが好ましい。典型的には、この変法のための温度は、約65℃〜約90℃、より好ましくは、約65℃〜約80℃、及び最も好ましくは、約65℃〜約75℃である。次いで、そのアルカリ溶液をその海草から分離する。アルカリ処理した海草のpHを、適当な酸を用いてか又は水での洗浄を通じて調整してもよい。次いで、その海草を洗浄し乾燥させてもよい。分離したアルカリ溶液は、再利用して次に続く海草のアルカリ処理に用いることができる。この方法は、簡単で、効率がよく、コスト効果があり、廃棄物を減少させて、環境への影響を小さくすることから、工業的重要性を有している。
【0061】
本発明によるカラゲナン組成物は、人間及び動物のための食品、医薬品、獣医薬品、化粧品、パーソナルケア製品及び家庭用製品を含む種々の製品に使用することができる。
本発明に従って製造される食品は、本発明に従った水溶性カラゲナン組成物を、好ましくは、最終製品の約0.4〜約2.5重量%の量、より好ましくは、約0.6〜1.3重量%の量でゲル化剤として含んでなる水菓子であってもよい。従って、水菓子において0.4〜2.5重量%の本発明に従った水溶性生成物の量はゼラチンのコスト効果のある代替物であるが、室温及びそれ以下の温度における温度感度、ゴム性及びリングと口での水を多く含んだ感触とに関するゼラチンに基づく水菓子の望ましい性質を提供する。
【0062】
本発明は、また、先に定義するような生成物の乳菓子又は加工肉製品への使用に関する。そのうえ、本発明は、オーラルケア製品のようなパーソナルケア製品、例えば、練り歯磨き又はスキンケア製品におけるその生成物の使用に関する。加えて、本発明は、医薬品、例えば、局所用薬、外用水薬及び液体ゲル懸濁液、及び家庭用の用途、例えば、空気清浄ゲル、空気洗浄ゲルなどへのそれら生成物の使用に関する。
【0063】
【実施例】
先に一般的に説明した本発明を、以下の実施例を用いて現時点で更に説明する。これらの実施例は、本発明のいくつかの態様の実例であることを意図しており、本発明をいかなるようにも限定することを意図するものではない。当業者に明らかである、そして先に説明したようなどちらの他の態様も、特許請求の範囲によってのみ限定される本発明に含まれる。別の方法で示さない限り、部及びパーセントなどは重量基準である。
【0064】
試験方法
以下の実施例において、カラゲナン組成物を本発明に従って調製する。これらのカラゲナン組成物を、比較のカラゲナン組成物と比較する。本発明及び比較のカラゲナン組成物に関して種々の試験を行う。そのうえ、本発明によるカラゲナン組成物、比較のカラゲナン組成物及びゼラチンを水菓子において比較する。それら菓子のゲルに関して種々の試験を同様に行う。それらカラゲナン組成物及び菓子のゲルを試験するための試験方法の詳細を以下に示す。
【0065】
カラゲナン組成物の13C−NMR
カラゲナン組成物の250mgサンプルを10mlのd2−H2O(ジューテロ化した)中に溶解して、8時間回転混合機で混合した。次いで、そのサンプルpHを測定し、必要であれば8の最終pHに調整した。超音波分解を35℃を超えない温度で合計16分間行った。
次いで、そのサンプルを、d2−H2O中で凍結乾燥し再融解して、5重量%溶液を作った。次いで、AMX−400か又はAMX−500FT NMR分光計のいずれかで以下の条件を用いて13C−NMRスペクトルを得た:掃引幅−235ppm;プローブ温度−80℃;緩和待時間−5秒;獲得モード−nOe(核オーバーハウザー増強(nuclear Overhouser enhancement))を用いた1パルス;スキャンの数−12,000〜16,000。
【0066】
カラゲナン組成物の化学分析
化学分析は、ガラクトース及び3,6−アンヒドロ−ガラクトース残基がカラゲナンの酸処理によりガラクチトール及び3,6−アンヒドロ−ガラクチトールに転化する原理に基づいている。この処理には、2つの還元的加水分解工程が含まれる。
まず、弱酸加水分解を、4−メチル−モルホリン−ボラン複合体(MMB)及びトリフルオロ酢酸(TFA)の存在下で行った。この弱い加水分解の間に、MMBの存在のため、その3,6−アンヒドロ架橋をそのままにしておくことによりグリコシド結合が開裂された。続いて、そのカラゲナン中のガラクトース単位がガラクチトール残基に転化され、一方、その3,6−アンヒドロ−ガラクトースが3,6−アンヒドロ−ガラクチトール残基に転化された。完全な還元的加水分解を達成するために、TFAでの第2の加水分解を行う。それら糖アルコールを、パルス化電流測定検出(Pulsed Amperometric Detection)(PAD)を備えたDionex高性能陰イオン交換クロマトグラフを用いてHPLCにより定量的に分析した。
【0067】
カラゲナン組成物のIR分析
約5mgの粉末にしたカラゲナンサンプルを12mlの蒸留水に溶解した。その溶液を一晩放置して、完全に溶解させた。次いで、その溶液を数滴(9〜15)、45°ZnSe水平全反射吸収(ATR)水晶の上にのせた。
次いで、その水晶を赤外線灯の下に置き、そのATR水晶の頂部にカラゲナンの薄膜を形成する乾燥度まで、その液体を蒸発させた。次いで、そのサンプル及び水晶をNicolet MAGNA 550 FT-IRに入れ、4cm-1分解能の100スキャンを用いて分析した。
【0068】
分子量測定
カラゲナン組成物の分子量分布の分析を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した。
SECカラムの分子量較正を、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)の狭い分子量標準を用いて得た。このように、得られる分子量の平均値はPEOと関連しており、絶対値ではない。
サイズ排除クロマトグラフィーを以下の手順に従って行った。そのカラムセットは、Supelco,Bellefont,PAから入手可能な直列の4つのTosoHaas TSK-Gel カラム(3つのGMPWXL混合床カラム(部品番号08025)及び1つのG3000PWXL低孔サイズカラム(部品番号08021))から成るものであった。相対的な分子量較正は、American Polymer Standards Corporation,メンター,オハイオ州から入手可能な狭い分子量分布のポリ(エチレンオキシド)標準の標準セットのピーク溶出時間から計算した。
【0069】
その較正セットは、106〜1,702,000のピーク分子量にわたる22の標準を包含した。狭い分子量標準のピーク分子量は、(Mw/Mn)の平方根に等しい(ASTM試験法D3536−76)。その較正曲線は、logMw対Ve/Vrのプロットの3次多項式の曲線の当て嵌めにより規定される(Veはその標準の溶出体積であり、Vrはその参照ピーク、テトラヒドロフラン(THF)の溶出体積である)。
【0070】
それらカラム及び検出器セル(Hewlett-Packard示差屈折率検出器)を40℃に維持した。使用した溶媒(移動相)は、0.10M氷酢酸を伴う0.10M酢酸リチウム(Aldrich Chemical Company,ミルウォーキー,ウィスコンシン州)であった。その移動相の最終pHは4.8である。その移動相の貯蔵槽は、ヘリウムでパージする。その分析の流速は毎分1ミリメートルである。サンプルを移動相に0.20重量/体積%で溶解し、クロマトグラフへの注入(200マイクロリットル)前に0.45ミクロン孔サイズのPVDFメンブレンフィルター(Millipore Corporation,Bedford,MA)を通してろ過した。
報告される分子量は、その較正曲線から計算されるPEO当量分子量である。データ取得及び分析は、Millennium 2020 クロマトグラフィーデータシステムGPCパッケージ(Waters Corporation,Milford,MA)を用いて行う。
【0071】
動力学的特徴
カラゲナン含有調製品の動力学的特徴は、Bohlin Rheologi AB,SEから入手可能なBohlin Vorレオメーターを用いて行った。測定システムはC−25;コントロールボックスに関する振幅90%;ねじり棒:10〜20g cmであった。以下の測定を行った:1)85℃〜5℃の温度掃引(ゲル化);周波数:1Hz;2)5℃〜最終温度5℃又は25℃における硬化速度(setting rate);周波数:1Hz;3)5℃又は25℃における周波数掃引;周波数:0.01〜20Hz;4)5℃又は25℃におけるひずみ(strain)掃引;周波数:1Hz;及び5)5℃又は25℃〜85℃の温度掃引(融点);周波数:1Hz。
【0072】
弾性率(G’−1Hz,5℃)は次のように測定する:5℃における周波数掃引から、1Hzにおいてそのひずみの示数を計る。次いで、そのひずみ掃引を5℃で計り、このひずみにおいてその弾性率(G’)の示数を得る。
弾性率(G’−1Hz,25℃)は次のように測定する:25℃における周波数掃引から、1Hzにおいてそのひずみの示数を計る。次いで、そのひずみ掃引を5℃で計り、このひずみにおいてその弾性率(G’)の示数を得る。
粘弾性率(G”−0.2Hz,5℃)は次のように測定する:5℃における周波数掃引から、0.2Hzにおいてその粘弾性率(G”)の示数を得る。
融点は、G’=1において温度掃引曲線から測定する。
【0073】
テクスチャーの特徴
テクスチャーの分析について、かかるゲル化剤は1.2重量%で存在させた。それらゲルを、Stable Micro Systemsにより製造されたTA-XT2テクスチャーアナライザーで試験した。この装置は、破壊強さ、ゲル強さ、破壊距離及び負の領域の測定のために使用した。破壊強さ(BS)は、ゲルを1インチ径のプローブで破壊点まで圧縮するのに必要とされる力(グラム)である。ゲル強さ(GS)は、ゲルを1インチ径のプローブで2mm、8mm及び15mmの予め決められた深さまで圧縮するのに必要とされる力(グラム)である。破壊距離(BD)は、そのプローブがゲルを破壊するのに移動する距離(mm)である。これらの実験において、そのプローブ速度は1mm/secである。負の領域(NA)は、そのプローブをサンプルから引き戻すときに力のプロットを圧縮時間の関数としてプロットした場合のX軸より下の領域(g・sec)である。
【0074】
実施例1 EUCHEUMA SPINOSUMからのιカラゲナンの炭酸ナトリウム抽出
1000gの乾燥したEucheuma spinosum海草(70%乾物)を計り分け、アートクレーブ中の90gの炭酸ナトリウムと7リットルの水との混合物(1リットル当たり0.12molNa2CO3に相当する)に添加した。次いで、その混合物を115℃で3時間かきまわしながら加熱した。
そのオートクレーブ中の圧力を下げて、その混合物を約95℃まで冷やし、その後、その混合物を3容量の水で希釈して、ろ過を容易にした。その混合物を追加の3時間95℃にしておき、次いで、その混合物を二酸化炭素で約9〜9.5のpHに中和した。
【0075】
そのカラゲナン抽出物を、Celite(アイスランド)により製造されたCelite(登録商標)545フィルター助剤でのろ過によりその海草残留物から分離した。そのカラゲナンを、3容量の80%イソプロピルアルコールで沈殿させ、その沈殿物を加熱チャンバー中で一晩乾燥させた。
その収率は12.7g/lであり、100%海草乾物の49.9%に相当した。
【0076】
比較例1 EUCHEUMA SPINOSUMからのカラゲナンの水酸化カルシウム抽出
7リットルの水当たり90グラムの炭酸ナトリウムを7リットルの水中50グラムの水酸化カルシウムで置き換えて、上述の実施例1と同じ手順を用い、得られた収率は1リットル当たり10.9グラムであり、100%海草乾物の42.2%に相当した。従って、慣用的に使用される水酸化カルシウムの代わりの炭酸ナトリウムの使用は、驚くべきことに、その収率を18%より多く増加させる。
【0077】
実施例2〜63 EUCHEUMA SPINOSUMからのカラゲナンの抽出の追加の実施例
追加の本発明及び比較の実施例を表I〜Vに示す。表I〜IIIに示す実施例は、“サンプル処理”と標示された列に示す違いを除いて、本質的には、実施例1に説明したように行った。
以下の語を表I〜IIIに示す:保持−抽出物質を保持しておくオートクレーブから圧力を取り除いてから更なる調製の前までの時間(例えば、抽出と中和との間の時間);濃縮−標準的手順(1:50)に比べて高い海草対水の比(1:7);UF濃度−抽出物の限外ろ過濃度;粉砕(−又は+)−湿った抽出物質の機械的分解をしたか又はしないか;完全修飾−νのι形への(又はChondrus及びGigartinaについてのμからκへの)完全転化;十分なカルシウム−水酸化カルシウムを用いたνのι形への完全転化;低修飾−νのι形への(及びμからκへの)不完全転化;ソーダ−炭酸ナトリウム,Na2CO3;石灰( lime )−水酸化カルシウム,Ca(OH)2;カリ( potash )−炭酸カリウム,K2CO3;中性HCl−塩酸での中和;IE−Na2CO3を用いたナトリウムでのカルシウムイオン交換;SUPER IE−Amberlite ABH-252イオン交換樹脂での処理を加えたIEを用いたイオン交換;“望ましい特性”は、それら諸特性の全てを一緒に考慮して主観的に判断し、++、+及び−は、それぞれ、高度に望ましい、望ましい及び望ましくない官能特性を示している。
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】
【表6】
【0083】
【表7】
【0084】
【表8】
【0085】
【表9】
【0086】
【表10】
【0087】
【表11】
【0088】
【表12】
【0089】
【表13】
【0090】
実施例64 水菓子ゲルモデルにおけるカラゲナン組成物の使用
実施例1及び比較例1において製造されたカラゲナンを、以下に説明するような水菓子モデルにおいて評価した。
【0091】
【表14】
【0092】
乾燥成分を計量しよく混ぜて、勢いよく掻き回しながら沸騰水を添加して、溶液を形成した。この時点において、その溶液を、流動学的及びテクスチャー分析のために2つの部分に分けた。
その菓子調製品の流動学的特徴は、Bohlin計量カップC-25を用いるBohlin Rheologi AB,SEから入手可能なレオメーターBohlin VORによって5℃及び25において測定した。第1の部分をそのカップに高温で(最低80℃)移して、制御されたやり方でゲル化させた。ゲル化の間に、温度掃引(ゲル化)、硬化速度測定、周波数掃引(図2)、ひずみ掃引(図1A〜1F)及び温度掃引(融解)を測定した。そのひずみ掃引(図1A〜1F)において、G’/inはG’対ひずみ曲線の直線部分から読み、G’/inは、その曲線の直線部分でのPaの値である。測定は、試験方法において先に説明したように行った。表IVは、得られた流動学的値を示す。
【0093】
【表15】
【0094】
次の表Vは、実施例56〜63を含む一定の実施例の流動学的特徴を示す。それら実施例は実施例64のように調製し、そのゲル化剤は、各々の実施例において1.2重量%で存在させた。すなわち、次の諸成分(100当たりの重量部)を有する溶液を各々の実施例について調製した:細目糖−15.00;クエン酸三カリウム一水和物−0.30;塩化カルシウム二水和物−0.15;クエン酸無水物−0.20;ゲル化剤(本発明によるカラゲナン組成物又は比較のカラゲナン組成物)−1.20;及び脱塩水−83.15。それら乾燥成分を計量しよく混ぜて、勢いよく掻き回しながら沸騰水を添加して、溶液を形成させた。その溶液を、そのBohlin VORレオメーターのカップに高温で移して、先に説明したように試験した。
【0095】
【表16】
【0096】
【表17】
【0097】
【表18】
【0098】
【表19】
【0099】
実施例64からのそれらサンプルの第2の部分を結晶皿に注ぎ込み、以下に概説するテクスチャー特性の測定のため冷やしてゲル化させた。テクスチャーの分析について、そのゲル化剤は1.2重量%で存在させた。それらゲルを、Stable Micro Systemsにより製造されたTA-XT2テクスチャーアナライザーで試験した。この装置は、破壊強さ、ゲル強さ、破壊距離及び負の領域の測定のために使用した。破壊強さ(BS)は、ゲルを1インチ径のプローブで破壊点まで圧縮するのに必要とされる力(グラム)である。ゲル強さ(GS)は、ゲルを1インチ径のプローブで2mm、8mm及び15mmの予め決められた深さまで圧縮するのに必要とされる力(グラム)である。破壊距離(BD)は、そのプローブがゲルを破壊するのに移動する距離(mm)である。これらの実験において、そのプローブ速度は1mm/secである。負の領域(NA)は、そのプローブをサンプルから引き戻すときに圧縮時間の関数としての力のプロットをプロットした場合のX軸より下の領域(g・sec)である(表VI〜VIIIを参照のこと)。
【0100】
【表20】
【0101】
また、現在の本発明による菓子ゲルを、訓練された官能調査員団(trained sensory panel)により官能評価を行った。その官能特性分析は、11人のメンバーの訓練された調査員団を利用して行った。その調査員団のメンバーを、具体的には、水菓子及びゲルに一貫した、1)接着性、2)反跳性、3)硬さ、4)切断性、5)最初の噛み合せ(first bite)、6)脆性、7)凝集性、8)風味の発散(flavor release)、9)ゴム性、及び、10)多汁性を含むテクスチャーの要素について訓練した。その訓練の間に、共通の術語、すなわちゲル属性の特徴づけ及びそれら官能属性についての9点(1〜9)の基準目盛が開発された。それら評価の間に、各サンプルを標準的な平衡ブロック配列(balanced block design)に従って示した。各調査員団メンバーは、同一のサンプルを2つの異なる時に評価した。全てのサンプルを同時に1回で示したので、サンプルの直接比較は不可能であった。最終的な官能評点を統計的に分析し、それらテクスチャーの要素の各々について各サンプルの全体の完全な平均値を出した。
【0102】
図3及び図4は、実施例1、比較例1及びゼラチン、並びに説明したカラゲナン組成物に一致する他の実施例に一貫する水ゲルの訓練された官能調査員団試験の結果を示している。図3は、ゼラチン及びGENUGEL(登録商標)WP−81の比較を示している。
図4は、実施例64に従って製造された菓子ゲルの比較を示している。ゼラチンについて、使用した量は2重量部である。試験Aについて、かかるゲル化剤は1.2重量部であり、実施例1に従って製造された93%のカラゲナン及び7%のκカラゲナンを含んでなる。
【0103】
試験Bについて、かかるゲル化剤は0.462重量部であり、53.7%の実施例1のカラゲナン組成物、27.6%のκカラゲナン及び18.6%のローカストビーンガムを含んでなる。試験Bにおいて、細目(30メッシュ)糖は15.738重量部であり、脱塩水は83.15重量部である。
試験Cについて、かかるゲル化剤は1.2重量部であり、そのゲル化剤は100%の実施例1のカラゲナン組成物を含んでなる。
上述の結果から、本発明は、実施例1に体系化するように、比較例1に体系化されるような他のカラゲナン類より能力が優れていることは明らかである。
【0104】
また、5℃並びに25℃におけるNAについてのデータは、本発明に従ったカラゲナン組成物は高い度合いの接着性を示すということ、及び他のカラゲナンは、特に5℃において、実質的に低い接着性を示すということを示している。破壊強さに関して、本発明に従ったカラゲナン組成物は、他のカラゲナン類よりもゼラチンにかなり近い破壊強さをもたらし、5℃〜25℃の破壊強さの変化を比較すると、本発明に従ったカラゲナン組成物は、他のカラゲナン類よりも実質的に高い度合いの温度感度を示すということが分かる。
【0105】
総じて、これらの実施例は、本発明により、そのゲル特性が、他のカラゲナン類のゲル特性よりもゼラチンのものにかなり近いカラゲナン組成物がもたらされることを示している。
前述の実施例は、それら前述の実施例において使用したものの代わりに、一般的及び具体的に説明した本発明による成分及び/又は操作条件を用いることにより、同様の結果を繰り返すことができる。前述の説明から、当業者は、容易に本発明の本質的な特徴を確かめることができ、その精神及び範囲を逸脱することなく、本発明の種々の変更及び修正をして、本発明を種々の使用及び条件に適合させることができる。
【図面の簡単な説明】
本発明の前述の特徴及び他の特徴は、添付する図面に説明するように、以下の好ましい態様のより特定的な説明から明らかであろう。それら図において、参照符号は、種々の図を通じて同一又は同様の成分をいうものである。
【図1】 A及びBは、それぞれ、5℃及び25℃における比較のカラゲナン組成物からのひずみ掃引の図である。C及びDは、それぞれ、5℃及び25℃における本発明に従ったカラゲナンからのひずみ掃引の図である。E及びFは、それぞれ、5℃及び25℃におけるゼラチン組成物からのひずみ掃引の図である。
【図2】 本発明によるカラゲナン並びに比較のカラゲナン及びゼラチンの振動数掃引の図である。
【図3】 水菓子に使用されたゼラチン及び商業的に入手可能なカラゲナン組成物(GENUGEL(登録商標)カラゲナンタイプWP−81(Hercules Incorporated製))の比較の図である。
【図4】 水菓子に使用されたゼラチン及び現在の本発明によるカラゲナン組成物の比較の図である。
Claims (48)
1.2重量%水性ゲルにおいて約20%より大きい弾性率の損失(5℃と25℃の間の%ΔG')を示し;そして、
1.2重量%水性ゲルにおいて約20%より大きいゲル強さの変化(2mm、5℃〜25℃)を示す組成物。
Eucheuma spinosum からのカラゲナン含有原料を塩基性一価陽イオン性溶液と、約110℃〜約121℃の温度で約30分〜約60分間接触させて、請求項1に記載のカラゲナン組成物を得ることを含み、その際、該塩基性一価陽イオン性溶液が約9〜約10のpH及び約0.07M〜約0.3Mの濃度の炭酸塩又は重炭酸塩を有する方法。
1.2重量%水性ゲルにおいて約20%より大きい弾性率の損失(5℃と25℃の間の%ΔG')を示し;そして、
1.2重量%水性ゲルにおいて約20%より大きいゲル強さの変化(2mm、5℃〜25℃)を示す組成物。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US09/124,970 US6063915A (en) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | Carrageenan compositions and methods for their production |
US09/124,970 | 1998-07-30 | ||
PCT/US1998/017337 WO2000006609A1 (en) | 1998-07-30 | 1998-08-27 | Carrageenan compositions, and processes for their production |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002521054A JP2002521054A (ja) | 2002-07-16 |
JP2002521054A5 JP2002521054A5 (ja) | 2010-06-17 |
JP4565745B2 true JP4565745B2 (ja) | 2010-10-20 |
Family
ID=22417653
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000562405A Expired - Fee Related JP4565745B2 (ja) | 1998-07-30 | 1998-08-27 | カラゲナン組成物及びそれらの製造のための方法 |
Country Status (17)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6063915A (ja) |
EP (1) | EP1115748B1 (ja) |
JP (1) | JP4565745B2 (ja) |
KR (1) | KR100540103B1 (ja) |
CN (1) | CN1131271C (ja) |
AT (1) | ATE280184T1 (ja) |
AU (1) | AU760455B2 (ja) |
BR (1) | BR9815997B1 (ja) |
CA (1) | CA2338629C (ja) |
DE (1) | DE69827168T2 (ja) |
DK (1) | DK1115748T3 (ja) |
ES (1) | ES2232017T3 (ja) |
HK (1) | HK1040089B (ja) |
ID (1) | ID29540A (ja) |
MX (1) | MXPA01001050A (ja) |
PT (1) | PT1115748E (ja) |
WO (1) | WO2000006609A1 (ja) |
Families Citing this family (40)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7022683B1 (en) | 1998-05-13 | 2006-04-04 | Carrington Laboratories, Inc. | Pharmacological compositions comprising pectins having high molecular weights and low degrees of methoxylation |
GB2342030A (en) * | 1998-10-01 | 2000-04-05 | Nestle Sa | Confectionery containing iota-carrageenan |
EP1181375A2 (en) * | 1999-05-10 | 2002-02-27 | CP Kelco APS | Sulfohydrolases, corresponding amino acid and nucleotide sequences, sulfohydrolase preparations, processes, and products thereof |
US6387354B1 (en) * | 2000-03-06 | 2002-05-14 | Shemberg Marketing Corporation | Semi-refined carrageenan dentifrice binder |
DE10033975B4 (de) * | 2000-07-06 | 2004-08-12 | Coty B.V. | Gelierte feste kosmetische Zusammensetzung mit spezifischer Rheologie und deren Verwendung |
US6586032B2 (en) * | 2000-10-12 | 2003-07-01 | Cp Kelco U.S. Inc. | Gelatin-free gummy confection using gellan gum and carrageenan |
US6479649B1 (en) * | 2000-12-13 | 2002-11-12 | Fmc Corporation | Production of carrageenan and carrageenan products |
US6777000B2 (en) * | 2001-02-28 | 2004-08-17 | Carrington Laboratories, Inc. | In-situ gel formation of pectin |
US7494669B2 (en) * | 2001-02-28 | 2009-02-24 | Carrington Laboratories, Inc. | Delivery of physiological agents with in-situ gels comprising anionic polysaccharides |
US6949256B2 (en) | 2002-01-18 | 2005-09-27 | Banner Pharmacaps, Inc. | Non-gelatin capsule shell formulation |
US7887838B2 (en) | 2002-01-18 | 2011-02-15 | Banner Pharmacaps, Inc. | Non-gelatin film and method and apparatus for producing same |
US20030161929A1 (en) * | 2002-02-28 | 2003-08-28 | Kuo-Liang Chen | Method for manufacturing cold/hot elastic gel |
US20050019295A1 (en) * | 2003-04-14 | 2005-01-27 | Fmc Corporation | Homogeneous, thermoreversible low viscosity polymannan gum films and soft capsules made therefrom |
US20050008677A1 (en) * | 2003-04-14 | 2005-01-13 | Fmc Corporation | Delivery system of homogeneous, thermoreversible gel film containing kappa-2 carrageenan |
US20050019294A1 (en) * | 2003-04-14 | 2005-01-27 | Fmc Corporation | Homogeneous, thermoreversible alginate films and soft capsules made therefrom |
US20050013847A1 (en) * | 2003-04-14 | 2005-01-20 | Fmc Corporation | Delivery systems of homogeneous, thermoreversible alginate films |
US7816341B2 (en) * | 2003-04-14 | 2010-10-19 | Fmc Corporation | Homogeneous, thermoreversible gel containing reduced viscosity carrageenan and products made therefrom |
US20050048185A1 (en) * | 2003-04-14 | 2005-03-03 | Fmc Corporation | Delivery systems of homogeneous, thermoreversible low viscosity polymannan gum films |
WO2004091533A2 (en) * | 2003-04-14 | 2004-10-28 | Fmc Corporation | Delivery systems of homogeneous, thermoreversible gel film containing kappa-2 carrageenan |
IES20030531A2 (en) | 2003-07-17 | 2005-09-21 | Medtronic Vascular Connaught | Methods and devices for placing a fistula device in fluid communication with a target vessel |
US20060068074A1 (en) * | 2004-09-30 | 2006-03-30 | Stefandl Roland E | Shelf stable gelatinous product |
CN100441629C (zh) * | 2004-11-24 | 2008-12-10 | 保能科技股份有限公司 | 胶囊组合物及其制备方法 |
PT1962619E (pt) * | 2005-12-12 | 2010-10-06 | Unilever Nv | Concentrado para preparação de um bouillon, sopa, molho, molho engrossado ou para utilização como um condimento, compreendendo o concentrado partículas de goma de xantano e de alfarroba |
US8202519B2 (en) * | 2006-09-26 | 2012-06-19 | Basf Corporation | Marine extracts and biofermentations for use in cosmetics |
US20080317790A1 (en) * | 2007-06-25 | 2008-12-25 | Cp Kelco U.S., Inc. | Process for Treatment of Kappa Carrageenan |
US20080317789A1 (en) * | 2007-06-25 | 2008-12-25 | Cp Kelco U.S., Inc. | Carrageenan Process |
US20080317927A1 (en) * | 2007-06-25 | 2008-12-25 | Cp Kelco U.S., Inc. | Process for Treatment of Kappa Carrageenan |
US8268808B2 (en) * | 2007-06-25 | 2012-09-18 | Cp Kelco U.S., Inc. | Carrageenan and carrageenan-containing products |
WO2009002817A1 (en) * | 2007-06-25 | 2008-12-31 | Cp Kelco U.S., Inc. | Carrageenan |
US20080317926A1 (en) * | 2007-06-25 | 2008-12-25 | Cp Kelco U.S., Inc. | Carrageenan Process |
US20080317791A1 (en) * | 2007-06-25 | 2008-12-25 | Cp Kelco U.S., Inc. | Kappa Carrageenan |
US8293285B2 (en) * | 2008-03-14 | 2012-10-23 | Cp Kelco U.S., Inc. | Carrageenan modified by ion-exchange process |
US9452135B2 (en) | 2012-03-20 | 2016-09-27 | Particle Dynamics International, Llc | Gelling agent-based dosage form |
CN103018268B (zh) * | 2012-12-10 | 2015-06-03 | 广东海洋大学 | 一种利用低场nmr测定琼胶凝胶强度的方法 |
US10711119B2 (en) | 2018-01-10 | 2020-07-14 | Cp Kelco Aps | Carrageenan-based compositions for films and capsules |
KR102645438B1 (ko) * | 2018-10-29 | 2024-03-11 | (주)아모레퍼시픽 | 푸딩 제형의 화장료 조성물 및 이의 제조 방법 |
CN109651653A (zh) * | 2018-11-20 | 2019-04-19 | 上海海洋大学 | 三维卡拉胶/海藻酸钠双网络结构凝胶球的制备方法 |
WO2021237691A1 (en) * | 2020-05-29 | 2021-12-02 | L'oreal | Deformable solid composition for cleansing the skin |
JP2023546051A (ja) * | 2020-10-14 | 2023-11-01 | デュポン ニュートリション バイオサイエンシーズ エーピーエス | 食品成分 |
CN116531343B (zh) * | 2023-05-16 | 2023-12-01 | 秦皇岛稷中食品有限公司 | 一种含卡拉胶的胶凝组合物及其制备方法 |
Family Cites Families (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2624727A (en) * | 1947-12-09 | 1953-01-06 | Algin Corp Of America | Recovery of seaweed mucilage |
US2620335A (en) * | 1949-12-08 | 1952-12-02 | Kraft Foods Co | Process of extraction from irish moss |
US3094517A (en) * | 1958-12-29 | 1963-06-18 | Marine Colloids Inc | Process for treating a polysaccharide of seaweeds of the gigartinaceae and solieriaceae families |
US3176003A (en) * | 1961-08-15 | 1965-03-30 | Marine Colloids Inc | Selective extraction of hydrocolloid fractions from sea plants |
US3342612A (en) * | 1965-01-26 | 1967-09-19 | Marine Colloids Inc | Dessert gel |
US3556810A (en) * | 1969-05-14 | 1971-01-19 | Marine Colloids Inc | Dessert gel and gelling agent therefor |
CA991171A (en) * | 1973-02-05 | 1976-06-15 | Uniroyal Ltd. | Process of extracting carrageenan from seaweed |
US4276320A (en) * | 1980-01-25 | 1981-06-30 | Fmc Corporation | Compositions and method for preparing dessert gels |
JPS57131202A (en) * | 1981-02-06 | 1982-08-14 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | Production of carrageenan |
JPS59113002A (ja) * | 1982-12-21 | 1984-06-29 | Mitsubishi Acetate Co Ltd | カラギ−ナンの製造法 |
CN85104000B (zh) * | 1985-05-21 | 1988-02-17 | 中国科学院广州化学研究所 | 制造卡拉胶改良法 |
GB8628068D0 (en) * | 1986-11-24 | 1986-12-31 | Unilever Plc | Aqueous gel comprising carrageenan |
JPS647081A (en) * | 1987-06-30 | 1989-01-11 | Toshiba Corp | Developing device |
JPS647602A (en) * | 1987-06-30 | 1989-01-11 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Variable resistor |
JPS6459282A (en) * | 1987-08-31 | 1989-03-06 | Toshiba Corp | Waste toner recovering mechanism for image forming device |
JPH0768102B2 (ja) * | 1990-05-21 | 1995-07-26 | 新田ゼラチン株式会社 | 化粧料用の添加剤の製造方法および化粧料 |
EP0480305A1 (en) * | 1990-10-11 | 1992-04-15 | Abbott Laboratories | Liquid nutritional products containing iota-carrageenan |
CN1023605C (zh) * | 1991-06-02 | 1994-01-26 | 范炳基 | 卡拉胶制造方法的改进 |
US5502179A (en) * | 1993-04-06 | 1996-03-26 | Grinsted Products A/S (Danisco A/S) | Carrageenan product and a method of producing same |
CN1037067C (zh) * | 1994-05-27 | 1998-01-21 | 华东理工大学 | 从卡拉胶混合物中提纯k-卡拉胶的方法 |
-
1998
- 1998-07-30 US US09/124,970 patent/US6063915A/en not_active Expired - Lifetime
- 1998-08-27 AT AT98943291T patent/ATE280184T1/de active
- 1998-08-27 AU AU91120/98A patent/AU760455B2/en not_active Expired
- 1998-08-27 ES ES98943291T patent/ES2232017T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1998-08-27 ID IDW20010473A patent/ID29540A/id unknown
- 1998-08-27 CN CN98814248A patent/CN1131271C/zh not_active Expired - Lifetime
- 1998-08-27 MX MXPA01001050A patent/MXPA01001050A/es unknown
- 1998-08-27 DE DE69827168T patent/DE69827168T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1998-08-27 DK DK98943291T patent/DK1115748T3/da active
- 1998-08-27 EP EP98943291A patent/EP1115748B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1998-08-27 JP JP2000562405A patent/JP4565745B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1998-08-27 CA CA002338629A patent/CA2338629C/en not_active Expired - Lifetime
- 1998-08-27 BR BRPI9815997-6A patent/BR9815997B1/pt not_active IP Right Cessation
- 1998-08-27 PT PT98943291T patent/PT1115748E/pt unknown
- 1998-08-27 WO PCT/US1998/017337 patent/WO2000006609A1/en active IP Right Grant
- 1998-08-27 KR KR1020017001202A patent/KR100540103B1/ko not_active IP Right Cessation
-
2002
- 2002-02-28 HK HK02101547.4A patent/HK1040089B/zh not_active IP Right Cessation
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP1115748A1 (en) | 2001-07-18 |
PT1115748E (pt) | 2005-01-31 |
AU9112098A (en) | 2000-02-21 |
KR100540103B1 (ko) | 2006-01-16 |
CA2338629A1 (en) | 2000-02-10 |
EP1115748B1 (en) | 2004-10-20 |
BR9815997A (pt) | 2001-05-08 |
CN1131271C (zh) | 2003-12-17 |
MXPA01001050A (es) | 2002-08-20 |
CA2338629C (en) | 2008-02-19 |
CN1310725A (zh) | 2001-08-29 |
DE69827168T2 (de) | 2006-02-23 |
HK1040089B (zh) | 2004-10-08 |
WO2000006609A1 (en) | 2000-02-10 |
DK1115748T3 (da) | 2005-02-14 |
JP2002521054A (ja) | 2002-07-16 |
BR9815997B1 (pt) | 2011-05-31 |
KR20010074786A (ko) | 2001-08-09 |
ATE280184T1 (de) | 2004-11-15 |
US6063915A (en) | 2000-05-16 |
HK1040089A1 (en) | 2002-05-24 |
AU760455B2 (en) | 2003-05-15 |
DE69827168D1 (de) | 2004-11-25 |
ES2232017T3 (es) | 2005-05-16 |
ID29540A (id) | 2001-09-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4565745B2 (ja) | カラゲナン組成物及びそれらの製造のための方法 | |
Hamdani et al. | Sources, structure, properties and health benefits of plant gums: A review | |
CN101001538B (zh) | 用于增强饮料中胶体稳定性的钙稳定的高酰基吉兰糖胶 | |
US6242035B1 (en) | Reduced molecular weight native gellan gum | |
Piculell | Gelling carrageenans | |
JP2009179631A (ja) | 抗う蝕機能を有する組成物 | |
Nitta | Gelation and gel properties of gellan gum and xyloglucan | |
Iurciuc et al. | Gellan. food applications | |
Utomo et al. | Physicochemical properties and sensory evaluation of jelly candy made from different ratio of k-carrageenan and konjac | |
Tuvikene | Carrageenans | |
Razavi et al. | Influence of thermal treatments on textural characteristics of cress seed (Lepidium sativum) gum gel | |
KR101372646B1 (ko) | 탄수화물의 가교된 중합체 | |
JP4840298B2 (ja) | キトサン配合飲料 | |
JP6866011B2 (ja) | ゼリー剤組成物及び該ゼリー剤組成物を含有する食品 | |
JP6186202B2 (ja) | 液体に微粒子状グルコマンナン・ゲルが分散してなる組成物の製造方法 | |
JP7455990B2 (ja) | ヒアルロン酸粉末 | |
JP3803123B2 (ja) | 水溶性部分脱アセチル化キチン及びその製造法 | |
JP4937227B2 (ja) | 酸性透明ゲル状食品 | |
JPH1156246A (ja) | 餡製品類の品質改良剤および餡製品類の製造方法 | |
Mariastuty et al. | Effects of precipitation treatment on the extraction of carrageenan from Eucheuma spinosum | |
Dhull et al. | ingredient with promising properties and applications in food and pharmaceuticals—A review | |
JP2000325030A (ja) | 食品用ゼリー | |
CN117547517A (zh) | 一种低脆性羧甲基魔芋葡甘聚糖结肠溶软胶囊壳的制备方法 | |
Brooks et al. | Novel galactomannans and galacto‐manno‐oligosaccharides from guar | |
Vesterinen et al. | The rheological properties and enzymatic digestibility of amylose and amylopectin gels in the presence of maltitol |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050808 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080703 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081023 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20090123 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20090130 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090423 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090710 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091013 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20091013 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20091222 |
|
A524 | Written submission of copy of amendment under article 19 pct |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524 Effective date: 20100422 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20100423 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20100527 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100713 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100803 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130813 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |