以下に各発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。なお、以下の実施形態と請求項の関係は次の通りである。実施形態1、2、7は、主に請求項1、4などについて説明する。実施形態1、2、8は、主に請求項2、5などについて説明する。実施形態12は、主に請求項3、6などについて説明する。
<実施形態1:概要>本実施形態は、光ディスクへのデータ記録の際に記録パワーを決定するためにOPCを実行した結果、算出されるアシンメトリ値とレーザパワー値との相関式を取得し、その相関式から最適記録パワーを算出し、算出された最適記録パワー値とOPCの際のパワーレンジとの関係から、その算出された最適記録パワーを記録パワーとして決定するか、もう一度OPCを実行するか判断することを特徴とする最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置について説明する。
図1は、本実施形態に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置の概念を示す一例図である。光ディスク装置において光ディスク(0101)へデータを記録及び再生する際には、スピンドルモータ(0103)が回転することで光ディスクを安定に回転させ、光ピックアップ(0102)からレーザ光が出力される。記録の際には、フォーカス制御機構(0111)やトラッキング制御機構(0112)により、ピックアップのフォーカシングやトラッキングといった光スポットの位置制御を行われる。また、再生の際には、光ピックアップ(0102)から出力されたレーザ光が、光ディスク(0101)で反射され、光ピックアップ(0102)に戻り、光ピックアップ内の光ディテクタによって取り込まれる。光ディテクタによって取り込まれた光は、ヘッドアンプ(0104)により演算増幅され、サーボ検出機構(0105)やRF検出機構(0106)により検出が行われる。サーボ検出機構とフォーカス制御機構のフォーカスサーボ回路により焦点制御が行われフォーカスサーボがかかる。また、サーボ検出機構で検出されたトラッキング誤差信号とサーボ検出機構とトラッキング制御機構のトラッキングサーボ回路により、トラッキングサーボがかかる。また、RF検出機構により検出されたRF信号はデコーダ(0108)により二値化され、コントローラ(0109)を介して再生信号データが上位装置に出力される。
また、記録の際の最適記録パワーを決定するときには、OPCを実行しRF検出機構によりRF信号を検出する。検出されたRF信号が信号処理機構(0107)に出力され、アシンメトリ値が算出される。そして算出されたアシンメトリ値がコントローラ(0109)に出力される。コントローラにおいてはアシンメトリ値のパワー依存性データから、アシンメトリ値−記録パワー相関式及び第一最適記録パワーを算出し、第一最適記録パワーを最適記録パワーとして決定するか、もう一度OPCを実行するかが決定される。アシンメトリ値−記録パワー相関式及び第一最適記録パワーは、光ディスク装置の所定の記憶領域(0113)に記憶される。そして、コントローラからドライバー(0110)へ最適記録パワーが出力され記録を行う際に光ピックアップが出力するレーザ光のパワーの設定を行うか、もしくは、再度OPCを行う。コントローラ内の処理については、各ステップ説明において詳細に説明する。
<実施形態1:最適記録パワーの決定方法>
図2は、本実施形態に係る最適記録パワー決定方法の処理フローを示す図である。本実施形態に係る最適記録パワー決定方法は、「第一テスト記録ステップ」(S0201)と、「式取得ステップ」(S0202)と、「第一計算ステップ」(S0203)と、「第一判断ステップ」(S0204)と、「第一追加テスト記録ステップ」(S0205)と、を有する。
「第一テスト記録ステップ」(S0201)は、光記録媒体に対して最適記録を行うための最適記録パワーを決定する方法であって、予め定められた第一パワーレンジでテスト記録を実行するステップである。「光記憶媒体」とは、CD−R/RWやDVD−R/RWに代表されるレーザ光により書き込みや読み込みがなされるディスクのことである。「予め定められた第一パワーレンジ」とは、例えば、ディスクメーカがディスクに予め記録してある推奨記録パワーを中心としたある一定のパワーの範囲である。ディスクのCDZには、ディスクメーカにより「推奨記録条件」が予め記憶されており、ストラテジや記録パワーのデフォルト値を読取ることが可能である。その推奨記録パワーのデフォルト値を元に最初にテスト記録を行うパワーレンジを決定する。例えば、ディスクメーカが予め記憶した推奨記録パワーがA[mW]であるとし、1ステップ0.5mWずつパワーを変化させ、合計で15通りのパワー変化をさせる場合には、開始パワーは、A−7×0.5[mW]であり、終了パワーは、A+7×0.5[mW]となる。このパワーレンジでテスト記録を実行する。
「式取得ステップ」(S0202)は、テスト記録ビットを読取りアシンメトリ値−記録パワー相関式を取得するステップである。「テスト記録ビット」とは、前ステップのテスト記録の実行により記録された状態を指す。「アシンメトリ値−記録パワー相関式」とは、アシンメトリ値対記録パワー値のグラフから得られる一次近似式のことである。「アシンメトリ値−記録パワー相関式」を取得する具体的な方法を説明する。まず図3(a)のように、テスト記録ビットの読取りによって得られたアシンメトリ値をY軸に、記録パワー値をX軸に取り各測定点をグラフにプロットする。ここでは、推奨記録パワーが12[mW]であり、1ステップ0.5mWずつパワーを変化させ、合計で9通りのパワー変化をさせた場合を例に示した。この場合の第一パワーレンジは、10mW〜14mWである。次に図3(b)のように、そのプロットした点に対して近似直線(一次近似)を引き、このときの近似直線の式を取得する。この近似直線は主に最小二乗法により設定される。近似直線の式は、y=ax+bとなる(aとbは係数)。通常、記録パワーを変えながら記録したRF信号のアシンメトリ値は、その記録パワーが大きくなるにつれて通常単調増加を示す。よって、aは通常は正の値となる。
「第一計算ステップ」(S0203)は、取得した相関式に基づいて第一最適記録パワーを計算するステップである。「取得した相関式」とは、図3(b)の例によれば、
y=4.1x−47.4 ・・・式1
である。ただし、小数点以下第2位を四捨五入した。「第一最適記録パワー」とは「取得した相関式」による近似直線が、予め定められたアシンメトリ値と合致するパワー値のことである。予め定められたアシンメトリ値が0(ゼロ)であったとすると、
0=4.1x−47.4 ・・・式2
のxを求めることになり、第一最適記録パワーは11.6[mW]と算出される。
「第一判断ステップ」(S0204)は、計算された第一最適記録パワーが第一パワーレンジ外であるか判断するステップである。図3(b)の場合には、第一パワーレンジは10mW〜14mWであり、第一最適記録パワーは11.6[mW]である。このとき、第一最適記録パワーは第一パワーレンジ外でないとの判断をする。また、図3(c)は他のディスクに対して、「第一テスト記録ステップ」を行った例である。先程と同様に、推奨記録パワーが12[mW]であり、第一パワーレンジは10mW〜14mWであるとする。この場合には、図3(d)のような近似直線を引くことができ、その相関式を取得する。さらに「第一計算ステップ」により、予め定められたアシンメトリ値が0(ゼロ)として計算される「第一最適記録パワー」は15.1[mW]となる。このときは、第一最適記録パワーは第一パワーレンジ外であるとの判断をする。
「第一追加テスト記録ステップ」(S0205)は、判断結果が第一パワーレンジ外であるとの判断結果である場合には第一追加テスト記録を実行するステップである。図3の(a)(b)の場合にはこのステップは実行されないが、図3の(c)(d)の場合には第一テスト記録に追加して「第一追加テスト記録」を実行する。
なお、図2のフロー図は、計算機に実行させるプログラムの処理フロー図とみなすことも可能である。さらに、このようなプログラムをフレキシブルディスク等の媒体に記録することも可能である。(明細書の全体を通じて同様である。)
<実施形態1:光ディスク装置>
光ディスク装置全体の概念図は図1のようになるが、本件発明において特徴的であるコントローラについての機能ブロック図を図4に示した。本実施形態に係る最適記録パワーを決定する光ディスク装置は、「第一テスト記録部」(0401)と、「式取得部」(0402)と、「第一計算部」(0403)と、「第一判断部」(0404)と、「第一追加テスト記録部」(0405)と、を有する。なお、以下に詳述する本発明の構成要素である各部は、ハードウェア、ソフトウェア、ハードウェアとソフトウェアの両方のいずれかによって構成される。例えば、図25は一般的なコンピュータの構成を例示する図でありコンピュータが主にCPU(2510)、RAM(2520)、ROM(2530)、入出力インタフェース(I/O)(2540)、ハードディスク(HDD)(2550)、等から構成されており、それらがシステムバス(2560)等のデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。本実施形態に係る光ディスク装置は、図25と同様の構成にて実現可能である。(明細書の全体を通じて同様である。)
「第一テスト記録部」(0401)は、予め定められた第一パワーレンジでテスト記録を実行する機能を有する。すなわち、第一テスト記録部は、前述した第一テスト記録ステップにおける処理と同様の処理を実行する。具体的なコンピュータ処理の一例を説明する。光記録媒体への記録を行う際に、CPU(2510)はHDD等の記憶装置に保持されているテスト記録実行プログラムをRAM(2520)のワーク領域に読み込み、さらに、光記録媒体に予め記録されているストラテジや記録パワーのデフォルト値を読取る。そして、ROM(2530)等のファームウェア中に保持されているストラテジテーブルからストラテジを読取りストラテジを決定する。次に、推奨記録パワー値を中心としたパワーレンジを設定してテスト記録実行プログラムを実行する。テスト記録実行プログラムにおいては、CPUがドライバー(0110)に対してストラテジ及びテストレーザパワー値を指定し、ドライバーは指定されたストラテジ及び各テストレーザパワー値でテスト記録を行う。テスト記録を行ったパワーレンジをRAM(2520)の記憶データ領域に格納、保持する。
「式取得部」(0402)は、テスト記録ビットを読取りアシンメトリ値−記録パワー相関式を取得する機能を有する。すなわち、式取得部は、前述した式取得ステップにおける処理と同様の処理を実行する。テスト記録結果はヘッドアンプを介してRF検出機構(0106)により検出される。検出されたRF信号から信号処理機構によって算出されたアシンメトリ値の記録パワー依存データはRAM(2520)の記憶データ領域に格納、保持される。そして、CPU(2510)は式取得プログラム及びアシンメトリ値の記録パワー依存データをRAM(2520)のワーク領域に読み込み式取得プログラムを実行する。そして、算出された式をRAM(2520)の記憶データ領域に格納、保持する。
「第一計算部」(0403)は、取得した相関式に基づいて第一最適記録パワーを計算する機能を有する。すなわち、第一計算部は、前述した第一計算ステップにおける処理と同様の処理を実行する。このとき、CPU(2510)は第一計算プログラム及び算出された式をRAM(2520)のワーク領域に読み込み第一計算プログラムを実行する。そして、算出された第一最適記録パワーをRAM(2520)の記憶データ領域に格納、保持する。
「第一判断部」(0404)は、計算された第一最適記録パワーが第一パワーレンジ外であるか判断する機能を有する。すなわち、第一判断部は、前述した第一判断ステップにおける処理と同様の処理を実行する。このとき、CPU(2510)は第一判断プログラム及びテスト記録のパワーレンジ及び第一最適記録パワーをRAM(2520)のワーク領域に読み込み第一判断プログラムを実行する。そして、判断結果をRAM(2520)の記憶データ領域に格納、保持する。
「第一追加テスト記録部」(0405)は、判断結果が第一パワーレンジ外であるとの判断結果である場合には第一追加テスト記録を実行する機能を有する。すなわち、第一追加テスト記録部は、前述した第一追加テスト記録ステップにおける処理と同様の処理を実行する。判断結果が第一パワーレンジ外であるとの判断結果である場合には、CPU(2510)は追加テスト記録プログラムをRAM(2520)のワーク領域に読み込み実行する。追加テスト記録プログラムにおいては、テスト記録実行プログラムにおけるパワーレンジをシフトしたパワーレンジを再設定し、再度テスト記録を実行する。
<実施形態1:効果>本実施形態に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置によれば、まず、第一最適記録パワーを算出することができる。さらに、テスト記録のパワーレンジ内に第一最適記録パワーがあるときには、第一最適記録パワーを記録パワーとして決定し、パワーレンジ内にないときには再度テスト記録をするため、万一テスト記録を行う際の記録パワーの初期設定が不適切である場合や、あるいは記録パワーに影響する何らかの障害(例えばディスク表面の汚れ、光ピックアップのレンズなどの光学系の汚れやバラツキ)のために、テスト記録のパワーレンジ内に最適なパワーを見出せない場合にも再度適切なパワーレンジを設定してテスト記録を行うことが可能である。
<<実施形態2>>
<実施形態2:概要>本実施形態は、光ディスクへのデータ記録の際に記録パワーを決定するためにOPCを実行した結果、算出されるアシンメトリ値とレーザパワー値との相関係数を取得し、その相関係数が所定の閾値を下回ると判断したときには、もう一度OPCを実行することを特徴とする最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置について説明する。
本実施形態に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置の概念図は図1と同様である。記録の際の最適記録パワーを決定するときは、OPCを実行しRF検出機構によりRF信号を検出する。検出されたRF信号が信号処理機構(0107)に出力され、アシンメトリ値が算出される。そして算出されたアシンメトリ値がコントローラ(0109)に出力される。コントローラにおいてはアシンメトリ値のパワー依存性データから、アシンメトリ値−記録パワーの相関係数を算出し、その相関係数が所定の閾値を下回ると判断したときには再度OPCを行う。アシンメトリ値−記録パワーの相関係数は、光ディスク装置の所定の記憶領域(0113)に記憶される。コントローラ内の処理については、各ステップ説明において詳細に説明する。
<実施形態2:最適記録パワーの決定方法>
図5は、本実施形態に係る最適記録パワー決定方法の処理フローを示す図である。本実施形態に係る最適記録パワー決定方法は、「第一テスト記録ステップ」(S0501)と、「係数取得ステップ」(S0502)と、「第二判断ステップ」(S0503)と、「第二追加テスト記録ステップ」(S0504)と、を有する。
「第一テスト記録ステップ」(S0501)は、実施形態1と同様であるので詳細な説明は省略する。
「係数取得ステップ」(S0502)は、テスト記録ビットを読取りアシンメトリ値−記録パワーの相関係数を取得するステップである。「アシンメトリ値−記録パワーの相関係数」を取得する具体的な方法を説明する。まず図6(a)のように、テスト記録ビットの読取りによって得られたアシンメトリ値をY軸に、記録パワー値をX軸に取り各測定点をグラフにプロットする。そして、アシンメトリ値と記録パワー値との「相関係数」を取得する。「相関係数」とは、相関の強さを示すものであり各測定点がより直線に近ければ、より両者の相関が強いということになり、大きい値をとる。「相関係数」は−1と1の間の値を取り、両者の関係が全く独立ならば0(ゼロ)、一方が他方の定数倍ならば1または−1となる。相関係数ρは、記録パワー値をx、アシンメトリ値をy、とすると、以下のような式で表される。
ここで、Εは平均、Vは分散である。また、V(x)とV(y)のいずれか一方が0の場合、相関係数ρは0と定義する。図6(a)(図3(a)と同じ)の相関係数を計算すると、0.98となる。ただし、小数点以下第3位を四捨五入した。また、図6(b)(図3(c)と同じ)の相関係数は0.92となる。さらに、図6(c)の相関係数は0.51となる。
「第二判断ステップ」(S0503)は、取得した相関係数が所定の閾値を下回るか判断するステップである。「所定の閾値」とは、どの程度正確にアシンメトリ値を計測できるかというシステムのハードウェアに依存するが、0.8〜0.9程度の値に設定すると良い。ただし、この範囲に限定する必要はない。例えば、「所定の閾値」が0.9であり、記録パワー値とアシンメトリ値との関係が図6(a)及び(b)のようであった場合には、取得した相関係数が所定の閾値を下回らないと判断する。また、記録パワー値とアシンメトリ値との関係が図6(c)のようであった場合には、取得した相関係数が所定の閾値を下回ると判断する。
「第二追加テスト記録ステップ」(S0504)は、判断結果が下回るとの判断結果である場合に第二追加テスト記録を実行するステップである。図6の(a)(b)の場合にはこのステップは実行されないが、図6の(c)の場合には第一テスト記録に追加して「第二追加テスト記録」を実行する。
<実施形態2:光ディスク装置>
光ディスク装置全体の概念図は図1のようになるが、本件発明において特徴的であるコントローラについての機能ブロック図を図7に示した。本実施形態に係る最適記録パワーを決定する光ディスク装置は、「第一テスト記録部」(0701)と、「係数取得部」(0702)と、「第二判断部」(0703)と、「第二追加テスト記録部」(0704)と、を有する。
「第一テスト記録部」(0701)は、実施形態1と同様であるので説明は省略する。
「係数取得部」(0702)は、テスト記録ビットを読取りアシンメトリ値−記録パワーの相関係数を取得する機能を有する。すなわち、係数取得部は、前述した係数取得ステップにおける処理と同様の処理を実行する。このとき、CPU(2510)は係数取得プログラム及びアシンメトリ値の記録パワー依存データをRAM(2520)のワーク領域に読み込み係数取得プログラムを実行する。そして、算出された相関係数をRAM(2520)の記憶データ領域に格納、保持する。
「第二判断部」(0703)は、取得した相関係数が所定の閾値を下回るか判断する機能を有する。すなわち、第二判断部は、前述した第二判断ステップにおける処理と同様の処理を実行する。このとき、CPU(2510)は第二判断プログラム及び算出された相関係数をRAM(2520)のワーク領域に読み込み第二判断プログラムを実行する。そして、判断結果をRAM(2520)の記憶データ領域に格納、保持する。
「第二追加テスト記録部」(0704)は、判断結果が下回るとの判断結果である場合に第二追加テスト記録を実行する機能を有する。すなわち、第二追加テスト記録部は、前述した第二追加テスト記録ステップにおける処理と同様の処理を実行する。判断結果が下回るとの判断結果である場合には、CPU(2510)は追加テスト記録プログラムをRAM(2520)のワーク領域に読み込み実行する。追加テスト記録プログラムにおいては、テスト記録プログラムにおけるパワーレンジをシフトしたパワーレンジを再設定し、再度テスト記録を実行する。
<実施形態2:効果>本実施形態に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置によれば、アシンメトリ値−記録パワーの相関係数が所定の閾値を下回るときには再度テスト記録をするため、相関関係が思わしくないときには、そのデータにより最適パワー値を算出せずに適切なパワーレンジを設定し直して再度テスト記録を行うことが可能である。
<<実施形態3>>
<実施形態3:概要>本実施形態は、光ディスクへのデータ記録の際に記録パワーを決定するためにOPCを実行した結果、アシンメトリ値の記録パワーに対する変化量又は変化の仕方を示す情報を取得し、その情報が異常として定められた所定の条件に合致すると判断したときには、もう一度OPCを実行することを特徴とする最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置について説明する。
本実施形態に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置の概念図は図1と同様である。記録の際の最適記録パワーを決定するときは、OPCを実行しRF検出機構によりRF信号を検出する。検出されたRF信号が信号処理機構(0107)に出力され、アシンメトリ値が算出される。そして算出されたアシンメトリ値がコントローラ(0109)に出力される。コントローラにおいてはアシンメトリ値のパワー依存性データから、アシンメトリ値の記録パワーに対する変化量又は変化の仕方を示す情報を取得し、その情報が異常として定められた所定の条件に合致すると判断したときには、再度OPCを行う。アシンメトリ値−記録パワーの変化情報は、光ディスク装置の所定の記憶領域(0113)に記憶される。コントローラ内の処理については、各ステップ説明において詳細に説明する。
<実施形態3:最適記録パワーの決定方法>
図8は、本実施形態に係る最適記録パワー決定方法の処理フローを示す図である。本実施形態に係る最適記録パワー決定方法は、「第一テスト記録ステップ」(S0801)と、「変化情報取得ステップ」(S0802)と、「第三判断ステップ」(S0803)と、「第三追加テスト記録ステップ」(S0804)と、を有する。
「第一テスト記録ステップ」(S0801)は、実施形態1と同様であるので詳細な説明は省略する。
「変化情報取得ステップ」(S0802)は、テスト記録ビットを読取りアシンメトリ値の記録パワーに対する変化量又は変化の仕方を示す情報である変化情報を取得するステップである。「変化情報」とは、アシンメトリ値の記録パワーに対する変化量又は変化の仕方を示す情報である。記録パワーの変化に対するアシンメトリの変化が極めて鈍い、あるいは、パワーに対してアシンメトリが単調増加ではなく増減を繰り返す場合等を検出するための変化情報である。
例えばテスト記録のパワーレンジが高すぎる場合には、全体的にアシンメトリはプラスの大きな値になるが、光ディスクや光ピックアップの種類・構造などによっては実際上アシンメトリの上下限が+−20%程度で飽和してそれより絶対値の大きな状態にはならなかったり、あるいは絶対値の変化量が鈍化したりする。この場合には、アシンメトリはパワーがある程度の範囲内ではパワー依存性を示すが、それより低い側あるいは高い側ではアシンメトリがほとんど変化しない状態になる。従って測定したアシンメトリのデータの、前のデータとの変化量に基準値を設け、それより変化量が小さい場合にはこのアシンメトリ変化飽和を疑って再テスト記録を実行させることが可能である。また、このように記録パワーの変化が不適切でアシンメトリが飽和するような状態では、記録されたRF信号も信号品質が悪く、パワーの変化に対するアシンメトリが単調増加では無く増減を繰り返したりすることも多いので、アシンメトリの測定値が前のパワー値のアシンメトリ値と比較して小さくなる場合に異常とみなして再テスト記録を実行させても良い。
アシンメトリの変化量・変化の仕方がおかしい状態で近似直線を引き、最適パワーを見出そうとすると不適切なパワーを見出してしまう可能性がある。このようにアシンメトリの変化量・変化の仕方が異常な場合には、大概はアシンメトリ値−パワー値の相関関係が悪くなるので実施形態2で示した「相関係数が基準値以下」による再テスト記録条件に引っ掛かるものであるが、稀にこの条件をすり抜ける場合があるために「アシンメトリの変化量・変化の仕方」による再テスト記録条件を考える必要がある。
ここでは、記録パワー値が隣り合う各測定点同士のアシンメトリ値変化量の合計値Sを「変化情報」として取得する。隣り合う測定点同士のアシンメトリ値変化量とは、例えば図9(a)のA点とB点の変化量を表し、この場合にはA点が−6でB点が−4であるのでアシンメトリ値変化量は2である。アシンメトリ値変化量を第一パワーレンジに渡って足算し、合計値Sを算出する。図9(a)(図3(a)と同じ)の場合には合計値Sは18となる。また、図9(b)(図3(c)と同じ)の場合には、合計値Sは16となり、(c)のようにアシンメトリ値に大きな変化がない場合には、合計値Sは8となり、(d)のようにアシンメトリ値がランダムに大小に大きく変化する場合には、合計値Sは68となる。
「第三判断ステップ」(S0803)は、取得した変化情報が異常として定められた所定の条件に合致するか判断するステップである。「所定の条件」とは、テスト記録を行うパワーレンジやテスト記録の回数等の条件に依存するが、この場合には合計値Sが12よりも小さいか30よりも大きい場合に設定すると良い。ただし、この範囲に限定する必要はない。例えば、「所定の条件」がS<12、30<Sであり、記録パワー値とアシンメトリ値との関係が図9(a)及び(b)のようであった場合には、取得した変化情報が異常として定められた所定の条件に合致しないと判断する。また、記録パワー値とアシンメトリ値との関係が図9(c)及び(d)のようであった場合には、取得した変化情報が異常として定められた所定の条件に合致すると判断する。
「第三追加テスト記録ステップ」(S0804)は、判断結果が合致するとの判断結果である場合に第三追加テスト記録を実行するステップである。図9の(a)(b)の場合にはこのステップは実行されないが、図9の(c)(d)の場合には第一テスト記録に追加して「第三追加テスト記録」を実行する。
<実施形態3:光ディスク装置>
光ディスク装置全体の概念図は図1のようになるが、本件発明において特徴的であるコントローラについての機能ブロック図を図10に示した。本実施形態に係る最適記録パワーを決定する光ディスク装置は、「第一テスト記録部」(1001)と、「変化情報取得部」(1002)と、「第三判断部」(1003)と、「第三追加テスト記録部」(1004)と、を有する。
「第一テスト記録部」(1001)は、実施形態1と同様であるので説明は省略する。
「変化情報取得部」(1002)は、テスト記録ビットを読取りアシンメトリ値の記録パワーに対する変化量又は変化の仕方を示す情報である変化情報を取得する機能を有する。すなわち、変化情報取得部は、前述した変化情報取得ステップにおける処理と同様の処理を実行する。このとき、CPU(2510)は変化情報取得プログラム及びアシンメトリ値の記録パワー依存データをRAM(2520)のワーク領域に読み込み変化情報取得プログラムを実行する。そして、取得した変化情報をRAM(2520)の記憶データ領域に格納、保持する。
「第三判断部」(1003)は、取得した変化情報が異常として定められた所定の条件に合致するか判断する機能を有する。すなわち、第三判断部は、前述した第三判断ステップにおける処理と同様の処理を実行する。このとき、CPU(2510)は第三判断プログラム及び変化情報をRAM(2520)のワーク領域に読み込み第三判断プログラムを実行する。そして、判断結果をRAM(2520)の記憶データ領域に格納、保持する。
「第三追加テスト記録部」(1004)は、判断結果が合致するとの判断結果である場合に第三追加テスト記録を実行する機能を有する。すなわち、第三追加テスト記録部は、前述した第三追加テスト記録ステップにおける処理と同様の処理を実行する。判断結果が合致するとの判断結果である場合には、CPU(2510)は追加テスト記録プログラムをRAM(2520)のワーク領域に読み込み実行する。追加テスト記録プログラムにおいては、テスト記録プログラムにおけるパワーレンジをシフトしたパワーレンジを再設定し、再度テスト記録を実行する。
<実施形態3:効果>本実施形態に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置によれば、アシンメトリ値の記録パワーに対する変化量又は変化の仕方が異常である判断したときには再度テスト記録をするため、最適記録パワー値とは全く異なるパワーレンジにてテスト記録を行った場合には、そのデータにより最適パワー値を算出せずに適切なパワーレンジを設定し直して再度テスト記録を行うことが可能である。
<<実施形態4>>
<実施形態4:概要>本実施形態は、実施形態1に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置を基本とし、さらに、第一テスト記録のパワーレンジと第一テスト記録の結果から算出された第一最適記録パワーの関係に基づいて第一追加テスト記録のパワーレンジを全体的にシフトすることを特徴とする最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置について説明する。
<実施形態4:最適記録パワーの決定方法>
図11は、本実施形態に係る最適記録パワー決定方法の処理フローを示す図である。本実施形態に係る最適記録パワー決定方法は、「第一テスト記録ステップ」(S1101)と、「式取得ステップ」(S1102)と、「第一計算ステップ」(S1103)と、「第一判断ステップ」(S1104)と、「第一追加テスト記録ステップ」(S1105)と、「パワーレンジ全体シフト実行ステップ」(S1106)と、を有する。
「第一テスト記録ステップ」(S1101)と、「式取得ステップ」(S1102)と、「第一計算ステップ」(S1103)と、「第一判断ステップ」(S1104)と、「第一追加テスト記録ステップ」(S1105)は実施形態1と同様であるので詳細な説明は省略する。
「パワーレンジ全体シフト実行ステップ」(S1106)は、第一パワーレンジと重複せず隣接するパワーレンジでかつ第一最適記録パワーを含む側にパワーレンジをシフトしてテスト記録を実行するステップである。「第一パワーレンジと重複せず隣接するパワーレンジ」とは、図12(a)に示したように第一パワーレンジが10mW〜14mWであったとすると、6mW〜10mWや14mW〜18mWの範囲である。このレンジ幅は4mWである必要はなく、第一パワーレンジ幅より大きくても小さくても良い。また、「第一計算ステップ」にて算出された第一最適記録パワーを含む側にシフトする。そして、再設定したパワーレンジにてテスト記録を実行する。
<実施形態4:光ディスク装置>
光ディスク装置全体の概念図は図1のようになるが、本件発明において特徴的であるコントローラについての機能ブロック図を図13に示した。本実施形態に係る最適記録パワーを決定する光ディスク装置は、「第一テスト記録部」(1301)と、「式取得部」(1302)と、「第一計算部」(1303)と、「第一判断部」(1304)と、「第一追加テスト記録部」(1305)と、「パワーレンジ全体シフト実行部」(1306)と、を有する。
「第一テスト記録部」(1301)と、「式取得部」(1302)と、「第一計算部」(1303)と、「第一判断部」(1304)と、「第一追加テスト記録部」(1305)は実施形態1と同様であるので説明は省略する。
「パワーレンジ全体シフト実行部」(1306)は、第一パワーレンジと重複せず隣接するパワーレンジでかつ第一最適記録パワーを含む側にパワーレンジをシフトしてテスト記録を実行する機能を有する。すなわち、パワーレンジ全体シフト実行部は、前述したパワーレンジ全体シフト実行ステップにおける処理と同様の処理を実行する。このとき、CPU(2510)はパワーレンジ全体シフト実行プログラム及び追加テスト記録プログラムをRAM(2520)のワーク領域に読み込み、パワーシフト方向やパワーレンジ幅を決定し、再度テスト記録を実行する。
<実施形態4:効果>本実施形態に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置によれば、テスト記録のパワーレンジの初期設定が適切でなかった場合にはパワーレンジを全体的にシフトして再度テスト記録を実行するため、初期設定が適切なパワーレンジとは離れていた場合にも、追加テストにて最適なパワー値を含むパワーレンジでテスト記録を行うことが可能である。
<<実施形態5>>
<実施形態5:概要>本実施形態は、実施形態1に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置を基本とし、さらに、第一テスト記録のパワーレンジと第一テスト記録の結果から算出された第一最適記録パワーの関係に基づいて第一追加テスト記録のパワーレンジを第一テスト記録のパワーレンジと同一幅のまま部分的にシフトすることを特徴とする最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置について説明する。
<実施形態5:最適記録パワーの決定方法>
図14は、本実施形態に係る最適記録パワー決定方法の処理フローを示す図である。本実施形態に係る最適記録パワー決定方法は、「第一テスト記録ステップ」(S1401)と、「式取得ステップ」(S1402)と、「第一計算ステップ」(S1403)と、「第一判断ステップ」(S1404)と、「第一追加テスト記録ステップ」(S1405)と、「パワーレンジ部分シフト実行ステップ」(S1406)と、を有する。
「第一テスト記録ステップ」(S1401)と、「式取得ステップ」(S1402)と、「第一計算ステップ」(S1403)と、「第一判断ステップ」(S1404)と、「第一追加テスト記録ステップ」(S1405)は実施形態1と同様であるので詳細な説明は省略する。
「パワーレンジ部分シフト実行ステップ」(S1406)は、第一パワーレンジとレンジ幅を同一にして第一最適記録パワーを含む側に第一パワーレンジ幅の1/4から3/4の範囲の定められた値分第一パワーレンジよりシフトしたレンジにてテスト記録を実行するステップである。図12(b)に示したように第一パワーレンジが10mW〜14mWであったとすると、8mW〜12mW(低い側に1/2シフト)や13mW〜17mW(高い側に3/4シフト)の範囲である。パワーレンジ幅が第一パワーレンジと同一であることが特徴である。また、「第一計算ステップ」にて算出された第一最適記録パワーを含む側にシフトする。そして、再設定したパワーレンジにてテスト記録を実行する。
<実施形態5:光ディスク装置>
光ディスク装置全体の概念図は図1のようになるが、本件発明において特徴的であるコントローラについての機能ブロック図を図15に示した。本実施形態に係る最適記録パワーを決定する光ディスク装置は、「第一テスト記録部」(1501)と、「式取得部」(1502)と、「第一計算部」(1503)と、「第一判断部」(1504)と、「第一追加テスト記録部」(1505)と、「パワーレンジ部分シフト実行部」(1506)と、を有する。
「第一テスト記録部」(1501)と、「式取得部」(1502)と、「第一計算部」(1503)と、「第一判断部」(1504)と、「第一追加テスト記録部」(1505)は実施形態1と同様であるので説明は省略する。
「パワーレンジ部分シフト実行部」(1506)は、第一パワーレンジとレンジ幅を同一にして第一最適記録パワーを含む側に第一パワーレンジ幅の1/4から3/4の範囲の定められた値分第一パワーレンジよりシフトしたレンジにてテスト記録を実行する機能を有する。すなわち、パワーレンジ部分シフト実行部は、前述したパワーレンジ部分シフト実行ステップにおける処理と同様の処理を実行する。このとき、CPU(2510)はパワーレンジ部分シフト実行プログラム及び追加テスト記録プログラムをRAM(2520)のワーク領域に読み込み、パワーシフト方向やシフト幅を決定し、再度テスト記録を実行する。
<実施形態5:効果>本実施形態に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置によれば、テスト記録のパワーレンジの初期設定が適切でなかった場合にはパワーレンジを部分的にシフトして再度テスト記録を実行するため、パワーレンジの初期設定の上限付近や下限付近に最適パワーレンジがある場合にも、追加テストにて最適なパワー値を含むパワーレンジでテスト記録を行うことが可能である。
<<実施形態6>>
<実施形態6:概要>本実施形態は、実施形態1に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置を基本とし、さらに、第一テスト記録の結果から算出された第一最適記録パワーをパワーレンジの中心として追加テスト記録を実行することを特徴とする最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置について説明する。
<実施形態6:最適記録パワーの決定方法>
図16は、本実施形態に係る最適記録パワー決定方法の処理フローを示す図である。本実施形態に係る最適記録パワー決定方法は、「第一テスト記録ステップ」(S1601)と、「式取得ステップ」(S1602)と、「第一計算ステップ」(S1603)と、「第一判断ステップ」(S1604)と、「第一追加テスト記録ステップ」(S1605)と、「中心実行ステップ」(S1606)と、を有する。
「第一テスト記録ステップ」(S1601)と、「式取得ステップ」(S1602)と、「第一計算ステップ」(S1603)と、「第一判断ステップ」(S1604)と、「第一追加テスト記録ステップ」(S1605)は実施形態1と同様であるので詳細な説明は省略する。
「中心実行ステップ」(S1606)は、第一最適記録パワーをパワーレンジの中心としてテスト記録を実行するステップである。図12(c)に示したように「第一計算ステップ」にて算出された第一最適記録パワーが7mWであった場合には、例えば、7mWを中心とする5mW〜9mWのパワーレンジを選択する。また、第一最適記録パワーが14mWであった場合には、12mW〜16mWのパワーレンジを選択する。このレンジ幅は4mWである必要はなく、第一パワーレンジ幅より大きくても小さくても良い。そして、再設定したパワーレンジにてテスト記録を実行する。
<実施形態6:光ディスク装置>
光ディスク装置全体の概念図は図1のようになるが、本件発明において特徴的であるコントローラについての機能ブロック図を図17に示した。本実施形態に係る最適記録パワーを決定する光ディスク装置は、「第一テスト記録部」(1701)と、「式取得部」(1702)と、「第一計算部」(1703)と、「第一判断部」(1704)と、「第一追加テスト記録部」(1705)と、「中心実行部」(1706)と、を有する。
「第一テスト記録部」(1701)と、「式取得部」(1702)と、「第一計算部」(1703)と、「第一判断部」(1704)と、「第一追加テスト記録部」(1705)は実施形態1と同様であるので説明は省略する。
「中心実行部」(1706)は、第一最適記録パワーをパワーレンジの中心としてテスト記録を実行する機能を有する。すなわち、中心実行部は、前述した中心実行ステップにおける処理と同様の処理を実行する。このとき、CPU(2510)は中心実行プログラム及び追加テスト記録プログラムをRAM(2520)のワーク領域に読み込み、シフト幅やパワーレンジ幅を決定し、再度テスト記録を実行する。
<実施形態6:効果>本実施形態に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置によれば、テスト記録のパワーレンジの初期設定が適切でなかった場合にはテスト記録の結果得られた第一最適記録パワーをパワーレンジの中心として再度テスト記録を実行するため、追加テストにて最適な記録パワーを決定できる可能性が高い。また、一度目のテスト記録により算出された第一最適記録パワー値をすぐに記録パワーとして決定するのではなく、第一最適記録パワー値を含む範囲で追加テストを行うためより確実に最適記録パワー値を決定することができる。
<<実施形態7>>
<実施形態7:概要>本実施形態は、実施形態2及び3に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置を基本とし、さらに、第一テスト記録で得られたアシンメトリ値の平均値と予め定められた目標アシンメトリ値との関係からパワーレンジをシフトして追加テスト記録を実行することを特徴とする最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置について説明する。
<実施形態7:最適記録パワーの決定方法>
図18は、本実施形態に係る最適記録パワー決定方法の処理フローを示す図である。本実施形態に係る最適記録パワー決定方法は、「第一テスト記録ステップ」(S1801)と、「係数取得ステップ」(S1802)と、「第二判断ステップ」(S1803)と、「第二追加テスト記録ステップ」(S1804)と、「大小関係算出ステップ」(S1805)と、「第一小さめ設定ステップ」(S1806)と、「第一大きめ設定ステップ」(S1807)と、を有する。本実施形態においては、実施形態2で追加テスト記録を行うと判断されたときのパワーレンジの再設定方法を説明するが、実施形態3で追加テスト記録を行うと判断されたときも同様にパワーレンジを再設定することが可能である。
「第一テスト記録ステップ」(S1801)と、「係数取得ステップ」(S1802)と、「第二判断ステップ」(S1803)と、「第二追加テスト記録ステップ」(S1804)は実施形態2と同様であるので詳細な説明は省略する。
「大小関係算出ステップ」(S1805)は、テスト記録ビットを読取って得たアシンメトリ値の平均値と予め定められた目標アシンメトリ値との大小関係を算出するステップである。「アシンメトリ値の平均値」とは、第一テスト記録ステップにより取得した各レーザパワーに対するアシンメトリ値の平均値のことである。第二判断ステップにおいて追加テスト記録が必要であると判断される図6(c)の場合を例に説明する。この場合のアシンメトリの平均値は3.0となる。また、予め定められた目標アシンメトリ値は0(ゼロ)であるとすると、算出される大小関係はアシンメトリ値の平均値は目標アシンメトリ値よりも大きいという関係である。
「第一小さめ設定ステップ」(S1806)は、算出された大小関係が予め定められた目標アシンメトリ値よりも大きいとの判断結果である場合には第二追加テスト記録のパワーレンジを第一パワーレンジよりも小さめに設定するステップである。小さめに設定する際の具体例をあげると、パワーの高い側からアシンメトリ値を1つずつ除きながら再度アシンメトリ平均値を算出し、その平均値が現在のアシンメトリ平均値3.0と目標アシンメトリ値0との平均値である、1.5を最初に下回ったパワーを上限として設定すると言う事である。図6(c)の例では記録パワーの高い側、14mWからアシンメトリ値を1点ずつ除いてアシンメトリ値の平均を求めて行くと、14mWから13mWまでのアシンメトリ値を除いた「10mWから12.5mWまでのアシンメトリ値6点の平均値」が1.17となり、先述の1.5を最初に下回る。従って第二追加テスト記録のパワーレンジは、全体的に14mWと12.5mWとの差である1.5mWだけ小さめにシフトさせ、8.5mWから12.5mWまでと設定する。
「第一大きめ設定ステップ」(S1807)は、算出された大小関係が予め定められた目標アシンメトリ値よりも小さいとの判断結果である場合には第二追加テスト記録のパワーレンジを第一パワーレンジよりも大きめに設定するステップである。大きめに設定する際の具体例をあげると、パワーの低い側からアシンメトリ値を1つずつ除きながら再度アシンメトリ平均値を算出し、その平均値が現在のアシンメトリ平均値と目標アシンメトリ値0との平均値を最初に上回ったパワーを下限として、高めにシフトさせ設定すると言う事である。図6(c)の例ではアシンメトリ値の平均値が3.0、目標アシンメトリ値が0であるので、第二追加テスト記録のパワーレンジをこの大きめの設定を行わないが、仮にアシンメトリ値の平均値が−3.0などであれば、パワーの低い側からアシンメトリ値を1点ずつ除きながらアシンメトリ値の平均値を算出し、最初に−1.5(−3.0と0との平均値)を上回ったパワーを下限としてパワーレンジを設定する。
第二追加テスト記録のパワーレンジを小さめ又は大きめに設定する方法は上述の方法に限られず、様々な方法で実現しうる。
<実施形態7:光ディスク装置>
光ディスク装置全体の概念図は図1のようになるが、本件発明において特徴的であるコントローラについての機能ブロック図を図19に示した。本実施形態に係る最適記録パワーを決定する光ディスク装置は、「第一テスト記録部」(1901)と、「係数取得部」(1902)と、「第二判断部」(1903)と、「第二追加テスト記録部」(1904)と、「大小関係算出部」(1905)と、「第一小さめ設定部」(1906)と、「第一大きめ設定部」(1907)と、を有する。
「第一テスト記録部」(1901)と、「係数取得部」(1902)と、「第二判断部」(1903)と、「第二追加テスト記録部」(1904)は実施形態2と同様であるので説明は省略する。
「大小関係算出部」(1905)は、テスト記録ビットを読取って得たアシンメトリ値の平均値と予め定められた目標アシンメトリ値との大小関係を算出する機能を有する。すなわち、大小関係算出部は、前述した大小関係算出ステップにおける処理と同様の処理を実行する。このとき、CPU(2510)は大小関係算出プログラム及びアシンメトリ値の記録パワー依存データをRAM(2520)のワーク領域に読み込み大小関係算出プログラムを実行する。そして、算出された大小関係をRAM(2520)の記憶データ領域に格納、保持する。
「第一小さめ設定部」(1906)は、算出された大小関係が予め定められた目標アシンメトリ値よりも大きいとの判断結果である場合には第二追加テスト記録のパワーレンジを第一パワーレンジよりも小さめに設定する機能を有する。すなわち、第一小さめ設定部は、前述した第一小さめ設定ステップにおける処理と同様の処理を実行する。算出された大小関係が予め定められた目標アシンメトリ値よりも大きいとの判断結果である場合には、CPU(2510)は第一小さめ設定プログラム及び追加テスト記録プログラムをRAM(2520)のワーク領域に読み込み、パワーレンジを小さめに設定して再度テスト記録を実行する。
「第一大きめ設定部」(1907)は、算出された大小関係が予め定められた目標アシンメトリ値よりも小さいとの判断結果である場合には第二追加テスト記録のパワーレンジを第一パワーレンジよりも大きめに設定する機能を有する。すなわち、第一大きめ設定部は、前述した第一大きめ設定ステップにおける処理と同様の処理を実行する。算出された大小関係が予め定められた目標アシンメトリ値よりも小さいとの判断結果である場合には、CPU(2510)は第一大きめ設定プログラム及び追加テスト記録プログラムをRAM(2520)のワーク領域に読み込み、パワーレンジを大きめに設定して再度テスト記録を実行する。
<実施形態7:効果>本実施形態に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置によれば、テスト記録のパワーレンジの初期設定が適切でなかった場合にはテスト記録によって得られたアシンメトリ値の平均値と予め定められた目標アシンメトリ値との大小関係により、パワーレンジをシフトして追加テスト記録を実行するので、より確実に最適記録パワー値を決定することができる。
<<実施形態8>>
<実施形態8:概要>本実施形態は、実施形態2及び3に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置を基本とし、さらに、第一テスト記録で得られたアシンメトリ値のうち予め定められた目標アシンメトリ値よりも大きい値をもつデータの数及び小さい値をもつデータの数の関係からパワーレンジをシフトして追加テスト記録を実行することを特徴とする最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置について説明する。
<実施形態8:最適記録パワーの決定方法>
図20は、本実施形態に係る最適記録パワー決定方法の処理フローを示す図である。本実施形態に係る最適記録パワー決定方法は、「第一テスト記録ステップ」(S2001)と、「係数取得ステップ」(S2002)と、「第二判断ステップ」(S2003)と、「第二追加テスト記録ステップ」(S2004)と、「多少関係算出ステップ」(S2005)と、「第二小さめ設定ステップ」(S2006)と、「第二大きめ設定ステップ」(S2007)と、を有する。本実施形態においては、実施形態2で追加テスト記録を行うと判断されたときのパワーレンジの再設定方法を説明するが、実施形態3で追加テスト記録を行うと判断されたときも同様にパワーレンジを再設定することが可能である。
「第一テスト記録ステップ」(S2001)と、「係数取得ステップ」(S2002)と、「第二判断ステップ」(S2003)と、「第二追加テスト記録ステップ」(S2004)は実施形態2と同様であるので詳細な説明は省略する。
「多少関係算出ステップ」(S2005)は、テスト記録ビットを読取って得たアシンメトリ値のうち予め定められた目標アシンメトリ値よりも大きい値をもつアシンメトリ値のデータ数と予め定められた目標アシンメトリ値よりも小さい値をもつアシンメトリ値のデータ数との多少関係を算出するステップである。第二判断ステップにおいて追加テスト記録が必要であると判断される図6(c)の場合を例に説明する。この場合、予め定められた目標アシンメトリ値は0(ゼロ)であるとすると、目標アシンメトリ値よりも大きい値をもつアシンメトリ値のデータ数は、7つである。また、小さい値をもつアシンメトリ値は、2つである。ゆえに、算出される多少関係は目標アシンメトリ値よりも大きい値をもつデータ数の方が多いという関係である。
「第二小さめ設定ステップ」(S2006)は、算出された多少関係が目標アシンメトリ値よりも大きな値のデータ数が目標アシンメトリ値よりも小さな値をもつデータ数よりも多いとの結果である場合には第二追加テスト記録のパワーレンジを第一パワーレンジよりも小さめに設定するステップである。小さめに設定する際の具体例をあげると、目標アシンメトリ値より大きい値を持つアシンメトリ値のデータ数から、目標アシンメトリ値より小さい値を持つアシンメトリ値のデータ数を差引き、その差の数に相当するだけ第二追加テスト記録のパワーレンジを小さい方向にシフトすると言う事である。図6(c)の例では、目標アシンメトリ値より大きなデータは7点、小さなデータは2点、差は5点であるので、第一テスト記録ステップにおける10mWから14mWまでのパワーレンジを、0.5mW×5=2.5mWだけ低くした、7.5mWから11.5mWまでを第二追加テスト記録のパワーレンジに設定する。
「第二大きめ設定ステップ」(S2007)は、算出された多少関係が目標アシンメトリ値よりも大きな値のデータ数が目標アシンメトリ値よりも小さな値をもつデータ数よりも少ないとの結果である場合には第二追加テスト記録のパワーレンジを第一パワーレンジよりも大きめに設定するステップである。大きめに設定する際の具体例をあげると、目標アシンメトリ値より小さい値を持つアシンメトリ値のデータ数から、目標アシンメトリ値より大きい値を持つアシンメトリ値のデータ数を差引き、その差の数に相当するだけ第二追加テスト記録のパワーレンジを大きい方向にシフトすると言う事である。図6(c)の例ではこの第二大きめ設定ステップには条件が該当しないが、仮に目標アシンメトリ値より小さなデータが7点、大きなデータが2点あったとすると、差は5点であるので、第一テスト記録ステップにおける10mWから14mWまでのパワーレンジを、0.5mW×5=2.5mWだけ高くした、12.5mWから16.5mWまでを第二追加テスト記録のパワーレンジに設定する。
第二追加テスト記録のパワーレンジを小さめ又は大きめに設定する方法は上述の方法に限られず、様々な方法で実現しうる。
<実施形態8:光ディスク装置>
光ディスク装置全体の概念図は図1のようになるが、本件発明において特徴的であるコントローラについての機能ブロック図を図21に示した。本実施形態に係る最適記録パワーを決定する光ディスク装置は、「第一テスト記録部」(2101)と、「係数取得部」(2102)と、「第二判断部」(2103)と、「第二追加テスト記録部」(2104)と、「多少関係算出部」(2105)と、「第二小さめ設定部」(2106)と、「第二大きめ設定部」(2107)と、を有する。
「第一テスト記録部」(2101)と、「係数取得部」(2102)と、「第二判断部」(2103)と、「第二追加テスト記録部」(2104)は実施形態2と同様であるので説明は省略する。
「多少関係算出部」(2105)は、テスト記録ビットを読取って得たアシンメトリ値のうち予め定められた目標アシンメトリ値よりも大きい値をもつアシンメトリ値のデータ数と予め定められた目標アシンメトリ値よりも小さい値をもつアシンメトリ値のデータ数との多少関係を算出する機能を有する。すなわち、多少関係算出部は、前述した多少関係算出ステップにおける処理と同様の処理を実行する。このとき、CPU(2510)は多少関係算出プログラム及びアシンメトリ値の記録パワー依存データをRAM(2520)のワーク領域に読み込み多少関係算出プログラムを実行する。そして、算出された多少関係をRAM(2520)の記憶データ領域に格納、保持する。
「第二小さめ設定部」(2106)は、算出された多少関係が目標アシンメトリ値よりも大きな値のデータ数が目標アシンメトリ値よりも小さな値をもつデータ数よりも多いとの結果である場合には第二追加テスト記録のパワーレンジを第一パワーレンジよりも小さめに設定する機能を有する。すなわち、第二小さめ設定部は、前述した第二小さめ設定ステップにおける処理と同様の処理を実行する。算出された多少関係が目標アシンメトリ値よりも大きな値のデータ数が目標アシンメトリ値よりも小さな値をもつデータ数よりも多いとの結果である場合には、CPU(2510)は第二小さめ設定プログラム及び追加テスト記録プログラムをRAM(2520)のワーク領域に読み込み、パワーレンジを小さめに設定して再度テスト記録を実行する。
「第二大きめ設定部」(2107)は、算出された多少関係が目標アシンメトリ値よりも大きな値のデータ数が目標アシンメトリ値よりも小さな値をもつデータ数よりも少ないとの結果である場合には第二追加テスト記録のパワーレンジを第一パワーレンジよりも大きめに設定する機能を有する。すなわち、第二大きめ設定部は、前述した第二大きめ設定ステップにおける処理と同様の処理を実行する。算出された多少関係が目標アシンメトリ値よりも大きな値のデータ数が目標アシンメトリ値よりも小さな値をもつデータ数よりも少ないとの結果である場合には、CPU(2510)は第二大きめ設定プログラム及び追加テスト記録プログラムをRAM(2520)のワーク領域に読み込み、パワーレンジを大きめに設定して再度テスト記録を実行する。
<実施形態8:効果>本実施形態に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置によれば、テスト記録のパワーレンジの初期設定が適切でなかった場合にはテスト記録によって得られたアシンメトリ値のうち予め定められた目標アシンメトリ値よりも大きい値をもつデータの数及び小さい値をもつデータの数の関係により、パワーレンジをシフトして追加テスト記録を実行するので、より確実に最適記録パワー値を決定することができる。
<<実施形態9>>
<実施形態9:概要>本実施形態は、実施形態1に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置を基本とし、追加テスト記録によって改めて算出された最適記録パワーが再び追加テストを実行すべき条件に合致するときは所定回数、追加テスト記録を繰り返すことを特徴とする最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置について説明する。
<実施形態9:構成>本実施形態に係る最適記録パワー決定方法は、第一追加テスト記録に基づいて得られた第二最適記録パワーが追加テストを実行すべき条件に合致する場合には同様に追加テスト記録を所定回数に至るまで繰り返す。第一追加テスト記録に基づいて第二最適記録パワーを得る手順は、実施形態1において第一テスト記録に基づいて第一最適記録パワーを得る手順と同様である。また、「追加テストを実行すべき条件」とは、得られた第二最適記録パワーが追加テストのパワーレンジ外であるという条件である。追加テスト記録は所定回数に至るまで繰り返す。所定回数とは10ないし20回程度である。所定回数を繰り返しても「追加テストを実行すべき条件」に合致するときにはテスト記録を実行している光ディスクに適切な記録を行うことは難しい判断し、光ディスクへの記録は行わない。また、リトライ回数を光ディスク装置に付随のインジケータ等に表示するようにしても良い。利用者は最適記録パワーを決定するのに何度テスト記録をする必要があったのかを知ることで、光記録媒体の痛み具合や性能を知ることができる。
本実施形態に係る最適記録パワーを決定する光ディスク装置は、「繰返テスト記録部」を有する。「繰返テスト記録部」は、第一追加テスト記録に基づいて得られた第二最適記録パワーが追加テストを実行すべき条件に合致する場合には同様に追加テスト記録を所定回数に至るまで繰り返し実行する機能を有する。すなわち、繰返テスト記録部は、前述した本実施形態に係る最適記録パワー決定方法における処理と同様の処理を実行する。第一追加テスト記録に基づいて得られた第二最適記録パワーが追加テストを実行すべき条件に合致する場合には、CPU(2510)は繰返テスト記録プログラムをRAM(2520)のワーク領域に読み込み実行する。繰返テスト記録プログラムにおいては、テスト記録プログラムにおけるパワーレンジをシフトしたパワーレンジを再設定し、再度テスト記録を実行する。繰返テスト記録プログラムは追加テストを実行すべき条件に合致する度にRAM(2520)のワーク領域に読み込まれ、実行される。
<実施形態9:効果>本実施形態に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置によれば、テスト記録の結果算出される最適記録パワーがテスト記録のパワーレンジ外であればテスト記録を繰り返すので最初のテスト記録で最適記録パワーを決定できない場合も何度か繰り返しテスト記録を行うことで最適記録パワーを決定することができる。また、繰り返し回数に制限を設けているので、最適記録パワーが決定できないような光ディスクに対してテスト記録を無限に繰り返すことはない。
<<実施形態10>>
<実施形態10:概要>本実施形態は、実施形態1に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置を基本とし、最終的に得る最適記録パワーはその最適記録パワーを得るために実行されたテスト記録のパワーレンジ内にあることを条件として最終的な最適記録パワーであると判断することを特徴とする最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置について説明する。
<実施形態10:構成>本実施形態に係る最適記録パワー決定方法は、「最終判断ステップ」を有する。「最終判断ステップ」は、最終的に得る最適記録パワーはその最適記録パワーを得るために実行されたテスト記録のパワーレンジ内にあることを条件として最終的な最適記録パワーであると判断するステップである。「最終的に得る最適記録パワー」とは、光ディスクへの記録を行う際に設定する記録パワーのことである。「最終的に得る最適記録パワー」はテスト記録のパワーレンジ内にあることを条件として判断される。
本実施形態に係る最適記録パワーを決定する光ディスク装置は、「最終判断部」を有する。「最終判断部」は、最終的に得る最適記録パワーはその最適記録パワーを得るために実行されたテスト記録のパワーレンジ内にあることを条件として最終的な最適記録パワーであると判断する機能を有する。すなわち、最終判断部は、前述した最終判断ステップにおける処理と同様の処理を実行する。このとき、CPU(2510)は最終判断プログラムをRAM(2520)のワーク領域に読み込み実行する。算出された最適記録パワーがその最適記録パワーを得るために実行されたテスト記録のパワーレンジ内にあるとの判断をした場合には、その算出された最適記録パワー値をRAM(2520)の記憶データ領域に格納、保持する。そして、ドライバーへその最適記録パワー値を出力し記録を行う際に光ピックアップが出力するレーザ光のパワーの設定を行う。算出された最適記録パワーがその最適記録パワーを得るために実行されたテスト記録のパワーレンジ内にないとの判断をした場合には、再度テスト記録を行う。
<実施形態10:効果>本実施形態に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置によれば、テスト記録の結果算出される最適記録パワーがテスト記録のパワーレンジ内であると判断したときに最適記録パワーとして採用するので、必ず最終的に取得する最適記録パワーの周辺でテスト記録を行っているということになる。このため、より信頼性の高い最適記録パワーを得ることが可能である。
<<実施形態11>>
<実施形態11:概要>本実施形態は、実施形態1から10に係る最適記録パワー決定方法を光記録媒体に対する実書込ごとに事前に実行することを特徴とする実書込方法及び光ディスク装置について説明する。
<実施形態11:構成>本実施形態に係る実書込方法は、光記録媒体に対して最適記録パワー決定方法を実書込ごとに事前に実行する。また、光ディスク装置は実書込ごとに事前に光記録媒体に対する最適記録パワーを決定する。その理由は、ディスクメーカが各ディスクのCDZに記述する推奨記録条件は、ディスクメーカがその保有する記録試験装置により、ある特定の時点で調整されたものであるので、それと同一では無い光ディスク装置でそれらの推奨値をそのまま使っても芳しい結果が得られる保証は全くないからである。つまり、同じストラテジ、同じパワーでレーザを照射したとしても同じ記録状態になるという保証は無く、特にDVD−Rの様な色素系の記録媒体では個体差や温度の違いのよりレーザの波長が変動し、レーザ波長が変動すると吸収率が変わる。そこで、目標アシンメトリ値を保持しておき、それと同一のアシンメトリとなる様に個々のドライブで、個々の記録の前にパワーを変化させる方が、個体差や温度の変動を吸収出来、記録状態はより良くなることが期待出来る。ただし、最適な記録が行えた時のパワーの値を参考データとして各ディスクに保持しておき、記録パワーを変化させる初期値を決定するために利用することは可能である。
<実施形態11:効果>本実施形態に係る実書込方法及び光ディスク装置によれば、光記録媒体に対する実書込ごとにテスト記録を行って最適記録パワーを決定するので、個体差や温度等の環境の変化にも対応し、記録時毎の状況に応じた最適の記録を行うことが可能である。
<<実施形態12>>
<実施形態12:概要>本実施形態は、実施形態1から10に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置を基本とし、最適記録パワーを決定するために行われる全てのテスト記録は光記録媒体に予め定められているテスト領域にて行うことを特徴とする最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置について説明する。
<実施形態12:構成>本実施形態に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置のテスト記録ステップ及びテスト記録部は全て光記録媒体に予め定められているテスト領域にてテスト記録を実行する。「予め定められているテスト領域」とは、光ディスクに設けられているいわゆるPCA(Power Calibration Area)と呼ばれる領域のことである。
<実施形態12:効果>本実施形態に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置によれば、全てのテスト記録を光記録媒体に予め定められているテスト領域にて実行し、信頼性の高い最適記録パワーを得てから記録管理領域に記録管理データの書き込みを行うので、記録管理領域に再生不能のデータを書いてしまう危険性はない。
<<実施例>>
<実施例:概要>本実施例は、実施形態1から12を組み合わせて最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置について説明する。
<実施例:最適記録パワーの決定方法>
図22は、本実施例に係る最適記録パワー決定方法の処理フローの一例を示す図である。本実施例に係る最適記録パワー決定方法は、「第一テスト記録ステップ」(S2201)と、「変化情報取得ステップ」(S2202)と、「第三判断ステップ」(S2203)と、「追加テスト記録ステップ」(S2204)と、「係数取得ステップ」(S2205)と、「第二判断ステップ」(S2206)と、「式取得ステップ」(S2207)と、「第一計算ステップ」(S2208)と、「最終判断ステップ」(S2209)と、を有する。
「第一テスト記録ステップ」(S2201)と、「変化情報取得ステップ」(S2202)と、「第三判断ステップ」(S2203)と、「係数取得ステップ」(S2205)と、「第二判断ステップ」(S2206)と、「式取得ステップ」(S2207)と、「第一計算ステップ」(S2208)、「最終判断ステップ」(S2209)は実施形態1から3及び10と同様であるので説明は省略する。
「追加テスト記録ステップ」(S2204)は、実施形態2及び3において追加テストをすべきであるとの判断結果であった場合にパワーレンジをシフトして追加テスト記録を実行するステップである。また、「最終判断ステップ」(S2209)においての判断がNOであった場合にも実行される。
具体例を用いて説明する。ここで、「第三判断ステップ」の「所定の条件」とは合計値SがS<12or30<Sであるとする。また、「第二判断ステップ」の「所定の閾値」とは相関係数が0.9であるとする。まず、「第一テスト記録ステップ」(S2201)を実行する。第一パワーレンジは、10mW〜14mWである。このとき得られたアシンメトリ値対記録パワー値のグラフが図23(a)であり、「変化情報取得ステップ」(S2202)にて第一テスト記録結果から変化情報を取得する。第一テスト記録のテストパワーレンジにおいてはアシンメトリ値が全体的に小さく、合計値Sは10であった。これは、「第三判断ステップ」(S2203)の「所定の条件」に当てはまるので、テスト記録のパワーレンジをシフトして「追加テスト記録ステップ」(S2204)にて追加テスト記録を実行する。ここでは、最適記録パワーを含むと予想される側であり、かつ第一パワーレンジと重複せず隣接するパワーレンジを選択する。現状ではアシンメトリ値が全体的に小さいので最適記録パワーはパワーの大きいほうに存在すると考えられる。そこで、追加テスト記録のパワーレンジとして14mW〜18mWを選択する。追加テスト記録により得られたアシンメトリ値対記録パワー値のグラフが図23(b)である。次に、「変化情報取得ステップ」(S2202)にて追加テスト記録結果から変化情報を取得する。追加テストにおいては、合計値Sは16であり、「第三判断ステップ」(S2203)の「所定の条件」に当てはまらないので、次の「係数取得ステップ」を実行する。ここで得られた相関係数は0.97である。これは、「第二判断ステップ」(S2206)の「所定の閾値」を下回らないと判断し、次の「式取得ステップ」(S2207)を実行する。図23(c)のように式が、y=3.2x−56.6と取得され、「第一計算ステップ」(S2208)にて第一最適記録パワーが決定される。第一最適記録パワーは17.7mWとなる。「最終判断ステップ」(S2209)にて、最適記録パワーはその最適記録パワーを得るために実行されたテスト記録のパワーレンジ内にあると判断し、これを最終的な最適記録パワーとして決定する。
<実施例:光ディスク装置>
光ディスク装置全体の概念図は図1のようになるが、本件発明において特徴的であるコントローラについての機能ブロック図を図24に示した。本実施例に係る最適記録パワーを決定する光ディスク装置は、「第一テスト記録部」(2401)と、「変化情報取得部」(2402)と、「第三判断部」(2403)と、「追加テスト記録部」(2404)と、「係数取得部」(2405)と、「第二判断部」(2406)と、「式取得部」(2407)と、「第一計算部」(2408)と、「最終判断部」(2409)と、を有する。
「第一テスト記録部」(2401)と、「変化情報取得部」(2402)と、「第三判断部」(2403)と、「係数取得部」(2405)と、「第二判断部」(2406)と、「式取得部」(2407)と、「第一計算部」(2408)と、「最終判断部」(2409)は実施形態1から3及び10と同様であるので説明は省略する。
「追加テスト記録部」(2404)は、実施形態2及び3において追加テストをすべきであるとの判断結果であった場合にパワーレンジをシフトして追加テスト記録を実行する機能を有する。また、「最終判断部」(2409)においての判断がNOであった場合にも実行する。すなわち、追加テスト記録部は、前述した追加テスト記録ステップにおける処理と同様の処理を実行する。判断結果が追加テストをすべきであるとの判断結果である場合には、CPU(2510)は追加テスト記録プログラムをRAM(2520)のワーク領域に読み込み実行する。追加テスト記録プログラムにおいては、テスト記録プログラムにおけるパワーレンジをシフトしたパワーレンジを再設定し、再度テスト記録を実行する。
<実施例:効果>本実施例に係る最適記録パワー決定方法及び最適記録パワーを決定する光ディスク装置によれば、テスト記録の結果取得したアシンメトリ値対記録パワーのデータから変化異常や相関係数を検討して最適記録パワーを算出するべきかパワーレンジを変更して再度テスト記録を実行するべきかを判断するため、テスト記録のパワーレンジが全く適当でないときに最適記録パワーを算出することはない。さらに、最適記録パワーがテスト記録のパワーレンジ内であることを条件に最適記録パワー値を決定するので信頼性の高い最適記録パワーを得ることが可能である。