JP4565623B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤ、とくにタイヤの偏磨耗を抑制可能な空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤのショルダーリブの偏磨耗を抑制するには、トレッド端部側面にえぐりを設けて、接地端近傍の接地圧を低下させて偏磨耗核の発生を抑制したり、接地形状を最適化してせん断力バランスを均一化することで偏摩耗核の発生を抑制したり、或いは、ケースの変形を均一化して偏磨耗を抑制するため、ベルト巾を極力広げるように設定することが行われている。
例えば、接地形状を最適化して偏摩耗核の発生を抑制したものとしては、トレッドの外形(断面形状)を曲率の異なる第1及び第2の円弧面を組み合わせた形状にし、内圧を充填した重荷重用空気入りタイヤの負荷時の接地面形状を、タイヤ幅方向両端部、即ちトレッド端部で周方向接地長が長くなるようにして、トレッド端部での引きずりを減少させて偏磨耗の発生を遅らせると共に、前記第1および第2の円弧面の交点部分に細溝を設けて、片落ち磨耗の進展をこの溝で食い止め、タイヤ幅方向内側への片落ち磨耗の進展を遅らせて、偏磨耗を抑制したものが知られている(特許文献1参照)。
また、ケースの変形を均一化しようとベルト巾を広げるように設定したものとしては、例えば、ベルト層のタイヤ軸方向の長さであるベルト巾を、タイヤの接地領域の接地巾の1.0〜1.04倍の範囲、つまり接地巾と同等かそれより若干大にして、トレッド部を全域に亘ってベルト層で補強し、トレッド部の剛性を均一化してショルダー領域における偏摩耗の発生を抑制したものが知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、トレッド端部側面をえぐるものでは、その最深部がベルト端に近すぎると亀裂発生の原因になることから、あまり深い位置にえぐりを配置することができず、その結果、摩耗の中期以降の偏摩耗抑制効果が低下してしまう問題がある。
また、接地面形状を最適化して偏摩耗を抑制しようとするものでは、新品時に設定した接地形状は摩耗の進展と共に変化してしまうので、狙った効果が低下してしまう問題がある。
ケースの変形を均一化しようとしてベルト巾を広げるものでは、ベルト巾を広げると、ベルト端部に亀裂が生じ易くなり、耐久性が低下するという新たな問題が生じる。
また、ショルダーリブの巾方向変位を抑制しようとして周方向溝位置をショルダー内側に移動すると、ショルダー部のネガティブが減少してウエット性が悪化するといった問題がある。
特開平5−77608号公報 特開平6−316204号
そこで、本発明者は、新規な空気入りタイヤの偏磨耗抑制技術を探るべく、まず、空気入りタイヤに微少なスリップ角を付与し、巾方向入力を付加した条件で踏面挙動を観察したところ、横力入側の周方向溝は接地時に収縮してショルダーリブがセカンドリブ寄りに接地し、それが蹴り出し時に開放されるため、外向きの滑り量と、内向きのせん断力が大きくなり摩耗量が多くなること、及びこの溝収縮は、溝底の変形及び側壁の変形から発生することが分かった。
また、駆動力を付加した条件で踏面挙動を詳細に観察した結果、最も摩耗量が多くなるセンター部を中心に、トレッドベースが蹴り出してから沈み込み、蹴り出し域近傍でトレッドゴムの押し出しが増大するため、進行方向のせん断力とその逆向きの滑りが大きくなり摩耗量が多くなることも分かった。
そこで、本発明の目的は、上記知見に基き従来技術が抱える前記問題がなくしかも空気入りタイヤの偏摩耗の発生メカニズムに対応した有効な解決手段を提供し、空気入りタイヤ、特に重荷重タイヤの偏摩耗、例えば、ショルダー摩耗(肩落ち)、テーパー摩耗、センター摩耗、ヒール&トウ摩耗等の偏摩耗を抑制することである。
本発明は、カーカスプライを構成するコードに対する補強層のコードの角度αを、適切な角度に設定することで、空気入りタイヤ、特に重荷重タイヤの偏摩耗を抑制しようとするものである。具体的には、請求項1の発明は、ベルト層が埋設された複数本の周方向溝を有する環状のトレッドと、トレッドの両側からタイヤ半径方向内側に延びる一対のサイド部と、サイド部のタイヤ半径方向内側に一対のビードコアを備えたビード部と、トレッド部及びサイド部を貫通して延び、両端がビードコア回りに巻き上げられた少なくとも一層のカーカスを備えた空気入りタイヤにおいて、補強層が前記ベルト層を挟んだ左右側に設けられ、かつ前記サイド部のカーカスコードに対して所定の角度αを有するコード配列を備え、そのタイヤ軸方向内側端は接地端よりタイヤ軸方向外側にあり、前記補強層のタイヤ軸方向外側部はタイヤ最大幅位置又はカーカス折り返し端のいずれかトレッド側に近いものよりトレッド寄りにあり、且つ、前記補強層の角度αはベルト層を挟んだ左右で逆方向であることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された空気入りタイヤにおいて、前記カーカスコードはタイヤ赤道面に対して略90°を成していることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された空気入りタイヤにおいて、前記補強層の角度αは、タイヤの踏み込み時と蹴り出し時におけるタイヤ巾方向変位量が相違することとなるときの角度範囲内にあることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載された空気入りタイヤにおいて、前記補強層の角度αは、進行方向後ろ側からみて、前記カーカスコードに対して、進行方向右側が反時計回りに、15°<α<75°、進行方向左側が時計回りに15°<α<75°の範囲にあることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3に記載された空気入りタイヤにおいて、前記補強層の角度αは、進行方向後ろ側からみて、前記カーカスコードに対して、進行方向右側が時計回りに、15°<α<75°、進行方向左側が反時計回りに15°<α<75°の範囲にあることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、前記補強層が有機繊維またはスチールコードの配列から成ることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項4に記載された空気入タイヤにおいて、前記空気入りタイヤが操舵軸又は非駆動軸用空気入りタイヤであることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項5に記載された空気入タイヤにおいて、前記空気入りタイヤが駆動軸用空気入りタイヤであることを特徴とする。
(作用)
本発明は、補強層を備えた空気入りタイヤにおいて、横力作用を受ける或いは駆動力の作用を受ける等の空気入りタイヤの使用条件に合わせて、そのカーカスのコード(赤道面に対して略90°である)に対する補強層のコードが成す角度αを適切に設定し、それによって前記タイヤの偏摩耗を抑制する。
とくに、前記角度αを時計回りで規定した場合と、反時計回りで規定した場合とで、前記タイヤの踏み込み側と蹴り出し側における巾方向変位量が相違、即ち、同一の前記角度αの設定に対して、踏み込み側と蹴り出し側における巾方向変位量が相違することから、この現象を利用して前記角度αと角度設定方向(時計回り又は反時計回り)を規定することで、使用条件に合わせた適切な偏摩耗抑制対策を講じた。また、補強層の両端位置を規定することで偏摩耗抑制機能が正常に働くようにした。
本発明は、空気入りタイヤにおいて、補強層のコードをサイド部のカーカスコードに対して所定の角度αを有する配列としたことにより、タイヤの偏摩耗性能を向上させることができる。
とくに、前記角度αを15〜75°の範囲内とすることにより、走行中のタイヤの巾方向変位量が踏み込み側と蹴り出し側で相違することを利用した効果的な偏摩耗抑制が可能であり、前記角度αをタイヤの左右でそれぞれ時計回り及び反時計回りに規定することにより、タイヤの摩耗に横力の影響が大きい場合或いは駆動力が摩耗に与える駆動力の影響が大きい場合に応じて、それぞれに合わせた偏摩耗抑制効果の高い空気入りタイヤを得ることができる。
また、補強層の両端部位置を適正に規定したことで、ベルト層と補強層との間、或いはベルト層とカーカスプライの折り返し端との間に層間せん断歪が発生して耐久性が悪化したり、或いはタイヤの縦撓み方向の剛性が極端に増大して、前記偏摩耗抑制効果を悪化させることもなく、実用性の高い耐偏摩耗性能を備えた空気入りタイヤを得ることができる。
次に、本発明の1実施形態を添付図面に従って説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤの半分を示した断面図であり、図2はそのトレッドパターンを示す展開図である。
図1において、空気入りタイヤ1は、トレッド部2と、その両側からタイヤ半径方向内方に延びたサイド部3と、サイド部3のタイヤ半径方向内端に接続するビード部4とから成り、前記トレッド部2からサイド部3を通りビード部4にまで延び、かつ前記ビード部4のビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に向かって折り返したカーカス(プライ)6と、トレッド部2の内部でかつカーカス6の半径方向外側に配置されたベルト層7、及びサイド部3には、カーカス6の外側、即ちそのラジアル方向上側に補強層8とを有している。
補強層8は、ナイロン(登録商標)、ポリエステル、アラミド等の有機繊維及びスチールのコードを備え、かつ、空気入りタイヤ1のサイド部3において周方向に配置されている。また、カーカス6を構成するコードはタイヤ1の赤道面に対して略90°の角度で配置されている。
この空気入りタイヤ1の前記トレッド部2には、図1に断面が、また図2にその展開した状態が示されている周方向溝2a、2bが、空気入りタイヤ1の赤道線を挟み両側に左右2本ずつ合計4本形成されている。
図3、図4はそれぞれベルト層7と補強層8及びカーカス6の配置関係及び補強層8のコードの傾斜方向を模式的に示した断面図である。図示のように、補強層8は、ベルト層7を挟んでその両側に、かつカーカス6のラジアル方向上側に配置されており、その補強層8のコードの傾斜方向は左右で反対向きであると共に、図3と図4に示す実施形態を対比すれば明らかなように、同じ側で向きがそれぞれ反対である。
図5は、縦軸にタイヤのショルダーリブの巾方向変位量、横軸に空気入りタイヤ1の進行方向後ろ側からみて右側の補強層の前記角度αを取り、前記角度αを時計回りに0〜90°及び反時計回りに0〜90°(図中では、0〜−90°と表示)間で変化させたときの、角度αと同タイヤの踏み込み時、蹴り出し時におけるショルダーリブの巾方向変位量を示した図であり、進行方向左側ではこの逆の特性になる。
図5から明らかなように、進行方向後ろ側からみて右側では、実線で示す踏み込み側におけるショルダーリブの巾方向変位量は、αが0〜90°(時計回り)では踏み込み側の巾方向変位量が蹴り出し側の変位量よりも常に大きく、αが−15°から−75°(反時計回り)では蹴り出し側の方向変位量が踏み込み側よりも大きい特性となっている。
つまり、αが15°〜75°の範囲では、蹴り出し側と踏み込み側ではその巾方向変位量が相違することを示している。
そこで、この巾方向変位量の相違性に着目して、第1の実施例では、進行方向後ろ側からみて右側が反時計回りに、15°<α<75°、進行方向左側は時計回りに15°<α<75°の範囲に設定した。即ち、図5でみて、前記右側でαが−15°〜−75°の範囲(左側では15°〜75°の範囲)に設定した。この設定により、踏み込み時の巾方向変位が低く、蹴り出し時のセンター側への巾方向変位が大きくなる。
図6は、αをこのように設定したときの空気入りタイヤの挙動を説明するための模式図である。この場合は、踏み込み時に補強層のコードが接地面と成す角度と蹴り出し時に補強層のコードが接地面と成す角度との関係は、図6に示すように、”踏み込み時に補強層のコードが接地面と成す角度<蹴り出し時に補強層のコードが接地面と成す角度”となり、補強層配置領域のせん断剛性及び面外曲げ剛性は、踏み込み時に低く、蹴り出し時に高くなる。
その結果、踏み込んだ時にはサイド部がショルダー部を押し下げないので溝の面外変形が抑制されショルダーリブの巾方向センター側への変位が抑制され、逆に蹴り出し時には補強層の配置領域のせん断剛性及び面外曲げ剛性が高くなるので巾方向外向き変位(滑り)を抑制する。また、この構成では、そもそも踏み込み時の巾変形が抑制されているので、その復元挙動である巾方向外向き変位も一層小さいものになる。
タイヤに横力が作用する場合、例えば、進行方向左向きに作用する場合は、一般にその横力入り側となる右側ショルダーの巾方向変位が増大し、蹴り出し時のせん断力及び滑りが増大するため偏摩耗は大となるが、以上で説明した構成、つまり補強層8を設けかつ前記角度αを前記のように設定することでこれを抑制することができる。
この原理から明らかなように、以上の構成になる空気入りタイヤ1を、横力が摩耗に与える影響の大きい操舵軸や従動軸に取り付けたときには、特に偏摩耗抑制の効果を発揮することができる。
図7は、前記補強層8の角度αを、進行方向後ろ側からみて、前記カーカスコードに対して、進行方向右側が時計回りに、15°<α<75°、進行方向左側が反時計回りに15°<α<75°の範囲に設定したときの空気入りタイヤの挙動を説明するための模式図である。この場合に、踏み込み時に補強層8のコードが接地面と成す角度と蹴り出し時に補強層のコードが接地面と成す角度との関係は、図7に示すように、”踏み込み時に補強層8のコードが接地面と成す角度>蹴り出し時に補強層のコードが接地面と成す角度”となり、補強層配置領域のせん断剛性及び面外側剛性が踏み込み時に高く、蹴り出し時に低くなる。
その結果、踏み込み時にはサイド部がショルダー部を押し下げ、蹴り出し時にはショルダー部を押し下げなくなる。そのため、巾方向入力に対しては不利になるが、トレッドベース10が踏み込みで沈み込んで蹴り出しにかけて浮き上がる傾向になるので、蹴り出し時にトレッドゴムが押し出される傾向が減少し、蹴り出し時の進行方向の周方向せん断力と、それと逆向きの滑りが抑制される。
この構成は、特に蹴り出し時にトレッドゴムが押し出されることで摩耗するセンター部の摩耗を抑制するのに適している。また、この原理から明らかなように、この構成の空気入りタイヤ1は、駆動力が摩耗に与える影響が大きい駆動軸に用いる場合に特に効果を発揮することができる。
ここで、補強層8の配置位置は、トレッド部2寄りの端部が、該端部から路面へ引いた垂線が接地面と交わる点がタイヤ接地面内に入り、かつベルト層7とはオーバーラップしない状態では、周方向変位が小さいサイド部3の影響が踏面にまで及んで、周方向変位が大きいベルト層存在領域との間でトレッド部の接地面内のせん断歪が増大し、そのため、蹴り出し時に進行方法逆向きの周方向せん断力が増大して、逆に偏摩耗を発生させる原因となる恐れがある。
そこで、これを回避するため、補強層8を更に内側に広げてベルト層7とオーバーラップさせると、ベルト層を構成する部材と補強層8の層間せん断歪みにより亀裂が発生して耐久性が悪化する恐れがある。
また、補強層8のビード4側端部については、それを最大巾部分Wよりビード4寄りの領域にまで広げると、その縦撓み方向の剛性が極端に増大してショルダを押し下げることにより前述の踏み込み〜蹴り出しにおける変位の相違性に影響を与え、目的とする効果が得られなくなる恐れがある。
また、補強層8をカーカスプライ6折り返し端6aよりもビード4寄り領域まで広げると、層間せん断歪みが増大して亀裂が発生して耐久性が悪化する恐れがある。そのため、これらの問題を回避するためには、一対の補強層8のタイヤ軸方向内側端は、接地端よりタイヤ軸方向外側にあり、前記補強層のタイヤ軸方向外側部は、タイヤ最大幅位置W又はカーカス折り返し端のいずれかトレッド側に近い方よりトレッド側にあることが必要である。
実施例1
使用するタイヤサイズは、295/75R22.5である。
サイド部を補強した補強層のこの実施例では、前記角度αは進行方向後ろ側からみて、進行方向右側が反時計回りに40°、左側が時計回りに40°に設定されており、補強層を構成する材質は、スチールでその強度と間隔は、コード方向弾性率49KN/mm、打ち込み数25.4/50mmに設定した。
また、補強層のトレッド側端部から路面へ降ろした垂線と路面との交点は、接地端より外側4mmにあり、ビード側端部は、空気充填時の最大巾からタイヤに沿って10mmの位置に設定した。
実施例2
実施例2は、実施例1のαを進行方向後ろ側から見て、前記コードに対して、進行方向右側が時計回りに、α=40°、進行方向左側が反時計回りにα=40°に設定したものであり、他の構成は実施例1と同じである。
従来例1は、前記補強層を設置していない点以外は、実施例1、2と同様である。
摩耗試験は、試験タイヤを8.25×22.5のリムに内圧705Kpaで組み付け、実車に装着して行った。試験条件は次の通りである。
使用車両:トラクター(操舵1軸+駆動2軸車)+セミトレーラー(従動2軸車)
空気入りタイヤ装着位置:操舵軸、駆動2軸目、従動2軸目
操舵輪荷重:28.01KN: 駆動輪荷重:16.60KN:
従動輪荷重22.30KN
速度:0〜80km/h、 走行距離:100000km
比較評価は、(1)操舵輪:ショルダーリブとセカンドリブとの摩擦量差を左右輪で平均し、従来例のタイヤを100として指数表示した。数値は便宜上小さいほどリブ間摩擦量差が小さく良好なことを示すようにした。
比較評価の結果は、以下表1〜表3に示すとおりである。
Figure 0004565623
表1は、従来例を100としたときの、実施例1及び実施例2の操舵輪偏摩耗性能を指数化して示しており、その数値が小さいほど偏摩耗性能が良好であることを表している。この表から明らかなように実施例1の空気入りタイヤは指数が72であるから、従来例よりも偏摩耗性能が良好であることを示している。しかし、実施例2は、既に述べたように偏摩耗性能指数は118であるから既に説明したように従来例には及ばない。
Figure 0004565623
表2は、駆動輪の各リブの摩擦量の平均値を左右輪で平均し、従来例のタイヤを100として指数表示し、数値は小さいほど摩耗量が少なく良好なことを表している。
この表から明らかなように実施例2の空気入りタイヤは指数が82であるから、従来例よりも耐摩耗性能が良好であることを示している。しかし、実施例1は、耐摩耗性能は113であるから、駆動輪耐摩耗性では従来例に及ばないことを示している。
Figure 0004565623
表3は、従動輪のショルダーリブとセカンドリブとの摩耗量差を左右輪で平均し、従来例のタイヤを100として指数表示し、数値は便宜上小さいほどリブ間摩擦量差が小さく良好なことを示している。この表から明らかなように、偏摩耗指数は、実施例1のタイヤでは64であるから、従来のものよりも良好であり、一方、実施例2のタイヤでは130であるから、従来例には及ばない。
以上説明したように、操舵輪偏摩耗性能及び従動輪偏摩耗性能では実施例1のタイヤが良好であり、かつ駆動輪耐摩耗性能では実施例2のタイヤが良好であることが証明された。
以上、本願発明をその実施形態について説明を行ったが、以下の点を付記しておく。
タイヤサイド部に補強層を設けたものは、例えば、単にサイド部上部を補強したもの(特開平3−25406号公報、特開平4−260802号公報)、装着外側のみを補強したもの(特開平6−199113号公報)、サイド部全域を補強したもの(特開昭56−214976号公報)等、従来から知られているが、以上で説明した本願発明のように、踏み込み〜蹴り出しの変形(変位量)の相違性を生みだし、それを活用して踏面挙動をコントロールしようとしたものはなく、偏摩耗抑制にはむしろ好ましくない設定となっている。
また、特開平6−24214号公報に記載されたサイド上部を補強するものであっても、略周方向を推奨しており、これでは本発明の作用は得られない。況や、タイヤの入力を考慮して偏摩耗改良を狙い、補強層の装着位置や装着方法を組み合わせを考慮したものではない。
空気入りタイヤの半分を示す断面図である。 トレッドパターンの展開図である。 空気入りタイヤにおける補強層とベルト層、カーカスとの配置関係及び補強層のコードの傾斜方向を模式的に示した断面図である。 別の空気入りタイヤにおける補強層とベルト層、カーカスとの配置関係及び補強層のコードの傾斜方向を模式的に示した断面図である。 補強層コード角度αと踏み込み時、蹴り出し時のショルダーリブの巾方向変位量の関係を示す図である。 空気入りタイヤの挙動を説明するための模式図である。 別の空気入りタイヤの挙動を説明するための模式図である。
符号の説明
1・・・空気入りタイヤ、2・・・トレッド部、3・・・サイド部、4・・・ビード部、5・・・ビードコア、6・・・カーカス、7・・・ベルト層、8・・・補強層。

Claims (8)

  1. ベルト層が埋設された複数本の周方向溝を有する環状のトレッドと、トレッドの両側からタイヤ半径方向内側に延びる一対のサイド部と、サイド部のタイヤ半径方向内側に一対のビードコアを備えたビード部と、トレッド部及びサイド部を貫通して延び、両端がビードコア回りに巻き上げられた少なくとも一層のカーカスを備えた空気入りタイヤにおいて、
    補強層が前記ベルト層を挟んだ左右側に設けられ、かつ前記サイド部のカーカスコードに対して所定の角度αを有するコード配列を備え、そのタイヤ軸方向内側端は接地端よりタイヤ軸方向外側にあり、前記補強層のタイヤ軸方向外側部はタイヤ最大幅位置又はカーカス折り返し端のいずれかトレッド側に近いものよりトレッド寄りにあり、且つ、前記補強層の角度αはベルト層を挟んだ左右で逆方向であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 請求項1に記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記カーカスコードはタイヤ赤道面に対して略90°を成していることを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 請求項1又は2に記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記補強層の角度αは、タイヤの踏み込み時と蹴り出し時におけるタイヤ巾方向変位量が相違することとなるときの角度範囲内にあることを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 請求項3に記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記補強層の角度αは、進行方向後ろ側からみて、前記カーカスコードに対して、進行方向右側が反時計回りに、15°<α<75°、進行方向左側が時計回りに15°<α<75°の範囲にあることを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 請求項3に記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記補強層の角度αは、進行方向後ろ側からみて、前記カーカスコードに対して、進行方向右側が時計回りに、15°<α<75°、進行方向左側が反時計回りに15°<α<75°の範囲にあることを特徴とする空気入りタイヤ。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記補強層が有機繊維またはスチールコードの配列から成ることを特徴とする空気入りタイヤ。
  7. 請求項4に記載された空気入タイヤにおいて、
    前記空気入りタイヤが操舵軸又は非駆動軸用空気入りタイヤであることを特徴とする空気入りタイヤ。
  8. 請求項5に記載された空気入タイヤにおいて、
    前記空気入りタイヤが駆動軸用空気入りタイヤであることを特徴とする空気入りタイヤ。
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