JP4564134B2 - フルオロポリマー分散体混合物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の表面、好ましくは金属およびセラミックの表面を被覆するため、および繊維製品の含浸とキャストフィルムの製造に使用する水性フルオロポリマー分散体に関する。
より詳細には、本発明は、高い臨界厚さを有するフィルムを形成し、工業用サイクルが受け入れることができる6ヶ月以上の保存寿命を有するフルオロポリマーに関する。これらの分散体から得られるフィルムは、高温時における良好な機械的特性と良好な光学的特性とを有し、並びに多孔度とフィルム表面の粗さが減少している。
【0002】
「臨界厚さ」とは、フィルムにクラックおよび表面欠陥を生じることなく得られる最大厚さを意味する。より高い厚さに対応して、フィルムにクラックを生じることなく臨界厚さを増加させることは、適用の用面から重要である。臨界さが大きくなると、配合や種々の技術によって配合を変えることについての自由度を大きくし、変成工程における生成物の信頼性を高める。「より高い臨界厚さ」は、金属表面のコーティング、含浸およびキャストフィルムの工業的サイクルにおける高い生産性を意味する。
【0003】
【従来の技術】
従来、広い粒子径分布(PSD)を有する重合体の分散体は、分散体中の固形画分の量は同じであるが、多くの産業上の利用分野における応用という見地から、レオロジー特性、とりわけ低粘度の改善を示すことが知られている。例えば、J. of Applied Polymer Sci., 15, 2007-2021(1971)およびPolymer, 33(22), 4832-4837(1992)を参照されたい。この概念は、バイモーダルまたはマルチモーダルなPSDsを有する分散体粒子を得るために応用される。例えば、スチレン−ブタジエンゴムラテックス(SBR)についてはUSP 4,657,966を、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)ラテックスについてはUSP 4,385,157を、ゴムラテックスブレンドについてはUSP 4,334,039を参照されたい。
【0004】
既に報告された学術論文としては、J. Applied Polymer Sci., 70, 2667-2677(1998)、Colloid Polymer Sci., 276, 305-312(1998)、Colloid Polymer Sci., 275, 986-991(1997)、J. of Rheology 32, 751-771(1988)などが挙げられる。フルオロポリマーの水性分散体に応用された同じ概念は、EP 657,514で報告されている。この特許には、乳化重合され、各通路でクラックを生成することなく適用される重合体量を最適化するために(特に、繊維製品の含浸分野において)、バイモーダル粒子径分布を得るために混合されることによって製造されたフルオロポリマー分散体の混合物(熱可塑性の重合体は明白に除かれている)の使用が記載されている。径の小さな粒子と径の大きな粒子との粒径の比は0.3〜0.7の範囲である。
【0005】
第一の分散体の数平均粒径は180〜440nmであり、第二のフルオロポリマー分散体の平均粒径は50〜150nmである。平均粒径の大きい粒子に対する平均粒径の小さい粒子の量は、5〜50重量%、好ましくは5〜20重量%である。この特許の実施例には、実質的に繊維製品の含浸処理が記載されており、小さな粒径の成分を10重量%および18重量%使用することによって、クラックを生成させずに、各通路におけるフルオロポリマーの適用量が増加することが記載されている。もしも、これら2つ以外の値の量で使用した場合には、クラックが認められた。実施例においては、粒径の小さい粒子の径は100〜110nmであり、上記の比は0.45〜0.5である。金属コーティングに関する唯一の実施例では、粒径の小さいフルオロポリマーの量が10%であると、平均粒子径が大きい上記フルオロポリマーのみを用いて作成したフィルムと比較して、フィルム硬度が増大することが記載されている。
【0006】
本発明の発明者らは、上記特許に挙げられていた最も小さい値の粒径の小さい粒子を用いて、および、例えば、上記特許が教示する多量の界面活性剤を上記特許の実施例で挙げられていた量で用いて、実施例の再現を試みた。本発明の発明者等はまた、上記特許において示唆された粒径の小さい粒子と粒径の大きい粒子の最も低い比の限界を超える教示(0.3より小さい)を外挿することによって、上記特許を再現しようとした。本発明の発明者らによるこうした試みはすべてラテックスをそれ自身として不安定なものとし、ノニオン性界面活性剤で安定化されたが、臨界厚さ、機械的特性、フィルムの光沢などの全体的な特性を、1〜2日または1〜2週間の保存で低下させた。このことは、分散体は短期間に製造し、使用すべきであり、工業的サイクルとは適合しないことから、この出願の限界を示している。2〜3ヶ月老化した後の上記のラテックスの場合には、いずれの場合も、上述したように初期の特性を維持できなかった。工業的観点からは、上記のラテックスは有用性に乏しい。
【0007】
同じPSDの概念はWO 98/58984に記載されたバイモーダルについて応用されており、ここでは、EP 657,514と比較して、混合物成分の1つとしてフッ素化熱可塑性重合体が使用されている。この特許の教示により、好適なバイモーダル効果を実体化し、80nm以下の小粒子の数を増加させることができたが、これは熱加工可能な重合体に限定された特別なものである。このため、高温では機械的特性が低下するという欠点がある。
100nm以下の粒径の小さなフルオロポリマーを得るための従来の方法は、大量に界面活性剤を使用する。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子に関連するEP 248,446およびEP 369,466を参照されたい。得られた粒子は、長さ−直径 L/D比が5より大きく異方性である。これらの粒子は、通常、フィブリルと呼ばれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような状況に鑑み、本発明の目的は、高い臨界厚さを有するフィルムを形成することができ、高温においても良好な光学特性と機械的特性とを有し、多孔度と粗さとが減少しており、工業的に許容できる保存寿命、すなわち、少なくとも6ヶ月保存した後でも上記の特性を有する水性フルオロポリマー分散体を提供することにある。
本発明の発明者等は、驚くべき事に、不安定性(保存寿命)の問題と所望のフィルム性能が得られないという問題とが、粒径の小さな粒子数中のフィブリルの存在に関連することを発見した。また、本発明の発明者等は、上記の技術的な問題を以下に定義される分散体を使用することによって解決できるということをもまた、発見した。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、下記の成分(a)および(b)を含むフルオロポリマー分散体の混合物が提供される。
(a)テトラフルオロエチレン(TFE)の単独重合体、またはTFEと少なくとも1つのエチレン系不飽和結合を有する1以上のコモノマー0〜8重量%、好ましくは0.01〜3重量%との共重合体であって、平均粒子径180〜400nm、好ましくは200〜300nmを有するものによって構成される1種以上の分散体;
(b)少なくとも1つのエチレン系不飽和結合を有する単量体とテトラフルオロエチレン(TFE)との少なくとも1種の共重合体の分散体であって、長さ/直径(L/D)比が5より大きい重合体粒子であるフィブリルが分散体の総粒子数の10%未満、好ましくは5%未満、さらに好ましくは1%未満となる量のコモノマーを含み、該分散体成分(b)は、生じた重合体がエラストマーでない重合体を生じる量のコモノマーを含み、さらに熱加工性でない溶融体の組成および粘度特性を示す量のコモノマーを含み、分散体の平均粒子径が約90nm未満、好ましくは10〜80nm、より好ましくは20〜60nmである分散体。
【0010】
ここで、成分(a)と成分(b)との間の重量比は、乾燥物換算重量比で99/1〜80/20、より好ましくは98/2〜92/8であることが好ましい。また、分散体(b)の粒子径と分散体(a)の粒子径との比が0.3以下であることが好ましく、分散体(b)は分散体(a)の小粒子径画分に対して広い粒子径分布を有することが好ましい。本発明はまた、下記(a)〜(e)の工程を含むことを特徴とする上記分散体(b)の製造方法である。
【0011】
(a)パーフルオロ化末端基、または所望によりフッ素に代えて1以上のH、Clを有する端基を有するパーフルオロポリエーテル(PFPE)の水性微細乳化物を製造する工程と、
(b)重合容器中に前記微細乳化物を、微細乳化物のパーフルオロエーテル油相が反応媒体1Lに対して2mLより多量に存在するように供給する工程と、
(c)前記重合容器中に反応溶媒を供給し、反応容器中の気体を排出し、TFEガスで加圧し、所望により、界面活性剤、安定剤、コモノマーおよび連鎖移動剤を添加する工程と、
(d)開始剤を添加し、界面活性剤、安定剤、コモノマーおよび連鎖移動剤を所望により添加する工程と、
(e)重合体ラテックスを取出す工程。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
一般的に、上記の(a)と(b)とで形成される分散体混合物は、熱加工できない溶融体の組成と粘度とを示す。
上記の分散体(b)は粒子総数の10%未満、好ましくは5%未満、さらに好ましくは1%未満のフィブリルを含む。上記のフィブリルを多量に含む分散体は、この分散体が当初は臨界厚さを増加させるのに効果的であったとしても、状況によって異なるが2〜3日から1〜2ヶ月の間に臨界厚さの増加が減少しバイモーダル(多分散)混合物の使用による利点を失わせるほどに、他の性能をも低下させるということは、本発明の発明者等によって発見された。なお、コーティングに適用している間に分散体とそれから得られた配合が不安定であるという問題が生じ、この問題は分散体を使用不可能なものとしている。
【0013】
理論的には、これに拘束されるものではないが、本発明の発明者等は、分散体中に存在しているフィブリルは分離相を形成しやすく、互いにかつ大きな粒子の分散体の球形粒子と連結しやすいこと、そして、不安定な部位を生じさせ、分散体が上述のような特性が組み合わさった質の良いコーティングを与えるために正確な適用を妨げるものと考えた。こうした分離および凝集現象は、分散体が重合によって直接に得られる場合、および界面活性剤でさらに安定化される場合のいずれでも起こる。
本発明の発明者等は、本発明の結果物を得るためには、上記の粒径分布を有し、かつ上述したよりも少ない分散体(b)中のフィブリルの割合を有する少なくとも2種の分散体が必要であるということを発見した。
【0014】
成分(a)と成分(b)との乾燥重量換算の重量比は、99/1〜80/20、好ましくは99/1〜90/10、さらに好ましくは98/2〜92/8である。この分散体は、通常、乾燥重量換算で25重量%〜75重量%、好ましくは40重量%〜65重量%の濃度で使用される。公知の方法(ノニオン性界面活性剤を添加して加熱するか、または限外ろ過する)で予め濃縮された(a)成分と、(b)成分がオートクレーブでの重合または(a)成分と同様の上記の濃縮で得られる場合には(b)成分とを単純に混合することによって混合物が得られる。または2種のラテックスを濃縮することによって混合物を得ることもできる。分散体(a)の粒径に対する分散体(b)の粒径の比は、好ましくは0.3より小さく、より好ましくは0.1〜0.25である。
【0015】
さらに、本発明の発明者らは、分散体(b)の粒径分布を分散体(a)の分布範囲の下限を含むように広げると、より広範な組成の範囲で臨界厚さを安定して増加させることができることを発見した。異なる平均粒径を有する(b)型の分散体をより多量に混合することで、上記のような拡張が可能となる。
TFEコモノマーの中で、フッ素化されたコモノマーとしては以下のものを挙げることができる。
ヘキサフルオロプロペン(HFP)などのC3〜C8パーフルオロオレフィン;フッ化ビニル(VF)、フッ化ビニリデン(VDF)、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブテン、式CH2=CF−Rf(Rf=C1〜C6パーフルオロアルキルである)で表されるパーフルオロアルキルエチレンなどの水素化されたC2〜C8フルオロオレフィン;
【0016】
クロロトリフルオロエチレン(CTFE)などのC2〜C8のクロロフルオロオレフィンおよび/またはブロモフルオロオレフィンおよび/またはヨードフルオロオレフィン;
式CF2=CFORfで表される(パー)フルオロアルキルビニルエーテル(式中、Rfは、例えば、CF3、C25、C37などのC1〜C6(パー)フルオロアルキルである);
式CF2=CFOXで表される(パー)フルオロオキシアルキルビニルエーテル(式中、XはC1〜C12のアルキル基、C1〜C12のオキシアルキル基、またはエーテル性基を1つ以上有するC1〜C12(パー)フルオロオキシアルキル基、例えば、パーフルオロ−2−プロポキシープロピル基である);
【0017】
フルオロジオキソール、好ましくはパーフルオロジオキソール;
式CF2=CFOCF2CF2CF=CF2またはCFX1=CX2OCX34OCX2=CX1Fで表される型の非共役ジエン(式中、X1およびX2は互いに同一であっても異なっていてもよく、F、ClまたはHであり、X3およびX4は、同一であっても異なっていてもよく、FまたはCF3であり、重合中に環状重合する)。
一般的には、上記の重合体分散体(b)中のコモノマー量は、コノモマーの種類によって、約0.5〜20重量%、好ましくは1.5〜18重量%であることが好ましい。当業者は、熱加工できない重合体、すなわち、溶融体から加工できないもの(押出によって熱成形して製品とすることができないもの)となるかどうかを、日常試験によって、コモノマーの量を定量することで知ることができる。
本発明の発明者等は、フッ素化微細乳化物にその重合技術を同時に使用することで、もっともよい結果が得られることをも発見した。これは、本出願人による欧州特許出願EP 99112083.3に記載されており、コモノマーは高い改質性を有している。例えば、下記式(I)で表される(パー)フルオロジオキソールが好ましい。
【0018】
【化5】
Figure 0004564134
【0019】
(式中、Y’=H、Cl、F、CF3、OCF3;X1およびX2は同一であっても異なっていてもよく、FまたはCF3である。)EP 633,257に記載されたこれらのコモノマーの合成方法では、80/20のsin/anti構造のジオキソールが得られることから、Y’=OCF3であり、X1およびX2はFであることが好ましい。
本発明によれば、好適なコモノマーは、PTFEよりも熱安定性が実質的に低くはなく、そして分子量も実質的に小さくはないものである。
あるいは、式(I)で表されるジオキソール、重合中に環状重合する上記のようなジエンなどを使用することができる。
ジオキソールクラス(I)は、PCSで測定した平均寸法が20〜80nmの分散体であって、実質的にフィブリルがなく、重合体の乾燥画分が20重量%以上、好ましくは25重量%以上のものを得ることを可能にする。分散体(b)を形成する重合体は、コモノマー(I)を好ましくは1.1〜3重量%、より好ましくは1.5〜2.5重量%含有する。
【0020】
パーフルオロ化したコモノマークラス(I)の利点は、コモノマーが高分子鎖中に入ったときに単分子停止反応を起こさず、このために高分子量とすることができ、機械的特性の向上、特に200℃以上の高温における特性の改善が保証されることにある。本発明の発明者等は、上述した値の下でフィブリル形成を制限することができること、またこうした条件の下で重合することによって平均粒径が100nmを超える分散体(b)が得られるように制限できることを発見した。しかしながら、これらの分散体は、バイモーダル(多分散)分布と組合せた肯定的な効果は生じない。コモノマーとしてのパーフルオロアルキルビニルエーテルは、パーフルオロプロピルビニルエーテル(PVE)の量が3〜5重量%;PVEとパーフルオロメチルビニルエーテル(MVE)との混合物が4〜10重量%、好ましくは3〜5重量%で使用することができる。
【0021】
分散体(b)の分子量は、従来使用されている連鎖移動剤、例えば、エタンなどによって調節することができる。分子量はまた、重合開始剤の量によっても調節することができる。しかし、分子量が低下すると高温における機械的特性が低下することには留意すべきである。
ジオキソール(I)とは別のコモノマーを使用すると、本発明の良好な機械的特性を有するために必要な高い分子量が得られないことにも留意すべきである。
公知のように、溶融体の粘度は、重合体が熱加工性ではないので、一般的には109Pa・sよりも高い。また、組成によって共重合体が熱加工できない場合には、103〜109Pa・sの粘度を有する共重合体を使用することもできる。
【0022】
本発明の分散体を使用して得られる特性の組み合わせ、特に臨界厚さの顕著な増加は、いかなる理論に拘束されることなく、以下の機構を仮説として取り上げることによって説明することができる。この機構では、分散体(b)の粒子は大きな粒子(分散体(a))と統計的に結合はしないが、それらは相互に分離し、かつ隙間を形成することが好ましく、臨界工程、すなわち乾燥段階でのフィルム形成において、どのような速度でも凝集密度が高いことが有利である。
これによって作り出されるより厚みのある構造が、フィルム内に二軸応力が存在するときには、フィルムの乾燥段階で通常生じるクラックの生成に対して高い抵抗性を有することを説明できるはずである。
【0023】
(a)型の水性分散体は、従来の乳化重合法によって得ることができる。
(b)型の分散体は、欧州特許出願EP 99112083.3に詳細に記載された方法(この出願は参考文献として本明細書中に含まれている)によって得ることができる。
特に、下記(a)〜(e)の工程を含む方法によって得ることができる。
(a)パーフルオロ化末端基または所望によりフッ素に代えて1以上のH、Clを含む末端基を有するパーフルオロポリエーテル(PFPE)の水性微細乳化物を調製し;
(b)微細乳化物のパーフルオロエーテル油相が反応溶媒1L当たり2mLよりも多量に存在するように、反応容器中に微細乳化物を供給し;
(c)反応溶媒を反応容器中に供給し、反応容器中の空気を排気し、TFEガスで加圧し、所望により界面活性剤、安定剤、コモノマーおよび連鎖移動剤を添加し;
(d)開始剤を添加し、重合中に所望によりさらに界面活性剤、安定剤、コモノマーおよび連鎖移動剤を添加し;
(e)重合体ラテックスを反応容器から取り出す。
【0024】
(b)工程で供給される微細乳化物は反応溶媒の供給後に供給することもでき、(c)工程で挙げた他の添加剤の供給後に添加することもできる。
(c)工程および(d)工程で挙げた添加物の他に、TFEの重合で通常使用される他の成分を加えることもできる。こうした成分としては、例えば、重合防止剤、緩衝液などが挙げられる。
反応開始時に重合開始剤および(c)工程と(d)工程とで挙げた他の成分を投入していたとしても、反応容器中に追加の重合開始剤およびこれらを追加することもできる。
すでに述べたように、本発明の発明者等は、粒径分布における平均粒径のみならず得られた一次粒子の形状因子にも注目する必要があることを、予想外にも発見した。特に、多くの粒子が球状であり、フィブリル数が上述した限界よりも低いことは重要である。
【0025】
本発明の方法で使用された微細乳化物は、USP 4,864,006およびUSP 4,990,283に記載されており(これらは、参考文献として本明細書に含まれている)、ここで、上述した反応性でない末端基を有するパーフルオロポリエーテルに代えて、水素原子を1つ含む末端基を一端または両端に有するヒドロフルオロポリエーテルまたは鎖の末端基中にフッ素に代えて1以上の塩素を有するヒドロフルオロポリエーテルを使用することもできる。この界面活性剤は、上記の特許に記載されており、微細乳化物の調製、および重合中のいずれにおいても使用することができるが、また、これらは、1以上のフッ素が塩素および/または水素で置換された末端基を有している。使用することができるPEPEの分子量は、数平均分子量として、500未満、例えば、300であってもよい。PEPEの使用によって得られたナノ乳化物は、350〜600、好ましくは350〜500という範囲の低分子量を有し、さらに有利に各種用途に使用することができるが、定量的な除去が必要である。
【0026】
使用される界面活性剤の総量は、界面活性剤と重合体に転化されたTFEとの比で、好ましくは1より小さい。
本発明の方法で得られた分散体(b)の共重合体の分子量は、重合体に良好な化学的安定性および熱安定性を付与できる程度であった。一般的には、得られた分子量は50,000より大きく、例えば、500,000〜5,000,000である。
重合中は、従来のTFE重合方法の温度と圧力とを使用する。
すでに述べたように、本発明の分散体を用いて得られたフィルムの光沢と耐引掻性は、200℃より高い温度においてもまた改善されていた。特に、小さい粒子(b)中および大きな粒子(a)中のコモノマー量を増加することにより、高い光沢度をも得ることができる。好ましくは、コモノマーとして、高分子量(500,000〜5,000,000)を得ることができる式(I)のジオキソールを使用する。
【0027】
得られた分散体混合物は、他の水性樹脂分散体、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドアミジン樹脂、イミド樹脂など;色素、界面活性剤、無機充填剤および消泡剤、増量剤などの他の添加剤を添加した特別の応用に関して、安定に形成され得る。混合物を所望の表面に適用した後に、フィルムを乾燥させ、次いで重合体の溶融温度よりも高い温度で焼結する。
本発明の分散体混合物を安定させるために必要な界面活性剤の総量は、一般的には、分散体重量に対して2〜10重量%であり、好ましくは3〜6重量%である。
本発明のフルオロポリマーの水性分散体は、金属表面のコーティングに適用するほか、セラミック表面に対して使用することもでき、繊維製品の含浸やキャストフィルムを得るために使用することもできる。
【0028】
上記の本発明の分散体は、フィルム形成中にクラックを生じない(臨界厚さが高い)という顕著な改善を可能にした。しかし、この高い特性は、垂直支持のコーティングの場合(繊維製品の含浸およびキャストフィルム製造の場合に典型的であるが)には、十分には活用されていない。実際に、沈着された固形物の総量は分散体のぬれ性とレオロジー特性とに依存する。
本発明の発明者等は、驚くべき事に、下記の式で表されるノニオン性フッ素化界面活性剤を本発明の分散体に添加することによって、よりよいフィルム形成(クラックなし)の利点が活用されることを見出した。
【0029】
【化6】
Figure 0004564134
【0030】
(式中、nは4〜60、好ましくは8〜30の整数を表し;LおよびL’は互いに同一であっても異なっていてもよく、下記式で表される化合物からなる群から選ばれる。
【0031】
【化7】
Figure 0004564134
【0032】
ここで、pは0または1であり;YはFまたはCF3であり;R’はC1〜C5のアルキレンラジカルであり;R1およびR2は、ともにHであるか、または一方がHで他方がCH3である。RfおよびRf’は、互いに同一でも異なっていてもよく、平均分子量250〜1,500、好ましくは400〜1,000を有するパーフルオロポリエーテルラジカル、または上記の分子量を有するパーフルオロカーボンラジカルである。)
fおよびRf’で、表されるパーフルオロポリエーテルラジカルが、T末端基と、下記の基からなる群から選ばれる繰返し単位を重合体鎖中に含むものであることが好ましい。
【0033】
−CFXCF2O−または−CFXO−(式中、XはFまたは−CF3である。)、
−CF2(CF2)zO−(式中、zは2または3である。)、
−CF2CF(ORf'')O−または−CF(ORf'')O−(式中、Rf''は、−CF3、−C25または−C3 7から選ばれる。)。
パーフルオロポリエーテルラジカルのT末端基は、−CF3、−C25、−C3 7、ClCF2CF(CF3)−、CF3CFClCF2−、ClCF2CF2−、およびClCF2−、CF3CFHCF2−、HCF2CF2−およびHCF2である。特に、下記のRfおよびRf’としては、パーフルオロポリエーテルラジカルが挙げられる:
【0034】
【化8】
Figure 0004564134
【0035】
(式中、XはFまたはCF3;aおよびbは分子量が上記の範囲となる整数;a/bは10〜100、およびTは上記の末端基の1つである。)
【0036】
【化9】
Figure 0004564134
【0037】
(式中、c、dおよびhは分子量が上記の範囲となる整数;c/dは0.1〜10;h/(c+d)は0〜0.05、zは2または3、およびTは上記の末端基の1つである。)
【0038】
【化10】
Figure 0004564134
【0039】
(式中、XはFまたはCF3であり;e、fおよびgは分子量が上記の範囲となる整数;e/(f+g)は0.1〜10;f/gは2〜10、およびTは上記の末端基の1つである。)
【0040】
【化11】
Figure 0004564134
【0041】
(式中、Rf''はCF3,C25、C37であり;j、kおよびlは分子量が上記の範囲となる整数;k+lとj+k+lは少なくとも2であり、k/(j+l)は0.01〜1,000;Tは上記の末端基の1つである。)
【0042】
【化12】
Figure 0004564134
【0043】
(式中、sは分子量が上記の範囲となる整数;z上記の通りであり、Tは上記の末端基の1つである。)
【0044】
【化13】
Figure 0004564134
【0045】
(式中、R4およびR5は互いに同一であっても異なっていてもよく、H、Cl、または、例えば炭素数1〜4のパーフルオロアルキルであり、j’は分子量が上記の範囲となる整数、およびTは上記の末端基の1つである。)
【0046】
【化14】
Figure 0004564134
【0047】
(式中、j''は分子量が上記の範囲となる整数であり、Tは上記の末端基の1つである。)
これらの化合物とそれらの製造方法は、GB 1,104,482、USP 3,242,218、USP 3,665,041、USP 3,715,378およびUSP 3,665,041、EP 148,482およびUSP 4,523,039、USP 5,144,092に記載されている。
本発明の好適なパーフルオロポリエーテルラジカルは、下記の構造を有する:
【0048】
【化15】
Figure 0004564134
【0049】
(式中、a/b比は約20〜約40であり、Rf''は上記の通りである。)
下記式(Ia)で表される界面活性剤は、支持体のレオロジーとぬれ性を向上させることができる。
ラテックス特性を完全に利用するためにはぬれ性をさらに向上させることが必要であり、下記式(Ib)を有するフッ素化ノニオン性界面活性剤を添加することができる。
【0050】
【化16】
Figure 0004564134
【0051】
(式中、M=HまたはCH3であり;Rf、L、R1、R2およびnは上記界面活性剤(Ia)と同じ意味である。)。
式(Ia)で表される界面活性剤は、適用のためには適当な粘度となるものでなければならない。一般的には、界面活性剤の量は成分(b)および分散体中に存在する所望の成分の量に依存する。例えば、粒径約50nmの成分(b)を5重量%(成分(a)が95重量%)で用いるときには、効果的な界面活性剤の量は約0.1重量%までである。
式(Ia)および(Ib)のノニオン性界面活性剤は、一般的には、0.1〜5重量%で分散体に添加することができる。両方の界面活性剤を添加したときに、合計量は5重量%より小さいことが必要である。
【0052】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制限されるものではない。
特徴づけ
平均粒子径は、レーザー光散乱、特に光子相関分光分析装置で測定した。この装置には、ブルックヘブン相関測定装置(Brookhaven correlator)モデル2030ATおよび波長514.5nmのアルゴンレーザー光源が装備されている(Spectra−Phisics製)。
測定に供するラテックス試料は、二次蒸留水を用いて適宜希釈し、0.2μmのミリポアフィルター(Millipore製)でろ過した。光散乱測定は、室温にて、角度90°で行った。ラテックス粒子径は濃縮法(the accumulator method)で得た。
【0053】
(フィブリルパーセンテージの定量)
分散体試料はガラス板または金属板上に形成した薄膜(約10μm)上に沈着させ、室温で乾燥させた。原子間力顕微鏡を用いて写真を撮影し、フィブリル数のパーセンテージを少なくとも250〜300個の粒子に基づいて求めた。
以下の実施例1〜9では、分散体(b)を調製するために異なる重合技術を用いた。異なるコモノマー含量を有するテトラフルオロエチレン(TFE)共重合体分散体が得られた。
【0054】
実施例1(比較例)
攪拌装置を取り付け、あらかじめ減圧にしておいた50Lのオートクレーブ中に、好ましくは脱気した30Lの水を入れ、ここに40gのパーフルオロオクタン酸アンモニウム水溶液を添加した。この反応容器内に、140gの軟化点が52〜54℃のパラフィンと125gのパーフルオロ−5−メトキシ−1,3−ジオキソール(MDO)とを投入した。攪拌しながら、テトラフルオロエチレン(TFE)で83℃、20barまでオートクレーブを加圧した。この時点で、500ccの(NH4228(以下、APSということがある。この溶液に含まれるAPSの量は2,000mg相当である。)をオートクレーブ中に供給した。
【0055】
反応容器中の圧力を0.5barまで低下させ、TFEをコンプレッサーで送り込みこの反応容器内の圧力が20barとなるように維持した。同時に、反応容器の内温を0.7℃/分の割合で92℃まで上げた。13分後にTFEの供給を止め、反応容器内にある気体を排気して減圧にし、反応容器を冷却した。
レーザー光スキャッタリング(LLS)で測定した重合体の一次粒子径は、114nmであった。赤外吸収分析(FTIR)では、重合体中のMDO含量が1重量%であることが示された。
ASTMD1238−52T法によるメルトフローインデックス(MFI)は、測定できなかった。このことから、この重合体は溶融状態で加工できないことが示された。
【0056】
実施例2
ガラスビーカー中に、5重量部の下記式(5)で表される化合物のアンモニウム塩
【0057】
【化17】
Figure 0004564134
【0058】
(式中、nは2〜5であり、酸滴定分子量が530である。)
と、3重量部の下記式(6)で表されるパーフルオロポリエーテル
【0059】
【化18】
Figure 0004564134
【0060】
(式中、n’およびm’数平均分子量700となる整数であり、XはFまたはCF3であり;RfおよびR'fは互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基である。)
と、8重量部の水とを投入した。
得られた微細乳化物は、完全に透明であった。
【0061】
攪拌装置を取り付け、あらかじめ減圧にしておいた440Lのオートクレーブ中に、好ましくは脱気した275Lの水を入れ、ここに16,500gの微細乳化物を添加した。この反応容器中に、1,000gの軟化点が52〜54℃のパラフィンと2,150gのパーフルオロ−5−メトキシ−1,3−ジオキソール(MDO)とを投入した。攪拌しながら、テトラフルオロエチレン(TFE)で78℃、20barまでオートクレーブを加圧した。この時点で、1,500ccの(NH4228(この溶液に含まれるAPSの量は18gに相当する。)をオートクレーブ中に供給した。
【0062】
反応容器中の圧力を0.5barまで低下させ、TFEをコンプレッサーで送り込みこの反応容器内の圧力が20barとなるように維持した。同時に、反応容器の内温を0.6℃/分の割合で91℃まで上げた。35分後、90kgのTFEが反応したときに、TFEの供給を止め、反応容器内にある気体を排気して減圧にし、反応容器を冷却した。
レーザー光スキャッタリング(LLS)で測定した重合体の一次粒子径は、40nmであった。
FTIR分析では、重合体中のMDO含量が1.67重量%であり、熱量分析(DSC)では第一融点が326℃であることが示された。
ASTMD1238−52T法によるメルトフローインデックス(MFI)は、測定できなかった。このことから、この重合体は溶融状態で加工できないことが示された。上記のように定量されたフィブリル数は、5%より少なかった。
【0063】
実施例3A(比較例)
攪拌装置を取り付け、あらかじめ減圧にしておいた50Lのオートクレーブ中に、好ましくは脱気した30Lの水を入れ、ここに2,130gの実施例2に記載した微細乳化物を添加した。この反応容器内に、140gの軟化点が52〜54℃のパラフィンを投入した。500ccの(NH42Fe(SO42・6H2O(SdM、これは500mgのSdMに相当する。)をオートクレーブ中に供給した。
攪拌しながら、TFEで75℃、20barまでオートクレーブを加圧した。
この時点で、500ccの(NH4228(APS、1,500mgのAPSに相当する)をオートクレーブ中に供給した。
【0064】
反応容器中の圧力を0.5barまで低下させ、TFEをコンプレッサーで送り込みこの反応容器内の圧力が20barとなるように維持した。同時に、反応容器の内温を0.2℃/分の割合で85℃まで上げた。18分後にTFEの供給を止め、反応容器内にある気体を排気して減圧にし、反応容器を冷却した。225g/kgの重合体樹脂を含む水性分散体が得られた。
レーザー光スキャッタリング(LLS)で測定した重合体の一次粒子径は、108nmであった。5,000rpmで1時間遠心した後に、総重量に対して23.2重量%の固形物量が分離され、上相のLLS測定から35nmという値が得られた。上述のように定量したフィブリル数は、50%より大きかった。
【0065】
実施例3B(比較例)
攪拌装置を取り付け、あらかじめ減圧にしておいた50Lのオートクレーブ中に、好ましくは脱気した30Lの水を入れ、ここに600gの実施例1に記載したパーフルオロオクタン酸アンモニウムを添加した。この反応容器内に、140gの軟化点が52〜54℃のパラフィンと15gのヘキサフルオロプロペン(HFP)とを投入した。500ccの(NH42Fe(SO42・6H2O(SdM、500mgのSdMに相当する)をオートクレーブ中に供給した。
攪拌しながら、TFEで75℃、20barまでオートクレーブを加圧した。
この時点で、500ccの(NH4228(APS、2,500mgのAPSに相当する)をオートクレーブ中に供給した。
【0066】
反応容器中の圧力を0.5barまで低下させ、TFEをコンプレッサーで送り込みこの反応容器内の圧力が20barとなるように維持した。同時に、反応容器の内温を0.2℃/分の割合で85℃まで上げた。70分後にTFEの供給を止め、反応容器内にある気体を排気して減圧にし、反応容器を冷却した。100g/kgの重合体樹脂を含む水性分散体が得られた。この重合体は0.4重量%のHFPを含有していた。
レーザー光スキャッタリング(LLS)で測定した重合体の一次粒子径は、55nmであった。上述のように定量したフィブリル数は、50%より高かった。
【0067】
実施例4
攪拌装置を取り付け、あらかじめ減圧にしておいた440Lのオートクレーブ中に、好ましくは脱気した275Lの水を入れ、ここに実施例2に記載した16,500gの微細乳化物を添加した。この反応容器内に、1,000gの軟化点が52〜54℃のパラフィンと3,200gのパーフルオロ−5−メトキシ−1,3−ジオキソール(MDO)とを投入した。攪拌しながら、TFEで78℃、20barまでオートクレーブを加圧した。この時点で、1,500ccの(NH4228(18gのAPSに相当する)をオートクレーブ中に供給した。
反応容器中の圧力を0.5barまで低下させ、TFEをコンプレッサーで送り込みこの反応容器内の圧力が20barとなるように維持した。同時に、反応容器の内温を0.6℃/分の割合で91℃まで上げた。41分後に、90kgのTFEが反応したときにTFEの供給を止め、反応容器内にある気体を排気して減圧にし、反応容器を冷却した。
【0068】
レーザー光スキャッタリング(LLS)で測定した重合体の一次粒子径は、46nmであった。
FTIR分析では、重合体中のMDO含量が2.22重量%であることが示され、DSC分析では第一融点が326.4℃であることが示された。
ASTMD1238−52T法によるメルトフローインデックス(MFI)は、測定できなかった。このことから、この重合体は溶融状態で加工できないことが示された。上述のように定量したフィブリル数は1%より少なかった。
【0071】
実施例6(比較例)
攪拌装置を取り付け、あらかじめ減圧にしておいた50Lのオートクレーブ中に、好ましくは脱気した30Lの水を入れ、ここに1,800gの実施例2に記載した微細乳化物を添加した。この反応容器内に、125gのパーフルオロメトキシ−1,3−ジオキソール(MDO)と140gの軟化点が52〜54℃のパラフィンとを投入した。攪拌しながら、TFEで82℃、20barまでオートクレーブを加圧した。この時点で、500ccの(NH4228(APS、2,000mgのAPSに相当する)をオートクレーブ中に供給した。
反応容器中の圧力を0.5barまで低下させ、TFEをコンプレッサーで送り込みこの反応容器内の圧力が20barとなるように維持した。同時に、反応容器の内温を95℃まで上げた。21分後にTFEの供給を止め、反応容器内にある気体を排気して減圧にし、反応容器を冷却した。291g/kgの重合体樹脂を含む水性分散体が得られた。
【0072】
レーザー光スキャッタリング(LLS)で測定した重合体の一次粒子径は、47nmであった。物質収支によって得られた重合体中のMDO含量は、0.75重量%であった。ASTMD1238−52T法によるメルトフローインデックス(MFI)は、測定できなかった。このことから、この重合体は溶融状態で加工できないことが示された。上述のように定量したフィブリル数は15%より多かった
【0073】
実施例7
攪拌装置を取り付け、あらかじめ減圧にしておいた50Lのオートクレーブ中に、好ましくは脱気した30Lの水を入れ、ここに200gの実施例2に記載した微細乳化物を添加した。この反応容器内に、150gのパーフルオロメトキシ−1,3−ジオキソール(MDO)と140gの軟化点が52〜54℃のパラフィンとを投入した。攪拌しながら、TFEで77℃、20barまでオートクレーブを加圧した。この時点で、500ccの(NH4228(APS、1,000mgのAPSに相当する)をオートクレーブ中に供給した。
【0074】
反応容器中の圧力を0.5barまで低下させ、TFEをコンプレッサーで送り込みこの反応容器内の圧力が20barとなるように維持した。同時に、反応容器の内温を95℃まで上げた。37分後にTFEの供給を止め、反応容器内にある気体を排気して減圧にし、反応容器を冷却した。304g/kgの重合体樹脂を含む水性分散体が得られた。
レーザー光スキャッタリング(LLS)で測定した重合体の一次粒子径は、77nmであった。
物質収支によって得られた重合体中のMDO含量は、1.1重量%であった。
ASTMD1238−52T法によるメルトフローインデックス(MFI)は、測定できなかった。このことから、この重合体は溶融状態で加工できないことが示された。上述のように定量したフィブリル数は5%より少なかった。
【0075】
実施例8
攪拌装置を取り付け、あらかじめ減圧にしておいた50Lのオートクレーブ中に、好ましくは脱気した30Lの水を入れ、ここに2,000gの実施例2に記載した微細乳化物を添加した。この反応容器内に、160gのパーフルオロメトキシ−1,3−ジオキソール(MDO)、140gの軟化点が52〜54℃のパラフィンおよび400mbarのエタン(C26)を投入した。攪拌しながら、TFEで85℃、20barまでオートクレーブを加圧した。この時点で、500ccの(NH4228(APS、2,500mgのAPSに相当する)をオートクレーブ中に供給した。
【0076】
反応容器中の圧力を0.5barまで低下させ、TFEをコンプレッサーで送り込みこの反応容器内の圧力が20barとなるように維持した。同時に、反応容器の内温を95℃まで上げた。23分後にTFEの供給を止め、反応容器内にある気体を排気して減圧にし、反応容器を冷却した。220g/kgの重合体樹脂を含む水性分散体が得られた。
レーザー光スキャッタリング(LLS)で測定した重合体の一次粒子径は、20nmであった。
物質収支によって得られた重合体中のMDO含量は、1.3重量%であった。
DSC分析では、第一の融点が320℃であることが示された。
ASTMD1238−52T法によるメルトフローインデックス(MFI)は、380℃、3kg負荷、ノズル径1mmで0.55g/10分であった。この生成物は、押出機(垂直ヘッドおよび圧延)異形押出ダイ(I)を通過後、最終成形品の製造には供されなかった。溶融物から再結晶する間に機械的特性が低下することによる。このため、この生成物は、溶融粘度が低いにもかかわらず、熱加工が可能ではなかった。上述のように定量したフィブリル数は5%より少なかった。
【0077】
実施例9
攪拌装置を取り付けた5LのAISI316オートクレーブを予め真空にした後に、3Lの脱気した脱イオン水、1.59g/L水のPVE、および8.33g/L水の実施例2で記載した微細乳化物を順番に投入した。
このオートクレーブが75℃で一定になるまで加熱し、2.7絶対barまでMVEで加圧した。ついで、オートクレーブを21絶対barまでモル比が27.6であるTFEとMVEとの混合物で加圧した。
圧力が上がったときに、モル濃度0.0028の過硫酸カリウム溶液を連続法で供給した。65分後に400gのTFEとMVEモノマー混合物とを供給したときに、反応が停止した。反応の終点で、53nmの粒子で特徴づけられるラテックスが取出された。PVE量は0.9重量%であり、MVE量は5.6重量%であった。
ASTMD1238−52T法によるメルトフローインデックス(MFI)は、測定できなかった。このことから、この生成物は、溶融物から加工できないことが示された。上述のように定量したフィブリル数は5%より少なかった。
【0078】
応用実施例
実施例10(比較例)
2種のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散体からなる混合物を製造した。この混合物の最終固形物量は59重量%で、成分(a)と成分(b)との混合比は、98/2、96.5/3.5、95/5、92.5/7.5、90/10(重量比)である。
この混合物の成分(a)はアウジモント社の市販品であるアルゴフロン(AlgoflonTM)D60 EXP96(平均粒子径260nm)であり、成分(b)は実施例1に記載した分散体である。レーザー光散乱法で測定した粒子径は、各々260nmと114nmであり、成分(a)と成分(b)との粒子径の比は0.438であった。
【0079】
2種の分散体の混合物は3重量%のTriton X100を含み、アクリルペーストを添加して以下に記載した配合の最終組成となっている。下塗りしたアルミニウムシート上にスプレーし、100℃で2分間乾燥し、420℃で10分間焼結した。塗布されたアクリル配合体の最終組成(重量部)は、下記の通りである。45%のPTFE、1.5%のRhodopas D906のアクリル樹脂、3.5%のTriton X100、1.2%のナトリウムおよびトリエタノールアミンのラウリル酸塩、2%のキシレン、2%のブチルセルソロブおよび100%になる量の水。
焼結されたフィルムの臨界厚さを光学顕微鏡で測定した。このような臨界厚さは単一の成分(a)によって得られた厚さである28μmと比較した。
結果を表1に示す。表1の結果より、臨界厚さは試験した混合比では増加しなかった。
【0080】
【表1】
Figure 0004564134
【0081】
実施例11
2種のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散体からなる混合物を製造した。この混合物の最終固形物量は59重量%で、成分(a)と成分(b)との混合比は、96.5/3.5、95/5、92.5/7.5(重量比)である。
この混合物の成分(a)はアウジモント社の市販品であるアルゴフロン(AlgoflonTM)D60 EXP96であり、成分(b)は実施例4に記載した分散体である。
レーザー光散乱法で測定した粒子径は、各々260nmと46nmであり、成分(a)と成分(b)との粒子径の比は0.177であった。
【0082】
2種の分散体の混合物は3重量%のTriton X100を含み、アクリルペーストを添加して実施例10に記載した配合の最終組成とした。下塗りしたアルミニウムシート上にスプレーし、100℃で2分間乾燥し、420℃で10分間焼結した。
焼結されたフィルムの臨界厚さを光学顕微鏡で測定した。このような臨界厚さは単一の成分(a)によって得られた厚さである30μmと比較した。
結果を表2に示す。さらに、光沢を測定した。
【0083】
【表2】
Figure 0004564134
【0084】
(a)+(b)成分の混合物から得られたフィルムの耐引掻性をさらに測定して、単一成分(a)によって得られたフィルムと比較した。
耐引掻性を評価する実験方法は、フィルムに切り傷をつけるために必要な、鋭いチップに接続されている荷重を測定するものである。この試験は、大気中、室温にて、100℃の水および180℃の油に浸したシートを用いて行った。
表3に示した値は、すべての場合において、単一の分散体(a)で構成されたフィルムから本発明の分散体の混合物に目を移すと、フィルムの耐引掻性が向上していることを示した。
【0085】
【表3】
Figure 0004564134
【0086】
実施例12
2種のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散体からなる混合物を製造した。この混合物の最終固形物量は59重量%で、成分(a)と成分(b)との混合比は、96.5/3.5、95/5、92.5/7.5(重量比)である。
この混合物の成分(a)はアウジモント社の市販品であるアルゴフロン(AlgoflonTM)D60 EXP96であり、成分(b)は実施例2に記載した分散体である。
レーザー光散乱法で測定した粒子径は、各々260nmと40nmであり、成分(a)と成分(b)との粒子径の比は0.154であった。
【0087】
2種の分散体の混合物は3重量%のTriton X100を含み、アクリルペーストを添加して実施例10に記載した配合の最終組成とした。下塗りしたアルミニウムシート上にスプレーし、100℃で2分間乾燥し、420℃で10分間焼結した。
焼結されたフィルムの臨界厚さを光学顕微鏡で測定した。さらに光沢を測定した。臨界厚さは単一の成分(a)によって得られた厚さである28μmと比較した。結果を表4に示す。さらに、光沢を測定した。
【0088】
【表4】
Figure 0004564134
【0089】
実施例13
2種のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散体からなる混合物を製造した。この混合物の最終固形物量は59重量%で、成分(a)と成分(b)との混合比は、95.2/4.8(重量比)である。
この混合物の成分(a)はアウジモント社の市販品であるアルゴフロン(AlgoflonTM)D60 EXP96(平均粒子径260nm)であり、成分(b)は実施例2および4に各々記載した分散体である。
成分(b)の平均粒子径とMDO含量を表5に示す。分散体2および4の分散体(b)を原子間力顕微鏡で写真撮影した。
写真より、フィブリルが減少し、コモノマーMDO率が上昇したときには消失したことが定性的に示された。MDO=2.22重量%と1.67重量%である実施例4および2の分散体(b)の場合には、フィブリル構造を有する粒子はほとんど存在せず、どのような割合でも各々1%、5%より少なかった。
【0090】
製造された分散体(a)と(b)との混合物は、3重量%のTriton X100を含み、アクリルペーストを添加して実施例10に記載した配合の最終組成とした。下塗りしたアルミニウムシート上にスプレーし、100℃で2分間乾燥し、420℃で10分間焼結した。焼結されたフィルムの臨界厚さを光学顕微鏡で測定した。
老化効果を評価するために、各時点において臨界厚さが十分残っているかどうかについて、フィルム臨界厚さをその後測定した(1ヶ月、2ヶ月、4ヶ月および5ヶ月)。
表5に示されたデータから、本発明の場合には分散体(b)のフィブリル含量は低く、試験期間中臨界厚さは十分残っていることが示された。
【0091】
【表5】
Figure 0004564134
【0092】
実施例14(比較例)
2種のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散体からなる混合物を製造した。この混合物の最終固形物量は59重量%で、成分(a)と成分(b)との混合比は、95.2/4.8(重量比)である。
この混合物の成分(a)はアウジモント社の市販品であるアルゴフロン(AlgoflonTM)D60 EXP96(平均粒子径260nm)であり、成分(b)は実施例3Aに記載した分散体(超遠心後、平均粒子径35nmを有するラテックス)および実施例6に記載された分散体(遠心していないラテックス)である。
成分(b)の平均粒子径とMDO含量を表6に示した。
【0093】
実施例3Aの分散体と実施例6の分散体とを、原子間力顕微鏡により写真撮影した。
写真より、フィブリルが減少し、コモノマーMDOの割合が増加すると消失することが定性的に示された。実施例3Aおよび6の分散体(b)は、各々MDO=0重量%およびMDO=0.75重量%であった。この場合には、写真の分析より、前者の場合には分散粒子がほぼ完全なフィブリル構造(フィブリル>50%)を有しており、後者の場合にはフィブリルの割合は非常に高い(15%より高い)。
【0094】
製造された分散体(a)と(b)との混合物は、3重量%のTriton X100を含み、実施例10に記載したアクリルペーストを添加した。下塗りしたアルミニウムシート上にスプレーし、100℃で2分間乾燥し、420℃で10分間焼結した。焼結されたフィルムの臨界厚さを光学顕微鏡で測定した。
老化効果を評価するために、各時点において臨界厚さが十分残っているかどうかについて、フィルム臨界厚さをその後測定した(1ヶ月、2ヶ月および4ヶ月)。
表6に示されたデータから、本発明の場合には分散体(b)のフィブリルの割合は高く、試験期間中臨界厚さは速やかに減少した。
【0095】
【表6】
Figure 0004564134
【0096】
実施例15
微粒子分散のマルチモダリティ効果
2種のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散体からなる混合物を製造した。この混合物の最終固形物量は59重量%で、成分(a)と成分(b)との混合比(重量比)は各々異なる。
この混合物の成分(a)はアウジモント社の市販品であるアルゴフロン(AlgoflonTM)D60 EXP96で、レーザー光散乱法で測定した粒子径は260nmであり、成分(b)は以下の分散体の混合物である。
A=実施例8に記載の分散体(粒子径20nm)
B=実施例4に記載の分散体(粒子径46nm)
C=実施例7に記載の分散体(粒子径77nm)
【0097】
A+B+Cの平均粒子径は表7に示した。
上述したように測定したフィブリル数は5%より低かった。混合物(a)+(b)の配合体は、3重量%のTriton X100を含み、実施例10に記載したアクリルペーストを添加した。下塗りしたアルミニウムシート上にスプレーし、100℃で2分間乾燥し、420℃で10分間焼結した。焼結されたフィルムの臨界厚さを光学顕微鏡で測定した。このような臨界厚さは単一の成分(a)によって得られた厚さである20μmと比較した。
結果を表7に示す。
【0098】
【表7】
Figure 0004564134
【0099】
表7に示したデータは、最も大きな粒子までのほぼ連続した分布を与えるまで、微粒子の多分散性を広げる(粒子径を20〜約70nmとする)ことによって、よりよい応用性能が得られた。
【0100】
実施例16
2種のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散体からなる混合物を製造した。この混合物の最終固形物量は59重量%で、成分(a)と成分(b)との混合比(重量比)は96.5/3.5と95/5である。
この混合物の成分(a)はアウジモント社の市販品であるアルゴフロン(AlgoflonTM)D60 EXP96で、レーザー光散乱法で測定した粒子径は260nmである。
混合物の成分(b)は、実施例8に記載の重合体であり、熱加工可能な生成物の粘度の限界の範囲内(実施例8を参照せよ)にあるとしても、溶融体から熱加工できない。分子量が小さく、溶融体からの再結晶相における機械的特性が非常に悪いためである。
【0101】
レーザー光散乱法によって測定した粒子径は、各々260nmと20nmであり、成分(a)と成分(b)との粒子径の比は0.077である。2種類の分散体の混合物は3重量%のTriton X100を含み、実施例10に記載したアクリルペーストを添加した。下塗りしたアルミニウムシート上にスプレーし、100℃で2分間乾燥し、420℃で10分間焼結した。焼結されたフィルムの臨界厚さを光学顕微鏡で測定した。このような臨界厚さは単一の成分(a)によって得られた厚さと比較した。
結果を表8に示す。
【0102】
【表8】
Figure 0004564134
【0103】
成分(a)+(b)の混合物から得られたフィルムについて、耐引掻性をさらに測定し、単一の成分(a)から得られたフィルムと比較した。
表9に示した値は、単一の分散体(a)で構成されたフィルムから本発明の分散体の混合物に目を移すと、フィルムの耐引掻性が向上していることを示した。
【0104】
【表9】
Figure 0004564134
【0105】
実施例17
2種のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散体からなる混合物を製造した。この混合物の最終固形物量は59重量%で、重合体の比は95/5である。
この混合物の成分(a)はアウジモント社の市販品であるアルゴフロン(AlgoflonTM)D60 EXP96で、レーザー光散乱法で測定した粒子径は260nmである。
混合物の成分(b)は、実施例9で得られた重合体である。
レーザー光散乱法によって測定した粒子径は、各々260nmと53nmであり、成分(a)と成分(b)との粒子径の比は0.2である。2種類の分散体の混合物は3重量%のTriton X100を含み、実施例10に記載したアクリルペーストを添加した。下塗りしたアルミニウムシート上にスプレーし、100℃で2分間乾燥し、420℃で10分間焼結した。焼結されたフィルムの臨界厚さを光学顕微鏡で測定した。このような臨界厚さは単一の成分(a)によって得られた厚さと比較した。さらに、光沢の測定を表10で報告したように行った。
結果を表10に示す。
【0106】
【表10】
Figure 0004564134
【0107】
さらに、耐引掻性を混合物(a)+(b)から得たフィルムについて測定し、単一の成分(a)と比較した。
耐引掻性を評価する試験方法は実施例11に記載した通りである。
表11に示した値は、単一の分散体(a)で構成されたフィルムから本発明の分散体の混合物に目を移すと、フィルムの耐引掻性が向上していることを示した。
【0108】
【表11】
Figure 0004564134
【0109】
実施例18
繊維製品への含浸(垂直的な適用)においては、アウジモント社の市販品であるアルゴフロン(AlgoflonTM)D1010(粒子径260nm)からなる分散体(a)と、(a)と5重量%の実施例2で得られた分散体(b)との混合物とを比較した。
この試験より、いずれの場合においても、それぞれを通すことによって沈着した製品の量は変化しなかったことが示された。(b)タイプの分散体を添加すると、このような樹脂(すなわち、アクリル樹脂では形成されない)としてフィルム上での臨界厚さが増加し、1段階の含浸工程でのクラックの発生を避けることが可能であった。これは、含浸された繊維製品上の臨界厚さが、混合物(a)+(b)を使用することで増加したという表12のデータから証明された。
【0110】
【表12】
Figure 0004564134
【0111】
実施例19
実施例18の含浸試験において、単一成分(a)の分散体、および実施例18で定義される(a)+(b)の双方への式(Ia)の増粘剤の添加効果を制御した。
0.1重量%で添加したこのような増粘剤は、式(Ia)で表されるフッ素化誘導体である。
【0112】
【化19】
Figure 0004564134
【0113】
(式中、Rf、Rf’はCl(C36O)n であり、n’は3である;R1、R2はHである;nは44である;L、L’は下記式で表される。
【0114】
【化20】
Figure 0004564134
【0115】
ここで、pは1であり;YはFであり;R’はCH2CH2である。)
表13のデータより、いずれの場合においても、増粘剤を含まない場合については、種々の含浸通路において沈着した重合体の量は増加した(実施例18)。
これは、増粘剤(Ia)を添加した場合に、含浸された繊維製品上の臨界厚さが、混合物a)+(b)を使用することで増加したという表13のデータから証明された。
【0116】
【表13】
Figure 0004564134
【0117】
実施例20(比較例)
2種の分散体からなる混合物を製造した。この混合物の最終固形物量は57重量%で、成分(a)と成分(b)との混合比(重量比)は、95.2/4.8である。この混合物の成分(a)はアウジモント社の市販品であるアルゴフロン(AlgoflonTM)D60 EXP96であり、成分(b)は実施例3Bに記載した分散体である。
レーザー光散乱法で測定した粒子径は、各々260nmと55nmであり、成分(a)と成分(b)との粒子径の比は0.21であった。
上記の分散体の混合物は3重量%のノニオン性界面活性剤、Triton X100を含み、24時間以内に沈降を生じた(4.5重量%が沈降した)。この混合物に、実施例10に記載したアクリルペーストを添加して、下塗りしたアルミニウムシート上にスプレーし、100℃で2分間乾燥し、420℃で10分間焼結した。
【0118】
焼結されたフィルムの臨界厚さを光学顕微鏡で測定した。このような臨界厚さを塗布直後および24時間後に測定した。単一の成分(a)によって得られた厚さと比較した。成分(b)を4.8重量%含む混合物について測定された臨界厚さ42μmを、単一の成分(a)の臨界厚さ28μmとを比較した。
したがって、最初から臨界厚さが14μm増加していた。24時間後に、臨界厚さは8μm減少した。また、最初に非常に光沢があったわけではない。3ヶ月経過後のラテックスは単一成分(a)の臨界厚さ(28μm)と実質的に同じ値を示した。
【0119】
【発明の効果】
本発明によれば、高い臨界厚さを有するフィルムを形成することができ、高温においても良好な光学特性と機械的特性とを有し、多孔度と粗さとが減少しており、工業的に許容できる保存寿命、すなわち、少なくとも6ヶ月保存した後でも上記の特性を有する水性フルオロポリマー分散体が提供される。
また、この水性フルオロポリマー分散体を製造するための方法が提供される。

Claims (14)

  1. 下記の成分(a)および(b)を含むフルオロポリマー分散体の混合物。
    (a)テトラフルオロエチレン(TFE)の単独重合体、またはTFEと少なくとも1つのエチレン系不飽和結合を有する1以上のコモノマー0〜8重量%との共重合体であって、平均粒子径180〜400nmを有するものによって構成される1種以上の分散体;
    (b)少なくとも1つのエチレン系不飽和結合を有する単量体とテトラフルオロエチレン(TFE)との少なくとも1種の共重合体の分散体であって、長さ/直径(L/D)比が5より大きい重合体粒子であるフィブリルが分散体の総粒子数の10%未満となる量のコモノマーを含み、該分散体成分(b)は、生じた重合体がエラストマーでない重合体を生じる量のコモノマーを含み、さらに熱加工性でない溶融体の組成および粘度特性を示す量のコモノマーを含み、分散体の平均粒子径が90nm未満であり、少なくとも一つのコモノマーが、下記式(I)
    Figure 0004564134
    (式中、Y’=H、Cl、F、CF 3 、OCF 3 ;X 1 およびX 2 は同一であっても異なっていてもよく、FまたはCF 3 である。)
    で表される構造を有する(パー)フルオロジオキソールであり、該(パー)フルオロジオキソールの含有量が1.1〜3重量%である分散体。
  2. 成分(a)と成分(b)との間の重量比が、乾燥物換算重量比で99/1〜80/20である、請求項1に記載の分散体混合物。
  3. 分散体(b)の粒子径と分散体(a)の粒子径との比が0.3未満である請求項1または2に記載の分散体混合物。
  4. TFEと共重合されるコモノマーが下記の化合物からなる群から選ばれる請求項1〜のいずれかに記載の分散体混合物
    (i)C 3〜C8パーフルオロオレフィン
    (ii)水素化されたC2〜C8フルオロオレフィン;
    (iii)C 2〜C8のクロロフルオロオレフィンおよび/またはブロモフルオロオレフィンおよび/またはヨードフルオロオレフィン;
    (iv)式CF2=CFORfで表される(パー)フルオロアルキルビニルエーテル(式中、Rf は、C 1〜C6(パー)フルオロアルキル基である。);
    (v)式CF2=CFOXで表される(パー)フルオロオキシアルキルビニルエーテル(式中、XはC1〜C12のアルキル基、C1〜C12のオキシアルキル基、またはエーテル性基を1つ以上有するC1〜C12(パー)フルオロオキシアルキル基である。
    (vi)フルオロジオキソール;
    (vii)式CF2=CFOCF2CF2CF=CF2またはCFX1=CX2OCX34OCX2=CX1Fで表される非共役ジエン(式中、X1およびX2は互いに同一であっても異なっていてもよく、F、ClまたはHであり、X3およびX4は、同一であっても異なっていてもよく、FまたはCF3である)。
  5. 式(I)で表される(パー)フルオロジオキソールは、分散体(b)重合体中1.5〜2.5重量%である請求項に記載の分散体混合物。
  6. 分散体混合物が、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドアミジン樹脂およびイミド樹脂から選択される他の樹脂の水性分散体、色素、界面活性剤および/または無機充填剤を添加して製造される請求項1〜のいずれかに記載の分散体混合物。
  7. 界面活性剤が下記式(Ia)で表される化合物を含む請求項に記載の分散体混合物。
    Figure 0004564134
    (式中、nは4〜60の整数を表し;LおよびL’は互いに同一であっても異なっていてもよく、下記式で表される化合物からなる群から選ばれる。
    Figure 0004564134
    ここで、pは0または1であり;YはFまたはCF3であり;R’はC1〜C5のアルキレンラジカルであり;R1およびR2は、ともに水素原子であるか、または一方が水素原子であり他方がCH3であり;RfおよびRf′は、互いに同一でも異なっていてもよく、平均分子量250〜1,500を有するパーフルオロポリエーテルラジカル、または上記の分子量を有するパーフルオロカーボンラジカルである。)
  8. fおよびRf’で表されるパーフルオロポリエーテルラジカルが、−CF 3 、−C 2 5 、−C 3 7 、ClCF 2 CF(CF 3 )−、CF 3 CFClCF 2 −、ClCF 2 CF 2 −、ClCF 2 −、CF 3 CFHCF 2 −、HCF 2 CF 2 −およびHCF 2 −からなる群から選ばれるいずれかのT末端基と、下記の基からなる群から選ばれる繰返し単位を主鎖中に含む請求項に記載の分散体混合物。
    −CFXCF2O−または−CFXO−、(式中、XはFまたは−CF3である。)
    −CF2(CF2)zO−(式中、zは2または3である。)
    −CF2CF(ORf'')O−または−CF(ORf'')O−(式中、Rf''は、−CF3、−C25または−C3 7から選ばれる。)
  9. 界面活性剤が、下記式(Ib)
    Figure 0004564134
    (式中、M=HまたはCH3であり;Rf、L、R1、R2およびnは上記の通りである。)で表されるフッ素化ノニオン性化合物である請求項6〜8のいずれかに記載の分散体混合物。
  10. 乾燥物換算濃度が、25〜75重量%である請求項1〜のいずれかに記載の分散体混合物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の分散体混合物の表面被覆としての使用。
  12. 繊維製品に含浸するための請求項1〜10のいずれかに記載の分散体混合物の使用。
  13. キャストフィルム製造のための請求項1〜10のいずれかに記載の分散体混合物の使用。
  14. 下記(a)〜(e)の工程を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の分散体(b)の製造方法。
    (a)パーフルオロ化末端基(1以上のフッ素原子が水素原子および/または塩素原子で置換されていてもよい)を有するパーフルオロポリエーテル(PFPE)の水性微細乳化物を製造する工程と、(b)重合容器中に前記微細乳化物を、微細乳化物のパーフルオロエーテル油相が反応媒体1Lに対して2mLより多量に存在するように供給する工程と、(c)前記重合容器中に反応溶媒を供給し、反応容器中の気体を排出し、TFEガスで加圧する工程と、(d)開始剤を添加する工程と、(e)重合体ラテックスを取出す工程。
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