JP4564675B2 - 油圧緩衝器のバルブ構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車の懸架装置など車体の振動を抑制する油圧緩衝器に関し、特に減衰力発生構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の油圧緩衝器としては、例えば、特開平3−163234号公報に開示された技術をピストンの上面側に適用した図4に示すようなものが知られている。まず構造の概要を図面に基づいて説明する。油圧緩衝器を車両に取り付けた状態では図4と上下関係が同じであるので、以下、図4の上下関係で油圧緩衝器の部材の位置或いは部位を説明する。
【0003】
車体と車輪との間に結合部材を介して取付けられる油圧緩衝器は、車体側に取り付けられるピストンロッド1の下端部にピストン5と伸側減衰力を制御するピストンバルブを組み付けそれを摺動自在に収容するとともに、下端部に圧側減衰力を制御するベースバルブを装着したシリンダ21を、車輪側に取り付けられる外筒22に収容し、外気を遮断するシール24とロッドガイド23とを収容したパッキンケース25を外筒22の上部から嵌挿した後、外筒22の上端部を全周溶接等により密封して形成されている。そして、シリンダ21と外筒22の間にはタンク室Dが形成される。
【0004】
作動油の充満したシリンダ21内をピストンロッド1が上昇する際には、密閉された上部室Aの作動油は、ピストンロッド1の下端部に組み付けられたピストンバルブを介して下部室Bに流出し、この際の通路抵抗が伸側減衰力となる。ピストンロッド1の上昇によって不足するピストンロッド退出体積分の作動油は、シリンダ21の下端部に組み付けられたベースバルブを介してタンク室Dに連なる底部室Cより補充される。
【0005】
つぎに、伸側減衰力を制御するピストンバルブについて説明する。
【0006】
ピストンロッド1の下端部には上部よりも小径のインロー部1Aが設けられ、ここにリーフバルブ3からなる逆止弁CVの最大撓みを規制するバルブストッパ2,外周縁が逆止弁CVの撓みの支持径となる環座7,リーフバルブ3,上面がリーフバルブ3に対向するピストン5を順次嵌挿する。
【0007】
シリンダ21内を上部室Aと下部室Bに区画し外周にガイド5Sを巻着したピストン5には、図2(C)に示すように、その上面側に開口面積が順に小さくなる複数の上側開口窓5D〜5Gが設けられ、当該各上側開口窓5D〜5Gは外周ポート5Aを介して下部室Bに連通するとともに、各上側開口窓5D〜5Gの間に形成された凹部5Kは内周ポート5Bを介して円環状の下側開口窓5Cに連通している。上側開口窓5D〜5Gには、オリフィス5Hが例えば打刻により形成されている。
【0008】
続いて、下側開口窓5Cに対向し外径が順に小さくなるリーフバルブ6A,6B,6Cからなる伸側減衰弁PV,外周縁が伸側減衰弁PVの撓みの支持径となる環座7,伸側減衰弁PVの最大撓みを規制するバルブストッパ8を順次組み付け、最後にピストンナット9をインロー部1Aのねじ部に螺着し、締付け工具により締結することによりピストンバルブが構成される。
【0009】
作動油の充満したシリンダ21内をピストンロッド1が上昇する所謂伸長工程において、ピストン速度が小さくピストン5の下側開口窓5Cと下部室B間の圧力差が小さい所謂低速域においては、伸側減衰弁PVは下側開口窓5Cを覆窓している。このため上部室Aの圧油は、ピストン5の外側開口窓5D〜5Gを包囲する窓枠に設けられたオリフィス5Hを通り、外周ポート5Aを介して下部室Bに流出し、この際の通路抵抗により、ピストン速度のほぼ2乗に比例する低速域の伸側減衰力を発生する。
【0010】
ピストン速度が増大するのに伴い、オリフィス5Hを通過する流量が増えオリフィス5H前後の圧力差が増大するとともに、内周ポート5Bを介して上部室Aに連通するピストン5の下側開口窓5Cと下部室B間の圧力差も大きくなる。ピストン速度が中速域に近づくにつれ、下側開口窓5Cに対向して配設されている伸側減衰弁PVの外周側が、その合成された撓み剛性に打ち勝って、下側開口窓5Cの外側シート部から押し開かれ、作動油が下部室Bに流出し、この際の通路抵抗と内周ポート5Bの通路抵抗とにより中速域以降の伸側減衰力を発生する。
【0011】
リーフバルブ6A,6B,6Cは外径が順に小さくなつているため、その合成された撓み剛性は、リーフバルブ6Aの撓みの増加に伴い徐々に増加するので、ピストン速度に対してリニアに立ち上がる減衰力特性を得ることができる。当該リーフバルブ6A,6B,6Cからなる伸側減衰弁PVの撓み剛性と内周ポート5Bの通路面積を適当に選択することにより、所要の減衰力特性を得ることができる。
【0012】
つぎに、圧側減衰力を制御するベースバルブについて説明する。まずガイド11の軸部11Aに、リーフバルブ13と切欠きリーフバルブ14からなる吸込み弁DVの最大撓みを規制するバルブストッパ12,外周縁が吸込み弁DVの撓みの支持部となる環座17,リーフバルブ13,当該リーフバルブ13の下側に重畳され外周に切欠き14Aを設けた切欠きリーフバルブ14,上面が切欠きリーフバルブ14に対向するバルブケース15を順次嵌挿する。
【0013】
シリンダ21の下端部に嵌着され下部室Bと底部室Cとを区画するバルブケース15には、下部室Bに連通する円環状の上側開口窓15Dと円環状の下側開口窓15Cとを連通する内周ポート15Bが穿孔されるとともに、底部室Cと円環状の外側開口窓15Eとを連通する外周ポート15Aが穿孔されている。
【0014】
続いて、ガイド11の軸部11Aに、上記バルブケース15の下側開口窓15Cに対向し外径が順に小さくなるリーフバルブ16A,16B,16Cからなる圧側減衰弁BV,更に、外周縁が圧側減衰弁BVの撓みの支持径となる環座17,圧側減衰弁BVの最大撓みを規制するバルブストッパ18を順次組み付け、最後に、ガイド11の軸部11Aの下端部を工具により加締めることによりベースバルブが構成される。
【0015】
作動油の充満したシリンダ21内をピストンロッド1が下降する所謂収縮工程において、ピストン速度が小さくバルブケース15の下側開口窓15Cと底部室C間の圧力差が小さい所謂低速域においては、圧側減衰弁BVは下側開口窓15Cを覆窓している。このためピストン5を介して容積の拡大する上部室Aに補充される分を除いた下部室Bの圧油は、切欠きリーフバルブ14の切欠き14A,バルブケース15の外側開口窓15E,外周ポート15Aを介して底部室Cに流出し、この際の通路抵抗により、ピストン速度のほぼ2乗に比例する低速域の圧側減衰力を発生する。
【0016】
ここで、ピストン5を介して容積の拡大する上部室Aに補充される下部室Bの圧油は、ピストン速度が小さくピストン5の外側開口窓5Eと上部室A間の圧力差が小さい所謂低速域においては、リーフバルブ3からなる逆止弁CVは外側開口窓5Eを覆窓している。このため、下部室Bの圧油はピストン5の外周ポート5Aを通り、オリフィス5Hを介して上部室Aに補充される。
【0017】
ピストン速度が増大するのに伴い、切欠き14Aを通過する流量が増え切欠き前後の圧力差が増大するとともに、リーフバルブ13の通孔13A,当該通孔13Aと連通する切欠きリーフバルブ14の開口部14B,バルブケース15の上側開口窓15D,内周ポート15Bを介して下部室Bに連通するバルブケース15の下側開口窓15Cと、底部室C間との圧力差も大きくなる。
【0018】
このため、ピストン速度が中速域に近づくにつれ、下側開口窓15Cに対向して配設されている圧側減衰弁BVの外周側が、その合成された撓み剛性に打ち勝って下側開口窓15Cの外側シート部から押し開かれ、作動油が底部室Cに流出し、この際の通路抵抗と内周ポート15Bの通路抵抗とにより中速域以降の圧側減衰力を発生する。
【0019】
リーフバルブ16A,16B,16Cは外径が順に小さくなつているため、その合成された撓み剛性は、リーフバルブ16Aの撓みの増加に伴い徐々に増加するので、ピストン速度に対してリニアに立ち上がる減衰力特性を得ることができる。当該リーフバルブ16A,16B,16Cからなる圧側減衰弁BVの撓み剛性と内周ポート15Bの通路面積を適当に選択することにより、所要の減衰力特性を得ることができる。
【0020】
ここで、容積の拡大する上部室Aには、ピストン5の外周ポート5Aを通り、リーフバルブ3からなる逆止弁CVの合成された撓み剛性に打ち勝って、逆止弁CVが、まず開口面積の最も大きい上側開口窓5Dから押し開かれ、ピストン速度が増大するに従って、開口面積の小さくなる上側開口窓5E,5F,5Gの順に押し開かれて、下部室Bから作動油が補充される。
【0021】
逆に、ピストンロッド1が上昇する際には、底部室Cからバルブケース15の外周ポート15Aを通り、リーフバルブ13と切欠きリーフバルブ14からなる吸込み弁DVの撓み剛性に打ち勝って、吸込み弁DVが外側開口窓15Eから押し開かれ、ピストンロッド1の退出体積分の作動油が下部室Bに補充される。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
油圧緩衝器が収縮行程から伸長行程に切り替わる際には、逆止弁CVは圧力が増大する上部室Aと下部室B間の差圧によって速やかに閉弁するので、上部室Aの圧油は伸側減衰弁PVを介して下部室Bに流出し、この際の通路抵抗により伸側減衰力を発生する。一方、底部室Cはバルブケースの外周ポート15Aを介して外側開口窓15Eに連通しているが、当該外側開口窓15Eには吸込み弁DVが対向しているので、底部室Cの作動油は、まず、切欠きリーフバルブ14の切欠き14Aを介して、容積の拡大する下部室Bに流入しようとする。
【0023】
しかし、切欠き14Aの通路面積Sは、例えば、切欠き巾=1.5mm,切欠き数=4,板厚=0.15mmの場合で、S=1.5×4×0.15=0.9mm程度と小さい。このため、特に底部室Cと下部室B間の差圧が小さいピストン速度の微低速域においては、吸込み弁DVを押し開くことができず下部室Bに作動油を十分補充できないため、減衰力の不連続を生じてしまう。
【0024】
同様に、油圧緩衝器が伸長行程から収縮行程に切り替わる際には、吸込み弁DVは圧力が増大する下部室Bと底部室C間の差圧によって速やかに閉弁するので、下部室Bの圧油は圧側減衰弁BVを介して底部室Cに流出し、この際の通路抵抗により圧側減衰力を発生する。一方、下部室Bは外周ポート5Aを介してピストンの上側開口窓5D〜5Gに連通しているが、当該上側開口窓には逆止弁CVが対向しているので、下部室Bの圧油は、まず、上側開口窓に設けられたオリフィス5Hを介して容積の拡大する上部室Aに流入しようとする。
【0025】
しかし、オリフィス5Hの通路面積Sは、例えば、巾=2mm,オリフィス数=4,深さ=0.15mmの場合で、S=2×4×0.15=1.2mm程度と小さい。このため、特に下部室Bと上部室A間の差圧が小さいピストン速度の微低速域においては、逆止弁CVを押し開くことができず上部室Aに作動油を十分補充することができないため、減衰力の不連続を生じてしまう。
【0026】
本発明は以上のような実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ピストン側の逆止弁と伸側減衰弁又はバルブケース側の吸込み弁と圧側減衰弁を小さな差圧で遅滞なく滑らかに開弁させ、減衰力の不連続に起因する異音の発生を防止することのできる油圧緩衝器を提供することである。
【0027】
【問題を解決するための手段】
本発明は、シリンダ内に二つの油室を区画するピストン又はバルブケースからなる隔壁部材を設け、隔壁部材には二つの油室を連通するポートと、このポートの出口側開口窓を開閉する逆止弁と伸側減衰弁又は吸込み弁と圧側減衰弁とを設けている油圧緩衝器を前提とする。
【0028】
課題を解決するため本発明の採った第1の手段は、隔壁部材の上面側に開口面積が異なる複数の上側開口窓を設け、逆止弁又は吸込み弁を、各上側開口窓に対向するリーフバルブと、リーフバルブの背面に重ねたリーフバルブより小径のサブリーフバルブと、サブリーフバルブの背面に重ねたサブリーフバルブより小径の環座とで構成し、上記サブリーフバルブと環座とは中央の取付孔を偏芯させることにより円周方向に沿って剛性を変化させ、開口面積の大きい上側開口窓から開口面積の小さい上側開口窓に対応して、それぞれ剛性の小さい部位から剛性の大きい部位を位置合わせしながらサブリーフバルブと環座とを配置したことである。
【0029】
つぎに第2の手段は、隔壁部材の上面側に開口面積が異なる複数の上側開口窓を設け、逆止弁又は吸込み弁を、各上側開口窓に対向するリーフバルブと、リーフバルブの背面に重ねられ各上側開口窓に対応する花弁状の支持片を備えたサブリーフバルブと、サブリーフバルブの背面に重ねたサブリーフバルブより小径の環座とで構成し、上記サブリーフバルブは、各支持片の巾と板厚、或いは軸芯から各支持片の外周縁に至る距離を変えることにより各支持片の剛性を変化させるとともに、環座は中央の取付孔を偏芯させることにより円周方向に沿って剛性を変化させ、開口面積の大きい上側開口窓から開口面積の小さい上側開口窓に対応して、それぞれ剛性の小さい部位から剛性の大きい部位を位置合わせしながらサブリーフバルブと環座とを配置したことである。
【0030】
また第3の手段は、第1および第2の手段において、隔壁部材の下面側に下側開口窓を設け、伸側減衰弁又は圧側減衰弁を、各下側開口窓に対向するリーフバルブと、リーフバルブの背面に重ねたリーフバルブより小径のサブリーフバルブと、サブリーフバルブの背面に重ねたサブリーフバルブより小径の環座とで構成し、上記サブリーフバルブと環座とは中央の取付孔を偏芯させることにより円周方向に沿って剛性を変化させ、それぞれ剛性の小さい部位から剛性の大きい部位を位置合わせしながらサブリーフバルブと環座とを配置したことである。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる油圧緩衝器は、図1に示すように、図4の従来技術と同じ基本構造を備え、ピストンロッド101がその下端部に装着されたピストン5を介して、シリンダ21内に移動自在に挿入されるとともに、上部室Aと下部室Bを区画する。また、シリンダ21の下端部にはバルブケース115が嵌着され、同じく下部室Bとタンク室Dに連通する底部室Cを区画している。
【0032】
本発明は、ピストン又はバルブケース115の上面側に下部室又は底部室に連なり開口面積の異なる複数の上側開口窓5D〜5Gを設けるとともに、開口面積の最も大きい上側開口窓5Dには逆止弁CV又は吸込み弁DVの撓み剛性の最も小さい部分を対応させ、開口面積の最も小さい上側開口窓5Gには撓み剛性の最も大きい部分を対応できるように位置合わせをして組み付け、逆止弁CV又は吸込み弁DVを、差圧が小さいピストン速度の微低速域から滑らかに開弁させ、減衰力の不連続に起因する異音の発生を防止する油圧緩衝器の構造に関するものである。
【0033】
開弁圧力の低減効果は、特にベースバルブ側の吸込み弁DVにおいて顕著であるが、ピストンバルブ側の逆止弁CVについても同様な効果がある。本発明に係わる吸込み弁DVと逆止弁CVとは、部品の内径が異なる程度で構造,作用,効果が類似しているため、まず、本発明をピストンバルブ側に適用した第1実施形態から説明する。
【0034】
ピストンロッド101の下端部には、図1(A)に示すように上部よりも小径のインロー部101Aが設けられ、ここに図2(A)に示すサブリーフバルブ103とリーフバルブ104からなる逆止弁CVの最大撓みを規制するバルブストッパ102,外周縁109Aが逆止弁CVの撓みの支持部となる環座109,サブリーフバルブ103,リーフバルブ104,図2(C)に示す上面がリーフバルブ104に対向するピストン5を、図1(B)に示すようにインロー部101Aの一部をD字状に切除した平坦部101Bに、各部品の内径側の位置決め用直線部Wを位置合わせして順次嵌挿する。
【0035】
上記環座109及びサブリーフバルブ103は、図2(D)にサブリーフバルブで例示するように、双方とも内径の軸芯Zからその外周縁109A及び103Aに至る距離が、開口面積の最も大きい上側開口窓5Dに対向するRdが最短で、上側開口窓の開口面積が5E>5F>5Gと順に小さくなるに従って、Re<Rf<Rgと順に長くなるように形成する。サブリーフバルブ103の外周縁103Aは、上記環座109の外周縁109Aよりも大きく且つリーフバルブ104の外径104Aよりも小さく設定されている。
【0036】
シリンダ21内を上部室Aと下部室Bに区画し外周にガイド5Sを巻着したピストン5の上面側には、図2(C)に示すように、開口面積が順に小さくなる複数の上側開口窓5D〜5Gが設けられ、当該各上側開口窓は外周ポート5Aを介して下部室Bに連通するとともに、各上側開口窓の間に形成された凹部5Kは、図3(A)に示すように、内周ポート5Bを介して円環状の下側開口窓5Cに連通している。
【0037】
続いて、ピストン5の下側開口窓5Cに対向し外径106Aが内径と同芯のリーフバルブ106と当該リーフバルブ106より外周縁107A,108Aが順に小さくなるサブリーフバルブ107,108からなる伸側減衰弁PV,サブリーフバルブ107の外径よりも小さく外周縁109Aが伸側減衰弁PVの撓みの支持部となる環座109を、インロー部101Aの一部をD字状に切除した平坦部101Bに、各部品の内径側の位置決め用直線部Wを位置合わせして順次嵌挿する。続いて、伸側減衰弁PVの最大撓みを規制するバルブストッパ8を組み付け、最後にピストンナット9をインロー部101Aのねじ部に螺着し、締付け工具により締結することによりピストンバルブが構成される。
【0038】
ここでサブリーフバルブ107及び108は、図3(B)に示すように、内径の軸芯Zからその外周縁107A及び108Aに至る距離が、例えば、X側が最短で、反対側のY側に向かって徐々に長くなるように形成され、外周縁107A及び108Aが上記環座109の外周縁109Aよりも大きく且つリーフバルブ106の外径106Aよりも順に小さくなるように設定されている。
【0039】
サブリーフバルブ103とリーフバルブ104、又は、リーフバルブ106とサブリーフバルブ107,108の基端側を背面から担持する環座109の外周縁109Aは、上記各サブリーフバルブの外周縁よりも小さく、内径の軸芯Zからその外周縁に至る距離が、開口面積の最も大きい上側開口窓5Dに対向するX側が最短で、開口面積が小さくなるに従って徐々に長くなるように位置合わせして重畳する。
【0040】
要求される減衰力によっては、図2(B)に示すように、逆止弁CV側のサブリーフバルブ103を省略してもよいし、サブリーフバルブ103又はリーフバルブ104を複数枚重畳して使用してもよい。同様に図3(C)に示すように、、伸側減衰弁PV側のリーフバルブ106に重畳されるサブリーフバルブ107,108のいずれか1方又は両方ともに省略してもよいし、リーフバルブ106又はサブリーフバルブ107,108を複数枚重畳して使用してもよい。
【0041】
上記第1実施形態の逆止弁CV側においては、サブリーフバルブ103の外周縁が円形の場合について説明したが、図2(E)に示す第2実施形態のように、サブリーフバルブ203に形成した花弁状の各支持片203D,203E,203F,203Gの基端部203Hから外周縁にかけての同心円上で測った巾Wを、開口面積の最も大きい上側開口窓5Dに対向するX側の203Dが最小で、開口面積が5E,5F,5Gと小さくなるに従って、203E,203F,203Gと段階的に大きくなるように形成してもよい。サブリーフバルブ203の撓み剛性は、上記各支持片の巾Wと板厚とによって調整することができる。
【0042】
また、図2(F)に示す第2実施形態の他の実施例は、サブリーフバルブ303の内径の軸芯Zから各支持片303D,303E,303F,303Gの外周縁に至る距離Rを、開口面積の最も大きい上側開口窓5Dに対向するX側の303Dが最小で、開口面積が5E,5F,5Gと小さくなるに従って、303E,303F,303Gと段階的に大きくなるように形成したものである。サブリーフバルブ303の撓み剛性は、上記各支持片の距離Rと板厚とによって調整することができる。
【0043】
上記サブリーフバルブ203,303とリーフバルブ104の基端側を背面から担持する環座109の外周縁109Aは、上記各サブリーフバルブの基端部203H(303H)よりも小さく、内径の軸芯Zからその外周縁に至る距離が、開口面積の最も大きい上側開口窓5Dに対向するX側が最短で、開口面積が小さくなるに従って徐々に長くなるように位置合わせして重畳する。
【0044】
この結果、逆止弁CVの撓み剛性は、いずれの実施形態においても開口面積の最も大きい上側開口窓5Dに対向する部分が最小で、開口面積が小さくなるに従って大きくなる一方、伸側減衰弁PVの撓み剛性は、図3(B)に示すX側が最小で、Y側にかけて徐々に大きくなる。
【0045】
上記花弁状のサブリーフバルブ203及び303は、図3(B)に示すリーフバルブ106に合せてサイズを小さくすれば、伸側減衰弁PV側にも使用することができる。この場合は、所要の減衰力に合せてリーフバルブ106を何枚か重ねて使用し、その下側にサイズを小さくした花弁状のサブリーフバルブと前記環座109とを位置合わせして重畳する。作用及び効果は上述した逆止弁CV側と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0046】
作動油の充満したシリンダ21内をピストンロッド1が下降する収縮行程から、ピストンロッド1が上昇する伸長行程に切り替わる際に、ピストン速度が小さくピストン5の下側開口窓5Cと下部室B間の圧力差が小さい微低速域においては、伸側減衰弁PVの撓み剛性はX側が最小であるため、上部室Aに連通する下側開口窓5Cの圧油は、当該下側開口窓5Cから伸側減衰弁PVのX側を小さい差圧で押し開いて下部室Bに流出し、この際の通路抵抗により、ピストン速度に対してリニアに立ち上がる低速域の伸側減衰力を発生する。
【0047】
従来構造の伸側減衰弁は撓み剛性が全周に亘り一様であるため、下側開口窓5Cの外側シート部から一気に開弁するのに対して、本発明の伸側減衰弁PVは撓み剛性が最小であるX側から徐々に開弁する。伸側減衰弁の外側シート部に対する吸着力は、一気に開弁するよりも徐々に開弁した方が小さいので、この点も開弁圧力を低下させる要因となる。
【0048】
ピストン速度が増大するのに伴い、内周ポート5Bを介して上部室Aに連通するピストン5の下側開口窓5Cと下部室B間の圧力差も大きくなるので、伸側減衰弁PVは、撓み剛性の小さいX側から撓み剛性の大きいY側にかけて徐々に且つ連続的に押し開かれる。このため、ピストン速度の低速域から中速域にかけて、ピストン速度に対してリニアに立ち上がる減衰力特性を得ることができる。
【0049】
リーフバルブ106とサブリーフバルブ107,108からなり、ピストン速度の中速域までの減衰力を制御する伸側減衰弁PVの撓み剛性と、中速域を越える減衰力を制御する内周ポート5Bの通路面積とを適当に選択することにより、所要の減衰力特性を得ることができる。
【0050】
つぎに、ピストンバルブ側の第1実施形態と同様な構造をベースバルブ側に適用したベースバルブ側の第1実施形態について説明する。ピストンバルブに対する主な変更点は、ピストン5及びピストンロッド101のインロー部がバルブケース115及びガイド111に置き換わり、それに伴い各部品の内径が小さくなることである。ベースバルブ側の部品はピストンバルブ側の部品と形状が類似しているので、図2の各図面を流用して( )付きで表示する。
【0051】
まずガイド111の軸部111Aに、図2(A)に示すように、外径が内径と同心のリーフバルブ114とサブリーフバルブ113とからなる吸込み弁DVの撓みの支持部となる環座119,サブリーフバルブ113,リーフバルブ114,図2(C)に示す上面がリーフバルブ114に対向するバルブケース115を、図1(B)に示すように軸部111Aの一部をD字状に切除した平坦部111Bに、各部品の内径側の位置決め用直線部Wを位置合わせして順次嵌挿する。
【0052】
上記環座119及びサブリーフバルブ113は、図2(D)にサブリーフバルブで例示するように、双方とも内径の軸芯Zからその外周縁119A及び113Aに至る距離が、開口面積の最も大きい上側開口窓115Dに対向するRdが最短で、上側開口窓の開口面積が115E>115F>115Gと順に小さくなるに従って、Re<Rf<Rgと順に長くなるように形成する。サブリーフバルブ113の外周縁113Aは、上記環座119の外周縁119Aよりも大きく且つリーフバルブ114の外径114Aよりも小さく設定されている。
【0053】
要求される減衰力によっては、図2(B)に示すように、逆止弁CV側のリーフバルブ114に重畳されるサブリーフバルブ113を省略してもよいし、サブリーフバルブ113又はリーフバルブ114を複数枚重畳して使用してもよい。
同様に図3(C)に示すように、伸側減衰弁PV側のリーフバルブ116に重畳されるサブリーフバルブ117,118のいずれか1方又は両方ともに省略してもよいし、リーフバルブ116又はサブリーフバルブ117,118を複数枚重畳して使用してもよい。
【0054】
シリンダ21内を上部室Aと下部室Bに区画するバルブケース115には、図2(C)に示すように、その上面側に開口面積が順に小さくなる複数の上側開口窓115D〜115Gが設けられ、当該各上側開口窓は外周ポート115Aを介して下部室Bに連通するとともに、各上側開口窓の間に形成された凹部115Kは、図3(A)に示すように、内周ポート115Bを介して円環状の下側開口窓115Cに連通している。
【0055】
続いて、下側開口窓115Cに対向し外径116Aが内径と同芯のリーフバルブ116と当該リーフバルブ116より外周縁117A,118Aが順に小さくなるサブリーフバルブ117,118とからなる圧側減衰弁BV,サブリーフバルブ118よりも小さく外周縁119Aが圧側減衰弁BVの撓みの支持部となる環座119を、ガイドの軸部111Aの一部をD字状に切除した平坦部111Bに、各部品の内径側の位置決め用直線部Wを位置合わせして順次嵌挿する。更に、圧側減衰弁BVの最大撓みを規制するバルブストッパ18を組み付け、最後にナット120を軸部111Aのねじ部に螺着し、締付け工具により締結することによりベースバルブが構成される。
【0056】
サブリーフバルブ113とリーフバルブ114からなる吸込み弁DV、又は、リーフバルブ116とサブリーフバルブ117,118からなる圧側減衰弁BVを背面から担持する環座119の外周縁119Aは、上記各リーフバルブの外径よりも小さく、内径の軸芯Zからその外周縁に至る距離が、開口面積の最も大きい上側開口窓115Dに対向するX側が最短で、開口面積が小さくなるに従って徐々に長くなるように位置合わせして重畳する。
【0057】
上記第1実施形態の吸込み弁DV側においては、サブリーフバルブ113の外周縁が円形の場合について説明したが、図2(E)に示すベースバルブ側の第2実施形態のように、サブリーフバルブ213に形成した花弁状の各支持片213D,213E,213F,213Gの基端部213Hから外周縁にかけての同心円上で測った巾Wを、開口面積の最も大きい上側開口窓5Dに対向するX側の213Dが最小で、開口面積が115E115F115Gと小さくなるに従って、213E,213F,213Gと段階的に大きくなるように形成してもよい。サブリーフバルブ213の撓み剛性は、上記各支持片の巾Wと板厚とによって調整することができる。
【0058】
また、図2(F)に示す第2実施形態の他の実施例は、サブリーフバルブ313の内径の軸芯Zから各支持片313D,313E,313F,313Gの外周縁に至る距離Rを、開口面積の最も大きい上側開口窓5Dに対向するX側の313Dが最小で、開口面積が115E115F115Gと小さくなるに従って、313E,313F,313Gと段階的に大きくなるように形成したものである。サブリーフバルブ313の撓み剛性は、上記各支持片の距離Rと板厚とによって調整することができる。
【0059】
上記サブリーフバルブ213,313とリーフバルブ114の基端側を背面から担持する環座119の外周縁119Aは、上記各サブリーフバルブの基端部213H(313H)よりも小さく、内径の軸芯Zからその外周縁に至る距離が、開口面積の最も大きい上側開口窓5Dに対向するX側が最短で、開口面積が小さくなるに従って徐々に長くなるように位置合わせして重畳する。
【0060】
この結果、吸込み弁DV又は圧側減衰弁BVの撓み剛性は、いずれの実施形態においても開口面積の最も大きい上側開口窓115Dに対向するX側が最小で、開口面積が小さくなるY側にかけて徐々に大きくなる。
【0061】
上記花弁状のサブリーフバルブ213及び313は、図3(B)に示すリーフバルブ116に合せてサイズを小さくすれば、圧側減衰弁BV側にも使用することができる。この場合は、所要の減衰力に合せてリーフバルブ116を何枚か重ねて使用し、その下側にサイズを小さくした花弁状のサブリーフバルブと前記環座119とを位置合わせして重畳する。作用及び効果は上述した吸込み弁DV側と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0062】
ここで、外周縁が内径の軸芯Zから偏芯しているピストン又はバルブケース側の環座109又は119,逆止弁CV側のサブリーフバルブ103,203,303、又は、吸込み弁DV側のサブリーフバルブ113,213,313は、ピストン5又はバルブケース115に対して周方向の位置合わせをして組み付ける必要がある。
【0063】
また、伸側減衰弁PV側の環座109とサブリーフバルブ107,108、又は、圧側減衰弁BV側の環座119とサブリーフバルブ117,118は、相互に位置合わせして組み付ける必要がある。このため、上記各部品は内径側に位置決め用直線部Wを形成する必要があるが、これ以外の部品は外径が内径の軸芯Zと同心であり周方向の位置合わせが不要であるので、位置決め用直線部Wを形成する必要はない。
【0064】
油圧緩衝器が伸長行程から収縮行程に切り替わる際に、ピストン速度が小さくバルブケース115の下側開口窓115Cと底部室C間の圧力差が小さい微低速域においては、上述したように、圧側減衰弁BVの撓み剛性はX側が最小である。このため、ピストン5を介して容積の拡大する上部室Aに補充される分を除いた下部室Bの圧油は、下部室Bに連通する下側開口窓115Cから圧側減衰弁BVのX側を小さい差圧で押し開いて底部室Cに流出し、この際の通路抵抗により、ピストン速度に対してリニアに立ち上がる低速域の圧側減衰力を発生する。
【0065】
従来構造の圧側減衰弁は撓み剛性が全周に亘り一様であるため、下側開口窓15Cの外側シート部から一気に開弁するのに対して、本発明の圧側減衰弁BVは撓み剛性が最小であるX側から徐々に開弁する。圧側減衰弁の外側シート部に対する吸着力は、一気に開弁するよりも徐々に開弁した方が小さいので、この点も開弁圧力を低下させる要因となる。
【0066】
ピストン速度が増大するのに伴い、内周ポート115Bを介して下部室Bに連通するバルブケース115の下側開口窓115Cと底部室C間の圧力差も大きくなるので、圧側減衰弁BVは、撓み剛性の小さいX側から撓み剛性の大きいY側側にかけて徐々に且つ連続的に押し開かれる。このため、ピストン速度の低速域から中速域にかけて、ピストン速度に対してリニアに立ち上がる減衰力特性を得ることができる。
【0067】
リーフバルブ116とサブリーフバルブ117,118からなり、ピストン速度の中速域までの減衰力を制御する圧側減衰弁BVの撓み剛性と、中速域を越える減衰力を制御する内周ポート115Bの通路面積とを適当に選択することにより、所要の減衰力特性を得ることができる。
【0068】
この場合、上側開口窓5D〜5Gに対向している逆止弁CVの撓み剛性は、開口面積の最も大きい上側開口窓5Dに対向するX側が最小になっているので、油圧緩衝器が伸長行程から収縮行程に切り替わる際に、下部室Bと上部室A間の差圧の小さいピストン速度の微低速域においては、ピストンの外周ポート5Aを介して上側開口窓5D〜5Gに連通している下部室Bの作動油は、まず、開口面積の最も大きい上側開口窓5Dを小さい差圧で押し開いて上部室Aに補給される。
【0069】
ピストン速度の増大につれて、下部室Bと上部室A間の差圧が増加するので、開口面積の最も大きい上側開口窓5Dから開口面積の小さい5Gにかけて順々に押し開かれ、下部室Bの作動油が差圧の小さいピストン速度の微低速域からスムーズに上部室Aに補充される。このように、下部室Bから小さい差圧で上部室Aに作動油が補充されるため、減衰力の不連続を発生しにくく、減衰力の不連続に起因する異音の発生を防止することができる。
【0070】
同様に、バルブケース115の上側開口窓に対向している吸込み弁DVの撓み剛性は、開口面積の最も大きい上側開口窓115Dに対向する部分が最小になっているので、油圧緩衝器が収縮行程から伸長行程に切り替わる際に、底部室Cと下部室B間の差圧の小さいピストン速度の低速域においては、バルブケースの外周ポート115Aを介して開口面積が順に小さくなる上側開口窓115D〜115Gに連通している底部室Cの作動油は、まず、開口面積の最も大きい上側開口窓115Dを小さい差圧で押し開いて下部室Bに補給される。
【0071】
ピストン速度の増大につれて、底部室Cと下部室B間の差圧が増加するので、開口面積の最も大きい上側開口窓115Dから開口面積の小さい115Gにかけて順々に押し開かれ、底部室Cの作動油が差圧の小さいピストン速度の微低速域からスムーズに下部室Bに補充される。このように、底部室Cから小さい差圧で下部室Bに作動油が補充されるため、減衰力の不連続を発生しにくく、減衰力の不連続に起因する異音の発生を防止することができる。
【0072】
【発明の効果】
以上詳述した通り本発明に係わるピストンバルブとベースバルブは、いずれの実施形態においても構造,作用,効果が類似しているので、まず、発明の効果を収縮行程から伸長行程に切り替わる場合から説明する。油圧緩衝器が収縮行程から伸長行程に切り替わる際には、バルブケースの外周ポートを介して底部室に連通する上側開口窓に対向している吸込み弁の撓み剛性が、開口面積の最も大きい上側開口窓に対向する部分が最小になっているので、底部室と下部室間の差圧の小さいピストン速度の微低速域においては、底部室の作動油は、まず、開口面積の最も大きい上側開口窓を小さい差圧で押し開いて下部室に補給される。
【0073】
ピストン速度の増大につれて、底部室と下部室間の差圧が増加するので、開口面積の最も大きい上側開口窓から開口面積の小さい上側開口窓にかけて順々に押し開かれ、底部室の作動油が差圧の小さいピストン速度の微低速域からスムーズに下部室に補充される。このため減衰力の不連続を発生しにくく、減衰力の不連続に起因する異音の発生を防止することができる。
【0074】
同様に、油圧緩衝器が伸長行程から収縮行程に切り替わる場合には、ピストンの外周ポートを介して下部室に連通する上側開口窓に対向している逆止弁の撓み剛性が、開口面積の最も大きい上側開口窓に対向する部分が最小になっているので、下部室と上部室間の差圧の小さいピストン速度の低速域においては、下部室の作動油は、まず、開口面積の最も大きい上側開口窓を小さい差圧で押し開いて上部室に補給される。
【0075】
ピストン速度の増大につれて、下部室と上部室間の差圧が増加するので、開口面積の最も大きい上側開口窓から開口面積の小さい上側開口窓にかけて順々に押し開かれ、下部室の作動油が差圧の小さいピストン速度の微低速域からスムーズに上部室に補充される。このため減衰力の不連続を発生しにくく、減衰力の不連続に起因する異音の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)本発明の第1実施形態に係わる油圧緩衝器の要部断面図である。
(B)ピストンロッドのインロー部(ガイドの軸部)の断面図である。
【図2】(A)本発明のピストンバルブ側(ベースバルブ側)の第1実施形態に係わる逆止弁(吸込み弁)を重畳した平面図である。
(B)上記第1実施形態の他の実施例に係わる逆止弁(吸込み弁)を重畳した平面図である。
(C)ピストン(バルブケース)の上面図である。
(D)上記第1実施形態に係わるサブリーフバルブの軸芯から外周縁に至る距離の変化を示す説明図である。
(E)本発明のピストンバルブ側(ベースバルブ側)の第2実施形態に係わる逆止弁(吸込み弁)を重畳した平面図である。
(F)上記第2実施形態の他の実施例に係わる逆止弁(吸込み弁)を重畳した平面図である。
【図3】(A)ピストン(バルブケース)の下面図である。
(B)本発明のピストンバルブ側(ベースバルブ側)の第1実施形態に係わる伸側減衰弁(圧側減衰弁)を重畳した平面図である。
(C)上記第1実施形態の他の実施例に係わる伸側減衰弁(圧側減衰弁)を重畳した平面図である。
【図4】従来技術に係る油圧緩衝器の縦断面図である。
【符号の説明】
A 上部室
B 下部室
C 底部室
D タンク室
BV 圧側減衰弁
CV 逆止弁
DV 吸込み弁
PV 伸側減衰弁
R 軸芯から各支持片の外周縁に至る距離
W 各支持片の巾
Z 軸芯
21 シリンダ
101 ピストンロッド
103,203,303 サブリーフバルブ(逆止弁側)
113,213,313 サブリーフバルブ(吸込み弁側)
103A,113A サブリーフバルブの外周縁(逆止弁側,吸込み弁側)
104,114 リーフバルブ(逆止弁側,吸込み弁側)
106,116 リーフバルブ(伸側減衰弁側,圧側減衰弁側)
107,108 サブリーフバルブ(伸側減衰弁側)
107A,108A サブリーフバルブの外周縁(伸側減衰弁側)
109,119 環座(ピストン側,バルブケース側)
109A,119A 環座の外周縁(ピストン側,バルブケース側)
115 バルブケース
117,118 サブリーフバルブ(圧側減衰弁側)
117A,118A サブリーフバルブの外周縁(圧側減衰弁側)
203D〜203G,303D〜303G 支持片(逆止弁側)
213D〜213G,313D〜313G 支持片(吸込み弁側)

Claims (3)

  1. シリンダ内に二つの油室を区画するピストン又はバルブケースからなる隔壁部材を設け、隔壁部材には二つの油室を連通するポートと、このポートの出口側開口窓を開閉する逆止弁と伸側減衰弁又は吸込み弁と圧側減衰弁とを設けている油圧緩衝器において、隔壁部材の上面側に開口面積が異なる複数の上側開口窓を設け、逆止弁又は吸込み弁を、各上側開口窓に対向するリーフバルブと、リーフバルブの背面に重ねたリーフバルブより小径のサブリーフバルブと、サブリーフバルブの背面に重ねたサブリーフバルブより小径の環座とで構成し、上記サブリーフバルブと環座とは中央の取付孔を偏芯させることにより円周方向に沿って剛性を変化させ、開口面積の大きい上側開口窓から開口面積の小さい上側開口窓に対応して、それぞれ剛性の小さい部位から剛性の大きい部位を位置合わせしながらサブリーフバルブと環座とを配置したことを特徴とする油圧緩衝器のバルブ構造。
  2. シリンダ内に二つの油室を区画するピストン又はバルブケースからなる隔壁部材を設け、隔壁部材には二つの油室を連通するポートと、このポートの出口側開口窓を開閉する逆止弁と伸側減衰弁又は吸込み弁と圧側減衰弁とを設けている油圧緩衝器において、隔壁部材の上面側に開口面積が異なる複数の上側開口窓を設け、逆止弁又は吸込み弁を、各上側開口窓に対向するリーフバルブと、リーフバルブの背面に重ねられ各上側開口窓に対応する花弁状の支持片を備えたサブリーフバルブと、サブリーフバルブの背面に重ねたサブリーフバルブより小径の環座とで構成し、上記サブリーフバルブは、各支持片の巾と板厚、或いは軸芯から各支持片の外周縁に至る距離を変えることにより各支持片の剛性を変化させるとともに、環座は中央の取付孔を偏芯させることにより円周方向に沿って剛性を変化させ、開口面積の大きい上側開口窓から開口面積の小さい上側開口窓に対応して、それぞれ剛性の小さい部位から剛性の大きい部位を位置合わせしながらサブリーフバルブと環座とを配置したことを特徴とする油圧緩衝器のバルブ構造。
  3. 隔壁部材の下面側に下側開口窓を設け、伸側減衰弁又は圧側減衰弁を、各下側開口窓に対向するリーフバルブと、リーフバルブの背面に重ねたリーフバルブより小径のサブリーフバルブと、サブリーフバルブの背面に重ねたサブリーフバルブより小径の環座とで構成し、上記サブリーフバルブと環座とは中央の取付孔を偏芯させることにより円周方向に沿って剛性を変化させ、それぞれ剛性の小さい部位から剛性の大きい部位を位置合わせしながらサブリーフバルブと環座とを配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の油圧緩衝器のバルブ構造。
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